JP3606413B2 - データ受信装置および方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ受信装置および方法に関し、特に、所定のデータのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、その事後確率からメトリックを計算するデータ受信装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
米国においては、デジタル放送が既に開始されている。ヨーロッパでも、デジタルテレビ放送を導入するために、標準化組織Digital Video Broadcasting(DVB)が結成され、その標準方式がまとめられようとしている。このデジタル放送については、例えば、日経エレクトロニクス1996.1.15(no.653)の第139頁乃至第151頁に、「ディジタル放送,米国についで欧州も実用へ」として紹介されている。
【0003】
デジタル放送を行う場合、その消費電力ができるだけ少なくなるようにすることが望まれる。このような電力制限の厳しいこのような通信路においては、一般的に、誤り訂正符号を用いて符号化利得を得て電力の低減が図られている。この様なシステムにおいては、送信側で誤り訂正符号化を行い、受信側で誤り訂正復号を行うのが一般的である。特に信号電力対雑音電力比(C/N比)の小さい通信路においては、畳み込み符号が有利であり、この符号はビタビ復号法を用いることにより、容易に軟判定復号を行うことができ、高利得を得ることができる。
【0004】
さらに、畳み込み符号化器の符号出力の系列を、ある一定の規則に従って、間引くことにより、同一の復号器を用いて、複数の符号化率を容易に実現できるパンクチャド符号が知られている。また、パンクチャド符号化器の符号出力の系列をある一定の規則に従って、ビット毎に拡散することによって、伝送路上で重畳される雑音に対する耐性を向上させることができる。
【0005】
図8は、DVBの地上波テレビジョン放送のための規格DVB−Tにおいて提案されている送信装置の構成例を表している。この装置では、パンクチャド畳み込み符号、ビット拡散、QPSK変調方式が用いられている。
【0006】
即ち、図8の例においては、情報源1より出力された1ビットシリアルデータは、畳み込み符号化器2に入力され、パンクチャド符号の母符号系列X,Yが生成される。この例では、符号化率が1/2とされている。X,Yは、それぞれ1ビットの符号系列を表している。
【0007】
この符号系列X,Yは、ビット消去回路3に入力され、所定の規則に従って、ビット消去処理が行われるようになされている。ビット消去回路3より出力されたシリアル化されたパンクチャド符号系列は、直並列変換器4に入力され、1系列のデータから2系列のデータに変換されるようになされている。
【0008】
直並列変換器4より出力された2系列のデータx,yは、ビット拡散回路5−1,5−2にそれぞれ入力され、ビットの順番が拡散(交錯)されるビット拡散処理が行われるようになされている。ビット拡散回路5−1,5−2より出力されたビット拡散後のデータx’,y’は、信号点割当回路6に入力され、伝送路上のシンボルへ割り当てられる。信号点割当回路6は、相互に直交する同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)で表される信号点の座標データI’,Q’を出力する。
【0009】
シンボル拡散回路7は、信号点割当回路6より出力された座標データI’,Q’により規定されるシンボルの順番を拡散するシンボル拡散処理を実行し、拡散後のシンボルのI成分とQ成分を出力する。変調器8は、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式で、I成分とQ成分をデジタル変調し、アンテナ9を介して電波で出力するようになされている。
【0010】
図9は、畳み込み符号化器2の構成例を表している。但し、この構成例は、DVB−Tで規定されているものではなく、畳み込み処理の説明のための原理的構成を示すものである。この例においては、情報源1より出力された1ビットのシリアルデータが端子21から入力され、遅延回路22,23により、それぞれ1クロック分ずつ順次遅延された後、加算回路24と25に出力されている。加算回路24にはまた、端子21の出力と遅延回路22の出力とが供給されており、加算回路24は、これらのデータを加算(排他的論理和演算)した後、端子26からデータXとして出力するようになされている。また、加算回路25は、端子21の出力と遅延回路23の出力を加算(排他的論理和演算)して、端子27からデータYとして出力するようになされている。
【0011】
即ち、この実施例においては、1ビットの入力に対して、遅延回路22と23の内部状態から定まる2ビットの母符号が出力されることになる。この例の場合、拘束長が3、内部遅延素子が2、状態数が4、符号化率が1/2となる。
【0012】
図10は、この畳み込み符号化器2の状態遷移図を表している。この畳み込み符号化器2の状態遷移は、次のようになる。
【0013】
即ち、例えば、状態00(遅延素子22の出力と遅延素子23の出力が共に0の状態)において、端子21から0が入力されると、端子26,27から、(XY)=(00)が出力され、状態00に遷移する。状態00から1が入力されると、(XY)=(11)が出力され、状態は10に遷移する。状態01から0が入力されると、(XY)=(11)が出力され、状態00に遷移する。状態01から1が入力されると、(XY)=(00)が出力され、状態10に遷移する。
【0014】
他の状態においても、図10に示すように、0または1の入力に対して、図示した出力が出され、図示した状態に遷移する。
【0015】
ビット消去回路3では、ある規則に従って、母符号系列(XY)から適当な位置のデータを消去することによって、結果として符号化率を変えることができる。以下に、例えば、
X:10
Y:11
のような消去マップに従ってビットが消去される場合について説明する。
【0016】
消去マップの1に対応するビットは伝送され、0に対応するビットは伝送されない(消去される)。消去マップによれば、ある時点での畳み込み符号化器2の出力X(=X1)とY(=Y1)は、X1Y1の順で伝送され、次の時点では、畳み込み符号化器2の出力X(=X2)は消去されて伝送されず、Y(=Y2)のみ伝送されることになる。即ち、この2つの時点で伝送されるビットは、X1Y1Y2となる。この操作で畳み込み符号化器2に入力されるビット数は2ビット、ビット消去回路3から出力されるビット数は3ビットとなるので、符号化率Rは2/3となる。この操作は2単位時間ごとに繰り返される。
【0017】
直並列変換器4では、入力される1系列のデータX1,Y1,Y2,・・・が2系列のデータ(x,y)に変換される。
【0018】
ビット拡散回路5−1,5−2は、入力データ系列x,yの順番を所定の規則に従って入れ替えることによって、ビットを拡散する。このとき、一般にビット拡散回路5−1と5−2の拡散方法は異なるものとされる。
【0019】
以下にビット拡散の例を示す。Mビットの入力データを1ブロックとし、適当な数値sを定める。ビット拡散は、Mビットの入力系列からなるベクトル
(B0,B1,・・・,Bk,・・・,BM−1)から、
拡散後のMビットの出力系列からなるベクトル
(B’0,B’1,・・・,B’n,・・・,B’M−1)への置換を意味する。このとき、B’n=Bk(n=k+s mod M)である。
【0020】
ビット拡散回路5−1,5−2で異なるsを用いることによって、同じアルゴリズムで異なるビット拡散回路を構成することができる。
【0021】
信号点割当回路6では、入力されたデータ(x’,y’)を伝送路上のシンボルへ割り当てる。割り当ては、例えば図11に示すように、QPSK方式に従って行われる。即ち、
(x’,y’)=(0,0)のとき、(I’,Q’)=(1/√2,1/√2)、
(x’,y’)=(0,1)のとき、(I’,Q’)=(1/√2,−1/√2)、
(x’,y’)=(1,0)のとき、(I’,Q’)=(−1/√2,1/√2)、
(x’,y’)=(1,1)のとき、(I’,Q’)=(−1/√2,−1/√2)
として割り当てが行われる。
【0022】
シンボル拡散回路7は、(I’,Q’)で表されるシンボルS’の順番を所定の規則に従って入れ替えることによって、シンボルの拡散を行い、シンボルS(I,Q)を得るものであり、これによって、伝送路上で受けたバースト的な誤りを拡散することができる。
【0023】
具体的な例を示すと、N−1個のシンボルを拡散の単位ブロックとして、N未満の、Nと互いに素な数Gを定めたとき、拡散は、拡散前のシンボルを要素とするベクトル
(S’1,S’2,・・・,S’k,・・・,S’N−1)から
拡散後のシンボルを要素とするベクトル
(S1,S2,・・・,Sn,・・・,SN−1)への置換として実行される。このとき、Sn=S’k(n=G^k mod N)である。
【0024】
変調器8では、入力されるシンボルSのI成分とQ成分に従って、搬送波を変調し、アンテナ9を介して送信する。
【0025】
図12は、図8の送信装置より送信されたデータを受信する受信装置の構成例を表している。復調器32は、アンテナ31を介して受信した電波を復調し、I成分信号とQ成分信号を出力する。シンボル逆拡散回路33は、図8のシンボル拡散回路7におけるシンボル拡散処理と逆の処理、即ち、シンボル拡散回路7において入れ替えたシンボルの順番を元の順番に戻す処理を行い、I信号成分I’とQ信号成分Q’を出力する。
【0026】
ビット逆拡散回路34−1,34−2は、シンボル逆拡散回路33より出力されたI’信号とQ’信号に対して、図8のビット拡散回路5−1,5−2において変更したビットの順番を、元の順番に戻す処理を実行する。
【0027】
ビット逆拡散回路34−1,34−2より出力されたI’信号成分に対応するデータxと、Q’信号成分に対応するデータyは、並直列変換器35に入力され、2系列のデータ(x,y)から1系列のデータに変換され、ビット挿入回路36に供給される。
【0028】
ビット挿入回路36においては、図8のビット消去回路3におけるビット消去処理と反対に、ビット挿入処理が行われる。ビット挿入回路36により、ビットが挿入されたI信号成分のデータxとQ信号成分のデータyは、ビタビ復号器37に入力され、ビタビ復号され、再生情報38として出力されるようになされている。
【0029】
次に、その動作について説明する。
【0030】
アンテナ31で受けた受信信号は、復調器32で復調されて、各シンボルのI成分とQ成分のデータが得られる。このI成分とQ成分のデータは、シンボル逆拡散回路33に入力され、そこで、シンボル拡散回路7における場合と逆の操作が行なわれ、逆拡散されたデータI’とQ’が得られる。
【0031】
即ち、この逆拡散の操作は、シンボル拡散回路7で用いた場合と同じ値N,Gを用いて表すと、逆拡散前のシンボルを要素とするベクトル
(S1,S2,・・・,Sn,・・・,SN−1)を、
逆拡散後のシンボルを要素とするベクトル
(S’1,S’2,・・・,S’k,・・・,S’N−1)へ置換する処理となる。このとき、Sn=S’k(n=G^k mod N)である。
【0032】
シンボル逆拡散回路33から供給されたI成分データI’と、Q成分データQ’は、それぞれビット逆拡散回路34−1,34−2に供給される。
【0033】
ビット逆拡散回路34−1,34−2は、それぞれ、ビット拡散回路5−1,5−2に対応し、それぞれ、ビット拡散回路5−1,5−2と逆の操作を行う。
【0034】
即ち、M個の入力データを1ブロックとし、適当な数値sを定め、M個の入力系列からなるベクトル
(B’0,B’1,・・・,B’n,・・・,B’M−1)から、
逆拡散後のM個の出力系列からなるベクトル
(B0,B1,・・・,Bk,・・・,BM−1)が求められる。このとき、B’n=Bk(n=k+s mod M)である。
【0035】
ここで、ビット逆拡散回路34−1,34−2のビット逆拡散で用いる数値sは、それぞれ、ビット拡散回路5−1,5−2で用いる数値sと同じ値を用いる。
【0036】
こうしてビット逆拡散されたデータ系列(x,y)は、次段の並直列変換器35に供給され、そこで直並列変換器4と逆の操作が行なわれ、2系列のデータ(x,y)から1系列のデータに変換される。
【0037】
ビット挿入回路36では、ビット消去回路3と逆の操作が行われる。即ち、前述の例の消去マップ
X:10
Y:11
を用いたビット消去回路3の処理に対応して、ビット挿入回路36は、
X1,Y1,Y2(今の場合、x1,y1,y2)
の順で入力されるデータに対して、消去されているデータX2(x2)に相当する位置で任意のダミーデータ(ここでは0とする)を挿入して、
Xデータとして、X1(x1),0を、
Yデータとして、Y1(y1),Y2(y2)を、
この順で出力する。また、ダミーデータを挿入した位置を示す挿入フラグをビタビ復号器37に供給する。
【0038】
ビタビ復号器37では、畳み込み符号化器2の状態遷移(図10)に従ってビタビ復号を行う。図13にビタビ復号器37の例を示す。入力端子62−1,62−2には、ビット挿入回路36より出力されたデータX,Yが、それぞれ入力される。これらのデータX,Yは、ブランチメトリック演算回路63−1乃至63−4に入力されている。ブランチメトリック演算回路63−1においては、入力データ(X,Y)と図11に示した座標点(1/√2,1/√2)との距離を、ブランチメトリックとして演算する。同様に、ブランチメトリック演算回路63−2乃至63−4においては、入力データ(X,Y)と座標点(1/√2,−1/√2),(−1/√2,1/√2)または(−1/√2,−1/√2)との距離が演算されるようになされている。
【0039】
ブランチメトリック演算回路63−1,63−4の出力(ブランチメトリック)BM00,BM11は、ACS(Add Compare Select)回路64−1,64−3に入力されている。同様に、ブランチメトリック演算回路63−2の出力(ブランチメトリック)BM01とブランチメトリック演算回路63−3の出力(ブランチメトリック)BM10が、ACS回路64−2,64−4に入力されている。
【0040】
ACS回路64−1,64−3にはまた、ステートメトリック記憶装置66−1の出力(ステートメトリック)SM00とステートメトリック記憶装置66−2の出力(ステートメトリック)SM01が入力されており、ACS回路64−2,64−4には、ステートメトリック記憶装置66−3の出力(ステートメトリック)SM10とステートメトリック記憶装置66−4の出力(ステートメトリック)SM11が入力されている。
【0041】
ACS回路64−1乃至64−4は、入力された一方のブランチメトリックBMとそれに対応するステートメトリックSMを加算するとともに、他方のブランチメトリックBMとそれに対応するステートメトリックSMを加算する。そして、ACS回路64−1乃至64−4は、2つの加算結果を比較し、その比較結果に対応して、小さい方の加算値をステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4に、新たなステートメトリックSMとして出力するとともに、その選択結果を表す信号SEL00乃至SEL11をパスメモリ65に出力している。さらに、パスメモリ65には、ステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4からステートメトリックSM00乃至SM11が入力されている。
【0042】
ステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4は、端子61から入力される信号によりリセットされるようになされている。パスメモリ65は、端子67から復号結果を出力するようになされている。
【0043】
次に、その動作について説明する。
【0044】
ブランチメトリック演算回路63−1では、入力データ(X,Y)と座標点(1/√2,1/√2)との距離がブランチメトリックBM00として計算される。同様にブランチメトリック演算回路63−2では入力データ(X,Y)と座標点(1/√2,−1/√2)との距離、ブランチメトリック演算回路63−3では入力データ(X,Y)と座標点(−1/√2,1/√2)との距離、ブランチメトリック演算回路63−4では入力データ(X,Y)と座標点(−1/√2,−1/√2)との距離が、ブランチメトリックBM01,BM10,BM11としてそれぞれ計算される。なお、ここでは、前段のビット挿入回路36から供給される挿入フラグに従って、挿入されたダミーデータに関する距離計算は省略される。即ち、挿入されたビットと比較すべき座標との距離は、すべて同じ(例えば0)とされる。
【0045】
ACS回路64−1では畳み込み符号化器2の状態遷移に従って次の2つの式が計算され、尤度の大きい方、即ち、計算結果の小さい方が選択され、その選択情報SELは後段のパスメモリ65に、その計算結果SMはステートメトリック記憶装置66−1に、それぞれ供給される。
【0046】
SM00+BM00 (1)
SM01+BM11 (2)
【0047】
ここで、SM00は、1単位時間前のステートメトリック記憶装置66−1の値、SM01は、1単位時間前のステートメトリック記憶装置66−2の値、BM00は、ブランチメトリック演算回路63−1の演算結果、BM11は、ブランチメトリック演算回路63−4の演算結果を、それぞれ表している。
【0048】
式(1)の計算結果の方が小さければSEL00=0が、式(2)の計算結果の方が小さければSEL00=1が、後段のパスメモリ65に供給される。そして、前者の場合、SM00+BM00が、後者の場合、SM01+BM11が、それぞれステートメトリック記憶装置66−1に、新たなステートメトリックSM00として記憶される。
【0049】
この計算を図10の状態遷移図に沿って説明する。状態00に到達するパスは2本あり、1本目は状態00で0が入力され、00を出力するパスで、比較される計算式は式(1)のようになり、2本目は状態01で0が入力され、11を出力するパスで、比較される計算式は式(2)のようになる。計算結果のうち小さいほうが新たなステートメトリックSM00としてステートメトリック記憶装置66−1に供給される。
【0050】
同様の動作が、ACS回路64−2乃至64−4においても行われる。なお、ステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4は、システムが動作する初期段階で0にリセットされる。この制御は図には示していない制御装置から端子61を介して行われる。
【0051】
パスメモリ65では、図10の状態遷移図に従って、ACS回路64−1乃至64−4からの選択情報SEL00乃至SEL11を用いて、入力データ、即ち復号データの選択、記憶、伝搬を行う。
【0052】
