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JP3622541B2 - 導電性ロール - Google Patents
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JP3622541B2 - 導電性ロール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置に用いられる導電性ロールとしては、現像ロール、帯電ロール、転写ロール等があげられる。この導電性ロールの一例としては、軸体の外周面に最内層が形成され、その外周面に中間層が形成され、さらにその外周面に表層が形成された3層構造のものがあげられる。そして、上記表層形成材料としては、従来より、シリコーングラフトアクリル系ポリマーを主成分とする導電性組成物が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記シリコーングラフトアクリル系ポリマーは、図5に示すように、直鎖状のアクリル系ポリマー主鎖51にシリコーンがグラフト重合して形成され、アクリル系ポリマー主鎖51と、シリコーンマクロモノマー52からなる側鎖とを備えている。そして、シリコーンは表面エネルギーが小さいことから、シリコーンマクロモノマー52は、表面側に、いわば起立した状態で偏在分布している。そのため、上記シリコーングラフトアクリル系ポリマーを用いて形成された導電性ロールは、帯電性の高いシリコーンが表層表面に高濃度で分布しており、表層表面に出るSi元素量が多く、その制御が困難である。その結果、上記導電性ロールは、初期には帯電性が高いが、そのためにトナーやトナー外添剤のシリカに電荷が蓄積し、トナーフィルミングが発生して、耐久時の帯電性の低下が著しい等の難点がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、初期帯電性が良好で、耐久時の帯電性を維持することができ、トナーフィルミング性に優れた導電性ロールの提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の導電性ロールは、軸体の外周面に少なくとも一つの層が形成された導電性ロールであって、その表層が、下記の(A)と(B)とを構成成分とするブロック共重合体を必須成分とする導電性組成物を用いて形成されているという構成をとる。
(A)分子構造中にアゾ基をもつシリコーンポリマーから誘導される構造単位。
(B)アクリル系単量体から誘導される構造単位。
【0006】
なお、本発明において、導電性ロールの表層とは、導電性ロールが単層構造の場合はその層をいい、導電性ロールが2層以上の構造の場合はその最外層をいう。
【0007】
すなわち、本発明者らは、導電性ロールの表層形成材料である導電性組成物について研究した結果、導電性組成物の主成分として用いられるシリコーングラフトアクリル系ポリマーに着目し、これに代わるポリマーを求めて鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、分子構造中にアゾ基をもつシリコーンポリマーから誘導される構造単位(A)と、アクリル系単量体から誘導される構造単位(B)を構成成分とするブロック共重合体を用いると好結果が得られるのではないかと想起した。そして、さらに研究を重ねた結果、上記ブロック共重合体は、図6に示すように、構造単位(A)と構造単位(B)が直鎖状に連結したブロック構造であり、シリコーン側鎖を有しないため、前記シリコーングラフトアクリル系ポリマーに比べて、表面に出るSi元素量が少なく、かつ、その制御が容易であることを突き止め、これを応用した。その結果、上記特定のブロック共重合体を必須成分とする導電性組成物を用いて導電性ロールの表層を形成すると、表層表面に出るSi元素量を適正に制御することができ、初期帯電性が良好で、耐久時の帯電性を維持することができ、トナーフィルミング性に優れた導電性ロールが得られることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
また、イオン性セグメントを構成成分とするブロック共重合体を含有する導電性組成物を用いてなる導電性ロールは、電圧印加中(印字中)や耐久複写後の残留電荷を小さくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0010】
本発明の導電性ロールに用いる導電性組成物は、分子構造中にアゾ基をもつシリコーンポリマーから誘導される構造単位(A)と、アクリル系単量体から誘導される構造単位(B)とを構成成分とするブロック共重合体を必須成分とするものである。
【0011】
本発明において、上記ブロック共重合体を必須成分とするとは、上記ブロック共重合体が導電性組成物中に含有されていればよく、例えば、導電性組成物中に少なくとも5重量%含有されていることをいう。上記ブロック共重合体の含有割合は、通常、導電性組成物全体の10〜100重量%の範囲に設定され、より好ましくは50〜99重量%である。
【0012】
上記分子構造中にアゾ基をもつシリコーンポリマー(以下「アゾ基含有シリコーンポリマー」という)としては、特に限定するものではなく、例えば、下記の一般式(1)で表されるものがあげられる。
【0013】
【化1】
【0014】
