JP3628129B2 - プラズマディスプレイパネル部材の製造方法 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の製造工程に係るものであり、詳しくはPDPを構成する背面板又は前面板としてのPDP部材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にPDPは、2枚の対向するガラス基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間にNe,Xe等を主体とするガスを封入した構造になっている。そして、これらの電極間に電圧を印加し、電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることにより、各セルを発光させて表示を行うようにしている。情報表示をするためには、規則的に並んだセルを選択的に放電発光させる。このPDPには、電極が放電空間に露出している直流型(DC型)と絶縁層で覆われている交流型(AC型)の2タイプがあり、双方とも表示機能や駆動方法の違いによって、さらにリフレッシュ駆動方式とメモリー駆動方式とに分類される。
【0003】
図1にAC型PDPの一構成例を示してある。この図は前面板と背面板を離した状態で示したもので、図示のように2枚のガラス基板1,2が互いに平行に且つ対向して配設されており、両者は背面板となるガラス基板2上に互いに平行に設けられた障壁3により一定の間隔に保持されるようになっている。前面板となるガラス基板1の背面側には透明電極4と金属電極であるバス電極5とで構成される複合電極が互いに平行に形成され、これを覆って誘電体層6が形成されており、さらにその上に保護層7(MgO層)が形成されている。また、背面板となるガラス基板2の前面側には前記複合電極と直交するように障壁3の間に位置してアドレス電極8が互いに平行に形成されており、その上に誘電体層9が形成され、さらに障壁3の壁面とセル底面を覆うようにして蛍光体10が設けられている。このAC型PDPは面放電型であって、前面板上の複合電極間に交流電圧を印加し、空間に漏れた電界で放電させる構造である。この場合、交流をかけているために電界の向きは周波数に対応して変化する。そしてこの放電により生じる紫外線により蛍光体10を発光させ、前面板を透過する光を観察者が視認するようになっている。
【0004】
上記の如きPDPにおける背面板は、ガラス基板2の上にアドレス電極8を形成し、それを覆うように誘電体層9を形成した後、障壁3を形成してその障壁3の間に蛍光体10を充填することで製造される。電極の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法、厚膜法等によって基板上に電極材料の膜を形成し、これをフォトリソグラフィー法によってパターニングする方法と、厚膜ペーストを用いたスクリーン印刷法によりパターニングする方法とが知られている。また、誘電体層9はスクリーン印刷法により塗布される。そして、障壁はスクリーン印刷による重ね刷り、サンドブラスト法等によって形成され、蛍光体はスクリーン印刷により障壁間に選択的に充填される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、PDPの普及を図るためには、生産性を上げ低コストでPDPを製造することによって製品価格を下げる必要がある。しかしながら、上記したように例えば背面板一つをとって見てもその製造工程は複雑であり、このような工程を変えない限りはコストダウンを図るのは難しい。
【0006】
本発明は、上記のような要望に応えるべくなされたもので、PDPの製品価格を下げるべく、工程を簡略化してコストダウンを図るようにしたPDP部材の製造方法を提供することを目的としており、具体的には、基板上に障壁とその間に位置する蛍光体とを形成する方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係るPDP部材の製造方法は、障壁材料ペーストを吐出するノズルと、それぞれ赤色、緑色、青色の発光色に対応した蛍光体材料ペーストを吐出する3種類のノズルとを規則正しく一列に並べ、各ノズルからペーストを吐出させながら全てのノズルを同時に走行させることにより、障壁材料ペーストを間に挟んで3色の蛍光体材料ペーストが規則正しく並んだ状態となるように4種類のペーストを基板上に塗布し、しかる後にペースト全体を焼成する工程を含むことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図2は一列に並んだ多数のノズルから障壁材料ペーストと蛍光体材料ペーストを基板上に吐出する様子を示す説明図、図3は各ペーストが塗布された基板を示す断面図である。
【0009】
図2において11は障壁材料ペースト21を吐出するノズル、12,13,14はそれぞれ赤色、緑色、青色の発光色に対応した蛍光体材料ペースト22,23,24を吐出するノズルであり、これらのノズルは基板15上を矢印方向へ同時に走行するように構成されている。そして、各ノズルの吐出口は障壁のピッチの1/2の間隔となるように設定してある。障壁材料ペースト11と蛍光体材料ペースト22〜24の相対的な吐出量は障壁の幅によって決まる。また、両者が接触しながら互いに混ざり合わないで帯状に塗布されるので、ノズル群の走行スピードは障壁の高さによって決まる。
【0010】
