JP3618809B2 - シールド付き細径絶縁チューブおよびその製造方法 - Google Patents
シールド付き細径絶縁チューブおよびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、シールド付き細径絶縁チューブに関し、特に高周波プローブピンなどの絶縁および特性インピーダンス整合の図れる、シールド付き細径絶縁チューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、半導体ウエハ検査装置(ウエハプローバ)においては、使用周波数が高くなってきているとともに、半導体素子の高集積化に伴って多数のプローブピンを備えるようになってきている。その結果、密集しているプローブピン間のクロストークや、テスタ側とプローブピンとのインピーダンス不整合が問題となってきたので、プローブピンの同軸ケーブル化が図られている。
【0003】
従来、このようなプローブピンの同軸ケーブル化については、プローブピンの材質や形状が特殊であることから、プローブピンを中心導体として直接同軸ケーブル化すること、あるいは特殊材質の中心導体を使用して同軸ケーブルを作り、その後でこの中心導体を特殊形状に成形加工することは極めて困難であった。そのためあらかじめ同軸ケーブルを作り、その後にこの同軸ケーブルの中心導体を引き抜き、中心導体を引き抜いた跡の孔に、特殊形状に加工したプローブピンを挿入することにより対応していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したプローブピンの同軸ケーブル化の工程は、同軸ケーブルの切断、端末のストリップ、中心導体の引き抜き、規定長さにするための再切断、プローブピンの挿入と多工程にわたり、なおかつ同軸ケーブルが細いということもあって、生産性が著しく低下する原因となっており、また、引き抜かれた中心導体は廃棄されるので材料の無駄も生じていた。
【0005】
また、配線の高密度化に伴い、このプローブピンの同軸ケーブル化は、より細く、より柔軟さが求められてきている。配線の高密度化ということで、それぞれの端末処理が非常に込み入ってきており、その作業性ということが重要になってきている。一般に同軸ケーブルの端末処理は、保護被覆、シールド、誘電体などを段階的に必要な長さだけストリップするが、この際むきだしになったシールド層は、変形したり、ばらけたりし易いのでコネクタや基板などへのハンダ付け時に形状修正しなければならないなど厄介な問題があった。
【0006】
この発明は、上記した従来のプローブピンの同軸ケーブル化における欠点を解消するためになされたもので、その目的は、生産性が向上し、中心導体の無駄をなくし、シールドの変形やばらけのないシールド付き細径絶縁チューブを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ウエハプローバ用プローブピンを同軸ケーブル化する際に用いられるシールド付き細径絶縁チューブであって、この細径絶縁チューブは、プラスチックからなる細径の絶縁チューブと、この細径絶縁チューブの外周に配設した補強材層と、この補強材層の外周に接着剤層を介して複数本の金属素線を螺旋状に横巻きして固着したシールド層と、このシールド層の外周に形成したジャケット層とからなることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載のシールド付き細径絶縁チューブは、請求項1に記載のシールド付き細径絶縁チューブにおいて、前記細径絶縁チューブがふっ素樹脂であることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明のシールド付き細径絶縁チューブによれば、通常の同軸ケーブル製造の第1工程である中心導体に誘電体を被覆するかわりに、初めから中心導体を使用しないでプラスチックからなる細径の絶縁チューブを作成したので、ウエハプローバに使用される高周波プローブピンの同軸ケーブル化に際して、中心導体を引き抜く工程およびそれに関連する端末のストリップ、規定長さにするための再切断などの工程が省略でき、最初からシールド付き細径絶縁チューブを規定の長さに切断するだけでプローブピンが挿入できることになる。さらに中心導体を廃棄するという無駄もなくなる。
【0010】
また、細径絶縁チューブに誘電率の低いふっ素樹脂を使用したことにより、ポリエチレンなど他のもっと誘電率の高いプラスチックを使用したときに比べて、細径絶縁チューブの外径を細くすることが可能となる。細径絶縁チューブの外周には補強材層を設けてあるので、機械的強度があまり強くない細いふっ素樹脂チューブでも、次のシールド工程での引っ張りや圧縮に十分耐えることができるものとなる。
【0011】
シールドを横巻きシールドにしたことにより、編組シールドに比べて薄くかつ柔軟性に富むものとなる。また、このシールド層は前記補強材層に固着されているので、端末処理の際に変形したりばらけたりすることがなく、ハンダ付けなどの作業性が良くなり生産性が向上することとなる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を、その実施例に基づいて添付図面を参照しつつ説明するが、もちろんこれらの実施例に限定されるものではなく、この発明の技術思想内での変更実施は可能である。図1は、本発明によるシールド付き細径絶縁チューブ1の一実施例を示す横断面図である。細径絶縁チューブ2の外周に補強材層3、シールド層4、ジャケット層5が順次設けられている。
【0013】
