JP3609934B2 - 粒径の測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動状態にある粉体を構成する粒子の粒径の測定方法と、粉体を流動させることで行われる造粒の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
粉体構成粒子の粒径測定は、医薬、農薬、洗剤等の製造工程において、所望の粒径の粒子を得る上で必要とされる。例えば、特開昭63‐232831号公報により開示された造粒終点制御装置は、造粒を行うために粉体を攪拌容器内で攪拌用ロータにより流動させる際に、その攪拌容器内に設けたプローブへの粉体の衝突圧を検出し、その衝突圧を電気信号に変換して高速フーリエ変換することで、その攪拌用ロータの回転数と攪拌羽根の枚数との積に対応する特徴周波数での振動強度を求める。その振動強度が粉体構成粒子の粒径に対応することから、その振動強度が所定値に達した時点で造粒を終了することで、所望粒径の粉体を得ることができる。
【0003】
しかし、上記従来技術では、その特徴周波数は攪拌用ロータの回転数と攪拌羽根の枚数との積であることから、その特徴周波数での振動強度は、プローブ付近を通過する攪拌羽根に随伴される粒子とプローブとの衝突圧に対応する。そのため、上記従来技術は、プローブに衝突する粒子流量が攪拌羽根により周期的に変動する場合にのみ適用できるものであり、粒子流量が一定であるような場合には適用できず汎用性に欠けるという問題がある。さらに、その特徴周波数は、攪拌用ロータの回転数と攪拌羽根の枚数との積であることから数十Hz程度と比較的低周波であり、そのため周囲に存在する他の機器の振動等に基づく雑音の影響が大きく精度良く造粒終点を求めることができない。
【0004】
また、特開平5‐237357号公報に開示された造粒状態検出方法は、造粒を行うために粉体を攪拌容器内でインペラにより流動させる際の容器の振動強度と、容器を空の状態にしてインペラを駆動した場合の容器の振動強度とを求め、両者を明確に識別させる周波数を特定周波数としている。その特定周波数での振動強度と粉体の嵩密度とが相関関係にあることに着目し、その振動強度に対応する嵩密度に応じて造粒状態を検出している。その特定周波数での振動強度を容器外部に取り付け設けた検出器により検出することで、検出感度が経時劣化するのを防止し、また、容器内部での粉体の運動状態の変動に左右されることなく造粒状態を検出している。
【0005】
しかし、上記第2の従来技術では、その特定周波数は数十Hz程度と比較的低周波であり、そのため周囲に存在する他の機器の振動等に基づく雑音の影響が大きく精度良く造粒状態を検出できない。また、その特定周波数での振動強度が粉体の嵩密度と相関関係にあることに基づいているため、その粉体構成粒子が例えば、造粒中に化学反応等を生じる物質を含む場合、その化学反応等により粒子の表面性状等が変化して嵩密度が変動する。そうすると、その振動強度が粉体の嵩密度に相関しなくなり、造粒状態を検出できなくなる。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することのできる粒径の測定方法および造粒制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の粒径測定方法の第1の特徴は、流動状態にある粉体を構成する粒子の粒径を測定するに際して、その粉体の流動領域に位置する部位と粉体との衝突により、その粉体の流動領域に位置する部位に生じる振動の、固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度を検出し、前記粒子の粒径と上記周波数帯の振動強度との予め求めた関係に基づき、その検出した周波数帯の振動強度に対応する粒径を求める点にある。
本発明の粒径測定方法の第2の特徴は、造粒を行うために粉体を流動させる際に、その粉体の流動領域に位置する部位と粉体との衝突により、その粉体の流動領域に位置する部位に生じる振動の、固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度を検出し、前記粒子の粒径と上記周波数帯の振動強度との予め求めた関係に基づき、その検出した周波数帯の振動強度に対応する粒径を求める点にある。
