JP3605336B2 - 光フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信あるいは光情報処理用の光部品に関するものであり、特に、光通信の分野において光信号スペクトルを整形あるいは制御するための光フィルタに関するものである。
【従来の技術】
【0002】
従来、光通信などで使用される光フィルタは、光信号のスペクトルを整形あるいは制御するために使用され、光波長多重通信ネットワークにおいて重要な役割を果たしている。光フィルタは、様々な構成のものがあり、例えば、光ファイバブラッググレーティング型フィルタ、マッハチェンダ干渉計型フィルタ、光ファイバブラッググレーティング型フィルタ、光ファイバ長周期グレーティング型フィルタなどが知られている。
【0003】
このうち、図10に従来の光ファイバ長周期グレーティングを利用する光ファイバ長周期グレーティング型フィルタ100を示す。この光ファイバ長周期グレーティング型フィルタ100は、光ファイバクラッド101の中央位置に設けた光ファイバコア102に、伝搬する光の周期的な屈折率変調を行うための屈折率変調部103を所定位置に一定間隔で備えている。
【0004】
そして、その屈折率変調部103は、光照射などにより、入力部から入射された光信号をクラッドモードと周期的に結合させている。したがって、光ファイバ長周期グレーティング型フィルタ100は、伝搬モードとクラッドモードとの伝搬定数差が、ちょうど屈折率変調の周期と一致する波長成分だけを共鳴的にクラッドモードに変換して放射することができ、複数の波長成分のうちある特定波長の成分だけを除去するのに適している。屈折率変調部103の典型的な周期は、数百μm程度である。
【0005】
なお、光ファイバ長周期グレーティングを利用するフィルタは、誘電体多層膜フィルタや、アレイ導波路格子フィルタ、あるいは、マッハチェンダ干渉型フィルタに比べて、所望の波長成分だけを除去するノッチ型のフィルタが簡易にできるという特徴があり、また、光ファイバブラッググレーティングと異なり、透過型の構成であるために、サーキュレータなどの付加的な光部品を必要としない利点がある。
【0006】
そのため、この光ファイバ長周期グレーティングを利用するフィルタは、光ファイバアンプシステムの利得等化などに向けた実用化が始まっている(例えば、A.Vengsarkar, J. Pedrazzani, J. Judkins, P. Lemaire, N. Bergano, and C. Dabidson, ”Long−period fiber−grating−based gain equalizers,” OSA Optics Letters, vol.21, pp. 336−382, 1996. を参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の光ファイバ長周期グレーティングを利用するフィルタでは、以下に示すような問題点が存在していた。
(1)光ファイバ長周期グレーティングは、伝搬モードとクラッドモードとの結合を利用しているために、ジャケットなどクラッド外周の材料の変化に敏感であり、環境変化によりフィルタ特性が変化してしまう問題があった。
【0008】
(2)光ファイバ長周期グレーティングでは、伝搬モードとクラッドモードとの結合を利用するために、フィルタ特性がクラッド外径およびクラッドモードの分散特性などに敏感であり、精密なフィルタの実現が困難であった。
【0009】
(3)光ファイバ長周期グレーティングでは、光照射などにより屈折率変調を実現するために、その屈折率変調の変化が時間と共に減衰してしまいフィルタ特性の長期安定性に欠ける問題があった。
【0010】
本発明は、前記の問題点に鑑み創案されたものであり、環境の変化や時間経過に対しても安定で、フィルタ特性を精密に設計できる光フィルタを提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、前記の問題点に鑑み創案されたものであり、基板上に形成された入力用光導波路と、基底モードと一次モードとを結合するモード結合手段と、基底モードと一次モードを変換するモード変換手段と、出力用光導波路とがこの順に結合された光フィルタであって、前記モード結合手段は、前記モード結合手段は、光導波路であり、光の伝搬方向に対して直交する方向にずらして形成されるモード入れ換え部を間隔Wごとに有し、その間隔W及び光導波路幅のずれの量は入力信号の光波長おける基底モードと一次モードが共鳴する位相整合条件を満たすように設定されている光フィルタである。
