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JP3622971B2 - 安定した複屈折のファラデー効果検知コイル - Google Patents
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安定した複屈折のファラデー効果検知コイル Download PDF

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Description

発明の背景
1.発明の分野
本発明は、大略的には、送電線等における電流センサに関する。さらに詳しくは、電流の流れによって生じる磁界を、ファラデー効果に応答にして、干渉または偏光を利用する技術で検知する光ファイバコイルに関する。
2.従来技術の説明
この分野において、磁界に反応する光ファイバが知られており、電力事業のための光電トランスデューサ(optical current transducer、OCT)として増々使用されるようになってきている。代表的なOCTは、導電体を囲うコイル状に形成された単一モードのファイバを使用している。ファイバを通過するあらゆる光の偏り(polarization)は、導電体内を流れるあらゆる電流の変化に応答してシフトする。この結果、磁気光学効果である“ファラデー”効果が生じる。米国特許第5051577号明細書において、磁界に反応する光ファイバについてさらなる議論が為されている。該特許権は、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング社に譲渡されている(3Mは、該発明の譲受人である)。
光学媒体は、その線形複屈折が大きくなるにつれて、ファラデー効果センサにおいて使用するのに、あまり適切ではなくなる。線形複屈折が大きくなると、コイルが外部の磁界に対してさらに敏感になり、偏光信号を歪める。ファイバの選択には特に注意を要する。何故なら、ファイバのループからコイルを形成すると、物理的な応力が生じ、これによって複屈折がさらに大きくなるからである。線形複屈折を最小にするための従来技術は、複屈折効果を低レベルに減じているだけで完全には除去していないので、その効果に限りがあった。線形複屈折を減じるための1つの方法は、ファイバをプリフォームから完全に引き出したあとで捩る(twisting)ものである(“ツイステッドファイバ”)。効果的に捩ると、屈折の速い軸と遅い軸とが平均化されて、線形複屈折が小さくなる。しかし、それを完全に除去することはできない。線形複屈折を打ち消すために円偏光複屈折を最大にすることを提案する者もいる(米国特許第4255018号明細書、同第4949038号明細書、英国特許出願第2104213号明細書、およびProc.SPIE 985の138〜150頁参照)が、このことは実際には非常に不利である。何故なら、円偏光複屈折は経時的変化が大きいのでセンサ精度がその影響を受け、したがって、キャリブレーションを頻繁に行う必要が生じるからである。一般に、円偏光複屈折は温度にも依存する。そして、温度が変化すると、センサコイルの出力偏光の向きが大きくシフトすることになる。
第2の方法は、加熱されたプリフォームからファイバを引き出すと同時に回転させる(spinning)ものである(“スパンファイバ”)。回転されていないファイバ(unspun−fiber)のビート長(beat−length)に対するスピンピッチの割合は、線形複屈折が小さくなって、外部応力に影響されなくなるような値を選択することができる。しかしながら、J.of Lightwave Tech.の第9巻第8号の1031〜1037頁(図11)に記載されているように、この試みは、(コイル形成によって生じた線形複屈折は勿論)温度に対する依存性の高い円偏光複屈折をも非常に大きくする。温度に対する感応性は、米国特許第4563639号明細書における主題でもある。
線形複屈折を減じる第3の方法は、ファイバコイル内に存在する内部応力を除去するものである。そのような内部応力は、コイルを形成する際に生じる応力に起因するだけでなく、ファイバの製造工程において該ファイバに作用する曲げ力(すなわち、横方向の力)によっても生じる。したがって、磁界を検知する光ファイバコイルの性能は、応力緩和が生じる温度でコイルを焼なましすることによって向上させることができる。線形複屈折および円偏光複屈折は、低減することはできても、除去することはできない。
前述のいずれかの方法で作られた線形複屈折の低減された光ファイバおよびコイルは、それでもなお好ましくない特性を有する。例えば、コイルは幾何学的に非対称であるから、焼なましをしても線形複屈折を除去することはできない。例えば英国特許出願第2101762号明細書に開示された、引き出しながら回転させられたファイバは、コイル成形した後で線形複屈折が生じる。さらに、捩られたファイバのスピンピッチは、ファイバの破断強さによって制限される。したがって、最大の感度で作動するファラデー効果センサを作るためには、線形複屈折および円偏光複屈折の両方が無視できるほど小さく、しかも広い温度範囲にわたって一定である磁界検知光ファイバコイルによって前記問題を解決することが望ましく、また有利である。
