JP3617846B2 - マイクロレンズ・マイクロレンズアレイ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、マイクロレンズ・マイクロレンズアレイおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロレンズアレイは、微小なマイクロレンズ(通常、レンズ径が数百μm以下)を1次元もしくは2次元にアレイ配列したものであり、光エレクトロニクス分野に関連したマイクロオプティクスにおいて広く知られている。例えば、レンズシャッタ−カメラの自動焦点検出に用いる焦点板としてマイクロレンズアレイを使用すると、規則正しい形状のレンズ配置によって入射光が均等に拡散され、焦点ずれを精度良く制御することができる。
【0003】
マイクロレンズアレイを製造する方法は種々提案されているが、それらのうちで最も実用的と思われる方法は所謂「熱変形法」と呼ばれるものである。熱変形法とは、基板上に熱変形性の感光性材料の膜を形成し、上記膜を形成すべきマイクロレンズの形状及びその配列状態に応じたパタ−ンにより光パタ−ニングし、光パタ−ニングされた感光性材料の膜を熱変形温度に加熱し、感光性材料の熱変形性と表面張力を利用して屈折面を形成した後、これを固化してマイクロレンズアレイとする製造方法である。
【0004】
熱変形法で製造されるマイクロレンズアレイは、個々のレンズが感光性材料で形成されるためレンズ材料自体が光吸収性であり、光の利用効率を十分に高くすることが困難である。また、レンズ材料が熱変形性であるため、高エネルギ−を持った光束に対して使用すると光吸収によるレンズの温度上昇によりレンズ自体が軟化してしまうため、高エネルギ−の光に対して使用できない。
【0005】
更に、光の利用効率からすると、個々のマイクロレンズが互いに連結してアレイを構成し、マイクロレンズアレイ全体に入射する光を全てマイクロレンズで集光できるようにするのが良いが、従来の熱変形法ではマイクロレンズが互いに連結したマイクロレンズアレイを作成するのが困難であった。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、光利用効率の良いマイクロレンズアレイとその製造方法の供給を目的とする。
この発明の別の目的は、高エネルギ−の光に対しても利用できる新規なマイクロレンズおよびマイクロレンズアレイとその製造方法の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の製造方法は、基本的な工程として、成膜工程と、光パタ−ニング工程と、加熱工程と、エッチング工程とを有する。
「成膜工程」は、透明な基板上に熱変形性の感光性材料による均一な厚さの膜を形成する工程である。基板が「透明」であるとは、マイクロレンズアレイに対する使用波長の光に対して透明という意味であり、必ずしも全波長に対して透明であることは必要ない。
【0008】
「光パタ−ニング工程」は、形成されるマイクロレンズアレイにおける各レンズとその配列に応じたパタ−ニングに従い上記膜を光パタ−ニングする工程である。「光パタ−ニング」とは、光感光性の膜に対して上記パタ−ンに従う露光を行い、基板上に形成される感光性材料の膜の不要部分(露光された部分あるいは未露光部分)を除去して、上記形状を上記パタ−ンに合わせることをいう。
【0009】
「加熱工程」は、光パタ−ニングされた上記膜を熱変形温度以上に加熱し、感光性材料の熱変形性及び表面張力により、滑らかな凸面形状をもった感光性材料のアレイ配列を形成する工程である。形成された「滑らかな凸面形状をもった感光性材料」は、互いに分離している。
【0010】
「エッチング工程」は、アレイ配列を形成された面に対してドライエッチングを行い、上記凸面形状のアレイ配列を基板に彫り写すことにより、所望の屈折面形状及びそのアレイ配列状態を基板に形成する工程である。
【0011】
請求項1記載の製造方法は、上記基本的な製造方法における各工程に加えて
第2成膜工程を有する。
【0012】
「第2成膜工程」は、「加熱工程」の後、「エッチング工程」の前に行われ、加熱工程で形成された「凸面形状を持った感光性材料のアレイ配列」上に、感光性材料(上記成膜工程における感光性材料と同じものでも異なるものでも良い。塗布により第2成膜工程を行う場合には、感光性材料とシンナ−との割合を適当にすることができる)と揮発成分とによる混合膜を再度形成し、揮発成分を気化させることで、感光性材料の主成分を残し、上記加熱工程で形成された「滑らかな凸面形状をもった感光性材料」相互の間隔を狭め、滑らかな凸面形状が互いに微小間隔を隔して近接しあった凸面形状のアレイ配列を形成する工程である。
【0013】
第2成膜工程後のエッチング工程では、上記凸面形状のアレイ配列を基板に彫り写すことにより、所望の屈折面形状及び屈折面のアレイ配列状態が基板に形成される。
【0014】
基板に対し、請求項1記載の製造方法におけると同様の成膜工程、光パタ−ニング工程、加熱工程、第2成膜工程、エッチング工程を施して、基板に所望の屈折面形状とその連結アレイ配列状態を有するマイクロレンズアレイを基板に形成し、この状態の基板を母型として金型を作製するか、または上記母型から更に形状転写して作成した凹形状の金型を作製し、これら金型を用いて樹脂成形により上記所望の屈折面形状とそのアレイ配列状態もしくはアレイ状態を有するマイクロレンズアレイを成形することも可能である。
【0015】
さらに、直ぐ上で述べた製造方法においてエッチング工程を施さず、基板上に形成された感光性材料によるアレイ配列もしくは連結アレイ配列を母型として金型を作製するか形成し、これら金型を用いて、樹脂成形により上記所望の屈折面形状とそのアレイ配列状態もしくは連結アレイ状態を有するマイクロレンズアレイを成形することも可能である。
【0016】
上記エッチング工程で、「凸面形状のアレイ配列を基板に彫り写す」とは、「感光性材料により形成された凸面形状のアレイと対応する形状を基板の表面形状として形成する」ことを意味する。彫り写された形状は、感光性材料により形成された形状と同様でも良いし、凸面の高さが異なっていても良い。なお、ドライエッチングとしては、酸素ガスやCHF3ガスを導入したECRプラズマエッチング等(導入ガスをイオン化し、生じたイオンを基板に向かって電気的に加速し、基板に直交な方向からエッチング面に衝突させることによりエッチングを行う物理化学的なエッチング方式)やRIE(平行平板型リアクティブ・イオン・ドライ・エッチング)が好適である。
【0017】
また、上記の各製造方法において、必要に応じて「基板と感光性材料の層との間に、プライマ−層を設ける」ことができる。
【0018】
請求項1記載の製造方法では、基板自体によりマイクロレンズアレイが形成されるので、基板は透明即ち光透過性でなければならないが、上に説明した金型を用いる方法では、基板は金型の母型として用いられるので、基板は必ずしも透明である必要はない。光透過性材料としては、光学ガラスやプラスチック,あるいは各種の透明結晶、屈折率分布材料を利用できる(請求項2)。
【0019】
なお、この発明の応用分野として、請求項1記載の方法で基板に形成された曲面を屈折面としてではなく「反射面」として利用するような場合も考えられ(マイクロミラーアレイ)、このような場合には勿論基板は透明である必要はない。
【0020】
請求項3記載のマイクロレンズアレイは、請求項1または2の製造方法の何れかにより製造されたマイクロレンズアレイである。このマイクロレンズアレイの屈折面側及び反対面側に反射防止膜を形成することができる(請求項4)。勿論、形成されたマイクロレンズアレイのレンズ面は自由曲面を有していても良い(請求項5)。
