JP3612821B2 - 車載用距離測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用距離測定装置に係り、特に、画像データに設定される複数の計算エリアを用いて自車両の前方の障害物までの距離を測定する車載用距離測定装置に関する。
【0002】
車載用距離測定装置は、車載用の追突警報装置や、車間距離センサに用いられる。
【0003】
【従来の技術】
従来より追突警報装置や車間距離センサは種々のものが提案されている。
【0004】
例えば、ステレオ画像処理を行い、左右それぞれ480×512画素に対して、9×9画素でマッチングを行う手法がある。また、撮像手段で撮像した画像に対して白線検出処理を専用のECUにより行い、自車両が走行しているレーンの左右2本の輪郭線を抽出することで対象範囲を確定し、さらに障害物の検出をスキャン型のレーザレーダで行う手法がある。
【0005】
この例では、白線認識処理は、撮像した画像に対して空間微分処理を行い階調差のエッジを強調した処理をしたのち、輪郭線を抽出することで白線を認識している。
【0006】
また、画像処理により自車前方の画像を認識する手法としては、撮像した画像に対して、垂直方向の階調差(輝度差)の大きいエッジ部分を抽出し、これを二値化してラベリング等の処理を行い、その処理後のラベルの特徴から自車の前方を走行する車両の認識を行うものがある。
【0007】
また、撮像した画像を複数の計算エリアに分割し、各計算エリア毎の測定結果に基づいて自車両の前方の車両を認識する手法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この複数の計算エリアを用いて前方車両の認識を行う手法では、撮像方向について遠い部分を粗くとらえるため、距離測定の対象物の精度を上げるためには計算エリアを小さくする必要が生じる。しかし、監視ライン数および監視ウインドウ数を増加させると、処理時間が余分に必要となってしまい、リアルタイムで測距することが困難となる。このように、複数の計算エリアを用いて前方車両との距離を測距する手法では、認識精度の向上に一定の限界がある、という不都合があった。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、係る従来例の有する不都合を改善し、特に、画像データ中の複数の計算エリア毎に対象物体との距離を測定する手法において、自車の走行状態にかかわらず一定の精度で距離の測定を行うことのできる車載用距離測定装置を提供することを、その目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、第1の手段として、自車の走行中に当該自車の前方を撮像する2つの撮像手段と、これら撮像手段によって撮像された画像データに対して複数の計算エリアを設定する計算エリア設定手段と、この計算エリア設定手段によって設定された複数の計算エリア部分の画像データを抽出する計算エリアデータ抽出手段と、この計算エリアデータ抽出手段によって抽出された計算エリアデータを計算エリア毎に比較する比較手段と、この比較手段によって抽出された比較データに基づいて当該比較データ毎に対象障害物との距離を算出する距離算出手段とを備えている。
しかも、計算エリア設定手段に、自車のハンドル舵角などの走行状態を捕捉する走行状態捕捉手段を併設している。さらに、計算エリア設定手段が、走行状態捕捉手段から出力された走行状態情報に基づいて計算エリアの位置を算出する計算エリア位置算出部を備えた。
【0011】
走行状態とは、進行方向の変化又は道路に対する瞬間的な傾斜など、道路を走行している際の自車の状態をいう。具体的には、ハンドル舵角や、自車の道路に対する傾斜角や、ウインカ信号による自車の進行方向や、車速センサによる自車の車速などによって定まる自車の走行状態をいう。
【0012】
第1の手段では、走行状態捕捉手段が、自車の走行状態を捕捉する。この自車の走行状態情報は計算エリア設定手段に出力される。計算エリア設定手段では、計算エリア位置算出部が、当該走行状態情報に基づいて計算エリアの位置を算出する。計算エリア設定手段は、この計算エリア位置算出部の算出結果に基づいて、撮像手段から出力される画像データに計算エリアを設定する。
【0013】
