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JP3608498B2 - 圧電基板の材料定数測定方法および装置 - Google Patents
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圧電基板の材料定数測定方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電単結晶体から切り出した圧電基板の材料定数を測定するための材料定数測定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電単結晶体の材料定数、例えば密度や音速等が結晶の組成と育成条件とに依存することは周知である。そこで、圧電単結晶体の各所位から切り出した基板(以下、圧電基板という)について材料定数を測定し、結晶の均一性を評価する作業を行う必要がある。
【0003】
均一性評価の手法として、圧電単結晶体がLi Ta O等の強誘電体の場合は、当該結晶のキュリー温度(強誘電相から常誘電相まで転換する際の温度)が組成に強く依存する性質を利用して結晶の均一性を評価している。
【0004】
これに対し圧電単結晶体がLa Ga Si O14(ランガサイト)等の常誘電体の場合はキュリー温度をもたない。そこで、圧電基板にSAWデバイスを設け、その中心周波数を測定することで結晶の均一性評価を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにして常誘電体の圧電単結晶体の評価を行う場合には、中心周波数の測定が圧電基板の表面状態、SAWデバイスの設計および評価プロセスの再現性等に影響され易いため、測定結果の信頼性が低い。また、評価プロセスの作業時間が長く、作業効率が低いという問題がある。
【0006】
さらに、この評価プロセスはSAWデバイスを設置することで圧電基板に製品としての価値を失わせてしまうため、圧電基板の出荷検査には適用できないことも問題である。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、圧電単結晶体の均一性評価を短時間のうちに正確に実施するべく、圧電基板の材料定数を測定するための方法および装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、次ような構成の圧電基板の材料定数測定方法および装置を採用する。すなわち、本発明に係る圧電基板の材料定数測定方法は、圧電単結晶体から切り出した圧電基板について、周波数測定部によって該圧電基板の両側の一部に2つの測定プローブを個々に配設して交流信号を発して前記圧電基板を励振させることで各所ごとに厚みすべり振動の共振周波数を測定する工程と該共振周波数とは別に厚さ測定部によって前記各所ごとの基板厚さを測定する工程とを備え演算部によって両測定値を乗じて前記各所ごとの材料定数を算出することを特徴とする。
【0009】
圧電基板についての厚み滑り振動の共振振動数と材料定数との関係を次式に示す。
f = (E/ρ)1/2/(2t) … (I)
f:共振周波数、t:基板厚さ、ρ:結晶密度、E:結晶方向により決まる弾性定数である。ここで、式(I)を整理すると、
f・t = (E/ρ)1/2/2 … (I’)
となり、fとtの値を求め、さらにその積を求めることで式(I’)の右辺に相当する材料定数が得られる。なお、f・tは圧電基板におけるバルク波音速とみなせる。
【0010】
この方法によれば、従来のようにSAWデバイスを設置する必要がないので、測定に要する時間が大幅に短縮される。また、SAWデバイスの設置によって圧電基板を破壊することがないので、製品として出荷するものについても測定を実施することが可能である。
【0011】
本発明に係る圧電基板の材料定数測定装置は、圧電単結晶体から切り出した圧電基板について、該圧電基板の各所ごとに厚み滑り振動の共振周波数を測定する周波数測定部と、前記各所ごとに基板厚さを測定する厚さ測定部と、前記周波数測定部によって測定された共振周波数と前記厚さ測定部によって測定された基板厚さとを乗じて前記各所ごとの材料定数を算出する演算部とを備え、前記周波数測定部が、前記各所ごとに前記圧電基板の両側に個々に対向するように配設されて該圧電基板を励振させる2つの測定プローブを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る圧電基板の材料定数測定装置においては、前記2つの測定プローブが、両者の相対関係を保持しつつ、前記圧電基板に平行かつ直交する2方向に移動可能であることが望ましい。