上記一般式(1)において、R1 〜R3 で表される低級アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基があげられ、これらは直鎖状、分枝状または環状のいずれでもあってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert- ブチル基、sec-ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert- ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等があげられる。また、A1 で表される酸素原子を有していてもよい低級アルキレン基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキレン基があげられ、これらは直鎖状または分枝状のいずれでもあってもよく、また、酸素原子を介している場合には、上記低級アルキレン基の末端または鎖中の任意の位置に−O−基を1個以上、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個有しているものがあげられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、2−メチルプロピレン基、ペンチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−エチルプロピレン基、ヘキシレン基、−O−CH2 −基、−O−CH2 CH2 −基、−CH2 −O−CH2 −基、−CH2 CH2 −O−CH2 −基、−CH2 CH2 −O−CH2 CH2 −基、−CH2 CH2 −O−CH2 CH2 −O−CH2 CH2 −基等があげられる。さらに、A2 で表される酸素原子および芳香環の少なくとも一方を有していてもよい低級アルキレン基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基があげられ、これらは直鎖状、分枝状または環状のいずれであってもよく、また、酸素原子を有している場合には、上記低級アルキレン基の末端または鎖中の任意の位置に−O−基を1個以上、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個有しているものがあげられ、さらに芳香環を有している場合には、上記低級アルキレン基の末端または鎖中の任意の位置に、例えば、フェニレン基、ジフェニレン基等の芳香環を有しているものがあげられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、2−メチルプロピレン基、ペンチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−エチルプロピレン基、ヘキシレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、−CH2 −C6 4 −基、o−キシレン−α,α′−ジイル基、−O−CH2 −基、−O−CH2 CH2 −基、−CH2 −O−CH2 −基、−CH2 CH2 −O−CH2 −基、−CH2 CH2 −O−CH2 CH2 −基、−CH2 CH2 −O−CH2 CH2 −O−CH2 CH2 −基、−CH2 −O−C6 4 −基等があげられる。
【0015】
前記アゾ基含有シリコーンポリマーの平均分子量としては、平均分子量が小さすぎると、必然的にアゾ基の数が少ないものが多く存在することになり、ブロック共重合体の生成効率が低下して本来の機能を示さなくなり、逆に平均分子量が大きすぎると、ブロック共重合体の製造に時間を要するばかりでなく、化合物の溶媒に対する溶解性が低下し、溶液の粘性も増加するため低濃度で共重合反応を行う必要があり、アクリル系単量体との重合率が低下する等の欠点を生じるため、数平均分子量として、通常、3000〜20万、好ましくは8000〜15万の範囲のものが用いられる。
【0016】
上記アゾ基含有シリコーンポリマーは、例えば、特開平4−372675号公報に記載の方法に従って容易に製造することができる。すなわち、下記の一般式(2)で表されるポリシロキサンセグメントを有するジアミンまたはジオール化合物と、下記の一般式(3)で表されるアゾ基含有二塩基酸ジハライドとを適当な溶媒中、塩基性触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
上記一般式(3)において、Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素等があげられる。
【0020】
また、上記アゾ基含有シリコーンポリマーは、例えば、特開平6−93100号公報、特開平6−322089号公報等に記載の方法に従って製造することもできる。すなわち、上記一般式(2)で表されるポリシロキサンセグメントを有するジアミンまたはジオール化合物と、下記の一般式(4)で表されるアゾ基含有二塩基酸とを適当な溶媒中、塩基性触媒の存在下、脱水剤を用いて反応させることによっても得ることができる。
【0021】
【化4】
【0022】
上記塩基性触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリ−n−ブチルアミン、N−メチルモルホリン等の有機アミン類、水素化ナトリウム等の金属水素化物類、n−ブチルリチウム、tert- ブチルリチウム等の塩基性アルカリ金属化合物類等があげられる。
【0023】
本発明において、前記アクリル系単量体とは、アクリル酸およびその誘導体のみならず、メタクリル酸およびその誘導体も含める趣旨である。このようなアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル(nBA)、アクリル酸イソブチル(iBA)、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2,2−ジメチルプロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、アクリル酸2−ナフチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸4−メトキシフェニル、アクリル酸2−メトキシカルボニルフェニル、アクリル酸2−エトキシカルボニルフェニル、アクリル酸2−クロロフェニル、アクリル酸4−クロロフェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