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JP3615071B2 - 自動車用シート装置のヒンジカバー構造 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載されるシート装置に関し、詳細にはシートバックを着座可能な起立位置と前倒位置との間で回動可能に支持する前倒機構を構成するヒンジ部材のカバー構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車に搭載されるシート装置では、シートバックをシートクッションの上面に前倒しすることによりシートバックの背面を荷台として、あるいはテーブルとして利用可能とする場合がある。この種のシート装置では、例えば図7に示すように、シートクッション80とシートバック81とを前倒機構のヒンジ部材82により連結した構造が一般的である。
【0003】
この前倒機構は、通常の着座時には上記シートバック81を所定の起立位置に固定し、前倒し時には固定を解除してシートバック81を前方に回動可能とするように構成されている。また上記ヒンジ部材82の外側面には樹脂カバー83が装着されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記前倒機構の構造の如何によっては、ヒンジ部材82の一部がシートバック81の後端面81aから車両後方に突出する場合があり、さらにヒンジ部材82の突出部82aに不図示のピン部材等をガイドする孔84を形成する場合がある。このような場合、ヒンジ部材82の突出部82aの内側面が車室内に露出することから、見栄えが悪化するという問題があり、また上記孔84から異物が侵入した場合には前倒機構の作動不良の原因になるおそれがある。
【0005】
このような見栄えや作動不良の問題を解消するには、例えば、図8に示すように、ヒンジ部材82の孔84を一対のゴム製ひれ85,85で覆ったり、あるいは図9に示すように、ブラシ86,86で覆ったりすることが考えられる。また上記突出部82aの内側面をカバーで覆うことも考えられる。
【0006】
しかしながら、上記ゴムひれ85やブラシ86で覆ったり、カバーを装着したりする場合には、ヒンジ部材82とシートバック81の側面81bとの間に取付けスペースS(図8参照)を確保する必要があり、それだけシート全体の車幅方向寸法が大きくなるという問題がある。また、上記ひれ85やブラシ86の場合には、孔84を覆うだけであるから、残りの部分は露出しており見栄えは改善できない。
【0007】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、シートの車幅方向寸法を大きくすることなく、見栄えの悪化や前倒機構の作動不良を防止できる自動車用シート装置のヒンジカバー構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車体フロアの上方に配置されたシートクッションにシートバックを配設し、該シートバックを着座可能な起立位置と、上記シートクッションの上面に当接する前倒位置との間で回動可能に支持する前倒機構を備えた自動車用シート装置の、上記シートバックの左,右側壁に取り付けられ、上記前倒機構を構成するヒンジ部材の外側面をカバー部材で覆うようにしたヒンジカバー構造において、上記シートバックの背面とヒンジ部材との間に可撓性を有し、該ヒンジ部材のシートバック後端面から後方に突出する突出部の内側面の少なくとも一部を覆うカバープレートを配設し、該カバープレートの一端部を上記シートバックの背面に取付けるとともに、他端部を上記カバー部材又はヒンジ部材に取付け、上記ヒンジ部材の突出部は、シートバックが起立位置にあるときには該シートバック後端面から後方へ突出し、前倒位置にあるときにはシートバック背面より下方に位置しており、上記カバープレートは、シートバックが起立位置にあるときには緊張状態に引っ張られて上記突出部の内側面を覆い、シートバックの前倒しに伴って該シートバック背面と突出部の間で収縮することを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、上記カバー部材に、上記カバープレートの幅方向両側縁に当接し、該カバープレートのずれを防止する一対のストッパが一体形成されていることを特徴としている。
【0010】
【発明の作用効果】
