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JP3629338B2 - ボイド率測定装置 - Google Patents
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体や液体を含む流体中のボイド率を測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
気液二相流のボイド率を測定する装置としては、例えば特開昭53−66293号公報に示すように、光学的検知器を用いて、光の透過率を測定することにより求める方法がある。この場合被検油の着色の影響を避けるために、光源にレーザー光線を用いている。しかし光として、レーザーを選択しても、所詮、光学的手段においては測定対象となる液体の濁り等が測定に影響するので、対象とする液体の状態が制限され、さらに測定容器も測定光を透過するものに限定されるという欠点がある。
【0003】
また、放射線を用いる方法では、例えば特開昭58−143253号公報に示すようにX線およびγ線を用いて、測定対象物による減衰率の変化より算出する方法がある。このようにX線およびγ線を用いる方法では、含水素流体の測定の場合、放射線透過行程での流体の減衰率に対して配管の減衰率が大きいため、測定効率が低下し、金属等の配管に対しては有効ではない。さらに測定に必要な線量強度が、法的規制の対象範囲となる場合、使用場所および使用者が制限されるなどという問題点がある。
【0004】
中性子を用いる方法は、中性子が水素原子に対して効果的に減速されるので、含水素液状流体を対象とする測定に有効であり、また自然界には通常放射線がほとんど無いので計数の変化を非常に効率よく測定できるすぐれた方法である。中性子を用いる方法としては、特開平4−131744号公報がある。この方法は線源より放出された高速中性子は、流体により減衰されエネルギーを失い熱中性子に変化するが、流体中にボイドがあるとその分だけエネルギー損失がないためボイドの存在により検出される熱中性子数が変化する点を利用し、BF3計数管により熱中性子変化率を求め、ボイド率を測定するものである。この方法で方向性の優れた高速中性子を利用しないで、方向性の低く、低速中性子である熱中性子を利用する理由は、高速中性子の適切な測定手段が見つからなかったからと考えられる。しかしながら、熱中性子のように何度も散乱した中性子は方向性が極めて低いので、従来の装置においては測定精度に誤差が生じる。また中性子線源が放射する全中性子数に対して、従来の装置により検出される中性子数はごく一部であり、計数値が低く、分解能および測定誤差が大きい。
【0005】
前述のように光や放射線を用いる方法は提案としては存在するが、エンジン/トランスミッション油中の泡測定装置として実用化されているものは1つもなく、現在実用化されている方法は次の2通りである。
【0006】
その一:評点法
油路につながる配管にガラス管を接続し、その中のオイルの流れを目視で観察し、状態に応じた評点をつける方法である。方法としては簡単であるが、定性的な評価に留まり、また、観察者による結果の差が大きく、また細かな泡の量変化を識別できないという欠点がある。
【0007】
その二:重量測定法
油路に取り外し可能な配管を接続し、運転中にオイルの流れる配管を取り外して重量を測定する方法である。この方法は、泡の無い状態の重量と泡を含んだ状態の重量との比較で、ボイド率をかなり正確に測定できるが、運転中に配管を切り替えるため、油温が高い場合は危険であり、作業に慣れが必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は高速中性子を利用した含水素流体中のボイド率を測定するための高精度で取扱いが簡単であり、かつ安全性の多い測定装置を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、(a)含水素流体が流れる配管、(b)該配管の外側にあって配管に高速中性子を照射できる放射線源、(c)該放射線源と対向する位置に設けられており、その周囲が中性子減速材で囲まれた中性子検出器および(d)前記配管の周囲を覆う中性子遮蔽材、よりなることを特徴とするボイド率測定装置に関する。
【0010】
本発明は、含水素流体が流れる配管の外側に放射線源を配置し、この低放射線源に対向する位置に、周囲を中性子減速材で囲まれた中性子検出器を配置するとともに、この配管の周囲に中性子遮蔽材を配置することで、前記低放射線源から放射された高速中性子のうち、配管内の含水素液体を通過した高速中性子のみを前記中性子減速材により熱中性子化して効率良く検出する構成としたものである。
【0011】
前記減速材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。また、前記中性子検出器周囲の減速材形状は、対象流体に対して最も効率良いものとすることが好ましい。
【0012】
放射線源としては、核反応を利用したAm−Be、Ra−Beなどを挙げることができるが、とくにカリフォルニウム252(252Cf)などの小型化可能な高速中性子源を用いることが望ましい。また、線源は3.7MBq(100マイクロキューリー)未満であることが安全性の上から望ましい。
【0013】
また、中性子検出器にはBFガスあるいはHeガスなどを用いた中性子検出器で、ポリエチレンやパラフィン等の水素原子を多く含む物質を減速材として周囲に巻き付けた減速型中性子検出器が望ましい。
