JP3607095B2 - ガス機器のバーナの火力調節機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス機器のバーナの火力調節をする火力調節機構に関し、火力調節機構のベース部に軸支される操作レバーを強火位置と弱火位置との間で回動させることで火力が調節されるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の火力調整機構としては、操作レバーを、火力調節機構のベース部の軸穴に挿通される軸ピンを用いてかしめによりベース部に組付けるものがある。
【0003】
また、特開平8−178282号公報に開示されるもののように、操作レバーを強火位置から弱火位置に回動させる途中で、ベース部の段付きガイドの段部に操作レバーのガイド子を当接させて、操作レバーが一気に弱火位置まで回動されることを防止して失火の発生を防止するものがある。このものでは、操作レバーが、軸支されるレバー基部と、レバー基板にスプリングジョイントを介して上下方向に揺動可能に連結されるレバー本体とで構成されており、レバー本体をスプリングジョイントの付勢に抗して揺動させて段付きガイドの段部とガイド子との当接状態を解除すると、操作レバーをさらに弱火位置まで回動させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かしめにより操作レバーを組付けると、段付きの軸ピンを適切な強度で正確にかしめ加工しなければならず、多数の組付工数が必要になる。また、失火防止のために操作レバーを、レバー基板とレバー本体との2部材で構成すると、部品点数が増すと共に火力調節機構を組立てるときに、操作レバーの組立てが煩雑である。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、ベース部への組付けが容易でしかも1部材で構成される操作レバーが用いられており、容易かつ迅速に組立て得るガス機器のバーナの火力調節機構を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、ガス機器のバーナの火力調節をする火力調節機構であって、火力調節機構のベース部に軸支される操作レバーを強火位置と弱火位置との間で回動させることで火力を調節するものにおいて、火力調節機構のベース部に軸を設けると共に操作レバーに軸穴を形成して、軸穴を軸に回動自在に嵌合し、軸穴の周囲をベース部側に付勢するばね部材をベース部に取り付けて、操作レバーをベース部に保持することを特徴とする。
【0007】
このようにすれば、軸穴を軸に嵌合させた状態でばね部材を取り付けると、操作レバーがベース部に回動可能に保持される。従って、従来操作レバーを組付ける場合に必要であったかしめ作業が不要になり、操作レバーの組付けが迅速かつ容易になる。
【0008】
ところで、このような構成にすると、操作レバーを、回動方向に直交する方向に、ばね部材の付勢力に抗して持ち上げることで操作レバーを傾動させることが可能になる。ところが操作レバーを傾動させると軸穴の軸に対する軸支状態が不安定になり、操作レバーを傾けたまま回動させたときに操作レバーが軸からはずれるおそれがある。
【0009】
ここで、前記ばね部材は操作レバーの軸穴に回動自在に嵌合される凸部を備えれば、操作レバーを傾けても軸穴と凸部とが嵌合状態に維持され、操作レバーを傾けた状態で回動可能になる。このようにすれば、1部材で構成される操作レバーを傾動可能で且つ傾けた状態で回動可能に支持でき、部品数を減少させることができる。従って、従来のように、操作レバーを軸支される部分とこの部分に対して傾動可能な部分との2部材で構成する必要がない。操作レバーを1部材で構成できれば、火力調節機構を組立てる際に操作レバーを組立てる必要がなく、火力調節機構の組立て作業が容易になる。
【0010】
また、前記操作レバーの前記軸穴の近傍に、軸穴の径方向に対して所定の傾斜角度で交差する長穴を形成し、長穴内に、操作レバーの回動によって長穴の長手方向に移動する球体を挿入して当該球体を前記ばね部材で前記ベース部側に付勢し、操作レバーが強火位置と弱火位置との間の所定位置にある状態で長穴の外周側端部にある球体に係合する係合穴を、ばね部材に形成しても良い。
【0011】
このようにすると、操作レバーを回動させたときに、長穴内の球体が回動させる向きによって長穴内の異なる端部に移動する。長穴は軸穴の径方向に対して傾斜しているので、球体の移動経路は操作レバーを回動させる向きによって異なる。従って、球体は操作レバーが強火位置から弱火位置へ回動される絞り操作により所定位置に達したときのみ係合穴に係合する。球体が係合穴に係合する状態からさらに操作レバーを弱火位置側に回動させるには、ばね部材の付勢に抗して球体を係合穴から脱出させる力が必要である。この脱出させる力がクリック感として操作をする者に付与され、操作レバーが一気に弱火位置まで回動されることが防止される。