本発明に係るヒンジカバー構造によれば、シートバックの背面とヒンジ部材の突出部との間に該突出部を覆う可撓性を有するカバープレートを配設し、該カバープレートの一端部をシートバックの背面に、他端部をカバー部材又はヒンジ部材に取付けたので、シートバックの起立位置だけでなく前倒操作を行う場合にも突出部の内側面はカバープレートにより常に覆われており、該突出部の露出による見栄えの悪化を防止できる。また上記突出部に例えば孔が形成されている場合には、該孔も常に覆われることから、異物の侵入による前倒機構の作動不良を防止できる。
【0011】
本発明では、上記カバープレートの一端部をシートバックの背面に、他端部をヒンジ部材又はカバー部材に取付けたので、カバープレートは、シートバックとヒンジ部材とに前後方向に架け渡されており、従ってヒンジ部材とシートバックとの間に取付け用スペースを確保する必要がなく、シートの車幅方向寸法が大きくなるという問題を回避できる。
【0012】
請求項2の発明では、カバー部材内にカバープレートの両側縁に当接するストッパを一体形成したので、シートバックの前倒操作によってカバープレートがずれるのを防止できる。また、別部品によりカバープレートのずれ防止を図る場合の部品点数の増加を回避できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図6は、本発明の一実施形態による自動車用シート装置のヒンジカバー構造を説明するための図であり、図1はシート装置の斜視図、図2は上記シート装置のヒンジカバー構造を示す分解斜視図、図3〜図5はそれぞれ背面側から見たシート装置の動作を示す斜視図、図6はシートバックのカバーバンド取付け部分の断面図(図5のVI−VI線断面図)である。
【0014】
図において、1はシート装置であり、これは車体フロア(不図示)に配置され乗員の臀部を支持するシートクッション3と、該シートクッション3の後端部に回動可能に連結され、乗員の腰部から背中を支持するシートバック4とから構成されており、このシートクッション3,及びシートバック4はシートフレーム17にクッションパッド40を配設し、これらを表皮41で覆った概略構造のものである。この表皮41はシートバック4の各壁面形状に合わせて裁断された各表皮41a,41b,41cを縫い合わせて形成されたものである(図6参照)。
【0015】
上記シートクッション3の上面3aは傾斜角度が10度程度になるように前側ほど高くなっており、また通常の着座位置でのシートバック4は少し後方に傾斜している。これにより座り心地の向上,及び着座姿勢の安定化を図っている。
【0016】
上記シートクッション3とシートバック4との連結部には、シートバック4を着座可能な起立位置と、シートクッション3の上面3aに当接する前倒位置との間で回動可能に支持する前倒機構5が設けられている。
【0017】
上記前倒機構5を構成するヒンジプレート(ヒンジ部材)10は上記シートバック4の左, 右側壁4b,4bに、該側壁4bに沿って下方に延びるように配設されている。このヒンジプレート10は大略逆く字形状に形成されており、このヒンジプレート10の後端部 ( 突出部 ) 10gはシートクッション3及びシートバック4の後端面から少し後方に突出している。
【0018】
上記左, 右のヒンジプレート10の下端部10a同士は連結パイプ11により結合されており、この連結パイプ11の左,右両端部はシートクッション3のシートフレームにより回動可能に支持されている。上記連結パイプ11により左, 右ヒンジプレート10の前後方向における捩じれやずれを防止している。
【0019】
また上記連結パイプ11には上記ヒンジプレート10を前倒方向に回動付勢するトーションスプリング(不図示)が巻回されており、該スプリングの一端はヒンジプレート10に、他端はシートフレームに係止されている。また上記左, 右のヒンジプレート10の上端部10bは上記シートバック4の左, 右側壁4bにピン部材15を介して連結されている。このようにして上記シートバック4は上記連結パイプ11により前後に回動可能に、かつピン部材15により相対回転可能に支持されている。
【0020】
また上記ヒンジプレート10の連結パイプ11とピン部材15との間には係合孔20と、該係合孔20の上端部に続いて略直角後方に延びる係合解除孔21が形成されており、該係合解除孔21は上述の後方突出部10gの後端縁まで延びている。
【0021】
そして上記シートバック4のフレームには係合ピン25が固着されており、該係合ピン25はヒンジプレート10の係合孔21の下端に係合している。これにより上記ピン部材15を中心としたシートバック4の前後方向への回動が阻止されている。またシートバック4を連結パイプ11回りに前方へ回動させると、上記係合ピン25が上記係合解除孔21側に移行し、これによりシートバック4はピン部材15を中心として回動できるようになっている。