流動状態にある粉体構成粒子の粒径は、その粉体の流動領域に位置する部位と粉体との衝突により生じる振動の、固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度に相関させることができる。これは、その粒径が大きくなる程に粉体の流動領域に位置する部位と粉体との衝突圧が大きくなることに基づく。よって、その粒径とその周波数帯の振動強度との予め求めた関係から、その周波数帯の振動強度の検出値に対応する粉体構成粒子の粒径を求めることができる。
その粒径と周波数帯の振動強度との相関関係は、粉体構成粒子の流量や表面性状の影響を受けることは少ないので、その流量や表面性状の影響をあまり受けずに粒径を精度良く測定できる。しかも、上記周波数帯の下限値を500Hz以上にすることで、好ましくはその固有振動数として高次のものを選定することで、周囲の低周波振動等に基づく雑音の影響を防止できる。
【0008】
本発明の造粒制御方法の第1の特徴は、造粒を行うために粉体を流動させる際に、その粉体の流動領域に位置する部位と粉体との衝突により、その粉体の流動領域に位置する部位に生じる振動の、固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度を検出し、その検出した周波数帯の振動強度が、粉体構成粒子の目標粒径に対応する予め定めた設定値である時に、その造粒を終了させる点にある。
上記のように粒径と周波数帯の振動強度との相関関係は、粉体構成粒子の流量や表面性状の影響を受けることは少ないので、この構成によれば、造粒の終点を精度良く求めることができる。
【0009】
本発明の造粒制御方法の第2の特徴は、造粒を行うために粉体を流動させる際に、その粉体の流動領域に位置する部位と粉体との衝突により、その粉体の流動領域に位置する部位に生じる振動の、固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度を時系列に検出し、造粒開始から任意時間経過時点において検出した周波数帯の振動強度を、造粒開始からの経過時間と粉体構成粒子の基準粒径に対応する前記周波数帯の振動強度との予め定めた関係と比較し、その検出した周波数帯の振動強度と基準粒径に対応する周波数帯の振動強度との差を低減するように、造粒条件を変更する点にある。
造粒開始から任意時間の経過時点において検出した周波数帯の振動強度と基準粒径に対応する周波数帯の振動強度との差は、その時点における粉体構成粒子の実際の粒径と基準粒径との差に対応する。その基準粒径は任意に設定できる。よって、その差を低減するように造粒条件を変更することで、粉体構成粒子の流量や表面性状の影響を受けることは少なく、粉体構成粒子の粒径を任意の目標値に精度良く近付けることができる。
【0010】
上記造粒過程において粉体構成粒子が凝集することで生じる新たな粒子は、その造粒過程において化学反応する物質を含むものであってもよい。この場合、その化学反応により粉体構成粒子の表面性状が変動しても、粒径を精度良く測定したり、造粒の終点を精度良く求めたり、粒径を目標値に精度良く近付けることができる。
【0011】
上記造粒過程における粉体は、容器内で軸中心に回転駆動される攪拌部材により攪拌されることで流動されると共に、その攪拌部材の回転軸の外周部に対向する容器の内周部に回転駆動可能に設けられる粉砕部材により粉砕され、前記振動強度として、その粉砕部材と粉体との衝突により生じる振動の強度が検出されるのが好ましい。その粉砕部材と粉体との衝突により生じる振動強度は、その粉体構成粒子の粒径を良く反映するので、その振動強度を検出することで、造粒の終点を精度良く求めたり、粒径を目標値に精度良く近付けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1、図2を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
第1実施形態においては、ホッパー1から落下することで流動状態にある粉体の構成粒子2の粒径が測定される。すなわち、その粉体の流動領域に位置する振動板3が支持部材6により片持ち梁状に支持される。その粉体と振動板3との衝突により生じる振動の強度を時系列に検出する加速度センサ等のセンサ4が、その振動板3に取り付けられ、そのセンサ4は信号処理装置5に接続される。
【0013】
その信号処理装置5は、主増幅器5a、バンドパスフィルター5b、補助増幅器5c、実効値変換回路5d、A/D変換器5e、および演算装置5fを有する。
【0014】
