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JP3630126B2 - フッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法 - Google Patents
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JP3630126B2 - フッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法 - Google Patents

フッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法に係り、特に地下水や河川水などのフッ素イオン及びマンガンイオンを含有する水を処理して飲用水として使用可能な高水質処理水を得ると共に、脱水性の良い汚泥を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フッ素含有水の処理方法としては、
▲1▼ カルシウム化合物を添加して反応させ、フッ素を難溶性のフッ化カルシウムとして析出させ、これを分離する方法。
▲2▼ イオン交換樹脂や逆浸透膜を用いる分離法。
▲3▼ アルミニウム化合物を加えて水酸化アルミニウムにフッ素を吸着させて分離する方法。
などが知られている。
【0003】
一方、マンガンイオンの除去方法としては、マンガン酸化物を担持した充填塔や生物処理塔或いはイオン交換樹脂塔などに通水する方法と、塩素や過マンガン酸カリウムなどによる酸化処理後、水酸化物として固液分離する方法とがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のフッ素含有水の処理方法のうち、フッ化カルシウムを析出させる方法では、フッ化カルシウムはフッ素として8〜20mg/l程度の溶解性があるため、飲用水としての基準値(フッ素濃度0.8mg/l)まで処理することは困難であり、従って、この方法は、主に排水処理に適用されている。
【0005】
また、イオン交換樹脂や逆浸透膜による方法は、用いる樹脂や膜の種類と処理条件とで異なる処理性能が得られるものであるが、いずれの場合も、イオン交換樹脂の再生排水或いは膜濃縮水として濃厚系フッ素含有排水が排出されることとなり、その処理が必要であると同時に、最終的に汚泥化されて排出される廃棄物処理の問題がある。
【0006】
更に、水酸化アルミニウムによる方法は、吸着によってフッ素を分離するものであり、従って、従来、低濃度フッ素含有水の処理法として、電解アルミニウムによる飲料水処理やフッ化カルシウム処理後の高度処理として適用されているが、生成する水酸化アルミニウム汚泥の脱水性が悪く、その処理に過大な費用を要するという欠点がある。
【0007】
一方、従来のマンガンイオンの除去方法のうち、マンガン酸化物を担持した充填塔や生物処理塔或いはイオン交換樹脂塔などに通水する方法では、装置が大規模であり、設備コストが高くつくという欠点がある。
【0008】
また、塩素や過マンガン酸カリウムなどによる酸化処理後、水酸化物として固液分離する方法のうち、塩素を用いる方法では、トリクロルメタンを生成するという不具合がある。また、過マンガン酸カリウムを用いる方法では、過マンガン酸カリウムの添加量の過不足によって、処理水中のマンガン濃度の悪化がみられるため、過マンガン酸カリウムの添加量制御の点で問題があった。
【0009】
本発明は上記従来の問題を解決して、地下水や河川水などのフッ素イオン及びマンガンイオンを含有する水を処理することにより、飲用水として使用可能な高水質処理水を得ると共に、脱水性の良い汚泥を得る方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1のフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法は、反応槽にてフッ素及びマンガンイオン含有する原水にアルミニウム化合物と過マンガン酸及び/又は過マンガン酸塩とを加えて反応させた後、反応液を膜分離装置に通液し、透過水を系外に排出する一方、濃縮水の少なくとも一部を前記反応槽に返送するフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法であって、該過マンガン酸及び/又は過マンガン酸塩の添加量が原水中のマンガンイオンの酸化に必要な理論量の50〜100%であり、前記透過水として、飲用水として使用可能な高水質処理水を得ることを特徴とする。
