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JP3605866B2 - 非水二次電池 - Google Patents
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JP3605866B2 - 非水二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、充放電特性を改良し、かつ安全性を高めた非水二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非水二次電池用負極材料としては、リチウム金属やリチウム合金が代表的であるが、それらを用いると充放電中にリチウム金属が樹枝状に成長し、内部ショートしたり、その樹枝状金属自体の活性が高く、発火する危険をはらんでいる。これに対して、最近、リチウムを挿入放出することができる焼成炭素質材料が実用されるようになってきた。この炭素質材料の欠点は、それ自体が導電性をもつので、過充電や急速充電の際に炭素質材料の上にリチウム金属が析出することがあり、結局、樹枝状金属を析出してしまうことになる。これを避けるために、充電器を工夫したり、正極活物質量を少なくして、過充電を防止する方法を採用したりしているが、後者の方法では、活物質物質の量が限定されるので、そのため、放電容量も制限されてしまう。また、炭素質材料は密度が比較的小さいため、体積当りの容量が低いという二重の意味で放電容量が制限されてしまうことになる。
【0003】
更に、特開平6ー275268号公報にはSnO、特開平6ー325765号公報には珪素酸化物、特に珪素が4価以下の価数である珪素酸化物、特開平6ー338325号公報には錫と他の元素の複合酸化物を負極材料として用いることが記載されている。これらの負極材料には、高放電電位かつ高容量のものもあるがサイクル寿命に優れ、高電流適性が優れたものは開発されておらず、二次電池の性能としては不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、この充放電サイクル特性を改良し、かつ高い放電電圧、高容量で安全性を高めた非水二次電池を得ることである。また、高電流適性に優れた非水二次電池を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、正極材料、負極材料、リチウム塩を含む非水電解質から成る非水二次電池において、該負極材料が下記一般式(2)で示される化合物を主体とする非晶質酸化物からなり、該非晶質酸化物が、CuKα線を用いたX線回折法で2θ値で20°から40°に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物であり、2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が該ブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の500倍以下の物であることを特徴とする非水二次電池により達成された。
SnM 3 p 5 q 7 r 一般式(2)
(式中、M 3 はS i 、G e 、P b 、P、B、Al、Asから選ばれる少なくとも一種、M 5 はBe,Mg,Ca,Sr,Baから選ばれる少なくとも一種、M 7 はOであり、p,qは各々0.001〜10、rは1.00〜50の数字を表す。)
【0007】
本発明で言う非晶質酸化物は電池組み込み時に主として非晶質であることが好ましい。ここで言う主として非晶質とはCuKα線を用いたX線回折法で2θ値で20°から40°に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物であり、2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の500倍以下であることである。さらに好ましくは100倍以下であり、特に好ましくは5倍以下であり、最も好ましくは結晶性の回折線を有さないことである。
【0009】
非晶質酸化物は下記一般式(2)で表される化合物を主体とする
SnM3pM5qM7r 一般式(2)
式中、M3 はSi 、Ge 、Pb 、P、B、Al、As、から選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはSi 、Ge 、P、B、Al、であり、特に好ましくはSi 、P、B、Al、である。M5 はBe,Mg,Ca,Sr,Baから選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはMg,Caで、特に好ましくはMgである。M7 はOである。p、qは各々0.001〜10であり、好ましくは0.01〜5であり、さらに好ましくは0.01〜1.5であり、特に好ましくは0.7〜1.5である。rは1.00〜50であり、好ましくは1.00〜26であり、特に好ましくは1.02〜6である。一般式(2)として好ましくは一般式(3)としてあらわされる。
SnSis M3pM5qOt 一般式(3)