【0012】
このように構成することにより、モード結合手段は、光の伝搬方向に対して直交する方向にずらして光導波路を形成した位置にモード入れ換え部を形成することになる。そして、基底モードと一次モードを例えば扱う場合、光導波路中心に対して左右対称な基底モードは、モード結合手段のモード入れ換え部に入射すると、そのモード入れ換え部から後の光導波路では、光導波路中心に対して左右非対称となり、その基底モードの一部が、光導波路中心に対して非対称な一次モードに切り換えることができる。なお、モード結合手段4における位相整合条件は、モード入れ換え部4aが一定間隔Λであるとすると、入力信号の光波長におけるモード結合手段4の基底モードおよび一次モードとの間のビート長をLbとしたときに、Λ=Lb/2で決められる。
【0013】
また、基板上に形成された入力用光導波路と、基底モードと一次モードを変換する第1のモード変換手段と、基底モードと一次モードとを結合するモード結合手段と、基底モードと一次モードを変換する第2のモード変換手段と、出力用光導波路がこの順に結合された光フィルタであって、前記モード結合手段は、光導波路であり、光の伝搬方向に対して直交する方向にずらして形成されるモード入れ換え部を間隔Wごとに有し、その間隔W及び光導波路幅のずれの量は所定の光波長成分における基底モードと一次モードが共鳴する位相整合条件を満たすように設定されている光フィルタである。
【0014】
このように構成することにより、複数の光信号は、第1のモード変換手段でそれぞれ基底モードあるいは一次モードに変換される。そして、モード結合手段は、光導波路を伝搬方向に対して直交する方向にずらして形成することで、そのずらした光導波路の位置にモード入れ換え部を備えることになる。そのため、基底モードは、そのモード入れ換え部に入射すると、モード入れ換え部から後の光導波路では、光導波路中心に対して左右非対称となり、その基底モードの一部が一次モードに入れ換えられる。また、一次モードはその一部が基底モードに入れ換えられる。
【0015】
そして、前記各構成の光フィルタは、前記モード結合手段におけるモード結合率が、そのモード結合手段の端部では低く、かつ、中央部では高く設定されている構成としても良い。このように構成することで、モード結合係数の空間的な分布を、モード結合手段の端部ではモード結合率を低く、そのモード結合手段の中央部ではモード結合率を高く設定できる。そのため、このモード結合係数の空間的な分布のフーリエ変換で与えられる光フィルタ特性のサイドローブの低減化を行うことができる。
【0016】
さらに、前記モード変換手段は、曲がり光導波路で構成しても良く、また、多モード干渉光カプラで構成しても良い。曲がり光導波路を用いることで、一次モードを含む高次のモードは放射により散逸しやすく、基底モードは散逸し難い構成をとることができる。また、多モード干渉光カプラを用いることで、入力用光導波路または出力用光導波路に接続する光導波路の本数を複数として扱うことが可能となる。加えて、前記入力用光導波路から出力用光導波路まで光を伝搬する光導波路が石英係光導波路であっても良い。石英系光導波路を用いることで、安定的で高精度な光導波路を実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は第1の実施の形態を示す光フィルタを表す模式図、図2は第2の実施の形態を示す光フィルタを表す模式図、図3はモード結合手段の構成を示す要部の模式図、図4(a)はモード結合手段の他の構成を表す模式図,図4(b)はモード結合手段の他の構成を表す模式図、図5は曲がり光導波路によるモード変換手段を示す模式図、図6は多モード干渉光カプラによるモード変換手段を示す模式図、図7は第2の実施の形態を示す光フィルタの動作を示す原理図である。
【0018】
図1に示すように、光フィルタ1は、シリコン基板などの基板2と、この基板2の所定位置に形成した入力用光導波路3と、この入力用光導波路3に連続して形成したモード結合手段4と、このモード結合手段4に連続して形成したモード変換手段5と、このモード変換手段5に連続して形成した出力用光導波路6とを備えている。なお、ここでは一例として出力用光導波路6が3本(第1ないし第3出力用光導波路6a,6b,6c)の場合について説明する。出力用光導波路6は、その本数が1本、2本あるいは4本以上であっても良い。