さらに述べると、このシールド付き細径絶縁チューブ1は、FEP樹脂(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合樹脂)を押出し成形により、例えば、内径0.26mm外径0.56mmの細径絶縁チューブ2とし、その外周に厚さ約8μmのホットメルト接着剤付きポリエステルテープを、接着剤層が外側になるようにして相互に一部が重なり合うように巻回した後、約170℃の炉内を通過させてテープ巻き層を溶融一体化し外径0.58mmの補強材層3とし、この補強材層3の外周に外径0.05mmの錫メッキ軟銅線36本を螺旋状に密接して横巻きしシールド層4を形成し、さらにその外周に厚さ約22μmのホットメルト接着剤付きポリエステルテープを、接着剤層が外側になるようにして相互に一部が重なり合うように巻回した後、約200℃の炉内を通過させてテープ巻き層を溶融一体化してジャケット層5を形成すると同時に、補強材層3をその外側の接着剤層を介して横巻シールド層4と固着させて、外径0.72mmのシールド付き細径絶縁チューブ1とした。
【0014】
このシールド付き細径絶縁チューブ1は、片刃カミソリなどの鋭利な刃物で簡単に切断することができ、切断されたシールド付き細径絶縁チューブ1には、そのままの状態で外径0.20mmのプローブピンをスムーズに挿入することができた。また、ジャケット層5を除去した後でも、シールド層4が補強材層3に固着しているので、横巻きシールドが変形したり横巻きシールドの素線がばらけたりすることもなく、その後の取扱いに支障がなかった。なお、このときの特性インピーダンスは50Ωであった。
【0015】
また、FEP樹脂の代わりに誘電率が2.3のポリエチレン樹脂を使用して、特性インピーダンスが50Ωの同様な構成のシールド付き絶縁チューブを得ようとすると、絶縁チューブ外径を0.61mmとしなければならず、ジャケット外径は0.77mmとなる。これはFEP樹脂のときと比べて外径で7%、断面積では14%大きくなるので、シールド付き絶縁チューブをより細くするには、使用するプラスチックの誘電率は低いほど有効であるということがわかる。
【0016】
上記実施例では、細径絶縁チューブ2の材料としてFEP樹脂を使用したが、これに限らずPTFE樹脂、PFA樹脂など他の誘電率の低いプラスチック、あるいはこれらのプラスチックの多孔質体などももちろん使用し得る。また、シールド素線についても錫メッキ軟銅線に限らず、銀メッキなど他の種類のメッキをしたもの、あるいはメッキを施さないもの、軟銅線の代わりに銅合金線などそれぞれの用途に応じて最適のものを使用することが可能である。
【0017】
また、補強材層3やジャケット層5を形成する方法としては、テープ巻き以外に押出し成形ももちろん可能で、材料についてもポリイミド樹脂、PBT樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PEI樹脂など機械的強度に優れたプラスチックをテープ状にしたものを巻き付けたり、あるいは直接押出し成形したりして形成することができる。
【0018】
補強材層3の接着剤については、上記実施例のようにテープにあらかじめホットメルトタイプのものを塗布しておいてもよいし、あるいは細径絶縁チューブ2の外周に直接押出し成形した補強材層3のまわりに、公知の方法でホットメルトタイプの接着剤を塗布してもよい。
【0019】
また、上記実施例では、プローブピンの外径を0.20mmとし、特性インピーダンスを50Ωとしたが、もちろんこれに限定することなく、使用するプローブピンの外径や要求される特性インピーダンスに合わせて、シールド付き細径絶縁チューブを製造することが可能である。このときプローブピンの外径よりも細径絶縁チューブの内径を40〜70μm程度大きくすることにより、プローブピンの同軸ケーブル化に際して、シールド付き細径絶縁チューブへのプローブピン挿入がスムーズとなる。このときのプローブピンの外径と、絶縁チューブの内径と、使用するプラスチックの誘電率と、細径絶縁チューブおよび補強材層のそれぞれの外径とから、このときの実効誘電率が求められ、同軸ケーブル化したときの特性インピーダンスがどのくらいになるか計算できることになる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、初めから中心導体を使用していないので、プローブピンの同軸ケーブル化に際して、工程が簡略化され生産性が上がると同時に、廃棄される中心導体がないので材料の無駄がなくなる。また、細径絶縁チューブには誘電率の低いふっ素樹脂を使用し、シールドは横巻きシールドとしたので、外径が細くでき柔軟性にも富んだものとなる。さらに、シールド層は補強材層に固着されているので、端末処理時にシールドの変形やばらけなどの発生がないので、コネクタや基板へのハンダ付けの作業性が良くなり、生産性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシールド付き細径絶縁チューブの一実施例を示す横断面図。
【符号の説明】
1 シールド付き細径絶縁チューブ
2 細径絶縁チューブ
3 補強材層
4 シールド層
5 ジャケット層
Claims (2)
- ウエハプローバ用プローブピンを同軸ケーブル化する際に用いられるシールド付き細径絶縁チューブであって、この細径絶縁チューブは、プラスチックからなる細径の絶縁チューブと、この細径絶縁チューブの外周に配設した補強材層と、この補強材層の外周に接着剤層を介して複数本の金属素線を螺旋状に横巻きして固着したシールド層と、このシールド層の外周に形成したジャケット層とからなることを特徴とするシールド付き細径絶縁チューブ。
- 前記細径絶縁チューブが、ふっ素樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のシールド付き細径絶縁チューブ。
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