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JP3618234B2 - 3次元モデル圧縮方法および3次元モデル画像生成方法 - Google Patents
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3次元モデル圧縮方法および3次元モデル画像生成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオゲーム機や産業用CADなどの3次元コンピュータグラフィックスを使った画像生成で用いられる、3次元モデルを生成する技術に関するものであり、特に、あらかじめ与えられた3次元モデルを圧縮して、データ量が少なく、かつデータ量削減に伴う画像の劣化が少ない3次元モデルを生成する3次元モデル圧縮方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、物体の3次元的な形状データを用いて画像生成を行う3次元コンピュータグラフィックスの技術が盛んに研究されている。近年では、ビデオゲーム機やパーソナルコンピュータなどの家庭用の比較的安価な機器でも、3次元コンピュータグラフィックスの技術を用いた画像生成が盛んに行われるようになり、産業的にも非常に重要な技術の1つとなっている。
【0003】
3次元コンピュータグラフィックスによる画像生成は、対象物の3次元的な形状や色の情報で構成される3次元モデルを生成するモデリングと、3次元モデルを用いて対象物の画像を生成するレンダリングとの、大きく2つのステップに分けることができる。
【0004】
モデリングによって生成される3次元モデルの記述方法の1つとして、対象物表面の3次元的な形状を、複数の多角形の集まりによって近似表現したポリゴンモデルが広く用いられている。また、ポリゴンモデルを用いたレンダリング方法の1つとして、複数の多角形を任意の2次元平面に順次投影していき、多角形の集まりとして対象物画像を描画する方法が広く用いられている。
【0005】
このようなポリゴンモデルを用いた画像生成では、より多くの多角形を用いることによって、細かな凹凸や滑らかな曲面を持つ対象物をより忠実に反映した画像を生成できるが、その反面、データ量が多くなるため、3次元モデルの記録・伝送時のコストが高くなる。逆に、多角形の数を減らすとデータ量は少なくなるが、生成される画像は粗く劣化の多い画像になるという傾向がある。
【0006】
そこで近年、モデリング技術の1分野として、対象物表面の3次元座標値を緻密に計測することが可能な3次元計測機器などで得られた大量の多角形を用いた詳細なポリゴンモデルを入力とし、これを圧縮して、データ量が少なくかつデータ量の削減にともなう画像の劣化が少ない、効率の良い3次元モデルを生成する、3次元モデル圧縮技術が盛んに研究されている。
【0007】
上記した従来の3次元モデル圧縮技術の一例としては、例えば「Hugues Hoppe, et al:”Mesh Optimization”, SIGGRAPH 93 Conference Proceedings,
pp.19−26, August 1993」などがある。
【0008】
これらの3次元モデル圧縮方法の一例では、詳細なポリゴンモデル中の複数の多角形を、より数の少ない多角形で近似再構成することによって、データ量を少なくしている。近似再構成の方法は、まず、近似前のポリゴンモデルと近似後のポリゴンモデルとの近似誤差を定量化する関数を定義しておき、近似前のポリゴンモデル中の多角形の全ての頂点について、1頂点を削減してより少ない多角形で近似した場合の近似誤差の増分を算出する。そして、近似誤差の増分が最も少ない頂点を選択して削減し、ポリゴンモデルの近似再構成を行う。さらに、1頂点の削減によるポリゴンモデルの近似を、あらかじめ与えられた条件に到達するまで繰り返すことにより、頂点数と多角形数の少ないポリゴンモデルを生成する。
【0009】
この時、近似再構成による頂点数と多角形数の削減、すなわちデータ量の削減に対して、近似誤差の増分が最も少ない頂点、すなわち生成される画像の劣化が最も少ない頂点から順に削減していくため、結果として効率の良い3次元モデルを生成する圧縮方法と言える。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来のモデリング技術では、ポリゴンモデルの全ての頂点について、同じ近時誤差関数を用いた評価を行うが、生成される画像上で輪郭(対象物と背景や前景との境界)となる部分と、輪郭以外の部分とでは、近似誤差による誤差増分が同じであっても、輪郭部分の方が画像の劣化が目立つ場合が多いことから、生成される画像の劣化とデータ量の観点から必ずしも効率が良いとは言えない場合があるという問題点を有していた。
【0011】