−シアノベンジル、アクリル酸4−シアノフェニル、アクリル酸p−トリル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸3−オキサブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル(nBMA)、メタクリル酸イソブチル(iBMA)、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2,2−ジメチルプロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−tert−ブチルフェニル、メタクリル酸2−ナフチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸4−メトキシフェニル、メタクリル酸2−メトキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2−エトキシカルボニルフェニル、メタクリル酸2−クロロフェニル、メタクリル酸4−クロロフェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−シアノベンジル、メタクリル酸4−シアノフェニル、メタクリル酸p−トリル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸3−オキサブチル、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリルアミド(AA)、ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、4−カルボキシフェニルメタクリルアミド、4−メトキシカルボキシフェニルメタクリルアミド、メチルクロロアクリレート、エチル−α−クロロアクリレート、プロピル−α−クロロアクリレート、イソプロピル−α−クロロアクリレート、メチル−α−フルオロアクリレート、ブチル−α−ブトキシカルボニルメタクリレート、ブチル−α−シアノアクリレート、メチル−α−フェニルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等があげられる。そして、これらアクリル系単量体の1種が重合または2種以上が共重合することにより、前記アクリル系単量体から誘導される構造単位(B)が構成される。
【0024】
そして、前記アゾ基含有シリコーンポリマーから誘導される構造単位(A)と、アクリル系単量体から誘導される構造単位(B)とを構成成分とするブロック共重合体は、例えば、前記一般式(1)で表されるアゾ基含有シリコーンポリマーを重合開始剤とし、前記アクリル系単量体を重合させることにより得ることができる。
【0025】
上記アゾ基含有シリコーンポリマー(a)とアクリル系単量体(b)との配合割合は、重量比で、(a)/(b)=5/95〜60/40の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは(a)/(b)=10/90〜40/60である。すなわち、アゾ基含有シリコーンポリマー(a)が5未満である〔アクリル系単量体(b)が95を超える〕と、相対的にアクリル系単量体(b)の含有量が増加しすぎて、シリコーンのもつ低表面エネルギー性、トナー帯電性が減少し、逆に、アゾ基含有シリコーンポリマー(a)が60を超える〔アクリル系単量体(b)が40未満である〕と、相対的にアクリル系単量体(b)の含有量が減少しすぎて、アクリルのもつ強度、除電性が減少しすぎるからである。
【0026】
上記重合法としては、特に限定するものではなく、例えば、溶液重合法、バルク重合法、懸濁重合法、乳化重合法等があげられる。また、重合温度は、特に限定されるものではないが、低すぎるとアゾ基の分解が少ないため重合の進行が遅くなり、高すぎるとアゾ基の分解が多くなり重合の制御が困難となるため、通常、20〜150℃、好ましくは60〜130℃の範囲から適宜選択される。重合時間は、重合温度や、重合に用いるアゾ基含有シリコーンポリマーおよびアクリル系単量体の種類や濃度等により異なるが、通常、3〜100時間、好ましくは5〜10時間である。なお、重合反応を行う際に、必要に応じて連鎖移動剤を添加し、分子量の調製を行ってもよい。上記連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルメルカプタン、2−メチルカプトエタノール、チオグリコール酸ブチル等があげられる。
【0027】
このようにして得られる特定のブロック共重合体は、数平均分子量(Mn)が10,000〜100,000の範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは20,000〜70,000である。また、重量平均分子量(Mw)は10,000〜300,000の範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは20,000〜100,000である。
【0028】
また、上記特定のブロック共重合体において、アクリル系単量体から誘導される各構造単位(以下「アクリル系ポリマー部分」という)のガラス転移温度(Tg)は、−30〜30℃の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは−15〜15℃である。すなわち、上記アクリル系ポリマー部分のガラス転移温度が−30℃未満であると、粘着性や摩擦係数が大きくなるためトナーフィルミングが生じ、複写画像が悪くなり、30℃を越えると、ブロック共重合体が硬くなりすぎ、スタート時にロールが円滑に回転しなかったり、クリック音が発生する等の問題が生じるからである。
【0029】
上記アクリル系ポリマー部分のガラス転移温度(Tg)の設定は、下記のFox式に従い、各アクリル系単量体の重量比率を設定することにより行うことができる。なお、上記ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定)または動的粘弾性のtanδピークにより測定することができる。