計算エリアデータ抽出手段は、この計算エリア設定手段によって設定された複数の計算エリア部分の画像データを抽出する。即ち、自車の走行状態に応じて設定された計算エリア部分の画像データを抽出する。さらに、比較手段は、この計算エリアデータ抽出手段によって抽出された計算エリアデータを計算エリア毎に比較し、距離算出手段は、比較手段によって抽出された比較データに基づいて当該比較データ毎に対象障害物との距離を算出する。このため、自車の走行状態に応じて適切な方向の障害物との距離を算出する。
【0014】
第2の手段として、第1の手段を特定する事項に加え、走行状態捕捉手段が、自車のハンドル舵角を検出するヨーイング検出部を備え、計算エリア設定手段が、ヨーイング検出部から出力されたハンドル舵角情報に基づいて画像データに設定するそれぞれの計算エリア毎に左右方向の位置を算出するウィンドウ位置算出部を備えた。
【0015】
この第2の手段では、ヨーイング検出部が、自車のハンドル舵角を捕捉し、ウインドウ算出部が、ヨーイング検出部から出力されたハンドル舵角情報に基づいて各計算エリア毎に当該計算エリアの左右方向の位置を算出する。計算エリア設定手段は、このウインドウ算出部の算出結果に基づいて画像データに計算エリアを設定する。
【0016】
第3の手段として、第1の手段を特定する事項に加え、走行状態捕捉手段が、道路に対する自車の傾斜角を検出するピッチング検出部を備え、計算エリア設定手段が、ピッチング検出部から出力された傾斜角情報に基づいて画像データに設定するそれぞれの計算エリアの上下方向の位置を算出するライン位置算出部を備えた。
【0017】
この第3の手段では、ピッチング検出部が、道路に対する自車の傾斜角を検出し、ライン位置算出部が、ピッチング検出部から出力された傾斜角情報に基づいて各計算エリア毎に当該計算エリアの上下方向の位置を算出する。計算エリア設定手段は、このウインドウ算出部の算出結果に基づいて画像データに計算エリアを設定する。
【0018】
第4の手段として、第1の手段を特定する事項に加え、計算エリア設定手段が、撮像手段によって撮像される実空間での撮像方向について等しい間隔となる間隔で、画像データの測定対象範囲について上端と下端との間の計算エリアの垂直方向の間隔を設定する垂直方向比率算出部と、撮像手段によって撮像される実空間での撮像方向について等しい間隔となる間隔で、画像データの測定対象範囲について左端と右端との間の計算エリアの水平方向の間隔を設定する水平方向比率算出部とを備えた。
【0019】
本発明は、これらの各手段により、前述した目的を達成しようとするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による車載用距離測定装置の構成を示すブロック図である。車載用距離測定装置は、自車の走行中に当該自車の前方を撮像する2つの撮像手段10,12と、これら撮像手段10,12によって撮像された画像データに対して複数の計算エリアを設定する計算エリア設定手段15と、この計算エリア設定手段15によって設定された複数の計算エリア部分の画像データを抽出する計算エリアデータ抽出手段14と、この計算エリアデータ抽出手段14によって抽出された計算エリアデータを計算エリア毎に比較する比較手段16と、この比較手段によって抽出された比較データに基づいて当該比較データ毎に対象障害物との距離を算出する距離算出手段18とを備えている。
【0021】
しかも、計算エリア設定手段15に、自車のハンドル舵角などの走行状態を捕捉する走行状態捕捉手段13を併設している。さらに、計算エリア設定手段15が、走行状態捕捉手段13から出力された走行状態情報に基づいて計算エリアの位置を算出する計算エリア位置算出部30を備えた。
【0022】
撮像手段としてのCCDカメラ10,12は、自車の左側に設置された第1のCCDカメラ10と、自車の右側に設置された第2のCCDカメラ12とからなる。2つのCCDカメラ10,12は、70[mm]離れた位置に設置されている。
【0023】
図2に示すように、走行状態捕捉手段13が、自車のハンドル舵角を検出するヨーイング検出部32を備え、計算エリア設定手段15が、ヨーイング検出部32から出力されたハンドル舵角情報に基づいて画像データに設定するそれぞれの計算エリア毎に左右方向の位置を算出するウィンドウ位置算出部34を備えている。
【0024】
