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JP3612966B2 - 超硬合金、その製造方法および超硬工具 - Google Patents
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JP3612966B2 - 超硬合金、その製造方法および超硬工具 - Google Patents

超硬合金、その製造方法および超硬工具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、切削工具、ビットなどの耐衝撃工具、ロールや製缶工具などの塑性加工用工具に用いられる、硬度と靱性のバランスに優れた炭化タングステン(以下「WC」と称する)基超硬合金に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、WCを主体とした結晶粒と、CoあるいはNiのような鉄族金属を主体とする結合相からなる超硬合金は、その優れた硬度、靱性、剛性率のため、各種の切削工具や耐摩工具などに用いられてきた。しかし、近年、超硬合金の用途が拡大するにつれて、一段と優れた硬度、靱性を有するWC超硬合金へのニーズが高まってきた。
【0003】
このようなニーズに対して、特開平2−47239号公報、特開平2−138434号公報、特開平2−274827号公報、特開平5−339659号公報では、WC結晶粒の粒形状を板状とし、従来の超硬合金よりもさらに硬度と靱性に優れたものとする提案がなされている。
【0004】
上記特開平5−339659号公報には、超硬合金中に存在するWC結晶粒の15%以上が1〜10μmの最大寸法で最小寸法の2倍以上である板状のWC結晶粒からなるものが開示されている。また、特開平7−278719号公報、あるいは特開平8−199285号公報には、最小寸法に対する最大寸法の比(以下アスペクト比と称す。すなわち、WCを主体とする結晶粒と鉄族金属を主体とする結合相からなる超硬合金が板状のWC結晶粒を含有している場合、超硬合金の任意の断面を走査型電子顕微鏡で観察したとき、該任意断面での個々の板状WC結晶粒の最大寸法の最小寸法に対する比率をいう。)が、3〜20である板状WC結晶粒を含有しているものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような提案では、合金の特性をある程度向上させることができたが、特殊な原料粉末や製造方法を用いるため製造コストが増大していた。また、板状WC結晶粒の生成量も不安定であり、その結果、合金特性が不安定なものであった。
【0006】
しかもこれらの板状WC結晶粒の生成で靱性の改善はある程度達成されたが、一部の粗大化しすぎた板状WC結晶粒の強度は粗大化していないWC結晶粒と比較して必ずしも高くなく、超硬合金自体の強度のばらつきを大きくする要因となっていた。また、WC結晶粒が粗大化すると合金は低硬度となるため、さらに硬度と靱性に優れたWC超硬合金の開発が望まれていた。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。この発明の目的は、強度のばらつきが小さく、かつ硬度および靱性に優れた超硬合金および超硬工具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る超硬合金は、WCを主体とする結晶粒と、鉄族金属を主体とする結合相からなる。そして、WC結晶粒の少なくとも一部の内部に、IVa,Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体であって硬質相の本来の主体であるWC以外のものからなる化合物(以下、単に「上記化合物」と称した場合には本化合物のことを意味する)が存在している。
【0009】
本願の発明者らは、上記の目的を達成すべく種々の研究を行ない、強度のばらつきが小さく、硬度および靱性に優れた超硬合金を製造することに成功した。具体的には、本願の発明者らは、板状WC結晶粒の少なくとも一部に上述の化合物が存在することにより、WC結晶粒内に歪みが生じ、この歪みがWC結晶粒の強化に役立つことを知得した。
【0010】
なお、WC結晶粒内にTiの化合物を分散させてWC結晶粒に圧縮応力を生じさせた複合硬質セラミックス粒子が、特開平5−850号公報に開示されている。しかし、この方法で作製された粉末は、固相焼結用原料としては適するものの、本発明のような液相焼結では十分その効果を発揮できない。これは、液相焼結中に原料が溶解再析出するために効果が半減するものと考えられる。本発明では、特開平5−850号公報の場合のように予め特殊な原料を作製することなく、液相焼結中に上記のような構造のWC結晶粒を安価に作製することができる。しかも、特開平5−850号公報では、WC結晶粒の強化に体積率で10%以上70%以下のTiの化合物の分散が必要であるが、本発明では面積率で10%以下の化合物の分散量でも、WC結晶粒の強化が可能となった。また、上記化合物が結晶粒内に存在するWC結晶粒の面積率は、すべてのWC結晶粒面積の10%以上が好ましく、特に好ましいのは30%を超える場合である。