このような、生成された画像上で輪郭となる部分の劣化が目立つという問題は、先述した Hoppeらも”View−Dependent Refinement of Progressive Meshes”(SIGGRAPH 97 Conference Proceedings, pp.189−198, August 1997)の中で指摘している。 Hoppeらはこれに対処するために、詳細な3次元モデルと粗いモデルを階層的に記述して保持しておき、画像生成時に輪郭となる部分に詳細な3次元モデルを選択して使う方法を提案している。しかし、この方法は3次元モデルの圧縮が主眼ではなく、輪郭部の画質劣化は少ないがデータ量が多くなるという問題点を有している。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑み、データ量が少なくかつデータ量削減による画像の劣化が少ない、効率の良い3次元モデルを生成する3次元モデル圧縮方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の3次元モデル圧縮方法および3次元モデル画像生成方法は、対象物の形状や対象となる3次元モデルによっては、画像生成時に輪郭となる可能性が高い部位をあらかじめ想定できる場合があり、さらに3次元モデルと輪郭に相当する情報を組み合わせることにより3次元モデルを記述することを特徴とする。
【0014】
この本発明によると、分割された部分形状データの境界部分の形状を、新たに生成した領域データとして記述することによって、部分形状データを近似再構成した場合の部分形状データの境界部分、すなわち画像生成時に輪郭となる可能性のある部分の画質の劣化を低減することが可能で、かつデータ量の少ない3次元モデルを生成する圧縮方法を実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の3次元モデル圧縮方法は、複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する方法であって、前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割過程と、前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成過程と、前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似した圧縮部分形状データを生成する部分形状データ再構成過程とを備えて、領域データに保持されている部分形状データの端面の形状と、圧縮部分形状データに保持されている部分形状データを近似した形状との2種類の形状に分けて3次元モデルを記述することを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の3次元モデル圧縮方法は、複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する方法であって、前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割過程と、前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成過程と、前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似した圧縮部分形状データを生成する部分形状データ再構成過程とを備えて、領域データに保持されている部分形状データの端面の形状と、圧縮部分形状データに保持されている部分形状データを近似した形状との2種類の形状に分けて3次元モデルを記述するとともに、前記テクスチャを前記領域データの領域ごとに階層化して符号化する階層符号化過程を備えて、テクスチャと領域データとの2種類のデータを組み合わせて1つのデータに圧縮することを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の3次元モデル圧縮方法は、複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する方法であって、前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割過程と、前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成過程と、前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似した圧縮部分形状データを生成する部分形状データ再構成過程とを備えて、領域データに保持されている部分形状データの端面の形状と、圧縮部分形状データに保持されている部分形状データを近似した形状との2種類の形状に分けて3次元モデルを記述するとともに、前記形状データ分割過程は、形状データを構成する複数の多角形の頂点間距離を基準にして形状データを複数の部分形状データに分割することを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の3次元モデル画像生成方法は、3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルから画像を生成する方法であって、階層符号化されたテクスチャデータを入力し、復号化して複数のテクスチャと、前記複数のテクスチャの画素が有効な領域を示す複数のマスクデータを出力する復号化過程と、前記複数のテクスチャと前記複数のマスクデータと複数の形状データを入力して、前記複数のマスクデータをマスクとしたテクスチャマッピングによって画像生成処理を行うマッピング過程とを備えて、階層符号化されたテクスチャデータに含まれる各階層の輪郭の形状と、形状データに含まれる形状との2つの形状を反映した画像を生成することを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の3次元モデル圧縮装置は、複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する装置であって、前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割手段と、前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成手段と、前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似した圧縮部分形状データを生成する部分形状データ再構成手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の3次元モデル圧縮装置は、複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する装置であって、前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割手段と、前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成手段と、前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似再構成する部分形状データ再構成手段と、テクスチャを前記領域データの領域ごとに階層化して符号化する階層符号化手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項7記載の3次元モデル圧縮装置は、請求項5または請求項6において、形状データ分割手段は、形状データを構成する複数の多角形の頂点間距離を基準にして形状データを複数の部分形状データに分割することを特徴とする。
【0022】
請求項8記載の3次元モデル画像生成装置は、3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルから画像を生成する装置であって、階層符号化されたテクスチャデータを入力し、復号化して複数のテクスチャと、前記複数のテクスチャの画素が有効な領域を示す複数のマスクデータを出力する復号化手段と、前記複数のテクスチャと前記複数のマスクデータと複数の形状データを入力して、前記複数のマスクデータをマスクとしたテクスチャマッピングによって画像生成処理を行うマッピング手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項9記載の記録媒体は、請求項1〜請求項3の何れかの3次元モデル圧縮方法、または請求項4記載の3次元モデル画像生成方法を実行するのに必要なソフトウェアが書き込まれたことを特徴とする。
【0024】
以下、本発明の3次元モデル圧縮方法を具体的な実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の(実施の形態1)における3次元モデル圧縮方法の処理手順の概略図である。
【0025】
図1において、110は対象物の3次元的な形状をポリゴンモデルにより記述した形状データ、111は対象物のテクスチャであり、この2つにより対象物の3次元モデルを構成する。この(実施の形態1)では、テクスチャ111は対象物をある角度から撮像した画像であり、形状データ110はテクスチャ111の各画素に対応する物体表面上の3次元座標値を計測して得られた点を頂点とし、隣接する頂点を連結して得られたものであるとする。これら形状データ110とテクスチャ111は、いずれも記憶手段103にあらかじめ記憶されている。100は形状データ分割手段であり、形状データ110を分割して複数の部分形状データ112a,112bを生成する。101は部分形状データ再構成手段であり、部分形状データ112a,112b中の複数の多角形をより数の少ない多角形で近似再構成することにより、データ量の少ない圧縮部分形状データ113a,113bを生成し、記憶手段103に記憶する。102は領域データ生成手段であり、部分形状データ112a,112bの各領域が、テクスチャ111上でどこに対応するかを示す領域データを114を生成し、記憶手段103に記憶する。
【0026】
以上のように構成された3次元モデル圧縮方法について、その処理動作を説明する。
図2は、形状データ110およびテクスチャ111で構成される3次元モデルの記述方法の例である。この例では、形状データ110は全体でm個の頂点を含むn個の三角形で構成され、i番目の三角形P(i)は3個の頂点(Vi1,Vi2,Vi3)で参照される点を頂点とし、j番目の頂点V(j)は、3次元座標値(xi,yi,zi)とテクスチャ111上の対応点の座標(ui,vi)で構成されること示している。また、テクスチャ111は、RGB表色系画素のwu×wvの2次元配列であることを示している。
【0027】