さらに、走行状態捕捉手段13は、道路に対する自車の傾斜角を検出するピッチング検出部33を備えている。これに応じて、計算エリア設定手段15は、ピッチング検出部33から出力された傾斜角情報に基づいて画像データに設定するそれぞれの計算エリアの上下方向の位置を算出するライン位置算出部35を備えた。
【0025】
これを詳細に説明する。
【0026】
本実施形態は、多段リモートセンサを用いて自車両前方の障害物(前方走行車両等)との距離を測定するものであり、図3及び図4は多段リモートセンサによる測距原理を説明するための説明図である。
【0027】
図3は第1及び第2のCCDセンサ10,12からの画像データ(監視エリアデータ)の一例を示す図である。ここでは、各CCDセンサにより撮像されたデータを画像データといい、この画像データのうち測定対象範囲1に対応するデータを監視エリアデータという。計算エリアデータ抽出手段14は、これら監視エリアデータから計算エリアデータを抽出する。図3に示す例では、第1のCCDセンサによって撮像された監視エリアデータ10aに対して、監視ライン14bを5本、各監視ライン14bについて監視ウインドウ14cを5個監視エリアデータ上で等間隔に設けている。
【0028】
ここでは、各監視ライン14bの1つの監視ウインドウ14cを、計算エリア14aとしている。図3に示す例では、25個の計算エリア14aは監視エリアデータ上での等間隔に位置付けられている。
【0029】
計算エリアデータ抽出手段14は、各計算エリア毎に監視エリアデータから計算エリアデータを切り出す。ここでは、画像データは複数階調(輝度)のモノクロデータであるため、計算エリアデータは、図4(A)及び(B)に示すように、輝度データとなる。また、カラーデータの色相の差などを比較するようにしても良い。
【0030】
計算エリア14a内に対象物体のエッジが撮像されている場合、図4に示すように、各CCDセンサ10,12の設置位置の違いにより計算エリアデータは異なるものとなる。
【0031】
比較手段16は、図4(C)に示すように、第1のCCDセンサ10による計算エリアデータと、対応する同一位置の計算エリア14aについての第2のCCDセンサ12による計算エリアデータとを比較する。例えば、輝度の最大値となる位置を比較すると、各計算エリア毎に図4(C)に示すような比較データ16aを得ることができる。
【0032】
距離算出手段18は、図4(C)に示す比較データ16に基づいて、三角測量の原理により対象物までの距離を算出する。測距結果は、対象物が撮像された計算エリアの数と同一数得られる。
【0033】
しかし、車両の走行状態によっては、例えば、車両が傾斜している場合や、ハンドルを操舵した場合には、CCDセンサ10,12の視野が自車の進行方向から外れてしまう。
【0034】
このため、本実施形態では、図1及び図2に示したように、計算エリア設定手段15に、自車の走行状態を捕捉する走行状態捕捉手段13を併設し、さらに、計算エリア設定手段15が、この走行状態捕捉手段13から出力される走行状態情報に基づいて、最適な計算エリア位置を算出する計算エリア位置算出部30を備えている。
【0035】
自車の走行状態情報としては、ハンドル舵角や、ウインカ信号による自車の進行方向など左右方向(ウインドウ位置)に関する走行状態情報と、自車の道路に対する傾斜角や、車速センサによる自車の車速などによって定まる上下方向(ライン位置)に関する走行状態情報とがある。
【0036】
以下、図5乃至図8を参照して計算エリアの位置算出処理について説明する。ここでは、後述する手法によりライン位置及びウインドウ位置の間隔比率が定められている。まず、ウインドウ位置の設定について説明する。
【0037】
ヨーイング検出部32は、ステアリングシャフト部分などに取り付けられたエンコーダ等の出力に基づいて、ハンドルの舵角を測定する。ヨーイング検出部32は、捕捉したハンドル舵角情報をウインドウ位置算出部34に出力する。
【0038】
ウインドウ位置算出部34、ハンドルの舵角x[度]に対してΔxだけウインドウの中心位置を移動させるため、次式(1),(2)が成り立つようにw3iを算出する。Δxはxに依存し、比例関係となるようにする。また、ウインドウの中心線34aから算出対象のウインドウiの位置34bまでの距離w2iと、中心線34aからウインドウの端34cまでの距離w1との比率を一定にしたままウインドウ位置を変更するようにしている。