そのセンサ4から送られる振動強度の検出信号は、その主増幅器5aにより増幅され、バンドパスフィルター5bにより予め定めた周波数帯以外の信号が除去され、補助増幅器5cにより増幅され、実効値変換回路5dによりその周波数帯の強度に対応する実効値に相当する値の直流信号に変換され、A/D変換器5eによってA/D変換された後に演算装置5fに入力される。
【0015】
そのバンドパスフィルター5bを通過する信号の周波数帯は、その粉体と振動板3との衝突により生じる振動の固有振動数を含むように定められ、その具体的な値は粒径を所望の精度で求めることができるように実験により予め定めることができ、その下限値は500Hz以上であるのが好ましい。これにより、その粉体と振動板3との衝突により生じる振動の、固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度が検出される。
【0016】
その演算装置5fはコンピュータにより構成され、その粒子2の粒径と上記周波数帯の振動強度との予め求めた関係を記憶し、その検出された上記周波数帯の振動強度に対応する粒子2の粒径を、その記憶した関係から求める。また、その演算装置5fに、キーボード等の入力装置7、外部記憶装置やプリンター等のデータ記録部8、CRTや液晶ディスプレイ等の表示部9が接続され、入力装置7から操作信号が入力され、その求められた粒径はデータ記録部8や表示部9に出力される。
【0017】
図2(1)は、その粉体と振動板3との衝突により生じる周波数毎の振動強度の一例を示し、本実施形態では、図においてAで示す範囲の固有振動数を含む予め定めた周波数帯(例えば3400〜4600Hz)の振動強度として実効値が求められる。ここでいう振動強度は下記の式による交流信号の実効値演算により計算しているが、交流信号の絶対値の時間平均などを用いて振動強度としてもよい。
【0018】
【数1】
【0019】
図2(2)は、予め粒径が定められた粒子2から構成される流動状態にある粉体と振動板3との衝突により生じる振動の、上記周波数帯の強度と粒径との関係の一例を示し、図における○は測定点を示す。尚、 粒径(平均粒径を示す)の測定方法は、複数の特定メッシュのふるいを用いて、サンプルをふるい分けし、積算重量で50%となるところのメッシュをサンプルの粒径とする。これより、その周波数帯の振動強度と粒径とは相関し、その粒径が大きくなる程に周波数帯の振動強度が大きくなるのを確認できる。よって、その粒径と周波数帯の振動強度との記憶した関係から、その周波数帯の振動強度の検出値に対応する粉体構成粒子2の粒径を求めることができる。直線Bは、その演算装置5fに記憶される粒径と周波数帯の振動強度との関係の一例を示す。
【0020】
上記構成によれば、粉体構成粒子2の粒径と振動強度との相関関係は、粉体構成粒子2の流量や表面性状の影響を受けることは少ないので、その流量や表面性状の影響をあまり受けずに粒径を精度良く測定できる。しかも上記周波数帯の下限値を500Hz以上にすることで、好ましくはその固有振動数として高次のものを選定することで、周囲の低周波振動等に基づく雑音の影響を防止できる。
【0021】
図3、図4を参照して本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態においては、造粒を行うために粉体を第1、第2造粒装置11、12内で流動させる。
【0022】
その第1造粒装置11は、横軸心の円筒形状を有する攪拌容器11aと、この容器11a内で原動機11bにより横軸11c中心に回転駆動されるブレード状の攪拌部材11dと、その攪拌部材11dの回転軸11cの外周部に対向する容器11aの内周部に設けられるブレード状の粉砕部材11eとを備える。その粉砕部材11eは粉体の流動領域に位置し、容器11aにより片持ち梁状に支持され、原動機11fにより容器11aの径方向に沿う軸中心に回転駆動される。その粉体は、容器11a内で攪拌部材11dにより攪拌されることで流動されると共に、その粉砕部材11eにより粉砕される。また、その容器11a内に図外パイプから、その粉体を粒状にするための造粒液や、粉体と接触することで化学反応を生じる反応液等が供給される。その粉体と粉砕部材11eとの衝突により生じる振動の強度を検出するセンサ14aが、その粉砕部材11eの原動機11fに取り付けられ、そのセンサ14aは信号処理装置15に接続される。
【0023】