【0011】
上記化合物は、特に、Ti,Zr,Hf,Wの炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体からなることが好ましい。なかでも、Zrの炭化物、窒化物もしくは炭窒化物であると、靱性および強度向上の効果が大きい。
【0012】
これは、Ti,Zr,Hf,Wの炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体からなる化合物は、WC結晶粒内に取込まれやすく、本発明の効果を発揮しやすいからである。さらに、Ti,Zr,Hfの超硬合金全体に対する含有量は、10重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、上記含有量は、5重量%以下である。これは、Ti,Zr,Hfの含有量が多すぎると焼結性が低下し、超硬合金の強度が低下するためである。
【0013】
なお、上記化合物は、WC結晶粒内にのみ存在する必要はなく、WC結晶粒内と結合相内の両方に存在していてもよい。また、上記化合物の粒径(多角形の場合は対角線の最大長さで示し、三角形の場合は辺の最大長さとした。WC結晶粒の粒径も同じ。)は、1μm未満である場合にWC結晶粒の強化が行なわれやすく、靱性が大幅に向上する。特に好ましいのは、上記化合物の粒径が0.3μm以下の場合である。
【0014】
また、上記超硬合金におけるVa,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体の重量%をWaとし、IVa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体の重量%をWbとしたときに、Wa/Wbの値が0〜0.2である場合には特に優れた靱性と硬度のバランスを示す。
【0015】
これは、Ti,Zr,HfなどのIVa族元素の炭化物、窒化物、炭窒化物若しくはそれらの固溶体からなる化合物はWC結晶粒内に取込まれやすいのに対し、Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体からなる化合物はWC結晶粒内に取込まれにくく、さらに焼結時のWC結晶粒成長を抑制する働きがあるからである。そこで、Wa/Wbの値を0〜0.2とした場合に、本発明の効果を発揮させやすいためこのように限定した。
【0016】
また、前述の理由で、Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの1種の固溶体の含有量が結合相の重量に対し10重量%以下とした場合には、Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体からなる化合物のWC結晶粒内への取込が行なわれやすくなる。
【0017】
次に、超硬合金の断面組織において、粒径が1μm以下のWC結晶粒の面積率が、すべてのWC結晶粒面積の10〜40%で、粒径が1μmを超えるWC結晶粒の面積率が60〜90%である場合、上記化合物が1μmを超える粒径のWC結晶粒内に主に存在すると、特に優れた硬度と靱性とを有する超硬合金が得られる。
【0018】
ここで、粒径が1μm以下のWC結晶粒の面積率をすべてのWC結晶粒の面積の10〜40%と限定したのは、10%よりも少ないと硬度が低下し、40%よりも多いと靱性が低下するためである。また、粒径が1μmを超えるWC結晶粒の面積率を60〜90%と規定したのは、60%よりも少ないと靱性が低下し、90%よりも多いと硬度が低下するためである。
【0019】
また、断面組織上の形状がアスペクト比で2以上のWC結晶粒内に上記化合物が存在する場合には、特に優れた硬度と靱性とを示す。これは、WC結晶粒が板状に粗粒化した場合に、通常生じる硬度の低下が上記化合物がWC結晶粒内に存在することによって緩和されること、粗粒化による靱性向上効果、WC結晶粒の強化が顕著になったこと等に起因するものと考えられる。
【0020】
また、上記粒径が1μmを超えるWC結晶粒のうち、断面組織上の形状がアスペクト比で2以上のものを30%以上含む場合には特に靱性が向上する。通常、アスペクト比が2以上と大きくなると硬度が低下するが、上記化合物が粒内に存在している場合には、硬度の低下が抑制される。そのため、靱性と硬度に特に優れた超硬合金を製造することができる。なお、WC結晶粒内に上記化合物が存在する効果は、アスペクト比が1〜2の場合でも期待できる。
【0021】
