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JP3619940B2 - 流動床式焼却炉とその燃焼方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、性状が著しく変化する都市ごみ等の燃焼において無作為に発生する有害ガスを低減するのに好適な焼却炉及び焼却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の流動床焼却炉は、流動層燃焼のみの燃焼形態で、都市ごみのように高カロリー物(ビニール、プラスチック製品、紙ごみ等)が偏って混入しており、しかも何時炉内に投入されるか予測ができない位に性状が著しく変化する焼却物では、無作為に発生する有害ガスの抑制が困難であり、例えばビニール、プラスチック製品等の高温で燃焼するごみが投入されると、これらの燃焼には過剰すぎる流動化空気によって、一時的に高温な燃焼となり、NOXが多量に発生する。
【0003】
また、同じく燃焼初期の空気量としては過剰すぎる流動化空気により、これらが早い燃焼速度で一気に燃え上がるため、多量に発生したCOが早い空塔速度により炉外へ排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、流動床燃焼という一形態の燃焼方法しか行うことができないため、性状が著しく変化するような焼却物の燃焼においては、無作為に投入される高カロリーで揮発分の多い合成樹脂、油脂類の焼却に対して、それらが燃焼するための空気としては多すぎる流動化空気により早い燃焼速度で瞬時に燃焼し、一時的に高濃度のNOX,COといった有害ガスが発生する。
【0005】
本発明の目的は、燃焼状態、焼却物の投入量の変動に起因する有害ガスの発生を抑制することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、流動層には流動化空気を供給し、流動層の上方には燃焼用二次空気を供給し、燃焼状態を示す状態量と炉内に投入される焼却物の投入量とを検出して、その検出結果に基づいて流動化空気と燃焼用二次空気の供給を制御して前記焼却物を燃焼する流動床式焼却炉の燃焼方法において、焼却物の投入量の増加率と増加量との双方が予め設定された値よりも大きいとき、流動化空気の供給を制御して流動層の流動を停止させ、流動層燃焼からおき燃焼に切り替えることにより、達成される。
【0007】
上記の目的はまた、燃焼状態、焼却物の投入状態を、火炎の輝度・ガス量・ガス濃度・炉内圧力・炉内温度・焼却物の投入量・落下速度・大きさ等の状態量として検知する投入量検出手段、状態量検出手段と、これら投入量検出手段、状態量検出手段の出力に基づいて、ごみの投入量が一時的に増加した場合、先行して、あるいは追従して炉内への流動化空気をダンパー等にて、おき燃焼用の多段燃焼用空気ノズルへ切り替え、流動を数秒乃至数分停止し、流動層燃焼からおき燃焼に一時的に切り替える制御手段とを設けた流動床式焼却炉により達成される。
【0008】
流動化空気の供給量を零として、多段燃焼用空気ノズルから燃焼用空気を供給することにより、燃焼形態は燃焼速度の比較的早い流動層燃焼から、おき燃焼、つまり多段燃焼に切り替わる。この切り替えにより、揮発分の多い合成樹脂はゆっくりした燃焼速度により燃焼され、温度上昇が抑制され瞬間的なCO,NOの発生が低減される。また、紙ごみ等も、流動層燃焼の場合に比べて燃焼速度が遅くなり、瞬間的に高温が発生するのが避けられる。
【0009】
【実施例】
本発明の実施例を図面により説明する。図1は、本発明が適用された都市ごみ焼却炉を示し、図示の焼却炉は、都市ごみを焼却する流動床焼却炉本体18と、この焼却炉本体18に投入シュート17を介して接続され該投入シュート17を通して焼却炉本体18に焼却物、つまり都市ごみを供給する給じん機16と、流動床焼却炉本体18に流動化空気及び多段燃焼用空気を供給する空気供給系と、この空気供給系を制御する制御装置と、を含んで構成されている。
【0010】
流動床焼却炉本体18は、その下部に流動化空気を取り入れる複数の流動化空気ノズル24を備え、流動層部分の上方におき燃焼のための複数の多段燃焼空気ノズル14を備えている。
【0011】
空気供給系は、送風機19と、この送風機19の空気吐出口に接続され下流側が二つに分岐した送風機吐出ダクト20と、送風機吐出ダクト20の二つの下流端それぞれに接続された切り替えダンパ15A,15Bと、切り替えダンパ15Bの出側と焼却炉本体18の流動化空気ノズル24を流動化空気制御ダンパ12を介して接続する流動化空気供給ダクト21と、切り替えダンパ15Aの出側と焼却炉本体18の多段空気燃焼ノズル14を多段燃焼空気制御ダンパ13を介して接続する多段燃焼空気供給ダクト22と、を含んで構成されている。
【0012】
