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JP3623633B2 - 半水和スラッジ水の再生方法 - Google Patents
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、セメントを含有するスラッジ水であって、セメントに水を加えて混練後、使用するまでに長時間が経過し、すでに水和が始まり、そのままでは再使用が困難な半水和スラッジ水の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アジテーター車の洗浄水、使用されずに戻ってきたコンクリート、アジテーター車に残ったコンクリート、コンクリート二次製品製造に伴う排出水、コンクリートの遠心成形により強制的に排出された濃厚な流動性成分(以下ノロとする)等、セメント練り混ぜ後1日以上経過したスラッジ水は、セメントの水和が進行して再使用することが困難で、プレス機で脱水してケーキ状にして産業廃棄物として処理されていた。
【0003】
セメントを含有するスラッジ水はその排出量も多く、これを廃棄するのは資源の無駄であり、遅延剤を添加してスラッジ水中のセメントの水和を防止し、翌日或いは翌日以降に練り混ぜるフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートの練り混ぜ水として使用し、新たに使用するセメントや清水を節約する技術が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法を用いても、夏場等はセメントの水和も早く、遅延剤を添加するタイミングをわずかに逸したために、やや水和が進行し過ぎた状態になり、フレッシュモルタルやフレッシュコンクリートの練り混ぜ水として使用するとフロー値が低下したり、硬化体の圧縮強度が不十分であった。
このような半水和状態のセメントであっても、新しいセメントに匹敵する機能を回復させれば再使用することも可能であり、かかる技術が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決することを目的とし、その構成は、セメントが水に分散しているスラッジ水であって、スラッジ水中のセメントの強熱減量が15重量%以下であるスラッジ水に、セメント減水剤、好ましくは高性能セメント減水剤、より好ましくはポリカルボン酸系セメント減水剤を添加し、次いで撹拌することを特徴とし、この再生スラッジ水に更に遅延剤を添加して翌日以降に使用することを特徴とする。
【0006】
水和が進行し過ぎたセメントを使用すると、硬化後の強度が低下するため水和したセメントは廃棄せざるを得ない。しかしながら、本発明者らはセメントの水和は混練されたセメント粒子の表面部から始まり、水和の初期状態では外部には水和物が存在していても、セメント粒子の内部は未水和の状態にあることを見出した。そこで、このセメント粒子表面の水和層を除去するならば、未水和のセメントが露出し、新しいセメントに匹敵する作用を発現するであろうとの想定の下に種々の実験を繰返し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明はセメントが半水和状態になり、従来の技術であれば廃棄せざるを得ないスラッジ水に、減水剤、好ましくは高性能減水剤を添加して撹拌し、セメント粒子表面の水和セメント層を除去することにより、内部の未水和セメントを露出、再生させ、未水和セメントを有効に再使用するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明におけるセメントとは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等水硬性物質といわれるものであり、普通ポルトランドセメント、高炉スラグセメント及びシリカセメントが一般的である。
また、これらセメントに膨張剤、高強度用混和剤等各種の混和剤を配合したセメントも包含する。
【0009】
本発明における半水和スラッジ水とは、セメントを含有するスラッジ水であって、セメントが水と接触した後時間が経過してセメントの水和が進行し、一般には使用に耐えないと考えられているが、実際は内部に未だ水和されていないセメントを含有するスラッジ水である。