【0012】
従来は、操作レバーに設けた突起をストッパに当接させて操作レバーが一気に回動されることを制止しており、操作レバーを弱火位置まで回動させるには、制止を解除するために操作レバーを回動方向に対して直交する方向に傾動させる必要があるが、このように、クリック感を付与することで操作レバーが一気に弱火位置まで回動されることを制止すれば、絞り操作のときに操作レバーを傾動させる必要がなくなり、絞り操作の操作性が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、1はこんろなどのガス機器に用いられるバーナ(図示せず)の燃焼制御ユニットであり、バーナへの燃料ガスの供給及び停止を制御する点消火制御機構1Aと、燃料ガスの供給量を調節して火力を調節する火力調節機構1Bとから構成される。なお、点消火制御機構1Aは従来品でありその説明を省略する。
【0014】
火力調節機構1Bは、点消火制御機構1Aに取り付けられる本体2と、燃料ガスの流量を調節する調節機構3とを備える。本体2内には、図2に示すように、ガス通路21が形成されている。ガス通路21は、点消火制御機構1Aの燃料ガス出口Hに下端で連通し上端が開口する本通路21aと、本通路21aの上部に連通する枝通路21bとで構成されており、点消火制御機構1Aから本通路21aに供給された燃料ガスは、枝通路21bからバーナ側へ供給される。また、本通路21aには上方から弁体4が挿入されており、本通路21aの内周壁には枝通路21bとの接続部よりも下方の位置に弁体4が当接される弁座22が形成されている。
【0015】
本体2の上には、ブラケット23が取り付けられており、本体2とブラケット23とで後述の戻しレバー31を軸支するベース部が構成される。ブラケット23は、図3に示すように、上板23aと、溝カム23bが形成される側板23cと、上板23aの前部に折り曲げ部を介して連なる前板23dとを備える。上板23aの上面には円盤形状の突起である軸23eが半抜き加工で形成されており、上板23aの前後端には係合爪23f,23fが形成されている。また、上板23aと前板23dとの折り曲げ部にはスリット23gが形成されており、前板23dには後述の操作レバー32の回動を制止するストッパ23hが形成されている。
【0016】
弁体4は、図2に示すように、本通路21aの内周面に摺動接触する基部41と、基部41から下方に延びる中継部42と、中継部42の下方に形成され下端が弁座22に当接される絞り部43とを備える。弁体4は本通路21aに沿って進退移動可能であり、絞り部43と弁座22との距離によってガス流量が調節される。基部41の上部には側方に延びるピン44が取り付けられている。ピン44は、ブラケット23に形成され本通路21aに対して傾斜した方向に延在する溝カム23bに係合されている。弁体4は軸線回りに回動可能であるので、ピン44に回動方向の力を付与すると、溝カム23bに案内されて弁体4は回動しつつ本通路21aに沿って進退移動する。なお、基部41の外周には気密シール用のOリング45が取り付けられている。
【0017】
調節機構3は、図1に示すように、本体2の側面に回動可能に軸支される戻しレバー31と、戻しレバー31を回動させる操作レバー32とを備える。戻しレバー31は、火力調節機構1Bの本体2に、本通路21aの長手方向と平行な面内で回動できるように軸ピン31bで軸支されており、その上部はブラケット23の側板23cに平行に隣接して配置されている。また、戻しレバー31の上部には、戻しレバー31の長手方向に延びるスリット31aが形成されている。スリット31aには、溝カム23bに挿通される弁体4のピン44が挿通されている。
【0018】
操作レバー32は、ブラケット23の上板23aの軸23eに軸支される幅広のレバー基部32aと、操作レバー32の略中央に形成された段部32bと、段部32bを介してレバー基部32aに連なる細板状のレバー先部32cとを備える。レバー基部32aには、図3に示すように、軸穴32dと、下方に延びる突起32eと、レバー先部32c側に延びる舌片32fと、四角形の係合穴32gとが形成されている。
【0019】
係合穴32gには戻しレバー31の上端の係合片31cが係合されており、操作レバー32を回動させると、戻しレバー31が回動され、戻しレバー31のスリット31aに挿通されるピン44が回動されて弁体4が回動される。ピン44はブラケット23のカム溝23bにも挿通されており、弁体4は回動と同時に本通路21a内を進退移動してガス流量を調節する。
【0020】