この発明に係る超硬合金の製造方法は、下記の工程を備える。すなわち、平均粒径が0.6〜1μmのWC粉末(原料A)と、平均粒径が原料Aの2倍以上となるWC粉末(原料B)と、Co,Ni,Cr,Fe,Moから選ばれた少なくとも1種の金属の粉末(原料C)と、IVa,Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはこれらの固溶体であって平均粒径が0.01〜0.5μmのもの(原料D)を各々原料粉末として用い、好ましくは1500℃以上の温度で焼結する。それにより本発明に係る超硬合金を安定して製造することができる。なお、上記原料A,B,Dの平均粒径は、粉砕、混合工程で上記の値となってもよい。
【0022】
また、上述の方法では、特開平2−47239号公報、特開平2−138434号公報、特開平2−274827号公報のように特殊な原料粉末を用いる必要がない。さらに、特開平5−339659号公報のようにWC粉末を0.5μm以下まで粉砕する必要もない。それにより、市販されているWC原料粒径に近いWC粉末を過度に粉砕することなく利用でき、余分な粉砕時の粉砕・混合装置(アトライタ)からの異物混入やWC粉末の酸化現象を抑制できる。その結果、優れた特性の超硬合金を安価に安定して製造することができる。
【0023】
上記本方法により、安定して板状WC結晶粒を含有する超硬合金を製造できる原因は、板状WC結晶粒が成長する機構としてWCの液相への溶解再析出現象(微粒WCが液相中に溶解し、粗粒WC上に再析出する現象)が主であると考えられる。また、粉砕、混合後の原料WC粉末の平均粒径(フィッシャーサブシーブサイザ粒径とも称され、JIS H 2116による装置で測定した平均粒径のことである。以下同じ。)が2倍以上、好ましくは3倍以上異なる2種類のWC粉末を原料として用いることも寄与し得るものと考えられる。このような平均粒径の異なる2種類のWC粉末を原料として用いることにより、WCの溶解再析出のための駆動力が向上し、板状WC結晶粒が生成しやすくなる。そればかりでなく、原料Bとして添加した粗粒WCが原料粉末内に均一に存在し、粒成長の種結晶として作用する。それにより、局所的な板状WCの成長が抑制され、粉末ロットや焼結ロットなどの違いに関係なく、板状WC結晶粒が焼結体内で安定して生成され得る。
【0024】
従来の製造法でも何らかの問題で粉砕工程で均一な粉砕が行なわれず、結果的にWC粒度分布が大きくなることで板状WC結晶粒の生成が促進され、α2と呼ばれる異常に粗大なWC結晶粒が生成されることは報告されていた。しかし、粗粒側のWCの粒度管理がなされていないため、安定した板状WC結晶粒の生成が行なえなかった。これに対し、本発明に係る方法では、原料Aと原料Bの配合比および原料Aと原料Bの平均粒度差を管理することで、WC結晶粒の形状、粒度分布などの組織制御が可能となる。また、本発明の方法では、欠陥の少ない特性の優れた粗粒WCを原料Bとして用いた場合、このWCが種結晶となって溶解再析出現象により成長する。それにより、半導体製造で有名なブリッジマン法のように、欠陥の少ない特性の優れた板状WCを生成させることができる。さらに、上記のように粒度の異なる2種類のWC粉末を使用することにより、原料DがWC粒内に取込まれやすくなる。
【0025】
なお、原料A、原料BのWC粉末には、市販のWC原料をそのまま用いることもできる。また、予備粉砕により、粒度調整(原料Aは0.6〜1μm、原料Bはその2倍以上の平均粒径)した粉末を用いて、ボールミルなどにより軽混合して用いたり、混合、粉砕工程で狙いとする粒度となるような平均粒径の異なる2種類以上の市販WC粉末を用いてもよい。
【0026】
また、平均粒径0.01〜0.5μmの原料Dもしくは粉砕、混合工程で平均粒径が0.01〜0.5μmとなる原料Dを原料粉末として用いることにより、WCの溶解再析出時に原料DがWC結晶粒内に取込まれやすくなる。それにより、安定して本発明の超硬合金を作製することができる。このように平均粒径の小さい原料を準備するには、通常の粉砕法以外にゾルゲル法などの液相合成法やPVDやCVDなどの気相合成法により作製された原料粉末を使用することもできる。なお、ここで原料Dの平均粒径を0.01〜0.5μmとしたのは、0.01μmよりも小さくすることは工業的に難しく、0.5μmよりも大きくすると原料DをWC結晶粒へ取込みにくくなるためである。
【0027】
なお、原料Aの重量WAと原料Bの重量WBの比WA/WBが0.5〜30であるときに、特に優れた性能の超硬合金を得ることができる。より好ましくは、WA/WBが1〜10である。WA/WBが0.5より小さい場合にはアスペクト比が2より大きい板状WC結晶粒を生成しにくくなる。また、WA/WBが30よりも大きい場合には、板状WC結晶粒の生成が不安定となり、局所的に粗大な板状WC結晶粒が生成しやすくなる。その上、WC結晶粒内に上記化合物が取込まれにくくなる。
【0028】