【0014】
さらに、本発明に係る圧電基板の材料定数測定装置において、圧電基板が両面研磨された透明基盤である場合は、圧電基板に向けて平行光を照射し、圧電基板の表面での反射光と裏面での反射光とを干渉させ、両反射光の干渉縞をもとに基板厚さを測定する厚さ測定部を採用するのが望ましい。
【0015】
圧電基板が不透明または両面研磨されていない基板である場合には、圧電基板の両面について個別に表面の形状を測定し、測定された両面の形状から基板厚さを求める厚さ測定部を採用するのが望ましい。
【0016】
この圧電基板の材料定数測定装置においては、圧電単結晶体から切り出した圧電基板の各所について、周波数測定部によって厚み滑り振動の共振周波数を測定するとともに、厚さ測定部によって基板厚さを測定し、演算部において圧電基板の各所ごとに共振周波数と基板厚さとの積を求めて材料定数を算出する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施形態を図1ないし図3に示して説明する。
図1は周波数測定部を構成するバルク波測定ユニット1の概略構成を示す図である。図に示すように、バルク波測定ユニット1は、圧電基板Pを支持する基板支持機構11と、圧電基板Pの表裏両側に個々に配設された測定プローブ12,13と、測定プローブ12,13を支持するプローブ支持機構14と、測定プローブ12,13を駆動して圧電基板Pのインピーダンス、および位相の周波数依存性を測定するインピーダンス・アナライザ15と、基板支持機構11およびプローブ支持機構14の駆動を制御する制御装置16とを備えている。
【0018】
基板支持機構11は、支持した圧電基板Pを基板面に平行かつ直交する2方向(これらをX方向、Y方向とする)に移動可能に支持しており、これによって見かけ上は圧電基板Pの各所に測定プローブ12,13を配置することができる。
【0019】
プローブ支持機構14は、支持した測定プローブ12,13を、圧電基板Pを挟んで基板面に垂直な方向(これをZ方向とする)に接近、離間可能に支持しており、圧電基板Pに対しプロービングを行う際には測定プローブ12,13を圧電基板Pの表面、裏面にそれぞれ同期して接近させることができる。
【0020】
図2は厚さ測定部を構成する厚さ分布測定ユニット2の概略構成を示す図である。図に示すように、厚さ分布測定ユニット2は、He-Neレーザを発する光源21と、レーザ光を平行光に変換する光学素子22と、レーザ光を一方の面から透過し他方の面で反射させる半反射ミラー23と、半反射ミラー23を挟んで光源21と相対する位置に圧電基板Pがレーザ光に対して垂直となるように支持する基板支持台24と、半反射ミラー23の他方の面で反射した反射光を投映されるスクリーン25と、スクリーン25に投映された反射光の干渉縞を撮影するデジタルカメラ26と、デジタルカメラ26によって撮影されたデジタル画像を解析する画像解析装置27とを備えている。
【0021】
バルク波測定ユニット1におけるインピーダンス・アナライザ15および制御装置16と、厚さ分布測定ユニット2におけるデジタルカメラ26とは、これらすべてを統括、制御する演算部30を有するメインコンピュータ31に接続されている。
【0022】
バルク波測定ユニット1、厚さ分布測定ユニット2およびメインコンピュータ31により構成される圧電基板の材料定数測定装置を使用して、圧電基板Pの材料定数を測定する操作の手順について説明する。
[共振周波数の測定]
圧電単結晶体から切り出した圧電基板Pを基板支持機構11にセットしてずれないように固定する。この状態から、基板支持機構11を駆動すると、圧電基板PがX/Y方向に段階的に移動し、圧電基板P上に設けられた複数の測定個所のひとつひとつにに対して測定プローブ12,13が順を追って配置され、1箇所ごとにプロービングが行われる。
【0023】