その第2造粒装置12は、縦軸心の筒形状を有する攪拌容器12aと、この容器12a内で原動機12bにより縦軸12c中心に回転駆動されるブレード状の攪拌部材12dと、その攪拌部材12dの回転軸12cの外周部に対向する容器12aの内周部に設けられるブレード状の粉砕部材12eとを備える。その粉砕部材12eは粉体の流動領域に位置し、容器12aにより片持ち梁状に支持され、原動機12fにより容器12aの径方向に沿う軸中心に回転駆動される。その粉体は、容器12a内で攪拌部材12dにより攪拌されることで流動されると共に、その粉砕部材12eにより粉砕される。また、その容器12a内に図外パイプから、その粉体を粒状にするための造粒液や、粉体と接触することで化学反応を生じる反応液等が供給される。その粉体と粉砕部材12eとの衝突により生じる振動の強度を検出するセンサ14bが、その粉砕部材12eの原動機12fに取り付けられ、そのセンサ14bは上記信号処理装置15に接続される。
【0024】
その信号処理装置15は、第1、第2主増幅器15a′、15a″、第1、第2バンドパスフィルター15b′、15b″、第1、第2補助増幅器15c′、15c″、第1、第2実効値変換回路15d′、15d″、第1、第2A/D変換器15e′、15e″、および制御装置15fを有する。
【0025】
第1の主増幅器15a′、バンドパスフィルター15b′、補助増幅器15c′、実効値変換回路15d′、A/D変換器15e′は、上記第1造粒装置11のセンサ14aから送られる振動強度の検出信号を、第2の主増幅器15a″、バンドパスフィルター15b″、補助増幅器15c″、実効値変換回路15d″、A/D変換器15e″は、上記第2造粒装置12のセンサ14bから送られる振動強度の検出信号を、それぞれ第1実施形態の信号処理装置5と同様に処理し、各処理信号それぞれは制御装置15fに入力される。
【0026】
第1バンドパスフィルター15b′を通過する信号の周波数帯は、その粉体と第1造粒装置11の粉砕部材11eとの衝突により生じる振動の固有振動数を含むように定められ、第2バンドパスフィルター15b″を通過する信号の周波数帯は、その粉体と第2造粒装置12の粉砕部材12eとの衝突により生じる振動の固有振動数を含むように定められ、それぞれの具体的な値は粒径を所望の精度で求めることができるように実験により定めることができ、各下限値は500Hz以上であるのが好ましい。これにより、粉体と各粉砕部材11e、12eとの衝突により生じる振動それぞれの、固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度が検出される。
【0027】
その制御装置15fはコンピュータにより構成され、キーボード等の入力装置17、外部記憶装置やプリンター等のデータ記録部18、CRTや液晶ディスプレイ等の表示部19が接続される。
【0028】
その制御装置15fは記憶装置を内蔵し、第1造粒装置11において造粒される粉体構成粒子の粒径と第1バンドパスフィルター15b′を通過する信号の周波数帯の振動強度との予め定められた関係、第1造粒装置11において造粒される粉体構成粒子の目標粒径に対応する予め求めた第1バンドパスフィルター15b′を通過する信号の周波数帯の振動強度である第1設定値、第2造粒装置12において造粒される粉体構成粒子の粒径と第2バンドパスフィルター15b″を通過する信号の周波数帯の振動強度との予め定められた関係、および第2造粒装置12において造粒される粉体構成粒子の目標粒径に対応する予め求めた第2バンドパスフィルター15b″を通過する信号の周波数帯の振動強度である第2設定値とを記憶する。
【0029】
そして制御装置15fは、その第1造粒装置11において検出された上記周波数帯の振動強度に対応する粒径と、第2造粒装置12において検出された上記周波数帯の振動強度に対応する粒径とを演算し、その演算結果をデータ記録部18や表示部19に出力する。
【0030】
また、その制御装置15fは、その第1造粒装置11において検出された上記周波数帯の振動強度が第1設定値である時は、第1造粒装置11の各原動機11b、11fを停止させる制御信号を出力し、第1造粒装置11による造粒を終了させ、その第2造粒装置12において検出された上記周波数帯の振動強度が第2設定値である時は、第2造粒装置12の各原動機12b、12fを停止させる制御信号を出力し、第2造粒装置12による造粒を終了させる。
【0031】
図4(1)は、第1造粒装置11において、粉体と粉砕部材11eとの衝突により生じる周波数毎の振動強度の一例を示し、本実施形態では、図においてCで示す範囲の固有振動数を含む予め定めた周波数帯(例えば2800〜3200Hz)の振動強度として実効値が求められる。