【0021】
上記各製造方法は、単一のマイクロレンズの製造方法としても利用できる。 即ち、単一のマイクロレンズを得るには、上記各方法における光パタ−ニングにおいて単一のマイクロレンズに対応したパターンを形成しても良いし、あるいは請求項1または2の何れかの方法で製造されたマイクロレンズアレイを各マイクロレンズごとに切断等により分離しても良い。このようにしてマイクロレンズが得られる。
【0022】
この発明によるマイクロレンズアレイは、CCD,LED,光ファイバ−コネクタ−の先端など,各光学機能素子の光入射側に配置しても良いし、オンチップレンズ・アレイとして形成することもできる。
【0023】
【作用】
図1は、マイクロレンズアレイの製造方法における上述の基本的な工程を説明するための図である。
【0024】
図1(A)は、成膜工程後の状態を示す。透明基板10上に熱変形性の感光性材料による均一な厚さの膜12が形成されている。熱変形性の感光性材料としては各種フォトレジストを利用でき、成膜方法も適宜である。
【0025】
図1(B)は光パタ−ニング工程における露光プロセスを示している。パタ−ニングすべきパタ−ン形状をポジ像として有するマスク(透明基板20の片面に蒸着金属膜22等により形成されている)を位置合わせして重ね合わせ、このマスクを介して紫外線等を照射してパタ−ンの露光を行う。単一のマイクロレンズに相当するマスク形状は、円形、楕円形、長方形、多角形形状等が可能である。
【0026】
図1(C)は光パタ−ニング工程後の状態を示している。膜12から露光された部分が除去され、基板10上に残された感光性材料による膜12のパタ−ンは前記マスクにおけるパタ−ン像に一致している。なお、露光工程(図1(B))において、マスクと膜12との間に間隔を持たせ、この間隔を調整すると、露光パタ−ンをマスクパタ−ンから若干異ならせることができる。
【0027】
図1(C)の状態において、加熱工程を行い、膜12を熱変形温度以上に加熱すると、軟化した感光性材料の熱変形性及び表面張力の作用により、膜12の角の部分が丸められて滑らかな凸面を持った感光性材料12Aがアレイ配列した状態が実現でされる。図1(D)はこの状態を示している。
【0028】
次いで、図1(D)の状態に対し、凸面がアレイ配列した面に対してエッチング工程としてドライエッチングを施す。エッチングの作用は、感光性材料12Aによる凸面形状及び基板10の両方に作用する。エッチング工程は、凸面形状のアレイ配列が基板10の表面形状として彫り写されるまで行われる。
【0029】
図1(E)において、実線はエッチング工程終了後の状態であり、破線はエッチング工程前の状態を示している。かくして、所望の屈折面形状をアレイ配列した表面形状を持つ透明基板材料によりマイクロレンズアレイ1が得られる。
【0030】
図2は、請求項1記載の製造方法における第2成膜工程以後の工程を示している。図1に即して説明した製造方法の場合、一般には加熱工程後、滑らかな凸面を持った感光材料12Aのアレイ配列における個々の感光性材料12Aは互いに分離している。従って、この状態でエッチング工程を行ってマイクロレンズアレイを形成すると、基板材料の表面に形成される屈折面も互いに分離しており、各屈折面相互間の「スペ−ス」部分(屈折力を持たない部分)にはレンズ作用が無いことになり、スペ−ス部分に入射する光はレンズ作用を受けず、従って、マイクロレンズアレイとしての光の利用効率はスペ−ス占める面積比に応じて小さくなる。
【0031】
請求項1記載の製造方法では、図1(D)に示した加熱工程後に、基板表面の滑らかな凸面を持った感光性材料12Aのアレイの上から更に、同一もしくは異種の感光性材料により膜13を再度形成する(第2成膜工程)。このように、膜13を形成した後、加熱を行うと図2(B)に示すように、滑らかな凸面形状が互いに連結しあった凸面の連結アレイ配列12が得られるが、請求項1記載の製造方法では、第2成膜工程の際に、加熱工程後における、互いに分離している感光性材料12A(図1(D))の間隔を狭め、なおかつ、第2成膜工程後の各凸面形状が微小間隔を隔して分離した状態とする。
【0032】
続いて、ドライエッチングによりエッチング工程を行って、上記凸面のアレイ配列に従い、屈折面が互いに連結したマイクロレンズアレイ1Aを得ることができる。
【0033】
図1におけるマイクロレンズアレイもしくは図2におけるマイクロレンズアレイ1Aを母型として用いて周知の方法で金型を形成し、この金型を用いてパラスチック成形加工を行えば、プラスチックによるマイクロレンズアレイを容易に量産化することができる。この場合、基板1としては透明でないものを用いることができる。また、母型における凸形状は樹脂の屈折率を考慮した屈折面とする。あるいは、上記母型から更に形状転写して作成した凹形状の金型を作製し、これを用いて樹脂成形によりマイクロレンズアレイを成形することもできる。
【0034】
図1及び2に則して説明した、マイクロレンズアレイもしくはマイクロレンズアレイ用母型の製作において、レンズの屈折面を決めることとなる凸面(基板材料に彫り写された凸面)の形状は、主々の要因の関数である。即ち、上記形状を左右する要因としては、第1に、基板上に成膜工程により成膜される感光性材料の膜12の膜厚、第2にマスクの光透過部分の幅やマスクのパタ−ン形状、第3に光パタ−ニングにおけるマスクと感光性材料の膜との間隔、第4に加熱工程における加熱温度(軟化した感光性材料の熱変形性や表面張力は温度により変化する)、第5に請求項2記載の製造方法の場合には第2成膜工程により形成される膜13の厚み、第6にエッチング工程における感光性材料と基板との選択比等をあげることができる。
【0035】
従って、基板材料に最終的に形成される凸面の形状が所望の形状となるように上記各要因を最適化するのである。
【0036】
【実施例】
以下、具体的な参考例と実施例を説明する。
【0037】
参考例
CCD2次元平面センサ−の受光面に配備されるマイクロレンズアレイ。
【0038】
CCD2次元センサ−は、周知のごとく、多数の微小な受光素子を密接して平面的にアレイ配列したものであるが、受光素子間に入射する光は信号化されないので、そのまま用いた場合には光の利用効率は60%程度に過ぎない。
【0039】
このようなCCD2次元平面センサ−の受光素子の配列ピッチで各々に対応させた集光用のマイクロレンズを設けて、光の利用効率を向上させるため、平面状に配列したマイクロレンズアレイを製造する。
【0040】
参考例1
受光素子の配列ピッチが7μmのCCD平面センサ−用のマイクロレンズアレイ
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−27)を厚さ:1.8μm塗布し、プリベ−クを行って厚さ:1.58μmの膜を得た。(成膜工程)
長方形形状を単位とし、これを長方形の長手方向へ8μmピッチ,短手方向へ6μmで配列したマスク(長方形形状(長手方向:7μm,短手方向:5μm)の部分は遮光性で、その回りの枠状部分(片側:1.0μm)が光透過性)を上記膜に密着して重ねて紫外線露光を行い、その後通常のフォトレジストの現像法に従って現像を行い、リンスした(光パタ−ニング工程)。
【0041】
次に、光パタ−ニングによりパタ−ニングされた感光性材料の膜を熱変形温度以上の150℃に加熱してポストベ−クを行った(加熱工程)。その結果、各長方形形状の膜は滑らかな凸面となり、基板からの高さは1.15μmとなった。
【0042】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比即ちエッチングレ−トは、感光性材料の膜:石英基板=1:1である。その結果、石英基板に前記滑らかな凸面のアレイ形状が彫り写されて、所望のマイクロレンズアレイが得られた。各マイクロレンズにおける屈折面高さは1.14μmである。
【0043】
参考例2
受光素子の配列ピッチが10μmのCCD平面センサ−用マイクロレンズアレイ
厚さ:1mmの石英基板を用い、参考例1と同様の成膜工程を行い、ポジ型のフォトレジストによる厚さ:1.58μmの膜を得た。
【0044】
長方形形状を単位とし、これを長方形の長手方向へ11μmピッチ,短手方向へ9μmピッチで配列したマスク(長方形形状(長手方向:10μm,短手方向:8μm)の部分は遮光性で、その回りの枠状部分(片側:1μm)が光透過性)を上記膜に密着して重ねて紫外線露光を行い、現像とリンスを行った。
【0045】
具体例1と同様に150℃でポストベ−クを行った後、感光性材料による膜を再度形成した結果、各長方形形状の膜は滑らかな凸面となり、凸面形状が互いに連結しあった凸面形状のアレイ配列を形成し、基板からの高さは1.25μmとなった。参考例1と同様、選択比1で、酸素を導入ガスとするECRエッチングによりエッチング工程を行った結果、石英基板に前記滑らかな凸面のアレイ形状が彫り写されて所望のマイクロレンズアレイが得られた。各マイクロレンズにおける屈折面の高さは1.24μmである。
【0046】
また、200℃でポストベ−クを行った後、同様の工程で感光性材料による膜を再度形成した結果、基板からの高さは1.0μmとなった。参考例1と同様、選択比1で、酸素を導入ガスとするECRエッチングによりエッチング工程を行った結果、各マイクロレンズにおける屈折面の高さは、0.98μmである。
【0047】
参考例
カメラ等におけるマニアル焦点検出用の焦点板
焦点板はマイクロレンズを2次元に配列したものである。
【0048】
参考例3
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−27)を厚さ:1.8μm塗布し、プリベ−クを行って厚さ:1.58μmの膜を得た。(成膜工程)
正六角形が稠密に配列された蜂の巣型のマスク(六角形形状の配列ピッチは7μmで、六角形形状間の露光される部分の幅は1.5μmである)を上記膜に密接させて紫外光による露光を行い、現像・リンスした(光パタ−ニング工程)。
【0049】
次に、熱変形温度以上の150℃に加熱してポストベ−クを行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.38μmとなった(加熱工程)。形成された滑らかな凸面形状は互いに連続していた。
【0050】
次いで、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:1で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は連続状態を保ちつつ、その高さが0.33μmだけ減じて1.05μmとなった(第2成膜工程)。
【0051】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比即ちエッチングレ−トは、感光性材料の膜:石英基板=1:1である。その結果、高さが1.05μmである屈折面が、7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0052】
参考例4
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−27)を厚さ:1.8μm塗布し、プリベ−クを行って厚さ:1.58μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例3と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.38μmとなり、形成された凸面形状は互いに連続していた。
【0053】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:3で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は連続状態を保ちつつ、その高さが0.13μmだけ減じて1.25μmとなった。
【0054】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は1である。その結果、高さが1.25μmである屈折面が7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0055】
参考例5
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:5の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ1.43μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例4と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.30μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔0.50μmで分離していた。
【0056】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:1で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.35μmだけ減じて0.95μmとなり、各凸面は互いに繋がっていた。
【0057】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は1である。その結果、高さが0.95μmである屈折面が7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0058】
参考例6
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:5の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ1.43μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例5と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.30μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔0.50μmで分離していた。
【0059】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:3で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.10μmだけ減じて1.15μmとなり、各凸面は互いに繋がっていた。
【0060】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は、1である。その結果、高さが1.15μmである屈折面が7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0061】
参考例7