まず、この(実施の形態1)の3次元モデル圧縮方法における各手段の処理は、全てコンピュータのソフトウェアによって実現されるものであるとし、処理の起動や処理対象となる形状データ110およびテクスチャ111の指定は、ユーザーによって行われるものとする。処理が起動されると、形状データ分割手段100は、形状データ110を記憶手段103より読み出し、複数の部分形状データ112a,112bを生成する。
【0028】
形状データ分割手段100での処理を、図1〜図4を用いて説明する。
図3は、形状データ分割手段での処理の図であり、図3(a)は図1の形状データ110の一部を拡大したもので、図2の形状データの例とも対応している。
【0029】
形状データ分割手段100は、形状データ110中の全ての三角形P(i)について、三角形を構成する各頂点間の距離と、あらかじめ与えられたしきい値T1と比較し(図3(a))、しきい値より大きくなる三角形を形状データ110から削除する(図3(b))。
【0030】
次に、一部の三角形が削除された形状データから、三角形P(i)と接する三角形が存在するか否かを走査していき、隣接する複数の三角形の集まりごとに分割することによって、図3(c)の部分形状データを生成する。
【0031】
図1の例では、この形状データの分割処理によって、2つの部分形状データ112a,112bが生成されたことを示している。
次に、領域データ生成手段102での処理を、図1および図4,図5を用いて説明する。
【0032】
領域データ114は、wu×wv画素の2次元配列であるテクスチャ111のそれぞれの画素が、部分形状データ112a,112bのどちらに属するかを示す情報であることから、形状データの分割数を区別するのに必要なビット数のデータを要素としたwu×wvの2次元配列によって、領域データ114を表現することができる。この(実施の形態1)では部分形状データの数は2つであることから、要素データのビット数は1でよい。
【0033】
図4は、形状データ分割手段100により2つに分割された部分形状データa(112a)および部分形状データb(112b)を、図2と同様な形式で表現した例である。2つの部分形状データとテクスチャ111とは、部分形状データの頂点データを構成する(ua,va)(ub,vb)により関連付けられている。これを図示したのが、図5の領域データ114の例である。
【0034】
この(実施の形態1)では、テクスチャ111の各画素と形状モデル110の各頂点は1対1で対応しているものと仮定しているため、領域データ生成手段102における処理の手順は、2つの部分形状データの全ての頂点Va(j),Vb(j)を順に走査していき、頂点Va(j)に対応する座標(uaj,vaj)の領域データに、「 領域a 」を意味する1ビットの値を記録し、頂点Vb(j)に対応する座標(ubj,vbj)の領域データに、「 領域b 」を意味する1ビットの値を記録するという処理を行う(図5(b))。
【0035】
最後に、部分形状データ再構成手段101での処理を図1および図6を用いて説明する。
部分形状データ再構成手段101は、部分形状データ112a,112b中の複数の多角形をより数の少ない多角形で近似再構成することにより、データ量の少ない圧縮部分形状データ113a,113bを生成し、記憶手段103に記憶する処理を行う。
【0036】
部分形状データ再構成手段での処理手順は、
・ 1頂点に着目し、その隣接8頂点で囲まれた領域を近似する2つの大きな近似三角形を仮定する(ステップ1)と、
・ 前記の2つの近似三角形が部分形状データ以外の頂点を含む場合、頂点の3次元座標値を新たに算出する(ステップ2)と、
・ 前記の近似三角形と部分形状データとの近似誤差を、あらかじめ与えられた関数で算出して、近似誤差があらかじめ与えられたしきい値T2を超えるかどうかを判断する(ステップ3)と、
・ 近似誤差がしきい値以下だった場合は、(ステップ1)で仮定した2つの大きな近似三角形で、部分形状データを再構成する(ステップ4)と
の(ステップ1)〜(ステップ4)の4つのステップを、部分形状データ内のすべての頂点に対して繰り返して行うことによって圧縮部分形状データを生成する。
【0037】
図6を用いて上記の各ステップを説明する。頂点veに着目した場合、veに隣接する8つの頂点va,vb,vc,vd,vf,vg,vh,viで囲まれ、三角形pa,pb,pc,pd,pe,pfを含む領域について、より大きな2つの三角形pg,phを近似三角形として仮定する(ステップ1)。この時、近似三角形の頂点viは、もとの部分形状データには含まれていないため、近似三角形phの領域内にある部分形状データの頂点vc,ve,vf,vg,vhの3次元座標値(x,y,z)を用いて、外挿により新たにvi’の3次元座標値を求める(ステップ2)。次に、近似三角形pg,phと部分形状データ中の三角形pa〜pfとの近似誤差を求めてしきい値T2との比較を行う。ここでは、近似誤差は部分形状データに含まれる各頂点va,vb,vc,vd,ve,vf,vg,vhと近似三角形pg,phとの距離を用い、評価として、各近似誤差が全てしきい値T2以下であることとする(ステップ3)。前記のステップ3における近似誤差が、1つでもしきい値を超えた場合は近似再構成処理を行わず、逆に全てしきい値以下だった場合、部分形状モデル中の三角形pa,pb,pc,pd,pe,pfをpg,phに置換えることにより、部分形状モデルの近似再構成を行う(ステップ4)。