【0022】
また上記ヒンジプレート10の外側面には上記係合解除孔21を跨ぐように補強プレート26が固着されており、該補強プレート26の前縁には支持片26aが形成されている。この支持片26aと上記ピン部材15との間には不図示のコイルスプリングが架設されており、該スプリングによりシートバック4は下方に付勢されている。
【0023】
上記ヒンジプレート10の外側面には該ヒンジプレート10に沿う形状の樹脂カバー(カバー部材)9が着脱可能に装着されている。この樹脂カバー9の後壁にはボス部9b,9cが一体形成されており、また上記ヒンジプレートにはボス部9b,9cが各々嵌まり込む切り欠き状の凹部10h,10eが設けられている。なお、上記ボス9b,9cをビスを螺挿できるように形成して樹脂カバー9をヒンジプレート10に固定するために利用することもできる。この樹脂カバー9は、シートバック4が前倒位置にあるときには該シートバック4の背面4aより下方に位置し、これによりシートバック4の背面4aを荷台,あるいはテーブルとして利用する場合に邪魔にならないようになっている。
【0024】
そして上記シートバック4の背面4aとヒンジプレート10の突出部10gとの間には帯状のゴム製カバーバンド(カバープレート)45が配設されており、このカバーバンド45により上記突出部10gの内側面の上記係合解除孔21及び係合孔20は覆われている。このカバーバンド45はシートバック4が起立位置にあるときには引っ張られて大きく伸びた略緊張状態となり、前倒しに伴って収縮するようにその長さ,弾力性等が設定されている。
【0025】
上記カバーバンド45の前端部45bは、シートバック4の背面4aの左, 右端縁に取付けられている。具体的には上記前端部45bは背面4aに配設された表皮41aと側面4bに配設された表皮41bとで挟まれて共に縫い合わされている。また、上記カバーバンド45はヒンジプレート10の突出部10gの内側面から外側面に回り込むように延びている(図6の二点鎖線参照)。このようにしてカバーバンド45の前端部45b及び後端部45cは外部から見えないようになっており、これにより見栄えの向上を図っている。
【0026】
上記カバーバンド45の後端部45cには矩形状の係止孔45aが形成されており、該係止孔45aは上述のヒンジプレート10に固定された補強プレート26の支持片26aに係止されている。なお、この補強プレート26は係合孔20から係合解除孔21部分に作用する荷重に耐え得るよう補強するとともに、シートバック4を下方に付勢するコイルスプリングを支持するために設けられたものである。このように既存のものを利用してカバーバンド45を取り付けることによって部品点数が増えるのを防止している。
【0027】
また上記樹脂カバー9の後側に一体形成されたボス部9b,9cはカバーバンド45の幅方向両側縁45dに当接する位置に設定されており、これによりカバーバンド45の上下方向への移動が阻止されている。
【0028】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態のシート装置1の前倒機構5では、シートバック4が起立位置にあるときにはヒンジプレート10が最も大きく後方に突出し(図3参照)、シートバック4を前方に回動させるに伴って突出量が少なくなり(図4参照)、完全に前倒しするとヒンジプレート10はシートバック4の背面4aから突出することはない(図5参照)。そのため、シートバック4の背面4aとヒンジプレート10の突出部10gとの間に架設したカバーバンド45は、シートバック4の起立状態時には前後に引張られて緊張状態になり、上記突出部10gの係合解除孔21周辺を該ヒンジプレート10に当接した状態で覆う。そして上記カバーバンド45は前端部45bがシートバック4の背面4aの左, 右側縁に取付けられ後端部45cがヒンジプレート10を覆うようにして補強プレート26に取付けられていることから、シートバック4の前方回動に伴って収縮していき、該シートバック4の起立位置だけでなく前方回動時にも上記突出部10gの内側面を常に覆うこととなり、該突出部10gの係合解除孔21が露出することによる見栄えの悪化を防止できるとともに、該係合解除孔21に異物が入り込むのを防止でき、前倒操作を行う際の作動不良を防止できる。
【0029】