図14は、ブランチメトリック演算回路63−1の構成例を表している。端子62−1より入力されたデータXは、減算回路51に入力され、発生回路52からの1/√2で減算されるようになされている。減算回路51の出力は、乗算回路53に分岐して入力され、乗算される(即ち、自乗される)ようになされている。セレクタ203は、乗算回路53の出力と、発生回路202の出力の供給を受け、端子201を介してXに対する挿入フラグが、ビット挿入回路36より入力されたとき、発生回路202が発生する0を選択し、その他のとき、乗算回路53の出力を選択し、加算回路54に出力する。
【0053】
同様に、端子62−2より入力されたデータYが、減算回路55に入力され、発生回路56からの1/√2で減算されるようになされている。減算回路55の出力は、乗算回路57に分岐して入力され、乗算(自乗)されるようになされている。セレクタ206は、乗算回路57の出力と、発生回路205の出力の供給を受け、端子204を介してYに対する挿入フラグがビット挿入回路36より入力されたとき、発生回路205が発生する0を選択し、その他のとき、乗算回路57の出力を選択し、加算回路54に出力している。加算回路54は、セレクタ203の出力とセレクタ206の出力とを加算し、ブランチメトリックBM00として出力するようになされている。
【0054】
即ち、この例においては、挿入フラグが入力されないとき、減算回路51が、X−1/√2を出力し、これが乗算回路53において自乗され、乗算回路53から(X−1/√2)2が出力される。同様に、減算回路55が、Y−1/√2を出力し、この値が乗算回路57により自乗され、乗算回路57は(Y−1/√2)2を出力する。加算回路54は、乗算回路53の出力と乗算回路57の出力の加算値(X−1/√2)2+(Y−1/√2)2をブランチメトリックBM00として出力する。
【0055】
一方、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、セレクタ203は、0を出力するので、加算回路54の出力は、(Y−1/√2)2となり、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、セレクタ206は、0を出力するので、加算回路54の出力は、(X−1/√2)2となる。
【0056】
ブランチメトリック演算回路63−2乃至63−4においても、図14に示した場合と同様の構成の回路により、同様の演算が行われる。但し、ブランチメトリック演算回路63−2においては、発生回路52の出力は1/√2、発生回路56の出力は−1/√2とされる。また、ブランチメトリック演算回路63−3においては、発生回路52と56の出力は、それぞれ−1/√2と1/√2とされ、ブランチメトリック演算回路63−4においては、それぞれ−1/√2と−1/√2とされる。
【0057】
図15にパスメモリ65のブロック図を示す。端子71−1乃至71−4には、ACS回路64−1乃至64−4より出力された選択情報SEL00乃至SEL11が入力されている。これらの選択情報SEL00乃至SEL11は、それぞれ2入力1出力のセレクタ73−1乃至73−4に制御信号として入力されている。また、セレクタ73−1には、2つの入力として、端子72−1から固定データ0が入力されている。同様に、セレクタ73−2乃至73−4には、端子72−2乃至72−4から、それぞれ2入力として固定データ0,1または1が入力されている。
【0058】
セレクタ73−1乃至73−4は、選択情報SEL00乃至SEL11に対応して、2つの入力のうちの一方を選択し、後段のレジスタ81−1乃至81−4に出力する。但し、この第1列目のセレクタ73−1乃至73−4には、上述したように、端子72−1乃至72−4から2入力として同一のデータが入力されているため、レジスタ81−1乃至81−4には、それぞれ0,0,1または1が記憶されることになる。
【0059】
以下、同様に、n列(図15の例の場合、4列)のセレクタとレジスタからなる構成が設けられている。即ち、第2列目においては、セレクタ74−1乃至74−4とレジスタ82−1乃至82−4が設けられている。セレクタ74−1,74−3には、前列のレジスタ81−1の出力とレジスタ81−2の出力が供給されている。セレクタ74−2,74−4には、レジスタ81−3の出力とレジスタ81−4の出力が入力されている。そして、セレクタ74−1乃至74−4は、選択情報SEL00乃至SEL11の値に対応して、2入力のうちの一方を選択し、後段のレジスタ82−1乃至82−4に出力する処理を行う。例えば、レジスタ74−1は、選択情報SEL00が0であるとき、レジスタ81−1の出力を選択し、選択情報SEL00が1であるとき、レジスタ81−2の出力を選択し、出力するようになされている。
【0060】
最終列のレジスタ84−1乃至84−4の出力は、4入力1出力のセレクタ85に入力されている。
【0061】
最小値比較回路88には、端子87−1乃至87−4から、図13のステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4より出力されたステートメトリックSM00乃至SM11が入力されている。最小値比較回路88は、4つのステートメトリックの大きさを比較し、最小のものを選択する。そして、ステートメトリックSM00が最小であったとき、データ00を出力し、ステートメトリックSM01が最小であったとき、データ01を出力し、ステートメトリックSM10が最小であったとき、データ10を出力し、ステートメトリックSM11が最小であったとき、データ11を出力する。セレクタ85は、最小値比較回路88からの入力が00であるとき、レジスタ84−1の出力を選択し、01であるとき、レジスタ84−2の出力を選択し、10であるとき、レジスタ84−3の出力を選択し、11であるとき、レジスタ84−4の出力を選択し、端子86から復号結果として出力するようになされている。端子72−1乃至72−4の固定値は、それぞれの状態に対応する復号情報を意味する。
【0062】
このような、パスメモリ65の結線は、図10の状態遷移図に基づいている。パスメモリ65の構成のうち、最上行は状態00に、第2行目は状態01に、第3行目は状態10に、最下行は状態11に、それぞれ対応する。また、第1列目は復号情報の取り込みを行う。図10によれば、状態00に到達するパスは、状態00と状態01からの2本存在する。それぞれのパスに対応する入力ビット即ち復号情報は、いずれの場合も0である。そこで、状態00(最上行)における第1列では、選択情報SEL00によってそれに対応する復号情報0が選択されるように、セレクタ73−1の入力端子が配線されている。
【0063】
第1列目においては、状態01、状態10、状態11に対しても同様にして結線されている。
【0064】
第2列目以降においては、復号系列の選択、伝搬および記憶が行われる。図10によれば、状態00に到達するパスは、状態00、状態01からの2本存在する。そこで、状態00における第2列では、選択情報SEL00によって、それに対応する状態からのデータが選択されるように、セレクタ74−1の入力端子が配線されている。
【0065】
第2列目以降においても、同様に結線されている。さらに、第2行乃至第3行の状態01、状態10、状態11においても同様にして結線されている。
【0066】
パスメモリ65の最終列では、記憶された4つの復号データから、最も尤度の大きいパスに対応するデータが最終的な復号データとして出力される。「最も尤度の大きいパス」とは、4つのステートメトリックSM00乃至SM11のうち、最小の値を持つものに対応するパスであり、セレクタ85で、その時点におけるステートメトリックの最小値に対応するパス、即ち、最も尤度の大きいパスが選択されることになる。
【0067】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、高速(高ビットレート)の伝送が叫ばれる中、前述のデジタルデータ伝送システムの変調方式を、QPSKから16QAM、64QAM、256QAM等に拡張することが考えられる。こうすると、伝送できるビット数は、QPSKの2ビットに対してそれぞれ、4ビット、6ビット、または8ビットとなり、QPSKに対して2倍、3倍、6倍に増加することになる。
【0068】
図16に16QAMによるデータ送信装置のブロック図を示す。図16において、図8における場合と対応する部分には、同一の符号を付してある。即ち、この例においては、直並列変換器4において、ビット消去回路3より出力されたシリアルデータが、4ビットを単位とするデータu,v,x,yに変換される。そして、各データ毎に、ビット拡散回路91−1乃至91−4において、ビット拡散処理が行われ、データu’,v’,x’,y’として、信号点割当回路6に供給されるようになされている。その他の構成は、図8における場合と同様である。
【0069】
即ち、この例においては、直並列変換器4において、1系列のデータが16QAMに対応する4系列のデータ(u,v,x,y)に変換され、それぞれがビット拡散回路91−1乃至91−4において、所定の規則に従って、ビットの順番を入れ替えることにより、ビット拡散処理が行われる。その処理は、図8におけるビット拡散回路5−1,5−2における処理と同様の処理であり、それぞれが異なる数値sを用いて、異なるビット拡散処理を実行する。
【0070】
信号点割当回路6では、入力された4ビットのデータ(u’,v’,x’,y’)を伝送路上のシンボルへ割り当てる。割り当ては、例えば図17に従って行われる。即ち、例えば、
(u’,v’,x’,y’)=(0,0,0,0)のとき、
(I’,Q’)=(3/√10,3/√10)、
(u’,v’,x’,y’)=(0,0,0,1)のとき、
(I’,Q’)=(3/√10,1/√10)
としてに割り当てが行われる。
【0071】
他の入力に関しても同様に割り当てが行われる。
【0072】
以下、図8における場合と同様の処理が行われ、データが送信される。
【0073】
図16に示す送信装置で、図17に示すような16QAM方式で信号点割り当てを行い、送信したデータを受信する場合、受信装置は、図12に対応して、図18に示すように構成することが考えられる。しかしながら、実際には、図18に示すように受信装置を構成することはできない。
【0074】
即ち、上述したように、シンボル逆拡散回路33に復調器32より入力されるデータ(I,Q)のそれぞれの成分I,Qは、QPSK方式の場合、それぞれが1ビットを表していたが、16QAM方式の場合、それぞれが2ビットを表すことになる。例えば、図17に示す信号点配置の場合、Iは、第1のビットと第3のビットの情報を含み、Qは、第2のビットと第4のビットの情報を含んでいる。しかしながら、例えば、Iは、1/√10や3/√10といった1つの値であり、Qも同様に1つの値である。従って、これを図18に示すように、u’,v’に分割したり、x’,y’に分割することはできない。その結果、16QAM方式の場合におけるデータ受信装置は、やはり図12に示すように構成されることになる。
【0075】
その結果、図12のビット挿入回路36において行われる処理は、次のようになると考えられる。
【0076】
例えば、図19(A)に示すように、ビット挿入回路36に、x1,y1,x2,y2,x3,y3,・・・のようにデータが入力されたとすると、同図(B)に示すように、x1,y1が、データX1,Y1として出力され、次にダミーデータdが、データX2として出力され、データx2が、データY2として出力される。また、同様に、データy2,x3が、データX3,Y3として出力された後、ダミーデータdが、データX4として出力され、次に、データy3が、データY4として出力される。
【0077】
しかしながら、この処理は、図16のビット消去回路3における処理と逆の処理を実行していることにはならない。即ち、ビット消去回路3において行っていたビット消去(ビット操作)処理は、1ビット単位で行っていたものである。これに対して、図19(B)に示すデータx1,y2などは、それぞれが2ビットのデータに対応しているものであり、その後に1ビットのダミーデータdを挿入し、さらにその次に2ビットのデータx2を出力すると、結局、元のデータ配列とは全く異なるデータ配列が出力されてしまうことになる。
【0078】
その結果、ビット挿入回路36の出力を、ビタビ復号器37でビタビ復号すると、復号結果は、成分が若干劣化するといった類のものではなく、全く異なるものになるため、復号は不可能となる。
【0079】
これに対して、例えば図18に示すデータ受信装置のシンボル逆拡散回路33において、硬判定を行うようにすれば、図18に示すように、(I,Q)から、u’,v’,x’,y’を生成することができると考えられる。即ち、この場合、(I,Q)の座標と図17に示す各信号点との距離が計算され、(I,Q)が最も距離の短い信号点に対応されるので、この信号点から、u’,v’,x’,y’を生成することが可能である。しかしながら、このような硬判定を行うと、正確なデータの復号が困難になる。
【0080】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、16QAM、64QAM、256QAMなどの多値多位相変調方式で伝送されてきたデータを正確に復号化することができるようにするものである。
【0081】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のデータ受信装置は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算するメトリック計算手段と、メトリックを利用してデータの復号を行う復号手段とを備えることを特徴とする。
【0082】
請求項4に記載のデータ受信方法は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算するステップと、メトリックを利用してデータの復号を行うステップとを備えることを特徴とする。
【0083】
請求項5に記載のデータ受信装置は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算するメトリック計算手段と、メトリックを利用してデータの復号を行う復号手段とを備えることを特徴とする。
【0084】
請求項8に記載のデータ受信方法は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算するステップと、メトリックを利用してデータの復号を行うステップとを備えることを特徴とする。
【0085】
請求項1に記載のデータ受信装置においては、メトリック計算手段は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算し、復号手段は、メトリックを利用してデータの復号を行う。
【0086】
請求項4に記載のデータ受信方法においては、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算し、そのメトリックを利用してデータの復号を行う。
【0087】
請求項5に記載のデータ受信装置においては、メトリック計算手段は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算し、復号手段は、メトリックを利用してデータの復号を行う。
【0088】
請求項8に記載のデータ受信方法においては、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算し、そのメトリックを利用してデータの復号を行う。
【0089】
【発明の実施の形態】
図1は、図16のデータ送信装置で送信されたデータを受信する、本発明のデータ受信装置の第1の実施例を表している。図1において、従来の図12に示す場合と対応する部分には、同一の符号を付してある。図1の実施例においては、シンボル逆拡散回路33は、図16のシンボル拡散回路7におけるシンボル拡散処理と逆の処理、即ち、シンボル拡散回路7において入れ替えたシンボルの順番を元の順番に戻す処理を行い、I信号成分I’とQ信号成分Q’をメトリック計算回路39(メトリック計算手段)に出力するようになされている。
【0090】
メトリック計算回路39は、供給されたI信号成分I’およびQ信号成分Q’から第1乃至第4のビットに対するメトリックを計算し、計算したメトリックu’,v’,x’,y’を、ビット逆拡散回路101−1乃至101−4にそれぞれ出力するようになされている。
【0091】
メトリック計算回路39は、図2に示すように構成される。図2に示すように、シンボル逆拡散回路33より供給されたI’信号とQ’信号は、n個の確率計算回路111−1乃至111−nに入力される。今の場合、図17に示すように、16QAMで信号点割り当て処理が行われているので、このnは16とされる。
【0092】
確率計算回路111−1は、図17に示す16QAMの0000に対応するシンボルS0000が送信され、受信信号Rが受信された事後確率P(S0000∩R)を計算し、確率計算回路111−2は、16QAMの0001に対応するシンボルS0001が送信され、受信信号Rが受信された事後確率P(S0001∩R)を計算するようになされている。
【0093】
以下、同様に、確率計算回路111−3は、16QAMの0010に対応するシンボルS0010が送信され、受信信号Rが受信された事後確率P(S0010∩R)を計算し、確率計算回路111−4乃至111−15は、シンボルS0011乃至S1110に対応する事後確率を計算するようになされている。そして、確率計算回路111−16は、16QAMの1111に対応するシンボルS1111が送信され、受信信号Rが受信された事後確率P(S1111∩R)を計算するようになされている。
【0094】
なお、本実施例においては、シンボルの第1乃至第4のビットのいずれかが0であるときの事後確率を、そのビットに対応するメトリックとして計算しているので、事後確率P(S1111∩R)を計算する確率計算回路111−16は、特に必要なく、取り除いてもよい。
【0095】
加算回路112−1は、第1のビットが0であるシンボル、即ち、S0000,S0001,S0010,S0011,S0100,S0101,S0110,S0111に対する事後確率を計算する確率計算回路111−1乃至111−8からの出力を受け取り、それらの値の総和を演算し、第1のビットに対するメトリックとしてビット逆拡散回路101−1に出力するようになされている。
【0096】
加算回路112−2は、第2のビットが0であるシンボル、即ち、S0000,S0001,S0010,S0011,S1000,S1001,S1010,S1011に対する事後確率を計算する確率計算回路111−1乃至111−4,111−9乃至111−12からの出力を受け取り、それらの値の総和を演算し、第2のビットに対するメトリックとしてビット逆拡散回路101−2に出力するようになされている。
【0097】
加算回路112−3は、第3のビットが0であるシンボル、即ち、S0000,S0001,S0100,S0101,S1000,S1001,S1100,S1101に対する事後確率を計算する確率計算回路111−i(i=1,2,5,6,9,10,13,14)からの出力を受け取り、それらの値の総和を演算し、第3のビットに対するメトリックとしてビット逆拡散回路101−3に出力するようになされている。