また、制御装置は、投入量検出手段と、状態量検出手段と、制御手段とを含んで構成されている。投入量検出手段は、投入シュート17に装着されて投入シュート17を通過する焼却物の影(大きさ)と通過速度を検出して出力する給じんセンサ1と、給じんセンサ1の出力を入力としてごみの投入量を算出、出力する演算装置2と、を含んで構成されている。
【0013】
状態量検出手段は、流動層内温度を検出、出力する層内温度計3と、炉内圧力を検出、出力する炉内圧力計4と、炉内温度を検出、出力する炉内温度計5と、炉出口酸素濃度を計測、出力する酸素濃度計6と、NOXの発生量を検出、出力する窒素酸化物濃度計7と、SOXの発生量を検出、出力する硫黄酸化物濃度計8と、COの発生量を検出、出力する一酸化炭素濃度計9と、火炎の輝度を検出するフレームディテクタ10と、を含んで構成されている。層内温度計3,炉内圧力計4,炉内温度計5及びフレームディテクタ10は焼却炉本体18に装着されているが、酸素濃度計6,窒素酸化物濃度計7,硫黄酸化物濃度計8,一酸化炭素濃度計9は、焼却炉本体18から燃焼排ガスを抜き出す排気ダクト23に装着されている。
【0014】
制御手段は、前記演算装置2,層内温度計3,炉内圧力計4,炉内温度計5,酸素濃度計6,窒素酸化物濃度計7,硫黄酸化物濃度計8,一酸化炭素濃度計9,フレームディテクタ10の出力を入力として、流動化空気制御ダンパ12,多段燃焼空気制御ダンパ13,切り替えダンパ15A,15Bの動作を制御する判別装置11と、を含んで構成されている。
【0015】
以下上記構成の設備の動作を説明する。給じん機16から送り出されたごみは、投入シュート17を通り、焼却炉本体18へ投入される。このとき投入シュート17の壁面に設置された給じんセンサ1によりごみの影(大きさ)と通過速度を検出し、そのデータを演算装置2に入力する。演算装置2は、入力された前記データに基づいてごみの投入量を算出し、得られた投入量を判別装置11に出力する。
【0016】
同様に、層内温度計3にて流動層内温度を、炉内圧力計4にて焼却炉炉内圧力を、炉内温度計5にて焼却炉炉内温度を、酸素濃度計6により焼却炉出口酸素濃度を、窒素酸化物濃度計7にて焼却炉におけるNOXの発生量を、硫黄酸化物濃度計8にて焼却炉におけるSOXの発生量を、一酸化炭素濃度計9により焼却炉におけるCOの発生量を、フレームディテクタ10により火炎の輝度を、それぞれ検出して判別装置11に取り込む。判別装置11は、予めプログラミングされたそれらのデータできまる条件に基づいて流動層燃焼またはおき燃焼を選択し、切り替えダンパ15A,15Bを制御して流動化空気供給ダクト21または、おき燃焼用の多段燃焼空気供給ダクト22のどちらかに空気を送りこむ。さらに、おき燃焼または流動層燃焼開始後も各センサからの検出信号を判別装置11に取り込み、判別装置11にてそのときの最適な燃焼空気量の調節と空気配分をそれぞれ流動化空気制御ダンパ12または多段燃焼空気制御ダンパ13をコントロールすることにより行う。
【0017】
前記演算装置2や各センサの出力が予め設定された複数の領域のどの領域に属するかが判別装置によって判定され、それによって流動層燃焼かおき燃焼かが選択されて空気供給系が制御される。通常の状態では流動層燃焼が選択されるが、流動層燃焼が選択された場合、当然切り替えダンパ15Bが開かれ、さらに流動化空気制御ダンパ12が開かれて流動化空気が焼却炉本体18に供給されるが、層内温度計3,炉内圧力計4,炉内温度計5,酸素濃度計6,窒素酸化物濃度計7,硫黄酸化物濃度計8,一酸化炭素濃度計9,フレームディテクタ10の各出力値が、予め設定された複数の領域のどの領域に属するかによって、流動化空気制御ダンパ12の開度や、切り替えダンパ15Aの開度、多段燃焼空気制御ダンパ13の開度が判別装置によって設定される。
【0018】
また、流動層燃焼中に、ごみの投入量が予め設定された増加率と増加量をともに超えて増加した場合はおき燃焼が選択される。おき燃焼が選択された場合、切り替えダンパ15Aが開かれ、さらに多段燃焼空気制御ダンパ13が開かれて多段燃焼空気ノズル14に空気が供給され、切り替えダンパ15Bが閉じられる。これによって流動媒体の流動が停止し、ごみは多段燃焼空気ノズル14を経て供給される空気により、静止した流動媒体上でおき燃焼状態(流動しない状態)で焼却される。おき燃焼が選択されるのは、例えばごみ供給量が、予め設定された増加率と増加量を超えて一時的に増加した場合などであり、このような場合にごみにおき燃焼を行わせることにより急激に燃焼が進行したり、有害ガスが発生したりするのが防がれる。おき燃焼は、ごみの投入量が急に増加した場合やごみがかたまって一時にどさっと投入されたような場合に対処するもので、長時間に亘って継続されることはない。ごみの供給量が予め設定された値よりも多い状態が継続する場合、給じん機が供給量を減らすか、もしくは流動化空気及びまたは二次燃焼空気(多段燃焼空気ノズルから供給される空気)を増加するように制御されるから、おき燃焼の選択が長時間継続する必要はなく、おき燃焼が継続する時間は、数秒乃至数分、長くても10分以下程度でよい。この時間の長さは、判別装置11に内装されたタイマー(図示せず)により設定される。
