JP3617499B2 - 電子機器、プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
ネットワークに接続可能な電子機器等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子機器が通信に利用する自己のアドレスを設定する方法として、予め決定されたアドレスをスタティックに設定する方法や、例えばTCP/IPにおけるDHCPサーバのようにアドレスを付与するサーバを設け、そのサーバから付与されたアドレスを自己のアドレスとして設定する方法が知られている。また、例えばAPIPA(Automatic Private IP Adressing)のように、自己のアドレスを自動的に自ら決定する(自己決定する)方法が知られている。
【0003】
このAPIPAは、近年、PCにおけるOSの機能などとして標準的に実装されつつある方法であり、電子機器が自己のアドレスを設定する際に、リンクローカルアドレスと呼ばれるIPアドレスの範囲(169.254.0.0〜169.254.255.255)のうち、169.254.1.0〜169.254.254.255の間のひとつのIPアドレスをランダムに自己のIPアドレスの候補として選び出し、他の電子機器がその候補のIPアドレスをすでに使用していないことをARPで確認後、その候補のIPアドレスを自己のIPアドレスとして決定するものである。なおAPIPAはAutoIPとも呼ばれている。
【0004】
このAPIPA処理の具体例を図4を参照して説明する。APIPA処理では、まず、図4に示すようにランダムに自己のIPアドレスの候補を選び出す。図4の例では169.254.123.98を選び出している。そして、ARPによって169.254.123.98をIPアドレスとする電子機器が存在するか否かを確認する。図4に示すようにARPに対するリプライがアドレス169.254.123.98からあった場合には、その候補のIPアドレス169.254.123.98はすでに利用されているIPアドレスであるため、もう一度ランダムに候補のIPアドレスを選び出す。図4の例では169.254.78.22を選び出している。ここで再びARPによって、この候補のIPアドレスがすでに利用されていないかを確認する。今度は、リプライがないのでそのIPの機器が存在しないと判断できる。ここで、もう一度念のためにARPで確認して、リプライがない場合には、その候補のIPアドレス(図4では169.254.78.22)を自己のIPアドレスとして設定する。このようにして自己のIPアドレスを自ら決定して設定するのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、こうしたAPIPAによるIPアドレスの自己決定機能を、従来の電子機器に対して追加すると、機器が自ら決定したアドレスを、他の機器から特定できなくなり、他の機器がこの機器と通信を行えなくなる場合がある。
【0006】
例えば、従来、ネットワークに接続可能な電子機器であるプリンタは、購入時には、所定のデフォルトIPアドレス(例えば192.0.0.192)で通信を行うように設定されている。そしてPC等で実行される管理ソフトウェアは、そのデフォルトIPアドレスを用いてプリンタと通信を行い、例えば、そのネットワーク環境に適した新たなIPアドレスをプリンタに対して設定できる機能などを備えている。
【0007】
ところが上述したAPIPAによるIPアドレスの自己決定機能をプリンタに加えると、169.254.1.0〜169.254.254.255の間のひとつのIPアドレスをランダムに自己のIPアドレスとして必ず自己決定してしまう。そのため、従来のようにデフォルトのIPアドレスでは通信ができなくなり、自己決定されたAPIPAによるIPアドレスを知らない限り、管理ソフトウェア等からプリンタへアクセスすることができなくなってしまう。このような場合、例えばプリンタの操作パネルなどを操作するなど、機器を直接操作して種々の設定や制御を行う必要があり手間がかかる。
【0008】
このように従来の機器においては、アドレスを自己決定すべき環境でない場合であっても必ず自己のアドレスを自ら決定してしまうために、他の機器等から通信を行う場合に、種々の弊害が発生する。
そこで、本発明は、通信に用いるアドレスを適切に設定することのできる電子機器等を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上述した問題点を解決するためになされた請求項1に記載の電子機器は、通信を行うために用いる自己のアドレスを自ら決定する機能を備える機器がネットワークを介した通信を行うに際して自己のアドレスを自ら決定すべきであるか否かを、ネットワークにおける通信内容に基づいて判定し、その判定結果を出力する。
【0010】