【0098】
加算回路112−4は、第4のビットが0であるシンボル、即ち、S0000,S0010,S0100,S0110,S1000,S1010,S1100,S1110に対する事後確率を計算する確率計算回路111−i(i=1,3,5,7,9,11,13,15)からの出力を受け取り、それらの値の総和を演算し、第4のビットに対するメトリックとしてビット逆拡散回路101−4に出力するようになされている。
【0099】
ビット逆拡散回路101−i(i=1,・・・,4)は、メトリック計算回路39より供給された第iのビットに対するメトリックに対して、図16のビット拡散回路91−iにおいて変更したビットの順番を元の順番に戻す処理を実行するようになされている。ビット逆拡散の処理が行われた第1乃至第4のビットに対するメトリックは、並直列変換器35に入力され、4系列のデータから1系列のデータに変換されるようになされている。
【0100】
図3は、図1のビタビ復号器37(復号手段)の構成例を表している。この実施例においては、入力端子62−1にビット挿入回路36の出力X(第1のビットに対するメトリックuまたは第3のビットに対するメトリックxに対応する値)が入力され、入力端子62−2にビット挿入回路36の出力Y(第2のビットに対するメトリックvまたは第4のビットに対するメトリックyに対応する値)が入力されるようになされている。
【0101】
そして、入力端子62−1より入力された値Xは、セレクタ132−1に入力されるとともに、反転回路131−1に入力され、そのビットがすべて反転された後、セレクタ132−3に入力されるようになされている。また、入力端子62−2より入力された値Yは、セレクタ132−2に入力されるとともに、反転回路131−2に入力され、そのすべてのビットが反転された後、セレクタ132−4に入力されるようになされている。
【0102】
セレクタ132−1は、定数発生回路133−1の出力である値1と、入力端子62−1を介して値Xの供給を受け、ビット挿入回路36より、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−1が発生した値1を選択し、その他のとき、値Xを選択し、選択した値を乗算回路121−1,121−2に出力するようになされている。
【0103】
セレクタ132−2は、定数発生回路133−2の出力である値1と、入力端子62−2を介して値Yの供給を受け、ビット挿入回路36より、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−2が発生した値1を選択し、その他のとき、値Yを選択し、選択した値を乗算回路121−1,121−3に出力するようになされている。
【0104】
セレクタ132−3は、定数発生回路133−3の出力である値1と、反転回路131−1の出力である、値Xを反転した値の供給を受け、ビット挿入回路36より、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−3が発生した値1を選択し、その他のとき、値Xを反転した値を選択し、選択した値を乗算回路121−3,121−4に出力するようになされている。
【0105】
セレクタ132−4は、定数発生回路133−4の出力である値1と、反転回路131−2の出力である、値Yを反転した値の供給を受け、ビット挿入回路36より、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−4が発生した値1を選択し、その他のとき、値Yを反転した値を選択し、選択した値を乗算回路121−2,121−4に出力するようになされている。
【0106】
乗算回路121−1は、セレクタ132−1より供給された値と、セレクタ132−2より供給された値を乗算し、乗算結果をブランチメトリックBM00として出力するようになされている。乗算回路121−2は、セレクタ132−1より供給された値と、セレクタ132−4より供給された値を乗算し、乗算結果をブランチメトリックBM01として出力している。同様に、乗算回路121−3は、セレクタ132−2より供給された値と、セレクタ132−3より供給された値を乗算し、乗算結果をブランチメトリックBM10として出力し、乗算回路121−4は、セレクタ132−3より供給された値と、セレクタ132−4より供給された値を乗算し、その乗算結果をブランチメトリックBM11として出力するようになされている。
【0107】
乗算回路121−1の出力BM00と、乗算回路121−4の出力BM11は、ACS回路122−1,122−3に入力されている。同様に、乗算回路121−2の出力BM01と、乗算回路121−3の出力BM10が、ACS回路122−2,122−4に入力されている。
【0108】
ACS回路122−1,122−3にはまた、ステートメトリック記憶装置66−1の出力SM00とステートメトリック記憶装置66−2の出力SM01が入力されており、ACS回路122−2,122−4には、ステートメトリック記憶装置66−3の出力SM10とステートメトリック記憶装置66−4の出力SM11が入力されている。
【0109】
ACS回路122−1乃至122−4は、入力されたブランチメトリックとステートメトリックから、新たなステートメトリックを計算し、その計算結果をステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4に出力するとともに、選択されたパスに対応する情報SEL00乃至SEL11をパスメモリ65に出力するようになされている。
【0110】
なお、本実施例のビタビ復号器37のその他の構成は、図13における場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0111】
なお、図1のデータ受信装置のその他の構成は、図12における場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0112】
次に、図1のデータ受信装置の動作について説明する。
【0113】
アンテナ31で受けた受信信号は、復調器32で復調されて、シンボルのI成分とQ成分のデータが得られる。そして、このシンボルI成分とQ成分のデータは、シンボル逆拡散回路33により処理された後、メトリック計算回路39に供給される。
【0114】
次に、メトリック計算回路39におけるメトリック計算について説明する。ここにおけるメトリックとは、例えば、次式によって規定される、所定の受信信号を受信したときに、その受信信号を構成するビットに対する条件付き事後確率を意味する。
P(bi=0|R)=P(bi=0∩R)/P(R) (3)
【0115】
ここで、P(bi=0|R)は、受信信号R(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビットbiが0である条件付き事後確率を、P(R)は、受信信号R(I,Q)を受信する確率を、P(bi=0∩R)は、第iのビットbiが0であるシンボルが送信され、受信信号R(I,Q)が受信された事後確率を、それぞれ表している。
【0116】
同様に、次式(4)によって、受信信号R(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビットが1である条件付き事後確率を求めることができる。
P(bi=1|R)=P(bi=1∩R)/P(R) (4)
【0117】
ここで、P(bi=1|R)は、受信信号R(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビットbiが1である条件付き事後確率を、P(R)は、受信信号R(I,Q)を受信する確率を、P(bi=1∩R)は、第iのビットbiが1であるシンボルが送信され、受信信号R(I,Q)が受信された事後確率を、それぞれ表している。
【0118】
また、次式(5)によっても、受信信号R(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビットbiが1である条件付き事後確率を求めることができる。P(bi=1|R)=1−P(bi=0|R) (5)
【0119】
受信信号Rを受信する確率P(R)がシンボルの種類に依存しないので、メトリック計算回路39は、上述の条件付き事後確率P(bi=0|R)に代わりに事後確率P(bi=0∩R)をメトリックとして計算するようになされている。このように、確率P(R)の計算を省略することにより、回路構成を簡単にすることができる。
【0120】
即ち、メトリック計算回路39は、16QAMのシンボルを構成する第1乃至第4のビットに対するメトリックをそれぞれ計算し、
第1のビットに対するメトリックP(b1=0∩R)をu’、
第2のビットに対するメトリックP(b2=0∩R)をv’、
第3のビットに対するメトリックP(b3=0∩R)をx’、
第4のビットに対するメトリックP(b4=0∩R)をy’
として出力している。
【0121】
各々のメトリックの計算は、次式に従って行われる。
P(bi=0∩R)=(1/16)ΣP(Sj∩R) (6)
【0122】
ここで、P(Sj∩R)は、第iのビットが0であるシンボルSjが送信され、受信信号Rが受信された事後確率を表し、ΣP(Sj∩R)は、第iのビットが0であるすべてのシンボルSjに対する事後確率P(Sj∩R)の和を表している。
【0123】
図2のメトリック計算回路39において、確率計算回路111−1は、P(S0000∩R)、即ち、16QAMの0000に対応するシンボルS0000が送信され、受信信号Rを受信した確率を計算する。
【0124】
確率計算回路111−2は、P(S0001∩R)、即ち、16QAMの0001に対応するシンボルS0001が送信され、受信信号Rを受信した確率を計算する。
【0125】
確率計算回路111−3は、P(S0010∩R)、即ち、16QAMの0010に対応するシンボルS0010が送信され、受信信号Rを受信した確率を計算する。
【0126】
以下、同様にして、確率計算回路111−4乃至111−16は、16QAMの残りのシンボルに対しても、それぞれ事後確率を計算し、全部で16個の事後確率の計算結果を得る。
【0127】
加算回路112−1は、第1のビットが0のシンボル、即ち、
S0000、S0001、S0010、S0011、
S0100、S0101、S0110、S0111
に対する上述の事後確率の総和を計算する。本来、この総和を16で割算したものが、P(b1=0∩R)となるが、すべてのメトリックを16倍しても特に問題はないので、メトリック計算回路39は、この事後確率の総和を第1のビットに対するメトリックu’として出力する。
【0128】
加算回路112−2は、第2のビットが0のシンボル、即ち、
S0000、S0001、S0010、S0011、
S1000、S1001、S1010、S1011
に対する上述の事後確率の総和を計算する。本来、この総和を16で割算したものが、P(b2=0∩R)となるが、すべてのメトリックを16倍しても特に問題はないので、メトリック計算回路39は、この事後確率の総和を第2のビットに対するメトリックv’として出力する。
【0129】
加算回路112−3は、第3のビットが0のシンボル、即ち、
S0000、S0001、S0100、S0101、
S1000、S1001、S1100、S1101
に対する上述の事後確率の総和を計算する。本来、この総和を16で割算したものが、P(b3=0∩R)となるが、すべてのメトリックを16倍しても特に問題はないので、メトリック計算回路39は、この事後確率の総和を第3のビットに対するメトリックx’として出力する。
【0130】
加算回路112−4は、第4のビットが0のシンボル、即ち、
S0000、S0010、S0100、S0110、
S1000、S1010、S1100、S1110
に対する上述の事後確率の総和を計算する。本来、この総和を16で割算したものが、P(b4=0∩R)となるが、すべてのメトリックを16倍しても特に問題はないので、メトリック計算回路39は、この事後確率の総和を第4のビットに対するメトリックy’として出力する。
【0131】
なお、図2の確率計算回路111−1乃至111−16における計算方法として、伝送路によって様々な計算法が考えられるが、ガウス伝送路を仮定した場合には、例えば、確率計算回路111−1において、以下のように事後確率を計算することができる。
【0132】
ここで、σは伝送路の雑音電力の1/2の平方根を表す。即ち、2σ2が伝送路の雑音電力を表す。‖S0000−R‖は、シンボルS0000と受信信号Rとの、I−Q平面におけるユークリッド距離である。
【0133】
なお、式(7)の右辺の係数(1/(2π)1/2σ)は、ビタビ復号器37による最尤パスの選択に影響を与えないので、省略してもよい。その場合、P(S0000)∩R)は、次のように計算される。
【0134】
確率計算回路111−2乃至111−16においても、同様にして、確率を計算することができる。
【0135】
次に、ビット逆拡散回路101−1乃至101−4は、メトリック計算回路39より供給されたメトリックu’,v’,x’,y’に対して、ビット逆拡散の処理を行った後、並直列変換器35に出力する。
【0136】
そして、並直列変換器35は、図16の直並列変換器4と逆の操作を行い、供給された4系統のデータを1系列のデータに変換した後、ビット挿入回路36に出力する。
【0137】
ビット挿入回路36では、図16のビット消去回路3と逆の操作が行われる。即ち、前述の例の消去マップ
X:10
Y:11
を用いて、
u1,v1,x1,y1,u2,v2,x2,y2・・・
の順で入力されるデータに対して、3ビットを周期として、最後の3ビット目の直前に、任意のダミーデータ(ここでは0)を挿入して、
データXとして、u1,0,y1,0,x2,・・・
データYとして、v1,x1,u2,v2,y2,・・・
を、この順で出力するとともに、ダミーデータを挿入した位置を示す挿入フラグをビタビ復号器37に供給する。
【0138】
ビタビ復号器37では、畳み込み符号化器2の状態遷移に従ってビタビ復号を行い、再生情報38を得る。次に、ビタビ復号器37の動作について詳細に説明する。
【0139】
セレクタ132−1およびセレクタ132−3は、ビット挿入回路36においてXとしてダミーデータが挿入され、Xに対する挿入フラグが入力された場合、ダミーデータに対するメトリックの確率計算を無効にするため、値1を出力する。
【0140】
同様に、セレクタ132−2およびセレクタ132−4は、ビット挿入回路36においてYとしてダミーデータが挿入され、Yに対する挿入フラグが入力された場合、ダミーデータに対するメトリックの確率計算を無効にするため、値1を出力する。
【0141】
即ち、乗算回路121−1乃至121−4によるブランチメトリックの算出およびACS回路122−1乃至122−4によりステートメトリックの算出は、すべて乗算によって行われているので(後述)、ダミーデータに対応して値1を出力することにより、メトリックの計算結果に影響を与えないようにしている。
【0142】
Xとしてダミーデータが挿入されていない場合においては、ビット挿入回路36より供給された値Xが、セレクタ132−1を介して乗算回路121−1,121−2に供給され、値Xを反転した値が、乗算回路121−3,121−4に供給される。
【0143】
同様に、Yとしてダミーデータが挿入されていない場合においては、ビット挿入回路36より供給された値Yが、セレクタ132−2を介して乗算回路121−1,121−3に供給され、値Yを反転した値が、乗算回路121−2,121−4に供給される。
【0144】
そして、乗算回路121−1では、ビット挿入回路36の出力の第1のビットの値が0である確率または第3のビットの値が0である確率に対応するデータXと、第2のビットの値が0である確率または第4のビットの値が0である確率に対応するデータYの積(即ち、第1のビットの値が0であり、かつ、第2のビットの値が0である確率、あるいは、第3のビットの値が0であり、かつ、第4のビットの値が0である確率)を計算し、ブランチメトリックBM00として出力する。このブランチメトリックBM00は、畳み込み符号化器2の符号出力00に対応している。
【0145】
同様にして、乗算回路121−2は、ビット挿入回路36の出力の第1ビットの値が0である確率または第3のビットの値が0である確率に対応する値Xと、第2のビットの値が1である確率または第4のビットの値が1である確率に対応する値(値Yを反転した値)の積(即ち、第1のビットの値が0であり、かつ、第2のビットの値が1である確率、あるいは、第3のビットの値が0であり、かつ、第4のビットの値が1である確率)を計算し、ブランチメトリックBM01として出力する。このブランチメトリックBM01は、畳み込み符号化器2の符号出力01に対応している。
【0146】
乗算回路121−3は、ビット挿入回路36の出力の第1のビットの値が1である確率または第3のビットの値が1である確率に対応する値(値Xを反転した値)と、第2のビットの値が0である確率または第4のビットの値が0である確率に対応する値Yの積(即ち、第1のビットの値が1であり、かつ、第2のビットの値が0である確率、あるいは、第3のビットの値が1であり、かつ、第4のビットの値が0である確率)を計算し、ブランチメトリックBM10として出力する。このブランチメトリックBM10は、畳み込み符号化器2の符号出力10に対応している。
【0147】
乗算回路121−4は、ビット挿入回路36の出力の第1のビットの値が1である確率または第3のビットの値が1である確率に対応する値(値Xを反転した値)と、第2のビットの値が1である確率または第4のビットの値が1である確率に対応する値(値Yを反転した値)の積(即ち、第1のビットの値が1であり、かつ、第2のビットの値が1である確率、あるいは、第3のビットの値が1であり、かつ、第4のビットの値が1である確率)を計算し、ブランチメトリックBM11として出力する。このブランチメトリックBM11は、畳み込み符号化器2の符号出力11に対応している。
【0148】
なお、XまたはYとしてダミーデータが挿入されている場合、セレクタ132−1乃至132−4は、そのダミーデータの代わりに、1を選択するので、乗算回路121−1乃至121−4は、ダミーデータに対応しない入力の値を、そのまま(1を乗じて)、ブランチメトリックとして出力する。
【0149】
ACS回路122−1は、畳み込み符号化器2の状態遷移(図10)に従って、次の2つの式の計算を行う。
SM00×BM00 (8)
SM01×BM11 (9)
【0150】
ここでSM00は、1単位時間前のステートメトリック記憶装置66−1の値、SM01は、1単位時間前のステートメトリック記憶装置66−2の値、BM00は、乗算回路121−1の演算結果、BM11は、乗算回路121−4の演算結果をそれぞれ表している。
【0151】