障壁材料ペーストはガラスフリットと樹脂を主成分とする。ガラスフリットとしては、その軟化点が350〜650℃で、熱膨張係数α800 が60〜100×10−7/℃のものが使用される。ガラスフリットの軟化点が650℃を越えると焼成温度を高くする必要があり、その積層対象によっては熱変形したりするので好ましくなく、350℃より低いと熱可塑性樹脂等が分解、揮発する前にガラスフリットが融着し、層中に空隙等の発生が生じるので好ましくない。また、熱膨張係数が60〜100×10−7/℃の範囲外であると、PDPの場合、ガラス基板の熱膨張係数との差が大きく、歪み等を生じるので好ましくない。また、無機成分として、ガラスフリットの他に無機粉体、無機顔料をそれぞれ2種以上を混合して使用してもよい。
【0011】
無機粉体は骨剤であって、必要に応じて添加される。この無機粉体は、焼成に際しての流延防止、緻密性向上を目的とするもので、ガラスフリットより軟化点が高いものであり、例えば酸化アルミニウム、酸化硼素、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、炭酸カルシウム等の各無機粉体が利用でき、平均粒径0.1〜20μmのものが使用される。無機粉体の使用割合は、ガラスフリット100重量部に対して無機粉体0〜30重量部にするとよい。
【0012】
無機顔料は、例えばPDPの外光反射を低減し、実用上のコントラストを向上させるために必要に応じて添加されるものであり、暗色にする場合には、耐火性の黒色顔料として、Co−Cr−Fe、Co−Mn−Fe、Co−Fe−Mn−Al、Co−Ni−Cr−Fe、Co−Ni−Mn−Cr−Fe、Co−Ni−Al−Cr−Fe、Co−Mn−Al−Cr−Fe−Si等が挙げられる。また、耐火性の白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0013】
次に、樹脂は、無機成分のバインダーとして、また転写性の向上を目的として含有させるものであり、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキプロピルアクリレート、ヒドロキプロピルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー、エチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。また、水溶性樹脂も挙げられる。この水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン等がある。
【0014】
障壁材料は溶剤に溶解又は分散させてペースト状で塗布し乾燥する。溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン等のアノン類、塩化メチレン、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、α−若しくはβ−テルピオネール等のテルペン類が挙げられる。また、障壁材料ペーストには必要に応じて可塑剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤等を添加してもよい。
【0015】
蛍光体材料ペーストは蛍光体と樹脂を主成分とする。樹脂とペースト化のための溶剤は、障壁材料ペーストの場合と同じである。または、障壁材料ペーストの場合と同じ溶剤に溶解又は分散させてペースト状で塗布し乾燥する。
【0016】
蛍光体としては、紫外光により励起され発光する無機蛍光体が使用される。例えば発光色が赤色のものとしては、Y2 O3 :Eu、Y2 SiO5 :Eu、Y3 Al5 O12:Eu、Zn3 (PO4 )2 :Mn、YBO3 :Eu、(Y,Gd)BO3 :Eu、ScBO3 :Eu、LuBO3 :Eu等が例示される。
【0017】
発光色が緑色のものとしては、Zn2 SiO4 :Mn、BaAl12O19:Mn、SrAl13O19:Mn、CaAl12O19:Mn、YBO3 :Tb、BaMgAl14O23:Mn、LuBO3 :Tb、GdBO3 :Tb、ScBO3 :Tb、Sr6 Si3 O3 Cl4 :Eu等が例示される。
【0018】
発光色が青色のものとしては、Y2 SiO5 :Ce、CaWO4 :Pb、BaMgAl14O23:Eu等が例示される。
【0019】
具体的には、障壁材料ペーストとして下記組成Aのペーストを、また蛍光体材料ペーストとしては下記組成Bのペーストを使用すればよい。
【0020】
<組成A>
ホウケイ酸鉛ガラス 60重量部
ジルコニア(ZrO2 ) 10重量部
無機黒色顔料(Fe,Mn,Cr系) 10重量部
エチルセルロース 5重量部
フタル酸ジメチル 1重量部
プロピレングリコールモノエチルエーテル 20重量部
【0021】
<組成B>
蛍光体 30重量部
青 BaMg2 Al14O23:Eu
緑 Zn2 SiO4 :Mn
赤 Y2 O2 :Eu
エチルセルロース 40重量部
フタル酸ジメチル 5重量部
プロピレングリコールモノエチルエーテル 25重量部
【0022】
図3のように基板15上に障壁材料ペースト21と蛍光体材料ペースト22〜24をライン状にパターニングした後、乾燥させてからペースト全体を焼成する。この焼成工程を経ることにより、図4に示すように、障壁材料ペーストから樹脂分が飛んで障壁31が基板15に結着し、蛍光体材料層中の有機分が焼失してそれぞれ赤、緑、青の発光色を有する蛍光体32,33,34が障壁31の壁面及びセル底面に結着する。
【0023】
