JP3626558B2 - パターン形成方法及び非水電解液二次電池用電極板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、パターン形成方法及び非水電解液二次電池用電極板の製造方法に関し、例えば、リチウムイオン二次電池で代表される非水電解液二次電池用電極板の製造に有用であるパターン形成方法及び非水電解液二次電池用電極板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器や通信機器の小型化及び軽量化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として用いられる二次電池に対しても小型化及び軽量化の要求が強く、高エネルギー密度で且つ高電圧を有するリチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池が提案されている。
【0003】
又、二次電池の性能に大きく影響を及ぼす電極板に関しては、充放電サイクル寿命を延長させるために、又、高エネルギー密度化のために薄膜大面積化を図ることが提案されている。
例えば、特開昭63−10456号公報や特開平3−285262号公報等に記載されているように、金属酸化物、硫化物、ハロゲン化物等の正極活物質粉末に、導電剤及び結着剤(バインダー)を適当な湿潤剤(溶媒)に分散溶解させて、ペースト状の活物質塗工液を調製し、金属箔からなる集電体を基体とし、該基体上に上記塗工液を塗工して塗工膜(活物質塗工膜)を形成して得られる正極電極板が開示されている。この際、バインダーとして、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、又はシリコーン・アクリル共重合体が用いられている。
【0004】
上記したような塗工型の電極板において、活物質を含有する塗工液の調製の際に用いられるバインダーは、非水電解液に対して電気化学的に安定であって、且つ電解液中に溶出することなく、更に、金属箔からなる基体上に塗工液を薄く塗工をすることができるように、何らかの溶媒に可溶である必要がある。又、塗工及び乾燥されて形成される活物質塗工膜(塗工膜)は、電池の組立工程において、剥離、脱落、ひび割れ等が生じることがないように可撓性を有するものであることが要求され、且つ金属箔からなる集電体との密着性にも優れた塗工膜であることが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで電極板は通常、電流を取り出すための端子を付ける部分、或いは電池を作製する際に電極板を折り曲げる部分等には塗工膜が存在しないことが必要であって、少なからず非塗工部を有しており、その非塗工部のパターンは電池設計に従って任意に決定される。この非塗工部を作成する方法には、現状では電極塗工液を集電体上に塗工する際のコーターヘッドの機械的制御により、塗工部と非塗工部のパターンを直接形成する方法、乾燥後の塗工膜を機械的手段により剥離させて非塗工部を形成する方法がある。
【0006】
しかしながら、前者の方法は機械精度の問題から高速なパターン形成が困難であり、且つ塗工膜厚にばらつきが生じる。又、後者の方法は剥離に時間がかかる、パターニング精度が高くない、或いは剥離部のエッジからの粉落ち等の短所があり、現状では殆ど工業的実施は不可能である。
従って本発明の目的は、少なくとも活物質と結着剤とを含有する電極塗工液を集電体上に塗工及び乾燥して塗工膜を形成する非水電解液二次電池用電極板の製造において、全面ベタに塗工形成された乾燥後の塗工膜を任意の形状に剥離させることによって、塗工部の膜厚ばらつきが少なく、シャープな形状のパターンを形成することができるパターン形成方法及び非水電解液二次電池用電極板の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基体上に形成された多孔質塗工膜に、固化後に上記塗工膜よりも凝集力が大となる液状物質として加熱融解させた熱可塑性樹脂を用い、該液状物質を上記基体面まで任意のパターン状に含浸させ、上記液状物質を固化させた後、該固化物質が含浸された上記塗工膜を剥離し、基体表面を露出させることを特徴とするパターン形成方法、及び少なくとも活物質と結着剤とを含有する電極塗工液を集電体上に塗工及び乾燥して形成された塗工膜に、上記のパターン形成方法を適用して、集電体面をパターン状に露出させることを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造方法である。
