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JP3618219B2 - 非水系電池および電極端子 - Google Patents
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JP3618219B2 - 非水系電池および電極端子 - Google Patents

非水系電池および電極端子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマ−積層体からなる外装体でパッケージされた薄型非水系一次電池および二次電池並びに電池用電極端子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、パソコン、携帯電話、ビデオカメラなど種々の携帯機器に用いる電源として高エネルギー密度電池が開発されている。この電池として繰り返し充放電可能なリチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池などが利用されている。特にリチウムイオン二次電池はエネルギー密度が大きいことが特徴であり、電池の小型軽量化が可能となることから活発に開発が進められている。
【0003】
従来、リチウムイオン二次電池は電極間のイオン移動媒体として電解液が用いられ、通常は電極と多孔質セパレータの積層体に電解液が含浸された構造を有する。しかしながら電極とセパレ−タは一体化しておらず、電極空孔部およびセパレ−タからの液漏れを防ぐため電池パッケージに重厚な金属材料が用いられている。
【0004】
一方、固体電解質をイオン移動媒体とする電池は、従来の電解液をイオン移動媒体とする電池に比べ、電極とセパレ−タが一体化しているため実質的に液漏れがなく、電池の信頼性、安全性が高められる。また、積層体形成の容易さ、電池形態の自由度が高いことによる量産性、電池の薄型化、パッケージの簡略化、軽量化が期待されている。さらには、従来の電解液系電池で起こりうる液漏れが実質的に起こらないため製造工程管理が容易である、電極/固体電解質/電極積層体の直列接続積層による高電圧化も可能であるという利点も有している。
【0005】
上記したように、この固体電解質をセパレ−タとする電池においては、ポリマ−積層体を該電池の外層体材料として用いることができ、この外装体は現在用いられている電池の金属容器に比較して薄膜で軽量であるため電池の軽量化、薄膜化が容易である。この電池を通常の動作で使用する場合、高い安全性と信頼性が確保できているが、さらに電極間短絡、過充電、高温環境保持などの異常状態や誤動作においても高い安全性と信頼性が確保されることが要求されている。
【0006】
金属缶を外装体に用いた電池においては、電池内部の圧力増加によって電極端子の導通を遮断する安全機構が提案され、利用されている(特開平2−112151号公報)。該構造は防爆弁に端子リードが設置され、この防爆弁の内圧による変形を構造内部で吸収するように設計されており、このため該防爆弁は厚い構造となっている。また、該防爆弁は円筒型形状もしくは角型形状の金属缶に溶接またはかしめにより金属缶に接合されている。したがって、本発明のごとき薄型電池に利用することが出来ない。
【0007】
また、ポリマー積層体を外装体に用いた薄型電池において、高温時で電流遮断を行なう素子(Positive Temperature Coefficient素子またはPTC素子)を電極端子に接続した電池(米国特許第5478668号明細書、特願平8−252711号、特願平8−261618号)が提案されているが、この安全機構は、電池内部の圧力増加によって電極端子の導通を遮断する機構ではなく、PCT素子が設置されている電極端子部の温度上昇を伴った場合のみ電流遮断を行なうものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、異常動作や異常環境においても高い安全性と高信頼性を有する薄型、軽量の高容量非水系電池を提供することにある。特に、異常動作のうち過充電および充電状態の加熱、電極間短絡において高い安全性を有する薄型、軽量の非水系電池を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、薄型軽量の非水系高エネルギ−密度電池を作製し、この異常作動時や異常環境における試験を行い、電池の外装体、電極端子など電池構造中に新たな安全機構を導入することによって高い安全性が確保できることを見出した。