発明の概要
本発明により、ファラデー効果検知コイルおよびそのようなコイルを製造する方法が提供される。本発明のコイルは、導体内を電流が流れることによって生じる磁界の変化を検知する能力が向上されている。本発明のコイルは、半径方向に対称な断面形状の光ファイバを1または2以上のループに形成してなり、円偏光複屈折が4゜/mよりも小さく、線形複屈折は15゜/mよりも小さい。この新規なコイルが従来の構成要素に組み込まれて、光電トランスデューサ(OCT)が構成される。
OCTの最大性能は、まず、制御された断面幾何学形状を有しており、線形複屈折および円偏光複屈折が非常に小さい光ファイバを選択することにより達成される。制御された情況において、加熱されかつ回転しているプリフォームから引き出されたファイバが、この目的のために適している。ファイバをコイル状に成形した後、焼なましを行ってコイル成形時に生じた応力を除去する。ファイバからすでに幾何学的非対称が除去されている場合には、そのような熱処理は線形複屈折を除去するのに非常に有用である。本発明の焼なましされたコイルは、ファラデー効果センサの検知要素として使用するのに非常に優れた特性を有している。従来技術とは異なり、本発明の光ファイバコイルを使用するセンサは精度および安定性が非常に高く、強力な磁界の近傍にさらされた場合でも、電流に対する感度は広い温度範囲にわたって変化しない。スパンファイバの有効線形ビート長は少なくとも100mよりも大きいことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
添付の図面を参照することによって、本発明を最も良く理解することができる。
図1は、新規なファラデー効果コイルを使用する本発明の光電トランスデューサの模式図である。
図2は、本発明のファイバ製造工程を示す概略図である。
図3は、焼なまし中において、ファイバをコイル状に保持するために使用されるチューブ状ハウジングの側面図である。
図4は、図3のチューブ状ハウジングおよび他の構成要素を示す正面図である。これらは、本発明の光電トランスデューサに使用されるコイルサブアセンブリを構成する。
好ましい具体例の説明
図1を参照すると、本発明は、新規なファラデー効果検知コイル12を含む光電トランスデューサ10に関する。作動時には、コイル12は電流が流れる送電線等の導体14を囲むようにして巻かれる。これによって、ケーブル14内に電流が流れることにより生じる磁界の変化を検知する手段が提供される。このことは、コイル12内を通過する光信号の偏り(polarization)を調べることにより達成される。図示の具体例においては、通常のレーザまたは他の光源16からの光が第1偏光光ファイバ18の一端に供給される。ファイバ18の他端は、スプライス20を介して、磁界検知光ファイバコイル12の入力端に取り付けられている。コイル12の出力端は、他のスプライス22を介して、第2偏光光ファイバ24に取り付けられている。光はファイバ24を通って通常の光検出器26へ達する。
スプライス20、22のそれぞれは、空気の介在を避けるために、また光学的位置合わせおよび機械的安定性を維持するために溶接されている。第2スプライス22を溶接する前に磁界検知コイル12からの光の偏りを調べて、ケーブル14に電流が流れていない場合には出力光の偏光軸が第2偏光光ファイバ24の偏光軸に対して所望の角度(好ましくは約45゜)を為すように構成すべきである。こうすれば、ケーブル14内の電流が変化すると、磁界内に置かれたコイル12が変化する。そして、磁界検知光ファイバコイルの特性に対応する量だけスプライス22から第2偏光光ファイバ24に入るレーザ偏光の回転角が変化し、これにより、光検出器26に到達する光量が影響を受ける。
ここで図2を参照すると、本発明の光ファイバコイルを良好に製造するには、プリフォーム28の選択およびファイバ成形工程の制御を注意深く行う必要がある。適切なプリフォームは、修正された化学蒸着法(MCVD)技術によって作ることができ、周壁が均一で同心性に優れた石英チューブから形成すべきである。ファイバの好ましいプロファイルは、マッチドクラッド(ステップインデクス)の単一モードファイバである。他の可能なプロファイルとしては、デプレストインナークラッド(depressed inner clad)および“W"デザインがある。コアに添加するドーパントとしては、リンやボロンよりもゲルマニウムの方が好ましい。何故なら、リンやボロンは、焼なまし中に移動する(コアのインデクスプロファイルが変化する)傾向が高いからである。フッ素−リン−シリカのクラッド複合物(cladding composition)は、より軽く添加が行なわれたクラッド領域において、十分に安定していることが分かった。アクリラートの単一層コーティングは、シリコン−アクリラートの2層コーティングよりも好ましい。何故なら、シリコン−アクリラートの2層コーティングの場合には、焼なましの後にシリカの残留物が残り、局所的な欠陥が生じることがあるからである。さらに最近では、コア内のすべてのドーパントの濃度は最小に維持すべきであり、プリフォームの製造において低崩壊段階(slow collapse phase)を採用することによって、同心性がより高く半径方向に対称なファイバを得ることができ、これによって、幾何学的な複屈折を最小にできると信じられている。外側のチューブをプリフォーム上で崩壊する(collapse)ことが要求される技術は避けるべきである。