式中、M3 はGe 、Pb 、P、B、Al、As、から選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはGe 、P、B、Al、であり、特に好ましくはP、B、Al、である。M5 は一般式(2)と同じ。p,q,sは各々0.01〜5.0、tは1.0〜26の数字を表す。p,qはさらに好ましくは0.01〜1.5であり、特に好ましくは0.7〜1.5である。tは特に好ましくは1.02〜6である。
【0010】
一般式(3)の特に好ましい化合物は、一般式(4)で表される。
SnSip MqMgr Os 一般式(4)で
式中、MはGe、P,B,Alから選ばれる少なくとも一種であり、好ましくはP,B,Alである。p ,q 、r は各々0.01〜5.0、さらに好ましくは0.01〜1.5であり、特に好ましくは0.7〜1.5である。s は1.0〜26の数字を表す。特に好ましくは1.02〜6である。
一般式(1),(2)、(3)、(4)で示される酸化物を主体とする複合酸化物としては例えば下記のものがあるが、これらに限定されるものではない。
SnSi0.8 Mg0.2 2.8 、SnB0.5 0.2 Mg0.3 2.55、SnSi0.6 10.2Mg0.2 2.7 、SnSi0.6 10.10.1 0.1 Mg0.2 2.95、SnSi0.8 Ca0.2 2.8 、SnB0.5 0.2 Ca0.3 2.55、SnSi0.6 10.2Ca0.2 0.7 、SnSi0.6 10.10.1 0.1 Ca0.2 2.95、SnSi0.5 10.20.1 0.1 Mg0.1 2.8 、SnSi0.5 10.10.2 0.1 Mg0.4 3.1 、SnSi0.5 10.20.2 Mg0.2 2.8 、SnSi0.5 10.20.1 0.1 Ca0.1 2.8 、SnSi0.5 10.10.2 0.1 Ca0.4 3.1 、SnSi0.5 10.20.2 Ca0.2 2.8 、SnSi0.8 Ba0.2 2.8 、SnB0.5 0.2 Ba0.3 2.55、SnSi0.6 10.2Ba0.2 2.7 、SnSi0.6 10.10.1 0.1 Ba0.2 2.95
【0011】
また一般式(2),(3)、(4)におけるSn、Si、一般式(2)、(3)のM3 および一般式(4)のM8 の価数は特に限定されることはなく、単独価数であっても、各価数の混合物であっても良い。また一般式 (2)で示される化合物のM3 ,M5 の量は、Snに対して0.01〜10モル当量の範囲において連続的に変化させることができ、それに応じてM7 の量(一般式()において、rの値)も連続的に変化する。また一般式(3)で示される化合物のSi,M3 ,M5 の量は、Snに対して0.01〜5.0モル当量の範囲において連続的に変化させることができ、それに応じて酸素の量(一般式(3)において、t の値)も連続的に変化する。また一般式(4)で示される化合物のSi,M8 ,Mgの量は、Snに対して0.01〜5.0モル当量の範囲において連続的に変化させることができ、それに応じて酸素の量(一般式(4)において、の値)も連続的に変化する。
【0012】
本発明においては、以上示したような一般式()から(4)で示される化合物を主として負極材料として用いることにより、より充放電サイクル特性の優れた、かつ高い放電電圧、高容量で安全性が高く,高電流特性が優れた非水二次電池を得ることができる。本発明において、特に優れた効果を得ることができるのは、Snを含有し且つSnの価数が2価で存在する化合物を負極材料として用いることである。Snの価数は化学滴定操作によって求めることができる。例えばPhysics and Chemistry of Glasses Vol.8 No.4 (1967)の165頁に記載の方法で分析することができる。また、Snの固体核磁気共鳴(NMR)測定によるナイトシフトから決定することも可能である。例えば、幅広測定において金属Sn(0価のSn)はSn(CH3)4 に対して7000ppm付近と極端に低磁場にピークが出現するのに対し、SnO(=2価)では100ppm付近、SnO2 (=4価)では−600ppm付近に出現する。このように同じ配位子を有する場合ナイトシフトが中心金属であるSnの価数に大きく依存するので、 119Sn−NMR測定で求められたピーク位置で価数の決定が可能となる。本発明の負極材料に各種化合物を含ませることができる。例えば、1族元素(Li、Na、K、Rb、Cs)、遷移金属(Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、ランタノイド系金属、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg)や周期表17族元素(F、Cl、Br、I)を含ませることができる。また電子伝導性をあげる各種化合物(例えば、Sb、In、Nbの化合物)のドーパントを含んでもよい。添加する化合物の量は0〜20モル%が好ましい。
【0013】