【0030】
【数1】
1/Tg=(W1 /Tg1 )+(W2 /Tg2 )+…+(Wm /Tgm
1 +W2 +…+Wm =1
〔式中、Tgはアクリル系ポリマー部分のガラス転移温度を表し、Tg1 ,Tg2 ,…,Tgm は各アクリル系単量体のガラス転移温度を表す。また、W1 ,W2 ,…,Wm は各アクリル系単量体の重量比率を表す。〕
【0031】
なお、前記特定のブロック共重合体は、構成成分としてさらにイオン性セグメントを有するものが好ましい。上記イオン性セグメントとしては、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基および第三級アミノ基またはこれらの塩が用いられる。
【0032】
前記特定のブロック共重合体にイオン性セグメントを導入するためには、イオン性セグメントを有するイオン性化合物が用いられる。また、上記イオン性セグメントが塩を示す場合は、イオン性セグメントの導入前または導入後に、スルホン酸基、カルボキシル基を各種塩基で中和したり、第三級アミノ基に各種の酸を付加するかまたは第三級アミノ基を各種のハロゲン化物やスルホン酸エステル等で第四級アンモニウム塩に変換することができる。
【0033】
上記スルホン基を有するイオン性化合物としては、例えば、スチレンスルホン酸等のベンゼンスルホン酸化合物、スルホエチルメタクリレート、メタリルスルホン酸等またはこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩,カリウム塩等),アンモニウム塩等があげられる。
【0034】
前記カルボキシル基を有するイオン性化合物としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、ビニルスルホン酸等またはこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩,カリウム塩等),アンモニウム塩等があげられる。
【0035】
前記第三級アミノ基を有するイオン性化合物としては、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート等またはこれらの塩酸,臭酸,硫酸,リン酸等の鉱酸や各種有機酸の付加塩等があげられる。
【0036】
前記第四級アンモニウム塩は、塩化メチル,塩化エチル,塩化プロピル,塩化ブチル,塩化ヘキシル,塩化ドデシル,塩化ヘキサデシル,塩化オクタデシル,クロロシクロヘキサン,クロロベンゼン,クロロトルエン,塩化ベンジル等、あるいはこれらの臭化物,沃化物等のハロゲン化物や、メタンスルホン酸メチル,ベンゼンスルホン酸メチル,p−トルエンスルホン酸メチル,アセトンジスルホン酸ジメチル等、あるいはこれらのエチルエステル,プロピルエステル,ブチルエステル,ヘキシルエステル,ヘプチルエステル,オクチルエステル,2−メトキシエチルエステル,フェニルエステル等のスルホン酸エステル等で、上記第三級アミノ基を四級化することにより得られる。もちろん、第一級,第二級アミン等の別の含窒素化合物から公知の方法により第四級アンモウニム塩を得ることもできる。上記第四級アンモニウム塩としては、具体的には、ジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル,ジメチル硫酸,塩化ベンジル等による第四級アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩基含有アクリレート共重合体、第四級アンモニウム塩基含有メタクリレート共重合体、第四級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体、第四級アンモニウム塩基含有メタクリルイミド共重合体等があげられる。
【0037】
本発明に係る導電性組成物には、前記特定のブロック共重合体に加えて、導電剤やイソシアネート系硬化剤を配合することが好ましい。上記導電剤は、特に限定するものではなく、c−TiO2 、c−ZnO、導電性カーボン、c−SnO2 、酸化鉄、グラファイト等の無機顔料タイプの導電剤が好ましく、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なお、上記「c−」は、導電性を有するという意味である。また、上記イソシアネート系硬化剤としては、ポリイソシアネートと、ブロック剤とを反応させることにより得られるものがあげられる。
【0038】
上記ポリイソシアネートとしては、特に限定するものではないが、高温時において揮発性のないものが好ましい。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、カルボジイミド変性MDI、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、クルードMDI等のイソシアネート化合物があげられる。また、これらイソシアネート化合物のアダクト体やビューレット体を用いることができる。さらに、これらイソシアネート化合物を用い、触媒の存在下で反応させて得られるイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート体を用いることができる。なかでも、常温下において非常に安定であり、オーバーベーク時に黄変を生じない点から、イソシアヌレート体が好ましい。
【0039】
上記ブロック剤としては、イソシアネート基をブロックできるものであって、ブロック後加熱することによりブロックが外れるという性質を有するものであれば特に限定するものではないが、揮発性のものであって、活性水素基含有化合物が好ましい。具体的には、2−エチルヘキサノール等のアルコール類や、フェノール、クレゾール、イソノニルフェノール等のフェノール類や、ε−カプロラクタムや、メチルエチルケトキシム等のオキシム類や、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン化合物類があげられる。