【0039】
【数1】
【0040】
【数2】
【0041】
図5に示すように、直進時にはウインドウ位置は中心線を挟んで対象となる。右にハンドルを切ったときには、図6に示す如くとなる。式(1)は、新しい中心線よりも右側の領域のウインドウ位置の算出に用い、式(2)は、新しい中心線よりも左側の領域算出に用いる。これによると、予め設定されたウインドウの間隔比率を変更せずに、ハンドルの操舵に応じて、自車の進行方向側のウインドウが狭くなり、反対側のウインドウは広くなる。
【0042】
このようにハンドル舵角に応じてウインドウ位置を再設定すると、自車の進行方向については細かい計算エリアで障害物を捕捉する。従って、車間距離の警報などの場合に、より必要な方向の障害物を的確に捕捉することができる。
【0043】
次に、ライン位置の設定について説明する。
【0044】
ピッチング検出部33は、道路に対する自車の傾きを検出する。例えば、前輪と後輪のサスペンションの沈みの差などによって道路に対する自車の傾きを検出する。道路に対して車体がフロント上がりにy[度]傾いていたとすると、ライン位置算出部35は、ライン位置を以下のように算出する。
【0045】
まず、車両の傾きy[度]に対して、Δyだけ一番下のライン位置を移動する。Δyはyに依存し、比例関係にある。また、図7に示すように、常にラインの間隔の比を等しくする。
【0046】
車両がy[度]ピッチングしているときは、図8に示す如くとなる。このとき、次式(3)が成り立つようにh3jを算出する。なお、jはラインの番号である。車体がリア上がりになったときも同様の処理を行う。この場合、一番下のラインは移動させずに、一番上のラインを移動させる。
【0047】
【数3】
【0048】
図9は図1及び図2に示した構成での計算エリアの設定処理の一例を示すフローチャートである。まず、ヨーイング検出部32は、ハンドルが中立であるか否かを確認する(ステップS1)。ハンドルが中立ではない場合、ウインドウ位置算出部34は、ハンドル舵角情報に応じてウインドウ位置を算出する(ステップS2)。さらに、計算エリア設定手段15は、このウインドウ位置算出部34によって算出された各ウインドウ位置に基づいて、計算エリアを再設定する(ステップS3)。
【0049】
一方、ステップS1でハンドルが中立であると判定された場合には、ピッチング検出部13は、自車のピッチングの有無を確認する(ステップS4)。ピッチングしている場合、即ち、道路に対して自車が傾斜しているときには、ライン位置算出部35が、ピッチングに応じてライン位置を計算する(ステップS5)。さらに、計算エリア設定手段15は、このライン位置算出部35によって算出されたライン位置に基づいて計算エリアを再設定する(ステップS6)。
【0050】
このようにハンドル舵角又はピッチングに基づいて計算エリアの位置の再設定を行った後、各計算エリア毎に距離を測定し、また、当該距離が測定された障害物に対する危険度を算出する。自車の走行状態として車速を用いる場合、高速走行中であれば遠方の障害物との関係が車間距離警報等では必要となるため、監視ラインを車速に応じて上部に移動させるようにすると良い。
【0051】
ウインカ信号により走行状態を捕捉する場合、これは自車が進行しようとしている方向を予め知る手段であるため、車速に応じてウインカ信号が車線変更であるかそれとも右左折であるかを判定し、それに応じてウインドウ位置を変化させるようにすると良い。
【0052】
上述したように本実施形態によると、常に最適なライン位置、またウインドウ位置とすることができ、従って、前方車両などの対象物を距離に関係なく認識できることとなる。また、カメラを縦置きにしても、ピッチングによりウインドウ位置を変更し、ヨーイングによりライン位置を変更することにより、同様に最適なライン位置及びウインドウ位置を算出することができる。
【0053】
次に、計算エリアの大きさを実空間に合わせる手法について説明する。
【0054】
図3に示す監視ライン及び監視ウインドウの設定では、遠くの対象物にとっては粗く、近くの対象物にとってはエッジが良好に抽出されなくなる程度に細かい。この不都合を解消すべく、本実施例では、計算エリアデータ抽出手段14には、計算エリア設定手段15が併設されている。
【0055】