なお、図面では省略しているが、基板15には必要によりガラスペースト等で下地層を形成してあってもよいし、スクリーン印刷法や感光性材料を用いたフォトリソグラフィ法により電極を形成してあってもよく、さらに必要により誘電体層を設けてあってもよい。このような基板に対しては、その上に障壁材料ペーストと蛍光体材料ペーストをパターニングした後、乾燥させてからペースト全体を焼成する。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一列に並んだノズルから障壁材料ペーストと蛍光体材料ペーストを規則正しく基板上に吐出することにより両者をパターニングし、この吐出されたペーストを焼成するという簡単な工程で障壁と蛍光体を形成することができるので、これらを備えたPDP部材の製造工程を簡略化してコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】AC型プラズマディスプレイパネルの一構成例をその前面板と背面板を離間した状態で示す構造図である。
【図2】一列に並んだ多数のノズルから障壁材料ペーストと蛍光体材料ペーストを基板上に吐出する様子を示す説明図である。
【図3】ペーストが塗布された基板を示す断面図である。
【図4】焼成後の基板を示す断面図である。
【符号の説明】
1 前面板
2 背面板
3 障壁リブ
4 維持電極
5 バス電極
6 誘電体層
7 保護層(MgO層)
8 アドレス電極
9 誘電体層
10 蛍光体
11 ノズル(障壁材料ペースト用)
12,13,14 ノズル(蛍光体材料ペースト用)
15 基板
21 障壁材料ペースト
22,23,24 蛍光体材料ペースト
31 障壁
32,33,34 蛍光体
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の製造工程に係るものであり、詳しくはPDPを構成する背面板又は前面板としてのPDP部材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にPDPは、2枚の対向するガラス基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間にNe,Xe等を主体とするガスを封入した構造になっている。そして、これらの電極間に電圧を印加し、電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることにより、各セルを発光させて表示を行うようにしている。情報表示をするためには、規則的に並んだセルを選択的に放電発光させる。このPDPには、電極が放電空間に露出している直流型(DC型)と絶縁層で覆われている交流型(AC型)の2タイプがあり、双方とも表示機能や駆動方法の違いによって、さらにリフレッシュ駆動方式とメモリー駆動方式とに分類される。
【0003】
図1にAC型PDPの一構成例を示してある。この図は前面板と背面板を離した状態で示したもので、図示のように2枚のガラス基板1,2が互いに平行に且つ対向して配設されており、両者は背面板となるガラス基板2上に互いに平行に設けられた障壁3により一定の間隔に保持されるようになっている。前面板となるガラス基板1の背面側には透明電極4と金属電極であるバス電極5とで構成される複合電極が互いに平行に形成され、これを覆って誘電体層6が形成されており、さらにその上に保護層7(MgO層)が形成されている。また、背面板となるガラス基板2の前面側には前記複合電極と直交するように障壁3の間に位置してアドレス電極8が互いに平行に形成されており、その上に誘電体層9が形成され、さらに障壁3の壁面とセル底面を覆うようにして蛍光体10が設けられている。このAC型PDPは面放電型であって、前面板上の複合電極間に交流電圧を印加し、空間に漏れた電界で放電させる構造である。この場合、交流をかけているために電界の向きは周波数に対応して変化する。そしてこの放電により生じる紫外線により蛍光体10を発光させ、前面板を透過する光を観察者が視認するようになっている。
【0004】
上記の如きPDPにおける背面板は、ガラス基板2の上にアドレス電極8を形成し、それを覆うように誘電体層9を形成した後、障壁3を形成してその障壁3の間に蛍光体10を充填することで製造される。電極の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法、厚膜法等によって基板上に電極材料の膜を形成し、これをフォトリソグラフィー法によってパターニングする方法と、厚膜ペーストを用いたスクリーン印刷法によりパターニングする方法とが知られている。また、誘電体層9はスクリーン印刷法により塗布される。そして、障壁はスクリーン印刷による重ね刷り、サンドブラスト法等によって形成され、蛍光体はスクリーン印刷により障壁間に選択的に充填される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、PDPの普及を図るためには、生産性を上げ低コストでPDPを製造することによって製品価格を下げる必要がある。しかしながら、上記したように例えば背面板一つをとって見てもその製造工程は複雑であり、このような工程を変えない限りはコストダウンを図るのは難しい。
【0006】