軸穴32dはブラケット23の軸23eに回動可能に嵌合される。また突起32eがブラケット23のスリット23g内に臨み、操作レバー32の回動可能な範囲が、突起32eがスリット23gの周縁に当接する範囲に制限される。具体的には、操作レバー32は、図1(B)において二点鎖線で示す強火位置と弱火位置との間で回動可能である。また、舌片32fは折り曲げられてレバー基部32aよりも下側に位置している。従って、操作レバー32を、レバー基部32aがブラケット23の上板23aに接する状態で、強火位置から弱火位置側への絞り操作の向き(図1(B)の矢印Yの向き)に回動させると、舌片32fがストッパ23hに当接して操作レバー32の回動が制止される位置に達する。これにより強火位置から弱火位置に急激に操作レバー32が回動されてバーナの火炎が失火することが防止される。
【0021】
操作レバー32は、その上からブラケット23に取り付けられるばね部材24に保持される。ばね部材24はばね鋼からなるものであり、図3に示すように、レバー基部32aの軸穴32dの周囲を覆う覆い部24aと、覆い部24aの両側に形成される折り曲げ部24b,24bとを備える。覆い部24aは中央部が下方に膨出して前後方向の断面形状が略M形に成形されている。覆い部24aの中央部には、図4に示すように、下向きに凸の凸部24cが形成されており、操作レバー32の軸穴32dに回動可能に嵌合される。折り曲げ部24b,24bにはそれぞれ係合スリット24dが形成されており、各係合スリット24dをブラケット23の上板23aの前後端に形成される係合爪23fに係合させて、ばね部材24をブラケット23に取り付ける。両係合スリット24dは覆い部24aをブラケット23側に押し付けて係合爪23fに係合されるものであり、レバー基部32aの軸穴32dの周囲はばね部材24によってブラケット23に押し付けられる。
【0022】
ところで、ばね部材24は断面形状が略M形であり、しかも弾性的に変形させることが可能である。従って、ブラケット23とばね部材24とで軸支される操作レバー32のレバー先部32cを、ばね部材24の付勢に抗して上向き(図1(A)の矢印U参照)に押し上げて傾動させることが可能である。
【0023】
従って、舌片32fがストッパ23hに当接して弱火位置側への回動が制止される位置に達したとき操作レバー32を傾動させると(図1(A)参照)、舌片32fとストッパ23hとの当接が解除され、図1(A)に示すように舌片32fの下面がストッパ23hの上に乗り上げて、操作レバー32をさらに弱火位置側に回動させることができる。また、操作レバー32を傾動させても、ばね部材24の凸部24cが操作レバー32の軸穴32dに嵌合する状態が維持されるので、操作レバー32を傾けた状態でブラケット23の軸23eから外れることなく回動可能である。
【0024】
従って、操作レバー32を弱火位置側に回動させたときに、舌片32fがストッパ23hに当接して回動が制止されたときは、レバー先部32cを押し上げて操作レバー32を傾動させ、舌片32fとストッパ23hとの当接を解除した後、操作レバー32を弱火位置側へ回動させる。
【0025】
このような構成にすれば、ばね部材24を取り付けるだけで、迅速かつ容易に操作レバー32をブラケット23に取り付けることができる。また、操作レバー32を1部材で構成できるので、操作レバー32を組立てる必要がなく、火力調節機構1Bの組立てが容易である。
【0026】
次に、操作レバー32及びこれを支持する構造についての別実施形態を説明する。なお上記実施形態のものと同様のものについては同じ符号を付し説明を省略する。
【0027】
図5に示すように、ここで説明する実施形態の火力調節機構1Bは、先に説明した実施形態の本体2のストッパ23h及び操作レバー32の舌片32fに対応する構成を備えていない。従って、操作レバー32を傾動させることなく強火位置と弱火位置との間で回動させることができる。一方、この実施形態では、操作レバー32の軸穴32dの近傍に長穴32kが形成され、長穴32k内には鋼球5が挿入されており、ばね部材24の覆い部24aには鋼球5を係合させるための係合穴24kが形成されている。
【0028】
操作レバー32の長穴32kは、ブラケット23の上板23aとばね部材24の覆い部24aとに挟まれる位置に形成されている。従って、長穴32k内の鋼球5は、ばね部材24によってブラケット23側に付勢される。
【0029】