【0038】
ここで、前述した(ステップ4)において、もし近似再構成処理を行った場合は、三角形数で2/6、頂点数で5/8と、多くの部分形状データのデータ量を削減できることがわかる。
【0039】
さらに上記の4つのステップを部分形状データの全ての頂点に対して行うことにより、圧縮部分形状データ113a,113bを生成し、記憶手段103に記憶する。
【0040】
図7は、この(実施の形態1)の3次元モデル圧縮方法によって生成され、記憶手段103に記憶される圧縮された3次元モデルの例である。図2の入力となった3次元モデルと比較すると、テクスチャ111はそのままで、形状データは110が、領域データ114と、圧縮部分形状データ113a,113bに置き換わっているのがわかる。
【0041】
これまで示してきたように、(実施の形態1)の3次元モデル圧縮方法によると、形状モデル110のデータ量に対して、圧縮部分形状データ113a,113bのデータ量を少なくすることが可能であり、特に、形状データ再構成手段101の処理によって、データ量を大幅に削減することが可能である。
【0042】
また、領域データ114については新たに追加されることになるが、この(実施の形態1)では、領域データが1画素につき1ビットであるのに対し、形状データの1つ頂点データは多くの場合数十ビット以上ある事から、数十頂点に1つの頂点を削減することによって、領域データの追加によるデータ量増を相殺することができる。
【0043】
以上のことから、(実施の形態1)の3次元モデル圧縮方法は、よりデータ量の少ない3次元モデルの生成が可能であると言える。
さらに、領域データ114の効果を明らかにするために、この(実施の形態1)における3次元モデル圧縮方法によって生成された3次元モデルを用いて、画像生成を行った場合について説明する。
【0044】
図8は、この(実施の形態1)における3次元モデル圧縮方法によって新たに生成された3次元モデルを用いて、3次元コンピュータグラフィックによる画像生成を行う方法の処理手順の概略図である。
【0045】
マスクデータ生成手段104は、記憶手段103より領域データ114を読み出して、マスクデータa,b(115a,115b)を生成する。このマスクデータは、テクスチャ111と同じwu×wvの2次元配列であり、マスクデータa(115a)は部分形状データ領域aに対応する領域が”1”でそれ以外の部分が”0”、マスクデータb(115b)は部分形状データ領域bに対応する領域が”1”でそれ以外の部分が”0”であるものとする。
【0046】
テクスチャマッピング手段105は、テクスチャ111,マスクデータa(115a),圧縮部分形状データ113aの組と、テクスチャ111,マスクデータb(115b),圧縮部分形状データ113bの組との、2組のデータを用いて合成画像116を生成する。この時、それぞれマスクデータが”1”の画素のテクスチャだけを画像としてマッピングするテクスチャマッピング(アルファ付きテクスチャマッピング)によってレンダリングを行い、合成画像116を生成する。このようにして得られた合成画像116は、領域データ114の形状、すなわち、部分形状データ112の端面の形状と、圧縮部分形状データ113の3次元的な形状との、2つの形状を反映したものとなっている。
【0047】
アルファ付きテクスチャマッピングの技術は、「David F. Rogers 著:”実践コンピュータグラフィックス”(英題”Procedural elements for computer graphics”)、山口富士夫監修、日刊工業新聞社出版 」などでも開示されている、3次元コンピュータグラフィックスの一般的な技術として一般的に広く知られた技術であり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0048】
ここで、この(実施の形態1)の3次元モデル圧縮方法における処理過程において、形状データの削減は、主に部分形状データ再構成手段の処理によって行われるため、形状データの削減による生成画像の劣化は、ほとんど部分形状データ再構成手段による処理で発生すると考えることができる。
【0049】
一方、領域データは、部分形状データ再構成手段での近似再構成処理を行う前、すなわち形状データ削減による生成画像の劣化が起こる前の、部分形状データの端面の形状を保持している。特に領域データは、テクスチャ1画素に相当する形状を、この(実施の形態1)では1ビットで表現できたように、形状データに比べて非常に少ないデータ量で、詳細な形状を表現できることから、画像の劣化が目立ち易い輪郭部分の形状を記述するのに適していると言える。
【0050】
したがって、もし画像生成時の輪郭部になる可能性が高い部分を、部分形状データの端面に一致することができれば、領域データによって輪郭部の詳細な形状を少ないデータ量で記述することができ、結果として、形状データの削減による画像の劣化を少ないデータ量に低減することが可能になる。
【0051】