また、原料Aの少なくとも一部に使用済超硬合金をリサイクル法(亜鉛処理法や高温処理法等による)でリサイクルしたWC粉末を使用することができる。それにより、安価に本発明の超硬合金が製造できるばかりでなく、地球環境保護の観点からタングステン(W)鉱山の無益な採掘を抑制できる。従来より、超硬合金のリサイクル粉末を使用することは試みられてきたが、ごく一部に使用されるだけで全面的な採用はなされていないのが現状であった。
【0029】
リサイクルは、一般に亜鉛処理法で行われるが、リサイクルWC粉末の粒度はリサイクルする使用済超硬合金のWC結晶粒度に依存するため、特定の粒度のWC原料を作製することはできない。高温処理法でも、処理時にWC結晶粒が部分的に粒成長するため、その後粉砕したとしてもWC粉末の粒度分布の幅が非常に大きくなる。このため、これらのリサイクル粉末を使用して超硬合金を作製すると、WC結晶粒度分布を管理することができないため、性能のばらつきが大きくなるという問題があった。
【0030】
これに対し、本発明に係る製造方法では、リサイクル原料である使用済超硬合金から再生された粒径0.6〜1μmの範囲のリサイクル粉末を、焼結過程で液相中に溶解させ、より平均粒径の大きい原料B上に再析出させている。それにより、作製した焼結体の板状WC結晶の粒径を原料BのWC粉末粒度で制御することとなる。そのため、リサイクル粉末の粒度が最終焼結体の粒径を決定することにならず、前述の問題を回避できる。しかも、本方法では前述したように微粒原料Aは、液相に溶解後、粗粒原料B上に析出するので板状WCの特性は粗粒原料Bの特性に依存することとなる。そのため、特性が不安定なリサイクル原料を用いた場合でも、優れた特性を有する焼結体を作製できる。
【0031】
上記リサイクル原料である使用済超硬合金を粉砕したリサイクル粉末から生じたWC粉末の重量WRと原料Aの重量WAの比WR/WAが0.3〜1(好ましくは0.5〜1)である場合には、特に安価に本発明の超硬合金を作製できるほか、地球環境保護の観点からも好ましい超硬合金が得られる。
【0032】
以上のような超硬合金からなる工具等の製品の表面に、さらにIVa,Va,VIa族元素,Alから選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物およびこれらの固溶体、あるいはダイヤモンド、DLC、CBNから選ばれた少なくとも1層以上からなる被覆膜を設け、これらを切削工具や耐摩工具として用いた場合に、合金母材が優れた硬度と靱性のバランスを有するため、特に優れた性能を発揮する。
【0033】
特に、20μm以上の被覆膜を従来のWC基超硬合金上に被覆した場合には、被覆膜が亀裂の発生を助長(グリフィスの予亀裂の働き)すると考えられる。そのため、超硬合金における耐欠損性の低下が見られた。しかし、本発明に係る超硬合金では、WC結晶粒内に上記化合物が析出し、WC結晶粒が強化されているため、亀裂の進展が起こりにくく優れた耐欠損性が得られることが判明した。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図1,図2および表1〜表14を用いて説明する。
【0035】
(実施の形態1)
原料粉末として粉砕効率の高いアトライタを用いて粉砕した平均粒径0.7μmのWC粉末(原料A)と、同様の粉砕により平均粒径2μmのWC粉末(原料B)を準備した。また、平均粒径1.5μmのCO粉末、平均粒径1.3μmのNi粉末、平均粒径0.3μmのZrC粉末、平均粒径0.5μmのTiC粉末、平均粒径0.5μmのHfC粉末、平均粒径0.3μmのNbC粉末、平均粒径0.4μmのTaC粉末、平均粒径0.3μmのCr粉末、平均粒径0.5μmのZrN粉末、平均粒径0.5μmの(W,Ti)(C,N)固溶体粉末、平均粒径0.5μmの(W,Zr)C固溶体粉末、平均粒径0.5μmの(Ta,Nb)C固溶体粉末を加えて、表1の組成に配合し、通常のボールミルを用いてアセトン溶媒中で2時間の混合を行った。その後、スプレードライヤによって造粒を行った。
【0036】
【表1】
Figure 0003612966
【0037】
上記の表1において、原料NoおよびWa/Wbの列の数字以外の数字は、wt%を示す。また、表1には、Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体の重量%をWaとし、IVa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体の重量%をWbとしたときのWa/Wbの値が示されている。
【0038】
これらの粉末を1ton/cmの圧力で金型を用いてプレスし、真空中で1550℃で1時間保持して焼結を行う。それにより、ISO型番CNMG120408の形状(JIS G 4053に準拠した菱形スローアウェイチップ)の焼結体を作製した。焼結体は、♯250のダイヤモンド砥石で研削加工され、ダイヤモンドペーストを用いてラッピング処理が施される。その後、ダイヤモンド製のビッカース圧子を用いて50kg荷重で硬度と、同圧子の圧痕隅に生じる亀裂長より求めるIndentation Fracture法による破壊靱性の値KIC(MPam1/2 )を測定した。