したがって、例えばネットワークの管理者は、この判定結果を参照して、自己のアドレスを自ら決定する機能を備える機器について、この機器をネットワークに接続する際などにその機能を有効にすべきか無効にすべきかを判断することができる。例えば、判定結果が自己のアドレスを自ら決定すべきであるというものである場合には、管理者は、自己のアドレスを自ら決定する機能を備える機器をその機能を有効にしたままネットワークに接続しておいてよいと判断することができる。一方、判定結果が、自己のアドレスを自ら決定すべきでないというものである場合には、自己のアドレスを自ら決定する機能を動作させないように、例えばデフォルトのアドレスを用いるように設定したり、スタティックなアドレスを割り当てたりしてから、自己のアドレスを自ら決定する機能を備える機器をネットワークに接続することができる。
【0011】
このように、判定結果を参照することが可能となるため、通信に用いるアドレスを適切に設定することができる。
なお出力手段による出力は、例えば、表示手段への表示や印字手段への印字、あるいは、音声出力手段への出力、更には、これらを含む各種の報知手段への出力として行うことができる。また、出力手段による出力は例えばネットワークに対して行ってもよい。
【0012】
こうした自己のアドレスを自ら決定する機能を備える電子機器が自己のアドレスを自ら決定すべきであるか否かの判定は、例えば、請求項2に示すように、所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器に関する通信内容に基づいて判定することができる。特に、アドレスを自ら決定する際に候補となるアドレス群に属するアドレスを持つ機器に関する通信内容に基づいて判定するとよい。
【0013】
そして、所定のアドレス群は、例えば、請求項3に示すように、リンクローカルアドレス内のアドレスとすることができる。例えば、ネットワークがIPv4の環境であれば、リンクローカルアドレスである169.254.0.0〜169.254.255.255内の169.254.1.0〜169.254.254.255のアドレス群、すなわちAPIPAによって設定される可能性のあるアドレス群とすることができる。
【0014】
そして、所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器がネットワーク上にあるか否かは、例えば、ネットワーク上の機器に対して問い合わせ、機器からの応答結果に応じて判定することができる。すなわち、例えば請求項1における通信内容として、この問い合わせに対する応答を用いることができる。
【0015】
例えば、請求項4に示すように、ネットワーク上の機器へ問い合わせ、その問い合わせに対する応答結果に応じて、自己のアドレスを自ら決定すべき環境であるか否かを判定するようにできる。例えば、ネットワーク上の機器に対して所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器があるかを問い合わせ、その問い合わせに対する応答結果に応じて、自己のアドレスを自ら決定すべき環境であるか否かを判定するようにできる。自己のアドレスがIPアドレスで表される場合には、例えば、請求項5に示すように、所定のアドレス群のネットワークアドレスに対してICMPエコーをブロードキャストすることによって問い合わせを行い、そのブロードキャストに対する応答の状況に応じて前記自己のアドレスを自ら決定すべき環境であるか否かを判定することができる。このように問い合わせることで、比較的短時間で判定を行うことができる。
【0016】
また、所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器がネットワーク上にあるか否かは、ネットワークに属する機器間の通信に用いられるパケットに付されたアドレスを監視して、判定するようにしてもよい。例えば、請求項1における通信内容としてこの監視した通信内容を用いることができる。
【0017】
例えば、請求項6に示すように、ネットワークに属する機器間の通信に用いられるパケットに付されたアドレスを監視し、その監視の状況に応じて、自己のアドレスを自ら決定すべき環境であるか否かを判定することができる。例えば、通信に用いられるパケットに含まれるアドレスを監視し、監視したアドレスとして所定のアドレス群に属するアドレスが含まれる場合には、自己のアドレスを自ら決定すべき環境であると判定するようにできる。このようにすれば、ネットワークに対して自らが情報を送信せずに、判定を行うことも可能となる。したがって、ネットワークの負荷を高めることなく、判定を行うことができる。
【0018】
そして、自己のアドレスを自ら決定すべき環境であるか否かは、上述した請求項5に示したブロードキャストに対する応答の状況または請求項6に示した監視結果の状況として、所定のアドレス群に属するアドレスが検出されたか否かによって決定することができる。例えば、ブロードキャストに対する応答の状況や、監視結果の状況として、所定のアドレス群に属するアドレスが検出された場合には、自己のアドレスを自ら決定すべき環境であると判定し、アドレスを自己決定するようにできる。