ある測定個所を挟んで圧電基板Pの表裏両側に測定プローブ12,13が配置されると、プローブ支持機構14が駆動し、測定プローブ12,13がZ方向(または−Z方向)に移動して圧電基板Pの表面と裏面とに同期して接近する。
【0024】
測定プローブ12,13の測定電極がともに圧電基板Pに接したら、インピーダンス・アナライザ15から交流信号が発せられ、測定電極を経て圧電基板Pが励振される。
【0025】
そこで、交流信号の周波数走査を行って当該測定個所におけるインピーダンスと位相との周波数依存性を検出する。この測定データはメインコンピュータ31に入力される。メインコンピュータ31では、演算部30において周波数依存性を示す波形の解析が行われて共振周波数が求められる。
【0026】
共振周波数の情報が得られたら、測定プローブ12,13が先ほどとは逆方向に移動し、圧電基板Pから離間する。これと同期して基板支持機構11がX/Y方向に駆動し、圧電基板Pを移動させて測定プローブ12,13間に次の測定個所が配置される。
以降は上記の手順が繰り返され、圧電基板P上のすべての測定個所について共振周波数が求められる。
【0027】
[基板厚さの測定]
圧電基板Pを基板支持台24にずれないように固定する。この状態から、光源21からレーザ光を光学素子22に向けて発すると、レーザ光は平行光に変換され、半反射ミラー23を透過して圧電基板Pに照射される。
【0028】
照射されたレーザ光は、一部が圧電基板Pの表面で反射し、残りが圧電基板Pの裏面で反射する。このとき、表面で反射したレーザ光(以下、これを表面反射光とする)と裏面で反射したレーザ光(これを裏面反射光とする)との間には圧電基板Pの厚さの2倍にあたる光路長差が生じる。
【0029】
表面反射光と裏面反射光とは、干渉しながら半反射ミラー23の他方の面で反射し、スクリーン25に投映されるため、スクリーン25上には光路長差に依存する干渉縞が生じる。1本の干渉縞は圧電基板P上において同じ厚さを表す等高線とみなすことができる。また、隣り合う干渉縞間の厚さの差はλ/(2n)(λ;真空中におけるレーザ光の波長、n;圧電基板Pの屈折率)で表される。
【0030】
表面/裏面反射光の入射角度を変化させると、干渉縞に変化が生まれるから、これをデジタルカメラ26で撮影する。撮影されたデジタル画像を画像解析装置27で解析すると、圧電基板Pの厚い部分と薄い部分とが相対的に把握できる。これらの解析データはメインコンピュータ31に入力され、あらかじめ精密なマイクロメータで測定しておいた圧電基板Pの代表的な部分の厚さをもとに、演算部30において圧電基板P全体の厚さ分布が得られる。
【0031】
厚さ分布の情報が得られたら、先に得られた共振周波数の情報と組み合わせて圧電基板P上の各測定個所ごとの材料定数(バルク波音速)が算出されるので、これをもとに材料定数の評価を行う。
【0032】
上記のようにすれば、従来のようにSAWデバイスを設けないので、SAWデバイスの製作に要していた時間が短縮され、圧電単結晶体の均一性評価を短時間のうちに正確に実施することができる。例えば、ある圧電基板についてSAWデバイスの作成から材料定数の評価までに要した時間は6時間であったのに対し、これと同じ圧電単結晶体から切り出した圧電基板について本実施形態の通りの測定に要した時間はわずか6分程度であった。
【0033】
また、圧電基板をSAWデバイスの設置によって破壊することがないので、製品として出荷するものについても測定を実施することが可能である。
【0034】
なお、本実施形態においては、バルク波測定ユニット1における制御装置16、および厚さ分布測定ユニット2における画像解析装置27をメインコンピュータ31とは別に設けているが、これらの働きをメインコンピュータ31に行わせるように構成しても構わない。
【0035】
ところで、本実施形態における厚さ分布測定ユニット2は、圧電基板Pが両面研磨された透明基板である場合に有効であるが、圧電基板Pが不透明または両面研磨されていない基板である場合には、十分な計測が行えない。そこで、このような圧電基板Pに対する場合には次のような構成の厚さ分布測定ユニットを採用してもよい。
【0036】
図3(a)に示す厚さ分布測定ユニット40は、圧電基板Pを支持する基板支持台41と、基板支持台41に支持された圧電基板Pの表裏両側に個々に配設されたレーザ三角測定機42,43と、レーザ三角測定機42,43の測定結果に基づいて圧電基板Pの表裏両面の形状解析を行う解析装置44とを備えている。