請求項2のフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法は、透過水がフッ素濃度0.8mg/L以下、マンガン濃度0.01mg/L以下の飲用水として使用可能な高水質処理水であることを特徴とする。
請求項3のフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法は、該アルミニウム化合物が非重合性アルミニウム化合物である、酸性アルミニウム化合物の硫酸アルミニウム又は塩酸アルミニウム、或いはアルカリ性アルミニウム化合物のアルミン酸ソーダであることを特徴とする。
【0011】
以下に本発明を図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明のフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法の一実施例方法を示す系統図である。
【0013】
本発明の方法においては、図示に如く、原水であるフッ素及びマンガンイオン含有する原水を、配管11より反応槽1に供給し、配管14より返送される後述の膜分離装置2の濃縮水を添加すると共に、配管15より、フッ素処理のための硫酸アルミニウム(Al(SO)等のアルミニウム化合物、マンガンイオンの酸化のための過マンガン酸カリウム(KMnO)等の過マンガン酸塩及び/又は過マンガン酸、及び、pH調整のための水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリを添加する。
【0014】
反応槽1において、原水に膜分離装置2の濃縮水、アルミニウム化合物、過マンガン酸塩及びアルカリを添加して撹拌混合することにより、原水中のフッ素がアルミニウム化合物由来の水酸化アルミニウム(Al(OH))表面に吸着すると共に、マンガンイオン(Mn2+)が酸化されて二酸化マンガン(MnO)となって不溶化する。
【0015】
Al(OH)のフッ素吸着汚泥及びMnO不溶化物を含む反応槽1の流出液は、ポンプPを備える配管12より膜分離装置2に導入されて膜分離処理される。
【0016】
この反応槽1の流出水の膜分離装置2への供給圧力は、0.5〜10kg/cm,特に1.0〜3.0kg/cmとするのが好ましい。
【0017】
また膜分離装置の分離膜2Aとしては、MF(精密濾過)膜又はUF(限外濾過)膜が望ましい。膜材質には特に制限はなく、有機質、無機質のいずれも適用可能である。
【0018】
なお、分離膜として、脱塩能力のあるRO(逆浸透)膜を用いる場合、塩分濃縮度を調整するための排出液量を多くする必要があるため、上述の如く、MF膜、UF膜が有利である。
【0019】
この膜分離装置2の透過水は処理水として配管13より系外へ排出する。
【0020】
一方、膜分離装置2の濃縮水は配管14より反応槽1へ循環する。この循環濃縮水量は特に限定されないが、濃縮水の濁質濃度として50g−SS/l以上となるような量が好ましい。この濃縮水は、その全量を反応槽1へ返送しても良いが、別途循環水槽を設け、濃縮水の一部を循環水槽を経て膜分離装置2の被処理水流入側へ直接循環させるようにしても良い。
【0021】
本発明において、アルミニウム化合物としては、Al(SOや塩化アルミニウム(AlCl)等の酸性アルミニウム化合物、或いは、アルミン酸ソーダ(NaAlO)等のアルカリ性アルミニウム化合物を1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。更に、これらのアルミニウム化合物の酸性度又はアルカリ度を増した、いわゆる再生バンドを用いても良い。再生バンドとしては、Al(OH)汚泥に硫酸(HSO)や塩酸(HCl)等の強酸をAl(OH)含有量に対して当量以上添加溶解したもの、或いは、NaOH、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、酸化カルシウム(CaO)等のアルカリをAl(OH)含有量に対して当量以上添加して溶解したものである。また、Al(OH)汚泥のみではなく、CaF汚泥との混合汚泥に対して上記酸又はアルカリを添加して溶解させたものを、そのまま或いは不溶解物のCaFを分離した分離液として用いても良い。
【0022】
アルミニウム化合物として、塩基度45〜65%のいわゆるポリ塩化アルミニウム(PAC)もあるが、このPACを用いた場合には、脱水性の良い汚泥を得ることができず、好ましくない。この理由の詳細は明らかではないが、PACに含まれるアルミニウムはAl(OH)として凝集、析出する速度が速いため、反応槽へ注入すると速やかにAl(OH)を生成し、これがゲル状となって難脱水性の汚泥になるためと考えられる。これに対して、Al(SOやNaAlO等の非重合性アルミニウム化合物は、凝集、析出速度が遅いため、反応槽1内に返送された濃縮水中の汚泥分を核として緩やかにAl(OH)として析出するため、易脱水性の汚泥となる。