そして、ACS回路122−1は、尤度の大きい方、すなわち、式(8)と式(9)のうち、計算結果の大きい方を選択し、その選択情報SEL00を後段のパスメモリ65に出力するとともに、式(8)と式(9)を計算して得られた結果のうち大きい方を、後段のステートメトリック記憶装置66−1に供給し、記憶させる。すなわち式(8)の計算結果の方が大きければ、SEL00=0とし、式(9)の計算結果の方が大きければ、SEL00=1とする。また、前者の場合、SM00×BM00が、後者の場合、SM01×BM11が、それぞれステートメトリック記憶装置66−1に、新たなステートメトリックSM00として記憶される。
【0152】
なお、ACS回路122−2乃至122−4も同様に動作し、新たなステートメトリックSM01乃至SM11を計算する。
【0153】
ビタビ復号器37におけるその他の動作は、図13における場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0154】
図4は、メトリック計算回路39の他の構成例を示している。
【0155】
A/D変換器141−1は、シンボル逆拡散回路33より供給されたI成分の信号I’をデジタル値に変換し、その値をROM142−1乃至142−4に、アドレスデータとして出力するようになされている。
【0156】
A/D変換器141−2は、シンボル逆拡散回路33より供給されたQ成分の信号Q’をデジタル値に変換し、その値をROM142−1乃至142−4に、アドレスデータとして出力するようになされている。
【0157】
ROM142−i(i=1,・・・,4)は、A/D変換器141−1,141−2より供給されたアドレスデータに対応するアドレスに記憶されている値を第iのビットに対するメトリックとしてビット逆変換回路101−iに出力するようになされている。
【0158】
即ち、ROM142−i(i=1,・・・,4)には、受信信号RのI成分I’およびQ成分Q’の各値に対応した上述の事後確率の総和の値が、第iのビットに対するメトリックとして、予め記憶されている。
【0159】
図5は、本発明の第2の実施例の構成を示している。第2の実施例は、第1の実施例のメトリック計算回路39とビット逆変換回路101−1乃至101−4の間に第2メトリック計算回路40を挿入したものであるので、第2メトリック計算回路40の説明だけを行い、他の構成要素の説明を省略する。
【0160】
図6は、第2メトリック計算回路40の構成例を示している。
【0161】
この第2メトリック計算回路40においては、対数演算器151−1は、メトリック計算回路39より供給された値u’の自然対数(log(u’))を計算し、その値を反転回路152−1に出力するようになされている。
【0162】
対数演算器151−2は、メトリック計算回路39より供給された値v’の自然対数(log(v’))を計算し、その値を反転回路152−2に出力するようになされている。
【0163】
同様に、対数演算器151−3は、メトリック計算回路39より供給された値x’の自然対数(log(x’))を計算し、その値を反転回路152−3に出力し、対数演算器151−4は、メトリック計算回路39より供給された値y’の自然対数(log(y’))を計算し、その値を反転回路152−4に出力するようになされている。
【0164】
反転回路152−1は、対数演算器151−1より供給された値(log(u’))に−1を乗じた値(−log(u’))を、第1のビットに対するメトリックu1’としてビット逆変換回路101−1に出力するようになされている。
【0165】
反転回路152−2は、対数演算器151−2より供給された値(log(v’))に−1を乗じた値(−log(v’))を、第2のビットに対するメトリックv1’としてビット逆変換回路101−2に出力するようになされている。
【0166】
同様に、反転回路152−3は、対数演算器151−3より供給された値(log(x’))に−1を乗じた値(−log(x’))を、第3のビットに対するメトリックx1’としてビット逆変換回路101−3に出力し、反転回路152−4は、対数演算器151−4より供給された値(log(y’))に−1を乗じた値(−log(y’))を、第3のビットに対するメトリックy1’としてビット逆変換回路101−4に出力するようになされている。
【0167】
次に、第2の実施例において利用されているメトリックについて説明する。
【0168】
受信装置が受信する信号Rが時間的に独立である場合、ビタビ復号器37は、上述の条件付き事後確率P(bi=0|R)の積
が最大である系列(即ち、最尤パス)を選択し、復号を行う。
【0169】
ここで、R(t)は、時刻tにおける受信信号を表し、{R(t)}は、受信信号系列を表し、P({R(t)})は、受信信号系列が{R(t)}となる確率を表している。bi(t)は、時刻tにおける伝送シンボルを構成する第iのビットの値(0または1)であり、{bi(t)}は、伝送するビットデータ系列を表している。{bi(t)}は、t,iの値に対応して0または1の2通りの値をとるので、系列長が2である場合においては、{00}、{01}、{10}、および、{11}の4通りの系列となり、系列長が3である場合においては8通りの系列、系列長が4である場合においては16通りの系列となる。
【0170】
ビタビ復号器37は、これらの複数の系列のうち、受信信号系列{R(t)}を受信したとき、最も確からしい送信系列(最尤パス)を選択する。即ち、ビタビ復号器37は、上述の条件付き事後確率P(bi=0|R)の積が最大であるパスを選択する。なお、式(10)の分母ΠP(R(t))は、パスの種類に依存しないので、ビタビ復号器37は、式(10)の分子ΠP(bi(t)=0∩R(t))が最大であるパスを選択すればよい。
【0171】
さらに、第2の実施例においては、第1の実施例におけるメトリックである確率P(bi(t)=0∩R(t))(時刻tにおけるP(bi=0∩R))の関数形を、次式に示すように指数関数に仮定している。
P(bi(t)=0∩R(t))=exp(−Ai(t)) (11)
【0172】
このとき、式(10)の分子ΠP(bi(t)=0∩R(t))は、
となり、ビタビ復号器37は、式
ΣAi(t)=Σ(−log(P(bi(t)=0∩R(t))))(13)
の値が最小となるパスを、最尤パスとして選択すればよい。
【0173】
従って、各時刻tにおける各ビットiに対するメトリックは、式
−log(P(bi(t)=0∩R(t))) (14)
で得られる値となる。即ち、第1の実施例においては、メトリック計算回路39は、式
P(bi(t)=0∩R(t)) (15)
に従ってメトリックを算出しているが、第2の実施例のおいては、第2メトリック計算回路40が、メトリック計算回路39により算出された値(式(15)で得られる値)の自然対数に−1を乗じた値を算出して、式(14)に従ったメトリックを算出している。
【0174】
なお、対数演算器151−1乃至151−4は、自然対数の代わりに常用対数を計算するようにしてもよい。
【0175】
また、メトリック計算回路39および第2メトリック計算回路40の代わりに、図4に示すメトリック計算回路39を利用し、ROM142−i(i=1,・・・,4)に、受信信号RのI成分I’およびQ成分Q’の各値に対応した上述の事後確率の総和の値の対数を、第iのビットに対するメトリックとして予め記憶しておくようにしてもよい。
【0176】
図7は、第2の実施例のビタビ復号器37の構成例を示している。図7のビタビ復号器37においては、上述のように、入力端子62−1と62−2から、シンボルの第1のビットの値が0である確率または第3のビットの値が0である確率を指数関数と仮定したときのその指数部に対応するデータXと、シンボルの第2のビットの値が0である確率または第4のビットの値が0である確率を指数関数と仮定したときのその指数部に対応するデータYが入力される。
【0177】
そして、入力端子62−1より入力された値Xは、セレクタ164−1に入力されるとともに、減算回路161−1に入力される。減算回路161−1は、指数部の最大値からXを減算した後、その値をセレクタ164−3に出力するようになされている。また、入力端子62−2より入力された値Yは、セレクタ164−2に入力されるとともに、減算回路161−2に入力される。減算回路161−2は、指数部の最大値からYを減算した後、その値をセレクタ164−4に出力するようになされている。
【0178】
セレクタ164−1は、定数発生回路165−1の出力である値0と、入力端子62−1を介して値Xの供給を受け、ビット挿入回路36より、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路165−1が発生した値0を選択し、その他のとき、値Xを選択し、選択した値を加算回路162−1,162−2に出力するようになされている。
【0179】
セレクタ164−2は、定数発生回路165−2の出力である値0と、入力端子62−2を介して値Yの供給を受け、ビット挿入回路36より、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路165−2が発生した値0を選択し、その他のとき、値Yを選択し、選択した値を加算回路162−1,162−3に出力するようになされている。
【0180】
セレクタ164−3は、定数発生回路165−3の出力である値0と、減算回路161−1の出力である、指数部の最大値から値Xを減算した値の供給を受け、ビット挿入回路36より、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路165−3が発生した値0を選択し、その他のとき、指数部の最大値から値Xを減算した値を選択し、選択した値を加算回路162−3,162−4に出力するようになされている。
【0181】
セレクタ164−4は、定数発生回路165−4の出力である値0と、減算回路161−2の出力である、指数部の最大値から値Yを減算した値の供給を受け、ビット挿入回路36より、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路165−4が発生した値0を選択し、その他のとき、指数部の最大値から値Yを減算した値を選択し、選択した値を加算回路162−2,162−4に出力するようになされている。
【0182】
加算回路162−1は、セレクタ164−1より供給された値と、セレクタ164−2より供給された値を加算し、その結果をブランチメトリックBM00として出力するようになされている。加算回路162−2は、セレクタ164−1より供給された値と、セレクタ164−4より供給された値を加算し、その結果をブランチメトリックBM01として出力している。同様に、加算回路162−3は、セレクタ164−2より供給された値と、セレクタ164−3より供給された値を加算し、その結果をブランチメトリックBM10として出力し、加算回路162−4は、セレクタ164−3より供給された値と、セレクタ164−4より供給された値を加算し、その結果をブランチメトリックBM11として出力するようになされている。
【0183】
加算回路162−1の出力BM00と、加算回路162−4の出力BM11は、ACS回路163−1,163−3に入力されている。同様に、加算回路162−2の出力BM01と、加算回路162−3の出力BM10が、ACS回路163−2,163−4に入力されている。
【0184】
ACS回路163−1,163−3にはまた、ステートメトリック記憶装置66−1の出力SM00とステートメトリック記憶装置66−2の出力SM01が入力されており、ACS回路163−2,163−4には、ステートメトリック記憶装置66−3の出力SM10とステートメトリック記憶装置66−4の出力SM11が入力されている。
【0185】
ACS回路163−1乃至163−4は、入力されたブランチメトリックとステートメトリックを加算して、新たなステートメトリックを計算し、その計算結果をステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4に出力するとともに、選択されたパスに対応する情報SEL00乃至SEL11をパスメモリ65に出力するようになされている。
【0186】
図7のビタビ復号器37のACS回路163−1乃至163−4は、ステートメトリックにブランチメトリックを加算して、パスメトリックを更新するので、セレクタ164−1,164−3は、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−1,133−3が発生した値0を加算回路162−1,162−3にそれぞれ出力し、セレクタ164−2,164−4は、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−2,133−4が発生した値0を加算回路162−2,162−4にそれぞれ出力するようにして、ダミーデータがメトリックの計算結果に影響を与えないようにしている。
【0187】
以上のようにして、上記実施例においては、受信信号Rを受信したとき、送信シンボルが所定のシンボルSjである条件付き事後確率P(Sj|R)の代わりに、所定のシンボルSjが送信され、受信信号Rが受信された事後確率P(Sj∩R)を計算し、その事後確率P(Sj∩R)から、シンボルの各ビットに対するメトリックを計算している。このようにすることにより、16QAM方式で送信されてきたデータに対するメトリックを算出し、受信したデータを正確に復号化することができる。
【0188】
上記実施例においては、16QAM方式でデータを変調し、復調するようにしたが、このほか、64QAM、256QAMなどの、I成分とQ成分が、それぞれ2以上のビットに対応する多値多位相変調方式を採用する場合においても、本発明は適用することが可能である。
【0189】
【発明の効果】
以上のごとく、請求項1に記載のデータ受信装置および請求項4に記載のデータ受信方法によれば、所定のデータのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、シンボルのビット毎に、そのビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算するようにしたので、比較的簡単な回路でメトリックを計算することができ、I成分とQ成分がそれぞれ2ビット以上に対応する多値多相変調方式で伝送されてくる信号を受信し、正確に復号することができる。
【0190】
請求項5に記載のデータ受信装置および請求項8に記載のデータ受信方法によれば、所定のデータのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、シンボルのビット毎に、そのビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算するようにしたので、比較的簡単な回路でメトリックを計算することができ、I成分とQ成分がそれぞれ2ビット以上に対応する多値多相変調方式で伝送されてくる信号を受信し、正確に復号することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ受信装置の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のメトリック計算回路の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のビタビ復号器の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1のメトリック計算回路の他の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明のデータ受信装置の第2の実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】図5の第2メトリック計算回路の構成例を示すブロック図である。
【図7】図5のビタビ復号器の構成例を示すブロック図である。
【図8】従来のデータ送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8の畳み込み符号化器の構成例を示すブロック図である。
【図10】図9の畳み込み符号化器の状態遷移を説明する図である。
【図11】QPSKの信号点配置を説明する図である。
【図12】従来のデータ受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図13】図12のビタビ復号器の構成例を示すブロック図である。
【図14】図13のブランチメトリック演算回路の構成例を示すブロック図である。
【図15】図13のパスメモリの構成例を示すブロック図である。
【図16】16QAMを用いた場合のデータ送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図17】16QAMの信号点配置を説明する図である。
【図18】図16の装置で送信したデータを受信するデータ受信装置の構成例を示す図である。
【図19】図18の実施例の動作を説明する図である。
【符号の説明】
32 復調器, 33 シンボル逆拡散回路, 35 並直列変換器, 36ビット挿入回路, 37 ビタビ復号器, 38 再生情報, 39 メトリック計算回路, 40 第2メトリック計算回路,101−1乃至101−4 ビット逆拡散回路, 111−1乃至111−16 確率計算回路, 112−1乃至112−4 加算回路, 141−1,141−2 A/D変換器, 142−1乃至142−4 ROM, 151−1乃至151−4 対数演算器,152−1乃至152−4 反転回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ受信装置および方法に関し、特に、所定のデータのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、その事後確率からメトリックを計算するデータ受信装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
米国においては、デジタル放送が既に開始されている。ヨーロッパでも、デジタルテレビ放送を導入するために、標準化組織Digital Video Broadcasting(DVB)が結成され、その標準方式がまとめられようとしている。このデジタル放送については、例えば、日経エレクトロニクス1996.1.15(no.653)の第139頁乃至第151頁に、「ディジタル放送,米国についで欧州も実用へ」として紹介されている。
【0003】
デジタル放送を行う場合、その消費電力ができるだけ少なくなるようにすることが望まれる。このような電力制限の厳しいこのような通信路においては、一般的に、誤り訂正符号を用いて符号化利得を得て電力の低減が図られている。この様なシステムにおいては、送信側で誤り訂正符号化を行い、受信側で誤り訂正復号を行うのが一般的である。特に信号電力対雑音電力比(C/N比)の小さい通信路においては、畳み込み符号が有利であり、この符号はビタビ復号法を用いることにより、容易に軟判定復号を行うことができ、高利得を得ることができる。