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:10の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ1.30μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例6と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.13μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔1.20μmで分離していた。
【0062】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:1で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.37μmだけ減じて0.76μmとなり、各凸面は互いに繋がっていた。
【0063】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は、1である。その結果、高さが0.76μmである屈折面が7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0064】
実施例
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:10の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ1.30μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例7と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.15μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔1.20μmで分離していた。
【0065】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:3で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.10μmだけ減じて1.05μmとなったが各凸面は間隔0.3μmで互いに分離していた。
【0066】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は、1である。その結果、高さが1.05μmである屈折面が7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0067】
参考例8
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:15の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ1.00μmの膜を得た。(成膜工程)
正六角形が稠密に配列された蜂の巣型のマスク(六角形形状の配列ピッチは5μmで、六角形形状間の露光される部分の幅は1.0μmである)を用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは0.85μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔0.70μmで分離していた。
【0068】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:1で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.30μmだけ減じて0.55μmとなり各凸面は互いに繋がっていた。
【0069】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は1である。その結果、高さが0.56μmである屈折面が5μmピッチで互いに稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0070】
参考例9
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:20の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ0.83μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例8と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは0.70μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔0.85μmで分離していた。
【0071】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:1で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.22μmだけ減じて0.48μmとなったが、各凸面は互いに繋がっていた。
【0072】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は、1である。その結果、高さが0.50μmである屈折面が5μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0073】
実施例、参考例1〜9の焦点板は何れも良好である。
【0074】
マイクロレンズの配列ピッチが10μmの焦点板も同様にして作成したが何れも良好な光利用効率を示した。
【0075】
図3は、参考例3、4、5、6、7、8、9と同様にして製造された2種類のタイプの焦点板における明るさを周知の「インディカトリックス法」で評価した結果を示している。実線は、従来から市販されている焦点板に関するものであるが、この発明によるものは、従来のものよりも明るいことが分かる。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば新規なマイクロレンズアレイと其の製造方法を提供できる。この発明の製造方法は、上記のごとく構成されているので、マイクロレンズおよびマイクロレンズアレイを容易にかつ確実に製造でき、この方法で製造されるマイクロレンズアレイは光の利用効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロレンズアレイの製造方法の基本的な工程を説明するための図である。
【図2】請求項1記載の製造方法を説明するための図である。
【図3】参考例の効果を説明するための図である。
【符号の説明】
1 マイクロレンズアレイ
10 透明な基板
12 熱変形性の感光性材料の膜
20 マスク
12A 滑らかな凸面形状
【産業上の利用分野】
この発明は、マイクロレンズ・マイクロレンズアレイおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロレンズアレイは、微小なマイクロレンズ(通常、レンズ径が数百μm以下)を1次元もしくは2次元にアレイ配列したものであり、光エレクトロニクス分野に関連したマイクロオプティクスにおいて広く知られている。例えば、レンズシャッタ−カメラの自動焦点検出に用いる焦点板としてマイクロレンズアレイを使用すると、規則正しい形状のレンズ配置によって入射光が均等に拡散され、焦点ずれを精度良く制御することができる。
【0003】