【0040】
なお、本発明に係る導電性組成物には、帯電制御剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、補強剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、難燃剤、オイル等を必要に応じて配合することも可能である。上記帯電制御剤としては、従来から用いられている四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、アジン系(ニグロシン系)化合物、アゾ化合物、オキシナフトエ酸金属錯体、界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系)等があげられる。
【0041】
本発明に係る導電性組成物は、例えば、前記方法に従って得たブロック共重合体に、導電剤やイソシアネート系硬化剤、その他の成分を加えたものを、サンドミル等で分散することにより得ることができる。
【0042】
本発明に係る導電性組成物は、導電性ロールの表層形成材料として最適に用いられる。そして、導電性ロールとして最適な物性を得るためには、アクリル系ポリマー部分のガラス転移温度が特定の範囲に設定され、かつ、アゾ基含有シリコーンポリマー(a)とアクリル系単量体(b)とを特定の割合で重合して得られたブロック共重合体を必須成分として用い、さらに硬化剤としてイソシアネート系硬化剤を含有する導電性組成物を用いることが好ましい。
【0043】
つぎに、本発明に係る導電性組成物を用いた導電性ロールの一例を図1に示す。この導電性ロールは、軸体1の外周面に沿って最内層2が形成され、その外周面に中間層3が形成され、さらにその外周面に表層4が形成されて構成されている。そして、本発明の導電性ロールは、上記表層4が特定の導電性組成物によって形成されていることが最大の特徴である。
【0044】
上記軸体1は特に限定するものではなく、例えば金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、その材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッキを施したもの等があげられる。また、必要に応じ軸体1上に接着剤、プライマー等を塗布することができる。なお、接着剤、プライマー等は必要に応じて導電化してもよい。
【0045】
前記最内層2形成材料としては、特に制限はなく、例えばシリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリウレタン系エラストマー等があげられる。なかでも、低硬度でへたりが少ないという点から、シリコーンゴムが特に好ましい。なお、最内層2形成材料としてシリコーンゴムを用いた場合には、シリコーンゴム表面をコロナ放電、プラズマ放電等により活性化させる工程や、さらにその後、プライマーを塗布する工程を行ってもよい。
【0046】
上記最内層2形成材料には導電剤を適宜に添加してもよい。上記導電剤としては、従来から用いられているカーボンブラック、グラファイト、チタン酸カリウム、酸化鉄、c−TiO2 、c−ZnO、c−SnO2 、イオン導電剤(四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)等があげられる。
【0047】
前記中間層3形成材料としては、特に制限はなく、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム)(以下「NBR」と略す)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化ニトリルゴム)(以下「H−NBR」と略す)、ポリウレタン系エラストマー、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)等があげられる。なかでも、接着性およびコーティング液の安定性の点から、H−NBRが特に好ましい。
【0048】
上記中間層3形成材料には、導電剤、硫黄等の加硫剤、グアニジン、チアゾール、スルフェンアミド、ジチオカルバミン酸塩、チウラム等の加硫促進剤、ステアリン酸、亜鉛華(ZnO)、軟化剤等を適宜に添加してもよい。なお、導電剤としては、前記と同様のものが用いられる。
【0049】
そして、本発明の導電性ロールは、例えばつぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、前記最内層2形成材料用の各成分をニーダー等の混練機を用いて混練し、最内層2形成材料を調製する。また、前記中間層3形成材料用の各成分をロール等の混練機を用いて混練し、この混合物に前記有機溶剤を加えて混合、攪拌することにより、中間層3形成材料(コーティング液)を調製する。さらに、前記表層4形成材料である導電性組成物を、先に述べた方法に従い調製する。
【0050】
つぎに、図2に示すように、軸体1を準備し、その外周面に必要に応じて接着剤、プライマー等を塗布した後、下蓋5を外嵌した円筒型6内に上記軸体1をセットする。つぎに、前記最内層2形成材料を注型等した後、上記円筒型6に上蓋7を外嵌する。ついで、上記ロール型全体を加熱して上記最内層2形成材料を加硫し(150〜220℃×30分)、最内層2を形成する。続いて、この最内層2が形成された軸体1を脱型し、必要に応じ反応を完結させる(200℃×4時間)。ついで、必要に応じロール表面にコロナ放電処理を行う。さらに必要に応じロール表面にカップリング剤の塗布を行う。そして、上記最内層2の外周に中間層3形成材料となるコーティング液を塗布し、もしくは上記最内層2形成済みのロールを前記コーティング液中に浸漬して引き上げた後、乾燥および加熱処理を行うことにより、最内層2の外周に中間層3を形成する。さらに、上記中間層3の外周に表層4形成材料となる導電性組成物(コーティング液)を塗布し、もしくは上記中間層3形成済みのロールを前記導電性組成物(コーティング液)中に浸漬して引き上げた後、乾燥および加熱処理を行うことにより、中間層3の外周に表層4を形成する。上記コーティング液の塗布方法は、特に制限するものではなく、従来公知のディッピング法、スプレーコーティング法、ロールコート法等があげられる。このようにして、軸体1の外周面に沿って最内層2が形成され、その外周に中間層3が形成され、さらにその外周に表層4が形成された導電性ロールを作製することができる。