【0019】
ここで、単にアドレス検出の有無に基づいて判定を行うと、例えばネットワーク環境がアドレスを自ら決定すべき環境でない場合であるにもかかわらず、アドレスを自己決定してしまっている機器が存在するときは、誤ってアドレスを自己設定すべき環境であると判定されてしまう可能性がある。特にAPIPAによるアドレス設定機能を備えるOSがインストールされたPCなどのように、自己のアドレスを自ら決定する機器が接続されたネットワークでは、このような事態が発生する可能性が高い。そのため、このような機器に関する応答や通信を検知した場合であっても、電子機器は、このネットワーク環境が、アドレスを自己決定すべき環境でないことを的確に判断する必要がある。
【0020】
そこで、請求項7に示すように、所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器が所定の個数以上検出された場合に、自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定するようにするとよい。また、請求項8に示すように、所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器が所定の割合以上検出された場合に、自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定するとよい。なお、所定の割合以上とは、例えば、監視したパケット全体の個数のうち、所定のアドレス群に属するアドレスのパケットの個数の割合などとすることができる。
【0021】
更に、請求項7や8において、所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器が所定の個数または所定の割合以上検出されなかった場合であっても、ブロードキャストに対する応答数または監視したパケット数が所定数に満たないときは、自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定することが望ましい。つまり、これからアドレスを自己決定すべき環境のネットワークを新規に構築しようとする場合などでは、ブロードキャストに対する応答の確認やパケットの監視を試みたとしても、請求項7または8に示した、所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器が所定の個数または所定の割合以上検出されることは無く、いつまで経ってもアドレスを自ら決定すべき環境のネットワークを構築することができなくなる。そのため、所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器が所定の個数または所定の割合以上検出されなかったとしても、ブロードキャストに対する応答数または監視したパケット数が所定数に満たない場合は、新規に構築されようとするネットワークであると想定して、このような場合では、自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定することが望ましいのである。特に、ブロードキャストに対する応答数または監視したパケット数が0であったときに、自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定すると極めて効果的である。
【0022】
一方、こうした判定は、請求項10に示すように、自己のアドレスを自ら決定すべきでないと判定された場合には、再度行うとよい。例えば、請求項2に示したように、所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器がネットワーク上にあるか否かに基づいて自己のアドレスを自ら決定すべきであるか否かを判定するような場合、たとえネットワーク環境が自己のアドレスを自ら決定すべき環境であったとしても、ネットワークに最初にこの電子機器だけを接続した際には、所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器がネットワーク上に存在しない。したがって、自己のアドレスを自ら決定すべきでないと判定されてしまう。そこで、請求項10のように自己のアドレスを自ら決定すべきでないと判定された場合には、再度判定を行うとよい。このようにすれば、自己のアドレスを自ら決定するPC等の機器がネットワークに接続された際に、自己のアドレスを自ら決定すべきであると改めて判定することができる。したがって常に正しい判定結果が出力されることになる。
【0023】
さて、こうした判定を行い判定結果を出力する電子機器と、自己のアドレスを自ら決定する機能を備える機器とは別の機器として構成してもよいし、同一の機器として構成してもよい。
同一の機器として構成する場合、請求項11に示すように、請求項1に記載の出力手段に代えて、または、出力手段に加えて、アドレス決定手段を備え、判定手段によって自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定された場合に、このアドレス決定手段が自己のアドレスを自ら決定するとよい。