【0023】
本発明において、アルミニウム化合物の添加量は、通常の場合、除去すべきフッ素重量に対して5〜50倍重量のアルミニウム程度とするのが好ましい。
【0024】
一方、過マンガン酸塩としては、KMnO、過マンガン酸ナトリウム(NaMnO)、過マンガン酸アンモニウム(NHMnO)等を用いることができる。
【0025】
これら過マンガン酸塩及び/又は過マンガン酸の添加量は、原水中のマンガンイオン(Mn2+)を酸化して二酸化マンガン(MnO)とするための理論量、即ち、例えばKMnOであれば後述の反応式から2KMnO/3Mn=1.92倍と考えられるが、本発明においては、膜分離装置の濃縮水を返送することにより、この1.92倍以下の添加量でも酸化処理することが可能である。この必要添加量の低減作用の機構の詳細は明確ではないが、Mn2+と溶存酸素の反応におけるMnOの触媒効果、又は、返送される濃縮水中に生成、濃縮されたマンガン酸化用生物による作用と考えられる。本発明において、過マンガン酸塩及び/又は過マンガン酸の添加量は、原水中のマンガンイオンの酸化に必要な理論量の50〜100%とる。
【0026】
本発明においては、反応槽1内のpHは好ましくは3〜8に調整する。これにより、水中のマンガンイオンは酸化されて容易に二酸化マンガンとして不溶化される。この酸化反応はpH3〜8の範囲で容易に進行するが、後述の反応式に示す如く、酸化反応の進行に伴い、水分子から水素イオンが放出され、pH緩衝性のない水系では、放出された水素イオンにより酸性度が高くなってくる。この場合には、酸化反応速度が低下してくるため、適宜NaOH等のアルカリを添加してpHを3〜8、好ましくは4以上に調整して反応を進行させるようにする。
【0027】
ところで、過マンガン酸及び/又はその塩の添加量は、通常の場合、後述の反応式における必要理論量となるように添加するのが好ましく、処理する水のマンガンイオン含有量に応じて適宜決定される。しかして、この過マンガン酸及び/又はその塩の添加制御を容易にするためには、酸化反応に必要な理論量よりも多い量の過マンガン酸及び/又はその塩を添加するのが実用的であるが、過剰量の過マンガン酸及び/又はその塩を添加した場合には、未反応の過マンガン酸及び/又はその塩が残留し、これが処理水中のマンガン濃度を高める原因となる。本発明では、前述の如く、理論量よりも少ない添加量でも十分に原水中のマンガンイオンを酸化できることから、この残留過マンガン酸及び/又はその塩による処理水中のマンガン濃度の増加の問題が解消される。
【0028】
このような本発明の方法は、地下水や河川水を原水とし、飲用水として使用可能な高水質処理水を得る方法として工業的に極めて有用である。
【0029】
【作用】
膜分離装置の濃縮水を反応槽に返送することにより、反応槽においては、この返送濃縮水中の汚泥を核として、Al(OH)が析出しこのAl(OH)に原水中のフッ素が効率的に吸着されて、脱水性の良い汚泥が得られる。
【0030】
同時に、原水中のマンガンイオンは、例えば下記反応式により二酸化マンガンに酸化されて析出することにより除去されるが、この酸化反応は、膜分離装置濃縮水が返送されることにより効果的に促進され、少ない過マンガン酸及び/又はその塩の使用量にて、従って、残留過マンガン酸及び/又はその塩による処理水質悪化の問題を生じることなく、良好な処理を行える。
【0031】
【化1】
Figure 0003630126
【0032】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0033】
実施例1
活性炭で脱塩素処理した水道水に、NaFをF濃度として1.5mg/l,MnSOをMn濃度として0.1mg/l添加したものを原水とし、図1に示す方法で処理した。即ち、この原水を反応槽(20リットル容量)1へ360リットル/日の一定流速で供給した。この反応槽1にはAl(SOをAl濃度として20mg/l,KMnOをMn濃度として0.19mg/lで各々供給量を一定として加えると共に、pH6.0〜6.5となるようにpH計を用いてNaOHの注入量を制御した。
【0034】
次に、この反応槽1の流出水を原水ポンプPで、約5.6リットル/分の流量で膜分離装置2へ供給した。この膜分離装置2は、分離膜として内径5.5mm,長さ1000mmのポリプロピレン製2本入のMF膜を用い、膜モジュール内圧力は1.0kg/cmとなるように膜モジュール出口流路のバルブ(図示せず)で調整した。この膜分離装置2の濃縮水はその全容量を反応槽1に返送する一方、透過水はバルブ開閉で360リットル/日の一定流量で抜き出した。透過水のフッ素濃度、マンガン濃度と濃縮水の30分静置した後得られる汚泥濃度を測定し、結果を表1に示した。
