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JP3631272B2 - ディスクブレーキパッドの摩耗検知装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ディスクブレーキパッドのライニングの摩耗を電気的に検知し、遠隔報知する摩耗検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクブレーキは、図10〜図12に1例を略示するように構成される。図10は側面図、図11はサポートを除いて示す図10のA−A断面図、図12は図10の左端部のキャリパの一部を除いた平面図である。
【0003】
1は自動車の車輪と連動して回転するロータ、2は車体に固定されるサポート、3はサポート2に固定された案内ピン4に耳部5を支承されてロータ軸方向に可動のキャリパである。ロータ1の両側にはパッド6、6があり、それぞれ裏金6aに貼着したライニング6bをロータ1に対向させている。キャリパ3にはロータの片側においてシリンダ7を形成して、一方のパッド6に対向するピストン8を嵌合し、ロータ1の他側には爪9を形成して他方のパッド6を抑えている。裏金6aの両端は、サポート2の内端部10、10と溝係合してロータ軸方向に可動である。キャリパ3、パッドの裏金6aとサポート2との間のがたつきを防止するスプリング等については図示及び説明を省略する。
【0004】
図11において、シリンダ7に圧油を供給してピストン8を押出し、右方のパッド6をロータ1の右側面に押付けると、その反作用としてキャリパ3が右方へ移動し、爪9が左方のパッド6をロータ1の左側面に押付け、両パッド6、6のライニング6b、6bとの摩擦によりロータ1を制動し、これに連動する車輪を制動する。
【0005】
このようにして制動を繰返すと、ライニングは次第に摩耗し、ライニングの摩耗が許容限度まで進行すると、パッドを交換しなければならない。ライニングが許容限度まで摩耗したことを運転中でも自動的に運転者に知らせるために、従来より電気的な自動摩耗検知装置が考えられている。
【0006】
図13は、このような従来から知られた自動摩耗検知装置のうちの接触式のものを示し、ループ状導線11を埋込んだ樹脂片12を裏金6a、ライニング6bを穿孔して嵌着し、ループ状導線11の先端をライニング6bの摩耗許容限度厚さLの面に位置させ、ループ状導線11の両端は導線13により指示器(図示せず)に導いている。
【0007】
ライニング6bが許容限度まで摩耗すると、樹脂片12がライニング6bと共に摩耗し、この摩耗進行に伴なってループ状導線11がロータと摩擦して切断されて導線13の導通が絶たれるから、これに基いて指示器によりライニングが許容限度まで摩耗したことが指示され、又警報が出される。
【0008】
図14は前例と異なった非接触式の自動摩耗検知装置(特開昭60−139930号公報参照)を示し、磁性体との遠近により電気的出力を変えるセンサ14をキャリパ3に固定し、ライニング6bが摩耗して鋼製の裏金6aがセンサ14に近づくとセンサ14の出力が変ることによりライニングが許容限度まで摩耗したことを検知できるようにしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の電気式摩耗検知装置において、第1の接触式装置は、樹脂片12をパッド6に埋込み固定するため、パッド交換時に導線13のつなぎ替えが必要なので作業性が悪く、又、ループ状導線11を埋込んだ樹脂片12は使い捨てになるので不経済である。第2の無接触式装置は、それぞれのパッド6に対してセンサ14が必要となるので同様に不経済である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のディスクブレーキパッドの摩耗検知装置は、車輪と連動して回転するロータと、車体に固定されるサポートと、このロータに対向してこのサポートに配置されると共に、それぞれが裏金の互いに対向する面にライニングを貼着して成る1対のパッドと、検知片と、検知素子とを備える。
このうちの検知片は、上記サポートの一部で、上記ロータの軸方向に関してこれら両パッドの間部分で、且つ、このロータの径方向に関してこのロータの外周縁よりも外側部分に取付けられる基部と、この基部から上記両パッドの裏金の互いに対向する側面に向けてその先端部を突出させた1対の検知腕とを有するものである。
又、上記検知素子は、上記検知片の一部に設置されて、上記ライニングの摩耗に伴なって上記検知腕の先端部が上記裏金の側面により押圧され、上記検知片が変形した場合に、この変形に基づいて電気信号の出力を変形の程度に応じて連続的に変化させる、非破壊型のものである。
【0011】
【作用】
1対の検知腕は、ライニングが摩耗するに伴なってパッド裏金に押され、変形する。そして、検知片の一部に設置された検知素子が、破壊される事なく電気信号の出力を変化させる。この為、この出力を制御器に導く事により、遠隔場所でライニングの摩耗進行状況、更にはこのライニングが限度まで摩耗した事を検知できる。
【0012】