【0024】
なお、「出力手段に代えて、または、出力手段に加えて」とは、判定結果を出力する構成を備えなくてもよいし、備えるようにしてもよいことを示している。このようにすれば、自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定された場合に、電子機器は自己のアドレスを自ら決定する。したがって、機器が判定結果をそのまま利用するので、管理者が機器をネットワークに接続する際、判定結果を参照したりする必要がなくなる。
【0025】
このように、通信に用いるアドレスを適切に設定することができ、従来のように、とにかくどのようなネットワーク環境であっても自己のアドレスをその電子機器が自ら決定してしまい、通信ができなくなるといった種々の弊害を防止することができる。
【0026】
例えば、請求項12に示すように、アドレスを自己決定する前に、電子機器のアドレスがデフォルトアドレスに設定されている場合であれば、自己のアドレスを自ら決定すべきでないと判定されたときには、他の機器からこの電子機器に対してデフォルトアドレスで通信を行うことができる。
【0027】
また、例えば、請求項13に示すように、所定のアドレス群の中から自己のアドレスの候補を決定し、その候補をアドレスとする他の電子機器が前記ネットワーク上に存在しないことを確認して、その候補を自己のアドレスとする方法を採ることができる。所定のアドレス群は、前述の請求項3のように、リンクローカルアドレス内のアドレスとすることができる。
【0028】
そして、自己のアドレスを自ら決定すべきであるか否かの判定は、請求項14に示すように、電子機器の電源投入時に行うとよい。このようにすれば、自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定された場合には、電源投入後すぐにその機器のアドレスが自己決定される。また請求項12の構成を備える場合において、自己のアドレスを自ら決定すべきでないと判定された場合には、この電子機器の電源の投入後すぐにデフォルトアドレスで通信を行うことが可能となる。
【0029】
なお、請求項15に示すように、請求項11〜14のいずれかに記載の電子機器としての機能をコンピュータにて実現する場合、例えば、コンピュータで実行するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードして実行したり、ネットワークを介してロードして実行することにより、各手段としての機能を実現できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0031】
図1は、本実施例の電子機器としてのプリンタ10の概略構成を表すブロック図である。
このプリンタ10は、各種動作に必要なデータやプログラムを記憶しているROM12と、データを一時的に記憶するRAM14と、専用の処理を行うASIC16と、書き換え可能な不揮発性メモリであるNVRAM18と、LANに流れるパケットを監視して必要なパケットを取得したり、LANへパケットを送出したりすることで、データの送受信を実現するネットワークコントローラ20と、印刷用紙への印刷動作を行うプリントエンジン22と、リアルタイムクロック(RTC)24と、これらを制御するCPU26とを備える。
【0032】
また、LANには、図示しない複数のパソコン等の各種の機器に接続されている。ここで、各パソコンには、プリンタ10に印刷要求を行うプリンタドライバや、各種の設定を行う管理ツールを備えている。
プリンタ10は、ROM12に記憶されたプログラムをCPU26が実行することによって、ネットワークコントローラ20等を制御し、TCP/IPによる通信機能を実現している。そしてこのプリンタ10は、電源投入後に、図2に示すアドレス設定処理を行う。
【0033】
まず、図2のS110に示すように、後述するS230のAPIPAによるIPアドレス設定の処理によってIPアドレスがすでに設定されているか否かを判定する。即ち、NVRAM18にAPIPAによって設定されたIPアドレスが記憶されているか判定する。S230のAPIPAによるIPアドレス設定の処理によってIPアドレスが設定されている場合には(S110:YES)、S240へ移行する。一方、S230の処理によってIPアドレスが設定されていない場合には(S110:NO)、RAM14等に設けられた、取得したパケット数をカウントするためのパケットカウンタと、検出したAPIPAのアドレス(もしくは、APIPAのアドレスの種類)の数をカウントするためのAPIPAカウンタの値を0にセットした後(S120)、S130へ移行する。
【0034】
S130では、LANに対して、IPアドレス255.255.255.255へICMPエコーをブロードキャストする。その結果、LANに接続された全ての機器は、LANに対してICMPリプライを送信する。
