JP3611063B2 - ケースの内外接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液体を収容するケースの内側と外側に配された電気部品を電線で接続するケースの内外接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の構造としては、特公平2ー29654号公報に開示されているものが知られている。これは、図5に示すように、ケース1の側壁にハウジング2をゴムリング3を介して液密に嵌め込み、そのハウジング2に電線4を挿通させた構造である。但し、図5において、ケース1の側壁の右方の空間が液体の収容空間となる。しかし、これだけだと、電線4とその挿通孔5との隙間からケース1内の液体が漏洩する虞があるため、ハウジング2の内側面において樹脂材注入室6を形成し、ここに例えばエポキシ材7を注入して電線4と挿通孔5との隙間部分を埋めるようにしている。さらに、電線4が被覆電線であると毛管現象によってケース1内の液体が電線4内を伝わって漏洩して来る虞があるため、樹脂材注入室6内において被覆の一部を皮剥ぎすることで、毛管現象による液体の移動を阻止するようにしていた。
【0003】
一方、樹脂材注入室6内にエポキシ材7を注入する際、皮剥ぎされた芯線部8が確実にエポキシ材7によって埋設されるようにするため、電線4をその長さ方向に関して位置決めする必要がある。そのため、皮剥ぎされた芯線部8に位置決め金具9をかしめておき、この位置決め金具9を樹脂材注入室6の底面に押し当てるようにしてエポキシ材7の注入作業を行ってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、使用環境によってはハウジングの周辺に他の機器が配置されることもある。その場合には、ハウジングがケースの側壁からできるだけ突出しないようにしておくことが望まれる。そのために、樹脂材注入室の深さを浅くすることが必要となる。樹脂材注入室の深さは、少なくとも皮剥ぎされた芯線部を埋設することができる寸法に設定されており、その寸法Hは図6に示すように、芯線部8に連なる電線4の被覆端末4a,4b間の距離Aと、電線4の位置ずれや寸法誤差等から防液性を保証するための寸法Bとから決まる。ここで、寸法Bはハウジングの形状や品質保証程度等製品規格によって定まる固定値であるため、構成上樹脂材注入室6の深さを浅くするためには距離A、即ち芯線部8の両側に連なる電線4の被覆端末4a,4b同士をできる限り近づけることによって行わざるを得ない。しかし、従来の構成では位置決め金具9は電線4と同軸線上に配されているため、電線4の被覆端末4a,4b同士を近づけようとすると位置決め金具9が邪魔になってそれ以上に近づけることができなかった。従って、従来の構成では、距離Aを位置決め金具9の長さ寸法Cより小さくすることができず、樹脂材注入室6の深さ寸法Hは寸法Bに位置決め金具9の長さ寸法Cを加えた寸法より小さくすることができなかった。
【0005】
一方、位置決め金具9の長さ寸法Cを短くすれば、電線4の被覆端末4a,4b同士を近づけることができるから距離Aが小さくなって樹脂材注入室6の深さを浅くすることができるが、この場合には位置決め金具9のかしめ作業がしづらくなってしまうという欠点がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ケースの内外を電線で接続するための構造において、ハウジングを小型化することができるケースの内外接続構造を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のケースの内外接続構造は、ケースの側面に貫通した状態でハウジングが取り付けられるとともにそのハウジングには充填材が注入される充填材注入室が形成されており、ケースの内側と外側に配された電気部品を接続する被覆電線が充填材注入室を介してハウジングを貫通した状態で取り付けられているケースの内外接続構造において、充填材注入室内における被覆電線の一部が皮剥ぎされて金具固着部とされるとともにこの金具固着部にはハウジングに係合することによって被覆電線の長さ方向の位置決めをなす位置決め金具が固着され、かつ、位置決め金具が金具固着部の両側に連なる被覆電線の軸線上に位置しないように配されていることに特徴を有する(請求項1の発明)。
また、位置決め金具の長さ寸法を、金具固着部の両端部に連なる被覆端末間の距離より長く設定してもよい(請求項2の発明)。
【0007】
【発明の作用・効果】
