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JP3633286B2 - 紙製断熱容器 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1枚のブランクを折り曲げて形成した容器の内面全体に熱可塑性樹脂フィルムが密着された形状自由度の高い紙製断熱容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、即席麺などの収容物に熱湯を注いで食する紙製の断熱容器としては、例えば、耐水加工を施した紙カップ本体の周壁の外側に波状紙を貼着し、さらに、波状紙の上から薄紙を貼着して空気断熱層を形成させた容器、紙カップの周壁に発泡インキ等の熱可塑性樹脂の塗布膜を形成させた後、加熱等により塗布膜を発泡させて発泡層を形成させた容器などが知られている。
【0003】
ところが、これらの断熱容器は紙カップを使用しており、紙カップの製造上、定形のものしか製造できず、例えば、周壁が段階的に傾斜する丼型をした容器などは製造できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような問題点に着目してなされたもので、形状自由度の高い、特に周壁が段階的に傾斜する丼型をした紙製断熱容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、先ず、請求項1に記載の発明では、一枚のブランクを折り曲げて組み立てたフランジ付き紙容器の内面に、熱可塑性樹脂フィルムが紙容器の内面に沿う形状に成型されて密着されている紙製断熱容器であって、前記フランジ付き紙容器は、底面板が六角形以上の偶数多角形をなし、底面板の山折り線の各辺に、外方が内方より幅広の台形状で、山折り線と平行に底面板の中心より等距離に並列して谷折り線が設けられた底部側面板が連設され、各底部側面板の上端には、谷折り線を介して外方が内方より幅広で台形状の第1下部側面板と第2下部側面板が交互に連設され、第1下部側面板の上端には谷折り線を介して外方が内方より幅広で台形状の第1側面板が連設され、第1側面板の上端には山折り線を介して左右端に耳片が延設された第1フランジが連設され、第1側面板の左右端には谷折り線を介して略三角形状の第1折り曲げ片が連設され、第2下部側面板の上端には谷折り線を介して外方が内方より幅広で台形状の第2側面板が連設され、左右端には谷折り線を介して舌片が連設され、第2側面板の上端には山折り線を介して第2フランジが連設され、左右端には谷折り線を介して略三角形状の第2折り曲げ片が連設され、第1折り曲げ片の第1側面板と接していない方の端縁と、第2折り曲げ片の第2側面板と接していない方の端縁とは、山折り線を介して連設されたブランクを、底部側面板、第1下部側面板、第2下部側面板、第1側面板および第2側面板を順次折り起こし、第1側面板の内側面と第1折り曲げ片の内側面とを重ねるようにして組み立てて成り、該フランジ付き容器の内面に、熱可塑性樹脂フィルムが紙容器の内面に沿う形状に成型されて密着されている紙製断熱容器である。
【0006】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記ブランクを、第1側面板の内側面と第1折り曲げ片の内側面とを重ねる代わりに、第2側面板の内側面と第2折り曲げ片の内側面とを重ねるようにしてフランジ付き容器に組み立てた紙製断熱容器である。
【0007】
ここで、特に、上記ブランクの素材は、エンボス加工紙単体、波形紙単体、発泡プラスチックシート単体、あるいは該単体素材の片面または両面に薄紙を貼着した積層紙からなる。
【0008】
さらには、上記ブランクの素材は、発泡層を積層した板紙、あるいは該発泡層を積層した板紙の発泡層側に薄紙を貼着した積層紙からなる。
【0009】
なお、ここで谷折り線および山折り線は、ブランクを加工する際には、単に折り曲げ線、すなわち罫線として加工され、折り曲げて容器にする際、それぞれ谷折りおよび山折りとされることを意味するものである。
【0010】
【作用】
上記のように本発明の紙製断熱容器は、一枚のブランクを折り曲げて組み立てて成るので、側面が段階的に傾斜する容器を作製することができる。
また、第1側面板と第1折り曲げ片、あるいは第2側面板と第2折り曲げ片とを重ね合わせて製箱するので、各底部側面板の左右端同士が接触して底面板が浮き上がる状態に形成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
本発明の紙製断熱容器は、例えば図1に示すように、一枚のブランク2を折り曲げて組み立てたフランジ付き紙容器10の内面に、熱可塑性樹脂フィルム20を紙容器の内面に沿う形状に成型させて密着させたものである。
【0012】