【0010】
即ち、本発明は、最内層に熱可塑性樹脂層を有するポリマー積層材料からなる袋状外装体内にイオン移動可能なセパレータを介して電極が接合された電極積層体が挿入され該電極積層体の正極および負極から該外装体の外側に延びる電極端子を封止した構造を有する非水系電池であって、
(1) 電極端子の一部に断面積の小さい領域を設けこの断面積の小さい領域を挟んで少なくとも片側の電極端子が袋状外装体内面の熱可塑性樹脂層に密着固定された構造である非水系電池
(2) 電極端子の一部が剥離可能な2層以上の金属平板積層体からなり該金属平板積層体の上下の最外層の少なくとも一方が袋状外装体内面の熱可塑性樹脂層に密着固定された構造である非水系電池
(3) 金属平板積層体の金属層間を導電性フィラーと絶縁性樹脂からなるコンパウンドで接合した構造である(2)に記載の非水系電池
である。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電池は、ポリマー積層体材料からなる袋状外装体でパッケージされた非水系の薬10mm〜役0.3mmの厚みの薄型電池であり、該電池は、上記外装体、イオン移動可能なセパレータを介して電極が接合された電極積層体、該電極からの電流の注入取出のための電極端子から構成され、該袋状電池用外装体の膨張変形によって該電極端子の通電を遮断する機構を有する。
【0012】
本発明の電池用外装体はポリマ−積層体材料からなる袋状構造であり、少なくとも最内層に熱可塑性樹脂層を有し、その外側に1層または2層以上の絶縁樹脂層を有し、さらに該熱可塑性樹脂層と最も外側の絶縁樹脂層との間に金属層を有する構造のポリマ−積層体シ−トを、最内層の熱可塑性樹脂層同士を熱融着などで袋状に加工したものである。
【0013】
このポリマ−積層体材料の熱可塑性樹脂層として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、エチレン−アクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体共重合体、ポリフェニレンオキシドなどが用いられる。また、絶縁樹脂層として、ポリイミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリエチレンフタレ−トなどが用いられる。金属層としてはアルミニウム、アルミニウム合金、銅、ニッケル、ステンレスなどが用いられる。
【0014】
本発明の非水系電池は、この袋状外装体内にイオン移動可能なセパレ−タを介して電極が接合された電極積層体が挿入され、該電極積層体の正極および負極から該外装体の外側に延びる電極端子を封止した構造を有するものである。
この外装体の封止を例えば外装体最内層の熱可塑性樹脂層の熱融着で行なうに際しては、電極端子と外装体の積層構造中の金属層の短絡を防ぐ目的で、電極端子封止部分においてポリマ−積層体材料中の金属層が欠損した構造の外装体を用いることが好ましい。金属層の欠損部分は、電極端子封止部分において、外装体の先端から0.1mm以上存在することが好ましく、0.5mm以上存在することがより好ましい。この金属層の欠損部分が大きいことは、電極端子と外装体の短絡防止には好ましいが、金属層の無い領域では水蒸気バリア性が低下するため非水系電池として好ましくない。このことから、電池外装体表面中心から外装体の周辺に向かって、少なくとも金属層が熱可塑性樹脂層の厚みの10倍以上の領域に亘って存在することが好ましく、より好ましくは20倍以上、特に好ましくは30倍以上存在することである。また、電極端子封止を熱融着で行う場合の熱融着幅は封止強度と電池形状によって決められ、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上であり、この熱融着幅によって電池が嵩張ることになるので、上限は50mm、好ましくは30mm以下である。また、外装体の電極端子封止部分の外装体の端面を絶縁処理することもできる。
【0015】