続くS140では、当該アドレス設定処理が開始されてから5秒間が経過したか判断し、未だ5秒間が経過していない場合は(S140:NO)、S130でブロードキャストしたICMPエコーに対する応答(ICMPリプライ)パケットを取得したか否かを判断する(S150)。そして、ICMPエコーに対する応答パケットを取得してない場合は(S150:NO)、再びS140の処理に戻る一方、ICMPエコーに対する応答パケットを取得した場合は(S150:YES)、パケットカウンタをカウントアップさせた後(S160)、その取得したパケットに付されているIPアドレスが、APIPAによって設定されるIPアドレス(169.254.1.0〜169.254.254.255)であるか否かを判断する(S170)。
【0035】
このS170の判断にて、取得したパケットに付されているIPアドレスが、APIPAによって設定されるIPアドレスでないと判断された場合は(S170:NO)、次のパケットを確認するために再びS140に戻り、取得したパケットに付されているIPアドレスが、APIPAによって設定されるIPアドレスであると判断された場合は(S170:YES)、APIPAカウンタをカウントカップさせた後(S180)、再びS140へと戻る。つまり、これらS140〜S180の処理を繰り返すことによって、S130でブロードキャストしたICMPエコーに対する応答数(パケットカウンタの値)及びAPIPAアドレスの数(APIPAカウンタの値)を計数することとなる(パケットカウンタの値≧APIPAカウンタの値)。
【0036】
そして、S140〜S180の処理を繰り返し、処理開始から5秒経過したと判断された場合は(S140:YES)、S190以降の処理を実行する。つまり、S190では、APIPAカウンタがN以上であるか否かを判断する。このNは、例えば1としてもよいし、複数としてもよい。APIPAカウンタがN以上でないと判断された場合は(S190:NO)、パケットカウンタに対するAPIPAカウンタの割合が0.2以上であるか否か、つまり、取得したパケットの内APIPAアドレスの付されたパケットが20%以上であるか否かを判断する(S200)。尚、この20%という値は、ネットワーク管理者等によって適宜変更可能な構成としてもよい。
【0037】
ここで、S200にて、パケットカウンタに対するAPIPAカウンタの割合が0.2以上でないと判断された場合は(S200:NO)、更に、パケットカウンタがM以下であるか否かを判断する(S210)。
そして、これらS190〜S210の判断について、全て否定判断された場合に限り、プリンタ10のIPアドレスをデフォルトのIPアドレスである192.0.0.192に設定して(S220)、S240に移行する。一方、これらS190〜S210の判断において、いずれか一つでも肯定判断された場合は、APIPAによるIPアドレス設定の処理を行い(S230)、S240に移行する。
【0038】
S110にて、APIPAによるIPアドレスが設定済みであると判断された場合(S110:YES)や、S220にてデフォルトのIPアドレスを設定した後、あるいは、S230にてAPIPAによるIPアドレス設定の処理を行った後は、S240にて、30秒間スリープして再びS110に戻る。
【0039】
ここで、図4に示したように行われるAPIPAによるIPアドレス設定の処理(S230)について、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
この処理が開始されると、まず、169.254.1.0〜169.254.254.255の中からランダムにIPアドレスの候補を選定し(S300)、ネットワークコントローラ20からLANに対して選定した候補のIPアドレスでARPリクエストし(S310)、LANからネットワークコントローラ20に対するS310でのARPに対するレスポンスがあるか否かを判断する(S320)。すなわち、選定した候補のIPアドレスが、LANに接続された他の機器で利用されているか否かを判定する。そいて、レスポンスがあれば(S320:YES)、その候補のIPアドレスは他の機器で利用されているので、再度S300へ戻り、IPアドレスの候補を選定しなおす。一方、レスポンスがなければ(S320:NO)、その候補のIPアドレスは他の機器で利用されていないので、そのIPアドレスの候補を自己(プリンタ10)のアドレスとして決定して(S330)、NVRAM18にそのIPアドレスを記憶する。
【0040】
このように、255.255.255.255でICMPエコーをブロードキャストして、その応答の状況からAPIPA技術を用いてIPアドレスを設定している機器(端末等)がN個以上存在するか否か(S190)、あるいは、ブロードキャストに対する応答数の内、APIPA技術を用いてIPアドレスを設定している機器からの応答数の割合が所定値以上であるか否か(S200)等を判断して、APIPA技術を用いてIPアドレスを設定するか否かを判定するので、APIPAを採用していないと考えられるLAN環境での無意味なAPIPA処理の実行を防ぐことが可能となる。つまり、ネットワーク環境がAPIPA環境らしいかどうかを確かめてからAPIPAの動作を行うため、不必要なIPアドレスの割当(自己決定)を行うことがなくなる。