【0014】
【作用】
次に作用を説明する。放射線源より放出された高速中性子は、配管内の含水素液状または粉体状の流体を通過する際に減速される。中性子は相手原子核の質量が小さいほど、またその密度が大きいほど失うエネルギーが大きいので、含水素液状又は粉体状の流体による減衰率は大きく、液状または粉体状の流体中に含まれる気体および配管材による減衰率は小さい。よって配管中の含水素液状または粉体状の流体中に含まれる気体の体積割合(ボイド率)が大きい場合、配管を通過し検出器周囲に到達する中性子数は多く、ボイド率が小さい場合には検出器周囲に到達する中性子数は少ない。含水素液状または粉体状の流体を通過した中性子は、ほとんどが高速中性子である。しかし、検出器単体により検出される中性子は熱中性子化されたもののみなので、到達した中性子の多くは、そのままでは検出されない。そこで検出器と配管の間に適当な形状の減速材を配置することにより、配管を通過した高速中性子を熱中性子まで減速し、検出器により検出される中性子数を増加することができる。さらに、配管以外を通過した高速中性子が検出器に到達することを防ぐために配管の周囲を減速材で囲むことにより、検出器が目的物以外の熱中性子を計数するのを防止し、高速中性子の良方向性を有効に利用できる。また、計数をコンピュータに取り込むことにより、気泡変化をオンラインで測定することもできる。
【0015】
ボイド測定の対象液体についてはとくに制限はないが、原子炉プラント・ボイラー、化学工場内の石油をはじめとする各原料や製品等を挙げることができる。
【0016】
【実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一具体例を示す装置の断面図である。図2は、図1に示す装置の配管軸線に沿った断面図である。含水素液状流体6は配管1を流れる。配管1の一方には保持部材7により保持された放射線源3が配置され、配管1の他方には減速材4を介して中性子検出器2が配置される。なお線源3は、国内では放射線障害防止法の規制を受けない低強度の密封線源を用いるとよい。この装置の場合は、放射線強度3.7MBq(100μCi)未満のカリフォルニウム252密封線源を用いている。中性子検出器2は、BF比例計数管を用いている。このBF比例計数管は中性子検出器として一般に用いられているのである。減速材4は中性子検出器2の周囲に均一の厚さになるように配置されている。中性子検出器2は円筒状の形状であるため、中性子の検出効率が最も良い位置である配管1の軸線が直交する位置に配置されている。中性子検出器2により検出された中性子は、例えば図8に示す測定システムを利用し、計数器9により計測される。遮蔽材5は、ポリエチレンブロックを使用し、配管1の周囲に均一になるよう配置される。なお、放射線源3の保持部材7もポリエチレンブロックを使用している。配管1内を流れる含水素液状流体6は高温となる場合があるために、ポリエチレンの耐熱性を考慮して配管1は配管保持部材10により遮蔽材5との間に断熱層11としての空気層を設けて保持されている。なお、図1の装置においては配管1をU字型とし、その一方の屈曲部位に放射線源3を、他方の屈曲部位には減速材で被覆された中性子検出器2を設けているが、もう1つの態様としては、配管の直径方向の一方の外側に放射線源3を、その対抗位置に前記中性子検出器2を設けることもできる。
【0017】
次にボイド率の測定方法について説明する。配管1を通過する中性子のエネルギーは熱中性子の範囲から高速中性子の範囲まで分布している。本発明では、配管通過後の中性子を検出器に入射する前に減速材により減速することにより、配管1を通過した高速中性子を効率良く検出できるので、時間当たりの検出中性子の変化を測定することができる。線源より放出される中性子数は時間に比例するので、計測時間が短いと計測中性子数は少なくなる。一般に中性子の計測誤差は計測数をnとすると±√nの偏差を持つため、計測数が多いほどボイド率測定の精度が向上するので、測定対象により必要精度を得るための適切な計測時間を設定する必要がある。
【0018】
線源より放出され、配管1を通過して検出器9に到達する中性子数は、配管内における減速率が一定ならば、即ちボイド率が定常な流れであるならば、時間当たりの計測数は一定である。水素原子は中性子を減速する効果が大きいため、配管1が含水素液状流体で満たされている場合、即ちボイド率が0%の場合には、中性子計測数は少なく、逆に配管内がすべて気体、即ちボイド率が100%の場合には中性子計測数は多くなる。よって、この2点における中性子計測数をあらかじめ測定することにより、ボイド率と計測数の理論曲線が得られる。よって、気泡を含む含水素流体の計測数より、ボイド率を算出できる。
【0019】
検量線の求め方は次のとおりである。
放射線源により放射される中性子の数 I
減衰を受けた長さ x
減衰計数 μ
とすると、減速後の中性子数Iは理論的に次の式で表される。
I=Iexp(−μx) 1)
ここで、
測定部がオイル100%の場合の測定中性子数 I
測定部がオイル100%の場合の減衰を受けた距離 x
測定部がオイル 0%の場合の測定中性子数 I
測定部がオイル 0%の場合の減衰を受けた距離 x
測定部がオイル Y%の場合の測定中性子数 I
測定部がオイル Y%の場合の減衰を受けた距離 x
とすると、オイルの体積割合Yは
Y=(x−x)/(x−x
よって、ボイド率をZとすると
Z=(x−x)/(x−x
式1)より