本発明の非水系電池は、袋状外装体内でガス発生が起こって外装体が膨れ、変形した際に電極端子の通電を遮断する機構を有する。袋状外装体内部に装填された電極積層体が、外部端子を通じて過充電、大電流放電された場合や、短絡により異常反応を起こした場合には、外装体内部の電極積層体中の化学反応および/または異常な温度上昇によってガス発生が起こり、外装体が膨れて変形することが有る。本発明の非水系電池は、このような場合に電極端子の通電を遮断する機能を有する。この機能によって、電池異常作動における発火、爆発、熱暴走が阻止でき、電池の安全性が高めることができる。
【0016】
外装体の膨張変形によって電極と電極端子の溶接部分または電極端子の一部が切断されて電流遮断する構造としては、例えば、1)電極端子の一部が剥離可能な2層以上の金属平板積層体からなり、該金属平板積層体の上下の最外層の少なくとも一方が袋状外装体内面の熱可塑性樹脂層に密着固定された構造、より好ましくは上下の最外層がそれぞれ袋状外装体内面の上部および下部の熱可塑性樹脂層に密着固定された構造であることである。上下の最外層がともに外装体内面に密着固定されていると、より小さな膨張変形によっても電流遮断機構が作動することから好ましい。2)電極端子の一部に断面積の小さい領域を設け、この断面積の小さい領域を挟んで少なくとも片側の電極端子が袋状外装体内面の熱可塑性樹脂層に密着固定された構造。3)電極端子の一部に切れ込みを設け、この切れ込み部を挟んで少なくとも片側の電極端子が袋状外装体内面の熱可塑性樹脂層に密着固定された構造。4)電極積層体の電極に溶接接合された正極および負極電極端子の少なくとも一方が、袋状外装体内面の熱可塑性樹脂層に密着固定された構造、より好ましくは正極および負極電極端子がそれぞれ袋状外装体内面の熱可塑性樹脂層の上部および下部に密着固定された構造であることである。正極および負極電極端子がともに外装体内面に密着固定されていると、より小さな膨張変形によっても電流遮断機構が作動することから好ましい。
【0017】
また、これらの外装体の膨張変形によって電極と電極端子の溶接部分または電極端子の一部が切断されて電流遮断する機構で用いられる電極端子は、大電流通電時に発熱溶融して電流遮断するような機構を兼ね備えることも可能である。例えば、上記1)の場合には金属平板積層体を低融点金属を積層した構造にすることで大電流通電時に電流遮断することができる。上記2)、3)においては、断面積の小さい領域や切れ込み部が発熱溶融することで大電流通電時に電流遮断する機構も有している。
【0018】
電極端子材料として、銅、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、鉄、カ−ボンなど金属材料が用いられる。電極端子は電極集電体と接合されるため、この接合加工性や電気化学安定性を考慮して、電極集電体と同種の電極端子材料を用いることが好ましく、リチウムイオン二次電池の場合、正極端子にアルミニウム、負極端子に金属銅が利用される。しかしながら、電極端子がイオン移動媒体と接触しない場合には電極端子材料として各種金属を採用することができ、上記に限定されない。
【0019】
本発明において、電極端子を外装体内面の熱可塑性樹脂層に密着固定する方法としては、電極端子を熱可塑性樹脂層に圧着加熱して熱融着させる方法、熱可塑性樹脂層と電極端子の間に接着剤や粘着シートを介在させ固定する方法が挙げられる。また、電極集電体と電極端子との接合は、超音波溶接、スポット溶接、アーク溶接、レーザー溶接などの溶接法、導電性ペースト、導電粘着テープなどにより接合する方法が挙げられる。
【0020】
上記電流遮断する構造1)の構造において、電極端子の剥離可能な2層以上の金属平板積層体領域の金属層間の接合は、超音波溶接、レ−ザ−溶接、スポットベルダ−などの金属溶接や導電性塗料塗布接着で行い、接合材料や接合方法、接合面積により金属層間の強度を調整することが可能である。また2)の構造において、断面積の小さい領域の断面積と、電極端子として用いる金属材料の破断強度によって電流遮断条件が調節できる。3)の構造において、電極端子に形成する切れ込みの形状により破断強度が調整可能である。4)の構造において、電極積層体の集電体または活物質層と電極端子との接合強度を調節して電流遮断条件が調節できる。この例として超音波溶接により接合する場合には、溶接する部位の形状(例えば、超音波溶接機のアンビルとホーンの形状)、超音波周波数やパワー、接合面積、接合数によって調整できる。