マイクロレンズアレイを製造する方法は種々提案されているが、それらのうちで最も実用的と思われる方法は所謂「熱変形法」と呼ばれるものである。熱変形法とは、基板上に熱変形性の感光性材料の膜を形成し、上記膜を形成すべきマイクロレンズの形状及びその配列状態に応じたパタ−ンにより光パタ−ニングし、光パタ−ニングされた感光性材料の膜を熱変形温度に加熱し、感光性材料の熱変形性と表面張力を利用して屈折面を形成した後、これを固化してマイクロレンズアレイとする製造方法である。
【0004】
熱変形法で製造されるマイクロレンズアレイは、個々のレンズが感光性材料で形成されるためレンズ材料自体が光吸収性であり、光の利用効率を十分に高くすることが困難である。また、レンズ材料が熱変形性であるため、高エネルギ−を持った光束に対して使用すると光吸収によるレンズの温度上昇によりレンズ自体が軟化してしまうため、高エネルギ−の光に対して使用できない。
【0005】
更に、光の利用効率からすると、個々のマイクロレンズが互いに連結してアレイを構成し、マイクロレンズアレイ全体に入射する光を全てマイクロレンズで集光できるようにするのが良いが、従来の熱変形法ではマイクロレンズが互いに連結したマイクロレンズアレイを作成するのが困難であった。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、光利用効率の良いマイクロレンズアレイとその製造方法の供給を目的とする。
この発明の別の目的は、高エネルギ−の光に対しても利用できる新規なマイクロレンズおよびマイクロレンズアレイとその製造方法の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の製造方法は、基本的な工程として、成膜工程と、光パタ−ニング工程と、加熱工程と、エッチング工程とを有する。
「成膜工程」は、透明な基板上に熱変形性の感光性材料による均一な厚さの膜を形成する工程である。基板が「透明」であるとは、マイクロレンズアレイに対する使用波長の光に対して透明という意味であり、必ずしも全波長に対して透明であることは必要ない。
【0008】
「光パタ−ニング工程」は、形成されるマイクロレンズアレイにおける各レンズとその配列に応じたパタ−ニングに従い上記膜を光パタ−ニングする工程である。「光パタ−ニング」とは、光感光性の膜に対して上記パタ−ンに従う露光を行い、基板上に形成される感光性材料の膜の不要部分(露光された部分あるいは未露光部分)を除去して、上記形状を上記パタ−ンに合わせることをいう。
【0009】
「加熱工程」は、光パタ−ニングされた上記膜を熱変形温度以上に加熱し、感光性材料の熱変形性及び表面張力により、滑らかな凸面形状をもった感光性材料のアレイ配列を形成する工程である。形成された「滑らかな凸面形状をもった感光性材料」は、互いに分離している。
【0010】
「エッチング工程」は、アレイ配列を形成された面に対してドライエッチングを行い、上記凸面形状のアレイ配列を基板に彫り写すことにより、所望の屈折面形状及びそのアレイ配列状態を基板に形成する工程である。
【0011】
請求項1記載の製造方法は、上記基本的な製造方法における各工程に加えて
第2成膜工程を有する。
【0012】
「第2成膜工程」は、「加熱工程」の後、「エッチング工程」の前に行われ、加熱工程で形成された「凸面形状を持った感光性材料のアレイ配列」上に、感光性材料(上記成膜工程における感光性材料と同じものでも異なるものでも良い。塗布により第2成膜工程を行う場合には、感光性材料とシンナ−との割合を適当にすることができる)と揮発成分とによる混合膜を再度形成し、揮発成分を気化させることで、感光性材料の主成分を残し、上記加熱工程で形成された「滑らかな凸面形状をもった感光性材料」相互の間隔を狭め、滑らかな凸面形状が互いに微小間隔を隔して近接しあった凸面形状のアレイ配列を形成する工程である。
【0013】
第2成膜工程後のエッチング工程では、上記凸面形状のアレイ配列を基板に彫り写すことにより、所望の屈折面形状及び屈折面のアレイ配列状態が基板に形成される。
【0014】
基板に対し、請求項1記載の製造方法におけると同様の成膜工程、光パタ−ニング工程、加熱工程、第2成膜工程、エッチング工程を施して、基板に所望の屈折面形状とその連結アレイ配列状態を有するマイクロレンズアレイを基板に形成し、この状態の基板を母型として金型を作製するか、または上記母型から更に形状転写して作成した凹形状の金型を作製し、これら金型を用いて樹脂成形により上記所望の屈折面形状とそのアレイ配列状態もしくはアレイ状態を有するマイクロレンズアレイを成形することも可能である。
【0015】
さらに、直ぐ上で述べた製造方法においてエッチング工程を施さず、基板上に形成された感光性材料によるアレイ配列もしくは連結アレイ配列を母型として金型を作製するか形成し、これら金型を用いて、樹脂成形により上記所望の屈折面形状とそのアレイ配列状態もしくは連結アレイ状態を有するマイクロレンズアレイを成形することも可能である。
【0016】
上記エッチング工程で、「凸面形状のアレイ配列を基板に彫り写す」とは、「感光性材料により形成された凸面形状のアレイと対応する形状を基板の表面形状として形成する」ことを意味する。彫り写された形状は、感光性材料により形成された形状と同様でも良いし、凸面の高さが異なっていても良い。なお、ドライエッチングとしては、酸素ガスやCHF3ガスを導入したECRプラズマエッチング等(導入ガスをイオン化し、生じたイオンを基板に向かって電気的に加速し、基板に直交な方向からエッチング面に衝突させることによりエッチングを行う物理化学的なエッチング方式)やRIE(平行平板型リアクティブ・イオン・ドライ・エッチング)が好適である。
【0017】
また、上記の各製造方法において、必要に応じて「基板と感光性材料の層との間に、プライマ−層を設ける」ことができる。
【0018】
請求項1記載の製造方法では、基板自体によりマイクロレンズアレイが形成されるので、基板は透明即ち光透過性でなければならないが、上に説明した金型を用いる方法では、基板は金型の母型として用いられるので、基板は必ずしも透明である必要はない。光透過性材料としては、光学ガラスやプラスチック,あるいは各種の透明結晶、屈折率分布材料を利用できる(請求項2)。
【0019】
なお、この発明の応用分野として、請求項1記載の方法で基板に形成された曲面を屈折面としてではなく「反射面」として利用するような場合も考えられ(マイクロミラーアレイ)、このような場合には勿論基板は透明である必要はない。
【0020】
請求項3記載のマイクロレンズアレイは、請求項1または2の製造方法の何れかにより製造されたマイクロレンズアレイである。このマイクロレンズアレイの屈折面側及び反対面側に反射防止膜を形成することができる(請求項4)。勿論、形成されたマイクロレンズアレイのレンズ面は自由曲面を有していても良い(請求項5)。
【0021】
上記各製造方法は、単一のマイクロレンズの製造方法としても利用できる。 即ち、単一のマイクロレンズを得るには、上記各方法における光パタ−ニングにおいて単一のマイクロレンズに対応したパターンを形成しても良いし、あるいは請求項1または2の何れかの方法で製造されたマイクロレンズアレイを各マイクロレンズごとに切断等により分離しても良い。このようにしてマイクロレンズが得られる。
【0022】
この発明によるマイクロレンズアレイは、CCD,LED,光ファイバ−コネクタ−の先端など,各光学機能素子の光入射側に配置しても良いし、オンチップレンズ・アレイとして形成することもできる。
【0023】
【作用】
図1は、マイクロレンズアレイの製造方法における上述の基本的な工程を説明するための図である。
【0024】