【0032】
図4(2)は、第1造粒装置11において、予め粒径が定められた粒子から構成される流動状態にある粉体と粉砕部材11eとを衝突させた場合の、その衝突により生じる振動の上記周波数帯の強度と粒径との関係の一例を示し、図における○は測定点を示す。これより、その粒径と周波数帯の振動強度は相関し、その粒径が大きくなる程に振動強度が大きくなるのを確認できる。よって、その周波数帯の振動強度と粒径との記憶した関係から、その振動強度の検出値に対応する粉体構成粒子の粒径を求めることができる。直線Dは、その制御装置15fに記憶される粒径と周波数帯の振動強度との関係の一例を示す。また、粉体構成粒子の目標粒径に対応する上記周波数帯の振動強度である第1設定値を記憶する場合、その直線Dで示される関係により、その目標粒径と周波数帯の振動強度との対応関係を求めることができる。第2造粒装置12においても同様に粒径と周波数帯の振動強度との相関関係を得ることができる。
【0033】
上記構成によれば、粉体構成粒子の粒径と上記周波数帯の振動強度との相関関係は、粉体構成粒子の流量や表面性状の影響を受けることはないので、その流量や表面性状にかかわりなく粒径を精度良く求め、また、造粒の終点を精度良く求めることができる。さらに、上記各周波数帯の下限値を500Hz以上にすることで、好ましくは上記各固有振動数として高次のものを選定することで、その造粒の終点を、周囲の低周波振動等に基づく雑音の影響を受けることなくより精度良く求めることができる。また、粉砕部材11e、12eと粉体との衝突により生じる振動の上記各周波数帯の強度は、その粉体構成粒子の粒径を良く反映するので、その周波数帯の振動強度を検出することで、粒径を精度良く求め、また、造粒の終点を精度良く求めることができる。
【0034】
図5〜図8を参照して本発明の第3実施形態を説明する。なお、第2実施形態と同様部分は同一符号で示す。
図5、図6に示すように、第3実施形態と上記第2実施形態との相違は、第1造粒装置11の攪拌容器11aに防振ゴム等の防振部材20が取り付けられ、その防振部材20を介して攪拌容器11aに第1振動板21aと位置調節部材21bと第2振動板22の一体化したものが取り付けられる。その第1振動板21aと位置調節部材21bは攪拌容器11aの内部に配置され、第2振動板22は攪拌容器11aの外部に配置される。位置調節部材21bは、第1振動板21aに適切に粉体が衝突するようにその長さを適宜変えることができるし、もしくはなくてもよい。攪拌容器11aの内部では流動する粉体が第1振動板21aに衝突し第1振動板21aに振動が生じるとともに、この振動が第2振動板22にも伝わり第2振動板22にも振動が生じる。従って、振動板に生じる振動を検出するセンサ23は、どちらの振動板に取り付けても、攪拌容器11a内部の粉体の粒径の測定は可能である。しかしながら、センサ23の周囲の環境による劣化や保守の利便性を考慮して、第2振動板22に取り付ける方がより良い。
第2実施形態において粉体と粉砕部材11eとの衝突により生じる振動強度を検出していたのに代えて、その第1振動板21aと粉体との衝突により生じる振動の強度を検出するセンサ23が、その第2振動板22に取り付けられ、そのセンサ23が信号処理装置15′に接続される。また、攪拌容器11aからの粉体取り出し用ゲート弁(図示省略)と、そのゲート弁駆動装置25が取り付けられている。その防振部材により周囲の低周波振動等に基づく雑音の影響を防止できるので、造粒の終点を精度良く求めたり、粒径を所望の値に精度良く近付けることができる。
【0035】
第2造粒装置12は第2実施形態と同様とされ、その信号処理装置15′に粉体と粉砕部材12eとの衝突により生じる振動の強度を検出するセンサ14bが接続される。
【0036】
第3実施形態の信号処理装置15′は、第2実施形態の信号処理装置15と制御装置を除いては同様とされ、第1造粒装置11における粉体と第1振動板21との衝突により生じる振動の固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度と、第2造粒装置12における粉体と粉砕部材12eとの衝突により生じる振動の固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度とが、それぞれ時系列に検出される。
【0037】