【0021】
また、電極端子遮断部分の電極端子を外装体内面の熱可塑性樹脂層に密着固定する際の密着固定する面積及び形状によっても電流遮断条件を調整することができる。このことから、電極端子に未密着部分を設ける必要がある。この未密着部分は、たとえば、未密着部分として残す電極端子表面に熱可塑性樹脂と密着しにくい材料、たとえばテフロンなどのフッ素樹脂をシ−ト形状または粉末状態で付着させ、電極端子部分と熱可塑性樹脂層との密着工程を施すことにより密着固定部分と未密着固定部分を形成することができる。用いる電極端子の破断強度は、電池容量や電池構造によるので一概に限定することができないが、通常、10gから50kgの範囲である。
【0022】
さらに電極端子の一部に温度上昇により通電が遮断される素子(PTC素子)を接続することができる。この素子は導電性フイラ−と絶縁性樹脂からなるコンパウンドからなり、導電性フィラ−と樹脂の熱膨張係数の差を利用して高温時の抵抗を高め電流遮断する機能を有する。この素子は、通常平板状金属/導電性フイラ−・樹脂コンパウンド/平板状金属からなるため、上記の電極端子に直列に電池外装体内部または外部に接続できる。また前記の電流遮断部分の構造1)の導電性接着剤による金属層間の接合構造に代替して用いることもできる。この際、PTC素子の導電性フイラ−・絶縁性樹脂コンパウンドの面積、強度を調整して破断強度を設計する。
【0023】
上記のようにして構成した電池は、電極端子に外部から異常電流を通電した場合、安全に電流遮断を行い危険な状況を回避できる。また、PTC素子を併設することにより、温度上昇時の通電遮断でき、さらに安全性が高められる。
本発明は、リチウム電池、リチウムイオン電池などの非水系電池に関し、用いられる電極積層体は、正極/セパレ−タ/負極をユニットとしてこの単位を少なくとも1つ含むものである。この製造法として例えば電極とセパレ−タ−を正極/セパレ−タ/負極の構成で積層し、一体化する方法が利用できる。この積層し、一体化する方法として、平板プレス、ロ−ルまたはベルトによるラミネ−ションプレスなどが挙げられ、積層時に加熱して電極とセパレータ間を融着させることが好ましい。また電極表面に粘着物を塗布することなどを併用してもよい。
【0024】
電極は、粒子状の電極活物質がバインダ−とともに塗布形成された活物質層と、電極への電流の注入および流出を助ける、金属からなる集電体とから構成される。加工する電極の形状として、短冊状、長尺状いずれも利用可能である。
例えば本発明の非水系電池がリチウムイオン電池の場合、正極の活物質としては、リチウムイオンの電気化学的なド−ピング、脱ド−ピングが可能な電気化学的な電位の高い物質であり、例えば、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト・ニッケル酸リチウム、リチウムバナジウム複合酸化物、ニオブ酸リチウムなどの遷移金属リチウム複合酸化物、リチウムチタン硫化物、リチウムモリブデン硫化物、リチウムセレン化ニオブなどの金属カルコゲナイド、ポリピロ−ル、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセン化合物、ポリアセチレン、ポリアリレンビニレン、ジチオ−ル誘導体、ジスルフィド誘導体などの有機化合物、およびこれらの混合体を挙げることができる。正極の集電体として、金属アルミニウム、金属アルミニウム/ポリマ−積層体、ステンレス、カ−ボン、チタンなどを用いることができるが、金属アルミニウムが加工性および量産性の点から好ましい。
【0025】
また、負極の活物質として、上記正極に対して電気化学的に低い電位を有するリチウムイオンの電気化学的なド−ピング、脱ド−ピング可能な材料を用いる。この例として、グラファイト、コ−クス、不定形炭素などの炭素系材料、すず系複合酸化物、シリカ系複合酸化物などの複合酸化物、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物のリチウム固溶体、リチウム窒化マンガン、リチウム窒化鉄、リチウム窒化ニッケル、リチウム窒化銅、リチウム窒化アルミニウムなどの窒化物などのセラミックスが用いられる。負極集電体としては、金属銅、ニッケル、銅やニッケルメッキしたポリマ−材料、ステンレス、炭素などを用いることができる。中でも、金属銅は電気抵抗が低く、リチウムド−ピングを受けにくく、耐久性に優れることから好ましい。