この様に、検知腕によりパッドの変位を機械的に検知するから、ライニングの摩耗を確実に把握できるだけでなく、パッド部での温度変化の影響を受けることも少ない。
【0013】
【実施例】
図1〜図7は、請求項1、2、3に対応する、本発明の第1実施例を示し、図1は図10の従来のディスクブレーキにこの検知装置を取付けたときの側面図、図2はキャリパを除いて示すこのブレーキ端部の平面図、図3は同じく部分側面図、図4は検知片の斜視図、図5は検知片の展開図、図6、図7は検知装置の配線略図である。従来例と同等部分は同符号を以て示すと共に説明を省略して、次にこれを説明する。
【0014】
この実施例は、図4に示す検知片15の基部16をサポート2にねじ止めして取付け、これから突出する2本の検知腕17、17をロータ1を外れた位置で2つのパッドの裏金6aの間に挿入し、その折曲げた先端部17aを裏金6aの内面に対向させ、上記両検知腕17、17同士の間に検知素子として圧電素子18を挿入し、これら両検知腕17、17で挟んで構成したものである。検知素子としては、これら両検知腕17、17による加圧時に加圧の強さに応じて大きさの異なる電圧を発生し、耐熱性の大きな圧電素子18(例えばセラミックス)が使用できる。検知片15は、弾力性のある金属板を、図5のように打抜き、折線19、19で折曲げて基部16、1対の検知腕17、171対の先端部17a、17a、支持部22、これら両検知腕17、17の過度の拡がりを抑える規正部材である1対の抑え腕23、23、接続部24等を形成したものである。上記両検知腕17、17の先端部17a、17aの先端縁と裏金6aとの距離は、ライニングの許容限度厚さLにする。又、上記基部16にはサポート2にねじ止めするためのねじ挿通孔25を、上記支持部22には圧電素子18からの導線26を導出するための導孔27を、それぞれ穿設する。
【0015】
この様に構成する検知片15は、サポート2の端部上面に基部16をねじ止めし、上記両検知腕17、17をロータを外れた位置でロータ両側に配置した1対のパッド6、6の裏金6a、6aの互いに対向する側面同士の間に挿入し、上記両検知腕17、17の先端部17a、17aを、それぞれ上記両裏金6a、6aの互いに対向する面に対向させる。これら両裏金6a、6aのうちで、ライニング6b、6bを外れた部分が狭くて上記両先端部17a、17aを対向させる余地が少ない場合は、図3のように、裏金6aの一端に凸部28を形成して、上記先端部17aを対向させる。
【0016】
このようにして検知片15をディスクブレーキに取付けておくと、パッド6のライニング6bが摩耗してその厚さが許容限度厚さLになると、上記両検知腕17、17の先端部17a、17aが裏金6a、6aに押されて2本の検知腕17、17同士の間隔が狭まる。そして、検知腕17、17同士の間に挟持された圧電素子18の出力が電極18a、18b(図6)から導線26に伝わり、増幅器20を経て運転席の指示器21に表示される。この表示により、ライニング6bの摩耗状態を知ることができる。そして、摩耗がライニング6bの許容限度厚さLに達したときにランプ、音響等により警報を出させることができる。
【0017】
圧電素子18の代りに、加圧により電気抵抗が変るカーボンブロックの歪計18′を使用して図7のように電源30と接続すれば、ライニングの摩耗進行と共に歪計18′への加圧が強くなり、増幅器20を経て指示器21に入る電流が多くなることによりライニングの摩耗進行状況を知ることができる。
【0018】
上記両検知腕17、17は、それぞれ抑え腕23、23によって、上記圧電素子18から離れてロータ軸方向に移動するのを規制されている、一方のパッド6のライニング6bのみが許容限度厚さLになった場合に、他方のパッド6側の検知腕17がロータ1から離れる方向に逃げることがない。従って一方のライニング6bのみが摩耗限度に達した場合でも圧電素子18の加圧を行なって、摩耗検知を良好に行なうことができる。
【0019】
図8、図9は、請求項1、2、4に対応する、本発明の第2実施例を示し、図8は図2と同様の略平面図、図9は配線略図である。上述した第1実施例が検知素子として圧電素子又はカーボンブロックの歪計を使用したのに対して、本実施例の場合には、検知素子として、曲げ変形する歪ゲージ31を使用している
【0020】
図8において、検知片15の構成、ディスクブレーキへの取付け構造は、第1実施例と同じである。実施例の場合には、2本の検知腕17、17の間に圧電素子を挟持していない。その代りに、検知片15を構成する1対の曲げ部29、29、それぞれ板状の歪ゲージ31、31を貼着し、これら両歪みゲージ31、31を、図9のように配線している。前述の第1実施例部分で説明したように、パッド6、6のライニング6b、6bが摩耗すると、上記両検知腕17、17同士の間隔が狭まるが、これに伴なって上記両曲げ部29、29に曲げ変形が生じる。この曲げ変形の程度はライニング6bの摩耗進行と共に強くなり、その程度は上記両歪ゲージ31、31を通る電流(電圧)の変化により知ることができる。従って、外部からこれら両歪ゲージ31、31に通電すると共に電流又は電圧の大きさの変化を運転席に設けた指示器21に示すようにすれば、ライニング6bの摩耗状態、及びこれが許容限度まで摩耗したのを知ることができる。この場合は、上記両歪みゲージ31、31として、圧電ポリマフィルム(PVDF等)を使用することも可能である。図9は、上記両歪みゲージ31、31を直列接続しているが、両歪ゲージをそれぞれ独立して接続することも可能である。