【0008】
本発明者らは、前記従来技術の課題を解決するために鋭意検討の結果、電極塗工膜は多孔質の塗工膜であり、該膜中に存在する多くの微細な空隙に、固化後に上記塗工膜よりも凝集力が大となる液状物質(以下単に固化剤という)を任意のパターン状に含浸させると、該固化剤が冷却や化学反応によって固化する際に塗工膜を包み込む形で固化し、且つこの固化した塗工膜の部分のみを集電体表面から容易に剥離することができ、集電体表面に塗工膜を残すことなく、集電体面が精巧に露出され、剥離されなかった塗工膜との境界は非常にシャープであり、且つ剥離の際に粉落ち等の問題も発生しないことを知見して本発明に至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明のパターン形成方法は、基体上に形成された多孔質塗工膜に、固化後に上記塗工膜よりも凝集力が大となる液状物質を任意のパターン状に含浸させ、上記液状物質を固化させた後、固化物質が含浸された上記塗工膜を剥離し、基体表面を露出させることを特徴としているが、この方法を非水電解液二次電池用電極板の製造に利用する方法を代表例として以下説明する。勿論、本発明は非水電解液二次電池用電極板の製造方法に限定されるものではない。
【0010】
本発明者は、非水電解液二次電池用電極板の製造において、活物質塗工膜をパターン状に形成する方法について種々研究していたところ、活物質塗工膜が大部分の活物質粒子と比較的少量の樹脂バインダーとから形成されている結果、該活物質塗工膜は多孔質であり、集電体に対する密着性が低く、又、樹脂バインダーの使用量が少ないことから、活物質塗工膜の横方向の凝集力(強度)が低いことに着目したものである。
【0011】
即ち、上記活物質塗工膜は、連通多孔質であることから液体が層の厚み方向にしみ込み易い。この活物質塗工膜に液体を含浸させる場合には、任意のパターン状に液体が含浸され、該含浸した液体を固化させると、含浸部分は他の非含浸部分と比較して著しく物理的強度が異なり、含浸固化部分のみを容易に集電体面から剥離することができ、集電体面に活物質塗工膜が全く残ることなく集電体面がパターン状に露出される。
【0012】
上記方法を図を参照して説明する。図1に示す如く、集電体表面に形成された活物質塗工膜に、ワックスの如き固化剤を加熱溶融させて滴下する。滴下されたワックスは活物質塗工膜にしみ込み、活物質塗工膜の空隙を充填する。この際液状の固化剤が集電体面に到達する前に固化することを防止するために、集電体及び/又は活物質塗工膜を加熱しておいてもよい。
図2は、固化剤が活物質塗工膜内にしみ込み、冷却によって固化した状態を示している。この状態では、固化剤が含浸された領域はその密度が、他の領域に比べて著しく大となっており、又、該領域の凝集力も他の領域に比較して著しく大となっている。
【0013】
図3は、固化剤含浸領域を剥離した状態を示している。上記のように固化剤含浸領域は、固化剤の充填によって高密度及び高凝集力となっており、この領域の凝集力は固化剤が含浸されていない隣接する活物質塗工膜の凝集力に比較して著しく大となっている。従って固化剤含浸領域を適当な手段で剥離すると、活物質塗工膜は固化剤に包み込まれた状態でシャープに剥離し、剥離後にシャープなパターンの集電体面が露出される。
本発明により形成されるパターンの形状は自由自在であり、それらのパターンの形状の例を図4〜6に示す。
【0014】
本発明で使用する固化剤の例としては、常温で固体であり、加温によって液状となる物質、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられ、本発明の目的には、固化剤は、その融点が60℃〜150℃程度がよい。融点が低すぎる場合には室温でも軟らかいために取り扱いが難しく、電極板の生産性に劣り、又、融点が高すぎるとエネルギー的に不経済である。又、固化剤の溶融粘度は300〜6000cP程度がよい。溶融粘度が高すぎると固化剤が塗工膜の微細な空隙にしみ込みにくく、電極板の生産性に劣り、又、固化剤の溶融粘度が低すぎると溶融状態にある固化剤が毛細管現象で塗工膜中で横方向に広がってしまい、シャープなパターニングが困難になる。更に、剥離時の作業性の点から、固化剤と集電体との密着強度はなるべく小さい方が好ましい。