【0039】
また、本発明との比較のために従来例による平均粒径6μmのWC粉末と、平均粒径1.5μmのCo粉末、平均粒径1.3μmのNi粉末、平均粒径2μmのZrC粉末、平均粒径1.5μmのTiC粉末、平均粒径2μmのHfC粉末、平均粒径2μmのNbC粉末、平均粒径1.5μmのTaC粉末、平均粒径2μmのCr粉末、平均粒径1.5μmのZrN粉末、平均粒径2μmの(W,Ti)(C,N)固溶体粉末、平均粒径1.5μmの(W,Zr)C固溶体粉末、平均粒径1.8μmの(Ta,Nb)C固溶体粉末をアトライタで7時間混合し、同様にして造粒した粉末も作製した。この粉末を1ton/cmの圧力で金型を用いてプレスし、真空中で1400℃で1時間保持して焼結を行った。そして、焼結体の硬度、破壊靱性を同様の方法で測定した。
【0040】
また、WC結晶粒内にIVa,Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体からなる化合物が存在しているかどうかを測定した。すなわち、走査型電子顕微鏡もしくは透過電子顕微鏡用の試料を作製し、EDX(Energy dispersive X−ray Spectrometerの略称であって、半導体検出器を用いて電気的に分光選別するエネルギ分散型の蛍光X線分析)にて元素分析した。そして、TiとCが検出された際には、その物質はTiCであるとした。これらの測定結果を表2に示す。なお、表2の試料番号において、No.1−1〜10が本発明に係る方法により作製された焼結体を示し、No.2−1〜10が従来のWC粉末により作製された焼結体を示している。
【0041】
【表2】
Figure 0003612966
【0042】
表2において、○印は、本発明に該当していることを示している。表2の結果より、本発明の方法で作製した試料には、WC結晶粒内にIVa,Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体からなる化合物が存在し、これらの試料の硬度、破壊靱性は従来の方法で作製した試料と比較して優れた値を示していることがわかる。
【0043】
図1に示される写真は、試料1−1の走査電子顕微鏡写真である。図1において、灰色で四角く見える結晶がWC結晶粒1であり、黒く見えるのが結合相2であるCo相であり、WC結晶粒内に灰色に見える析出物(化合物3)はTiの炭化物である。この写真より、試料1−1のWC結晶粒1内に存在する上記化合物3の粒径は約0.1μmであって、0.3μm以下であることがわかる。また、上記化合物3を内部に有するWC結晶粒の面積に対する上記化合物3の面積が10%以下であることもわかる。本発明では、このような断面組織を用いて、WC結晶粒内の化合物の存在の有無を判定した。
【0044】
同様にして、表2の1−2〜1−8の試料には、Ti、Zr、Hf,Wの炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体からなる化合物がWC結晶粒内に存在していることが確認できた。1−9、1−10の試料には、Ti、Zr、Hf、Wの炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体以外のIVa,Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体からなる化合物が存在していることが確認できた。
【0045】
1−1〜1−8までの試料の特性値は従来の方法による2−1〜2−8の試料の特性値と比較して優れた値を示し、その向上割合は1−9〜1−10の本発明の試料が従来の方法による試料2−9〜2−10の特性値に対して向上した値と比較して大きいことも判明した。すなわち、WC結晶粒内に存在する化合物としては、Ti、Zr、Hf、Wの炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体からなる化合物が好ましく、特にZrの炭化物、窒化物がWC結晶粒内に存在していた試料1−2は非常に優れた合金特性を示すことも確認できた。
【0046】
中でも、Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体の重量%をWaとし、IVa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体の重量%をWbとしたときにWa/Wbの値が0〜0.2の範囲にある1−1〜1−6の試料が、従来の方法による試料2−1〜2−6と比較して特に優れた特性を示すことも確認できた。
【0047】
(実施の形態2)
実施の形態1で作製した原料No.8とIVa,Va,VIa族元素の炭化物であるTiC、TaC、Crの量が異なる原料No.11〜15を準備し(表3)、実施の形態1と同様にして焼結体を作製し、硬度および破壊靱性の測定を行った。その結果を表4に示す。また、WC結晶粒内の上記化合物の有無について、実施の形態1と同様に調べたところ、いずれの試料にもWC結晶粒内に上記化合物が存在することが確認できた。