その発生源はアジテーター車、セメント混練装置、モルタルやコンクリート製造装置等の洗浄水、遠心成形により排出されたノロ、使用されずに戻ってきたアジテーター車中のコンクリート等特に限定しないが、固形分の主成分としてセメントと細骨材を含有するスラッジ水であればよい。
【0010】
水和の程度の尺度として、本発明においては強熱減量を使用した。強熱減量が10〜11重量%以下であればそのままフレッシュコンクリートの練り混ぜ水に配合し、スラッジ水中に含有されるセメント量を、使用するセメント量から差し引いても、新しい材料を用いた場合と同等の結果を得ることができる。
本発明は、強熱減量が10〜15重量%、好ましくは11〜15重量%のスラッジ水を有効に利用するものである。現場作業を熟知する者はこのようなスラッジ水を、やや水和が進行し過ぎたと一見して判別することができる。かかるスラッジ水をそのままセメント原料の一部として使用すれば、モルタルやコンクリート硬化体の強度の低下を免れない。
【0011】
しかしながら、半水和スラッジ水の中のセメントは微細な粒子であり、水和は表面から進行している。したがって、半水和の状態ではセメント粒子の表面は水和しているが中心部は未水和の状態にあるため、表面の水和物を除去して中心部の未水和のセメント粒子を露出させると新しいセメントに匹敵する効果を発現する。
本発明はセメント粒子表面の水和物を除去するために、減水剤、好ましくは高性能減水剤を添加して撹拌するものである。撹拌は200〜1000rpmで5〜30分程度で充分である。したがって、本発明において使用する減水剤は、水/セメント比を低下させたり、ワーカビリティを改良する効果はほとんど期待できず、半水和セメントを再生させる作用を有するものである。
【0012】
セメント減水剤とは、所要のコンシステンシーを得るに必要な単位水量を減少させる混和剤であり、リグニンスルホン酸塩系、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリン縮合物系、又はメラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物系、ポリカルボン酸系等種々の薬剤が使用されてきた。中でも、高性能減水剤、特にポリカルボン酸又はその塩が顕著な効果を有する。
ポリカルボン酸又はその塩とは、不飽和カルボン酸モノマーを一成分として含む共重合体又はその塩であり、例えば、ポリアルキレングリコールモノアクリル酸エステル、ポリアルキレングリコールモノメタクリル酸エステル、無水マレイン酸及びスチレンの共重合体やアクリル酸やメタクリル酸塩の共重合体及びこれらの単量体と共重合可能な単量体から導かれた共重合体などを挙げることができる。
【0013】
減水剤の使用量は半水和スラッジ水に対し固形分換算で0.01〜1重量%、好ましくは0.04〜0.6重量%である。
減水剤を加えた後の撹拌程度は撹拌速度や撹拌時間によって異なるが、セメント粒子表面の水和物のみを分散できる程度がよく、容器径によって異なるが一般に撹拌羽根付撹拌機を用い、50〜500rpmで5〜30分、好ましくは10〜20分撹拌する。
【0014】
セメント減水剤を添加して撹拌した結果、再生したスラッジ水に遅延剤を添加することにより、更に1日或いは2日以上使用せずに放置した後も、フレッシュモルタルやフレッシュコンクリートに配合して、新しいセメントと同等な効果を発現させることができる。
【0015】
本発明に使用する遅延剤としては、リン酸、ほう酸、ケイ弗化物、酸化亜鉛等の無機系遅延剤;酒石酸、クエン酸、グルコン酸、マロン酸等のオキシカルボン酸及びこれらの塩とその誘導体;グルコース、ショ糖、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の糖類;メチルセルローズ、エチルセルローズ、ポリビニルアルコール、デキストリン、ポリアクリル酸塩等の水溶性高分子化合物、好ましくはこれらの低分子量体等を挙げることができる。これらのセメント凝結遅延剤の1種または2種以上を使用することができる。