フランジ付き紙容器10は、図2に示すように、底面板11が六角形以上の偶数多角形(図面では八角形)をしており、底面板11の山折り線bの各辺に、外方が内方より幅広の台形状で、山折り線bと平行に底面板の中心より等距離に並列して谷折り線aが設けられた底部側面板12が連設されている。
【0013】
各底部側面板12の上端には、谷折り線aを介して外方が内方より幅広の台形状の第1下部側面板13と第2下部側面板14が交互に連設されている。
【0014】
第1下部側面板13の上端には、谷折り線aを介して外方が内方より幅広の台形の第1側面板15が連設されている。
【0015】
第1側面板15の上端には、山折り線bを介して左右端に耳片161が延設された第1フランジ16が連設され、第1側面板の左右端には谷折り線aを介して略三角形状の第1折り曲げ片151が連設されている。
【0016】
第2下部側面板14の上端には、谷折り線aを介して外方が内方より幅広の台形状の第2側面板17が連設され、左右端には、谷折り線aを介して舌片141が連設されている。
【0017】
第2側面板17の上端には、山折り線bを介して第2フランジ18が連設され、左右端には谷折り線aを介して略三角形状の第2折り曲げ片171が連設され、第1折り曲げ片151の第1側面板15と接していない方の端縁と、第2折り曲げ片171の第2側面板17と接していない方の端縁とは、山折り線bを介して連設している。
【0018】
このブランク2を一般的な製箱機の雌型の上に載置し雄型と合わせて製箱し、フランジ付きの紙容器10を作製する。
この際、第1側面板15の内面と第1折り曲げ片151の内面とを重ねるようにして製箱しても良いし、第2側面板17の内面と第2折り曲げ片171の内面とを重ねるようにして製箱しても良い。また、接着剤を用いて接着させても良いし、重ねられているだけでも良い。
【0019】
底部側面板12の左右方向の端縁は、隣接する底部側面板12の左右方向の端縁に近接し、底面板11は、浮き上がった状態で製箱される。
【0020】
ブランクに使用される素材は、断熱効果を有する必要から、エンボス加工紙、波形紙、発泡プラスチックシート、発泡層を積層した板紙等が好適に使用でき、また、これら単体素材の片面または両面に薄紙を積層した積層紙としても良い。
【0021】
フランジ付き紙容器10の内面に熱可塑性樹脂フィルム20を密着させるには、真空成形法または真空成形法と圧空成形法の併用により容易に行うことができる。
【0022】
例えば、先ず、紙容器の外形と略同じ凹部を有する雌型に紙容器10を装填する。この上にあらかじめ加熱した熱可塑性樹脂フィルム20を導き、紙容器の周囲においてこの熱可塑性樹脂フィルムを押さえ、雌型内を減圧して熱可塑性樹脂フィルムを紙容器の内面に吸引密着させる。最後に熱可塑性樹脂フィルムを冷却した後、紙容器の外側にはみ出したフィルムを切除して本発明の紙製断熱容器1が作製される。
【0023】
なお、紙容器の内面にあらかじめ熱によって活性化されるいわゆるホットメルト型の接着剤を塗布しておくと、熱可塑性樹脂フィルムの密着がより確実になる。
【0024】
熱可塑性樹脂フィルム20は、深絞り成形性およびヒートシール性が可能で、かつ、昨今の衛生問題を考慮すると、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(ホモタイプポリプロピレン、ランダムタイプポリプロピレン共重合体、ブロックタイプポリプロピレン共重合体等)、エチレン−酢酸ビニール共重合体、ポリエステル等のフィルムまたは、それらの複合フィルム等が好適に使用できる。
【0025】
また、フィルムの厚さは、成形時に破損しないだけの厚さを有していれば良く、成形前の厚さが50〜300μm程度、好ましくは100〜200μm程度のものが好適に使用できる。
【0026】
【実施例】
以下に本発明の実施例をさらに具体的に説明する。
〈実施例1〉
先ず、坪量120g/mの晒クラフト紙に口径3.6mm、深さ1.8mmの半円形状の突起が7個/cm分布したエンボス加工紙を作製した。
このエンボス加工紙の両面に坪量30g/mの純白ロール紙を酢酸ビニール樹脂系エマルジョン型接着剤を介して積層し、フランジ付き紙容器を作製するためのブランクシートを作製した。
【0027】
ブランクシートを所定の大きさに断裁し、かつ、上述の方法に従って、一般的に使用されている打抜型を用いた打抜工程で、紙容器用のブランク2を作製した(図2参照)。
【0028】
ブランク2を一般的な製箱機の雌型の上に載置し雄型と合わせて製箱し、フランジ付きの紙容器10とした。
この際、第1側面板15の内側と第1折り曲げ片151の内側とが重なるように製箱した。また、第1側面板15と第1折り曲げ片151の重なり面は、酢酸ビニール樹脂系接着剤で貼着した。第2フランジ18と第1フランジ16の耳片161の重なり面も酢酸ビニール樹脂系接着剤で貼着した。