図10は、測定時の位置関係を示す側面図である。道路5に対する撮像範囲2は、CCDセンサ10,12の俯角、視野角及び設置高さとにより一義的に定まる。監視エリアデータに定義される計算エリア14aのうち、上端と下端との間は、道路上では測定対象範囲1となる。
【0056】
この測定対象範囲1を撮像方向について等間隔に分割すると図10に示す如くとなる。図示する例では、基準間隔3で配置される5本のラインにより4カ所に分割される。測定対象範囲内1での基準間隔による当該ラインの間隔は、CCDセンサ10,12の撮像面では等間隔とならない。
【0057】
CCDセンサ10,12の撮像面と平行な監視スクリーン4を図10のように想定すると、図示するように、監視スクリーン4上では、ラインの間隔は測定距離が遠くなるほど狭くなる。
【0058】
このため、監視エリアデータに定義する計算エリアを監視エリアデータ上で等間隔に設定すると、測定距離が遠い障害物に対しては粗いものとなり、一方、測定距離が短い接近した障害物に対しては細かすぎるものとなる。
【0059】
このような関係は水平方向についても生じる。図11は、測定時の位置関係を示す平面図である。図11は測定時の様子を真上から見たものであり(右半分)監視スクリーン4上で、ウインドウ位置は左右対称でウインドウ間隔が中心にいくほど狭くなっている。
【0060】
計算エリア設定手段15は、監視エリアデータに定義する計算エリア14aの垂直方向及び水平方向の間隔比率を算出する。即ち、図10及び図11に示した監視スクリーン4上の間隔比率で計算エリア14aを設定する。以下、計算エリア設定手段15による監視スクリーン4での間隔比率の算出手法の一例を説明する。
【0061】
図12乃至図14は、計算エリア設定手段15による計算エリア14aの垂直方向の間隔を算出する処理を説明するための説明図である。
【0062】
図12に示すように、CCDセンサ10,12の視野角をθyとし、焦点位置でのCCDセンサ10,12の高さをhとする。ここでの視野角θyは、撮像の最大範囲ではなく、図10に示した測定対象範囲1に対応するものである。
【0063】
さらに、道路上の測定対象範囲1について最もCCDセンサ10,12に近い位置と焦点位置とを通る直線▲1▼と、道路との交点を原点Cとする。また、道路と直線▲1▼とが成す角をαとする。CCDセンサ10,12の俯角は、α−θy/2[度]となる。直線▲2▼は、道路上の測定対象範囲1の最もCCDセンサ10,12から遠い位置と焦点位置とを通る直線である。
【0064】
図12に示す定義よると、CCDセンサ10,12の焦点位置の座標は(k,h)となる。ここでは説明のため簡略に表示しているが、実際には、撮像面11には反転した画像が投影される。
【0065】
図12に示す座標では、直線▲1▼は次式(4)で表され、直線▲2▼は次式(5)で表される。
【0066】
【数4】
【0067】
【数5】
【0068】
式(5)では、まず、直線▲2▼と道路とが成す角はα−θyとなるため、直線▲2▼の傾きはtan(α−θy)となる。このため、直線▲2▼と同じ傾きで原点Cを通る直線▲2▼−1について、xの値がkとなる場合のyの値aが算出される。このため、直線▲2▼については、式(5)で表される。
【0069】
次いで、原点Cを通り撮像面11と平行な直線▲3▼は次式(6)で表される。この直線▲3▼は、図10に示した監視スクリーン4である。
【0070】
【数6】
【0071】
直線▲3▼と直線▲1▼とが成す角は(180−θy)/2となるため、直線▲3▼の傾きは式(6)に示す通りとなる。
【0072】
次いで、図13に示すように、測定対象範囲1を、基準間隔bでn個に分割する。ここでは、原点から計数してj番目のラインと、焦点位置(k,h)とを結ぶ直線▲4▼について説明する。まず、直線▲4▼と平行で原点Cを通る直線▲4▼−1は、次式(7)−1(4)によって表される。
【0073】
【数7】
【0074】
まず、直線▲2▼を表す式▲2▼を用いて測定対象範囲1の長さを表し、これをn個に分割すると、基準間隔bの長さが表される(式(7)−1(1))。さらに、原点Cからj番目のラインまでの長さcは式(7)−1(2)で定義される。
【0075】
直線▲4▼の傾きはh/(c+k)で表されるため、▲4▼−1は式(7)−1(3)で表される。これを整理すると式(7)−1(4)となる。