本発明における一般式()〜(4)で示される酸化物を主体とする複合酸化物の合成法は焼成法、溶液法いずれの方法も採用することができる。例えば焼成法について詳細に説明するとSn化合物、M2 化合物とM4 化合物( 2 Si 、Ge Pb 、P、B、Al、As4 はBe,Mg,Ca,Sr,Ba)を混合し、焼成せしめればよい。Sn化合物としてはたとえばSnO、SnO2 、Sn23 、Sn34 、Sn713・H2 O、Sn815、水酸化第一錫、オキシ水酸化第二錫、亜錫酸、蓚酸第一錫、燐酸第一錫、オルト錫酸、メタ錫酸、パラ錫酸、弗化第一錫、弗化第二錫、塩化第一錫、塩化第二錫、臭化第一錫、臭化第二錫、沃化第一錫、沃化第二錫、セレン化錫、テルル化錫、ピロリン酸第一錫、リン化錫、硫化第一錫、硫化第二錫、等を挙げることができる。Si化合物としてはたとえばSiO2 、SiO、四塩化珪素、四臭化珪素、トリクロロメチルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等のハロゲン化有機珪素化合物、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン等の有機珪素化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、トリクロロハイドロシラン等のハイドロシラン化合物を挙げることができる。Ge化合物としてはたとえばGeO2 、GeO、四塩化ゲルマニウム、四臭化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド等のアルコキシゲルマニウム化合物等を挙げることができる。Pb化合物としてはたとえばPbO2 、PbO、Pb23 、Pb34 、PbCl2 、塩素酸鉛、過塩素酸鉛、硝酸鉛、炭酸鉛、蟻酸鉛、酢酸鉛、四酢酸鉛、酒石酸鉛、鉛ジエトキシド、鉛ジ(イソプロポキシド)等を挙げることができる。P化合物としてはたとえば五酸化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リン、三臭化リン、トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸ピロリン酸第一錫、リン酸ホウ素等を挙げることができる。B化合物としてはたとえば三二酸化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、炭化ホウ素、ほう酸、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリプロピル、ほう酸トリブチル、リン化ホウ素、リン酸ホウ素等を挙げることができる。Al化合物としてはたとえば酸化アルミニウム(−アルミナ、−アルミナ)、ケイ酸アルミニウム、アルミニウムトリ−iso−プロポキシド、亜テルル酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ホウ化アルミニウム、リン化アルミニウム、リン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ほう酸アルミニウム、硫化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ホウ化アルミニウム等を挙げることができる
【0014】
Be,Mg,Ca,Sr,Ba化合物としては、各々の酸化塩、水酸化塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン塩,硫化塩、窒化塩、炭化塩,アルミニウム化合物等を挙げることができる。
【0015】
焼成条件としては、昇温速度として昇温速度毎分4℃以上2000℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは6℃以上2000℃以下である。とくに好ましくは10℃以上2000℃以下であり、かつ焼成温度としては250℃以上1500℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは350℃以上1500℃以下であり、とくに好ましくは500℃以上1500℃以下であり、かつ焼成時間としては0.01時間以上100時間以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.5時間以上70時間以下であり、とくに好ましくは1時間以上20時間以下であり、かつ降温速度としては毎分2℃以上10℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは4℃以上10℃以下であり、とくに好ましくは6℃以上10℃以下であり、特に好ましくは10℃以上10℃以下である。
本発明における昇温速度とは「焼成温度(℃表示)の50%」から「焼成温度(℃表示)の80%」に達するまでの温度上昇の平均速度であり、本発明における降温速度とは「焼成温度(℃表示)の80%」から「焼成温度(℃表示)の50%」に達するまでの温度降下の平均速度である。
降温は焼成炉中で冷却してもよくまた焼成炉外に取り出して、例えば水中に投入して冷却してもよい。またセラミックスプロセッシング(技報堂出版 1987)217頁記載のgun法・Hammer−Anvil法・slap法・ガスアトマイズ法・プラズマスプレー法・遠心急冷法・melt drag法などの超急冷法を用いることもできる。またニューガラスハンドブック(丸善 1991)172頁記載の単ローラー法、双ローラ法を用いて冷却してもよい。焼成中に溶融する材料の場合には、焼成中に原料を供給しつつ焼成物を連続的に取り出してもよい。焼成中に溶融する材料の場合には融液を攪拌することが好ましい。
【0016】
焼成ガス雰囲気は好ましくは酸素含有率が5体積%以下の雰囲気であり、さらに好ましくは不活性ガス雰囲気である。不活性ガスとしては例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等が挙げられる。