【0051】
本発明の導電性ロールにおける各層の厚みは、導電性ロールの用途に応じて適宜に決定される。例えば、現像ロールとして用いる場合、最内層の厚みは、通常0.5〜10mmであり、中間層の厚みは、通常1〜90μmである。そして、表層の厚みは3〜100μmが好ましく、特に好ましくは5〜50μmである。
【0052】
本発明の導電性ロールの硬度(JIS A)は、70Hs以下が好ましく、特に好ましくは60Hs以下である。
【0053】
本発明の導電性ロールは、現像ロールに好適であるが、必ずしも現像ロールに限定するものではなく、帯電ロール、転写ロール等にも適用することができる。なお、本発明の導電性ロールは、3層構造に限定されるものではなく、適宜の数の層が形成される。ただし、必ず表層(単層の場合にはその層)が上記特殊な導電性組成物によって形成されていなければならない。
【0054】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0055】
【実施例1】
〔最内層〕
まず、下蓋を外嵌した円筒状金型の中空部に軸体となる芯金(直径10mm、SUS304製)をセットした後、上記円筒状金型と軸体との空隙部に、最内層形成材料である導電性シリコーンゴム(X34−264 A/B、信越化学工業社製)を注型し、上蓋を外嵌した。そして、円筒状金型ごとオーブンに入れ加熱加硫し、その後脱型して、最内層付き軸体(ベースロール)を製造した。この最内層の硬度は35Hs(JIS A)、電気抵抗は8×104 Ω・cm、厚みは10mmであった。なお、電気抵抗はJIS K 6911に準拠して測定した。
【0056】
〔中間層〕
まず、水素化ニトリルゴム(H−NBR)100重量部(以下「重量部」を「部」と略す)と、ステアリン酸0.5部と、亜鉛華(ZnO)5部と、カーボンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)40部と、硫黄1部と、加硫促進剤BZ1部と、加硫促進剤CZ2部とを有機溶剤に分散させて中間層形成用コーテイング液を調製した。ついで、この中間層形成用コーテイング液を前記最内層の外周面に塗布して中間層を形成した。なお、中間層のプレスシートの硬度は83Hs(JIS A)、電気抵抗は8×104 Ω・cm、ロール上の膜の厚みは10μmであった。
【0057】
〔最外層〕
まず、重合開始剤として、下記の一般式(5)で表されるアゾ基含有シリコーンポリマー(VPS−0501、和光純薬工業社製)を準備した。このアゾ基含有シリコーンポリマーの数平均分子量(Mn)は約3〜4万であり、ポリシロキサン部分の数平均分子量(Mn)は約5000である。
【0058】
【化5】
【0059】
ついで、上記アゾ基含有シリコーンポリマー30部と、Tg=105℃のメタクリル酸メチル(MMA)20.86部と、Tg=−55℃のアクリル酸n−ブチル(BA)43.12部と、Tg=55℃のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)6.02部とを、メチルイソブチルケトン(MIBK)溶液中、100℃×5時間還流し反応させ、ブロック共重合体(Mn=5万、Mw=8万)を得た。なお、アゾ基含有シリコーンポリマー(a)と、アクリル系単量体(b)との配合割合は、重量比で、(a)/(b)=30/70であり、アクリル系ポリマー部分のTgは−15℃であった。
【0060】
そして、上記ブロック共重合体100部に、イソシアネート系硬化剤(コロネート2507の固型分、日本ポリウレタン社製)13.8部と、導電剤(デンカブラック、電気化学工業社製)5部とを配合して導電性組成物(表層形成材料)を得た。この導電性組成物(表層形成材料)を前記中間層の外周面に塗布した後、180℃×1時間硬化させて表層を形成し、最内層、中間層および表層からなる3層構造の導電性ロールを作製した。なお、表層の電気抵抗は4×104 Ω・cm、厚みは20μmであった。また、表層表面から100Åの範囲をX線光電子分光法(ESCA)により分析した結果、Si元素の含有量は16atm%であった。なお、ESCA分析の条件は、X線入射角が30°で、X線種類がAlKα線で行った。
【0061】
【実施例2】
アゾ基含有シリコーンポリマー5部と、メタクリル酸メチル(MMA)30.1部と、アクリル酸n−ブチル(BA)58.88部と、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)6.02部とを用いて、実施例1と同様にして、シリコーン−アクリルブロック共重合体(Mn=5.5万、Mw=9.2万)を得た。なお、アゾ基含有シリコーンポリマー(a)と、アクリル系単量体(b)との配合割合は、重量比で、(a)/(b)=5/95であり、アクリル系ポリマー部分のTgは−15℃であった。
【0062】
そして、上記シリコーン−アクリルブロック共重合体を用いて、実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。なお、表層の電気抵抗は4×104 Ω・cm、厚みは20μm、Si元素の含有量は4.3atm%であった。
【0063】
【実施例3】