本発明は、上記のような要望に応えるべくなされたもので、PDPの製品価格を下げるべく、工程を簡略化してコストダウンを図るようにしたPDP部材の製造方法を提供することを目的としており、具体的には、基板上に障壁とその間に位置する蛍光体とを形成する方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係るPDP部材の製造方法は、障壁材料ペーストを吐出するノズルと、それぞれ赤色、緑色、青色の発光色に対応した蛍光体材料ペーストを吐出する3種類のノズルとを規則正しく一列に並べ、各ノズルからペーストを吐出させながら全てのノズルを同時に走行させることにより、障壁材料ペーストを間に挟んで3色の蛍光体材料ペーストが規則正しく並んだ状態となるように4種類のペーストを基板上に塗布し、しかる後にペースト全体を焼成する工程を含むことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図2は一列に並んだ多数のノズルから障壁材料ペーストと蛍光体材料ペーストを基板上に吐出する様子を示す説明図、図3は各ペーストが塗布された基板を示す断面図である。
【0009】
図2において11は障壁材料ペースト21を吐出するノズル、12,13,14はそれぞれ赤色、緑色、青色の発光色に対応した蛍光体材料ペースト22,23,24を吐出するノズルであり、これらのノズルは基板15上を矢印方向へ同時に走行するように構成されている。そして、各ノズルの吐出口は障壁のピッチの1/2の間隔となるように設定してある。障壁材料ペースト11と蛍光体材料ペースト22〜24の相対的な吐出量は障壁の幅によって決まる。また、両者が接触しながら互いに混ざり合わないで帯状に塗布されるので、ノズル群の走行スピードは障壁の高さによって決まる。
【0010】
障壁材料ペーストはガラスフリットと樹脂を主成分とする。ガラスフリットとしては、その軟化点が350〜650℃で、熱膨張係数α800 が60〜100×10−7/℃のものが使用される。ガラスフリットの軟化点が650℃を越えると焼成温度を高くする必要があり、その積層対象によっては熱変形したりするので好ましくなく、350℃より低いと熱可塑性樹脂等が分解、揮発する前にガラスフリットが融着し、層中に空隙等の発生が生じるので好ましくない。また、熱膨張係数が60〜100×10−7/℃の範囲外であると、PDPの場合、ガラス基板の熱膨張係数との差が大きく、歪み等を生じるので好ましくない。また、無機成分として、ガラスフリットの他に無機粉体、無機顔料をそれぞれ2種以上を混合して使用してもよい。
【0011】
無機粉体は骨剤であって、必要に応じて添加される。この無機粉体は、焼成に際しての流延防止、緻密性向上を目的とするもので、ガラスフリットより軟化点が高いものであり、例えば酸化アルミニウム、酸化硼素、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、炭酸カルシウム等の各無機粉体が利用でき、平均粒径0.1〜20μmのものが使用される。無機粉体の使用割合は、ガラスフリット100重量部に対して無機粉体0〜30重量部にするとよい。
【0012】
無機顔料は、例えばPDPの外光反射を低減し、実用上のコントラストを向上させるために必要に応じて添加されるものであり、暗色にする場合には、耐火性の黒色顔料として、Co−Cr−Fe、Co−Mn−Fe、Co−Fe−Mn−Al、Co−Ni−Cr−Fe、Co−Ni−Mn−Cr−Fe、Co−Ni−Al−Cr−Fe、Co−Mn−Al−Cr−Fe−Si等が挙げられる。また、耐火性の白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0013】
次に、樹脂は、無機成分のバインダーとして、また転写性の向上を目的として含有させるものであり、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキプロピルアクリレート、ヒドロキプロピルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー、エチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。また、水溶性樹脂も挙げられる。この水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン等がある。
【0014】
障壁材料は溶剤に溶解又は分散させてペースト状で塗布し乾燥する。溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン等のアノン類、塩化メチレン、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、α−若しくはβ−テルピオネール等のテルペン類が挙げられる。また、障壁材料ペーストには必要に応じて可塑剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤等を添加してもよい。
【0015】
蛍光体材料ペーストは蛍光体と樹脂を主成分とする。樹脂とペースト化のための溶剤は、障壁材料ペーストの場合と同じである。または、障壁材料ペーストの場合と同じ溶剤に溶解又は分散させてペースト状で塗布し乾燥する。
【0016】
蛍光体としては、紫外光により励起され発光する無機蛍光体が使用される。例えば発光色が赤色のものとしては、Y2 O3 :Eu、Y2 SiO5 :Eu、Y3 Al5 O12:Eu、Zn3 (PO4 )2 :Mn、YBO3 :Eu、(Y,Gd)BO3 :Eu、ScBO3 :Eu、LuBO3 :Eu等が例示される。
【0017】
発光色が緑色のものとしては、Zn2 SiO4 :Mn、BaAl12O19:Mn、SrAl13O19:Mn、CaAl12O19:Mn、YBO3 :Tb、BaMgAl14O23:Mn、LuBO3 :Tb、GdBO3 :Tb、ScBO3 :Tb、Sr6 Si3 O3 Cl4 :Eu等が例示される。