【0004】
さらに、畳み込み符号化器の符号出力の系列を、ある一定の規則に従って、間引くことにより、同一の復号器を用いて、複数の符号化率を容易に実現できるパンクチャド符号が知られている。また、パンクチャド符号化器の符号出力の系列をある一定の規則に従って、ビット毎に拡散することによって、伝送路上で重畳される雑音に対する耐性を向上させることができる。
【0005】
図8は、DVBの地上波テレビジョン放送のための規格DVB−Tにおいて提案されている送信装置の構成例を表している。この装置では、パンクチャド畳み込み符号、ビット拡散、QPSK変調方式が用いられている。
【0006】
即ち、図8の例においては、情報源1より出力された1ビットシリアルデータは、畳み込み符号化器2に入力され、パンクチャド符号の母符号系列X,Yが生成される。この例では、符号化率が1/2とされている。X,Yは、それぞれ1ビットの符号系列を表している。
【0007】
この符号系列X,Yは、ビット消去回路3に入力され、所定の規則に従って、ビット消去処理が行われるようになされている。ビット消去回路3より出力されたシリアル化されたパンクチャド符号系列は、直並列変換器4に入力され、1系列のデータから2系列のデータに変換されるようになされている。
【0008】
直並列変換器4より出力された2系列のデータx,yは、ビット拡散回路5−1,5−2にそれぞれ入力され、ビットの順番が拡散(交錯)されるビット拡散処理が行われるようになされている。ビット拡散回路5−1,5−2より出力されたビット拡散後のデータx’,y’は、信号点割当回路6に入力され、伝送路上のシンボルへ割り当てられる。信号点割当回路6は、相互に直交する同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)で表される信号点の座標データI’,Q’を出力する。
【0009】
シンボル拡散回路7は、信号点割当回路6より出力された座標データI’,Q’により規定されるシンボルの順番を拡散するシンボル拡散処理を実行し、拡散後のシンボルのI成分とQ成分を出力する。変調器8は、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式で、I成分とQ成分をデジタル変調し、アンテナ9を介して電波で出力するようになされている。
【0010】
図9は、畳み込み符号化器2の構成例を表している。但し、この構成例は、DVB−Tで規定されているものではなく、畳み込み処理の説明のための原理的構成を示すものである。この例においては、情報源1より出力された1ビットのシリアルデータが端子21から入力され、遅延回路22,23により、それぞれ1クロック分ずつ順次遅延された後、加算回路24と25に出力されている。加算回路24にはまた、端子21の出力と遅延回路22の出力とが供給されており、加算回路24は、これらのデータを加算(排他的論理和演算)した後、端子26からデータXとして出力するようになされている。また、加算回路25は、端子21の出力と遅延回路23の出力を加算(排他的論理和演算)して、端子27からデータYとして出力するようになされている。
【0011】
即ち、この実施例においては、1ビットの入力に対して、遅延回路22と23の内部状態から定まる2ビットの母符号が出力されることになる。この例の場合、拘束長が3、内部遅延素子が2、状態数が4、符号化率が1/2となる。
【0012】
図10は、この畳み込み符号化器2の状態遷移図を表している。この畳み込み符号化器2の状態遷移は、次のようになる。
【0013】
即ち、例えば、状態00(遅延素子22の出力と遅延素子23の出力が共に0の状態)において、端子21から0が入力されると、端子26,27から、(XY)=(00)が出力され、状態00に遷移する。状態00から1が入力されると、(XY)=(11)が出力され、状態は10に遷移する。状態01から0が入力されると、(XY)=(11)が出力され、状態00に遷移する。状態01から1が入力されると、(XY)=(00)が出力され、状態10に遷移する。
【0014】
他の状態においても、図10に示すように、0または1の入力に対して、図示した出力が出され、図示した状態に遷移する。
【0015】
ビット消去回路3では、ある規則に従って、母符号系列(XY)から適当な位置のデータを消去することによって、結果として符号化率を変えることができる。以下に、例えば、
X:10
Y:11
のような消去マップに従ってビットが消去される場合について説明する。
【0016】
消去マップの1に対応するビットは伝送され、0に対応するビットは伝送されない(消去される)。消去マップによれば、ある時点での畳み込み符号化器2の出力X(=X1)とY(=Y1)は、X1Y1の順で伝送され、次の時点では、畳み込み符号化器2の出力X(=X2)は消去されて伝送されず、Y(=Y2)のみ伝送されることになる。即ち、この2つの時点で伝送されるビットは、X1Y1Y2となる。この操作で畳み込み符号化器2に入力されるビット数は2ビット、ビット消去回路3から出力されるビット数は3ビットとなるので、符号化率Rは2/3となる。この操作は2単位時間ごとに繰り返される。
【0017】
直並列変換器4では、入力される1系列のデータX1,Y1,Y2,・・・が2系列のデータ(x,y)に変換される。
【0018】
ビット拡散回路5−1,5−2は、入力データ系列x,yの順番を所定の規則に従って入れ替えることによって、ビットを拡散する。このとき、一般にビット拡散回路5−1と5−2の拡散方法は異なるものとされる。
【0019】
以下にビット拡散の例を示す。Mビットの入力データを1ブロックとし、適当な数値sを定める。ビット拡散は、Mビットの入力系列からなるベクトル
(B0,B1,・・・,Bk,・・・,BM−1)から、
拡散後のMビットの出力系列からなるベクトル
(B’0,B’1,・・・,B’n,・・・,B’M−1)への置換を意味する。このとき、B’n=Bk(n=k+s mod M)である。
【0020】
ビット拡散回路5−1,5−2で異なるsを用いることによって、同じアルゴリズムで異なるビット拡散回路を構成することができる。
【0021】
信号点割当回路6では、入力されたデータ(x’,y’)を伝送路上のシンボルへ割り当てる。割り当ては、例えば図11に示すように、QPSK方式に従って行われる。即ち、
(x’,y’)=(0,0)のとき、(I’,Q’)=(1/√2,1/√2)、
(x’,y’)=(0,1)のとき、(I’,Q’)=(1/√2,−1/√2)、
(x’,y’)=(1,0)のとき、(I’,Q’)=(−1/√2,1/√2)、
(x’,y’)=(1,1)のとき、(I’,Q’)=(−1/√2,−1/√2)
として割り当てが行われる。
【0022】
シンボル拡散回路7は、(I’,Q’)で表されるシンボルS’の順番を所定の規則に従って入れ替えることによって、シンボルの拡散を行い、シンボルS(I,Q)を得るものであり、これによって、伝送路上で受けたバースト的な誤りを拡散することができる。
【0023】
具体的な例を示すと、N−1個のシンボルを拡散の単位ブロックとして、N未満の、Nと互いに素な数Gを定めたとき、拡散は、拡散前のシンボルを要素とするベクトル
(S’1,S’2,・・・,S’k,・・・,S’N−1)から
拡散後のシンボルを要素とするベクトル
(S1,S2,・・・,Sn,・・・,SN−1)への置換として実行される。このとき、Sn=S’k(n=G^k mod N)である。
【0024】
変調器8では、入力されるシンボルSのI成分とQ成分に従って、搬送波を変調し、アンテナ9を介して送信する。
【0025】
図12は、図8の送信装置より送信されたデータを受信する受信装置の構成例を表している。復調器32は、アンテナ31を介して受信した電波を復調し、I成分信号とQ成分信号を出力する。シンボル逆拡散回路33は、図8のシンボル拡散回路7におけるシンボル拡散処理と逆の処理、即ち、シンボル拡散回路7において入れ替えたシンボルの順番を元の順番に戻す処理を行い、I信号成分I’とQ信号成分Q’を出力する。
【0026】
ビット逆拡散回路34−1,34−2は、シンボル逆拡散回路33より出力されたI’信号とQ’信号に対して、図8のビット拡散回路5−1,5−2において変更したビットの順番を、元の順番に戻す処理を実行する。
【0027】
ビット逆拡散回路34−1,34−2より出力されたI’信号成分に対応するデータxと、Q’信号成分に対応するデータyは、並直列変換器35に入力され、2系列のデータ(x,y)から1系列のデータに変換され、ビット挿入回路36に供給される。
【0028】
ビット挿入回路36においては、図8のビット消去回路3におけるビット消去処理と反対に、ビット挿入処理が行われる。ビット挿入回路36により、ビットが挿入されたI信号成分のデータxとQ信号成分のデータyは、ビタビ復号器37に入力され、ビタビ復号され、再生情報38として出力されるようになされている。
【0029】
次に、その動作について説明する。
【0030】
アンテナ31で受けた受信信号は、復調器32で復調されて、各シンボルのI成分とQ成分のデータが得られる。このI成分とQ成分のデータは、シンボル逆拡散回路33に入力され、そこで、シンボル拡散回路7における場合と逆の操作が行なわれ、逆拡散されたデータI’とQ’が得られる。
【0031】
即ち、この逆拡散の操作は、シンボル拡散回路7で用いた場合と同じ値N,Gを用いて表すと、逆拡散前のシンボルを要素とするベクトル
(S1,S2,・・・,Sn,・・・,SN−1)を、
逆拡散後のシンボルを要素とするベクトル
(S’1,S’2,・・・,S’k,・・・,S’N−1)へ置換する処理となる。このとき、Sn=S’k(n=G^k mod N)である。
【0032】
シンボル逆拡散回路33から供給されたI成分データI’と、Q成分データQ’は、それぞれビット逆拡散回路34−1,34−2に供給される。
【0033】
ビット逆拡散回路34−1,34−2は、それぞれ、ビット拡散回路5−1,5−2に対応し、それぞれ、ビット拡散回路5−1,5−2と逆の操作を行う。
【0034】
即ち、M個の入力データを1ブロックとし、適当な数値sを定め、M個の入力系列からなるベクトル
(B’0,B’1,・・・,B’n,・・・,B’M−1)から、
逆拡散後のM個の出力系列からなるベクトル
(B0,B1,・・・,Bk,・・・,BM−1)が求められる。このとき、B’n=Bk(n=k+s mod M)である。
【0035】
ここで、ビット逆拡散回路34−1,34−2のビット逆拡散で用いる数値sは、それぞれ、ビット拡散回路5−1,5−2で用いる数値sと同じ値を用いる。
【0036】
こうしてビット逆拡散されたデータ系列(x,y)は、次段の並直列変換器35に供給され、そこで直並列変換器4と逆の操作が行なわれ、2系列のデータ(x,y)から1系列のデータに変換される。
【0037】
ビット挿入回路36では、ビット消去回路3と逆の操作が行われる。即ち、前述の例の消去マップ
X:10
Y:11
を用いたビット消去回路3の処理に対応して、ビット挿入回路36は、
X1,Y1,Y2(今の場合、x1,y1,y2)
の順で入力されるデータに対して、消去されているデータX2(x2)に相当する位置で任意のダミーデータ(ここでは0とする)を挿入して、
Xデータとして、X1(x1),0を、
Yデータとして、Y1(y1),Y2(y2)を、
この順で出力する。また、ダミーデータを挿入した位置を示す挿入フラグをビタビ復号器37に供給する。
【0038】
ビタビ復号器37では、畳み込み符号化器2の状態遷移(図10)に従ってビタビ復号を行う。図13にビタビ復号器37の例を示す。入力端子62−1,62−2には、ビット挿入回路36より出力されたデータX,Yが、それぞれ入力される。これらのデータX,Yは、ブランチメトリック演算回路63−1乃至63−4に入力されている。ブランチメトリック演算回路63−1においては、入力データ(X,Y)と図11に示した座標点(1/√2,1/√2)との距離を、ブランチメトリックとして演算する。同様に、ブランチメトリック演算回路63−2乃至63−4においては、入力データ(X,Y)と座標点(1/√2,−1/√2),(−1/√2,1/√2)または(−1/√2,−1/√2)との距離が演算されるようになされている。
【0039】
ブランチメトリック演算回路63−1,63−4の出力(ブランチメトリック)BM00,BM11は、ACS(Add Compare Select)回路64−1,64−3に入力されている。同様に、ブランチメトリック演算回路63−2の出力(ブランチメトリック)BM01とブランチメトリック演算回路63−3の出力(ブランチメトリック)BM10が、ACS回路64−2,64−4に入力されている。
【0040】
ACS回路64−1,64−3にはまた、ステートメトリック記憶装置66−1の出力(ステートメトリック)SM00とステートメトリック記憶装置66−2の出力(ステートメトリック)SM01が入力されており、ACS回路64−2,64−4には、ステートメトリック記憶装置66−3の出力(ステートメトリック)SM10とステートメトリック記憶装置66−4の出力(ステートメトリック)SM11が入力されている。
【0041】
ACS回路64−1乃至64−4は、入力された一方のブランチメトリックBMとそれに対応するステートメトリックSMを加算するとともに、他方のブランチメトリックBMとそれに対応するステートメトリックSMを加算する。そして、ACS回路64−1乃至64−4は、2つの加算結果を比較し、その比較結果に対応して、小さい方の加算値をステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4に、新たなステートメトリックSMとして出力するとともに、その選択結果を表す信号SEL00乃至SEL11をパスメモリ65に出力している。さらに、パスメモリ65には、ステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4からステートメトリックSM00乃至SM11が入力されている。
【0042】
ステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4は、端子61から入力される信号によりリセットされるようになされている。パスメモリ65は、端子67から復号結果を出力するようになされている。
【0043】
次に、その動作について説明する。
【0044】
ブランチメトリック演算回路63−1では、入力データ(X,Y)と座標点(1/√2,1/√2)との距離がブランチメトリックBM00として計算される。同様にブランチメトリック演算回路63−2では入力データ(X,Y)と座標点(1/√2,−1/√2)との距離、ブランチメトリック演算回路63−3では入力データ(X,Y)と座標点(−1/√2,1/√2)との距離、ブランチメトリック演算回路63−4では入力データ(X,Y)と座標点(−1/√2,−1/√2)との距離が、ブランチメトリックBM01,BM10,BM11としてそれぞれ計算される。なお、ここでは、前段のビット挿入回路36から供給される挿入フラグに従って、挿入されたダミーデータに関する距離計算は省略される。即ち、挿入されたビットと比較すべき座標との距離は、すべて同じ(例えば0)とされる。
【0045】
ACS回路64−1では畳み込み符号化器2の状態遷移に従って次の2つの式が計算され、尤度の大きい方、即ち、計算結果の小さい方が選択され、その選択情報SELは後段のパスメモリ65に、その計算結果SMはステートメトリック記憶装置66−1に、それぞれ供給される。
【0046】
SM00+BM00 (1)
SM01+BM11 (2)
【0047】
ここで、SM00は、1単位時間前のステートメトリック記憶装置66−1の値、SM01は、1単位時間前のステートメトリック記憶装置66−2の値、BM00は、ブランチメトリック演算回路63−1の演算結果、BM11は、ブランチメトリック演算回路63−4の演算結果を、それぞれ表している。
【0048】
式(1)の計算結果の方が小さければSEL00=0が、式(2)の計算結果の方が小さければSEL00=1が、後段のパスメモリ65に供給される。そして、前者の場合、SM00+BM00が、後者の場合、SM01+BM11が、それぞれステートメトリック記憶装置66−1に、新たなステートメトリックSM00として記憶される。
【0049】
この計算を図10の状態遷移図に沿って説明する。状態00に到達するパスは2本あり、1本目は状態00で0が入力され、00を出力するパスで、比較される計算式は式(1)のようになり、2本目は状態01で0が入力され、11を出力するパスで、比較される計算式は式(2)のようになる。計算結果のうち小さいほうが新たなステートメトリックSM00としてステートメトリック記憶装置66−1に供給される。
【0050】
同様の動作が、ACS回路64−2乃至64−4においても行われる。なお、ステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4は、システムが動作する初期段階で0にリセットされる。この制御は図には示していない制御装置から端子61を介して行われる。
【0051】
パスメモリ65では、図10の状態遷移図に従って、ACS回路64−1乃至64−4からの選択情報SEL00乃至SEL11を用いて、入力データ、即ち復号データの選択、記憶、伝搬を行う。
【0052】
図14は、ブランチメトリック演算回路63−1の構成例を表している。端子62−1より入力されたデータXは、減算回路51に入力され、発生回路52からの1/√2で減算されるようになされている。減算回路51の出力は、乗算回路53に分岐して入力され、乗算される(即ち、自乗される)ようになされている。セレクタ203は、乗算回路53の出力と、発生回路202の出力の供給を受け、端子201を介してXに対する挿入フラグが、ビット挿入回路36より入力されたとき、発生回路202が発生する0を選択し、その他のとき、乗算回路53の出力を選択し、加算回路54に出力する。
【0053】
同様に、端子62−2より入力されたデータYが、減算回路55に入力され、発生回路56からの1/√2で減算されるようになされている。減算回路55の出力は、乗算回路57に分岐して入力され、乗算(自乗)されるようになされている。セレクタ206は、乗算回路57の出力と、発生回路205の出力の供給を受け、端子204を介してYに対する挿入フラグがビット挿入回路36より入力されたとき、発生回路205が発生する0を選択し、その他のとき、乗算回路57の出力を選択し、加算回路54に出力している。加算回路54は、セレクタ203の出力とセレクタ206の出力とを加算し、ブランチメトリックBM00として出力するようになされている。
【0054】
即ち、この例においては、挿入フラグが入力されないとき、減算回路51が、X−1/√2を出力し、これが乗算回路53において自乗され、乗算回路53から(X−1/√2)2が出力される。同様に、減算回路55が、Y−1/√2を出力し、この値が乗算回路57により自乗され、乗算回路57は(Y−1/√2)2を出力する。加算回路54は、乗算回路53の出力と乗算回路57の出力の加算値(X−1/√2)2+(Y−1/√2)2をブランチメトリックBM00として出力する。