アゾ基含有シリコーンポリマー60部と、メタクリル酸メチル(MMA)9.88部と、アクリル酸n−ブチル(BA)24.1部と、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)6.02部とを用いて、実施例1と同様にして、シリコーン−アクリルブロック共重合体(Mn=7.8万、Mw=13.5万)を得た。なお、アゾ基含有シリコーンポリマー(a)と、アクリル系単量体(b)との配合割合は、重量比で、(a)/(b)=60/40であり、アクリル系ポリマー部分のTgは−15℃であった。
【0064】
そして、上記シリコーン−アクリルブロック共重合体を用いて、実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。なお、表層の電気抵抗は2×104 Ω・cm、厚みは20μm、Si元素の含有量は22atm%であった。
【0065】
【実施例4】
アゾ基含有シリコーンポリマー3部と、メタクリル酸メチル(MMA)30.78部と、アクリル酸n−ブチル(BA)60.24部と、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)6.02部とを用いて、実施例1と同様にして、シリコーン−アクリルブロック共重合体(Mn=6.8万、Mw=11.5万)を得た。なお、アゾ基含有シリコーンポリマー(a)と、アクリル系単量体(b)との配合割合は、重量比で、(a)/(b)=3/97であり、アクリル系ポリマー部分のTgは−15℃であった。
【0066】
そして、上記シリコーン−アクリルブロック共重合体を用いて、実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。なお、表層の電気抵抗は4×105 Ω・cm、厚みは20μm、Si元素の含有量は3.1atm%であった。
【0067】
【実施例5】
アゾ基含有シリコーンポリマー62部と、メタクリル酸メチル(MMA)9.12部と、アクリル酸n−ブチル(BA)22.83部と、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)6.02部とを用いて、実施例1と同様にして、シリコーン−アクリルブロック共重合体(Mn=7.8万、Mw=17万)を得た。なお、アゾ基含有シリコーンポリマー(a)と、アクリル系単量体(b)との配合割合は、重量比で、(a)/(b)=62/38であり、アクリル系ポリマー部分のTgは−15℃であった。
【0068】
そして、上記シリコーン−アクリルブロック共重合体を用いて、実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。なお、表層の電気抵抗は1×104 Ω・cm、厚みは20μm、Si元素の含有量は22.5atm%であった。
【0069】
【実施例6】
アゾ基含有シリコーンポリマー30部と、メタクリル酸メチル(MMA)20.36部と、アクリル酸n−ブチル(BA)43.12部と、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)6.02部と、スチレンスルホン酸ナトリウム0.5部とを用いて、実施例1と同様にして、シリコーン−アクリルブロック共重合体(Mn=7.1万、Mw=11.8万)を得た。なお、アゾ基含有シリコーンポリマー(a)と、アクリル系単量体(b)との配合割合は、重量比で、(a)/(b)=30/70であり、アクリル系ポリマー部分のTgは−15℃であった。
【0070】
そして、上記シリコーン−アクリルブロック共重合体を用いて、実施例1と同様にして、導電性ロールを作製した。なお、表層の電気抵抗は6×104 Ω・cm、厚みは20μm、Si元素の含有量は15.5atm%であった。
【0071】
【比較例】
下記の化学式(6)で表されるポリシロキサンを有するアクリル系単量体30部と、Tg=105℃のメタクリル酸メチル(MMA)20.86部と、Tg=−55℃のアクリル酸n−ブチル(BA)43.12部と、Tg=55℃のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)6.02部と、アゾ系重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5部とを、メチルイソブチルケトン(MIBK)溶液中、100℃×5時間還流し反応させ、シリコーングラフトアクリル系ポリマー(Mn=4.2万、Mw=12万)を得た。このシリコーングラフトアクリル系ポリマーを用いて、実施例1と同様にして導電性ロールを作製した。なお、表層の電気抵抗は7×104 Ω・cm、厚みは20μmであった。また、表層表面から100Åの範囲をX線光電子分光法(ESCA)により分析した結果、Si元素の含有量は24atm%であった。
【0072】
【化6】
【0073】
このようにして得られた実施例品および比較例品の導電性ロールを用いて、下記の基準に従い、引張応力(Mn )、伸び(Eb)、摩擦係数、トナー帯電性、複写画質およびトナーフィルミング性について比較評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に併せて示した。なお、引張応力(Mn )および伸び(Eb)は、JIS K 6301に準拠して測定した。
【0074】
〔摩擦係数〕
摩擦係数は、図3に示す静動摩擦係数計(協和界面科学社製)を用いて測定した。すなわち、導電性ロールを固定台22の上にセットし、移動速度0.3cm/秒、荷重100gの条件下で測定した。なお、図において、23は鋼球(直径3mm)、24は零点調整用天秤、25はロードセル、26は荷重(100g)を示す。
【0075】
〔トナー帯電性〕
導電性ロールを現像ロールとして電子写真プリンター(沖データ社製ML600CL)に組み込み、20℃×50%RHの条件下において帯電量を測定した。すなわち、図4に示すように、現像ロール30の表面上に現像剤(トナー)32層を形成し、吸引ポンプ33により現像剤32を吸引しファラデーケージ34により測定した(ファラデーケージ法)。なお、図において、35はフィルター、36は絶縁パイプ、37は電位計、38・39は導体で互いに分離している。