請求項1の発明によれば、電線には位置決め金具が固着されているため、この位置決め金具をハウジングに係合させることによって電線の長さ方向の位置決めを行うことができる。しかも、この位置決め金具は金具固着部の両側に連なる電線の軸線上から外れているため、位置決め金具に邪魔されることなく金具固着部の両側に連なる電線の被覆端末同士を極力近づけることができる。従って、位置決め金具に拘束されることなく樹脂材注入室の深さを浅くすることができ、もってハウジングの小型化が可能となる。
請求項2の発明によれば、位置決め金具の長さ寸法が金具固着部の両端部に連なる被覆端末間の距離より長く設定されているため、ハウジングの小型化を図るために被覆端末同士を極力近づけたとしても、位置決め金具のかしめ作業がし難くなることを回避できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のケースの内外接続構造を具体化した一実施形態について図1〜図2を参照して説明する。
本実施形態の構造は、車両のミッションケースの内外を接続するための構造に適用される。
【0009】
図1に示すように、オイルの充填されたミッションケース11の側壁には、貫通孔12が形成されており、そこに樹脂製のハウジング13が嵌め込まれている。ハウジング13は、その外周面のほぼ中央部分が全周にわたって凹み形成されており、その凹部14に貫通孔12の開口縁部が嵌まり込んでいる。また、この凹部14内にはやはり全周にわたってゴムリング取付溝15が形成されており、そこにゴムリング16が圧縮された状態で密挿されている。即ち、ハウジング13は、ミッションケース11の貫通孔12に油密に嵌め込まれている。
【0010】
ハウジング13内には、ほぼ中央部に隔壁17が設けられており、これによってハウジング13の上部(図1中、右側部)に樹脂材注入室18が形成されている。この隔壁17のほぼ中央部にはミッションケース11の内側から樹脂材注入室18にかけて電線挿通孔19が形成されており、そこにミッションケース11の内側に配された電気部品と外側に配された電気部品とを接続する電線20が挿通している。また、樹脂材注入室18内にはエポキシ材24が注入されており、電線20を内方に引き入れた状態で電線20の周りが固められている。これによって、電線20と電線挿通孔19との隙間部分が完全に埋め込まれ、この隙間部分からのオイル漏れが防止される。
【0011】
この電線20は、電線挿通孔19とほぼ等しい線径を有し、複数本の素線をより合わせた芯線をビニル材で被覆して構成されている。そして、この電線20の途中部分が樹脂材注入室18内において皮剥ぎされて芯線21を剥き出した状態とされており、この剥き出された芯線21は一方の被覆端末20aからほぼ直角に折り曲げられた後、所定の位置で折り返し、他方の被覆端末20bへと延びている。即ち、樹脂材注入室18内において芯線21が電線20に対してT字状に突出形成されている。この突出形成された芯線21部分を以下、金具固着部22という。なお、このように樹脂材注入室18内において電線20の一部を皮剥ぎして芯線21を剥き出しておくのは、樹脂材注入室18内に注入されたエポキシ材24がより合わされた素線間に入り込んで固まり、毛管現象によって電線20内に浸透したオイルをここで完全に遮断することができるためである。
【0012】
この金具固着部22には、電線20の長さ方向の位置決めを行うための位置決め金具23がかしめられている。即ち、位置決め金具23は、図2に示すように、電線20の軸線Xに直交する向きでかしめ固定されており、電線20の軸線X上から外れた位置に配されている。そして、この位置決め金具23を樹脂材注入室18の底面に押し当てることによって、電線20の長さ方向の位置決めを行うことができるようになっている。
【0013】
次に、電線20のハウジング13への組み付け手順について述べる。まず電線20の所定部位を一定の長さだけ皮剥ぎし、剥き出された芯線21を電線20に対してT字状となるように折り曲げて、上記にいう金具固着部22を形成する。そして、この金具固着部22に位置決め金具23をかしめる。さらに、その後、ハウジング13の電線挿通孔19に電線20を内方(図1中、右方)から挿通させ、その反対側(図1中、左側)へ突出した端部を位置決め金具23が樹脂材注入室18内の底面に係合するまで引っ張る。これによって、電線20は位置決めされる。そして、樹脂材注入室18内にエポキシ材24をハウジング13の上面と面一となるまで注入して固めれば、電線20の組み付け作業は終了する。
【0014】
ここで、樹脂材注入室18の深さ寸法Hは、従来同様に金具固着部22を埋設しておくだけの寸法が必要であり、それは図2に示すように、金具固着部22の両側に連なる電線20の被覆端末20a,20b間の距離Aと、寸法誤差等から防油性を保証するための規格上の固定値である寸法Bとによって決まる。しかし、本実施形態では、位置決め金具23が金具固着部22に連なる電線20の軸線X上から外れた位置に配されているため、位置決め金具23に邪魔されることなく電線20の被覆端末20a,20b同士を極力近づけることができ、距離Aを位置決め金具23の長さ寸法Cより小さくすることができる。