【0021】
第1、第2実施例において、ライニング6bが許容限度厚さLになったときに検知腕17が始めて検知素子を変形させるようにして、ライニング6bが危険状態に近づいたことを直接知らせるようにすることができる。又、圧電材は多くが焦電材でもあるので、温度も同時に測定し、表示モードに加えることも可能である。
【0022】
【発明の効果】
(1) 摩耗検知装置は、検知片に圧電素子、歪ゲージ等の検知素子を結合して1体として取扱うことができ、電気配線を簡略化することができる。
【0023】
(2) 摩耗検知装置は、キャリパ、パッドと独立してサポートに取付けられるから、ライニングの摩耗によりパッドを変換する場合でも、摩耗検知装置はそのまま上記サポートに残り、従来のように捨てられることがないから経済的である。
【0024】
(3) 摩耗検知装置部分に、ロータと摺動して摩耗する部分がないから、長期間の使用ができる。
【0025】
(4) パッド交換は検知素子を上記サポートに支持したまま行なわれるから、従来のような導線のつけ変えの手数が省け、作業性が良くなる。
【0026】
(5) 検知片は、金属板を打抜き、折曲げて容易に製作でき、検知腕の間や曲げ部に検知素子を接着剤、又は機械的嵌め合いやモールド等により容易に取付けることができる。
【0027】
(6) パッドから離れた位置に検知素子を位置させるから、制動時の発熱の影響を受けることが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】検知装置の第1実施例を取付けたディスクブレーキの側面図。
【図2】第1実施例を取付けたときのキャリパを除いて示すブレーキ端部の平面図。
【図3】同じく部分側面図。
【図4】検知片の斜視図。
【図5】検知片の展開図。
【図6】第1実施例の配線略図。
【図7】同じくカーボンブロックの歪計を使用したときの配線略図。
【図8】第2実施例の構成要旨を示す図2と同様のブレーキ左端部の略平面図。
【図9】第2実施例の配線略図。
【図10】従来のディスクブレーキの側面図。
【図11】サポートを除いて示す図11のA−A断面図。
【図12】図10の左端部のキャリパの一部を除いた平面図。
【図13】従来の接触式摩耗検知装置を示すパッド部の断面図。
【図14】従来の非接触式摩耗検知装置を示すキャリパ部の縦断面図。
【符号の説明】
1 ロータ
2 サポート
3 キャリパ
4 案内ピン
5 耳部
6 パッド
6a 裏金
6b ライニング
7 シリンダ
8 ピストン
9 爪
10 内端部
11 ループ状導線
12 樹脂片
13 導線
14 センサ
15 検知片
16 基部
17 検知腕
17a 先端部
18 圧電素子
18′ カーボンブロックの歪計
18a 電極
18b 電極
19 折線
20 増幅器
21 指示器
22 支持部
23 抑え腕
24 接続部
25 挿通孔
26 導線
27 導孔
28 凸部
29 曲げ部
30 電源
31 歪みゲージ
L 許容限度厚さ

Claims (4)

  1. 車輪と連動して回転するロータと、車体に固定されるサポートと、このロータに対向してこのサポートに配置されると共に、それぞれが裏金の互いに対向する面にライニングを貼着して成る1対のパッドと、検知片と、検知素子とを備え、この検知片は、上記サポートの一部で、上記ロータの軸方向に関してこれら両パッドの間部分で、且つ、このロータの径方向に関してこのロータの外周縁よりも外側部分に取付けられる基部と、この基部から上記両パッドの裏金の互いに対向する側面に向けてその先端部を突出させた1対の検知腕とを有し、上記検知素子は、上記検知片の一部に設置されて、上記ライニングの摩耗に伴なって上記検知腕の先端部が上記裏金の側面により押圧され、上記検知片が変形した場合に、この変形に基づいて電気信号の出力を変形の程度に応じて連続的に変化させる非破壊型のディスクブレーキパッドの摩耗検知装置。
  2. 上記検知素子の一部に、この検知素子を構成する上記両検知腕が、上記ロータからその軸方向に離れることを規正する規正部材を設け、これら両検知腕のうちの一方の検知腕の先端部のみが裏金の側面により押圧された場合に、他方の検知腕が上記ロータから離れる方向に変位する事を阻止した、請求項1に記載のディスクブレーキパッドの摩耗検知装置。
  3. 上記検知素子が圧電素子又は加圧に伴って電気抵抗が変わる歪計であり、この圧電素子又は歪計を上記両検知腕同士の間に挟持している、請求項1又は請求項2に記載のディスクブレーキパッドの摩耗検知装置。
  4. 上記検知素子が1対の歪ゲージであり、この歪ゲージを上記検知片の曲げ部に貼着している、請求項1又は請求項2に記載のディスクブレーキパッドの摩耗検知装置。
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