【0018】
発光色が青色のものとしては、Y2 SiO5 :Ce、CaWO4 :Pb、BaMgAl14O23:Eu等が例示される。
【0019】
具体的には、障壁材料ペーストとして下記組成Aのペーストを、また蛍光体材料ペーストとしては下記組成Bのペーストを使用すればよい。
【0020】
<組成A>
ホウケイ酸鉛ガラス 60重量部
ジルコニア(ZrO2 ) 10重量部
無機黒色顔料(Fe,Mn,Cr系) 10重量部
エチルセルロース 5重量部
フタル酸ジメチル 1重量部
プロピレングリコールモノエチルエーテル 20重量部
【0021】
<組成B>
蛍光体 30重量部
青 BaMg2 Al14O23:Eu
緑 Zn2 SiO4 :Mn
赤 Y2 O2 :Eu
エチルセルロース 40重量部
フタル酸ジメチル 5重量部
プロピレングリコールモノエチルエーテル 25重量部
【0022】
図3のように基板15上に障壁材料ペースト21と蛍光体材料ペースト22〜24をライン状にパターニングした後、乾燥させてからペースト全体を焼成する。この焼成工程を経ることにより、図4に示すように、障壁材料ペーストから樹脂分が飛んで障壁31が基板15に結着し、蛍光体材料層中の有機分が焼失してそれぞれ赤、緑、青の発光色を有する蛍光体32,33,34が障壁31の壁面及びセル底面に結着する。
【0023】
なお、図面では省略しているが、基板15には必要によりガラスペースト等で下地層を形成してあってもよいし、スクリーン印刷法や感光性材料を用いたフォトリソグラフィ法により電極を形成してあってもよく、さらに必要により誘電体層を設けてあってもよい。このような基板に対しては、その上に障壁材料ペーストと蛍光体材料ペーストをパターニングした後、乾燥させてからペースト全体を焼成する。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一列に並んだノズルから障壁材料ペーストと蛍光体材料ペーストを規則正しく基板上に吐出することにより両者をパターニングし、この吐出されたペーストを焼成するという簡単な工程で障壁と蛍光体を形成することができるので、これらを備えたPDP部材の製造工程を簡略化してコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】AC型プラズマディスプレイパネルの一構成例をその前面板と背面板を離間した状態で示す構造図である。
【図2】一列に並んだ多数のノズルから障壁材料ペーストと蛍光体材料ペーストを基板上に吐出する様子を示す説明図である。
【図3】ペーストが塗布された基板を示す断面図である。
【図4】焼成後の基板を示す断面図である。
【符号の説明】
1 前面板
2 背面板
3 障壁リブ
4 維持電極
5 バス電極
6 誘電体層
7 保護層(MgO層)
8 アドレス電極
9 誘電体層
10 蛍光体
11 ノズル(障壁材料ペースト用)
12,13,14 ノズル(蛍光体材料ペースト用)
15 基板
21 障壁材料ペースト
22,23,24 蛍光体材料ペースト
31 障壁
32,33,34 蛍光体
Claims (1)
- 障壁材料ペーストを吐出するノズルと、それぞれ赤色、緑色、青色の発光色に対応した蛍光体材料ペーストを吐出する3種類のノズルとを規則正しく一列に並べ、各ノズルからペーストを吐出させながら全てのノズルを同時に走行させることにより、障壁材料ペーストを間に挟んで3色の蛍光体材料ペーストが規則正しく並んだ状態となるように4種類のペーストを基板上に塗布し、しかる後にペースト全体を焼成する工程を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネル部材の製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP30647896A JP3628129B2 (ja) | 1996-11-18 | 1996-11-18 | プラズマディスプレイパネル部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP30647896A JP3628129B2 (ja) | 1996-11-18 | 1996-11-18 | プラズマディスプレイパネル部材の製造方法 |
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| JPH10149765A JPH10149765A (ja) | 1998-06-02 |
| JP3628129B2 true JP3628129B2 (ja) | 2005-03-09 |
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Family Applications (1)
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| JP30647896A Expired - Fee Related JP3628129B2 (ja) | 1996-11-18 | 1996-11-18 | プラズマディスプレイパネル部材の製造方法 |
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-
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