【0048】
【表3】
Figure 0003612966
【0049】
表3の割合(%)は、Va,VIa族元素の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体(WCを除く)の含有量の、結合相の重量に対する割合(%)である。なお、原料No、割合およびWa/Wbの列の数字以外の数字は、wt%を示す。
【0050】
【表4】
Figure 0003612966
【0051】
表4の結果より、TaC,Crの合計添加量が結合相の量に対して10wt%以下である試料No.1−12〜1−15の合金特性は優れており、中でもTaC、Crの添加量が結合相に固溶できる量より少ない試料1−14、1−15は特に優れた合金特性を示すことが確認できた。
【0052】
(実施の形態3)
実施の形態1と同様にして、原料Aと原料Bの配合比の異なる原料No.16〜23を表5に示す組成で準備した。これらの粉末を1ton/cmの圧力で金型を用いてプレスし、真空中で1500℃で1時間保持して焼結を行った。それにより、ISO型番CNMG120408の形状の焼結体を作製した。
【0053】
【表5】
Figure 0003612966
【0054】
表5の原料No.およびWA/WBの列の数字以外の数字は、wt%を示す。次に、これらの試料の硬度および破壊靱性を、実施の形態1の場合と同様の方法で測定した。その測定結果を表6に示す。また、これらの試料を平面研削、鏡面研磨後に走査電子顕微鏡で5000倍にて写真撮影した。この写真を画像処理装置を用いて粒径が1μmを超えるWC結晶粒と粒径が1μm以下のWC結晶粒に分類し、それぞれの面積率を測定した結果についても表6中に記載した。さらに、これらのWC結晶粒のうち、粒径が1μmを超えるWC結晶粒のうちのアスペクト比が2以上であるものの面積割合を同様にして測定し、その結果についても表6中に記載した。なお、WC結晶粒内へのZrC、ZrN、TiC化合物の有無については実施の形態1と同様にして調べた。その結果、3−16、3−23以外の試料については、いずれもWC結晶粒内に上記化合物が存在していることが確認できた。
【0055】
【表6】
Figure 0003612966
【0056】
表6の結果より、原料Aの重量WAと原料Bの重量WBの比WA/WBが0.5〜30の範囲にある3−18〜3−21の試料は、粒径が1μm以下のWC結晶粒の面積率が10〜40%の範囲内にあり、優れた硬度と破壊靱性のバランスを有している。中でも、粒径が1μmを超えるWC結晶粒のうちのアスペクト比が2以上であるWC結晶粒を、面積率で30%以上を有する試料3−20と3−21は、特に優れた合金特性を示すことがわかる。
【0057】
(実施の形態4)
実施の形態1で作製した試料1−1〜1−10および試料2−1〜2−10のCNMG120408形状のチップに0.05Rのホーニング処理を行った後、表7に示す被覆膜を形成した。そして、丸棒材の円周方向に4本の溝を設けた図2に示す形状のSCM435製被削材4を下記条件で切削テストし、欠損するまでの時間を測定した。その結果を表7に示す。なお、表7の被覆膜中のDLCはダイヤモンドライクカーボン、CVDは化学蒸着法、PVDは物理蒸着法を示す。
【0058】
切削条件 切削速度:100m/min
送り :0.4mm/rev
切り込み:2mm
切削形態:乾式
【0059】
【表7】
Figure 0003612966
【0060】
表7の欠損に至るまでの時間を測定した結果より、本発明の試料No.1−1〜1−5に被覆膜を形成した工具は従来の方法の試料No.2−1〜2−5に被覆膜を形成した工具よりも優れた性能を示すことがわかる。なお、表7中のダイヤモンドを立方晶窒化ホウ素(CBN)にしても同様の結果を得ることができた。このように、本発明の超硬合金に被覆膜を形成した試料は優れた特性を発揮できることがわかる。
【0061】
(実施の形態5)
実施の形態1で作製したNo.1の原料粉末と同一の組成で、原料Aの一部に使用済超硬合金を亜鉛処理法もしくは高温処理法で処理したリサイクルWC粉末を使用した原料No.24〜28(表8)を作製した。これらを実施の形態1と同一の方法で焼結し、硬度、破壊靱性、WC結晶粒内の上記化合物の有無を実施の形態1と同様の方法で測定した。その結果を表9に示す。
【0062】
【表8】
Figure 0003612966
【0063】
【表9】
Figure 0003612966
【0064】
表9の結果より、亜鉛処理法、高温処理法でリサイクルした粉末を使用した試料24〜28の合金特性は、リサイクル粉末を用いない試料1と同等の優れた特性を示していることがわかる。このように、本発明の方法では、従来、合金特性が劣るため少量しか使用できなかったリサイクル粉末をWC粉末の主成分として使用できる。それにより、これまでの超硬合金の製造法と比較して低コストで地球環境保護に好ましい超硬合金が得られる。