I/I=exp〔μ(x−x)〕
/I=exp〔μ(x−x)〕
従って、
Z=In(I/I)/In(I/I
以上より、測定部にオイルを満たした場合の計測数(I)と、空の場合の計測数(I)を測定することにより理論的な検量線が得られる。また、気泡の混合したオイルがある場合の計測数(I)を測定することによりボイド率が得られる。
【0020】
減速材4の効果について説明する。図3中、横軸は中性子のエネルギー、縦軸は中性子計測数であり、減速材の厚みによる計測効率への影響を示す。減速材の厚さが小さい場合Aは、低いエネルギー範囲の中性子、すなわち熱中性子を効率よく測定するが、高速中性子を計測する場合には、Cのように減速材の厚みを大きくすることが好ましく、そのため減速材は測定する中性子のエネルギーに合わせた厚さとすることが好ましい。なお、BはAとCの中間のケースを示す。
図4は、横軸に信号の波高分布を、縦軸に検出数をとり、減速材の厚さが、125mm、60mm、30mm、10mmのそれぞれの場合について測定した結果を示す。本実施例の場合には、60mm前後の厚みが全計数値としては最高を示し、最適の厚みであることが分かる。図4に示すように、特定の放射線源に対して適切な厚みの減速材を用いることにより、いいかえれば放射線が配管中の液体を通過する距離とそれに対応した適切な厚みの減速材の組合せにより、中性子の計測数を増加させることができる。すなわち、図5の(A)のように放射線が配管中の液体を通過する距離が短い場合には減速材の厚みを大とすることにより、また図5の(B)のように放射線が配管中の液体を通過する距離が長い場合には減速材の厚みを薄くすることにより、中性子の測定数を増加させることができる。方向性の高い高速中性子を効率よく測定し、気体割合に対する計測数の感度が向上することが明らかである。
【0021】
遮蔽材5の効果について説明する。図6は、遮蔽材5の存在の影響を示すグラフである。図6中、実線は遮蔽材を用いた場合、破線は遮蔽材が無い場合を示し、横軸は液体中の気体割合であり、縦軸は中性子計測数である。配管1の周囲に遮蔽材を配置することにより、気体割合(ボイド率)に対する計測数の感度が向上することが明らかである。
【0022】
図7に、実際に含水素液体としてATF(オートマチックトランスミッションフリュード)中のボイド率を測定した結果を示す。図7中、横軸は液体中のボイド率であり、縦軸は中性子計測数である。図7中、実線は本発明の中性子計測値より計算した結果得られた理論曲線、プロット(○印)は液体中の気体体積割合を重量測定により実測した結果である。図7より、中性子によるボイド率計算結果と重量測定によるボイド率測定結果とは良く一致しており、本発明装置の有効性は明らかである。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、放射線源を用いたボイド率測定装置において、配管周囲に遮蔽材を配置すると共に検出器と配管の間に減速材を配置する構成としたため、最適かつ有効な計測法が実現できた。本方法は法規制の対象とならない弱い強度の線源を用いた場合でも効率よくボイド率を測定することができる。また、他の放射線を用いたボイド率測定装置に較べて安全で安価である。さらに、配管の材料(ガラス材、鉄材など)に制限が少なく、対象となる流体も含水素の気液二相流あるいは固気二相流など何にでも適用できる。とくに、本発明の装置は走行中の自動車のエンジンやトランスミッション中の油中の泡を測定することもできる画期的なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一具体例を示す装置の断面図である。
【図2】図1に示す装置の配管軸線に沿った断面図である。
【図3】減速材の厚さによる計測効率への影響を示すためのグラフであり、Aは減速材の厚さが小さい場合を示し、Bは減速材の厚みがAとCの中間の場合を示し、Cは減速材の厚さが大きい場合を示し、横軸は中性子のエネルギー、縦軸は中性子計測数である。
【図4】減速材の厚みを125mm、60mm、30mm、10mmと変化させた場合の、減速材の厚みと検出数の関係を示す。
【図5】(A)は、放射線が通過する液体層が厚い場合には減速材の厚みを薄くしている状態を、(B)は、放射線が通過する液体層が薄い場合には減速材の厚みを厚くしている状態を示す概略図である。
【図6】遮蔽材の存在の有無がボイド率に対する計測数測定感度に影響を与えることを示すグラフである。
【図7】含水素液状流体中のボイド率を重量測定により実測したデータを○印で示し、本発明の中性子計測値より計算した結果から得られたボイド率理論曲線を実線で示す。
【図8】本発明実施例に用いた測定システムのブロック図である。
【符号の説明】
1 配管
2 中性子検出器
3 放射線源
4 減速材
5 遮蔽材
6 含水素液状流体
7 保持部材
8 気泡
9 計数器
10 配管保持部材
11 断熱層
12 電源
13 信号増幅装置
14 配管内圧力検出手段
15 配管内温度検出手段
16 ボイド率演算回路
17 表示部

Claims (1)

  1. (a)含水素流体が流れる配管、(b)該配管の外側にあって配管に高速中性子を照射できる放射線源、(c)該放射線源と対向する位置に設けられており、その周囲が中性子減速材で囲まれた中性子検出器および(d)前記配管の周囲を覆う中性子遮蔽材、よりなることを特徴とするボイド率測定装置。
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