【0041】
また、新規にAPIPA環境のネットワークを構築しようとする場合は、255.255.255.255でICMPエコーをブロードキャストしたとしても、応答する機器が存在しない(あるいは、ネットワークを構築し始めた段階では、ほとんど存在しない状態)ので、S190やS200における判断にて肯定判断されず、いつまで経ってもAPIPA環境のネットワークを構築できないということが想定されるが、S210のように、S190やS200にて否定判断されたとしても、ブロードキャストに応答する機器がM以下(Mは、0もしくはネットワークに接続可能な端末数に対して極めて小さな値が望ましい)であった場合は(S210:YES)、APIPAの動作を実行する構成とすれば、より適切にアドレスを設定することが可能となる。
【0042】
したがってLANがAPIPA環境でない場合には、プリンタ10について、デフォルトのIPアドレスを用いて、PC等で従来から利用されている管理ツールから新たなIPアドレス等を設定するなど、種々の操作を行うことができる。
なお、本実施例では、ICMPエコーをブロードキャストして(S130)、その応答の状況に基づいて(S190〜S210など)、APIPAを行うか否かを決定することとしたが、例えば、上述した実施例の構成を、ネットワークコントローラ20を介して、LANに流れるパケットを監視(取得)し(S150:YESに相当)、その監視したパケットに付されたIPアドレスがAPIPA技術を用いたIPアドレスであるか否かを判断する(S170に相当)といった構成であっても良い。
【0043】
また、本実施例では、S190〜S210での判定結果を出力していないが、例えば出力手段として、S190〜S210での判定結果をプリンタ10の操作パネルに表示させたり、プリントエンジン22を介して印刷したり、ネットワークコントローラ20を介してLANへ出力したり、図示しないスピーカから音声を出力したりしてもよい。
【0044】
更に、本実施例では、S190及びS200についての判断を共に備えたプリンタを例に挙げて説明したが、どちらか一方のみを備えた構成としても良い。また、S210の判断についても実行しない構成としても良い。
更に、本実施例では、S130にて255.255.255.255でICMPエコーをブロードキャストし、それに応答する機器数(パケットカウンタ)をカウントするとともに、応答した機器の内、APIPAアドレスを持つ機器数(APIPAカウンタ)をカウントし、これらのカウント結果を用いてS190〜S210に基づく判断を行う例を挙げて説明したが、S130にて169.254.255.255でICMPエコーをブロードキャストする構成としても良い。
【0045】
このような構成とすれば、ブロードキャストに応答する機器はAPIPAアドレスを持つ機器に限定されるため、応答する機器数をカウントする(S150及びS160)ことによって、ネットワーク及び自己への負荷を軽減させつつ、APIPAアドレスを持つ機器数をカウントすることが可能となる(この場合、S170の判断及びS180の処理は削除となる)。そして、応答したAPIPAアドレスを持つ機器数に基づいて、S190に相当する判断を実行し、APIPA機能を実行するか否かを選択的に決定するように構成すれば良いのである(S200及びS210の処理は削除となる)。
【0046】
また、本実施例では、プリンタ10を電子機器の例として説明したが、例えば、電子機器はLANに接続されたPCであり、S120〜S180の処理とS190〜S210での判定結果の出力のみを行うものとしてもよい。このようにすれば、プリンタ10をLANと接続する際に、このPCの表示内容に基づいてプリンタ10のAPIPA機能を有効にすべきか無効にすべきかを予め判断することができる。したがって、APIPA機能を持つプリンタ10をLANにつないだが、APIPA環境ではないネットワークであるのに、勝手にAPIPAが実行されてしまい、通信ができなくなるといった誤りを未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の電子機器としてのプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】実施例の電子機器としてのプリンタにおけるアドレス設定処理のフローチャートである。
【図3】APIPAによるIPアドレス設定処理のフローチャートである。
【図4】APIPAによる機器のアドレスの自己設定処理を説明する説明図である。
【符号の説明】
10…プリンタ、 12…ROM、 14…RAM、 16…ASIC
18…NVRAM、 20…ネットワークコントローラ、