【0015】
従って、従来の構成に比べて、樹脂材注入室18の深さを浅くすることができ、もってハウジング13を小型にすることができる。また、樹脂材注入室18の深さを浅くすることによってエポキシ材24の注入量を少なくすることができるから、コストの削減も可能となる。さらに、位置決め金具23の長さ寸法Cが、被覆端末20a,20b間の距離Aより大きく設定されているため、被覆端末20a,20b同士を近づけてハウジング13の小型化を図っても、位置決め金具23のかしめ作業がし難くなることはない。
【0016】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。(1) 上記実施形態では、金具固着部22は電線20に対してT字状に突出し、そこに位置決め金具23が固着されていた。従って、位置決め金具23は電線20の軸線Xに対して直交する向きかつ軸線Xから外れた位置にかしめ固定されていた。しかし、図3に示すように、皮剥ぎされた芯線(金具固着部)31をリング状をなすように360度湾曲させ、位置決め金具32を電線33の軸線Xとほぼ平行になるようにかしめた構成であってもよい。
【0017】
(2) また、図4に示すように、皮剥ぎされた芯線(金具固着部)41をクランプ状に折り曲げ、位置決め金具42を皮剥ぎされた芯線41の両側に連なる両電線43,44の軸線X1,X2に直交する向きでかしめた構成であってもよい。
【0018】
(3) さらに、図4で芯線41の両側に連なる電線43と電線44とが平行でないものや、図2で位置決め金具23が電線20の軸線Xに対して直交する向きにないもの等であってもよく、要するに位置決め金具が皮剥ぎされた芯線部分の両側に連なる電線の軸線に対してそこから外れた位置に配され、被覆端末同士を位置決め金具に拘束されることなく近づけることができる構成のものであればよい。
【0019】
(4) 上記実施形態では、電線20はミッションケース11の内側から外側へ連なる1本のものであり、その電線20の所定部位を皮剥ぎして金具固着部22を形成したが、ミッションケースの内側と外側とで線径の異なる2本の電線、或いは材質の異なる2本の電線を用意し、その各電線の端末を皮剥ぎし、かつ位置決め金具を用いてかしめ接続した構成のものでもよい。
【0020】
(5) 上記実施形態は、本発明のケースの内外接続構造を車両におけるミッションケース11に適用したものでったが、本発明は、油密性や水密性等、液密性を要求される構造のものについて広く適用される。
その他、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の全体を示す断面図である。
【図2】位置決め金具のかしめ位置を示す拡大側面図である。
【図3】他の実施形態(皮剥ぎされた芯線部分がリング状をなしている構成)を示す拡大側面図である。
【図4】他の実施形態(皮剥ぎされた芯線部分がクランプ状をなしている構成)を示す拡大側面図である。
【図5】従来例を示す断面図である。
【図6】従来における位置決め金具のかしめ位置を示す拡大側面図である。
【符号の説明】
11…ミッションケース(ケース)
13…ハウジング
18…樹脂材注入室(充填材注入室)
20,33,43,44…電線(被覆電線)
22…金具固着部(金具固着部)
21,31,41…芯線(金具固着部)
23,32,42…位置決め金具
X,X1,X2…軸線
Claims (2)
- ケースの側面に貫通した状態でハウジングが取り付けられるとともにそのハウジングには充填材が注入される充填材注入室が形成されており、前記ケースの内側と外側に配された電気部品を接続する被覆電線が前記充填材注入室を介してハウジングを貫通した状態で取り付けられているケースの内外接続構造において、
前記充填材注入室内における前記被覆電線の一部が皮剥ぎされて金具固着部とされるとともにこの金具固着部には前記ハウジングに係合することによって前記被覆電線の長さ方向の位置決めをなす位置決め金具が固着され、かつ、前記位置決め金具が前記金具固着部の両側に連なる被覆電線の軸線上に位置しないように配されていることを特徴するケースの内外接続構造。 - 請求項1記載のものにおいて、前記位置決め金具の長さ寸法は、前記金具固着部の両端部に連なる被覆端末間の距離より長く設定されていることを特徴とするケースの内外接続構造。
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