【0055】
一方、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、セレクタ203は、0を出力するので、加算回路54の出力は、(Y−1/√2)2となり、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、セレクタ206は、0を出力するので、加算回路54の出力は、(X−1/√2)2となる。
【0056】
ブランチメトリック演算回路63−2乃至63−4においても、図14に示した場合と同様の構成の回路により、同様の演算が行われる。但し、ブランチメトリック演算回路63−2においては、発生回路52の出力は1/√2、発生回路56の出力は−1/√2とされる。また、ブランチメトリック演算回路63−3においては、発生回路52と56の出力は、それぞれ−1/√2と1/√2とされ、ブランチメトリック演算回路63−4においては、それぞれ−1/√2と−1/√2とされる。
【0057】
図15にパスメモリ65のブロック図を示す。端子71−1乃至71−4には、ACS回路64−1乃至64−4より出力された選択情報SEL00乃至SEL11が入力されている。これらの選択情報SEL00乃至SEL11は、それぞれ2入力1出力のセレクタ73−1乃至73−4に制御信号として入力されている。また、セレクタ73−1には、2つの入力として、端子72−1から固定データ0が入力されている。同様に、セレクタ73−2乃至73−4には、端子72−2乃至72−4から、それぞれ2入力として固定データ0,1または1が入力されている。
【0058】
セレクタ73−1乃至73−4は、選択情報SEL00乃至SEL11に対応して、2つの入力のうちの一方を選択し、後段のレジスタ81−1乃至81−4に出力する。但し、この第1列目のセレクタ73−1乃至73−4には、上述したように、端子72−1乃至72−4から2入力として同一のデータが入力されているため、レジスタ81−1乃至81−4には、それぞれ0,0,1または1が記憶されることになる。
【0059】
以下、同様に、n列(図15の例の場合、4列)のセレクタとレジスタからなる構成が設けられている。即ち、第2列目においては、セレクタ74−1乃至74−4とレジスタ82−1乃至82−4が設けられている。セレクタ74−1,74−3には、前列のレジスタ81−1の出力とレジスタ81−2の出力が供給されている。セレクタ74−2,74−4には、レジスタ81−3の出力とレジスタ81−4の出力が入力されている。そして、セレクタ74−1乃至74−4は、選択情報SEL00乃至SEL11の値に対応して、2入力のうちの一方を選択し、後段のレジスタ82−1乃至82−4に出力する処理を行う。例えば、レジスタ74−1は、選択情報SEL00が0であるとき、レジスタ81−1の出力を選択し、選択情報SEL00が1であるとき、レジスタ81−2の出力を選択し、出力するようになされている。
【0060】
最終列のレジスタ84−1乃至84−4の出力は、4入力1出力のセレクタ85に入力されている。
【0061】
最小値比較回路88には、端子87−1乃至87−4から、図13のステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4より出力されたステートメトリックSM00乃至SM11が入力されている。最小値比較回路88は、4つのステートメトリックの大きさを比較し、最小のものを選択する。そして、ステートメトリックSM00が最小であったとき、データ00を出力し、ステートメトリックSM01が最小であったとき、データ01を出力し、ステートメトリックSM10が最小であったとき、データ10を出力し、ステートメトリックSM11が最小であったとき、データ11を出力する。セレクタ85は、最小値比較回路88からの入力が00であるとき、レジスタ84−1の出力を選択し、01であるとき、レジスタ84−2の出力を選択し、10であるとき、レジスタ84−3の出力を選択し、11であるとき、レジスタ84−4の出力を選択し、端子86から復号結果として出力するようになされている。端子72−1乃至72−4の固定値は、それぞれの状態に対応する復号情報を意味する。
【0062】
このような、パスメモリ65の結線は、図10の状態遷移図に基づいている。パスメモリ65の構成のうち、最上行は状態00に、第2行目は状態01に、第3行目は状態10に、最下行は状態11に、それぞれ対応する。また、第1列目は復号情報の取り込みを行う。図10によれば、状態00に到達するパスは、状態00と状態01からの2本存在する。それぞれのパスに対応する入力ビット即ち復号情報は、いずれの場合も0である。そこで、状態00(最上行)における第1列では、選択情報SEL00によってそれに対応する復号情報0が選択されるように、セレクタ73−1の入力端子が配線されている。
【0063】
第1列目においては、状態01、状態10、状態11に対しても同様にして結線されている。
【0064】
第2列目以降においては、復号系列の選択、伝搬および記憶が行われる。図10によれば、状態00に到達するパスは、状態00、状態01からの2本存在する。そこで、状態00における第2列では、選択情報SEL00によって、それに対応する状態からのデータが選択されるように、セレクタ74−1の入力端子が配線されている。
【0065】
第2列目以降においても、同様に結線されている。さらに、第2行乃至第3行の状態01、状態10、状態11においても同様にして結線されている。
【0066】
パスメモリ65の最終列では、記憶された4つの復号データから、最も尤度の大きいパスに対応するデータが最終的な復号データとして出力される。「最も尤度の大きいパス」とは、4つのステートメトリックSM00乃至SM11のうち、最小の値を持つものに対応するパスであり、セレクタ85で、その時点におけるステートメトリックの最小値に対応するパス、即ち、最も尤度の大きいパスが選択されることになる。
【0067】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、高速(高ビットレート)の伝送が叫ばれる中、前述のデジタルデータ伝送システムの変調方式を、QPSKから16QAM、64QAM、256QAM等に拡張することが考えられる。こうすると、伝送できるビット数は、QPSKの2ビットに対してそれぞれ、4ビット、6ビット、または8ビットとなり、QPSKに対して2倍、3倍、6倍に増加することになる。
【0068】
図16に16QAMによるデータ送信装置のブロック図を示す。図16において、図8における場合と対応する部分には、同一の符号を付してある。即ち、この例においては、直並列変換器4において、ビット消去回路3より出力されたシリアルデータが、4ビットを単位とするデータu,v,x,yに変換される。そして、各データ毎に、ビット拡散回路91−1乃至91−4において、ビット拡散処理が行われ、データu’,v’,x’,y’として、信号点割当回路6に供給されるようになされている。その他の構成は、図8における場合と同様である。
【0069】
即ち、この例においては、直並列変換器4において、1系列のデータが16QAMに対応する4系列のデータ(u,v,x,y)に変換され、それぞれがビット拡散回路91−1乃至91−4において、所定の規則に従って、ビットの順番を入れ替えることにより、ビット拡散処理が行われる。その処理は、図8におけるビット拡散回路5−1,5−2における処理と同様の処理であり、それぞれが異なる数値sを用いて、異なるビット拡散処理を実行する。
【0070】
信号点割当回路6では、入力された4ビットのデータ(u’,v’,x’,y’)を伝送路上のシンボルへ割り当てる。割り当ては、例えば図17に従って行われる。即ち、例えば、
(u’,v’,x’,y’)=(0,0,0,0)のとき、
(I’,Q’)=(3/√10,3/√10)、
(u’,v’,x’,y’)=(0,0,0,1)のとき、
(I’,Q’)=(3/√10,1/√10)
としてに割り当てが行われる。
【0071】
他の入力に関しても同様に割り当てが行われる。
【0072】
以下、図8における場合と同様の処理が行われ、データが送信される。
【0073】
図16に示す送信装置で、図17に示すような16QAM方式で信号点割り当てを行い、送信したデータを受信する場合、受信装置は、図12に対応して、図18に示すように構成することが考えられる。しかしながら、実際には、図18に示すように受信装置を構成することはできない。
【0074】
即ち、上述したように、シンボル逆拡散回路33に復調器32より入力されるデータ(I,Q)のそれぞれの成分I,Qは、QPSK方式の場合、それぞれが1ビットを表していたが、16QAM方式の場合、それぞれが2ビットを表すことになる。例えば、図17に示す信号点配置の場合、Iは、第1のビットと第3のビットの情報を含み、Qは、第2のビットと第4のビットの情報を含んでいる。しかしながら、例えば、Iは、1/√10や3/√10といった1つの値であり、Qも同様に1つの値である。従って、これを図18に示すように、u’,v’に分割したり、x’,y’に分割することはできない。その結果、16QAM方式の場合におけるデータ受信装置は、やはり図12に示すように構成されることになる。
【0075】
その結果、図12のビット挿入回路36において行われる処理は、次のようになると考えられる。
【0076】
例えば、図19(A)に示すように、ビット挿入回路36に、x1,y1,x2,y2,x3,y3,・・・のようにデータが入力されたとすると、同図(B)に示すように、x1,y1が、データX1,Y1として出力され、次にダミーデータdが、データX2として出力され、データx2が、データY2として出力される。また、同様に、データy2,x3が、データX3,Y3として出力された後、ダミーデータdが、データX4として出力され、次に、データy3が、データY4として出力される。
【0077】
しかしながら、この処理は、図16のビット消去回路3における処理と逆の処理を実行していることにはならない。即ち、ビット消去回路3において行っていたビット消去(ビット操作)処理は、1ビット単位で行っていたものである。これに対して、図19(B)に示すデータx1,y2などは、それぞれが2ビットのデータに対応しているものであり、その後に1ビットのダミーデータdを挿入し、さらにその次に2ビットのデータx2を出力すると、結局、元のデータ配列とは全く異なるデータ配列が出力されてしまうことになる。
【0078】
その結果、ビット挿入回路36の出力を、ビタビ復号器37でビタビ復号すると、復号結果は、成分が若干劣化するといった類のものではなく、全く異なるものになるため、復号は不可能となる。
【0079】
これに対して、例えば図18に示すデータ受信装置のシンボル逆拡散回路33において、硬判定を行うようにすれば、図18に示すように、(I,Q)から、u’,v’,x’,y’を生成することができると考えられる。即ち、この場合、(I,Q)の座標と図17に示す各信号点との距離が計算され、(I,Q)が最も距離の短い信号点に対応されるので、この信号点から、u’,v’,x’,y’を生成することが可能である。しかしながら、このような硬判定を行うと、正確なデータの復号が困難になる。
【0080】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、16QAM、64QAM、256QAMなどの多値多位相変調方式で伝送されてきたデータを正確に復号化することができるようにするものである。
【0081】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のデータ受信装置は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算するメトリック計算手段と、メトリックを利用してデータの復号を行う復号手段とを備えることを特徴とする。
【0082】
請求項4に記載のデータ受信方法は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算するステップと、メトリックを利用してデータの復号を行うステップとを備えることを特徴とする。
【0083】
請求項5に記載のデータ受信装置は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算するメトリック計算手段と、メトリックを利用してデータの復号を行う復号手段とを備えることを特徴とする。
【0084】
請求項8に記載のデータ受信方法は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算するステップと、メトリックを利用してデータの復号を行うステップとを備えることを特徴とする。
【0085】
請求項1に記載のデータ受信装置においては、メトリック計算手段は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算し、復号手段は、メトリックを利用してデータの復号を行う。
【0086】
請求項4に記載のデータ受信方法においては、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算し、そのメトリックを利用してデータの復号を行う。
【0087】
請求項5に記載のデータ受信装置においては、メトリック計算手段は、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算し、復号手段は、メトリックを利用してデータの復号を行う。
【0088】
請求項8に記載のデータ受信方法においては、データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算し、そのメトリックを利用してデータの復号を行う。
【0089】
【発明の実施の形態】
図1は、図16のデータ送信装置で送信されたデータを受信する、本発明のデータ受信装置の第1の実施例を表している。図1において、従来の図12に示す場合と対応する部分には、同一の符号を付してある。図1の実施例においては、シンボル逆拡散回路33は、図16のシンボル拡散回路7におけるシンボル拡散処理と逆の処理、即ち、シンボル拡散回路7において入れ替えたシンボルの順番を元の順番に戻す処理を行い、I信号成分I’とQ信号成分Q’をメトリック計算回路39(メトリック計算手段)に出力するようになされている。
【0090】
メトリック計算回路39は、供給されたI信号成分I’およびQ信号成分Q’から第1乃至第4のビットに対するメトリックを計算し、計算したメトリックu’,v’,x’,y’を、ビット逆拡散回路101−1乃至101−4にそれぞれ出力するようになされている。
【0091】
メトリック計算回路39は、図2に示すように構成される。図2に示すように、シンボル逆拡散回路33より供給されたI’信号とQ’信号は、n個の確率計算回路111−1乃至111−nに入力される。今の場合、図17に示すように、16QAMで信号点割り当て処理が行われているので、このnは16とされる。
【0092】
確率計算回路111−1は、図17に示す16QAMの0000に対応するシンボルS0000が送信され、受信信号Rが受信された事後確率P(S0000∩R)を計算し、確率計算回路111−2は、16QAMの0001に対応するシンボルS0001が送信され、受信信号Rが受信された事後確率P(S0001∩R)を計算するようになされている。
【0093】
以下、同様に、確率計算回路111−3は、16QAMの0010に対応するシンボルS0010が送信され、受信信号Rが受信された事後確率P(S0010∩R)を計算し、確率計算回路111−4乃至111−15は、シンボルS0011乃至S1110に対応する事後確率を計算するようになされている。そして、確率計算回路111−16は、16QAMの1111に対応するシンボルS1111が送信され、受信信号Rが受信された事後確率P(S1111∩R)を計算するようになされている。
【0094】
なお、本実施例においては、シンボルの第1乃至第4のビットのいずれかが0であるときの事後確率を、そのビットに対応するメトリックとして計算しているので、事後確率P(S1111∩R)を計算する確率計算回路111−16は、特に必要なく、取り除いてもよい。
【0095】
加算回路112−1は、第1のビットが0であるシンボル、即ち、S0000,S0001,S0010,S0011,S0100,S0101,S0110,S0111に対する事後確率を計算する確率計算回路111−1乃至111−8からの出力を受け取り、それらの値の総和を演算し、第1のビットに対するメトリックとしてビット逆拡散回路101−1に出力するようになされている。
【0096】
加算回路112−2は、第2のビットが0であるシンボル、即ち、S0000,S0001,S0010,S0011,S1000,S1001,S1010,S1011に対する事後確率を計算する確率計算回路111−1乃至111−4,111−9乃至111−12からの出力を受け取り、それらの値の総和を演算し、第2のビットに対するメトリックとしてビット逆拡散回路101−2に出力するようになされている。
【0097】
加算回路112−3は、第3のビットが0であるシンボル、即ち、S0000,S0001,S0100,S0101,S1000,S1001,S1100,S1101に対する事後確率を計算する確率計算回路111−i(i=1,2,5,6,9,10,13,14)からの出力を受け取り、それらの値の総和を演算し、第3のビットに対するメトリックとしてビット逆拡散回路101−3に出力するようになされている。
【0098】
加算回路112−4は、第4のビットが0であるシンボル、即ち、S0000,S0010,S0100,S0110,S1000,S1010,S1100,S1110に対する事後確率を計算する確率計算回路111−i(i=1,3,5,7,9,11,13,15)からの出力を受け取り、それらの値の総和を演算し、第4のビットに対するメトリックとしてビット逆拡散回路101−4に出力するようになされている。
【0099】
ビット逆拡散回路101−i(i=1,・・・,4)は、メトリック計算回路39より供給された第iのビットに対するメトリックに対して、図16のビット拡散回路91−iにおいて変更したビットの順番を元の順番に戻す処理を実行するようになされている。ビット逆拡散の処理が行われた第1乃至第4のビットに対するメトリックは、並直列変換器35に入力され、4系列のデータから1系列のデータに変換されるようになされている。
【0100】
図3は、図1のビタビ復号器37(復号手段)の構成例を表している。この実施例においては、入力端子62−1にビット挿入回路36の出力X(第1のビットに対するメトリックuまたは第3のビットに対するメトリックxに対応する値)が入力され、入力端子62−2にビット挿入回路36の出力Y(第2のビットに対するメトリックvまたは第4のビットに対するメトリックyに対応する値)が入力されるようになされている。