【0019】
入力用光導波路3は、送られてくる光信号をモード結合手段4に送るように構成されている。
モード結合手段4は、基底モードおよび一次モードを安定に導波する光導波路幅を備えている。そして、図1および図3に示すように、モード結合手段4のモード入れ換え部(光導波路をずらして接合している接続点)4aは、一定間隔Λの光導波路の間で、光の伝搬方向に対して直交する方向に交互にずらして(図面では5箇所)形成されている。モード結合手段4のモード入れ換え部4aは、光信号が伝搬できる光導波路幅のずれ量Dを、一定な(あるいはある関数に従うような)状態に構成することで、送られて来る基底モードおよび一次モードとの間の結合を生じさせている。
【0020】
モード結合手段4における位相整合条件は、モード入れ換え部4aが一定間隔Λであるとすると、入力信号の光波長におけるモード結合手段4の基底モードおよび一次モードとの間のビート長をLbとしたときに、Λ=Lb/2で決められる。そのため、この位相整合条件が満たされる光波長成分だけが共鳴的に一次モードに変換される。
【0021】
したがって、光フィルタ1は、モード結合手段4により基底モードだけを取り出せば、所定の波長成分だけを除去することができる構成にでき、あるいは、モード変換手段5により一次モードだけを取り出せば、所定の波長成分だけを抜き出すように構成することができる。
【0022】
なお、モード結合手段4のモード入れ換え部4aは、図4(a),(b)に示すように構成しても良い。すなわち、図4(a)に示すように、入力用光導波路3側および出力用光導波路6側の光導波路をモード結合量を小さく形成し、かつ、中央部のモード結合量を大きく形成するように構成している。このように図4(a)のようにモード結合手段4を構成することで、光ファイバグレーティングで行われるアポタイジング処理を行うことができる。
【0023】
また、図4(b)に示すように、モード結合手段4のモード入れ換え部4aは、同じ方向にずらすように構成しても良い。なお、図4(b)の構成では、基底モードと一次モードが共鳴するための位相整合条件は、Λ=Lbで与えられる。
【0024】
一方、モード変換手段5は、モード結合手段4から送られて来る基底モードおよび一次モードを弁別して出力用光導波路6に案内している。
【0025】
モード変換手段5の構成は、その一例として図5および図6に示す構成としても構わない。すなわち、モード変換手段5A(5)は、図5に示すように入力ポート5aから連続して曲がり導波路5b1を形成し、その曲がり導波路5b1の後端に出力ポート5cを有するように構成されている。曲がり導波路5b1の曲率は、基底モードをほとんど損失無く伝搬させ、一次モードは放射させて損失となるように設定されている。なお、図5の曲がり導波路5b1を使用する場合には、入力ポート5aおよび出力ポート5bは、光導波路が一対一で対応することから、図1のモード変換手段に対応させる場合は、その一つである中央の光導波路6bに接続する構成としている。
【0026】
したがって、モード変換手段5Aは、入力された光信号を基底モードへと変換するモードの変換手段、あるいは、入力された光信号のうち基底モードのみを出力へと導くモードの変換手段として用いることができる。なお、図5で示す曲がり導波路5b1のレイアウトは、その一例であり特に限定されるものではない。
【0027】
また、図6に示すように、他の構成であるモード変換手段5B(5)を使用しても良い。すなわち、モード変換手段5Bは、多モード干渉光カプラを用いている。このモード変換手段5Bは、一端に形成した入力ポート5aと、この入力ポート5aに連続して形成した多モード干渉光導波路5b2と、この多モード光導波路5b2の他端に連続して形成した出力ポート5cとを備えている。なお、出力ポート5cは、図面では出力用光導波路6(図1参照)に対応させて、第1出力ポート5c1、第2出力ポート5c2、第3出力ポート5c3を有している。
【0028】