【0015】
固化剤の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、それらの共重合体、マイクロクリスタリンワックス、酸化ポリエチレンワックス又はそれらの混合物等の合成ワックス、カルナバワックス等の天然ワックス或いはそれらの誘導体又はそれらの混合物が挙げられる。
【0017】
以上の如き固化剤を塗工膜中に含浸させる場合には、固化剤が塗工膜中の微細な空隙を通り集電体面まで達する必要があり、液状の固化剤が集電体面まで達する前に固化してしまうと、固化剤が含浸された塗工膜と集電体との剥離の際に、集電体表面に塗工膜の一部が残ってしまう虞がある。これを防ぐためには、集電体或いは塗工膜若しくは両者を適当な温度に加温して固化剤の固化を遅らせてもよいし、或いは溶融粘度の低い固化剤を選択してしみ込む速度を速くしてもよく、或いは固化剤の温度を十分に高くしておき、液状固化剤が固化するまでの時間を遅らせてもよい。
【0018】
尚、負極の集電体として銅箔を用いる場合には、銅箔は140℃以上に加熱されると酸化されて表面が赤くなる傾向があるが、固化剤の塗布(滴下)時に塗工膜をホットプレートで加熱する場合には、銅箔の両面が塗工膜で被覆されており、加熱は固化剤が塗布されている面から行われるので、ホットプレートの温度を140℃以上としても銅箔の酸化の問題は発生しない。
又、電極板の両面の同一位置にパターンを形成する場合には、一方の面をパターン化した後、その反対面をパターン化する場合には、既にパターン化されて銅箔が露出している面の酸化を防止するために、新たにパターン化する面側から遠赤外線等によって塗工膜を加熱し、裏側の露出面が140℃以上には加熱されないようにすることが好ましい。
【0019】
又、固化剤を塗工膜にパターン状にしみ込ませる方法には、溶融した固化剤を塗工膜上にパターン状に塗工する方法、パターン状に成型した固化剤を塗工膜上に配置し、塗工膜を加熱することにより塗工膜に接した固化剤を溶融させて塗工膜に含浸させる方法、種々の抜きパターンを有する型を予め作製しておき、型の上から固化剤を塗布及び含浸させる方法等がある。溶融した固化剤を塗工する際には、ディスペンサー、グラビアロール、ダイヘッド等の一般的な塗工装置が使用可能である。例えば、図1に示す如き固化剤の滴下装置をX−Yプロッタ型の駆動装置に取り付け、X−Yプロッタの動きに合わせて任意のパターンに固化剤を滴下することができる。例えば、X−Yプロッタを文字や図形或いは模様を描くように動作させることによって、任意の文字や図形或いは模様を描くように固化剤を滴下することが可能である。
【0020】
固化した固化剤を含む塗工膜は通常、集電体に弱く付着しているために容易に剥離することができる。剥離の際には、集電体にテンションをかけて固化剤を含む塗工膜を浮き上がらせて集電体から剥離させてもよく、ヘラ状のもので集電体から掻きとってもよく、粘着テープで集電体から剥がしてもよく、或いはエアーで集電体から吹き飛ばしてもよい。
尚、上記の如く固化剤の塗工膜への含浸は、塗工膜を、後述する如くのプレス前の塗工膜に行ってもよく、プレス後の塗工膜に行ってもよい。
【0021】
以下、本発明を非水電解液二次電池用電極板の製造に使用する場合の、該電極板を構成する各材料について説明する。非水電解液二次電池とは、リチウム系二次電池で代表されるもので、電解液に非水有機溶媒を用いることを特徴とし、例えば、金属箔からなる集電体上に電極活物質を含有する塗工膜(活物質塗工膜)が形成されているものを電極板とし、電解液に非水有機溶媒を用い、正極及び負極の電極間をリチウムイオンが移動する際の電子のやり取りによって充放電が可能となるものである。
本発明の非水電解液二次電池用電極板を構成する活物質を含有する塗工膜は、少なくとも活物質と結着剤とからなる電極塗工液から形成される。本発明で用いられる正極活物質としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4等のリチウム酸化物、TiS2、MnO2、MoO3、V2O5等のカルコゲン化合物のうちの一種、或いはこれらの複数種が組み合わせて用いられる。