【0076】
この式(7)−1(4)により、xがkであるときのyの値dを表すことができるため、直線▲4▼は、次式(7)で表される。
【0077】
【数8】
【0078】
次に、図14に示すように、直線▲3▼と直線▲4▼との交点Bの座標を算出する。直線▲3▼と直線▲1▼との交点をAとすると、長さABと長さACの比率は、監視エリアデータに定義する計算エリアの垂直方向の間隔の比率となる。
【0079】
各交点ではyの値が等しいため、連立方程式により各交点の座標を定義すると、まず、交点Aについては式(8)で表され、交点Bについては式(9)で表される。
【0080】
【数9】
【0081】
さらに、長さABは式(10)で、長さACは式(11)で表される。
【0082】
【数10】
【0083】
計算エリア設定手段15(垂直方向比率算出部16)は、上述した各式により垂直方向の計算エリア14aの位置を求める。実際には、監視ライン14bの数に応じて基準間隔bが定まり、さらに各監視ライン14b毎に式(7)を定義する。次いで、各ライン毎にABとACの比率を求め、この比率で監視ライン14bの位置を求める。
【0084】
ここでは監視エリアデータに定義される最上部の監視ラインの位置(原点)からの画素数により他の監視ラインの位置が定まるため、監視エリアデータの垂直方向の画素数が256[ドット]だとすると、計算エリア設定手段15は、式(12)により原点からの画素数を求める。
【0085】
【数11】
【0086】
このように、計算エリア設定手段15は、CCDセンサ10,12の設置高さ(h)と、当該CCDセンサ10,12の視野角(θy)と、当該撮像手段の俯角(α−θy/2)とに基づいて、監視エリアデータに設定する複数の計算エリア14aの位置を算出する。本実施形態では、直線▲1▼と道路との交点を原点とした座標で、各直線を定義することにより算出したが、これと異なる手法であってもよい。
【0087】
例えば、直線▲1▼と直線▲2▼の焦点位置から道路までの長さを求め、この各直線の長さの比率から求めるようにしても良い。
【0088】
次に、計算エリア設定手段15による監視ウインドウの設定例を図15を参照して説明する。ここでは、測距を行う目的に応じて、自車の進行方向に対する左右方向の測定対象範囲の幅を定めている。以下この幅の半分をWとする。左右方向の測定対象範囲は、車間距離(危険度)の測定であれば自車の進行車線のみが問題となるため、一般的な道路の1車線分の幅とする。また、CCDセンサ10,12など全体の処理能力に応じて、自車が進行している道路の進行方向の幅を測定対象範囲としてもよい。この場合、ナビゲーションシステムや、光ビーコン等による交通情報システムから自車が進行中の道路の幅を取得する。さらに、測定したい障害物の最大の大きさを予め定めておき、この認識対象とする最大の大きさの障害物から測定対象範囲を定めるようにしてもよい。
【0089】
図15に示す例では、CCDセンサ10,12の水平視野角をθxとする。さらに、CCDセンサ10,12の中心から、撮像対象範囲2Wへの複数の直線を各監視ウインドウ14cに対応する直線とする。x座標はCCDセンサ10,12の撮像方向の位置を示し、y座標は撮像方向を前方とした時の左右方向の位置を示す。CCDセンサ10,12の視野角θxに従って定まる監視ライン14bの端部に対応した直線を直線(10)とする。これを1番目の直線とし、道路上で自車の進行方向に基準間隔bの間隔を有する次の直線を、直線(11)とする。このように、図8に示した場合と同様に、監視ウインドウ14cの数に応じたn個の直線を考える。また、直線(10)をi番目の直線とすると、直線(11)はi+1番目のとなる。まず、直線(11)を定義すべく、直線(10)と測定対象範囲2Wの外側との交点を考え、x軸に直交して当該交点を含む直線をここでは仮にy軸とする。このy軸とx軸との交点を点Eとする。
【0090】
直線(11)は、i番目のラインと測定対象範囲外側との交点と、焦点位置とを結ぶ直線である。まず、直線(11)を2番目の直線として説明する。
【0091】
直線(10)は、次式(13)で表される。
【0092】
【数12】
【0093】