【0017】
本発明に用いる一般式()〜(4)で示される化合物の平均粒子サイズは0.1〜60μmが好ましく、1.0〜30μmが特に好ましく、2.0〜20μmがさらに好ましい。所定の粒子サイズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことが出来る。所望の粒径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
【0018】
本発明で用いられるより好ましいリウム含有遷移金属酸化物正極材料としては、リチウム化合物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なくとも1種)の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成することが好ましい。本発明で用いられるとくに好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料としては、リチウム化合物/遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種)の合計のモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成することが好ましい。
本発明で用いられるとくに好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料とは、LiQO(ここでQは主として、その少なくとも一種がCo、Mn、Ni、V、Feを含む遷移金属)、x=0.2〜1.2、y=1.4〜3)であることが好ましい。QがCoの場合は特に好ましい。Qとしては遷移金属以外にAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、B、Znなどを混合してもよい。混合量は遷移金属に対して0〜30モル%が好ましい。
【0019】
本発明で用いられる好ましい具体的なリチウム含有金属酸化物正極材料としては、Lix CoO、Lix NiO、Lix MnO、Lix Coa Ni1−a 、Lix Cob V1−b Oz 、Lix Cob Fe1−b 、Lix Mn、Lix Mnc Co2−c 、Lix Mnc Ni2−c 、Lix Mnc V2−c 、Lix Mnc Fe2−c (ここでx=0.7〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.96、z=2.01〜2.3)があげられる。
本発明で用いられる最も好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極材料としては、Lix CoO、Lix NiO、Lix MnO、Lix Coa Ni1−a 、Lix Mn、Lix Cob V1−b Oz(ここでx=0.7〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9〜0.98、z=2.01〜2.3)があげられる。
ここで、上記のx値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
【0020】
本発明の非水二次電池に用いられる正・負極は、正極合剤あるいは負極合剤を集電体上に塗設、あるいはペレット状に成形して作ることができる。正極あるいは負極合剤には、それぞれ正極材料あるいは負極材料の他、それぞれに導電剤、結着剤、分散剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増強剤や各種添加剤を含むことができる。
【0021】
さらに本発明の負極材料は、軽金属、特にリチウムを挿入して用いることができる。リチウムの挿入方法は、電気化学的、化学的、熱的方法が好ましい。
本発明の負極材料へのリチウム挿入量は、リチウムの析出電位に近似するまででよいが、例えば上記の好ましい負極材料当たり50〜700モル%が好ましい。特に100〜600モル%が好ましい。
本発明で使用できる正極及び負極中の導電剤は、グラファイト、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉、金属繊維やポリフェニレン誘導体であり、特にグラファイト、アセチレンブラックが好ましい。
本発明で使用できる正極及び負極中の結着剤は、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、澱粉、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリプロピレン、SBR,EPDM、スルホン化EPDM、フッ素ゴム、ポリブタジエン、ポリエチレンオキシドであり、特にポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。
【0022】
本発明で使用できる正極及び負極の支持体即ち集電体は、材質として、正極にはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金であり、負極には銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金であり、形態としては、箔、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金網である。特に、正極にはアルミニウム箔、負極には銅箔が好ましい。
