JP3619782B2 - 排水ポンプ車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば水災害時の排水、土木工事の排水、農業用給排水などに使用する排水ポンプ車に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年頻発する局地的な大雨による河川の出水のため、機動性に優れた排水ポンプ車の有用性が認識されつつあり、これに伴い総排水量の大容量化が進んでいて、最近では一台当りの総排水量が150m3/min以上の排水ポンプ車も導入されている。
【0003】
図6及び図7は従来の排水ポンプ車の構成を示すもので、車両aに搭載されたエンジン(図示せず)より動力伝達装置(以下PTOという)bを介して取出された動力により発電機cが駆動され、得られた電力により排水ポンプdを駆動して排水を行うように構成されており、エンジンより排出された排気ガスは、車両aの後車軸eを上方へ迂回するよう配設された排気管fにより、車両aの後方へ排出されている。
【0004】
また車両aの床面g上には、発電機cが収容された発電機室hや、操作制御盤iなどが設置されており、これら発電機室hや操作制御盤iなどは、車両aの軸荷重を分散させるため、後車軸e付近に設置されている。
【0005】
一方発電機cには冷却ファン(図示せず)が設けられていて、床面gに開口された開口部kより吸入した外気を吸気口mより発電機c内に導入することにより発電機cを冷却しており、発電機cを冷却した空気は排気口nより開口部kを介して床面gの下方へ排出されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の排水ポンプ車では、車両aの床面gに開口された開口部kより排気管f付近の高温となった外気を冷却空気として発電機c内に導入しているため、車両aを停止させた状態で長時間運転すると、発電機cが過熱するなど発電機cの冷却に影響を及ぼすなどの問題がある。
【0007】
係る問題を解決する方法としては、車両aの床面g上に多量の断熱材をを敷設して、この断熱材により発電室hや操作制御盤iなどへ伝達される熱を遮断すればよいが、断熱材を設けた場合、断熱材を設置するためのスペースを必要とするため、車両aが大型になるなどの問題がある。
【0008】
本発明は前記従来の問題点を改善するためになされたもので、車両のエンジンを最大出力で長時間運転しても発電機が過熱することがなく、また床面に断熱材などを設ける必要もない排水ポンプ車を提供して、長時間の排水運転を可能とすることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の排水ポンプ車は、車両に搭載されたエンジンにより車体の床面上に設置された発電機を駆動し、得られた電力により排水ポンプを駆動して排水作業を行う排水ポンプ車であって、床面の下方に設けられた左右車体フレームの間に、前面と底面が遮蔽板で囲まれた排気路を形成し、かつ排気路の前端を床面に開口された開口部を介して発電機の排気口に連通することにより、発電機を冷却した空気を排気路内へ排出すると共に、排気路の後端を、後車軸を上方へ迂回する排気管の近傍に開口することにより、排気路より排出される空気により排気管を冷却するようにしたものである。
【0010】
前記構成により、発電機の排気口より排出された空気は、周囲に拡散せずに排気管へ向うため、排気管を効率よく冷却することができると共に、排気管の熱を遮断するための断熱材を床面上に敷設する必要がないため、断熱材により車両の重量が増加することがない上、断熱材を設けるためのスペースも必要ないため、車両の重量が重くなったり、車体が大型化して機動力が損なわれるなどの問題を解消することができる。
また車体フレームに遮蔽板を取付けるだけで排気路が形成できるため、排気路が容易かつ安価に得られるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図5に示す図面を参照して詳述する。
図1は排水ポンプ車の側面図、図2は平面図、図3は発電機室付近の断面図、図4は図3のA−A線に沿う断面図、図5は排水時の作用説明図である。
車両1は車体1aの前部に設置された運転室2の底部に図示しないエンジンが搭載されていて、このエンジンにより自走自在となっている。
【0018】
車体1aの運転席2より後方は平坦な床面1bとなっていて、この床面1b上に発電機室3や操作制御盤4、排水ポンプ格納ラック5及び排水ホース格納ラック6などが設置されている。
発電機室3は車体1の後部側に設けられた後輪7の後車軸7a上方に設置されていて、内部に発電機8とPTO9が収容されている。
【0019】
PTO9はエンジンの動力を取出して発電機8を駆動するためのもので、PTO9の出力軸9aに発電機8が接続されている。
発電機8には後部に吸気口8aが開口されていて、この吸気口8aの内側に図示しない冷却ファンが設けられており、発電機8の運転開始とともに、発電機室3の例えば後側面に開口された外気取入れ口3aより取入れらた外気を発電機8内へ導入するようになっている。
【0020】
発電機8の前側下部には、発電機8を冷却した空気が排出される排気口8bが開口されていて、この排気口8bの両側には、排気ガイド部材10が排気口8bを囲むように設けられている。
排気ガイド部材10は図4に示すように、下部側の間隔が順次狭くなるように形成された2枚のガイド板10aを有していて、これらガイド板10aの下部は、発電機8の排気口8b下方の床面1bに開口された開口部1cに接続されている。
【0021】
開口部1cは、車体1aを構成する左右車体フレーム1dの間に開口されていて、車体フレーム1dの間に形成された排気路11の前端に連通されている。
排気路11の前端は、車体フレーム1d間に設けられた前部遮蔽板11aにより、そして底面は底部遮蔽板11bにより遮蔽されたダクト構造となっていて、排気路11の後端は後車軸7a付近で大気へ開放されている。
またエンジンより排出された排気ガスは、一方の車体フレーム1dに沿って車体1の後方へ延出され、後車軸7a付近は、後車軸7aと干渉しないよう上方へ円弧状に湾曲された排気管12により、車体1aの後部より大気へ排出されるようになっている。
【0022】