【0065】
(実施の形態6)
原料Aとして平均粒径0.9μmのWC粉末、原料Bとして平均粒径4μmのWC粉末、原料Cとして平均粒径1.5μmのCo粉末、平均1.8μmのCr粉末、原料Dとして平均粒径0.1μm、0.5μm、0.9μmのZrCN粉末を用いて、表10の組成に配合した原料No.29〜32を作製した。
【0066】
【表10】
Figure 0003612966
【0067】
表10の原料Noの列の数字以外の数字は、wt%を示す。原料No.29〜32の粉末を用いて、実施の形態1と同様にして、プレス、焼結を行ない、ISO型番CNMG120408の形状の焼結体を作製した。次に、実施の形態4と同様の手法で、これらの試料の切削テストを行ない、欠損するまでの時間の測定を行なった。測定結果を表11中に示す。また、これらの試料を平面研削、鏡面研磨後に、走査電子顕微鏡で5000倍にて写真撮影したところ、WC結晶粒に上記化合物が存在していることが確認できた。また、この化合物の組成は、EDX分析により、Zrの炭窒化物であることも確認できた。さらに、この写真を用いて、画像処理装置により、写真内のWC結晶粒の総面積とそれらの中で結晶粒内に上記化合物の存在が認められる結晶粒の面積を測定し、結晶粒内に上記化合物が存在するWC結晶粒の面積率を算出した。その結果を表11に示す。
【0068】
【表11】
Figure 0003612966
【0069】
表11の結果より、ZrCN粉末には微粒原料を用いた方が、ZrCNを結晶粒内に取込むWC結晶粒の面積率が高くなり、結晶粒内に上記化合物が存在するWC結晶粒の面積率が多いほど耐欠損性も向上することがわかる。中でも、結晶粒内に上記化合物が存在するWC結晶粒の面積率が10%を超えると急激に耐欠損性が向上することも確認できた。
【0070】
(実施の形態7)
表12に示す組成の粉末を用いて、ボールミルによりアセトン溶媒中で2時間の混合を行なった。その後、この粉末を乾燥させ、1ton/cmの圧力で金型を用いてプレスし、真空中で1500℃の温度下で1時間保持して焼結を行なった。それにより実施の形態1と同じCNMG120408の形状の焼結体No.3−4〜3−6を作製した。なお、これらの焼結体にはWC結晶粒内に表13に示す化合物が存在することが、透過型電子顕微鏡でEDXもしくはX線定性分析を行なうことで確認できた。次に、これらの試料の硬度および破壊靱性を実施の形態1と同様の方法で測定した。その結果を表14に示す。
【0071】
【表12】
Figure 0003612966
【0072】
【表13】
Figure 0003612966
【0073】
【表14】
Figure 0003612966
【0074】
表14の結果より、Zr化合物がWC結晶粒内に析出した試料No.3−4〜3−6の試料は、Ti化合物がWC結晶粒内に析出した試料No.3−1〜3−3の試料よりも優れた硬度と破壊靱性のバランスを有することが確認できた。さらに、この焼結体を平面研削、外周研削し、さらに0.05Rのホーニング処理を行なった後、下層から順に0.5μmTiN、5μmTiCN、3μmTiC、2μmアルミナ、0.5μmTiNの被覆膜をCVD法でコーティングした。これらの試料を用いて、実施の形態4で用いた被削材を下記の条件で切削し、欠損するまでの時間を測定した。その結果を表14に示す。
【0075】
Figure 0003612966
表14に記載した結果より、Zr化合物がWC結晶粒内に析出した試料No.3−4〜3−6の試料は、Ti化合物がWC結晶粒内に析出した試料No.3−1〜3−3の試料よりも優れた耐欠損性を示すことが確認できた。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、IVa,Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体からなる化合物がWC結晶粒の中に生成されることにより、強度に優れたWC結晶となり、特にその効果はWC結晶粒が板状である場合に顕著となる。その結果、強度と靱性に優れた超硬合金を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超硬合金の走査電子顕微鏡写真を示す図(複写)である。
【図2】切削試験に用いた被削材の断面形状を示す図である。
【符号の説明】
1 WC結晶粒
2 結合相
3 化合物
4 被削材

Claims (11)

  1. 炭化タングステン(WC)を主体とする結晶粒と鉄族金属を主体とする結合相からなる超硬合金において、炭化タングステン結晶粒の少なくとも一部の内部にIVa,Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体であって前記炭化タングステン以外のものからなる化合物が存在し、
