JP3624031B2 - 複合体の解砕処理方法及び解砕処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、石膏ボード等の複数の材料を一体的に積層して形成された複合体を各材料ごとに分離する際などに適用する複合体の解砕処理方法及び解砕処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保全の立場からリサイクル資源の有効活用が促進されるようになっており、石膏ボードにおいても、廃材を再利用する動きがある。しかしながら、石膏ボードは、石膏を心材とし、その両面及び側面をボード用原紙で被覆して板状に成形したものであり、このような複合体から石膏、あるいはボード用原紙を取り出してこれを再利用するためには、石膏とボード用原紙を分離する必要がある。
【0003】
従来、石膏とボード用原紙を分離するために、ロールクラッシャー、スクリュー型破砕機、ハンマークラッシャー等で、石膏ボード廃材を解砕処理後、篩分けをして各部材に分離している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、石膏とボード用原紙は被破砕性が異なり、各部材に同程度の衝撃及び同種類の力を作用させる前記方法では、解砕分離した各部材に異材料の混入が多い。すなわち、石膏ボードにおいては、回収する石膏中にパルプ(ボード原紙)が多く混入し、また、分離したパルプは石膏の付着が大きいものである。従って、回収石膏をリサイクル資源として大量使用することは困難が伴い、現在、この方法で回収された石膏は、石膏ボード製造時のバージン原料に5%程度混合使用されているにすぎない。また、分離されたパルプは、石膏の付着量が多くパルプ原料としての再使用は困難である。
【0005】
従って、この発明は、前記欠点を解消し、極めて簡単な構成により石膏ボードをボード原紙と石膏とに分離解砕し、回収物をリサイクル資源として有効に活用することができる石膏ボードの解砕処理方法及び解砕処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明の石膏ボードの解砕処理方法によれば、平行な軸心回りに互いに逆回転する一対のロールの、各ロール表面の円周方向に複数の環状の凹部と凸部を長さ方向に交互に、且つ該凸部の外面を断面円弧状に、さらに凹部の内底面を断面平坦状に形成し、前記各ロールの凹凸部が互いに齟齬するように対向させたロール間に石膏を心材としボード原紙で被覆した石膏ボードを供給し、該石膏ボードに圧縮、引張り、及び剪断応力を作用させて石膏とボード原紙とに分離解砕することを特徴とする。
【0007】
また、この発明の石膏ボードの解砕処理装置によれば、平行な軸心回りに互いに逆回転する一対のロールの、各ロール表面の円周方向に複数の環状の凹部と凸部を長さ方向に交互に、且つ該凸部の外面を断面円弧状に、さらに凹部の内底面を断面平坦状に形成し、前記各ロールの凹凸部が互いに齟齬するように対向させてなり、該ロール間において石膏を心材としボード原紙で被覆した石膏ボードを石膏とボード原紙とに分離解砕することを特徴とする。以下、図面に基づいて詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1において、この発明の複合体の解砕処理装置1は、軸心回りに互いに逆回転する平行な一対のロール2、3と、このロール2及び3と同軸上で円周方向表面に複数の環状の凹部4と凸部5を軸長さ方向に交互に形成することにより主として構成される。尚、図示は省略するが、駆動装置等は従来のダブルロールクラシャーと同様であり、また、ロール2、3間の互いに噛み合う凹部4と凸部5間の隙間Sは、適宜調整可能とされ、さらに、ロール2及び3のいずれか一方は、バネ手段や油圧手段等により他方のロールに向かって押圧力が附勢されるものである。
【0009】
このような複合体の解砕処理装置1において、前記環状の凸部外面5aは、断面円弧状に形成すると共に、前記凹部4の内底面4aを断面平坦状に形成し、前記各ロール1、2の凹部4及び凸部5が互いに齟齬するように対向させてなるものである。断面円弧状に形成した凸部5の外面5aは、断面円形、好ましくは断面半円状であり、さらに好ましくは、凸部5の幅tの略1/2の半径で形成した断面半円状とすることにより、解砕処理する複合体に圧縮、引っ張り、及び剪断応力を効果的に作用させることができる。
【0010】
また、凸部5の幅tは、凹部4の幅Tと同一かやや小さく、すなわち、凹部4の幅Tに対して1〜1/2程度の大きさに形成することにより、お互いの噛み合いを容易にすることができる。さらに、複合体が後述する石膏ボードであり、この石膏ボードの解砕処理に適用するに当たっては、この凸部5の幅t及び凹部4の幅Tは、10〜40mmとし、ピッチPを20〜80mmとすることが好ましく、さらにまた、凸部5の高さhを幅tに対して1〜1/4程度の大きさとすることにより、前述した凸部5の断面形状の作用と共に、石膏ボードを効果的に石膏とパルプに分離することができるものである。
【0011】