【0101】
そして、入力端子62−1より入力された値Xは、セレクタ132−1に入力されるとともに、反転回路131−1に入力され、そのビットがすべて反転された後、セレクタ132−3に入力されるようになされている。また、入力端子62−2より入力された値Yは、セレクタ132−2に入力されるとともに、反転回路131−2に入力され、そのすべてのビットが反転された後、セレクタ132−4に入力されるようになされている。
【0102】
セレクタ132−1は、定数発生回路133−1の出力である値1と、入力端子62−1を介して値Xの供給を受け、ビット挿入回路36より、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−1が発生した値1を選択し、その他のとき、値Xを選択し、選択した値を乗算回路121−1,121−2に出力するようになされている。
【0103】
セレクタ132−2は、定数発生回路133−2の出力である値1と、入力端子62−2を介して値Yの供給を受け、ビット挿入回路36より、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−2が発生した値1を選択し、その他のとき、値Yを選択し、選択した値を乗算回路121−1,121−3に出力するようになされている。
【0104】
セレクタ132−3は、定数発生回路133−3の出力である値1と、反転回路131−1の出力である、値Xを反転した値の供給を受け、ビット挿入回路36より、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−3が発生した値1を選択し、その他のとき、値Xを反転した値を選択し、選択した値を乗算回路121−3,121−4に出力するようになされている。
【0105】
セレクタ132−4は、定数発生回路133−4の出力である値1と、反転回路131−2の出力である、値Yを反転した値の供給を受け、ビット挿入回路36より、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−4が発生した値1を選択し、その他のとき、値Yを反転した値を選択し、選択した値を乗算回路121−2,121−4に出力するようになされている。
【0106】
乗算回路121−1は、セレクタ132−1より供給された値と、セレクタ132−2より供給された値を乗算し、乗算結果をブランチメトリックBM00として出力するようになされている。乗算回路121−2は、セレクタ132−1より供給された値と、セレクタ132−4より供給された値を乗算し、乗算結果をブランチメトリックBM01として出力している。同様に、乗算回路121−3は、セレクタ132−2より供給された値と、セレクタ132−3より供給された値を乗算し、乗算結果をブランチメトリックBM10として出力し、乗算回路121−4は、セレクタ132−3より供給された値と、セレクタ132−4より供給された値を乗算し、その乗算結果をブランチメトリックBM11として出力するようになされている。
【0107】
乗算回路121−1の出力BM00と、乗算回路121−4の出力BM11は、ACS回路122−1,122−3に入力されている。同様に、乗算回路121−2の出力BM01と、乗算回路121−3の出力BM10が、ACS回路122−2,122−4に入力されている。
【0108】
ACS回路122−1,122−3にはまた、ステートメトリック記憶装置66−1の出力SM00とステートメトリック記憶装置66−2の出力SM01が入力されており、ACS回路122−2,122−4には、ステートメトリック記憶装置66−3の出力SM10とステートメトリック記憶装置66−4の出力SM11が入力されている。
【0109】
ACS回路122−1乃至122−4は、入力されたブランチメトリックとステートメトリックから、新たなステートメトリックを計算し、その計算結果をステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4に出力するとともに、選択されたパスに対応する情報SEL00乃至SEL11をパスメモリ65に出力するようになされている。
【0110】
なお、本実施例のビタビ復号器37のその他の構成は、図13における場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0111】
なお、図1のデータ受信装置のその他の構成は、図12における場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0112】
次に、図1のデータ受信装置の動作について説明する。
【0113】
アンテナ31で受けた受信信号は、復調器32で復調されて、シンボルのI成分とQ成分のデータが得られる。そして、このシンボルI成分とQ成分のデータは、シンボル逆拡散回路33により処理された後、メトリック計算回路39に供給される。
【0114】
次に、メトリック計算回路39におけるメトリック計算について説明する。ここにおけるメトリックとは、例えば、次式によって規定される、所定の受信信号を受信したときに、その受信信号を構成するビットに対する条件付き事後確率を意味する。
P(bi=0|R)=P(bi=0∩R)/P(R) (3)
【0115】
ここで、P(bi=0|R)は、受信信号R(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビットbiが0である条件付き事後確率を、P(R)は、受信信号R(I,Q)を受信する確率を、P(bi=0∩R)は、第iのビットbiが0であるシンボルが送信され、受信信号R(I,Q)が受信された事後確率を、それぞれ表している。
【0116】
同様に、次式(4)によって、受信信号R(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビットが1である条件付き事後確率を求めることができる。
P(bi=1|R)=P(bi=1∩R)/P(R) (4)
【0117】
ここで、P(bi=1|R)は、受信信号R(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビットbiが1である条件付き事後確率を、P(R)は、受信信号R(I,Q)を受信する確率を、P(bi=1∩R)は、第iのビットbiが1であるシンボルが送信され、受信信号R(I,Q)が受信された事後確率を、それぞれ表している。
【0118】
また、次式(5)によっても、受信信号R(I,Q)を受信したとき、送信シンボルの第iのビットbiが1である条件付き事後確率を求めることができる。P(bi=1|R)=1−P(bi=0|R) (5)
【0119】
受信信号Rを受信する確率P(R)がシンボルの種類に依存しないので、メトリック計算回路39は、上述の条件付き事後確率P(bi=0|R)に代わりに事後確率P(bi=0∩R)をメトリックとして計算するようになされている。このように、確率P(R)の計算を省略することにより、回路構成を簡単にすることができる。
【0120】
即ち、メトリック計算回路39は、16QAMのシンボルを構成する第1乃至第4のビットに対するメトリックをそれぞれ計算し、
第1のビットに対するメトリックP(b1=0∩R)をu’、
第2のビットに対するメトリックP(b2=0∩R)をv’、
第3のビットに対するメトリックP(b3=0∩R)をx’、
第4のビットに対するメトリックP(b4=0∩R)をy’
として出力している。
【0121】
各々のメトリックの計算は、次式に従って行われる。
P(bi=0∩R)=(1/16)ΣP(Sj∩R) (6)
【0122】
ここで、P(Sj∩R)は、第iのビットが0であるシンボルSjが送信され、受信信号Rが受信された事後確率を表し、ΣP(Sj∩R)は、第iのビットが0であるすべてのシンボルSjに対する事後確率P(Sj∩R)の和を表している。
【0123】
図2のメトリック計算回路39において、確率計算回路111−1は、P(S0000∩R)、即ち、16QAMの0000に対応するシンボルS0000が送信され、受信信号Rを受信した確率を計算する。
【0124】
確率計算回路111−2は、P(S0001∩R)、即ち、16QAMの0001に対応するシンボルS0001が送信され、受信信号Rを受信した確率を計算する。
【0125】
確率計算回路111−3は、P(S0010∩R)、即ち、16QAMの0010に対応するシンボルS0010が送信され、受信信号Rを受信した確率を計算する。
【0126】
以下、同様にして、確率計算回路111−4乃至111−16は、16QAMの残りのシンボルに対しても、それぞれ事後確率を計算し、全部で16個の事後確率の計算結果を得る。
【0127】
加算回路112−1は、第1のビットが0のシンボル、即ち、
S0000、S0001、S0010、S0011、
S0100、S0101、S0110、S0111
に対する上述の事後確率の総和を計算する。本来、この総和を16で割算したものが、P(b1=0∩R)となるが、すべてのメトリックを16倍しても特に問題はないので、メトリック計算回路39は、この事後確率の総和を第1のビットに対するメトリックu’として出力する。
【0128】
加算回路112−2は、第2のビットが0のシンボル、即ち、
S0000、S0001、S0010、S0011、
S1000、S1001、S1010、S1011
に対する上述の事後確率の総和を計算する。本来、この総和を16で割算したものが、P(b2=0∩R)となるが、すべてのメトリックを16倍しても特に問題はないので、メトリック計算回路39は、この事後確率の総和を第2のビットに対するメトリックv’として出力する。
【0129】
加算回路112−3は、第3のビットが0のシンボル、即ち、
S0000、S0001、S0100、S0101、
S1000、S1001、S1100、S1101
に対する上述の事後確率の総和を計算する。本来、この総和を16で割算したものが、P(b3=0∩R)となるが、すべてのメトリックを16倍しても特に問題はないので、メトリック計算回路39は、この事後確率の総和を第3のビットに対するメトリックx’として出力する。
【0130】
加算回路112−4は、第4のビットが0のシンボル、即ち、
S0000、S0010、S0100、S0110、
S1000、S1010、S1100、S1110
に対する上述の事後確率の総和を計算する。本来、この総和を16で割算したものが、P(b4=0∩R)となるが、すべてのメトリックを16倍しても特に問題はないので、メトリック計算回路39は、この事後確率の総和を第4のビットに対するメトリックy’として出力する。
【0131】
なお、図2の確率計算回路111−1乃至111−16における計算方法として、伝送路によって様々な計算法が考えられるが、ガウス伝送路を仮定した場合には、例えば、確率計算回路111−1において、以下のように事後確率を計算することができる。
【0132】
ここで、σは伝送路の雑音電力の1/2の平方根を表す。即ち、2σ2が伝送路の雑音電力を表す。‖S0000−R‖は、シンボルS0000と受信信号Rとの、I−Q平面におけるユークリッド距離である。
【0133】
なお、式(7)の右辺の係数(1/(2π)1/2σ)は、ビタビ復号器37による最尤パスの選択に影響を与えないので、省略してもよい。その場合、P(S0000)∩R)は、次のように計算される。
【0134】
確率計算回路111−2乃至111−16においても、同様にして、確率を計算することができる。
【0135】
次に、ビット逆拡散回路101−1乃至101−4は、メトリック計算回路39より供給されたメトリックu’,v’,x’,y’に対して、ビット逆拡散の処理を行った後、並直列変換器35に出力する。
【0136】
そして、並直列変換器35は、図16の直並列変換器4と逆の操作を行い、供給された4系統のデータを1系列のデータに変換した後、ビット挿入回路36に出力する。
【0137】
ビット挿入回路36では、図16のビット消去回路3と逆の操作が行われる。即ち、前述の例の消去マップ
X:10
Y:11
を用いて、
u1,v1,x1,y1,u2,v2,x2,y2・・・
の順で入力されるデータに対して、3ビットを周期として、最後の3ビット目の直前に、任意のダミーデータ(ここでは0)を挿入して、
データXとして、u1,0,y1,0,x2,・・・
データYとして、v1,x1,u2,v2,y2,・・・
を、この順で出力するとともに、ダミーデータを挿入した位置を示す挿入フラグをビタビ復号器37に供給する。
【0138】
ビタビ復号器37では、畳み込み符号化器2の状態遷移に従ってビタビ復号を行い、再生情報38を得る。次に、ビタビ復号器37の動作について詳細に説明する。
【0139】
セレクタ132−1およびセレクタ132−3は、ビット挿入回路36においてXとしてダミーデータが挿入され、Xに対する挿入フラグが入力された場合、ダミーデータに対するメトリックの確率計算を無効にするため、値1を出力する。
【0140】
同様に、セレクタ132−2およびセレクタ132−4は、ビット挿入回路36においてYとしてダミーデータが挿入され、Yに対する挿入フラグが入力された場合、ダミーデータに対するメトリックの確率計算を無効にするため、値1を出力する。
【0141】
即ち、乗算回路121−1乃至121−4によるブランチメトリックの算出およびACS回路122−1乃至122−4によりステートメトリックの算出は、すべて乗算によって行われているので(後述)、ダミーデータに対応して値1を出力することにより、メトリックの計算結果に影響を与えないようにしている。
【0142】
Xとしてダミーデータが挿入されていない場合においては、ビット挿入回路36より供給された値Xが、セレクタ132−1を介して乗算回路121−1,121−2に供給され、値Xを反転した値が、乗算回路121−3,121−4に供給される。
【0143】
同様に、Yとしてダミーデータが挿入されていない場合においては、ビット挿入回路36より供給された値Yが、セレクタ132−2を介して乗算回路121−1,121−3に供給され、値Yを反転した値が、乗算回路121−2,121−4に供給される。
【0144】
そして、乗算回路121−1では、ビット挿入回路36の出力の第1のビットの値が0である確率または第3のビットの値が0である確率に対応するデータXと、第2のビットの値が0である確率または第4のビットの値が0である確率に対応するデータYの積(即ち、第1のビットの値が0であり、かつ、第2のビットの値が0である確率、あるいは、第3のビットの値が0であり、かつ、第4のビットの値が0である確率)を計算し、ブランチメトリックBM00として出力する。このブランチメトリックBM00は、畳み込み符号化器2の符号出力00に対応している。
【0145】
同様にして、乗算回路121−2は、ビット挿入回路36の出力の第1ビットの値が0である確率または第3のビットの値が0である確率に対応する値Xと、第2のビットの値が1である確率または第4のビットの値が1である確率に対応する値(値Yを反転した値)の積(即ち、第1のビットの値が0であり、かつ、第2のビットの値が1である確率、あるいは、第3のビットの値が0であり、かつ、第4のビットの値が1である確率)を計算し、ブランチメトリックBM01として出力する。このブランチメトリックBM01は、畳み込み符号化器2の符号出力01に対応している。
【0146】
乗算回路121−3は、ビット挿入回路36の出力の第1のビットの値が1である確率または第3のビットの値が1である確率に対応する値(値Xを反転した値)と、第2のビットの値が0である確率または第4のビットの値が0である確率に対応する値Yの積(即ち、第1のビットの値が1であり、かつ、第2のビットの値が0である確率、あるいは、第3のビットの値が1であり、かつ、第4のビットの値が0である確率)を計算し、ブランチメトリックBM10として出力する。このブランチメトリックBM10は、畳み込み符号化器2の符号出力10に対応している。
【0147】
乗算回路121−4は、ビット挿入回路36の出力の第1のビットの値が1である確率または第3のビットの値が1である確率に対応する値(値Xを反転した値)と、第2のビットの値が1である確率または第4のビットの値が1である確率に対応する値(値Yを反転した値)の積(即ち、第1のビットの値が1であり、かつ、第2のビットの値が1である確率、あるいは、第3のビットの値が1であり、かつ、第4のビットの値が1である確率)を計算し、ブランチメトリックBM11として出力する。このブランチメトリックBM11は、畳み込み符号化器2の符号出力11に対応している。
【0148】
なお、XまたはYとしてダミーデータが挿入されている場合、セレクタ132−1乃至132−4は、そのダミーデータの代わりに、1を選択するので、乗算回路121−1乃至121−4は、ダミーデータに対応しない入力の値を、そのまま(1を乗じて)、ブランチメトリックとして出力する。
【0149】
ACS回路122−1は、畳み込み符号化器2の状態遷移(図10)に従って、次の2つの式の計算を行う。
SM00×BM00 (8)
SM01×BM11 (9)
【0150】
ここでSM00は、1単位時間前のステートメトリック記憶装置66−1の値、SM01は、1単位時間前のステートメトリック記憶装置66−2の値、BM00は、乗算回路121−1の演算結果、BM11は、乗算回路121−4の演算結果をそれぞれ表している。
【0151】
そして、ACS回路122−1は、尤度の大きい方、すなわち、式(8)と式(9)のうち、計算結果の大きい方を選択し、その選択情報SEL00を後段のパスメモリ65に出力するとともに、式(8)と式(9)を計算して得られた結果のうち大きい方を、後段のステートメトリック記憶装置66−1に供給し、記憶させる。すなわち式(8)の計算結果の方が大きければ、SEL00=0とし、式(9)の計算結果の方が大きければ、SEL00=1とする。また、前者の場合、SM00×BM00が、後者の場合、SM01×BM11が、それぞれステートメトリック記憶装置66−1に、新たなステートメトリックSM00として記憶される。
【0152】
なお、ACS回路122−2乃至122−4も同様に動作し、新たなステートメトリックSM01乃至SM11を計算する。
【0153】
ビタビ復号器37におけるその他の動作は、図13における場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0154】
図4は、メトリック計算回路39の他の構成例を示している。
【0155】
A/D変換器141−1は、シンボル逆拡散回路33より供給されたI成分の信号I’をデジタル値に変換し、その値をROM142−1乃至142−4に、アドレスデータとして出力するようになされている。
【0156】
A/D変換器141−2は、シンボル逆拡散回路33より供給されたQ成分の信号Q’をデジタル値に変換し、その値をROM142−1乃至142−4に、アドレスデータとして出力するようになされている。
【0157】