【0022】
一方、負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、或いはグラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料が好んで用いられる。特に、LiCoO2を正極活物質、炭素質材料を負極活物質として用いることにより、4ボルト程度の高い放電電圧のリチウム系二次電池が得られる。これらの活物質は形成される塗工膜中に均一に分散されるのが好ましい。このために、本発明においては、活物質として1〜100μmの範囲の粒径を有する平均粒径が10μm程度の粉体を用いるのが好ましい。
【0023】
又、本発明で用いられるバインダー(結着剤)としては、例えば、熱可塑性樹脂、即ち、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂及びポリイミド樹脂等から任意に選択して使用することができる。この際に反応性官能基を導入した化合物(アクリレートモノマー又はオリゴマー)を同時に混入させる事も可能である。又、アクリレートオリゴマー単独であっても、オリゴマーとモノマーとの混合系等であっても利用することができる。
【0024】
本発明の非水電解液二次電池用電極板を構成する活物質を含有する塗工膜は、以下のような方法によって作成される。先ず、集電体上に塗工する塗工液を、上記に記載した材料を用いて作製する。即ち、上記の材料から適宜に選択された結着剤と粉末状の活物質とを適当な分散媒を用いて、混練或いは分散溶解して電極塗工液を作製する。
【0025】
次に、得られた塗工液を用いて、集電体上に塗工する。塗工する方法としては、グラビア、グラビアリバース、ダイコート及びスライドコート等の方式を用いる。その後、塗工した塗工液を乾燥させる乾燥工程を経て所望の膜厚の塗工膜を形成する。
本発明の非水電解液二次電池用電極板に用いられる集電体としては、例えば、アルミニウム、銅等の金属箔が好ましく用いられる。金属箔の厚さとしては、10〜30μm程度のものを用いる。
【0026】
以下、本発明で使用する活物質が含有された電極塗工液の具体的な調製方法について説明する。先ず、上記に挙げたような材料から適宜に選択されたバインダーと粉末状の活物質とを、トルエン等の有機溶媒からなる分散媒体中に入れ、更に必要に応じて導電剤を混合させた組成物を、従来公知のホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル等の分散機を用いて混合分散することによって調製する。
【0027】
この際、バインダーと活物質との配合割合は、従来行われているのと同様でよく、例えば、重量比でバインダー:活物質=2:8〜1:9程度とするのが好ましい。又、必要に応じて添加する導電剤としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料が用いられる。
上記のようにして調製された活物質が含有された電極塗工液は、アルミニウム、銅等の金属箔からなる集電体上に、グラビアコーター又はグラビアリバース、ダイコーター等を用いて複数回塗工及び乾燥処理して、乾燥膜厚が10〜200μm、好ましくは50〜170μmとなるような範囲で塗工する。
【0028】
更に、上記のようにして塗工及び乾燥処理して形成された塗工膜の均質性をより向上させるために、該塗工膜に金属ロール、加熱ロール、シートプレス機等を用いてプレス処理を施し、本発明の電極板を形成するのも好ましい。この際のプレス条件としては、500Kgf/cm2〜7,500Kgf/cm2、更に好ましくは、3,000〜5,000Kgf/cm2の範囲とするのが好ましい。500Kgf/cm2よりもプレスする力が小さいと塗工膜の均一性の向上が得られにくく、又、7,500Kgf/cm2よりもプレスする力が大きいと、集電体を含めて電極板自体が破損してしまうために、好ましくない。
【0029】
更に、上記のようにして作製した本発明の電極板を用いて二次電池を作製する場合に、電池の組立工程に移る前に、電極板の活物質が含有されている塗工膜中の水分を除去するために、更に加熱処理、減圧処理等を行うことが好ましい。本発明は、以上の如き電極板に前記本発明のパターニング方法を適用するものである。