部分形状データの端面に相当する部分が画像生成時の輪郭部になる可能性が高い場合の例としては、図1の例のような、3次元計測で計測された複数の物体(人形と背景)を含む形状データや、鋭角的なエッジを持つ形状データなどがある。このような形状データは、この(実施の形態1)の形状データ分割手段での、三角形の頂点間距離がしきい値より大きい場合に分離する処理(図3(a)(b))によって、複数物体の境界部分や、鋭角的なエッジの部分を端面とした部分形状データに分割される可能性が高い。さらに、物体の境界や鋭角的なエッジは、画像形成時の視点などの条件が変化した場合でも、画像生成時の輪郭となる可能性が一般的に高いと言える。以上のことから、特に前述した形状の場合、この(実施の形態1)による3次元モデル圧縮方法は、画像生成時の輪郭となる部分の劣化が少なく、かつデータ量の少ない3次元モデルを圧縮生成する方法であると言える。
【0052】
以上のように(実施の形態1)によれば、前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割手段100と、前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成手段102と、前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似再構成する部分形状データ再構成手段101を備えたことにより、より少ないデータ量で、かつ画質の劣化が少ない3次元モデル生成することができ、特に、端面が開いた形状データなどに効率の良く3次元モデルを圧縮することができる。
【0053】
なお、図1の処理はソフトウエアプログラムをコンピュータで実行することによって実現される。前記ソフトウエアプログラムには、形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割過程と、分割された複数の部分形状データがテクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成過程と、部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似再構成する部分形状データ再構成過程などが記述されており、前記コンピュータが形状データ分割過程を実行することによって形状データ分割手段100が実現され、前記コンピュータが領域データ生成過程を実行することによって領域データ生成手段102が実現され、前記コンピュータが部分形状データ再構成過程を実行することによって部分形状データ再構成手段101が実現される。
【0054】
同様に、図8の処理もソフトウエアプログラムをコンピュータで実行することによって実現され、ソフトウエアプログラムの各処理の過程を実行することによってマスクデータ生成手段104,テクスチャマッピング手段105が実現される。
【0055】
このような図1または図8の処理のソフトウエアプログラムは、記録媒体に書き込んで市場に流通させることもできる。これは以下の実施の形態においても同様である。
【0056】
(実施の形態2)
図9は、本発明の(実施の形態2)における3次元モデル圧縮方法の処理手順の概略図である。
【0057】
図1と異なるのは、階層符号化手段106を設けたことと、階層符号化手段によって、テクスチャ111と領域データ114を符号化して記憶手段103に記憶する点であり、他の構成および各処理手段での処理は、本発明の(実施の形態1)と同様な処理を行う。
【0058】
階層符号化手段106での処理は、テクスチャ111と領域データ114を入力とし、テクスチャ111を領域データ114に対応した2つの領域に分割階層化し、それぞれの領域内の画像にのみ着目して符号化を行うことによって、データ量の少ない圧縮テクスチャ117を生成して、記憶手段103に記憶する。
【0059】
このような画像を階層符号化・復号化する方式や、それを実現する装置の詳細な構成については、特開平8−116543号や、栄藤らの研究報告「栄藤 稔他:”MPEG−4システム”、映像情報メディア学会誌、Vol.51,No.12, pp.1966−1973, 1997」などで開示されている技術であるため、ここでは詳細な処理手順の説明は省略する。
【0060】
上記した本発明の(実施の形態2)では、テクスチャと3次元形状データから生成した領域データという全く性質の異なるデータを組み合わせて階層符号化により圧縮することにより、それぞれ個別に圧縮した場合よりデータ量が少ない圧縮方法を実現していることから、新規性と有効性の高い方法であるといえる。
【0061】
また、階層符号化の技術は、異なる対象物が1つの画像に写っている場合などに、それぞれを分離階層化して符号化することによって、符号化効率を上げる事が可能な技術として近年注目されているが、画像だけを用いて画像中の複数の対象物を自動で分離することは困難であり、従来は手作業で画像を分離するなどの処理が行われていた。これに対し、本発明の(実施の形態2)では、対象物の画像(テクスチャ)の以外に、3次元的な形状データを有しており、これを用いて領域データを生成することによって、画像の自動階層化を実現している点でも、新規性と有効性が高い方法である。
【0062】
以上のように、この(実施の形態2)によれば、テクスチャと領域データを符号化する階層符号化手段を設けることにより、本発明の(実施の形態1)より、よりデータ量の少ない3次元モデルを生成することが可能である。