図1(A)は、成膜工程後の状態を示す。透明基板10上に熱変形性の感光性材料による均一な厚さの膜12が形成されている。熱変形性の感光性材料としては各種フォトレジストを利用でき、成膜方法も適宜である。
【0025】
図1(B)は光パタ−ニング工程における露光プロセスを示している。パタ−ニングすべきパタ−ン形状をポジ像として有するマスク(透明基板20の片面に蒸着金属膜22等により形成されている)を位置合わせして重ね合わせ、このマスクを介して紫外線等を照射してパタ−ンの露光を行う。単一のマイクロレンズに相当するマスク形状は、円形、楕円形、長方形、多角形形状等が可能である。
【0026】
図1(C)は光パタ−ニング工程後の状態を示している。膜12から露光された部分が除去され、基板10上に残された感光性材料による膜12のパタ−ンは前記マスクにおけるパタ−ン像に一致している。なお、露光工程(図1(B))において、マスクと膜12との間に間隔を持たせ、この間隔を調整すると、露光パタ−ンをマスクパタ−ンから若干異ならせることができる。
【0027】
図1(C)の状態において、加熱工程を行い、膜12を熱変形温度以上に加熱すると、軟化した感光性材料の熱変形性及び表面張力の作用により、膜12の角の部分が丸められて滑らかな凸面を持った感光性材料12Aがアレイ配列した状態が実現でされる。図1(D)はこの状態を示している。
【0028】
次いで、図1(D)の状態に対し、凸面がアレイ配列した面に対してエッチング工程としてドライエッチングを施す。エッチングの作用は、感光性材料12Aによる凸面形状及び基板10の両方に作用する。エッチング工程は、凸面形状のアレイ配列が基板10の表面形状として彫り写されるまで行われる。
【0029】
図1(E)において、実線はエッチング工程終了後の状態であり、破線はエッチング工程前の状態を示している。かくして、所望の屈折面形状をアレイ配列した表面形状を持つ透明基板材料によりマイクロレンズアレイ1が得られる。
【0030】
図2は、請求項1記載の製造方法における第2成膜工程以後の工程を示している。図1に即して説明した製造方法の場合、一般には加熱工程後、滑らかな凸面を持った感光材料12Aのアレイ配列における個々の感光性材料12Aは互いに分離している。従って、この状態でエッチング工程を行ってマイクロレンズアレイを形成すると、基板材料の表面に形成される屈折面も互いに分離しており、各屈折面相互間の「スペ−ス」部分(屈折力を持たない部分)にはレンズ作用が無いことになり、スペ−ス部分に入射する光はレンズ作用を受けず、従って、マイクロレンズアレイとしての光の利用効率はスペ−ス占める面積比に応じて小さくなる。
【0031】
請求項1記載の製造方法では、図1(D)に示した加熱工程後に、基板表面の滑らかな凸面を持った感光性材料12Aのアレイの上から更に、同一もしくは異種の感光性材料により膜13を再度形成する(第2成膜工程)。このように、膜13を形成した後、加熱を行うと図2(B)に示すように、滑らかな凸面形状が互いに連結しあった凸面の連結アレイ配列12が得られるが、請求項1記載の製造方法では、第2成膜工程の際に、加熱工程後における、互いに分離している感光性材料12A(図1(D))の間隔を狭め、なおかつ、第2成膜工程後の各凸面形状が微小間隔を隔して分離した状態とする。
【0032】
続いて、ドライエッチングによりエッチング工程を行って、上記凸面のアレイ配列に従い、屈折面が互いに連結したマイクロレンズアレイ1Aを得ることができる。
【0033】
図1におけるマイクロレンズアレイもしくは図2におけるマイクロレンズアレイ1Aを母型として用いて周知の方法で金型を形成し、この金型を用いてパラスチック成形加工を行えば、プラスチックによるマイクロレンズアレイを容易に量産化することができる。この場合、基板1としては透明でないものを用いることができる。また、母型における凸形状は樹脂の屈折率を考慮した屈折面とする。あるいは、上記母型から更に形状転写して作成した凹形状の金型を作製し、これを用いて樹脂成形によりマイクロレンズアレイを成形することもできる。
【0034】
図1及び2に則して説明した、マイクロレンズアレイもしくはマイクロレンズアレイ用母型の製作において、レンズの屈折面を決めることとなる凸面(基板材料に彫り写された凸面)の形状は、主々の要因の関数である。即ち、上記形状を左右する要因としては、第1に、基板上に成膜工程により成膜される感光性材料の膜12の膜厚、第2にマスクの光透過部分の幅やマスクのパタ−ン形状、第3に光パタ−ニングにおけるマスクと感光性材料の膜との間隔、第4に加熱工程における加熱温度(軟化した感光性材料の熱変形性や表面張力は温度により変化する)、第5に請求項2記載の製造方法の場合には第2成膜工程により形成される膜13の厚み、第6にエッチング工程における感光性材料と基板との選択比等をあげることができる。
【0035】
従って、基板材料に最終的に形成される凸面の形状が所望の形状となるように上記各要因を最適化するのである。
【0036】
【実施例】
以下、具体的な参考例と実施例を説明する。
【0037】
参考例
CCD2次元平面センサ−の受光面に配備されるマイクロレンズアレイ。
【0038】
CCD2次元センサ−は、周知のごとく、多数の微小な受光素子を密接して平面的にアレイ配列したものであるが、受光素子間に入射する光は信号化されないので、そのまま用いた場合には光の利用効率は60%程度に過ぎない。
【0039】
このようなCCD2次元平面センサ−の受光素子の配列ピッチで各々に対応させた集光用のマイクロレンズを設けて、光の利用効率を向上させるため、平面状に配列したマイクロレンズアレイを製造する。
【0040】
参考例1
受光素子の配列ピッチが7μmのCCD平面センサ−用のマイクロレンズアレイ
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−27)を厚さ:1.8μm塗布し、プリベ−クを行って厚さ:1.58μmの膜を得た。(成膜工程)
長方形形状を単位とし、これを長方形の長手方向へ8μmピッチ,短手方向へ6μmで配列したマスク(長方形形状(長手方向:7μm,短手方向:5μm)の部分は遮光性で、その回りの枠状部分(片側:1.0μm)が光透過性)を上記膜に密着して重ねて紫外線露光を行い、その後通常のフォトレジストの現像法に従って現像を行い、リンスした(光パタ−ニング工程)。
【0041】
次に、光パタ−ニングによりパタ−ニングされた感光性材料の膜を熱変形温度以上の150℃に加熱してポストベ−クを行った(加熱工程)。その結果、各長方形形状の膜は滑らかな凸面となり、基板からの高さは1.15μmとなった。
【0042】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比即ちエッチングレ−トは、感光性材料の膜:石英基板=1:1である。その結果、石英基板に前記滑らかな凸面のアレイ形状が彫り写されて、所望のマイクロレンズアレイが得られた。各マイクロレンズにおける屈折面高さは1.14μmである。
【0043】
参考例2
受光素子の配列ピッチが10μmのCCD平面センサ−用マイクロレンズアレイ
厚さ:1mmの石英基板を用い、参考例1と同様の成膜工程を行い、ポジ型のフォトレジストによる厚さ:1.58μmの膜を得た。
【0044】
長方形形状を単位とし、これを長方形の長手方向へ11μmピッチ,短手方向へ9μmピッチで配列したマスク(長方形形状(長手方向:10μm,短手方向:8μm)の部分は遮光性で、その回りの枠状部分(片側:1μm)が光透過性)を上記膜に密着して重ねて紫外線露光を行い、現像とリンスを行った。