遅延剤の添加量は、スラッジ水中のセメント100重量部に対し0.1〜1.0重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部である。
【0016】
【実施例】
以下の実施例及び比較例に用いた材料は次の通りである。
セメント:普通ポルトランドセメント
細骨材 :川砂
粗骨材 :砕石 最大寸法15mm、
減水剤 :ポリカルボン酸又はその塩系高性能減水剤
(固形分濃度60重量%水溶液、商品名:マリアリムAKM−60F,日本油脂社製)
ナフタリンスルホン酸又はその塩系高性能減水剤
(固形分濃度42重量%水溶液、商品名:セルフロー120,第一工業製薬社製)
リグンスルホン酸又はその塩系減水剤、商品名:コパルチンKOP−44,興人社製)
膨張剤 :デンカCSA(電気化学工業社製)
【0017】
以下の実施例及び比較例に用いた試験方法は次の通りである。
1.スラッジ水のスラッジ沈降割合:1リットルのメスシリンダー中で2時間静置したスラッジ水を静かに45°傾斜させたとき、沈降して動かないスラッジ水層の容積割合(%)を測定した。
2.スラッジ水の固形分測定方法:スラッジ水を105℃で恒量になるまで乾燥して重量を測定した。
3.スラッジの強熱減量の測定方法:
(3−1)前処理:スラッジ水を真空ロ過し、スラッジロ過物につき、アセトン洗浄−真空ロ過の操作を3回繰返し105℃で恒量になるまで乾燥した。
(3−2)強熱減量の測定:前処理で得た乾燥スラッジを、JIS R 5202、ポルトランドセメントの化学分析方法の強熱減量の定量方法に準拠して測定した。
4.スラッジの不溶残分の定量方法:強熱減量の前処理で得られた乾燥スラッジを、JIS R 5202の不溶残分の定量方法に準拠して測定した。
5.その他、モルタル、コンクリートのフロー値、スランプ値、圧縮強度、膨張率、及びヒューム管の外圧試験の測定方法は、JIS R 5201、A 1101、A 1108、A 6202、A 5303に準拠して測定した。
【0018】
実施例1
普通ポルトランドセメント35重量部と水65重量部を混合し、プロペラ型撹拌羽根を用いてゆっくりと撹拌しながら3日間放置して固形分35重量%の半水和スラッジ水を作製した。
この半水和スラッジ水を実験番号1−1〜1−10に分割し、表1に示す減水剤を表1に示す量添加し、プロペラ型撹拌羽根を有する回転数500rpmのラボスターラーで15分間撹拌してスラッジ水の再生を行った。
再生スラッジ水中のスラッジ全体の強熱減量を表1に併記した。更に、2時間静置後のスラッジ沈降割合を測定し、沈降部分と傾斜して排出されたスラッジ水部(浮遊部分)の各部分の強熱減量を測定し、表1に併記した。
【0019】
【表1】
Figure 0003623633
【0020】
実施例2
実験番号2−0として、清水453g、セメント1000g、膨張剤113g及び細骨材1700gの配合のモルタルを混練し、そのフロー値及び材令1日、7日、28日の各圧縮強度を表2に記載した。
実施例1で得られた実験番号1−1ないし1−10のスラッジ水はスラッジ固形分40重量%、すなわち回収水として111g、固形分として74gであった。清水の使用量を453−111=342gとし、セメントは実験番号2−0より64g少ない936gを配合し、実験番号1−1ないし1−10の各再生スラッジ水185gを添加した以外は実験番号2−0と同様にしてモルタルを作製し、各々についてフロー値及び材令1日、7日、28日の各圧縮強度を表2に併記した。
実験番号2−1ないし2−10はセメント量を6.4重量%削減した配合であり、スラッジ水中のスラッジ固形分の強熱減量は平均13.5重量%であった。
表2より、実験番号1−2ないし1−5及び1−8の再生スラッジ水を用いた場合には好ましい結果が得られることが判明した。
【0021】
【表2】
Figure 0003623633
【0022】
実施例3
遠心力成形によるヒューム管製造に伴い、固形分濃度約1重量%のノロスラッジ水が得られた。このノロスラッジ水をスクリュートロンメルを用いて分級した後、スラッジ水中の固形分に対し200ppmのポリアクリルアミド系高分子凝集剤で固形分を沈降させ、沈降したスラッジ水1mを得た。
このスラッジ水1mを水中撹拌機で撹拌しながら翌日まで放置した。翌日に一部である143kg(111リットル)を採取し、分析した結果は次の通りであった。