【0035】
上記条件で4日間運転後、5日目からKMnO添加量を0.1mg/lに半減させたこと以外は上記と同様に処理を継続し、同様に透過水中のフッ素濃度,マンガン濃度及び循環水30分静置後の汚泥濃度を測定し、結果を表1に示した。また、表1には15日通水後に得られた膜分離装置の濃縮水をフィルタプレスを用いて圧搾圧力7kg/cmで7分間圧搾脱水して得られたケーキの含水率も併せて示す。
【0036】
比較例1
実施例1と同水質の原水を用いて比較実験を行った。
【0037】
第1反応槽(容量:150ml),第1沈澱槽(容量:2リットル),第2反応槽(容量:150ml),第2沈澱槽(容量:2リットル)へこの原水を10リットル/日で順次連続通水した。第1反応槽へKMnOをMn濃度として0.19mg/l供給し、pHを6.0〜6.5に調整した。次に、第1沈澱槽で固液分離後、上澄水を第2反応槽へ送りAl(SOをAl濃度として20mg/l添加し、pHを6.0〜6.5に調整した。次に、第2沈澱槽で固液分離を行い、沈澱は第2反応槽へ返送した。
【0038】
実施例1と同様に通水5日目からはKMnOをMn濃度として0.1mg/l供給した。
【0039】
処理水(第2沈澱槽の上澄水)のフッ素濃度、マンガン濃度、及び、第1及び第2沈澱槽返送汚泥の混合物について30分静置における沈澱汚泥濃度の経時変化を表1に示す。また、15日後に第1沈澱槽と第2沈澱槽の排出汚泥を混合し、実施例1と同一条件で圧搾脱水して得られるケーキの含水率を表1に併せて示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003630126
【0041】
表1より、本発明方法による実施例1では、フッ素イオン、マンガンイオンはともに安定して処理されており、しかも、排出汚泥は極めて脱水性が良くなっていることが明らかである。その上、KMnOの添加量を半減させても処理は順調に進んでいることが明らかである。一方、比較例1では、KMnOの添加量が減るとそれに伴なってマンガンの除去率も低下し、また、15日後の汚泥の脱水性は良くないことが明らかである。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法によれば、フッ素イオン及びマンガンイオンを含有する水を容易かつ効率的に処理して、フッ素イオン濃度及びマンガンイオン濃度が共に著しく低く、飲用水として使用可能な高水質処理水を得ると共に、脱水性が良く、容易に脱水可能な汚泥を得ることができる。得られた汚泥は容易に脱水を行って、低含水率の脱水ケーキとすることができることから、汚泥を効果的に減容化すると共に、汚泥処理コストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法の一実施例方法を示す系統図である。
【符号の説明】
1 反応槽
2 膜分離装置

Claims (3)

  1. 反応槽にてフッ素及びマンガンイオン含有する原水にアルミニウム化合物と過マンガン酸及び/又は過マンガン酸塩とを加えて反応させた後、反応液を膜分離装置に通液し、透過水を系外に排出する一方、濃縮水の少なくとも一部を前記反応槽に返送するフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法であって、
    該過マンガン酸及び/又は過マンガン酸塩の添加量が原水中のマンガンイオンの酸化に必要な理論量の50〜100%であり、
    前記透過水として、飲用水として使用可能な高水質処理水を得ることを特徴とするフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法。
  2. 請求項1において、前記透過水がフッ素濃度0.8mg/L以下、マンガン濃度0.01mg/L以下の飲用水として使用可能な高水質処理水であることを特徴とするフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法。
  3. 請求項1又は2において、該アルミニウム化合物が非重合性アルミニウム化合物である、酸性アルミニウム化合物の硫酸アルミニウム又は塩酸アルミニウム、或いはアルカリ性アルミニウム化合物のアルミン酸ソーダであることを特徴とするフッ素及びマンガンイオン含有水の処理方法。
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