22…プリントエンジン、 24…RTC、 26…CPU
Claims (15)
- ネットワークを介して通信可能な電子機器であって、
通信を行うために用いる自己のアドレスを自ら決定する機能を備える機器が前記ネットワークを介した通信を行うに際して前記自己のアドレスを自ら決定すべきであるか否かを、前記ネットワークにおける通信内容に基づいて判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備えること
を特徴とする電子機器。 - 請求項1に記載の電子機器において、
前記判定手段は、所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器に関する通信内容に基づいて前記判定を行うこと
を特徴とする電子機器。 - 請求項2に記載の電子機器において、
前記所定のアドレス群は、リンクローカルアドレス内のアドレスであること
を特徴とする電子機器。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器において、
前記判定手段は、前記ネットワーク上の機器への問い合わせに対する応答結果に基づいて前記判定を行うこと
を特徴とする電子機器。 - 請求項2または3に記載の電子機器において、
前記自己のアドレスはIPアドレスで表され、
前記判定手段は、前記所定のアドレス群のネットワークアドレスに対してICMPエコーをブロードキャストすることによって問い合わせを行い、当該ブロードキャストに対する応答の状況に応じて前記判定を行うこと
を特徴とする電子機器。 - 請求項2または3に記載の電子機器において、
前記判定手段は、前記ネットワークに属する機器間の通信に用いられるパケットに付されたアドレスを監視し、当該監視の状況に応じて、前記判定を行うこと
を特徴とする電子機器。 - 請求項5または6に記載の電子機器において、
前記判定手段は、前記状況に関して前記所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器が所定の個数以上検出された場合に、前記自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定すること
を特徴とする電子機器。 - 請求項5または6に記載の電子機器において、
前記判定手段は、前記状況に関して前記所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器が所定の割合以上検出された場合に、前記自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定すること
を特徴とする電子機器。 - 請求項7または8に記載の電子機器において、
前記判定手段は、前記所定のアドレス群に属するアドレスを持つ機器が所定の個数または所定の割合以上検出されなかった場合であっても、前記ブロードキャストに対する応答数または監視した前記パケット数が所定数に満たないときは、前記自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定すること
を特徴とする電子機器。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の電子機器において、
前記判定手段によって、前記自己のアドレスを自ら決定すべきでないと判定された場合には、再度判定を行うこと
を特徴とする電子機器。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の電子機器において、
当該電子機器と前記自己のアドレスを自ら決定する機能を備える機器とは同一の機器として構成されており、
前記出力手段に代えて、または、前記出力手段に加えて、アドレス決定手段を備え、
当該アドレス決定手段は、前記判定手段によって、前記自己のアドレスを自ら決定すべきであると判定された場合に前記自己のアドレスを自ら決定すること
を特徴とする電子機器。 - 請求項11に記載の電子機器において、
前記アドレス決定手段によるアドレスの決定を行う前の当該電子機器のアドレスは、所定のデフォルトアドレスに設定されていること
を特徴とする電子機器。 - 請求項11または12に記載の電子機器において、
前記アドレス決定手段による自己のアドレスの決定は、前記所定のアドレス群の中から自己のアドレスの候補を決定し、当該候補をアドレスとする他の電子機器が前記ネットワーク上に存在しないことを確認して、当該候補を自己のアドレスとすることで行うこと
を特徴とする電子機器。 - 請求項11〜13のいずれかに記載の電子機器において、
前記判定手段による判定は、当該電子機器の電源投入時に行うこと
を特徴とする電子機器。 - 請求項11〜14のいずれかに記載の電子機器としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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