又、以上のようにして作製した本発明の正極及び負極の非水電解液二次電池用電極板を用いて、例えば、リチウム系二次電池を作製する場合には、電解液として、溶質のリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解液が用いられる。
【0030】
この際に使用される有機溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類等があり、例えば、環状エステル類としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等があり、又、鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等があり、又、環状エーテル類としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等があり、又、鎖状エーテル類としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。
【0031】
又、上記の有機溶媒と共に非水電解液を形成する溶質のリチウム塩としてはLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCl、LiBr等の無機リチウム塩、及びLiB(C6H5)4、LiN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiOSO2CF3、LiOSO2C2F5、 LiOSO2C3F7、LiOSO2C4F9、LiOSO2C5F11、 LiOSO2C6F13、LiOSO2C7F15等の有機リチウム塩等が用いられる。
【0032】
以上、本発明のパターン形成方法を電極板の製造を例に挙げて説明したが、本発明のパターン形成方法は、上記方法に限定されず、他の目的にも使用することができることは勿論である。
他の用途の1例を挙げると、本発明はプラズマディスプレイパネルの基板の作製に応用することができる。例えば、プラズマディスプレイパネルにおける背面板はガラス基板の表面に下地層を介して電極(通常は金)が形成されている。下地層はガラス基板の端面の汚れを防止するために、カラス基板の端面よりも0.5mm程度内側に塗布形成することが必要である。この下地層は、例えば、鉛ガラスのフリット80重量%、エチルセルロース等の樹脂バインダー1重量%及び残量の溶剤からなり、粘度80,000cP程度のペーストを塗布及び乾燥させ、焼成して形成される。
【0033】
上記ペーストの塗工方法において下地層を正確にガラス基板端面から0.5mm程度内側に形成することは困難であるが、本発明の方法を応用すれば、下地層塗工液をガラス基板全面に塗布及び乾燥した後、焼成前にガラス基板端面から0.5mm程度の幅で下地塗工層を剥離除去することが容易であり、その後に下地層を焼成することによって、ガラス基板面に正確なパターンの下地層を形成することが可能である。
【0034】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
先ず、本実施例で用いた正極活物質を含む正極塗工液を以下の方法により作製した。正極塗工液の材料としては、1〜100μmの粒径を持つ平均粒径10μmのLiCoO2粉末を40重量部、導電材としてグラファイト粉末を5.0重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂(ネオフロンVDF、VP−850 ダイキン工業(株)製)を4重量部、N−メチルピロリドン20重量部の配合比で用いた。
【0035】
これらの材料のうち、ポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンにて溶解して予めワニスを作製し、得られたワニスに他の粉末材料を入れた後、プラネタリーミキサー((株)小平製作所製)にて30分間撹拌混合することにより、スラリー状の正極活物質を含む正極塗工液を得た。
上記で得られた正極塗工液を用い、厚さ20μm及び幅300mmのアルミ箔からなる集電体上にダイコーターにて正極活物質塗工液の第1回目の塗工を行った。その後、140℃で2分間乾燥処理してアルミ箔上に乾燥膜厚が100μmの正極活物質を含む塗工膜を形成した。更に、上記で得られた正極活物質を含む塗工膜を80℃の真空オーブン中で、48時間エージングして水分を除去し、本実施例の正極用の電極板を作製した。