【0037】
また、図3(b)に示す厚さ分布測定ユニット50は、圧電基板Pを支持する基板支持台51と、基板支持台51に支持された圧電基板Pの表裏両側に個々に配設された探針測定機52,53と、探針測定機52,53の測定結果に基づいて圧電基板Pの表裏両面の形状解析を行う解析装置54とを備えている。
【0038】
厚さ分布測定ユニット40,50のいずれにおいても、圧電基板Pの表裏両面について個別に形状解析がなされ、あらかじめ測定しておいた圧電基板Pの代表的な部分の厚さをもとに、その差分から圧電基板P全体の厚さ分布が得られる。以降は上記と同様に、共振周波数の情報と組み合わせて圧電基板P上の各測定個所ごとのバルク波音速が算出されるので、これをもとに材料定数の評価を行うこととなる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、圧電単結晶体から切り出した圧電基板の各所について、厚み滑り振動の共振周波数を測定するとともに基板厚さを測定し、圧電基板の各所ごとに共振周波数と基板厚さとの積を求めて材料定数を算出することにより、従来のようにSAWデバイスを設置する必要がないので、測定に要する時間を大幅に短縮することができる。
また、SAWデバイスの設置によって圧電基板を破壊することがないので、製品として出荷するものについても測定を実施することが可能であり、圧電基板を無駄に消費しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態を示す図であって、周波数測定部を構成するバルク波測定ユニットの概略構成を示す図である。
【図2】同じく、厚さ測定部を構成する厚さ分布測定ユニットの概略構成を示す図である。
【図3】(a)、(b)いずれも、図2とは異なる測定方式を採る厚さ分布測定ユニットの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 バルク波測定ユニット
11 基板支持機構
12,13 測定プローブ
14 プローブ支持機構
15 インピーダンス・アナライザ
30 演算部
31 メインコンピュータ
P 圧電基板

Claims (5)

  1. 圧電単結晶体から切り出した圧電基板について、周波数測定部によって該圧電基板の両側の一部に2つの測定プローブを個々に配設して交流信号を発して前記圧電基板を励振させることで各所ごとに厚みすべり振動の共振周波数を測定する工程と該共振周波数とは別に厚さ測定部によって前記各所ごとの基板厚さを測定する工程とを備え
    演算部によって両測定値を乗じて前記各所ごとの材料定数を算出することを特徴とする圧電基板の材料定数測定方法。
  2. 圧電単結晶体から切り出した圧電基板について、該圧電基板の各所ごとに厚み滑り振動の共振周波数を測定する周波数測定部と、前記各所ごとに基板厚さを測定する厚さ測定部と、前記周波数測定部によって測定された共振周波数と前記厚さ測定部によって測定された基板厚さとを乗じて前記各所ごとの材料定数を算出する演算部とを備え
    前記周波数測定部が、前記各所ごとに前記圧電基板の両側に対向するように個々に配設されて該圧電基板を励振させる2つの測定プローブを備えることを特徴とする圧電基板の材料定数測定装置。
  3. 前記2つの測定プローブが、両者の相対関係を保持しつつ、前記圧電基板に平行かつ直交する2方向に移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の圧電基板の材料定数測定装置。
  4. 前記厚さ測定部が、前記圧電基板に向けて平行光を照射し、前記圧電基板の表面での反射光と裏面での反射光とを干渉させ、両反射光の干渉縞をもとに基板厚さを測定することを特徴とする請求項2または3に記載の圧電基板の材料定数測定装置。
  5. 前記厚さ測定部が、前記圧電基板の両面について個別に表面の形状を測定し、測定された両面の形状から基板厚さを求めることを特徴とする請求項2または3に記載の圧電基板の材料定数測定装置。
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