JP3623249B2 - インクジェットプリンタ用の記録ヘッド - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、インクジェットプリンタ用の記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電素子を用いたインクジェットプリンタ用の記録ヘッドにおいては、近年その小型化を図るため、例えば特開平4−366643号公報に見られるように、個々の薄板材のそれぞれに共通のインク供給部や圧力室あるいはノズルへ至るインク流路等を形成した上、これをノズルプレートの背面に順に積層して構成する、いわゆる積層型のものが採用されるようになってきた。
【0003】
この種の記録ヘッドは、ヘッド自体を著しく小型に構成することができるばかりでなく、圧力室が大きなスペースを取るにも拘らず、ノズルに至るインク流路の長さを短くかつ均一にして記録速度を高めることができる反面、インク中に混入した微細な気泡が各薄板材に形成した流路の隅部に入り込んで滞留し、これがインクの吐出性能に悪影響を及ぼしかねないといった虞れを有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、インク流路中での気泡の滞留を可能な限り抑えることのできる新たな積層型の記録ヘッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明はかかる課題を達成するために、ノズル側の端部に形成された略円弧状部を有する圧力室から前記圧力室の領域の外側に位置する略円形のノズルに至るインク流路を、互いに積層した少なくとも3枚の薄板材に設けた略円形の通孔の連続により形成してなるインクジェットプリンタ用の記録ヘッドにおいて、前記各略円形の通孔は、その開口面積が前記圧力室から前記ノズルへゆくに従って順に小さく形成され、またその中心が、前記圧力室の円弧状部の中心と前記ノズルの中心とを結ぶ線上に位置するように順に位置をずらせて配置されている。
【0006】
【実施例】
そこで以下に図示した実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施例をなす記録ヘッドを断面で示した図であり、図2は、振動板を取外して示したその背面図であり、さらに図3は、一連のインク流路について示した図である。
【0007】
はじめに、この積層型記録ヘッドの積層構成について説明すると、多数のノズル2を穿設したノズルプレート1は耐蝕性を有するステンレス鋼により形成され、この背面には、同じくステンレス鋼の薄板により形成されたスペーサ4、つまり第1の薄板材が接着剤3をもって一体的に積層されている。
【0008】
このスペーサ4には、図示しないインク供給タンクに連通するリザーバー室5がノズル2の配列方向に沿って穿設され、また、ノズル2の配設位置にはノズル2の孔径よりも大径の第1の通孔6が穿設されている。
【0009】
このスペーサ4の背面には、また同じくステンレス鋼よりなるインク供給プレート8、つまり第2の薄板材が接着剤7をもって添設され、ここには、リザーバー室5と連通するオリフィス9と、第1の通孔6に連通する第2の通孔10が形成されている。
【0010】
一方、このインク供給プレート8の背面に接着剤11をもって添着された補強プレート12、つまり第3の薄板材は、その背面に積層された圧力室プレート16、つまり第4の薄板材とともにジルコニア等の焼結材により一体的に形成されていて、圧力室プレート16の各圧力室17‥‥を区画する隔壁18が、圧電振動子20の巾方向の撓み変形によって外方に変形するのを抑えるような機能が付与されている。
【0011】
この補強プレート12には、オリフィス9と圧力室17とを結ぶインク供給孔13と、圧力室17と第2の通孔10とを結ぶ第3の通孔14が形成され、また、圧力室プレート16には、圧電振動子20の変位量から所要粒径のインク滴を吐出させることができる程度の大きさの圧力室17が形成されていて、その一端は上記したインク供給孔13に、他端はノズル2に至る第3の通孔14に連通している。
【0012】
また、この圧力室プレート16の背面には、さらに圧力室17を覆うようにして弾性率の高いジルコニア等からなる薄い振動板19が一体的に積層され、さらにその背面には圧電振動子20が一体的に添設されている。
【0013】
つぎに、本発明の主要部をなすインクの流路構成について説明すると、圧力室17からノズル2に至るインクの流路は、スペーサ4上の第1の通孔6と、インク供給プレート8上の第2の通孔10と、補強プレート12上の第3の通孔14と、さらに圧力室17のノズル先端部17aとによって、図3に見られるように、記録ヘッド本体の背面側に位置する圧力室17から前面側のノズル2に向けてインクが水平方向から垂直方向へと滑らかに流れるよう大きな円弧を画くように構成されている。
【0014】
すなわち、スペーサ4、インク供給プレート8、補強プレート12の各通孔6、10、14をほぼ同径の孔として形成し、さらに、第1の通孔6をノズル2の軸心と一致するよう位置させるとともに、第2の通孔10の軸心を第3の通孔14の軸心よりもリザーバー室5側に、圧力室17のノズル側先端部17aを同じく第3の通孔14の軸心よりもリザーバー室5側にそれぞれズラせて位置させることにより、圧力室17側に続く通孔14、10、6が圧力室17のノズル側先端部17aより外方へと順に位置するように構成したものである。
【0015】
またさらに、この実施例においては、補強プレート12に設けたインク供給孔13の軸心をオフィリス9の軸心に一致するよう位置させるとともに、インク供給孔13に連通する圧力室17のオリフィス側後端部17bをインク供給孔13の軸心よりもノズル側にズラすこと、換言すれば、インク供給孔13を圧力室17のオリフィス側先端部17bより外方にズラせることにより、インクがオリフィス9から緩やかな曲線を画いて圧力室17内へ流入するように構成されている。