【0026】
上記の活物質を所定の形状に加工して電極を構成する。この形態として集電体表面に活物質粉末をバインダ−で分散結合させた形態、活物質をたとえば薄膜とした連続体の形態が挙げられる。粉末状の活物質をバインダ−で分散した形態では、集電体と電極活物質層との電気抵抗を低減するため、カ−ボン、金属などの導電助剤を添加して活物質層の抵抗を低減することが好ましい。
【0027】
セパレ−タ材料としては、イオン伝導度として10−6S/cm以上であることが好ましく、さらに好ましくは10−4S/cm以上である。この材料として、多孔質膜材料にイオン導電性の液状媒体を含浸した材料、イオン伝導性ゲル材料、イオン伝導性固体電解質材料を用いることができる。このうち、イオン伝導性ゲル材料は電極との密着性に優れ、電極積層体として一体化の加工を経ても高いイオン伝導度を持つ。固体電解質材料や多孔質材料の表面にイオン伝導性ゲル材料を積層、含浸させた材料も利用できる。このイオン伝導性ゲル材料として、例えばポリマ−マトリックスに電解液を保持させたポリマ−ゲル、イオン透過性セラミックス材料のゲル材料が挙げられる。このうち前者はフレキシブルであり、電極との密着化ができるため好ましい。
【0028】
このポリマ−マトリックス材料として、例えば、架橋されたポリ弗化ビニリデンや弗化ビニリデン共重合体およびこれらの混合体、さらに他のポリマ−との混合物としても利用できる。この弗化ビニリデン共重合体の例として、弗化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、弗化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体を挙げることができる。ポリ弗化ビニリデン、弗化ビニリデン共重合体は電気化学的に安定な領域が広く、高強度であるため、電池に利用する場合、加工性、電池性能に優れることから好ましい。このポリマ−の構造として、バルク、多孔質構造、発泡体構造、粉末焼結体、粉末圧縮体などの成形体に電解液を含浸した形態、ポリマ−と電解液を溶媒や加熱溶融によって均一化した後、所定の形状に成形した形態が用いられる。多孔質構造を用い、電極との積層一体化工程において微多孔構造が閉塞されてしまった場合においても、該ポリマ−が電解液に含浸されてイオン伝導性を発現することから、ポリオレフィンセパレ−タでみられるようなイオン輸送阻害は起こらない。
【0029】
電解液としては、本発明の非水系電池がリチウムイオン電池の場合、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液が用いられる。このリチウム塩としては、弗化ホウ酸リチウム、弗化燐酸リチウム、過塩素酸リチウム、弗化ヒ素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホニルイミドリチウム、パ−フルオロブタンスルホン酸リチウムなどのリチウム塩、これらの混合物、複数の塩を混合した溶融塩が用いられる。この溶融塩の場合、室温で液状のものもあり、必ずしも電解液溶媒が含まれなくても利用可能である。また電解液溶媒として、エチレンカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−ト、ブチレンカ−ボネ−トなどの環状カ−ボネ−ト化合物、ジメチルカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−ト、メチルエチルカ−ボネ−トなどの鎖状カ−ボネ−ト、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ−テル化合物、γ−ブチルラクトン、プロピオラクトン、酢酸メチルなどのエステル化合物、アセトニトリル、プロピオ二トリルなどの二トリル化合物、スルホラン、ホスファゼンなどの化合物などの単体、混合物、前記のポリマ−マトリックスの液状オリゴマ−やオリゴマ−と溶媒の混合物などが用いられる。
【0030】