第3実施形態の信号処理装置15′の制御装置15f′は、第1造粒装置11における造粒開始からの経過時間と粉体構成粒子の基準粒径に対応する第1バンドパスフィルター15b′を通過する信号の周波数帯の振動強度との予め定めた第1の関係を記憶し、また、第2造粒装置12における造粒開始からの経過時間と粉体構成粒子の基準粒径に対応する第2バンドパスフィルター15b″を通過する周波数帯の振動強度との予め定めた第2の関係を記憶する。各基準粒径は、その経過時間と周波数帯の強度との関係が満たされる時、その時点での粉体構成粒子の粒径の目標値になるように設定され、任意の値に設定できる。図7における実線Eは、第1造粒装置11における造粒開始からの経過時間と粉体構成粒子の基準粒径に対応する上記周波数帯の振動強度との関係の一例を示す。
【0038】
その制御装置15f′は、造粒開始から任意時間の経過時点において、第1造粒装置11において検出した周波数帯の振動強度を、上記第1の関係と比較し、その検出した周波数帯の振動強度と基準粒径に対応する周波数帯の振動強度との差を求め、その差を低減するように第1造粒装置11の造粒条件を変更する。また、制御装置15f′は、造粒開始から任意時間の経過時点において、第2造粒装置12において検出した周波数帯の振動強度を、上記第2の関係と比較し、その検出した周波数帯の振動強度と基準粒径に対応する周波数帯の振動強度との差を求め、その差を低減するように第2造粒装置12の造粒条件を変更する。その差と造粒条件の変更量との関係は予め定められて記憶される。
【0039】
例えば、バッチプロセスにより造粒を行う場合、各造粒装置11、12の攪拌部材11d、12dや粉砕部材11e、12eの回転速度を変更対象の造粒条件とすることができ、例えば、原動機11b、11f、12b、12fに制御信号を送ることで造粒条件を変更できる。また、連続プロセスにより造粒を行う場合、粉体の滞留時間を造粒条件とすることができ、例えば、攪拌容器11aからの粉体取り出し用ゲート弁の開度制御信号をゲート弁駆動装置25に送ることで造粒条件を変更できる。
【0040】
図7における実線Fは、造粒開始からの経過時間と検出された上記周波数帯の振動強度との関係の一例を示す。この場合、造粒開始から任意時間taの経過時間において、検出された周波数帯の振動強度は基準粒径に対応する周波数帯の振動強度よりも図中δaだけ小さい。すなわち、その粉体構成粒子の粒径は、任意時間経過時点での目標値である基準粒径よりも、そのδaに対応する値だけ小さい。この場合、その差δaに応じて予め設定されて記憶された量だけ、攪拌部材11d、12dや粉砕部材11e、12eの回転速度を減速したり、粉体の滞留時間を長くするために粉体取り出し用ゲート弁の開度を小さくすることができる。
【0041】
また、図7における実線Gは、造粒開始からの経過時間と検出された上記周波数帯の振動強度との関係の別の一例を示す。この場合、造粒開始から任意時間taの経過時間において、検出された周波数帯の振動強度は基準粒径に対応する周波数帯の振動強度よりも図中δbだけ大きい。すなわち、その粉体構成粒子の粒径は、任意時間経過時点での目標値である基準粒径よりも、そのδbに対応する値だけ大きい。この場合、その差δbに応じて予め設定されて記憶された量だけ、攪拌部材11d、12dや粉砕部材11e、12eの回転速度を増速したり、粉体の滞留時間を短くするために粉体取り出し用ゲート弁の開度を大きくすることができる。他は第2実施形態と同様とされている。
【0042】
図8(1)は、第3実施形態において、第1造粒装置11での粉体と第1振動板21との衝突により生じる第2振動板22の周波数毎の振動強度の一例を示し、本実施形態では、図においてHで示す範囲の固有振動数を含む予め定めた周波数帯(例えば2200〜2700Hz)の振動強度が検出される。図8(2)は、予め粒径が定められた粒子から構成される流動状態にある粉体と第1振動板21とを衝突させた場合の、その衝突により生じる第2振動板22の振動の上記周波数帯における強度と粒径との関係の一例を示し、図における○は測定点を示す。これによって、その粒径と周波数帯の振動強度は相関するのを確認できる。直線Iは、その相関関係を示す一例である。第1造粒装置11における造粒開始からの経過時間と粉体構成粒子の基準粒径に対応する上記周波数帯の振動強度との予め定めた上記第1の関係において、その直線Hで示される関係により、その基準粒径と周波数帯の振動強度との対応関係を求めることができる。第2造粒装置12においても同様に粒径と周波数帯の振動強度との相関関係を得ることができる。