本発明で使用できるセパレータは、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄膜であれば良く、材質として、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリイミド、ナイロン、ガラス繊維、アルミナ繊維が用いられ、形態として、不織布、織布、微孔性フィルムが用いられる。特に、材質として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合体、ポリプロピレンとテフロンの混合体、ポリエチレンとテフロンの混合体が好ましく、形態として微孔性フィルムであるものが好ましい。特に、孔径が0.01〜1μm、厚みが5〜50μmの微孔性フィルムが好ましい。
【0023】
本発明で使用できる電解液は、有機溶媒としてプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスフォキシド、ジオキソラン、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、アセトニトリル、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロ誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンの少なくとも1種以上を混合したもの、また電解質として、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムの1種以上の塩を溶解したものが好ましい。特にプロピレンカーボネートあるいはエチレンカーボネートと1、2−ジメトキシエタン及び/あるいはジエチルカーボネートとの混合溶媒にLiCFSO、LiClO、LiBF、及び/あるいはLiPFを溶解したものが好ましく、特に、少なくともエチレンカーボネートとLiPFを含むことが好ましい。
【0024】
電池の形状はボタン、コイン、シート、シリンダー、角などのいずれにも適用できる。ボタン、コインでは、合剤をペレット状にプレス成形して用い、シート、角、シリンダーでは合剤を集電体上に塗設、乾燥、脱水、プレスして用いる。電池は、ペレット、シート状あるいはセパレーターと共に巻回した電極を電池缶に挿入し、缶と電極を電気的に接続し、電解液を注入し封口して形成する。この時、安全弁を封口板として用いることができる。更に電池の安全性を保証するためにPTC素子を用いるのが好ましい。
【0025】
本発明で使用できる有底電池外装缶は、材質として、ニッケルメッキを施した鉄鋼板、ステンレス鋼板(SUS304、SUS304L,SUS304N、SUS316、SUS316L、SUS430、SUS444等)、ニッケルメッキを施したステンレス鋼板(同上)、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタン、銅であり、形状として、真円形筒状、楕円形筒状、正方形筒状、長方形筒状である。特に、外装缶が負極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、ニッケルメッキを施した鉄鋼板が好ましく、外装缶が正極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、アルミニウムまたはその合金が好ましい。
【0026】
本発明で使用できるガスケットは、材質として、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリイミド、ポリアミドであり、耐有機溶媒性及び低水分透過性から、オレフィン系ポリマーが好ましく、特にプロピレン主体のポリマーが好ましい。さらに、プロピレンとエチレンのブロック共重合ポリマーであることが好ましい。
【0027】
本発明の電池は必要に応じて外装材で被覆される。外装材としては、熱収縮チューブ、粘着テープ、金属フィルム、紙、布、塗料、プラスチックケース等がある。また、外装の少なくとも一部に熱で変色する部分を設け、使用中の熱履歴がわかるようにしても良い。
本発明の電池は必要に応じて複数本を直列及び/または並列に組み電池パックに収納される。電池パックには正温度係数抵抗体、温度ヒューズ、ヒューズ及び/または電流遮断素子等の安全素子の他、安全回路(各電池及び/または組電池全体の電圧、温度、電流等をモニターし、必要なら電流を遮断する機能を有す回路)を設けても良い。また電池パックには、組電池全体の正極及び負極端子以外に、各電池の正極及び負極端子、組電池全体及び各電池の温度検出端子、組電池全体の電流検出端子等を外部端子として設けることもできる。また電池パックには、電圧変換回路(DC−DCコンバータ等)を内蔵しても良い。また各電池の接続は、リード板を溶接することで固定しても良いし、ソケット等で容易に着脱できるように固定しても良い。さらには、電池パックに電池残存容量、充電の有無、使用回数等の表示機能を設けても良い。
【0028】