ROM142−i(i=1,・・・,4)は、A/D変換器141−1,141−2より供給されたアドレスデータに対応するアドレスに記憶されている値を第iのビットに対するメトリックとしてビット逆変換回路101−iに出力するようになされている。
【0158】
即ち、ROM142−i(i=1,・・・,4)には、受信信号RのI成分I’およびQ成分Q’の各値に対応した上述の事後確率の総和の値が、第iのビットに対するメトリックとして、予め記憶されている。
【0159】
図5は、本発明の第2の実施例の構成を示している。第2の実施例は、第1の実施例のメトリック計算回路39とビット逆変換回路101−1乃至101−4の間に第2メトリック計算回路40を挿入したものであるので、第2メトリック計算回路40の説明だけを行い、他の構成要素の説明を省略する。
【0160】
図6は、第2メトリック計算回路40の構成例を示している。
【0161】
この第2メトリック計算回路40においては、対数演算器151−1は、メトリック計算回路39より供給された値u’の自然対数(log(u’))を計算し、その値を反転回路152−1に出力するようになされている。
【0162】
対数演算器151−2は、メトリック計算回路39より供給された値v’の自然対数(log(v’))を計算し、その値を反転回路152−2に出力するようになされている。
【0163】
同様に、対数演算器151−3は、メトリック計算回路39より供給された値x’の自然対数(log(x’))を計算し、その値を反転回路152−3に出力し、対数演算器151−4は、メトリック計算回路39より供給された値y’の自然対数(log(y’))を計算し、その値を反転回路152−4に出力するようになされている。
【0164】
反転回路152−1は、対数演算器151−1より供給された値(log(u’))に−1を乗じた値(−log(u’))を、第1のビットに対するメトリックu1’としてビット逆変換回路101−1に出力するようになされている。
【0165】
反転回路152−2は、対数演算器151−2より供給された値(log(v’))に−1を乗じた値(−log(v’))を、第2のビットに対するメトリックv1’としてビット逆変換回路101−2に出力するようになされている。
【0166】
同様に、反転回路152−3は、対数演算器151−3より供給された値(log(x’))に−1を乗じた値(−log(x’))を、第3のビットに対するメトリックx1’としてビット逆変換回路101−3に出力し、反転回路152−4は、対数演算器151−4より供給された値(log(y’))に−1を乗じた値(−log(y’))を、第3のビットに対するメトリックy1’としてビット逆変換回路101−4に出力するようになされている。
【0167】
次に、第2の実施例において利用されているメトリックについて説明する。
【0168】
受信装置が受信する信号Rが時間的に独立である場合、ビタビ復号器37は、上述の条件付き事後確率P(bi=0|R)の積
が最大である系列(即ち、最尤パス)を選択し、復号を行う。
【0169】
ここで、R(t)は、時刻tにおける受信信号を表し、{R(t)}は、受信信号系列を表し、P({R(t)})は、受信信号系列が{R(t)}となる確率を表している。bi(t)は、時刻tにおける伝送シンボルを構成する第iのビットの値(0または1)であり、{bi(t)}は、伝送するビットデータ系列を表している。{bi(t)}は、t,iの値に対応して0または1の2通りの値をとるので、系列長が2である場合においては、{00}、{01}、{10}、および、{11}の4通りの系列となり、系列長が3である場合においては8通りの系列、系列長が4である場合においては16通りの系列となる。
【0170】
ビタビ復号器37は、これらの複数の系列のうち、受信信号系列{R(t)}を受信したとき、最も確からしい送信系列(最尤パス)を選択する。即ち、ビタビ復号器37は、上述の条件付き事後確率P(bi=0|R)の積が最大であるパスを選択する。なお、式(10)の分母ΠP(R(t))は、パスの種類に依存しないので、ビタビ復号器37は、式(10)の分子ΠP(bi(t)=0∩R(t))が最大であるパスを選択すればよい。
【0171】
さらに、第2の実施例においては、第1の実施例におけるメトリックである確率P(bi(t)=0∩R(t))(時刻tにおけるP(bi=0∩R))の関数形を、次式に示すように指数関数に仮定している。
P(bi(t)=0∩R(t))=exp(−Ai(t)) (11)
【0172】
このとき、式(10)の分子ΠP(bi(t)=0∩R(t))は、
となり、ビタビ復号器37は、式
ΣAi(t)=Σ(−log(P(bi(t)=0∩R(t))))(13)
の値が最小となるパスを、最尤パスとして選択すればよい。
【0173】
従って、各時刻tにおける各ビットiに対するメトリックは、式
−log(P(bi(t)=0∩R(t))) (14)
で得られる値となる。即ち、第1の実施例においては、メトリック計算回路39は、式
P(bi(t)=0∩R(t)) (15)
に従ってメトリックを算出しているが、第2の実施例のおいては、第2メトリック計算回路40が、メトリック計算回路39により算出された値(式(15)で得られる値)の自然対数に−1を乗じた値を算出して、式(14)に従ったメトリックを算出している。
【0174】
なお、対数演算器151−1乃至151−4は、自然対数の代わりに常用対数を計算するようにしてもよい。
【0175】
また、メトリック計算回路39および第2メトリック計算回路40の代わりに、図4に示すメトリック計算回路39を利用し、ROM142−i(i=1,・・・,4)に、受信信号RのI成分I’およびQ成分Q’の各値に対応した上述の事後確率の総和の値の対数を、第iのビットに対するメトリックとして予め記憶しておくようにしてもよい。
【0176】
図7は、第2の実施例のビタビ復号器37の構成例を示している。図7のビタビ復号器37においては、上述のように、入力端子62−1と62−2から、シンボルの第1のビットの値が0である確率または第3のビットの値が0である確率を指数関数と仮定したときのその指数部に対応するデータXと、シンボルの第2のビットの値が0である確率または第4のビットの値が0である確率を指数関数と仮定したときのその指数部に対応するデータYが入力される。
【0177】
そして、入力端子62−1より入力された値Xは、セレクタ164−1に入力されるとともに、減算回路161−1に入力される。減算回路161−1は、指数部の最大値からXを減算した後、その値をセレクタ164−3に出力するようになされている。また、入力端子62−2より入力された値Yは、セレクタ164−2に入力されるとともに、減算回路161−2に入力される。減算回路161−2は、指数部の最大値からYを減算した後、その値をセレクタ164−4に出力するようになされている。
【0178】
セレクタ164−1は、定数発生回路165−1の出力である値0と、入力端子62−1を介して値Xの供給を受け、ビット挿入回路36より、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路165−1が発生した値0を選択し、その他のとき、値Xを選択し、選択した値を加算回路162−1,162−2に出力するようになされている。
【0179】
セレクタ164−2は、定数発生回路165−2の出力である値0と、入力端子62−2を介して値Yの供給を受け、ビット挿入回路36より、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路165−2が発生した値0を選択し、その他のとき、値Yを選択し、選択した値を加算回路162−1,162−3に出力するようになされている。
【0180】
セレクタ164−3は、定数発生回路165−3の出力である値0と、減算回路161−1の出力である、指数部の最大値から値Xを減算した値の供給を受け、ビット挿入回路36より、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路165−3が発生した値0を選択し、その他のとき、指数部の最大値から値Xを減算した値を選択し、選択した値を加算回路162−3,162−4に出力するようになされている。
【0181】
セレクタ164−4は、定数発生回路165−4の出力である値0と、減算回路161−2の出力である、指数部の最大値から値Yを減算した値の供給を受け、ビット挿入回路36より、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路165−4が発生した値0を選択し、その他のとき、指数部の最大値から値Yを減算した値を選択し、選択した値を加算回路162−2,162−4に出力するようになされている。
【0182】
加算回路162−1は、セレクタ164−1より供給された値と、セレクタ164−2より供給された値を加算し、その結果をブランチメトリックBM00として出力するようになされている。加算回路162−2は、セレクタ164−1より供給された値と、セレクタ164−4より供給された値を加算し、その結果をブランチメトリックBM01として出力している。同様に、加算回路162−3は、セレクタ164−2より供給された値と、セレクタ164−3より供給された値を加算し、その結果をブランチメトリックBM10として出力し、加算回路162−4は、セレクタ164−3より供給された値と、セレクタ164−4より供給された値を加算し、その結果をブランチメトリックBM11として出力するようになされている。
【0183】
加算回路162−1の出力BM00と、加算回路162−4の出力BM11は、ACS回路163−1,163−3に入力されている。同様に、加算回路162−2の出力BM01と、加算回路162−3の出力BM10が、ACS回路163−2,163−4に入力されている。
【0184】
ACS回路163−1,163−3にはまた、ステートメトリック記憶装置66−1の出力SM00とステートメトリック記憶装置66−2の出力SM01が入力されており、ACS回路163−2,163−4には、ステートメトリック記憶装置66−3の出力SM10とステートメトリック記憶装置66−4の出力SM11が入力されている。
【0185】
ACS回路163−1乃至163−4は、入力されたブランチメトリックとステートメトリックを加算して、新たなステートメトリックを計算し、その計算結果をステートメトリック記憶装置66−1乃至66−4に出力するとともに、選択されたパスに対応する情報SEL00乃至SEL11をパスメモリ65に出力するようになされている。
【0186】
図7のビタビ復号器37のACS回路163−1乃至163−4は、ステートメトリックにブランチメトリックを加算して、パスメトリックを更新するので、セレクタ164−1,164−3は、Xに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−1,133−3が発生した値0を加算回路162−1,162−3にそれぞれ出力し、セレクタ164−2,164−4は、Yに対する挿入フラグが入力されたとき、定数発生回路133−2,133−4が発生した値0を加算回路162−2,162−4にそれぞれ出力するようにして、ダミーデータがメトリックの計算結果に影響を与えないようにしている。
【0187】
以上のようにして、上記実施例においては、受信信号Rを受信したとき、送信シンボルが所定のシンボルSjである条件付き事後確率P(Sj|R)の代わりに、所定のシンボルSjが送信され、受信信号Rが受信された事後確率P(Sj∩R)を計算し、その事後確率P(Sj∩R)から、シンボルの各ビットに対するメトリックを計算している。このようにすることにより、16QAM方式で送信されてきたデータに対するメトリックを算出し、受信したデータを正確に復号化することができる。
【0188】
上記実施例においては、16QAM方式でデータを変調し、復調するようにしたが、このほか、64QAM、256QAMなどの、I成分とQ成分が、それぞれ2以上のビットに対応する多値多位相変調方式を採用する場合においても、本発明は適用することが可能である。
【0189】
【発明の効果】
以上のごとく、請求項1に記載のデータ受信装置および請求項4に記載のデータ受信方法によれば、所定のデータのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、シンボルのビット毎に、そのビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算するようにしたので、比較的簡単な回路でメトリックを計算することができ、I成分とQ成分がそれぞれ2ビット以上に対応する多値多相変調方式で伝送されてくる信号を受信し、正確に復号することができる。
【0190】
請求項5に記載のデータ受信装置および請求項8に記載のデータ受信方法によれば、所定のデータのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、シンボルのビット毎に、そのビットが所定の値であるシンボルの事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算するようにしたので、比較的簡単な回路でメトリックを計算することができ、I成分とQ成分がそれぞれ2ビット以上に対応する多値多相変調方式で伝送されてくる信号を受信し、正確に復号することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ受信装置の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のメトリック計算回路の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のビタビ復号器の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1のメトリック計算回路の他の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明のデータ受信装置の第2の実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】図5の第2メトリック計算回路の構成例を示すブロック図である。
【図7】図5のビタビ復号器の構成例を示すブロック図である。
【図8】従来のデータ送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8の畳み込み符号化器の構成例を示すブロック図である。
【図10】図9の畳み込み符号化器の状態遷移を説明する図である。
【図11】QPSKの信号点配置を説明する図である。
【図12】従来のデータ受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図13】図12のビタビ復号器の構成例を示すブロック図である。
【図14】図13のブランチメトリック演算回路の構成例を示すブロック図である。
【図15】図13のパスメモリの構成例を示すブロック図である。
【図16】16QAMを用いた場合のデータ送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図17】16QAMの信号点配置を説明する図である。
【図18】図16の装置で送信したデータを受信するデータ受信装置の構成例を示す図である。
【図19】図18の実施例の動作を説明する図である。
【符号の説明】
32 復調器, 33 シンボル逆拡散回路, 35 並直列変換器, 36ビット挿入回路, 37 ビタビ復号器, 38 再生情報, 39 メトリック計算回路, 40 第2メトリック計算回路,101−1乃至101−4 ビット逆拡散回路, 111−1乃至111−16 確率計算回路, 112−1乃至112−4 加算回路, 141−1,141−2 A/D変換器, 142−1乃至142−4 ROM, 151−1乃至151−4 対数演算器,152−1乃至152−4 反転回路
Claims (8)
- 多値多位相方式でデジタル変調されて伝送されたデータを受信するデータ受信装置において、
前記データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの前記事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算するメトリック計算手段と、
前記メトリックを利用して前記データの復号を行う復号手段と
を備えることを特徴とするデータ受信装置。 - 前記メトリック計算手段は、受信したデータのI成分およびQ成分より前記事後確率を計算する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ受信装置。 - 前記メトリック計算手段は、受信したデータをデジタル値に変換し、そのデジタル値に対応して、所定の記憶部に予め記憶されている前記メトリックを出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ受信装置。 - 多値多位相方式でデジタル変調されて伝送されたデータを受信するデータ受信方法において、
前記データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの前記事後確率の総和を、そのビットに対するメトリックとして計算するステップと、
前記メトリックを利用して前記データの復号を行うステップと
を備えることを特徴とするデータ受信方法。 - 多値多位相方式でデジタル変調されて伝送されたデータを受信するデータ受信装置において、
前記データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの前記事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算するメトリック計算手段と、
前記メトリックを利用して前記データの復号を行う復号手段と
を備えることを特徴とするデータ受信装置。 - 前記メトリック計算手段は、受信したデータのI成分およびQ成分より前記事後確率を計算する
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ受信装置。 - 前記メトリック計算手段は、受信したデータをデジタル値に変換し、そのデジタル値に対応して、所定の記憶部に予め記憶されている前記メトリックを出力する
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ受信装置。 - 多値多位相方式でデジタル変調されて伝送されたデータを受信するデータ受信方法において、
前記データのシンボルが伝送され、かつ、そのシンボルが受信された事後確率をシンボル毎に計算し、所定のビットが所定の値であるシンボルの前記事後確率の総和の対数に−1を乗じた値を、そのビットに対するメトリックとして計算するステップと、
前記メトリックを利用して前記データの復号を行うステップと
を備えることを特徴とするデータ受信方法。
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