【0063】
(実施の形態3)
図10は、本発明の(実施の形態3)における3次元モデル画像生成方法の処理手順の概略図である。
【0064】
図8と異なるのは、マスクデータ生成手段104の代わりに、復号化手段107を設けたことと、テクスチャデータ111a,111bおよびマスクデータ115a,115bは、復号化手段107によって、あらかじめ階層符号化された圧縮テクスチャ117を復号化して生成される点である。テクスチャマッピング手段105での処理は、図8の画像生成方法と同様な処理を行う。
【0065】
復号化手段107での処理は、記憶手段103にあらかじめ階層符号化して記憶された圧縮テクスチャ117を入力として復号化処理を行う。ここで、階層符号化されたデータには、符号化の対象となる画像の領域を示す情報が含まれていることから、この領域情報をマスクデータ115として生成出力するとともに、画像であるテクスチャ111を復号化して出力する。
【0066】
以上のように、この(実施の形態3)によれば、テクスチャを圧縮する方法として階層符号化を用いることによって、単純にテクスチャ圧縮の効果を得るだけでなく、階層符号化時に含まれる画像の領域情報をテクスチャマッピング時のマスク情報として用いることによって、本発明の(実施の形態1)(実施の形態2)の効果と同様に、データ量の少ない粗い形状モデルを用いて画像生成を行った場合でも、マスク情報に含まれる形状情報も含めた画像を生成できることから、少ないデータ量でより画像の劣化の少ない画像生成が可能となるという効果がある。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明は、複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する方法として、形状データを複数の部分形状データに分離した場合の端面の形状と、部分形状データを近似した粗い形状の、2種類の形状に分けて記述することによって、より少ないデータ量で、かつ画質の劣化が少ない3次元モデルを生成することが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(実施の形態1)における3次元モデル圧縮方法の処理手順の概略図
【図2】同実施の形態における形状データおよびテクスチャの一例を示す図
【図3】同実施の形態における形状データ分割手段での処理手順の説明図
【図4】同実施の形態における部分形状データ及びテクスチャの一例を示す図
【図5】同実施の形態における領域データ生成手段での処理手順の説明図
【図6】同実施の形態における部分形状データ再構成手段での処理手順の説明図
【図7】同実施の形態における圧縮方法で生成された3次元モデルの一例を示す図
【図8】同実施の形態における圧縮方法で圧縮された3次元モデルを用いた画像生成の処理手順の概略図
【図9】本発明の(実施の形態2)における3次元モデル圧縮方法の処理手順の概略図
【図10】本発明の(実施の形態3)における3次元モデル画像生成方法の処理手順の概略図
【符号の説明】
100 形状データ分割手段
101 部分形状データ再構成手段
102 領域データ生成手段
103 記憶手段
110 形状データ
111 テクスチャ
112 部分形状データ
113 圧縮部分形状データ
114 領域データ

Claims (10)

  1. 複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する方法であって、
    前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割過程と、
    前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成過程と、
    前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似した圧縮部分形状データを生成する部分形状データ再構成過程と
    を備えて、領域データに保持されている部分形状データの端面の形状と、圧縮部分形状データに保持されている部分形状データを近似した形状との2種類の形状に分けて3次元モデルを記述する3次元モデル圧縮方法。
  2. 複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する方法であって、
    前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割過程と、
    前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成過程と、
    前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似した圧縮部分形状データを生成する部分形状データ再構成過程と
    を備えて、領域データに保持されている部分形状データの端面の形状と、圧縮部分形状データに保持されている部分形状データを近似した形状との2種類の形状に分けて3次元モデルを記述するとともに、前記テクスチャを前記領域データの領域ごとに階層化して符号化する階層符号化過程を備えて、テクスチャと領域データとの2種類のデータを組み合わせて1つのデータに圧縮する3次元モデル圧縮方法。