【0036】
次に、本実施例で用いた負極活物質を含む負極塗工液を以下の方法により作製した。負極塗工液の材料として、グラファイト粉末を85重量部、ポリフッ化ビニリデン樹脂(ネオフロンVDF、VP−850 ダイキン工業(株)製)を15重量部、分散媒体としてN−メチルピロリドンを225重量部の配合比で用い、正極塗工液を作製した場合と同様の分散機及び分散方法を用いて粉体を分散させ、スラリー状の負極塗工液を得た。
【0037】
上記で得られた負極塗工液を用い、厚さ15μmの圧延銅箔の集電体上にダイコーターを用いて負極塗工液の第1回目の塗工を行った。その後、140℃で2分間乾燥処理して、銅箔上に乾燥膜厚が100μmの負極活物質を含む塗工膜を形成した。更に、正極電極板の形成の場合と同様の方法で水分を除去し、本実施例の負極用の電極板を作製した。
【0038】
上述のようにして得られた正極板及び負極板を90℃のホットプレートの上に乗せ、250℃に加熱融解させたポリプロピレン(三洋化成工業(株)ビスコール550P)をディスペンサーで幅10mm及び長さ200mmの帯状に塗工した後、ホットプレートを取り去りポリプロピレンを固化させた。固化したポリプロピレンは硬く折れやすく、集電体にテンションをかけることで自然に浮き上がり、集電体から容易に剥離した。又、このようにして形成されたパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0039】
実施例2
実施例1と同様の塗工液及び乾燥条件にて電極を作製した。得られた正極板及び負極板を120℃のホットプレートの上に乗せ、250℃に加熱融解させたポリエチレン(三洋化成工業(株)サンワックス161P)をディスペンサーで幅10mm及び長さ200mmの帯状に塗工した後、ホットプレートを取り去りポリエチレンを固化させた。固化したポリエチレンは強靭であり、端部を摘んで引き上げると固化したポリエチレン部分は形状を保ったまま集電体上から容易に剥離した。又、このようにして形成されたパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0040】
実施例3
実施例1と同様の塗工液及び乾燥条件にて電極を作製した。得られた正極板及び負極板を赤外線ランプによって70℃に加熱し、160℃に加熱融解させたワックス(三菱化成工業(株)、ダイヤカルナ30L)をディスペンサーで幅10mm及び長さ200mmの帯状に塗工した後、赤外線ランプを取り去りワックスを固化させた。固化したワックスは硬く折れやすく、集電体にテンションをかけることで固化したワックス部分は自然に浮き上がり、容易に剥離した。又、このようにして形成されたパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0041】
実施例4
実施例1と同様の塗工液及び乾燥条件にて電極を作製した。この正極板及び負極板の塗工膜の表面に幅30mm、長さ200mm及び厚み5mmのリボン状に溶融成型したポリエチレン(三洋化成工業(株)サンワックス161P)を乗せ、そのまま電極の裏から250℃のホットプレートを約1秒間接触させた後取り去った。ポリエチレンは塗工膜に接した面のみが融解して塗工膜にしみこんだまま固化しており、ポリエチレンリボンの端部を摘んで引き上げると該ポリエチレンリボンは形状を保ったまま容易に剥離した。又、このようにして形成されたパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0042】
実施例5
実施例1と同様の塗工液及び乾燥条件にて電極を作製した。得られた正極板及び負極板をロールプレスにて3000Kgf/cm2でプレスした後、90℃のホットプレートの上に乗せ、250℃に加熱融解させたポリプロピレン(三洋化成工業(株)ビスコール550P)をディスペンサーで幅10mm及び長さ200mmの帯状に塗工した後、ホットプレートを取り去りポリプロピレンを固化させた。固化したポリプロピレンは硬く折れやすく、集電体にテンションをかけることで自然に浮き上がり、容易に剥離した。又、このようにして形成されたパターンのエッジはシャープであり、塗工膜の粉落ち等は認められなかった。