【0045】
具体例1と同様に150℃でポストベ−クを行った後、感光性材料による膜を再度形成した結果、各長方形形状の膜は滑らかな凸面となり、凸面形状が互いに連結しあった凸面形状のアレイ配列を形成し、基板からの高さは1.25μmとなった。参考例1と同様、選択比1で、酸素を導入ガスとするECRエッチングによりエッチング工程を行った結果、石英基板に前記滑らかな凸面のアレイ形状が彫り写されて所望のマイクロレンズアレイが得られた。各マイクロレンズにおける屈折面の高さは1.24μmである。
【0046】
また、200℃でポストベ−クを行った後、同様の工程で感光性材料による膜を再度形成した結果、基板からの高さは1.0μmとなった。参考例1と同様、選択比1で、酸素を導入ガスとするECRエッチングによりエッチング工程を行った結果、各マイクロレンズにおける屈折面の高さは、0.98μmである。
【0047】
参考例
カメラ等におけるマニアル焦点検出用の焦点板
焦点板はマイクロレンズを2次元に配列したものである。
【0048】
参考例3
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−27)を厚さ:1.8μm塗布し、プリベ−クを行って厚さ:1.58μmの膜を得た。(成膜工程)
正六角形が稠密に配列された蜂の巣型のマスク(六角形形状の配列ピッチは7μmで、六角形形状間の露光される部分の幅は1.5μmである)を上記膜に密接させて紫外光による露光を行い、現像・リンスした(光パタ−ニング工程)。
【0049】
次に、熱変形温度以上の150℃に加熱してポストベ−クを行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.38μmとなった(加熱工程)。形成された滑らかな凸面形状は互いに連続していた。
【0050】
次いで、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:1で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は連続状態を保ちつつ、その高さが0.33μmだけ減じて1.05μmとなった(第2成膜工程)。
【0051】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比即ちエッチングレ−トは、感光性材料の膜:石英基板=1:1である。その結果、高さが1.05μmである屈折面が、7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0052】
参考例4
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−27)を厚さ:1.8μm塗布し、プリベ−クを行って厚さ:1.58μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例3と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.38μmとなり、形成された凸面形状は互いに連続していた。
【0053】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:3で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は連続状態を保ちつつ、その高さが0.13μmだけ減じて1.25μmとなった。
【0054】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は1である。その結果、高さが1.25μmである屈折面が7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0055】
参考例5
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:5の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ1.43μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例4と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.30μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔0.50μmで分離していた。
【0056】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:1で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.35μmだけ減じて0.95μmとなり、各凸面は互いに繋がっていた。
【0057】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は1である。その結果、高さが0.95μmである屈折面が7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0058】
参考例6
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:5の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ1.43μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例5と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.30μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔0.50μmで分離していた。
【0059】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:3で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.10μmだけ減じて1.15μmとなり、各凸面は互いに繋がっていた。
【0060】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は、1である。その結果、高さが1.15μmである屈折面が7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0061】
参考例7
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:10の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ1.30μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例6と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.13μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔1.20μmで分離していた。
【0062】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:1で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.37μmだけ減じて0.76μmとなり、各凸面は互いに繋がっていた。