セパレ−タと電極の積層前に、上記の電解液や電解液にポリマ−マトリックス材料を溶解、分散した溶液やスラリ−、電解液溶媒を前記の電極活物質表面に塗布、含浸させて電極とセパレ−タの密着性や電極活物質層のイオン移動を向上させることができる。また、電極/セパレ−タ積層後、電解液、電解液にポリマ−マトリックス材料を溶解、分散した溶液、スラリ−、電解液溶媒を含浸させることもできる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下実施例で本発明を詳細に説明する。
【0032】
【実施例1】
LiCoO電極(平均粒径5μmのLiCoOを100重量部、バインダーにポリフッ化ビニリデン3重量部およびアセチレンブラック3重量部をN−メチルピロリドンに分散、15μmアルミ集電体上に塗工、加熱プレスした膜厚110μm片面塗工シ−ト)を正極として幅29mm、長さ110mmに切断後、長さ方向に幅10mmで電極活物質層を剥離してアルミ集電体を露出させた。負極としてグラファイト長尺シート(平均粒径10μmのグラファイトMCMB(大阪ガス(株)製)100重量部、スチレン−ブタジエンラテックスの水分散スラリ−を固形分換算で2重量部、およびカルボキシメチルセルロ−ス0.8重量部を溶かした水溶液を混ぜ合わせて得られた、水に均一分散したスラリ−を12μmの銅集電体上に塗布、加熱プレスした膜厚85μm片面塗工シ−ト)を幅30mm、長さ110mmで切断し、長さ方向に幅9mmで活物質層を剥離して銅集電体を露出させた。
【0033】
ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(ヘキサフルオロプロピレン含量3重量%、エルフアトケム社製カイナ−ル2850)のバルクシ−ト(膜厚50μm)に電子線照射(照射量10Mrad)を行い架橋処理した後、フロン(HFC−134a)を7重量部含浸、加熱延伸処理して得られた発泡体シート(発泡倍率4倍、膜厚60μm)に、電解液としてエチレンカ−ボネ−ト、γ−ブチルラクトンを体積比1:1で混合した液にLiBFを溶解して得られた1.5モル/リットル溶液を含浸させて固体電解質(電解液含量75重量%、平均膜厚幅65μm、幅102mmの長尺シ−ト)を得、セパレ−タとした。このセパレ−タを幅32mmで切断して短冊状とした後、電極の表面に上記の電解液をロ−ルコ−タ−で塗布した。塗布量は正極30g/m、負極40g/mとした。上記の正極、セパレータ、負極をこの順に、負極活物質層から正極活物質層がはみださないようにセパレータを介して活物質層を対向させ、さらにアルミ集電体がはみ出した側と反対側に銅集電体をはみ出させる構成で積層し、加熱ロ−ルのラミネ−タ(ロ−ル温度130℃、ロ−ル速度600mm/min)で積層一体化させた。このようにして、8枚の積層体を作製した。この8枚の積層体を正極/負極/負極/正極/正極/負極・・・・の順に、アルミ集電体のみがはみ出た側と銅集電体のみがはみ出た側が形成されるように重ね合わせ、それぞれの集電体の重ね合わせた部分の中央部を3mm角で超音波溶接して接合し電極積層体を束ねた。次いで、幅10mm、長さ30mmの銅およびアルミシ−ト(厚さ30μm)を電極端子として用い、上記超音波溶接部分に超音波溶接固定(溶接部は3mm角)した。
【0034】
ポリマ−シ−ト(ポリエチレンテレフタレ−ト25μm、金属アルミニウムシ−ト12μm、ポリプロピレン50μmを順次積層したシ−ト)を袋状に加工した外装体(幅40mmの筒状、長さ110mmの側面を幅3mmで融着)に、得られた電極積層体を挿入してアルミおよび銅の電極端子を外部にはみ出させてから、該アルミおよび銅の電極端子面を、それぞれ袋状外装体内面の上面および下面のポリプロピレン樹脂層に熱融着固定した後、真空引きを行いながら開口部分を熱融着して封止し、電池を作製した。
【0035】
電極端子を充放電機に接続して充放電試験(230mA定電流、4.2V定電位充電、230mA定電流放電をおこなった結果、初回放電量730mAh、平均電圧3.7V(2.7Wh)であり繰り返し充放電が可能であった。充電状態の該電池の外装体表面中心部および電極端子が熱融着された外装体封止部表面に熱電対を貼付け、該電池の電極端子を充放電機に接続、2880mAの電流で定電流定電圧充電(電圧15V)で過充電を行なった結果、約19分で外装体が膨れだし、さらに15秒後電極端子が切断され通電できなくなり電池の温度が低下した。この際の電池の電極端子付近の最大温度は38℃、電池外装体中心部の最大温度は42℃であった。
【0036】
【実施例2】