一方車体1aの後部床面1b上には、複数、例えば5基の排水ポンプ13を上下2段に格納する排水ポンプ格納ラック5が設置されている。
排水ポンプ13は、エンジンの最大出力運転時(約480PS)に総排水量150m3/minが得られるよう、1基当りの排水量が30m3/minのものが使用されており、これら排水ポンプ13に発電機8により発電された電力が、操作制御盤4よりケーブル14を介して供給されるようになっている。
【0023】
また排水ポンプ13は電動機13aを内装した水中ポンプより形成されていて、図5に示すようにフロート15に吊り下げて水中へ投入されるようになっており、排水口13bには排水ホース16が接続されると共に、車両1の移動時には、排水ホース16は運転室2と発電機室3の間に設置された排水ホースラック6に折り畳まれた状態で格納されている。
【0024】
次に前記構成された排水ポンプ車の作用を説明する。
水災害時などの排水に際しては車両1を水災害地まで移動させて、車両1を安全な場所へ停車させ、排水ポンプ格納ラック5に格納されている排水ポンプ13をクレーンなどの手段を使用して排水ポンプ格納ラック5より下ろし、フロート15や排水ホース16を接続して、図5に示すように水災害場所の水中へ投入する。
その後車両1のエンジンを最大出力、例えば480PSにして発電機8を駆動し、操作制御盤4よりケーブル14を介して各排水ポンプ13の電動機13aへ電力を供給することにより排水作業を開始するもので、発電機8の運転開始とともに、発電機8内に設けられた冷却ファンが回転されて、外気取入れ口3aより発電機室3内に取入れられた外気が吸気口8aより発電機8内へ導入されて、発電機8が冷却されると共に、発電機8を冷却した空気は排気口8bより排出される。
【0025】
発電機8の排気口8b両側には、排気ガイド部材10が設けられていて、発電機8の排気口8bより排出された空気を床面1bに開口された開口部1cへガイドするため、外気を効率よく排気路11へ排出することができる。
排気路11は、前部遮蔽板11a及び底部遮蔽板11bにより周囲が囲まれたダクト状となっていて、後端のみが開口されているため、排気路11へ排出された空気は排気路11の後方へ流通し、排気路11の後端より排気管12へ向けて排出される。
これによって床面1bより上方の外気を発電機8内に導入して発電機8を冷却することができるため、従来の床面1b下方の排気管12により加熱された外気を導入して発電機8を冷却する場合に比べて冷却効率が格段に向上し、これによって長時間排水運転を続けても、発電機8が加熱することがほとんどない。
【0026】
ちなみに発電機8の定格出力が400KVAの場合、冷却ファンの風量は約1.4m3/secとなり、排気路11内での空気の流速は3〜4m/secとなるため、発電機8を冷却するのに十分な風量が得られると共に、排気路11より排出される空気により後車軸7a近傍の排気管12が冷却されるため、排気管12の熱が床面1bに設置された発電機室3や操作制御盤4などに伝達されることが少なくなり、これによって床面1bに断熱材を敷設するなどの対策を講じる必要がない。
【0027】
なお前記実施の形態では、排水ポンプ13を5基設置した場合について説明したが、前記台数に限定されるものではない。
また前記排水ポンプ車の用途は、水災害の排水作業に限定されることがないことは勿論で、土木工事の排水や、農業用給排水などにも適用できるものである。
【0028】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、床面の下方に設けられた左右車体フレームの間に、前面と底面が遮蔽板で囲まれた排気路を形成し、かつ排気路の前端を床面に開口された開口部を介して発電機の排気口に連通することにより、発電機を冷却した空気を排気路内へ排出すると共に、排気路の後端を、後車軸を上方へ迂回する排気管の近傍に開口することにより、排気路より排出される空気により排気管を冷却するようにしたことから、発電機の排気口より排出された空気は、周囲に拡散せずに排気管へ向うため、排気管を効率よく冷却することができると共に、排気管の熱を遮断するための断熱材を床面上に敷設する必要がないことから、断熱材を設けるためのスペースも必要ないため、車両の重量が重くなったり、車体が大型化して機動力が損なわれるなどの問題を解消することができる。
また車体フレームに遮蔽板を取付けるだけで排気路が形成できるため、排気路が容易かつ安価に得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になる排水ポンプ車の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態になる排水ポンプ車の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態になる排水ポンプ車に搭載された発電機付近の断面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】本発明の実施の形態になる排水ポンプ車の使用状態を示す説明図である。
【図6】従来の排水ポンプ車に搭載された発電機付近の断面図である。
【図7】図6のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 車両
1a 車体
1b 床面
1c 開口部
1d 車体フレーム
3 発電機室
3a 外気取入れ口
7a 後車軸
8 発電機
8b 排気口
10 排気ガイド部材
11 排気路
11a 遮蔽板
11b 遮蔽板
12 排気管
13 排水ポンプ
Claims (1)
- 車両に搭載されたエンジンにより車体の床面上に設置された発電機を駆動し、得られた電力により排水ポンプを駆動して排水作業を行う排水ポンプ車であって、前記床面の下方に設けられた左右車体フレームの間に、前面と底面が遮蔽板で囲まれた排気路を形成し、かつ前記排気路の前端を前記床面に開口された開口部を介して前記発電機の排気口に連通することにより、前記発電機を冷却した空気を前記排気路内へ排出すると共に、前記排気路の後端を、後車軸を上方へ迂回する排気管の近傍に開口することにより、前記排気路より排出される空気により前記排気管を冷却することを特徴とする排水ポンプ車。
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