【0043】
実施例6
プラズマディスプレイパネルの基板であるガラス板の全面に、鉛ガラスのフリット80重量%、エチルセルロース1重量%、ブチルカルビトールアセテート10重量%及びα−パーチネオール9重量%からなり、粘度80,000cPペーストを塗布及び乾燥させた。この塗工層の表面に、矩形のガラス基板より4辺が0.5mm短い非浸透性のプラスチック枠を重ね、該枠からはみ出している乾燥塗工膜にポリプロピレンワックス(三洋化成製、ビスコール550P)を250℃に加熱した融解液を塗布して塗工層に含浸させた。冷却後含浸部分の塗工膜を剥離したところ、塗工膜はガラス基板の端面より正確に0.5mmの幅で剥離され、奇麗なガラス面が露出した。その後常法により焼成して下地層を形成した。
【0044】
比較例1
実施例1と同様の塗工液及び乾燥条件にて電極を作製した。得られた正極板及び負極板の上に幅10mm及び長さ200mmの粘着テープを貼り、剥がすことによって非塗工部を作製した。剥離面には多量の塗工膜が残り、又、このようにして形成されたパターンのエッジはシャープでなく、塗工膜の粉落ちが認められた。又、このように粘着テープを用いて剥離することは工業的には事実上不可能である。
【0045】
比較例2
実施例1と同様の塗工液及び乾燥条件にて電極を作製した。得られた正極板及び負極板の塗工膜をヘラでこすり落とすことでに幅10mm及び長さ200mmの非塗工部を作製した。剥離面には多量の塗工膜が残り、パターンを形成するのは困難であった。又、集電体に傷が付いてしまった。
【0046】
比較例3
実施例1と同様の塗工液及び乾燥条件にて電極を作製した。得られた正極板及び負極板を室温に保ち、250℃に加熱融解させたポリプロピレン(三洋化成工業(株)ビスコール550P)をディスペンサーで幅10mm及び長さ200mmの帯状に塗工した後、空冷により完全に固化させた。塗工したポリプロピレンは塗工膜内部にしみこむ前に塗工膜表面で固化しており、ポリプロピレンを除去しても塗工膜は集電体に付着して残るために非塗工部は作製できなかった。
【0048】
【発明の効果】
以上の如き本発明によれば、塗工部の膜厚ばらつきが少なく、シャープな形状のパターンを形成することができる。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を図解的に説明する図。
【図2】本発明の方法を図解的に説明する図。
【図3】本発明の方法を図解的に説明する図。
【図4】本発明の方法により形成されるパターンの例を図解的に説明する図。
【図5】本発明の方法により形成されるパターンの例を図解的に説明する図。
【図6】本発明の方法により形成されるパターンの例を図解的に説明する図。
Claims (6)
- 基体上に形成された多孔質塗工膜に、固化後に上記塗工膜よりも凝集力が大となる液状物質として加熱融解させた熱可塑性樹脂を用い、該液状物質を上記基体面まで任意のパターン状に含浸させ、上記液状物質を固化させた後、該固化物質が含浸された上記塗工膜を剥離し、基体表面を露出させることを特徴とするパターン形成方法。
- 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、それらの誘導体或いはそれらの混合物である請求項1に記載のパターン形成方法。
- 基体が、リチウム電池の集電体である請求項1に記載のパターン形成方法。
- 多孔質塗工膜が、少なくとも活物質と結着剤とからなる塗工膜である請求項1に記載のパターン形成方法。
- 少なくとも活物質と結着剤とを含有する電極塗工液を集電体上に塗工及び乾燥して形成された塗工膜に、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン形成方法を適用して、集電体面をパターン状に露出させることを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
- 結着剤が、フッ素系樹脂である請求項5に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
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