実施例1で作製したLiCoO電極、グラファイト負極、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体発泡体シートに電解液を含浸させた固体電解質をセパレ−タに用い、実施例1と同様の方法で積層し、加熱ロ−ルのラミネ−タで積層一体化させた8枚の積層体を作製し、超音波溶接して電極積層体を束ねた。
【0037】
次いで、幅10mm、長さ20mmのアルミシ−ト(厚さ30μm)2枚を幅を揃えて長さ方向に重ね、重なり合う長さが10mmとなるようにした。この重なり合い部分の中心を超音波溶接して3mm角の溶接部分で2枚のアルミシ−トを接合した電極端子を作製した(接合後、幅10mm、長さ30mm)。一方、幅10mm、長さ20mmの金属銅シ−トを同様にして重ね合わせ、溶接して電極端子を作製した(接合後、幅10mm、長さ30mm)。これらアルミおよび金属銅の電極端子をそれぞれ正極および負極集電体の超音波溶接部分に溶接して、電極集電体端から電極端子が25mmはみ出した構造とした。該正極および負極の電極端子のそれぞれ2枚の金属シ−トにおいて、融着固定する部位以外の外装体内面に接触する恐れのある部分をテフロンシ−トで被覆した後、それぞれの電極端子の金属シ−トの一方が外装体(外装体は実施例1と同様の袋を用いた)の上面の熱可塑性樹脂層に、もう一つの金属シ−トを外装体下面の熱可塑性樹脂層に熱融着固定した。その後、電極端子を外装体から引出して開口部を幅20mmで熱融着して封止した。
【0038】
電極端子を充放電機に接続して充放電試験(230mA定電流、4.2V定電位充電、230mA定電流放電をおこなった結果、初回放電量732mAh、平均電圧3.7V(2.7Wh)であり繰り返し充放電が可能であった。充電状態の該電池の外装体に実施例1と同様に熱電対を貼付け、該電池の電極端子を充放電機に接続、2880mAの電流で定電流定電圧充電(電圧15V)で過充電を行なった結果、約19分で外装体が膨れだし、さらに20秒後電極端子が切断され通電できなくなりセルの温度が低下した。この際のセルの電極端子付近の最大温度は40℃、セルの表面中心部分の温度は42℃であった。
【0039】
【実施例3】
実施例1で作製したLiCoO電極、グラファイト負極、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体発泡体シートに電解液を含浸させた固体電解質をセパレ−タに用い、実施例1と同様の方法で8枚の積層体を作製し、超音波溶接して電極積層体を束ねた。
【0040】
次いで、この超音波溶接部分に幅10mm、長さ30mmのアルミおよび金属銅シ−ト(厚さ30μm)の長さ方向の中央部分を幅が3mm、長さが10mmの矩形形状を真ん中に残すように、はさみでカットして電極端子とした。これらアルミおよび金属銅の電極端子の片端をそれぞれ正極集電体および負極集電体の超音波溶接部分に溶接して、電極集電体端から電極端子が25mmはみ出した構造とした。該アルミ電極端子の、幅が3mmの矩形形状の部分を挟んで集電体に溶接した側をテフロンシ−トで被覆し、反対側の電極端子封止部分側の電極端子を外装体(外装体は実施例1と同様の袋を用いた)内面の熱可塑性樹脂層に融着固定させた後、電極端子を外装体から引出し開口部を熱融着して封止した。
【0041】
電極端子を充放電機に接続して充放電試験(230mA定電流、4.2V定電位充電、230mA定電流放電をおこなった結果、初回放電量729mAh、平均電圧3.7V(2.7Wh)であり繰り返し充放電が可能であった。充電状態の該電池の外装体に実施例1と同様に熱電対を貼付け、該電池の電極端子を充放電機に接続、2880mAの電流で定電流定電圧充電(電圧15V)で過充電を行なった結果、約19分で外装体が膨れだし、さらに1分後電極端子が切断され通電できなくなり電池の温度が低下した。この際の電池の電極端子封止部分付近の最大温度は56℃、電池の外装体中心部分の最大温度は53℃であった。
【0042】
【実施例4】
実施例1で作製したLiCoO正極、グラファイト負極、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体発泡体シートに電解液を含浸させた固体電解質をセパレ−タに用い、実施例1と同様の方法で積層し、加熱ロ−ルのラミネ−タで積層一体化させた8枚の積層体を作製し、超音波溶接して電極積層体を束ねた。