プリフォーム28から光ファイバを引き出す際には、ファイバ断面の幾何学的対称性を制御することが重要である。何故なら、形状に起因する複屈折を焼なましによって除去する方法は現在のところ知られていないからである。ファイバのコアの最大の幾何学的対称性は、加熱したプリフォーム28を、該プリフォームから光ファイバ30を引き出す際に回転(spin)させることによって達成できる。スピンピッチは、アンスパンファイバのビート長の0.04倍よりも小さいことが好ましく、0.005倍よりも小さいことが最も好ましい。本発明においては、アンスパンファイバのビート長が約0.5mよりも大きなプリフォームが使用されている。アンスパンファイバのビート長に依存して、ファイバのスピンピッチを2.5mm低度に小さくできるが、スピン速度が500rpmで引出し速度が約10m/分である場合にはスピンピッチは2cmとなる。ある選択されたファイバの有効ビート長(effective beat length)を計測することによって、ファイバコアの幾何学的非対称性に起因する線形複屈折のレベルを測定することができる。有効ビート長が大きいということは、形状に起因する複屈折が非常に小さいということをよく示している。従来技術におけるアンスパンファイバの代表的なビート長は、約1/2〜50mである。スパンファイバの有効線形ビート長Leffは次式で表される。
Leff=(Li*Lt)/[(4Li 2+Lt 20.5−2Li
ここで、Liは、アンスパンファイバ固有の線形ビート長をメートル単位で表したものであって、2π/Δβに等しい。Ltは、ファイバのスピンピッチをメートル単位で表したものであって、2π/ξに等しい。Δβは、アンスパンファイバ固有の線形複屈折をラジアン/メートル単位で表したものである。ξは、ファイバの捩り比率をラジアン/メートル単位で表したものである。
本発明で使用されるファイバの有効線形ビート長Leffの値は、少なくとも100mである。本発明に従って調製された2つのファイバサンプルは、その有効線形ビート長が120mよりも大きかった。有効な結果が得られた2つのファイバについてそれらの詳細を以下の表に示す。
Figure 0003622971
Leffが高い(線形複屈折が小さい)ファイバは、電気ケーブルによって生じる一次信号とは無関係の無秩序な磁界に対する反応が非常に小さい電流検知コイルを提供するのに非常に有用ではあるが、それでも応力に起因する線形複屈折および円偏光複屈折を最小限に減じて、光ファイバコイルの感度を広い温度範囲および長期にわたって安定させる必要がある。本発明により、−40〜100℃において一定の感度レベルを維持する光ファイバコイルセンサが提供された。
さらに図3を参照すると、応力に起因する複屈折は、以下の方法に従って、ファイバをコイル状に形成した後焼なましすることによって最小とされる。焼なましに先立って、ファイバをアセトン等の適切な溶剤に浸したり、機械的に剥がすなどして、該ファイバ上のすべてのコーティングを除去すべきである。そして、清浄化したファイバに対して通常の技術で焼なましを行う。図示した具体例においては、ファイバはコイル状に形成されたチューブすなわちホルダ32を使用して焼なましされる。ホルダ32は、シリカまたは石英から作られている。ファイバ30がホルダ32に通されて、そしてホルダ32がオーブン内に配置される。ホルダ32は、オーブン内で吊り下げられ、またはシリカプレート等の適切な基板上にセットされる。ホルダ32の詳細は、他のタイプのコイル形状およびホルダに関する情報とともに、米国特許出願第 号明細書(本件出願と同時に、1994年2月11日またはその頃に出願された)に開示されている。該明細書は本明細書に参考として盛り込まれている。焼なまし工程は、空気で満たされたオーブンまたは窯炉内で、550〜1250℃の温度で行うことが好ましいが、温度範囲は850〜1050℃であることが最も好ましい。コイルホルダをオーブン内に配置した後、オーブンの温度は実際上できるだけ速く上昇される。しかし、5〜24時間の放置時間の後における冷却速度は、特にガラス転移温度を通過する温度において注意深く制御する必要がある。冷却速度は、1時間当たり25℃よりも小さい減少に抑えることが好ましく、最も好ましいのは、1時間当たり約18℃減少させることである。焼なまし後におけるこのコイル冷却のプロファイルによって、室温で測定した場合に表2に示したような望ましいレベルの線形複屈折および円偏光複屈折を呈するセンサコイルを安定して作ることができる。