【0076】
〔複写画質〕
導電性ロールを現像ロールとして電子写真プリンター(沖データ社製ML600CL)に組み込み、20℃×50%RHの条件下において画像出しを行った。そして、複写初期、5千枚および1万枚複写後の複写画像の画質を目視により評価した。すなわち、文字を複写し、複写画像に問題がなく、細線が鮮明に複写されたものを○、かすれやかぶり等が発生したものを×として表示した。なお、かすれとは、細線がとぎれたものをいい、かぶりとはイメージのないところにトナーが飛んでいるものをいう。
【0077】
〔トナーフィルミング性〕
現像ロール表面に現像剤(トナー)が厚く付着した部分は、帯電性が悪くなり複写画像に不良を生じる。具体的には、現像ロール表面に現像剤の一部が1μm以上の厚みで付着すると画像が著しく悪化する。そこで、トナー付着の厚みが1μm以上であったものをトナーフィルミングが発生したものとした。そして、トナーフィルミングが発生したものを×、トナーフィルミングが発生しなかったものを○として表示した。また、1μm以下の厚みでフィルミングしており、画質の低下のないものを△として表示した。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
上記表1および表2の結果から、実施例品の導電性ロールは、比較例品の導電性ロールに比べて、初期のトナー帯電性が低く、初期帯電性が良好であることがわかる。また、実施例品の導電性ロールは、比較例品の導電性ロールに比べて、耐久時のトナー帯電性の低下が抑制されており、複写画質が良好で、トナーフィルミング性に優れていることがわかる。
【0081】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る導電性組成物は、アゾ基含有シリコーンポリマーから誘導される構造単位(A)と、アクリル系単量体から誘導される構造単位(B)とを構成成分とするブロック共重合体を必須成分とするものである。そして、このブロック共重合体は、構造単位(A)と構造単位(B)が直鎖状に連結したブロック構造であり、シリコーン側鎖を有しないため、前記シリコーングラフトアクリル系ポリマーに比べて、表面に出るSi元素量が少なく、かつ、その制御が容易である。そのため、上記特定のブロック共重合体を必須成分とする導電性組成物を用いた本発明の導電性ロールは、表層表面に出るSi元素量を適正に制御することができる。その結果、本発明の導電性ロールは、初期帯電性が良好で、耐久時の帯電性を維持することができ、トナーフィルミング性に優れている。
【0082】
また、上記ブロック共重合体は、アゾ基含有シリコーンポリマーを重合開始剤とし、アクリル系単量体を重合させることにより容易に得ることができる。しかも、上記ブロック共重合体は、重合率の上昇とともに分子量が増大するため、高分子量化が可能である。
【0083】
そして、アクリル系ポリマー部分のガラス転移温度が特定の範囲に設定され、かつ、アゾ基含有シリコーンポリマー(a)とアクリル系単量体(b)とを特定の割合で重合して得られたブロック共重合体を必須成分として用い、さらに硬化剤としてイソシアネート系硬化剤を含有する導電性組成物を用いると、導電性ロールに要求される最適な物性を得ることができる。
【0084】
また、イオン性セグメントを構成成分とするブロック共重合体を含有する導電性組成物を用いてなる導電性ロールは、電圧印加中(印字中)や耐久複写後の残留電荷を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ロールの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の導電性ロールの製法の一例を示す断面図である。
【図3】静動摩擦係数計による摩擦係数の測定方法を示す説明図である。
【図4】トナー帯電性の測定方法を示す説明図である。
【図5】シリコーングラフトアクリル系ポリマーの構造を示す模式図である。
【図6】ブロック共重合体の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 軸体
2 最内層
3 中間層
4 表層

Claims (7)

  1. 軸体の外周面に少なくとも一つの層が形成された導電性ロールであって、その表層が、下記の(A)と(B)とを構成成分とするブロック共重合体を必須成分とする導電性組成物を用いて形成されていることを特徴とする導電性ロール
    (A)分子構造中にアゾ基をもつシリコーンポリマーから誘導される構造単位。
    (B)アクリル系単量体から誘導される構造単位。
  2. 上記導電性組成物に、イソシアネート系硬化剤が含有されている請求項1記載の導電性ロール
  3. アクリル系単量体から誘導される各構造単位のガラス転移温度が、−30〜30℃の範囲に設定されている請求項1または2記載の導電性ロール
  4. ブロック共重合体が、分子構造中にアゾ基をもつシリコーンポリマーを重合開始剤とし、アクリル系単量体を重合させることにより得られるものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性ロール
  5. 分子構造中にアゾ基をもつシリコーンポリマー(a)とアクリル系単量体(b)との配合割合が、重量比で、(a)/(b)=5/95〜60/40の範囲に設定されている請求項4記載の導電性ロール
  6. ブロック共重合体がイオン性セグメントを構成成分とするものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性ロール
  7. イオン性セグメントが、スルホン酸基、カルボキシル基、第三級アミノ基およびそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項6記載の導電性ロール
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