【0043】
次いで、幅10mm、長さ30mmのアルミおよび金属銅シ−ト(厚さ30μm)の長さ方向の中央部分をはさみで約60度の角度で斜めに切り込みを入れ、電極端子の接続幅が3mmとなる短冊を電極端子として作製した。これらアルミおよび金属銅の電極端子の片端をそれぞれ正極および負極集電体側の超音波溶接部分に溶接して、電極集電体端から電極端子が25mmはみ出した構造とした。該アルミの電極端子の、切り込み部分を挟んで集電体に溶接した側の電極端子をテフロンシ−トで被覆し、反対側の電極端子封止部分側の電極端子を外装体(外装体は実施例1と同様の袋を用いた)内面の熱可塑性樹脂層に融着固定させた後、電極端子を外装体から引出して開口部を熱融着して封止した。
【0044】
電極端子を充放電機に接続して充放電試験(230mA定電流、4.2V定電位充電、230mA定電流放電をおこなった結果、初回放電量735mAh、平均電圧3.7Vであり繰り返し充放電が可能であった。充電状態の該電池の外装体に実施例1と同様に熱電対を貼付け、該電池の電極端子を充放電機に接続、2880mAの電流で定電流定電圧充電(電圧15V)で過充電を行なった結果、約20分で外装体が膨れだし、さらに40秒後電極端子が切断され通電できなくなり電池の温度が低下した。この際の電池の電極端子付近の最大温度は65℃、電池の中心部分の最大温度は50℃であった。
【0045】
【比較例1】
実施例1で作製したLiCoO電極、グラファイト負極、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体発泡体シートに電解液を含浸させた固体電解質をセパレ−タに用い、実施例1と同様の方法で積層し、加熱ロ−ルのラミネ−タで積層一体化させた8枚の積層体を作製し、超音波溶接して電極積層体を束ねた。
【0046】
次いで、幅10mm、長さ30mmのアルミおよび金属銅シ−ト(厚さ30μm)を電極端子として、これらアルミおよび金属銅の電極端子の片端をそれぞれ正極および負極集電体の超音波溶接部分に溶接して、電極集電体端から電極端子が25mmはみ出した構造とした。外装体は実施例1と同様の袋を用い、電極端子を外装体から引出して開口部を熱融着して封止した。
【0047】
電極端子を充放電機に接続して充放電試験(230mA定電流、4.2V定電位充電、230mA定電流放電をおこなった結果、初回放電量731mAh、平均電圧3.7Vであり繰り返し充放電が可能であった。充電状態の該電池の外装体に実施例1と同様に熱電対を貼付け、該電池の電極端子を充放電機に接続、2880mAの電流で定電流定電圧充電(電圧15V)で過充電を行なった結果、約20分で外装体が膨れだし、さらに2分後電圧が15Vに到達して電流が収束した。この際のセルの電極端子付近の最大温度は95℃、セルの中心部分の最大温度は91℃であった。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、高い安全性を供え、高エネルギ−密度で、高信頼性の軽量、薄型のリチウムイオン二次電池の提供を可能にするものである。

Claims (3)

  1. 最内層に熱可塑性樹脂層を有するポリマー積層材料からなる袋状外装体内にイオン移動可能なセパレータを介して電極が接合された電極積層体が挿入され該電極積層体の正極および負極から該外装体の外側に延びる電極端子を封止した構造を有する非水系電池であって、電極端子の一部に断面積の小さい領域を設けこの断面積の小さい領域を挟んで少なくとも片側の電極端子が袋状外装体内面の熱可塑性樹脂層に密着固定された構造である非水系電池。
  2. 最内層に熱可塑性樹脂層を有するポリマー積層材料からなる袋状外装体内にイオン移動可能なセパレータを介して電極が接合された電極積層体が挿入され該電極積層体の正極および負極から該外装体の外側に延びる電極端子を封止した構造を有する非水系電池であって、電極端子の一部が剥離可能な2層以上の金属平板積層体からなり該金属平板積層体の上下の最外層の少なくとも一方が袋状外装体内面の熱可塑性樹脂層に密着固定された構造である非水系電池。
  3. 金属平板積層体の金属層間を導電性フィラーと絶縁性樹脂からなるコンパウンドで接合した構造である請求項2に記載の非水系電池。
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