Figure 0003622971
これらの数値を従来技術における複屈折の値と比較すべきである。焼なましが行なわれていないコイルは、たとえスパンファイバで作られていたとしても、代表的には、その円偏光複屈折は5〜4200゜/mであって、線形複屈折は45〜600゜/mである。さらに、表3に示したように、コイルの複屈折は広い温度範囲にわたって非常に安定している。
Figure 0003622971
関連する研究において、本発明に従って作られたファイバがコイル状に成形されたが、さらなる焼なましは行なわれなかった。その手順には、スパンファイバの選択が含まれており、該スパンファイバは、コイル状とされていない直線状態においてまず測定された。表4に示されているように、直線状のファイバは、その線形複屈折および円偏光複屈折のレベルが非常に小さかった。センサのエレメントとして使用する形態のように直径10.5cmの単一コイル状にファイバを巻いた後、複屈折の測定値が再度記録された。この形態においては、円偏光複屈折は比較的低いレベルに維持されていたが、応力に起因する線形複屈折は、本発明の方法に従って形成後に焼なましが行なわれたどのコイルの場合よりも高く、劇的に非常い高いレベルにまで増加した。線形複屈折が増加すると、焼なましされていないコイルの感度が磁界の影響を受けて増加し、これに起因してファラデー効果検知の誤差が増加する。
Figure 0003622971
したがって、この分野の当業者であれば、本明細書に開示されているようにスパンファイバから作られたコイルに対して焼なましを行うことによって、その感度が理論上の限界近くまで高められたOCTを提供できることが理解できるであろう。前述の複屈折の値は、ほとんどの送電線に流れる電流を検知するにあたって無視できるほどに、十分に小さい。
焼なまし工程が完了すると、検知コイルは、続いて行なわれるテスト、およびファラデー効果検知センサ(偏光を利用するもの、または干渉を利用するもの)のサブアセンブリ、例えば図4に示したサブアセンブリ34への組付け、に対する準備が整う。図示の具体例においては、サブアセンブリ34は、サブアセンブリパッケージ内にホルダ34を保持している。ファイバコイルの端部は、2つの偏光ファイバ18、24の端部に継ぎ合わせ(溶接)られている。2つのチューブ36、38(石英であることが好ましい)を使用して、各偏光ファイバが固定されている。より大きな石英チューブ40、42を使用して、チューブ36、38が保持されるとともに、継合せ部分が保護される。またこのとき、チューブ36、38はホルダ32の端部に対して位置合わせされている。
特定の具体例を参照して本発明を説明したが、これらの説明は、本発明の限定を意図するものではない。この分野における当業者であれば、本発明を参照することにより、本発明の他の具体例は勿論、ここに開示した具体例についての多様な修正を為すことは容易であろう。例えば、本発明を、米国特許第5051577号明細書の開示、または同様な他のデザインと組み合わせて、優れたOCTを提供することが可能である。したがって、そのような修正は、添付の請求の範囲に規定された本発明の精神および範囲から逸脱することなく為し得るものと理解すべきである。

Claims (4)

  1. 光ファイバのファラデー効果検知コイルを製造する方法であって、
    − 周壁が均一な石英チューブを提供し、
    − 修正された化学蒸着法(MCVD)を利用し、コアのドーパントはゲルマニウムのみとし、前記石英チューブから少なくとも0.5メートルのアンスパンファイバのビート長を有するマッチドクラッド・インデックスのプリフォーム(28)を用意し、
    − 前記プリフォーム(28)を加熱し、前記アンスパンファイバのビート長の0.04倍よりも小さいスピンピッチで回転させると同時にそこから光ファイバを引き出してほぼ半径方向に対称な断面形状のコアを有するスパン光ファイバ(30)を形成し、
    − 前記光ファイバ(30)からコイル(12)を形成し、
    − 前記コイル(12)を550℃から1250℃の領域の温度で焼きなまし、
    − 前記コイル(12)を1時間当たり25℃よりも小さい冷却速度で冷却する各ステップから構成される方法。
  2. 前記焼きなましのステップが、850℃から1050℃の領域の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記冷却のステップが、1時間当たり約18℃の率で行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記光ファイバ(30)にシリコンを含まないアクリレートの単一層をコーティングするステップを更に含む、請求項1から3のいずれか一に記載の方法。
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