スラッジ固形分濃度 …… 35重量%
強熱減量 …… 11.8重量%
不溶残分 …… 28.3重量%
【0023】
残りのスラッジ水889リットルに、ポリカルボン酸系高性能減水剤3.55リットルを加えて撹拌し、再生スラッジ水を得た。この再生スラッジ水を用いて表3の実験番号3−1に示す配合で、1mパン型強制ミキサーを用いて90秒間練り混ぜてプレーンコンクリートを得た。このプレーンコンクリートのスランプ、膨張率及び圧縮強度を表4に示した。更に、このプレーンコンクリートを用いて、遠心力成形により直径900mm、長さ2430mmのヒューム管を製造し、そのひび割れ荷重を表4に併記した。
【0024】
実験番号3−2として、スラッジ水を再生処理しなかった以外は実験番号3−1と同様にしてプレーンコンクリートの特性及びこれを用いて製造したヒューム管のひび割れ荷重を測定して表4に併記した。
更に、実験番号3−3として、スラッジ水を配合せず、清水、セメント及び細骨材量が異なる表3に示す配合で、実験番号3−1と同様にしてプレーンコンクリート得た。このプレーンコンクリートの特性を測定し、これを用いて製造したヒューム管のひび割れ荷重を測定して表4に併記した。
実験番号3−1は実験番号3−3に比してセメントを30kg/m削減した配合でありながら、実験番号3−1に匹敵する効果が得られた。
【0025】
【表3】
Figure 0003623633
【0026】
【表4】
Figure 0003623633
【0027】
実施例4
実験番号3−1で得られた再生スラッジ水700リットルにオキシカルボン酸塩とショ糖が、重量比で1:1に配合されている固形分濃度40重量%の遅延剤6.3リットルを添加し、翌日まで水中撹拌機でゆっくりと撹拌しながら放置した。このスラッジ水の分析結果は実験番号3−1と同様であった。
表5の実験番号4−1に示した配合で実験番号3−1と同様にしてコンクリートを練り混ぜ、スランプ、膨張率及び圧縮強度を表6に示した。また、このコンクリートを用いて製造したヒューム管のひび割れ荷重を測定して表6に併記した。
【0028】
更に、実験番号4−2として、スラッジ水を配合しない表5に示す配合で実験番号4−1と同様にしてプレーンコンクリートを練り混ぜ、実験番号4−1と同様の試験を行い、更にこれを用いて製造したヒューム管のひび割れ荷重を測定して表6に併記した。
実験番号4−1は実験番号4−2に比してセメントを30kg/m削減した配合であったが、実験番号4−2に匹敵する効果が得られた。
【0029】
【表5】
Figure 0003623633
【0030】
【表6】
Figure 0003623633
【0031】
【発明の効果】
本発明により、セメントを含有するスラッジ水であって、セメントに水を加えて混練後、使用するまでに長時間が経過し、すでに水和が始まり、そのままでは再使用が困難な半水和スラッジ水を再生してフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートの練り混ぜ水として使用し、セメントの使用量を削減してスラッジ水を用いないモルタルやコンクリートに匹敵する硬化体を得ることができる。

Claims (4)

  1. セメントが水に分散しているスラッジ水であって、スラッジ水中のセメントの強熱減量が15重量%以下であるスラッジ水に、セメント減水剤を添加し、次いで撹拌することを特徴とする半水和スラッジ水の再生方法。
  2. セメント減水剤が高性能セメント減水剤であり、撹拌後凝結遅延剤を添加することを特徴とする請求項1記載の半水和スラッジ水の再生方法。
  3. 高性能セメント減水剤がポリカルボン酸系セメント減水剤であることを特徴とする請求項2記載の半水和スラッジ水の再生方法。
  4. セメントが水に分散し、且つセメントの強熱減量が15重量%以下であるスラッジ水に、セメント減水剤を添加し、次いで撹拌して得られた再生水を、モルタルまたはコンクリートの練り混ぜ水の一部として配合することを特徴とする半水和スラッジ水の再生方法。
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