  3. 複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する方法であって、
    前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割過程と、
    前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成過程と、
    前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似した圧縮部分形状データを生成する部分形状データ再構成過程と
    を備えて、領域データに保持されている部分形状データの端面の形状と、圧縮部分形状データに保持されている部分形状データを近似した状との2種類の形状に分けて3次元モデルを記述するとともに、前記形状データ分割過程は、形状データを構成する複数の多角形の頂点間距離を基準にして形状データを複数の部分形状データに分割する3次元モデル圧縮方法。
  4. 3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルから画像を生成する方法であって、
    階層符号化されたテクスチャデータを入力し、復号化して複数のテクスチャと、前記複数のテクスチャの画素が有効な領域を示す複数のマスクデータを出力する復号化過程と、
    前記複数のテクスチャと前記複数のマスクデータと複数の形状データを入力して、前記複数のマスクデータをマスクとしたテクスチャマッピングによって画像生成処理を行うマッピング過程と
    を備えて、階層符号化されたテクスチャデータに含まれる各階層の輪郭の形状と、形状データに含まれる形状との2つの形状を反映した画像を生成する
    3次元モデル画像生成方法。
  5. 複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する装置であって、
    前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割手段と、
    前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成手段と、
    前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似した圧縮部分形状データを生成する部分形状データ再構成手段と
    を備えた3次元モデル圧縮装置。
  6. 複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する装置であって、
    前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割手段と、
    前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成手段と、
    前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似再構成する部分形状データ再構成手段と、
    テクスチャを前記領域データの領域ごとに階層化して符号化する階層符号化手段を備えた3次元モデル圧縮装置。
  7. 形状データ分割手段は、形状データを構成する複数の多角形の頂点間距離を基準にして形状データを複数の部分形状データに分割する
    請求項5または請求項6記載の3次元モデル圧縮装置。
  8. 3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルから画像を生成する装置であって、
    階層符号化されたテクスチャデータを入力し、復号化して複数のテクスチャと、前記複数のテクスチャの画素が有効な領域を示す複数のマスクデータを出力する復号化手段と、
    前記複数のテクスチャと前記複数のマスクデータと複数の形状データを入力して、前記複数のマスクデータをマスクとしたテクスチャマッピングによって画像生成処理を行うマッピング手段と
    を備えた3次元モデル画像生成装置。
  9. 請求項1〜請求項3の何れかの3次元モデル圧縮方法、または請求項4記載の3次元モデル画像生成方法を実行するのに必要なソフトウェアが書き込まれた記録媒体。
  10. 複数の多角形で構成された3次元的な形状データとテクスチャを含む3次元モデルを圧縮する装置であって、
    前記形状データを複数の部分形状データに分割する形状データ分割手段と、
    前記分割された複数の部分形状データが前記テクスチャ上でどの領域に対応するかを示す領域データを生成する領域データ生成手段と、
    前記部分形状データをより数の少ない複数の多角形で近似した圧縮部分形状データを生成する部分形状データ再構成手段と、
    前記圧縮部分形状データと前記領域データとを用いて画像を合成する画像合成手段と
    を備えた画像合成装置。
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