本発明の電池は様々な機器に使用される。特に、ビデオムービー、モニター内蔵携帯型ビデオデッキ、モニター内蔵ムービーカメラ、コンパクトカメラ、一眼レフカメラ、使い捨てカメラ、レンズ付きフィルム、ノート型パソコン、ノート型ワープロ、電子手帳、携帯電話、コードレス電話、ヒゲソリ、電動工具、電動ミキサー、自動車等に使用されることが好ましい。
【0029】
【実施例】
以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施例に限定されるものではない。
合成例1
一酸化錫13.5g 、二酸化珪素4.8g 、酸化マグネシウム0.64gを乾式混合し、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下15℃/分で1000℃まで昇温した。1150℃で12時間焼成した後、10℃/分で室温にまで降温し、焼成炉より取り出して、これを粗粉砕し、さらにジェットミルで粉砕し、平均粒径4.5μm のSnSi0.8 Mg0.2 2.8 を得た。 (化合物1−A)
また、CuKα線を用いたX線回折法において2θ値で28°付近に頂点を有するブロードなピークを有する物であり、2θ値で40°以上70°以下には結晶性の回折線は見られなかった。
同様の方法で、それぞれ化学量論量の原料を混合、焼成、粉砕し以下に示す化合物を合成した。また、それら化合物はCuKα線を用いたX線回折法において2θ値で20°から40°に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物であった。また、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度をA、2θ値で40°以上70°以下に結晶性の回折線が見られる場合、その内最も強い強度をB(結晶性の回折線が無い場合B=0)としたとき、B/Aの値を化合物番号とともに示す。なお、1−AはB/A=0であった。
【0030】
同様の方法で、それぞれ化学量論量の原料を混合、焼成、粉砕し、下記の化合物を得た。SnSi0.8 Mg0.2 2.8(1−B)、SnSi0.6 10.2Mg0.2 2.7(1−C)、SnSi0.6 0.2 Mg0.2 2.9(1−D)、SnSi0.6 10.10.2 Mg0.1 2.75(1−E)、SnSi0.5 0.1 0.1 Ca0.3 2.7(1−F)。SnSiO(1−X;比較例)。
これらの化合物のB/A値はいずれも0であった。
【0031】
合成例2
一酸化錫13.5g 、二酸化珪素4.8g 、酸化マグネシウム0.64gを乾式混合し、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下15℃/分で1000℃まで昇温した。1200℃で4時間焼成した後、アルゴン雰囲気下ステンレスホイ−ル上に流し出し急冷した(冷却速度 200度/分)。該化合物を粗粉砕し、さらに振動ミルで粉砕し、平均粒径3.5μm のSnSi0.8 Mg0.2 2.8 を得た。(化合物2−A)
また、X線回折においてB/A=0であった。
【0032】
合成例3
一酸化錫13.5g 、二酸化珪素4.8g 、酸化マグネシウム0.64gを乾式混合し、アルミナ製るつぼに入れ、空気中、1200℃で10時間焼成した。焼成後室温にまで冷却し(冷却速度 4度/分)、焼成炉より取り出して、ジェットミルで粉砕し、平均粒径4μm のSnSi0.8 Mg0.2 2.8 を得た。(化合物3−A)
また、X線回折においてB/A=0であった。
同様の方法で、それぞれ化学量論量の原料を混合、焼成、粉砕し、それぞれSnSi0.5 0.3 Mg0.2 2.6(3−B、B/A=2.8)、SnSi0.7 0.1 Mg0.2 2.2(3−C、B/A=6.4)、SnSi0.5 0.3 0.1 Mg0.1 2.6(3−D、B/A=3.2)を得た。
【0033】
実施例1
負極材料として、合成例1で合成した化合物1−Aを用いて、それを86重量%、鱗片状黒鉛6重量%、アセチレンブラック3重量%の割合で混合し、更に結着剤としてポリフッ化ビリニデンの水分散物を4重量%およびカルボキシメチルセルロース1重量%を加え、水を媒体として混練してスラリーを作製した。該スラリーを厚さ18μmの銅箔の両面に、エクストルージョン法により塗布し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成型し、所定の幅、長さに切断して帯状の負極シートを作製した。負極シートの厚みは124μmであった。正極材料として、LiCoOを87重量%、鱗片状黒鉛6重量%、アセチレンブラック3重量%、さらに結着剤としてポリテトラフルオロエチレン水分散物3重量%とポリアクリル酸ナトリウム1重量%を加え、水を媒体として混練して得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に上記と同じ方法で塗布、乾燥、プレス、切断した。そして、220μmの帯状正極シートを作製した。
上記負極シートおよび正極シートのそれぞれ端部にそれぞれニッケル、アルミニウムのリード板をスポット溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中で150℃2時間脱水乾燥した。
さらに、脱水乾燥済み正極シート(8)、微多孔性ポリプロピレンフィルムセパレーター(セルガード2400)、脱水乾燥済み負極シート(9)およびセパレーター(10)の順で積層し、これを巻き込み機で渦巻き状に巻回した。
【0034】