また、長穴32kはその長手方向が軸穴32dの径方向に対して所定の傾斜角度で交差する状態に形成されている。従って、操作レバー32を強火位置から弱火位置への絞り操作の向きY(図1(B)参照)に回動させると、図6に示すように、強火位置において長穴32k内の一端である内周側位置P1にあった鋼球5は、操作レバー32の軸穴32dから離れる外周側に(経路aに沿って)移動して長穴32k内の他端である外周側位置P2に達する。さらに操作レバー32を絞り操作の向きYに回動させると、鋼球5は長穴32k内で外周側位置P2を保ったまま回動方向に(経路bに沿って)移動して操作レバー32は弱火位置になる。その後、火力を強めるために、操作レバー32を弱火位置から強火位置への開き操作の向き(矢印Yの向きとは反対の向き)に回動させると、弱火位置において外周側位置P2にあった鋼球5は、軸穴32dに近づく内側に(経路cに沿って)移動して長穴32k内の内周側位置P1に達する。さらに操作レバー32を開き操作の向きに回動させると、鋼球5は長穴32k内で内周側位置P1を保ったまま回動方向に(経路dに沿って)移動する。
【0030】
このように、ブラケット23及びばね部材24に対する鋼球5の移動経路は、操作レバー32を回動させる向きによって異なる。
【0031】
ばね部材24の係合穴24kは、移動経路b上で鋼球5と係合できる位置に形成されている。より詳しくは、図5及び図6に示すように、操作レバー32が強火位置と弱火位置との間の所定位置にある状態で長穴32k内の外周側位置P2にある鋼球5に係合する位置に係合穴24kが形成されている。従って、鋼球5は操作レバー32を強火位置から弱火位置への絞り操作の向きに回動させるときのみ係合穴24kに係合する。
【0032】
そして、鋼球5が係合穴24kに係合したときに、さらに操作レバー32を絞り操作の向きに回動させるには、鋼球5を係合穴24kから脱出させる力が必要である。この脱出させる力がクリック感として操作する者に付与される。これにより、操作レバー32が一気に弱火位置まで回動されることが防止され、一気に操作することによる失火の発生等を防止できる。また、鋼球5が係合穴24kに係合するときに、鋼球5とばね部材24と間で「カチッ」といった係合音が発生するので、この係合音により操作レバー32の回動位置を認識できる。なお、この実施形態ではばね部材24の中央を折り曲げて、主に鋼球5に対するばね部材24の付勢力が強くなるように調節してクリック感を強くした。
【0033】
このような構成にすれば、操作レバー32を1部材で構成できるので、操作レバー32を組立てる必要がなく、またばね部材24を取り付けるだけで操作レバー32をブラケット23に迅速かつ容易に取り付けることができ、火力調節機構1Bの組立てがより容易になる。しかも、クリック感を付与することで失火を防止するので、絞り操作の際に操作レバー32を傾動させる必要がなく操作性に優れる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、操作レバーを1部材で構成でき、操作レバーを組立てる必要がなく、操作レバーの取り付けが迅速かつ容易であり、火力調節機構の組立てが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、火力調節機構を示す側面図、(B)は火力調節機構を示す平面図
【図2】火力調節機構の内部構造を示す部分断面図
【図3】ブラケットに取り付けられる部材を示す分解斜視図
【図4】操作レバーの軸支構造を示す断面図
【図5】別実施形態の要部を示す分解斜視図
【図6】鋼球の動きを示す説明図
【符号の説明】
1B 火力調節機構
2 本体(ベース部の一部)
4 弁体
5 鋼球(球体)
23 ブラケット(ベース部の一部)
23e 軸
24 ばね部材
24c 凸部
24k 係合穴
32 操作レバー
32d 軸穴
32k 長穴
Claims (3)
- ガス機器のバーナの火力調節をする火力調節機構であって、火力調節機構のベース部に軸支される操作レバーを強火位置と弱火位置との間で回動させることで火力を調節するものにおいて、
火力調節機構のベース部に軸を設けると共に操作レバーに軸穴を形成して、軸穴を軸に回動自在に嵌合し、
軸穴の周囲をベース部側に付勢するばね部材をベース部に取り付けて、操作レバーをベース部に保持することを特徴とするガス器具のバーナの火力調整機構。 - 前記ばね部材は操作レバーの軸穴に回動自在に嵌合される凸部を備えることを特徴とする請求項1に記載のガス機器のバーナの火力調整機構。
- 前記操作レバーの前記軸穴の近傍に、軸穴の径方向に対して所定の傾斜角度で交差する長穴を形成し、
長穴内に、操作レバーの回動によって長穴の長手方向に移動する球体を挿入して当該球体を前記ばね部材で前記ベース部側に付勢し、
操作レバーが強火位置と弱火位置との間の所定位置にある状態で長穴の外周側端部にある球体に係合する係合穴を、ばね部材に形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス機器のバーナの火力調整機構。
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