そして、入力ポート5aの実効光導波路幅は、第2出力ポート5c2の実効光導波路幅と同等に設定されている。さらに、第1出力ポート5c1と第3出力ポート5c3は、その実効光導波路幅が、入力ポート5aおよび第2出力ポート5c2の実効光導波路幅の1/2となるように設定されている。
また、多モード干渉光導波路5b2の長さLは、その多モード干渉光導波路5b2における基底モードと一次モードとの間のビート長Lcとしたときに、ほぼL=3Lc/4となるように設定されている。
【0029】
このモード変換手段5Bは、多モード干渉光導波路5b2におけるモード分散により入力ポート5aから入力された基底モードを、出力用光導波路6の第2出力用光導波路6bへと導き、さらに、入力ポート5aに入力された一次モードを第1および第3出力用光導波路6a,6cに導くモードの変換手段が実現できる(例えば、J. Leuthold, J. E. Gamper, P. A. Besse, and H. Melchoir, ”Multimode interference couplers for the conversion and combining of zero−and first−order modes,” IEEE/OSA Journal of Lightwave Technology, vol. 16, no. 7, pp. 1228−1239, 1998.を参照)。
【0030】
なお、モード変換手段5Bの入力ポート5aと出力ポート5cを反転して使用すると、第2出力ポート5c2に入力された光を基底モードとして入力ポート5aへと導き、さらに、第1および第3出力ポート5c1,5c3に入力した光を一次モードとして入力ポート5aへと導くモードの変換手段を実現することができる。
【0031】
つぎに、図2を参照して、光フィルタを示す他の実施の形態を説明する。なお、図1に示した構成と同じ部材は、同じ符号を付して説明を省略する。
光フィルタ10は、シリコン基板などの基板2と、この基板2の所定位置に形成した入力用光導波路13と、この入力用光導波路13に連続して形成した第1のモード変換手段17と、この第1のモード変換手段17に連続して形成したモード結合手段4と、このモード結合手段4に連続して形成した第2のモード変換手段5と、この第2のモード変換手段5に連続して形成した出力用光導波路6とを備えている。
【0032】
なお、第1および第2のモード変換手段17,5は、すでに図1、図5および図6で説明したモード変換手段5と同等な構成である。また、入力用光導波路13は、第1ないし第3入力用光導波路13a,13b,13cを備えている。この、入力用光導波路13の本数は、1本、2本あるいは4本以上であっても良く、ここでは一例として3本の設定にしている。
【0033】
この光フィルタ10は、入力側にモード変換手段17を設けているので、モード結合手段4に光導波路の基底モードが入力されるように設定したり、あるいは、モード結合手段4に光導波路の一次モードが入力されるように設定したり、さらに、モード結合手段4に基底モードおよび一次モードが入力されるように設定することが可能となる。
【0034】
図7は、光フィルタ10の動作例を示すものである。なお、ここでは説明のためにつぎのような光信号の入力から出力までの動作を行うものとする。すなわち、入力用光導波路13の第1入力用光導波路13a(あるいは第2入力用光導波路13b)に入力された光信号は、モード変換手段17により光導波路の一次モードとしてモード結合手段4に到ることとする。また、入力用光導波路13の第2入力用光導波路13bに入力された光信号は、モード変換手段17により光導波路の基底モードとしてモード係合手段4に到るとする。そして、モード結合手段4を出力した光導波路の一次モードの光信号は、モード変換手段5により出力用光導波路6の第1および第3出力用光導波路6a,6cに導かれるものとする。また、モード結合手段4を出力した光導波路の基底モードの光信号は、出力用光導波路6の第2出力用光導波路6bに導かれるものとする。
【0035】