【0029】
次に、熱可塑性樹脂フィルム20として、厚さ100μmのホモタイプポリプロピレンフィルムを準備し、上述の方法に従って、別に作製しておいたフランジ付き紙容器10の内面に密着させ、紙容器の外側にはみ出したフィルムを切除して実施例1の紙製断熱容器1を作製した。
なお、紙容器の内面にはあらかじめホットメルト接着剤を塗布しておき、紙容器内面と熱可塑性樹脂フィルムとの密着性を高めた。
【0030】
〈実施例2〉
第1側面板15の内側と第1折り曲げ片151の内側とを重ねる代わりに、第2側面板17の内側と第2折り曲げ片171の内側とを重ねた以外は、実施例1と同じ材料、方法で、実施例2の紙製断熱容器を作製した(詳細説明は省略)。
【0031】
こうして作製した2種類の紙製断熱容器の断熱効果を評価するため、容器に即席麺を入れ熱湯を注いで3分間放置後、容器の底面や側面を指や掌で握持したが、熱くて持てないということはなかった。
【0032】
【発明の効果】
上記のように本発明の紙製断熱容器は、一枚のブランクを組み立てて作製するため、紙カップ等と異なり形状の自由度が高く、例えば側面が段階的に傾斜する丼状をした容器でも容易に作製できる。
また、底面板が浮き上がっているため、掌に容器を置いても接触面積が少なく断熱効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙製断熱容器の一実施例を示す断面で表した説明図である。
【図2】図1に示す紙製断熱容器を構成する紙容器のブランクの構成説明図である。
【符号の説明】
1‥‥紙製断熱容器
2‥‥ブランク
10‥‥紙容器
11‥‥底面板
12‥‥底部側面板
13‥‥第1下部側面板
14‥‥第2下部側面板
15‥‥第1側面板
16‥‥第1フランジ
17‥‥第2側面板
18‥‥第2フランジ
20‥‥熱可塑性樹脂フィルム
141‥‥舌片
151‥‥第1折り曲げ片
161‥‥耳片
171‥‥第2折り曲げ片
a‥‥谷折り線
b‥‥山折り線

Claims (6)

  1. 一枚のブランクを折り曲げて組み立てたフランジ付き紙容器の内面に、熱可塑性樹脂フィルムが紙容器の内面に沿う形状に成型されて密着されている紙製断熱容器であって、
    前記フランジ付き紙容器は、底面板が六角形以上の偶数多角形をなし、底面板の山折り線の各辺に、外方が内方より幅広の台形状で、山折り線と平行に底面板の中心より等距離に並列して谷折り線が設けられた底部側面板が連設され、各底部側面板の上端には、谷折り線を介して外方が内方より幅広で台形状の第1下部側面板と第2下部側面板が交互に連設され、第1下部側面板の上端には谷折り線を介して外方が内方より幅広で台形状の第1側面板が連設され、第1側面板の上端には山折り線を介して左右端に耳片が延設された第1フランジが連設され、第1側面板の左右端には谷折り線を介して略三角形状の第1折り曲げ片が連設され、第2下部側面板の上端には谷折り線を介して外方が内方より幅広の台形状の第2側面板が連設され、左右端には谷折り線を介して舌片が連設され、第2側面板の上端には山折り線を介して第2フランジが連設され、左右端には谷折り線を介して略三角形状の第2折り曲げ片が連設され、第1折り曲げ片の第1側面板と接していない方の端縁と、第2折り曲げ片の第2側面板と接していない方の端縁とは、山折り線を介して連設されたブランクを、底部側面板、第1下部側面板、第2下部側面板、第1側面板および第2側面板を順次折り起こし、第1側面板の内側面と第1折り曲げ片の内側面とを重ねるようにして組み立てて成り、
    該フランジ付き容器の内面に、熱可塑性樹脂フィルムが紙容器の内面に沿う形状に成型されて密着されていることを特徴とする紙製断熱容器。
  2. 前記ブランクを、第1側面板の内側面と第1折り曲げ片の内側面とを重ねる代わりに、第2側面板と第2折り曲げ片の内側面とを重ねるようにしてフランジ付き容器に組み立てたことを特徴とする請求項1記載の紙製断熱容器。
  3. 前記ブランクの素材が、エンボス加工紙単体、あるいは該エンボス加工紙の片面または両面に薄紙を貼着した積層紙からなることを特徴とする請求項1または2記載の紙製断熱容器。
  4. 前記ブランクの素材が、波形紙単体、あるいは該波形紙の片面または両面に薄紙を貼着した積層紙からなることを特徴とする請求項1または2記載の紙製断熱容器。
  5. 前記ブランクの素材が、発泡プラスチックシート単体、あるいは該発泡プラスチックシートの片面または両面に薄紙を貼着した積層紙からなることを特徴とする請求項1または2記載の紙製断熱容器。
  6. 前記ブランクの素材が、発泡層を積層した板紙、あるいは該発泡層を積層した板紙の発泡層側に薄紙を貼着した積層紙からなることを特徴とする請求項1または2記載の紙製断熱容器。
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