この巻回体を負極端子を兼ねる、ニッケルメッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶(11)に収納した。1L当たりLiPFとLiBFを各々0.9,0.1mol含有し、溶媒がエチレンカーボネート、ブチレンカーボネートとジメチルカーボネートの2:2:6容量混合液からなる電解質を電池缶に注入した。正極端子を有する電池蓋(12)をガスケット(13)を介してかしめて円筒型電池を作製した。なお、正極端子(12)は正極シート(8)と、電池缶(11)は負極シート(9)とあらかじめリード端子により接続した。図1に円筒型電池の断面を示した。なお、(14)は安全弁である。
負極材料1−Aを表1に記載の化合物に変えた以外は同様にして円筒型電池を製作した。
充放電条件は、4.3〜2.7V、1mA/cmとした。その結果を、下記に示した。
【0035】
略号の説明 a;負極材料、b;第1回放電容量(負極材料1g当たりmAh)、c;充放電サイクル性(第1回目の容量の85%になるサイクル数)、d;充放電電流が5mAの場合の第1回放電容量/1mAの場合の第1回放電容量の比
Figure 0003605866
【0036】
本発明の負極材料を用いたサンプルNo.1〜11は、比較例のNo.12に較べ、容量が同等以上で、充放電サイクル性に優れ、かつ高電流を用いた充放電特性に優れ好ましい。
【0037】
【発明の効果】
本発明のように、正極材料にリチウム含有遷移金属酸化物、負極材料として、少なくとも1種の特定の複合酸化物を用いると高い放電作動電圧、大きな放電容量と優れた充放電サイクル特性、高電流適性を与える非水二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に使用した円筒型電池の断面図を示したものである。
【符号の説明】
8 正極シート
9 負極シート
10 セパレーター
11 電池缶
12 電池蓋
13 ガスケット
14 安全弁

Claims (7)

  1. 正極材料、負極材料、リチウム塩を含む非水電解質から成る非水二次電池において、該負極材料が下記一般式(2)で示される化合物を主体とする非晶質酸化物からなり、該非晶質酸化物が、CuKα線を用いたX線回折法で2θ値で20°から40°に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物であり、2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が該ブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の500倍以下の物であることを特徴とする非水二次電池。
    SnM 3 p 5 q 7 r 一般式(2)
    (式中、M 3 はS i 、G e 、P b 、P、B、Al、Asから選ばれる少なくとも一種、M 5 はBe,Mg,Ca,Sr,Baから選ばれる少なくとも一種、M 7 はOであり、p,qは各々0.001〜10、rは1.00〜50の数字を表す。)
  2. 該負極材料が電池組み込み時に主として非晶質酸化物であることを特徴とする請求項1記載の非水二次電池。
  3. 該負極材料の少なくとも一種が、下記一般式(3)
    SnSis M3pM5qOt 一般式(3)
    (式中、M3 はGe,Pb,P,B,Alから選ばれる少なくとも一種、M5 は一般式(2)と同じ。p,q,sは各々0.01〜5.0、tは1.0〜26の数字を表す。)で示される化合物を主体とすることを特徴とする請求項1又は請求項記載の非水二次電池。
  4. 該負極材料を昇温速度毎分10℃以上2000℃以下で昇温し、かつ250℃以上1500℃以下で0.01時間以上100時間以下焼成しかつ降温速度毎分2℃以上107 ℃以下で得ることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の非水二次電池。
  5. 該正極材料は、リチウム含有遷移金属酸化物であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の非水二次電池。
  6. 該正極材料の少なくとも1種が、Lix QOy (式中、Qは、その少なくとも1種がCo、Mn、Ni、V、Feを含む遷移金属、x=0.2〜1.2、y=1.4〜3)であることをを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の非水二次電池。
  7. 該正極材料の少なくとも1種が、Lix CoO2 、Lix NiO2 、Lix MnO2 、Lix Coa Ni1-a2 、Lix Cob V1-bz 、Lix Cob Fe1-b2 、Lix Mn24 、Lix Mnc Co2-c4 、Lix Mnc Ni2-c4 、Lix Mnc V2-c4 、Lix Mnc Fe2-c4(式中、x=0.2〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.96、z=2.01から2.3)であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の非水二次電池。
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