また上記カバーバンド45の前端部45bをシートバック4の背面4aに、後端部45cをヒンジプレート10の突出部10gを挟むように取付けたので、シートバック背面4aと突出部10gとの間の空きスペースを利用してカバーバンド45を配置でき、シートバック4の側面4bとヒンジプレート10との間に取付け用スペースを確保する必要がなく、シートの車幅方向寸法が大きくなるのを回避できる。
【0030】
本実施形態では、樹脂カバー9の後側に一体に形成したボス部9b,9cをカバーバンド45の両側縁45d,45dに当接するように配置したので、シートバック4の前倒操作等によってカバーバンド45がずれるのを防止できる。この場合上記樹脂カバー9のボス部9b,9cを取付け用穴に共用すれば部品点数が増えるのを回避できる。
【0031】
また上記カバーバンド45をゴム製のものとし、シートバック4の起立時には大きく伸びた緊張状態とし、前倒しに伴って収縮するようにしたので、シートバック4を前倒したときのカバーバンド45のたるみがそれほど目立つことはなく、この点からも見栄えを向上できる。また上記シートバック4を前倒したときに荷台あるいはテーブルとして利用するさいにも上記カバーバンド45が邪魔になることはない。
【0032】
なお、上記実施形態では、上記カバーバンド45で突出部10gの係合孔20及び係合解除孔21周辺のみを覆うようにしたが、本発明では突出部の全面を覆うようにしてもよく、また上記カバーバンド45はゴム等の伸縮性材料によるものに限定されるわけではなく、例えば可撓性を有する布等より形成してもよく、この場合にも上記実施形態と略同様の効果が得られる。
【0033】
また上記カバーバンド45の後端部45cをヒンジプレート10に固定された補強プレート26に係止させた場合を説明したが、本発明のカバーバンド45は樹脂カバー9内の両ボス部9b,9cの間にタッピングスクリュウあるいはクリップ等により固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動車用シート装置を示す斜視図である。
【図2】上記シート装置のヒンジカバー構造を説明するための分解斜視図である。
【図3】上記シート装置のカバーバンド部分のシートバック起立時の斜視図である。
【図4】上記シート装置のカバーバンド部分のシートバック前倒れ途中の斜視図である。
【図5】上記シート装置の前倒状態の斜視図である。
【図6】上記シートバックのカバーバンド部分の断面図(図5のVI−VI線断面図)である。
【図7】本発明の成立過程を説明するためのシート装置の斜視図である。
【図8】上記成立過程におけるヒンジカバーの断面図である。
【図9】上記成立過程におけるヒンジカバーの図である。
【符号の説明】
1 シート装置
3 シートクッション
3a 上面
4 シートバック
4a 背面
4b 側面
5 前倒機構
9 樹脂カバー(カバー部材)
9b,9c ボス部
10 ヒンジプレート(ヒンジ部材)
10g 突出部
45 カバーバンド

Claims (2)

  1. 車体フロアの上方に配置されたシートクッションにシートバックを配設し、該シートバックを着座可能な起立位置と、上記シートクッションの上面に当接する前倒位置との間で回動可能に支持する前倒機構を備えた自動車用シート装置の、上記シートバックの左,右側壁に取り付けられ、上記前倒機構を構成するヒンジ部材の外側面をカバー部材で覆うようにしたヒンジカバー構造において、上記シートバックの背面とヒンジ部材との間に可撓性を有し、該ヒンジ部材のシートバック後端面から後方に突出する突出部の内側面の少なくとも一部を覆うカバープレートを配設し、該カバープレートの一端部を上記シートバックの背面に取付けるとともに、他端部を上記カバー部材又はヒンジ部材に取付け、上記ヒンジ部材の突出部は、シートバックが起立位置にあるときには該シートバック後端面から後方へ突出し、前倒位置にあるときにはシートバック背面より下方に位置しており、上記カバープレートは、シートバックが起立位置にあるときには緊張状態に引っ張られて上記突出部の内側面を覆い、シートバックの前倒しに伴って該シートバック背面と突出部の間で収縮することを特徴とする自動車用シート装置のヒンジカバー構造。
  2. 請求項1において、上記カバー部材に、上記カバープレートの幅方向両側縁に当接し、該カバープレートのずれを防止する一対のストッパが一体形成されていることを特徴とする自動車用シート装置のヒンジカバー構造。
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