    前記超硬合金の断面組織において、前記化合物を内部に有する前記炭化タングステン結晶粒の面積に対する前記化合物の面積が10%以下であり、
    前記化合物の平均粒径が0.3μm未満であり、
    前記化合物が、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)の少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体であって前記炭化タングステン以外のものからなり、
    前記Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体であって前記炭化タングステン以外のものからなる化合物の重量%をWaとし、前記IVa族元素もしくはタングステン(W)から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体であって前記炭化タングステン以外のものからなる化合物の重量%をWbとしたときに、Wa/Wbの値が0〜0.2である、超硬合金。
  2. 前記超硬合金の断面組織において、結晶粒内に前記化合物が存在する前記炭化タングステン結晶粒の面積率が、すべての前記炭化タングステン結晶粒の面積の10%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の超硬合金。
  3. 記化合物が、ジルコニウム(Zr)の炭化物、窒化物、炭窒化物の少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項1に記載の超硬合金。
  4. 記化合物の存在が、断面組織上の形状がアスペクト比で2以上の前記炭化タングステン結晶粒内で認められる、請求項1に記載の超硬合金。
  5. 前記Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体であって前記炭化タングステン以外のものからなる前記化合物の含有量が、前記結合相の重量に対して10重量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の超硬合金。
  6. 炭化タングステン(WC)を主体とする結晶粒と鉄族金属を主体とする結合相からなる超硬合金において、炭化タングステン結晶粒の少なくとも一部の内部にIVa,Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体であって前記炭化タングステン以外のものからなる化合物が存在し、
    前記超硬合金の断面組織において、粒径が1μm以下の前記炭化タングステン結晶粒の面積率が、すべての前記炭化タングステン結晶粒面積の10〜40%で、粒径が1μmを超える前記炭化タングステン結晶粒の面積率が、すべての前記炭化タングステン結晶粒面積の60〜90%であり、
    粒径が1μmを超える前記炭化タングステン結晶粒のうち断面組織上の形状がアスペクト比で2以上であるものを30%以上含むことを特徴とする、超硬合金。
  7. 平均粒径が0.6〜1μmの炭化タングステン(WC)粉末(原料A)と、平均粒径が前記原料Aの2倍以上となる炭化タングステン粉末(原料B)と、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)から選ばれた少なくとも1種の金属の粉末(原料C)と、平均粒径が0.01〜0.5μmでありIVa,Va,VIa族元素から選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、炭窒化物もしくはそれらの固溶体であって前記炭化タングステン以外のものからなる原料Dとを原料粉末として用いることを特徴とする、超硬合金の製造方法。
  8. 前記原料Aの重量WAと、前記原料Bの重量WBの比WA/WBが0.5〜30であることを特徴とする、請求項記載の超硬合金の製造方法。
  9. 前記原料Aの少なくとも一部に、超硬合金のリサイクル粉末を用いることを特徴とする、請求項またはに記載の超硬合金の製造方法。
  10. 前記リサイクル粉末の粉砕で生じた前記炭化タングステン粉末の重量WRと前記原料Aの重量WAの比WR/WAが0.3〜1であることを特徴とする、請求項に記載の超硬合金の製造方法。
  11. 請求項1からのいずれか1項に記載の超硬合金からなる工具表面に、IVa,Va,VIa族元素,Alから選ばれた少なくとも1種の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物、これらの固溶体、あるいはダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、立方晶窒化ホウ素(CBN)の少なくとも1層以上からなる被覆膜を設けた、超硬工具。
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