従って、図16に示すように、CCDカメラ10,12の中心から点Eまでのまでの距離が表わされる。さらに、直線(11)が2番目の直線であれば点Eから図示する点Fまでの距離は距離bで表わされ、直線(11)がi番目であれば距離ibで示される。このように定義すると、図16に示すように、直線(11)の傾きはWiを用いずに表され、さらに、i番目の直線(11)は次式(14)で表される。
【0094】
【数13】
【0095】
式(14)においてxの値が0のときのyの値(Wi)は、次式(15)で表される。i番目の各直線についてWiを求めると、各監視ウインドウ14bの比率が算出される。
【数14】
【0096】
従って、監視エリアデータの水平方向の画素数が512[ドット]だとすると、i番目のウインドウ位置は次式(16)で求めることができる。
【0097】
【数15】
【0098】
このように計算エリア設定手段15(水平方向比率算出部37)は、計算エリア14aの水平方向の位置を実空間での幅に応じて設定する。
【0099】
図12乃至図16を参照して説明した手法により計算エリアの位置を算出すると、図5に示す如くとなる。図5示す例では、監視エリアデータの上部では監視ラインの間隔が狭く、一方、下端に近づくほど間隔が広くなる。このため、遠方の障害物は詳細な精度で測距を行うことができ、さらに、接近した障害物は大きい計算エリアで測距を行うため、接近して大きく撮像されていてもそのエッジを良好に得ることができる。このような計算エリアの設定は、左右のCCDセンサ10,12から出力される監視エリアデータに対して同様の位置に設定される。
【0100】
次に、車間距離警報装置について説明する。車間距離警報装置は、図17に示すように、2つのCCDセンサ10,12と、上述した計算エリアを用いた障害物認識処理を行う制御手段40(信号処理BOX)とを備えている。
【0101】
さらに、制御手段40には、自車のハンドル舵角を捕捉して制御手段40に出力するハンドル舵角センサ48と、自車のブレーキの状態を捕捉して制御手段40に出力するブレーキセンサ50とを備えている。また、車速センサや、ウインカ信号を捕捉するセンサ等を併設するようにしても良い。
【0102】
制御手段40は、障害物の測距結果と、自車両の走行状態とに基づいて、当該障害物との車間距離について警報を行う。制御手段40は、例えば、一定の距離以下で、ブレーキングしていなければ警報する等の判断を行う。
【0103】
また、制御手段40には、警報の出力を行うスピーカ44と、警報のメッセージ等を出力する表示部44と、各種設定が入力される入力部46とが併設されている。
【0104】
車間距離警報装置では、まず、CCDセンサ10,12からの監視エリアデータに基づいて、各計算エリア毎に測距を行う。この測距により障害物が発見された場合、ハンドル舵角センサ48やブレーキセンサ50からの出力に基づいて、車間距離の警報を行うか否かの判定を行う。
【0105】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、走行状態捕捉手段が、自車の走行状態を捕捉し、計算エリア位置算出部が、当該走行状態情報に基づいて計算エリアの位置を算出し、さらに、計算エリア設定手段は、この計算エリア位置算出部の算出結果に基づいて、撮像手段から出力される画像データに計算エリアを設定するため、計算エリアデータ抽出手段は、自車の走行状態に応じて設定された計算エリア部分の画像データを抽出することができ、このため、距離算出手段は、自車の走行状態に応じて適切な方向の障害物との距離を算出することができる。このように、画像データ中の複数の計算エリア毎に対象物体との距離を測定する手法において、自車の走行状態にかかわらず一定の精度で距離の測定を行うことのできる従来にない優れた車載用距離測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した計算エリア設定手段の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したCCDセンサにより撮像された画像データ(監視エリアデータ)に定義される計算エリアの一例を示す説明図で、図3(A)は第1のCCDセンサによる監視エリアデータを示す図で、図3(B)は第2のCCDセンサによる監視エリアデータの一例を示す図である。
【図4】図1に示した比較手段の処理例を説明するための説明図で、図4(A)は第1のCCDセンサによる計算エリアデータの一例を示す図で、図4(B)は第2のCCDセンサによる計算エリアデータの一例を示す図で、図4(C)は比較データの一例を示す図である。