【0043】
上記第3実施形態によれば、造粒開始から任意時間の経過時点において検出した周波数帯の振動強度と基準粒径に対応する周波数帯の振動強度との差は、その時点における粉体構成粒子の実際の粒径と基準粒径との差に対応する。その基準粒径は任意に設定できる。よって、その差を低減するように造粒条件を変更することで、粉体構成粒子の流量や表面性状の影響を受けることなく、粉体構成粒子の粒径を任意の目標値に精度良く近付けることができる。図7より、造粒開始から時間ta経過時点に上記のように造粒条件を変更することで、粉体構成粒子の粒径が基準粒径に近付くのを確認できる。さらに、上記周波数帯の下限値を500Hz以上にすることで、好ましくはその固有振動数として高次のものを選定することで、周囲の低周波振動等に基づく雑音の影響を受けることなく、その粒径を目標値により精度良く近付けることができる。また、第1造粒装置11においては、防振部材20により周囲の低周波振動等に基づく雑音の影響を防止できるので、粒径を所望の値に精度良く近付けることができる。また、第2造粒装置12においては、粉砕部材12eと粉体との衝突により生じる周波数帯の振動強度は、その粉体構成粒子の粒径を良く反映するので、その周波数帯の振動強度を検出することで、粒径を目標値に精度良く近付けることができる。なお、第2実施形態においても、第3実施形態と同様の防振部材を介して振動板を設け、その振動板と粉体との衝突により生じる振動の固有振動数を含む周波数帯の強度を求めるようにしてもよい。
【0044】
上記第2実施形態、第3実施形態における造粒過程において、攪拌容器11a、12a内に粉体と接触することで化学反応を生じる反応液等を供給する場合、粉体構成粒子が凝集されることで生じる新たな粒子は、その造粒過程において化学反応する物質を含む。この場合、その化学反応により粉体構成粒子の表面性状が変動しても、粒径と周波数帯の振動強度との相関関係は粉体構成粒子の表面性状の影響を受けることはないので、粒径や造粒の終点を精度良く求めたり、粒径を目標値に精度良く近付けることができる。
【0045】
図9(1)は第4実施形態を示し、ベルトコンベヤや振動コンベヤ等の搬送装置31により粉体を図中矢印方向に搬送する場合において、その搬送途中の粉体と衝突する位置に片持ち梁状の振動板32が設けられる。これにより、その振動板32に対して粉体は相対的に流動するので、その振動板32と粉体との衝突により生じる振動の固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度を、例えば振動板32に取り付けたセンサ33により検出し、上記第1実施形態と同様に粉体構成粒子2の粒径を求めることができる。
【0046】
図9(2)は第5実施形態を示し、ダクト41内で空気により輸送されることで粉体が流動する場合において、その粉体とダクト41との衝突により生じる振動の固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度を、例えばダクト41に取り付けたセンサ42により検出し、上記第1実施形態と同様に粉体構成粒子2の粒径を求めることができる。
【0047】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されない。例えば、造粒装置の攪拌容器そのものは、その内周部位に粉体が造粒時において衝突することで振動するので、その攪拌容器そのものの予め定めた周波数帯の振動強度を検出するようにしてもよい。また、予め定めた周波数帯の振動強度として実効値を求めるのに代えて、振動強度の検出信号を高速フーリエ変換することで得られる各周波数に対応する振動強度の、その周波数帯における積算値、平均値または最大値を求めてもよい。なお、その周波数帯の振動強度を、バンドパスフィルター及び実効値変換回路を利用して求めることで、高速フーリエ変換を利用して求めるのに比べて迅速に求め、流動状態にある粉体の構成粒子径を略リアルタイムで測定できる。しかも、その周波数帯は攪拌部材の回転数等の造粒操作条件にかかわらず一定にできるため、バンドパスフィルターの中心周波数を変更する必要がなく、装置構成が複雑化するのを防止できる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、粒子流量、粒子の表面性状、周囲の雑音の影響を受けることなく、粒径を精度良く求めることができる汎用可能な粒径の測定方法と、造粒の終点を精度良く求めることができ、造粒時において粒径を所望の値に精度良く近付けることができる造粒制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る粒径測定方法を実施するための構成説明図