いま、図2および図7に示すように、第1入力用光導波路13aおよび第2入力用光導波路13bより、複数の波長成分を有する光信号1および光信号2をそれぞれ入力すると、モード変換手段17で光信号1および光信号2はそれぞれ光導波路の一次モードおよび基底モードに変換されてモード結合手段4へと導かれる。ここで、モード結合手段4では、周期的に基底モードと一次モードの結合が生じるように設定されているので、特定の波長成分だけが共鳴的にモード結合して、光信号1と光信号2の間で交換される。そして、特定の波長成分だけが交換された光信号1および光信号2は、モード変換手段5により変換されて、光信号1は第1出力用光導波路6a(および第3出力用光導波路6c)より、また、光信号2は第2出力用光導波路6bより取り出される。したがって、このような光フィルタ10の構成により、例えば、波長多重された光信号の波長チャネルを入れ替えることなども可能となる。
【0036】
【実施例】
つぎに、第2の実施の形態で示した光フィルタを、石英系光導波路を用いて実際に形成した場合について説明する。まず、シリコン基板上に火炎堆積法によりSiO2下部クラッド層を堆積し、つづいてGeO2をドーパントとして添加したSiO2ガラスのコア層を堆積した後に、電気炉で透明ガラス化した。つぎに、コア層をエッチングしてコア部を作成した。最後にSiO2上部クラッド層を堆積し、再度電気炉で透明ガラス化した。ここで、光導波路の比屈折率は、1.5%、コア厚は4.6μmとした。
【0037】
なお、作成した回路ではモード変換手段として、図6に示した多モード干渉光カプラを用いた。ここで、モード変換特性を得るために多モード干渉光導波路の幅を34μm、長さを1247.2μmとした。さらに、モード結合手段は、光導波路を光の伝搬方向に対して垂直に交互にずらしてモード入れ換え部を形成した。このモード入れ換え部のずれ量は、0.1μmとし、隣り合うモード入れ換え部(接続点)の間隔W(図3(a)参照)は、136.9μmとした。また、モード入れ換え部の数は、60箇所とした。
【0038】
なお、作成した回路ではモード変換手段として、図6に示した多モード干渉光カプラを用いた。ここで、モード変換特性を得るために多モード干渉光導波路の幅を34μm、長さを1247.2μmとした。さらに、モード結合手段は、光導波路を光の伝搬方向に対して垂直に交互にずらしてモード入れ換え部を形成した。このモード入れ換え部のずれ量は、0.1μmとし、隣り合うモード入れ換え部(接続点)の間隔W(図3参照)は、136.9μmとした。また、モード入れ換え部の数は、60箇所とした。
【0039】
また、図9は、前記の光フィルタの構成で、モード結合手段のモード入れ換え部のずれ量D(図3参照)を、中央部では大きくなるように設定した(例えば図4(a)の構成)ときのフィルタ特性である。図9に示すように、その曲線は、入力用光導波路13bに光を入力したとき、第1および第3出力用光導波路6a,6cおよび第2出力用光導波路6b(図2参照)での透過率を示す光波長依存性である。
【0040】
なお、モード結合手段のモード入れ換え部のずれ量を示すプロファイルは、結合率がいわゆるハニング窓関数となるように設定した。そして、ここでの最大ずれ量D(図3参照)は、0.2μmとなるように設定している。図9より、出力用光導波路6a,6cより取り出される波長成分は、スペクトルのサイドローブが抑制されていることが分かる
【0041】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成しているため以下の優れた効果を奏する。
(1)光フィルタは、光導波路の基底モードと一次モードの周期的結合を用いて、所望の波長成分を選択的に取捨する安定性のあるフィルタ特性を実現することができる。また、光フィルタは、光導波路の基底モードと一次モードの周期的結合を行う場合に、光導波路の光の伝搬方向に対して垂直なずれを用いているために、精密なフィルタ特性を設計することができる。そして、光フィルタは、時間経過および環境変化に対して安定したモード変換手段を備える構成を実現できる。
【0042】
(2)光フィルタは、入力側にモード変換手段17を設けているので、モード結合手段に、光導波路の基底モードが入力されるように、あるいは、光導波路の一次モードが入力されるように、さらに、基底モードおよび一次モードの両者が入力されるように設定することが可能となる。そのため、光フィルタは、波長多重された光信号の波長チャネルを入れ替えることなどができる。
【0043】
(3)光フィルタは、モード結合手段の中央部と端部でそのモード結合率を変える構成とすることで、サイドローブを低減することができる構成とすることが可能となる。
【0044】