【0016】
このように構成したことにより、圧力室17からノズル2に至るインクの流れと、オリフィス9から圧力室17に至るインクの流れは、図1に矢印で示したように緩やかな曲線状を呈し、また、この間の流路からはインクの淀み部分が可能な限り除かれることによって、インク中に混入した気泡は流路内に滞留することなく排出される。
【0017】
図4は、上述したインクの流路構成をもとにレイアウトした記録ヘッドに関する本発明の他の実施例を示したものである。
【0018】
この実施例におけるノズル流路ユニット30は、ノズル2に通じる各通孔6、10、14の軸心を圧力室17のノズル側先端より外方にズラせて位置させるとともに、隣接する各ノズル流路ユニット30のノズル2とノズル2との間に、他方のノズル流路ユニット30のノズル2が入り込むよう互い違いに対向配置するようにしたもので、このようにレイアウトすることによって、全体のノズル2‥‥を同一線L−L上に配列させるようにしたものである。
【0019】
この実施例では、圧力室17の先端部外方に各通孔6、10、14を位置させたことにより、圧力室17の巾Wによって決められる各ノズル2‥‥の配列ピッチP間に、他方のノズル2‥‥を位置させて、その配列密度を2倍に高めることができる。
【0020】
また、図5は、圧力プレート16、つまり第4の薄板材に形成した各圧力室17の配置等を変えることなく、これらの各圧力室17をノズルプレート1に位置を変えて設けた各ノズル2に対応させて連通させることができるようにした本発明の実施例を示したものである。
【0021】
すなわちこのものは、図5(a)(b)に示したように、スペーサ4、供給プレート8及び補強プレート12の各薄板材に形成する通孔6、10、14の位置を変えるだけで、共通の圧力室プレート16上に形成した各圧力室17を、相互に配設位置を異にするカラー画像形成用ノズルプレートとモノクロ画像形成用ノズルプレート上の各ノズルに連通し得るように構成して、その製造コストの低減を図るようにしたものである。
【0022】
このものは、各薄板材4、8、12に形成する通孔6、10、14の中心を、圧力室17のノズル側先端部17aの中心とノズル2の中心とを結ぶ線A−A上に位置させることにより、圧力室の長手方向軸線上にノズルが位置していなくても、インクの淀みを生じさせることなくインク滴を一定の条件のもとで吐出させることができる。
【0023】
また、上述した各実施例は、薄板材4、8、12上の各通孔6、10、14をほぼ同じ径となしたものであるが、図5に示したように、各通孔6、10、14をノズル2に近づくほど小径に形成することも可能であって、このように形成することにより、インクの淀みや気泡の滞留をより少なくすることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、圧力室とノズルとを結ぶよう少なくとも3枚の薄板材に形成した各通孔を、その開口面積を、圧力室からノズルへゆくに従って順に小さく、かつ圧力室とノズルとを結ぶ線上に中心が位置して順に位置をずらせたので、圧力室からノズルへ至るインクの流路をインクの淀みが生じない緩やかな曲線として形成し、インクの流れを円滑に収束させてインク中に混入する気泡の滞留を抑えつつインク滴の吐出を長期にわたって良好に維持するとともに、薄板材相互の接合に際してこれらが面方向に多少ずれたような場合でも各通孔を確実に連通させた状態にすることができる。
【0025】
しかも、各通孔を、圧力室と、圧力室の長手方向の軸線上から外れて定置するノズルとを結ぶ線上に順に位置させたので、例えばカラー画像形成用とモノクロ画像形成用の各ノズルに連通するようにして記録ヘッドを安価に構成することができ、また、2つのノズル流路ユニットを互い違いに対向位置させて形成することにより、圧力室の巾の制約を排してノズルの配列密度を2倍に高めることを可能として、印字品質の高い画像を簡単な制御機構により容易に実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す記録ヘッドの断面図である。
【図2】振動板を除いて示した同上記録ヘッドの平面図である。
【図3】同上記録ヘッドのインク通孔部分を示した斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例を示した平面図である。
【図5】(a)(b)は、インク通孔部分についてのさらに別の実施例を示した図である。
【符号の説明】
1 ノズルプレート
2 ノズル
5 リザーバー室
6、10、14 通孔
9 オリフィス
13 インク供給孔
17 圧力室
19 振動板
20 圧電振動子
Claims (2)
- ノズル側の端部に形成された略円弧状部を有する圧力室から前記圧力室の領域の外側に位置する略円形のノズルに至るインク流路を、互いに積層した少なくとも3枚の薄板材に設けた略円形の通孔の連続により形成してなるインクジェットプリンタ用の記録ヘッドにおいて、
前記各略円形の通孔は、その開口面積が前記圧力室から前記ノズルへゆくに従って順に小さく形成され、またその中心が、前記圧力室の円弧状部の中心と前記ノズルの中心とを結ぶ線上に位置するように順に位置をずらせて配置されているインクジェットプリンタ用の記録ヘッド。 - 一方の圧力室から一方のノズルに至る前記インク流路に対して前記一方の圧力室と同一形状を有する他方の圧力室から他方のノズルに至るインク流路を対向して形成配列するとともに、一方のインク流路を構成する前記一方のノズルを他方のインク流路を構成する前記他方のノズルの間に位置させるよう互い違いに配列させたことを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ用の記録ヘッド。
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