【図2】本発明の第1実施形態における(1)は周波数毎の振動強度を示す図、(2)は予め定めた周波数帯における振動強度と粒径との関係を示す図
【図3】本発明の第2実施形態に係る造粒制御方法を実施するための構成説明図
【図4】本発明の第2実施形態における(1)は周波数毎の振動強度を示す図、(2)は予め定めた周波数帯における振動強度と粒径との関係を示す図
【図5】本発明の第3実施形態に係る造粒制御方法を実施するための構成説明図
【図6】本発明の第3実施形態による造粒制御方法を実施するための構成の要部の説明図
【図7】本発明の第3実施形態による造粒制御方法において時間と予め定めた周波数帯における振動強度との関係を示す図
【図8】本発明の第3実施形態における(1)は周波数毎の振動強度を示す図、(2)は予め定めた周波数帯における振動強度と粒径との関係を示す図
【図9】本発明の(1)は第4実施形態に係る粒径測定方法を実施するための構成説明図、(2)は第5実施形態に係る粒径測定方法を実施するための構成説明図
【符号の説明】
2 粒子
3、21、22、32 振動板
4、14a、14b、23、33、42 センサ
5b、15b′、15b″ バンドパスフィルター
5d、15d′、15d″ 実効値変換回路
5f 演算装置
11、12 造粒装置
11e、12e 粉砕部材
15f、15f′ 制御装置
20 防振部材
Claims (7)
- 流動状態にある粉体を構成する粒子の粒径を測定するに際して、
その粉体の流動領域に位置する部位と粉体との衝突により、その粉体の流動領域に位置する部位に生じる振動の、固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度を検出し、
前記粒子の粒径と上記周波数帯の振動強度との予め求めた関係に基づき、その検出した周波数帯の振動強度に対応する粒径を求めることを特徴とする粒径の測定方法。 - 造粒を行うために粉体を流動させる際に、その粉体の流動領域に位置する部位と粉体との衝突により、その粉体の流動領域に位置する部位に生じる振動の、固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度を検出し、
前記粒子の粒径と上記周波数帯の振動強度との予め求めた関係に基づき、その検出した周波数帯の振動強度に対応する粒径を求めることを特徴とする粒径の測定方法。 - 前記周波数帯の下限値が500Hz以上である請求項1または2に記載の粒径の測定方法。
- 前記造粒の過程において粉体構成粒子が凝集されることで生じる新たな粒子は、その造粒過程において化学反応する物質を含む請求項2又は3に記載の粒径の測定方法。
- 造粒を行うために粉体を流動させる際に、その粉体の流動領域に位置する部位と粉体との衝突により、その粉体の流動領域に位置する部位に生じる振動の、固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度を検出し、
その検出した周波数帯の振動強度が、粉体構成粒子の目標粒径に対応する予め定めた設定値である時に、その造粒を終了させることを特徴とする造粒制御方法。 - 造粒を行うために粉体を流動させる際に、その粉体の流動領域に位置する部位と粉体との衝突により、その粉体の流動領域に位置する部位に生じる振動の、固有振動数を含む予め定めた周波数帯の強度を時系列に検出し、
造粒開始から任意時間経過時点において検出した周波数帯の振動強度を、造粒開始からの経過時間と粉体構成粒子の基準粒径に対応する前記周波数帯の振動強度との予め定めた関係と比較し、
その検出した周波数帯の振動強度と基準粒径に対応する周波数帯の振動強度との差を低減するように、造粒条件を変更することを特徴とする造粒制御方法。 - 前記粉体は、容器内で軸中心に回転駆動される攪拌部材により攪拌されることで流動されると共に、その攪拌部材の回転軸の外周部に対向する容器の内周部に回転駆動可能に設けられる粉砕部材により粉砕され、
前記振動強度として、その粉砕部材と粉体との衝突により生じる振動の強度が検出される請求項5または6に記載の造粒制御方法。
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