【図5】図1に示した計算エリア設定手段により計算エリアが設定された画像データの一例を示す図である。
【図6】図2に示したウインドウ位置算出部によって図5に示した監視ウインドウが変更された例を示す説明図である。
【図7】図1に示した計算エリア設定手段により計算エリアが設定された画像データの一例を示す図である。
【図8】図2に示したライン位置算出部によって図7に示した監視ラインが変更された例を示す説明図である。
【図9】図1及び図2に示した構成での自車の走行状態に応じた計算エリアの設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】測定対象範囲と計算エリアの位置とを側面から見た場合の関係を示す説明図である。
【図11】測定対象範囲と計算エリアの位置とを上面から見た場合の関係を示す説明図である。
【図12】計算エリアの垂直方向の位置を算出する処理を説明するための第1の説明図である。
【図13】計算エリアの垂直方向の位置を算出する処理を説明するための第2の説明図である。
【図14】計算エリアの垂直方向の位置を算出する処理を説明するための第3の説明図である。
【図15】計算エリアの水平方向の位置を算出する処理を説明するための第1の説明図である。
【図16】計算エリアの水平方向の位置を算出する処理を説明するための第2の説明図である。
【図17】図1に示した車載用距離測定装置を用いた車間距離警報装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 第1のCCDセンサ(撮像手段)
12 第2のCCDセンサ(撮像手段)
13 走行状態捕捉手段
14 計算エリアデータ抽出手段
15 計算エリア設定手段
16 比較手段
18 距離算出手段
30 計算エリア位置算出部
Claims (4)
- 自車の走行中に当該自車の前方を撮像する2つの撮像手段と、これら撮像手段によって撮像された画像データに対して複数の計算エリアを設定する計算エリア設定手段と、この計算エリア設定手段によって設定された複数の計算エリア部分の画像データを抽出する計算エリアデータ抽出手段と、この計算エリアデータ抽出手段によって抽出された計算エリアデータを前記計算エリア毎に比較する比較手段と、この比較手段によって抽出された比較データに基づいて当該比較データ毎に対象障害物との距離を算出する距離算出手段とを備え、
前記計算エリア設定手段に、前記自車のハンドル舵角等の走行状態を捕捉する走行状態捕捉手段を併設し、
前記走行状態捕捉手段が、自車のハンドル舵角を検出するヨーイング検出部を備え、
前記計算エリア設定手段が、前記ヨーイング検出部から出力されたハンドル舵角情報に基づいて前記画像データに設定するそれぞれの計算エリア毎に左右方向の位置を、進行方向側の前記計算エリアを狭く設定すると共にその反対側の計算エリアを広く設定するよう算出するウィンドウ位置算出部を備えたことを特徴とする車載用距離測定装置。 - 前記走行状態捕捉手段が、道路に対する自車の傾斜角を検出するピッチング検出部を備え、
前記計算エリア設定手段が、前記ピッチング検出部から出力された傾斜角情報に基づいて前記画像データに設定するそれぞれの計算エリアの上下方向の位置を算出するライン位置算出部を備えたことを特徴とする請求項1記載の車載用距離測定装置。 - 前記計算エリア設定手段が、前記撮像手段によって撮像される実空間での撮像方向について等しい間隔となる間隔で、前記画像データの測定対象範囲について上端と下端との間の計算エリアの垂直方向の間隔を設定する垂直方向比率算出部を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の車載用距離測定装置。
- 前記計算エリア設定手段が、前記撮像手段によって撮像される実空間での撮像方向について等しい間隔となる間隔で、前記画像データの測定対象範囲について左端と右端との間の計算エリアの水平方向の間隔を設定する水平方向比率算出部を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の車載用距離測定装置。
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