【0063】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は、1である。その結果、高さが0.76μmである屈折面が7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0064】
実施例
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:10の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ1.30μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例7と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは1.15μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔1.20μmで分離していた。
【0065】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:3で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.10μmだけ減じて1.05μmとなったが各凸面は間隔0.3μmで互いに分離していた。
【0066】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は、1である。その結果、高さが1.05μmである屈折面が7μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0067】
参考例8
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:15の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ1.00μmの膜を得た。(成膜工程)
正六角形が稠密に配列された蜂の巣型のマスク(六角形形状の配列ピッチは5μmで、六角形形状間の露光される部分の幅は1.0μmである)を用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは0.85μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔0.70μmで分離していた。
【0068】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:1で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.30μmだけ減じて0.55μmとなり各凸面は互いに繋がっていた。
【0069】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は1である。その結果、高さが0.56μmである屈折面が5μmピッチで互いに稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0070】
参考例9
厚さ:1mmの石英基板を十分に洗浄した後、表面にプライマ−を塗布し、その上に熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製 ポジ−レジスト1400−31)とシンナ−を100:20の割合で混合したものを塗布・プリベ−クして均一な厚さ0.83μmの膜を得た。(成膜工程)
参考例8と同様のマスクを用い光パタ−ニングと加熱工程を行った結果、六角形形状の膜の個々は滑らかな凸面形状となり、その高さは0.70μmとなり、形成された凸面形状は互いに間隔0.85μmで分離していた。
【0071】
次に、熱変形性の感光性材料としてポジ型のフォトレジスト(シップレ−社製ポジ−レジスト1400−27)をシンナ−と、フォトレジスト:シンナ−=1:1で混合し、これを上記凸面形状の形成された面の上に塗布し、150℃でベ−クしたところ滑らかな凸面は互いに連続して、その高さが0.22μmだけ減じて0.48μmとなったが、各凸面は互いに繋がっていた。
【0072】
続いて、酸素を導入ガスとするECRプラズマエッチングによりエッチング工程を行った。この時の選択比は、1である。その結果、高さが0.50μmである屈折面が5μmピッチで互いに連続しつつ稠密に配列したマイクロレンズアレイを得ることができた(エッチング工程)。
【0073】
実施例、参考例1〜9の焦点板は何れも良好である。
【0074】
マイクロレンズの配列ピッチが10μmの焦点板も同様にして作成したが何れも良好な光利用効率を示した。
【0075】
図3は、参考例3、4、5、6、7、8、9と同様にして製造された2種類のタイプの焦点板における明るさを周知の「インディカトリックス法」で評価した結果を示している。実線は、従来から市販されている焦点板に関するものであるが、この発明によるものは、従来のものよりも明るいことが分かる。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば新規なマイクロレンズアレイと其の製造方法を提供できる。この発明の製造方法は、上記のごとく構成されているので、マイクロレンズおよびマイクロレンズアレイを容易にかつ確実に製造でき、この方法で製造されるマイクロレンズアレイは光の利用効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロレンズアレイの製造方法の基本的な工程を説明するための図である。
【図2】請求項1記載の製造方法を説明するための図である。
【図3】参考例の効果を説明するための図である。
【符号の説明】
1 マイクロレンズアレイ
10 透明な基板
12 熱変形性の感光性材料の膜
20 マスク
12A 滑らかな凸面形状
Claims (5)
- 透明な基板上に熱変形性の感光性材料による均一な厚さの膜を形成し、
形成されるマイクロレンズアレイにおける各レンズとその配列に応じたパタ−ンに従って上記膜を光パタ−ニングし、
光パタ−ニングされた上記膜を熱変形温度に加熱し、感光性材料の熱変形性と表面張力より、滑らかな凸面形状を持ち、且つ、互いに分離した感光性材料のアレイ配列を形成し、
感光性材料と揮発成分との混合膜を上記アレイ配列上に再度形成し、揮発成分を気化させることにより、上記間隔を狭め、滑らかな凸面形状が互いに微小間隔を隔して近接しあった凸面形状のアレイ配列を形成し、
このアレイ配列を形成された面に対してドライエッチングを行い、上記凸面形状の連結アレイ配列を上記基板に彫り写すことにより、所望の屈折率面形状を持つ屈折面のアレイ配列状態を上記基板に形成することを特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項1記載の製造方法において、
基板が、石英,各種光学ガラス,セラミックス,各種単結晶,または屈折率分布材料であることを特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。 - 請求項1または2記載の製造方法により製造されるマイクロレンズアレイ。
- 請求項3記載のマイクロレンズアレイにおいて、
屈折面側および反対面側に反射防止膜が形成されていることを特徴とするマイクロレンズアレイ。 - 請求項3記載のマイクロレンズアレイにおいて、
レンズ面が自由曲面であることを特徴とするマイクロレンズアレイ。
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