【0019】
図2に流動層燃焼とおき燃焼が切り替えられる場合の制御手順の例を示す。
【0020】
図1に示す実施例では、流動化空気供給ダクト21には、環状の流動化空気ヘッダ25が設けられており、個々の流動化空気ノズル24は流動化空気ヘッダ25に流動化空気ヘッダ配管26を介して接続されている。各流動化空気ヘッダ配管26に止め弁を設け、この止め弁の開度を判別装置11の出力に基づいて調節するようにすれば、焼却物の一部は流動床燃焼させ、他の部分ではおき燃焼をさせるようにすることができる。この方法は、投入されるごみの性状に差があり、特定の性状のごみが常に炉の特定の場所に堆積するような場合に効果的である。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、ごみの投入量、燃焼状態に適した燃焼形態(流動層燃焼とおき燃焼のいずれか、もしくは両者を複合した燃焼)を選択でき、給じん量、発熱量の変動が大きい都市ごみ等の焼却処理時に発生するCO,NOX,SOX等の有害ガスの発生が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す焼却設備の概念図である。
【図2】本発明に係る焼却炉の制御方法の実施例を示す手順図である。
【符号の説明】
1 給じんセンサ 2 演算装置
3 層内温度計 4 炉内圧力計
5 炉内温度計 6 酸素濃度計
7 窒素酸化物濃度計 8 硫黄酸化物濃度計
9 一酸化炭素濃度計 10 フレームディテクタ
11 判別装置 12 流動化空気制御ダンパ
13 多段燃焼空気制御ダンパ 14 多段燃焼空気ノズル
15A,15B 切り替えダンパ 16 給じん機
17 投入シュート 18 焼却炉本体
19 送風機 20 送風機吐出ダクト
21 流動化空気供給ダクト 22 多段燃焼空気供給ダクト
23 排気ダクト 24 流動化空気ノズル
25 流動化空気ヘッダ 26 流動化空気ヘッダ配管

Claims (5)

  1. 流動層には流動化空気を供給し、前記流動層の上方には燃焼用二次空気を供給し、燃焼状態を示す状態量と炉内に投入される焼却物の投入量とを検出して、その検出結果に基づいて前記流動化空気と前記燃焼用二次空気の供給を制御して前記焼却物を燃焼する流動床式焼却炉の燃焼方法において、前記焼却物の投入量の増加率と増加量との双方が予め設定された値よりも大きいとき、前記流動化空気の供給を制御して前記流動層の流動を停止させ、前記流動層燃焼からおき燃焼に切り替えることを特徴とする流動床式焼却炉の燃焼方法。
  2. 前記流動層の流動を停止させる期間が10分を超えないことを特徴とする請求項に記載の流動床式焼却炉の燃焼方法。
  3. 流動層には流動化空気ダクトから流動化空気ヘッダを介して流動化空気を供給し、前記流動層の上方には燃焼用二次空気を供給し、燃焼状態を示す状態量と炉内に投入される焼却物の投入量とを検出して、その検出結果に基づいて前記流動化空気と前記燃焼用二次空気の供給を制御して前記焼却物を燃焼する流動床式焼却炉の燃焼方法において、前記流動層に前記流動化空気を供給する複数の流動化空気ノズルは、前記流動化空気ヘッダに接続される複数の流動化空気配管に設けられ、前記検出結果に基づいて、前記流動化空気配管に設けられる止め弁の開度を調節して、前記焼却物の一部は流動床燃焼させ、他の部分はおき燃焼させることを特徴とする流動床式焼却炉の燃焼方法
  4. 流動層に流動媒体を流動化させる空気を供給する流動化空気供給ダクトと、流動層に燃焼用二次空気を供給する燃焼用二次空気ダクトと、焼却炉に投入シュートを介して焼却物を投入する給じん機と、前記投入シュートに設置されて焼却物の投入量を検出する投入量検出手段と、前記焼却物の燃焼状態を示す複数の状態量を検出する状態量検出手段と、前記投入量検出手段の出力及び前記状態量検出手段の出力を入力して前記流動化空気供給ダクト及び前記燃焼用二次空気ダクトに供給する空気量を制御する制御手段と、を有してなる流動床式焼却炉において、前記制御手段は、前記投入量検出手段の出力の変化率及び変化量の双方が、予め設定された値よりも大きいとき、前記流動化空気供給ダクトに設けたダンパを閉とすることを特徴とする流動床式焼却炉。
  5. 前記状態量検出手段は、少なくとも、流動層内温度、炉内圧力、炉内温度、炉出口酸素濃度、NOの発生量、SOの発生量、COの発生量、及び火炎の輝度検出手段であることを特徴とする請求項4に記載の流動床式焼却炉。
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