(4)光フィルタは、そのモード変換手段を、曲がり光導波路を用いることで、簡単な構成により光信号のモードを選択する構成を実現することができる。また、そのモード変換手段を、多モード干渉光カプラを用いることで、波長多重された光信号の波長チャネルを入れ換えることなども可能となる。さらに、光フィルタの光導波路を、石英系光導波路を用いることで、安定で高精度な光導波路を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す光フィルタを表す模式図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す光フィルタを表す模式図である。
【図3】本発明のモード結合手段の構成を示す腰部の模式図、
【図4】(a)はモード結合手段の他の構成を示す模式図、(b)は、本発明のモード結合手段の他の構成を示す模式図である。
【図5】本発明の曲がり光導波路によるモード変換手段を示す模式図である。
【図6】本発明の多モード干渉光カプラによるモード変換手段を示す模式図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示す光フィルタの動作を示す原理図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示す光フィルタのフィルタ特性を表すグラフ図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示す光フィルタで図3(b)の構成のモード結合手段としたときのフィルタ特性を表すグラフ図である。
【図10】従来の光フィルタを示す模式図である。
【符号の説明】
1,10 光フィルタ
2 基板
3,13 入力用光導波路
4 モード結合手段(第2のモード結合手段)
5 モード変換手段
5a 入力ポート
5b1 曲がり光導波路
5b2 多モード干渉光導波路
5c 出力ポート
5c1 第1出力ポート
5c2 第2出力ポート
5c3 第3出力ポート
6,13 出力用光導波路
6a 第1出力用光導波路
6b 第2出力用光導波路
6c 第3出力用光導波路
13a 第1入力用光導波路
13b 第2入力用光導波路
13c 第3入力用光導波路
Claims (6)
- 基板上に形成された入力用光導波路と、基底モードと一次モードとを結合するモード結合手段と、基底モードと一次モードを変換するモード変換手段と、出力用光導波路とがこの順に結合された光フィルタであって、
前記モード結合手段は、光導波路であり、光の伝搬方向に対して直交する方向にずらして形成されるモード入れ換え部を間隔Wごとに有し、その間隔W及び光導波路幅のずれの量は入力信号の光波長おける基底モードと一次モードが共鳴する位相整合条件を満たすように設定されていることを特徴とする光フィルタ。 - 基板上に形成された入力用光導波路と、基底モードと一次モードを変換する第1のモード変換手段と、基底モードと一次モードとを結合するモード結合手段と、基底モードと一次モードを変換する第2のモード変換手段と、出力用光導波路がこの順に結合された光フィルタであって、
前記モード結合手段は、光導波路であり、光の伝搬方向に対して直交する方向にずらして形成されるモード入れ換え部を間隔Wごとに有し、その間隔W及び光導波路幅のずれの量は所定の光波長成分における基底モードと一次モードが共鳴する位相整合条件を満たすように設定されていることを特徴とする光フィルタ。 - 前記モード変換手段が曲がり光導波路であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光フィルタ。
- 前記モード変換手段が多モード干渉光カプラであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光フィルタ。
- 前記モード結合手段におけるモード結合率が、そのモード結合手段の端部では低く、かつ、中央部では高く設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の光フィルタ。
- 前記入力用光導波路から出力用光導波路まで光を伝搬する光導波路が石英系光導波路であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の光フィルタ。
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