このような凹部4と凸部5は、筒状のロール2、3表面を機械加工して形成するほか、半円形もしくは円形の棒状部材を前記筒状のロール2、3表面に所定ピッチで巻き付けるようにして溶着するなど、適宜手段で形成することができる。尚、図1に示す断面平坦状に形成した前記凹部4は、このほか、図2に示すように、前記凸部5の外面5aと同一形状、すなわち、凹部4と凸部5が噛み合うように断面円弧状に形成することもできる。
【0012】
以上説明したこの発明の複合体の解砕処理装置1において、複合体、例えば適宜な大きさに裁断あるいは破断された廃石膏ボードを図示しないホッパー等の手段により互いに逆回転するロール2、3間に供給すると、廃石膏ボードは、互いに噛み合う断面円弧状に形成した凸部5の外面5aと凹部4の内底面4aとの作用により、圧縮、引張り、及び剪断応力を受け、石膏とパルプを効果的に分離解砕することができる。
【0013】
すなわち、石膏ボードは、内部の心材である石膏が圧縮、引張り、及び剪断応力の弱い脆性材料であるのに対し、表層部のパルプ(ボード用原紙)がこれらの応力に比較的強い複合体である。従って、これら複合体の各部材に、衝撃力のような激しい力を加えるのではなく、前記多様な応力を作用させることにより、効果的に解砕処理することができるものである。
【0014】
次いで解砕処理した複合体は、図示しない振動篩のような篩手段により篩分け処理し、分離された各部材中へ異部材の混入が極めて少なく、純度の高い単部材を回収することができる。尚、複合体として、主に石膏ボードを説明したが、プラスチックと発泡基材等、被破砕性の異なる各種の複合体に効果的に適用できるものである。
【0015】
【実施例】
図1に示す直径400mm、長さ250mmのロール2及び3の表面に、環状の凸部5の幅tを20mm、高さhを20mmとすると共に、外面5aを半径10mmの半円状に形成し、また、環状の凹部4の幅Tを30mmにしてこの発明の複合体の解砕処理装置1とした。この解砕処理装置1を用いて、前記ロール2及び3を90rpmの速度で互いに逆回転しながら、適宜大きさに分断した厚さ21、12、及び9mmの石膏ボードを解砕処理後、振動篩によりパルプと石膏を分離し、石膏中のパルプ含有量、及び分離したパルプの石膏付着量を求めた。結果を表1に示す。回収石膏中のパルプ含有量は、0.1〜0.4重量%と極めて少なく、また、石膏の回収率は、88〜95重量%と高いものであった。一方、分離したパルプには石膏の付着が少なく、パルプ原料としての再使用が可能であるほか、燃焼処理を行っても良く、燃焼残さも少量である。
【0016】
【表1】
【0017】
尚、比較として解砕処理装置における環状の凸部5の幅tを20mm、高さhを20mmの直角な矩形に形成する以外は、前記実施例と同一寸法、及び回転数で同じ石膏ボードを処理したところ、石膏ボードは前記凸部の幅で切断され、石膏は剥離せずボードの中心より2分して両側のパルプに付着した。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明は、極めて簡単且つ容易に石膏ボードのような複合体を各材料ごとに分離し、回収物をリサイクル資源として有効に活用することができ、環境保全上からも大いに貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の複合体の解砕処理装置を示す概略図である。
【図2】この発明の別の実施例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 解砕処理装置
2 ロール
3 ロール
4 環状の凹部
4a外面
5 環状の凸部
5a内底面
S 間隙
T 凹部の幅
t 凸部の幅
P ピッチ
h 凸部の高さ
Claims (5)
- 平行な軸心回りに互いに逆回転する一対のロールの、各ロール表面の円周方向に複数の環状の凹部と凸部を長さ方向に交互に、且つ該凸部の外面を断面円弧状に、さらに凹部の内底面を断面平坦状に形成し、前記各ロールの凹凸部が互いに齟齬するように対向させたロール間に石膏を心材としボード原紙で被覆した石膏ボードを供給し、該石膏ボードに圧縮、引張り、及び剪断応力を作用させて石膏とボード原紙とに分離解砕することを特徴とする石膏ボードの解砕処理方法。
- 石膏ボードの解砕後、篩分け処理することを特徴とする請求項1記載の石膏ボードの解砕処理方法。
- 平行な軸心回りに互いに逆回転する一対のロールの、各ロール表面の円周方向に複数の環状の凹部と凸部を長さ方向に交互に、且つ該凸部の外面を断面円弧状に、さらに凹部の内底面を断面平坦状に形成し、前記各ロールの凹凸部が互いに齟齬するように対向させてなり、該ロール間において石膏を心材としボード原紙で被覆した石膏ボードを石膏とボード原紙とに分離解砕することを特徴とする石膏ボードの解砕処理装置。
- 前記凸部及び凹部の幅が10〜40mmであり、ピッチが20〜80mmであることを特徴とする請求項3記載の石膏ボードの解砕処理装置。
- 前記凸部の幅が、前記凹部の幅に対して1〜1/2の大きさであることを特徴とする請求項3又は4記載の石膏ボードの解砕処理装置。
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Publications (2)
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