JP3633344B2 - 小型トラクタの作業機昇降装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は作業機昇降装置に関するものであり、特に、作業機昇降用の油圧シリンダを機体中心から左右何れかへオフセットして配設された作業機昇降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、中型以上のトラクタでは、ミッションケースの上部にシリンダケースが装着され、このシリンダケース内に作業機昇降用の油圧シリンダが設けられている。そして、シリンダケースの上部に左右方向へリフトアーム軸を枢着し、該リフトアーム軸の左右略中央部からプレートを垂設して前記油圧シリンダのピストンロッドに連結するとともに、該リフトアーム軸の左右両側位置にリフトアームを固設し、左右夫々のリフトアームを作業機昇降リンク機構に連結してある。また、前記油圧シリンダを作動させるためのコントロールバルブは、前記シリンダケースから離れた位置に設置され、該ミッションケースの上方部に設けた運転席にて昇降レバーを操作することにより、前記コントロールバルブが切り換わって油圧シリンダが作動するように構成されている。
【0003】
これに対して、特に小型のトラクタでは、ミッションケースの上面に作業機昇降用の油圧シリンダとコントロールバルブやバッテリ等を並設し、従来のシリンダケースを省いて作業機昇降装置の設置スペースを小さくすることが試みられている。この場合、前記油圧シリンダが機体の中心からオフセットして配設されるため、リフトアーム軸の左右何れかへオフセットした位置にプレートを垂設し、このプレートを前記油圧シリンダのピストンロッドに連結している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の此種小型トラクタでは、機体の中心からオフセットした位置に油圧シリンダを配設してあるので、油圧シリンダのピストンロッドからリフトアームまでの距離が左右で異なっている。このため、該油圧シリンダを作動してリフトアーム軸を回動し、左右のリフトアームにて作業機を上昇する際に、左右のリフトアームにかかる荷重に差異が生じて捩じれが発生する。特に、油圧シリンダに接近した側のリフトアームに荷重が集中して変形し易い。
【0005】
そこで、ミッションケースの上面に作業機昇降用の油圧シリンダをオフセットして配設した小型トラクタに於いて、油圧シリンダのピストンロッドからリフトアームまでの距離が左右で異なっている場合であっても、片側のリフトアームの変形を防止するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、ミッションケースの上面に作業機昇降用の油圧シリンダのピストンロッドを後向きに且つ機体中心から左右何れかへオフセットして配設し、該ミッションケースの上方に作業機昇降リンク機構に連結される左右のリフトアームを上下回動可能に取り付け、更に、リフトアームの軸にプレートを垂設して前記油圧シリンダのピストンロッドに連結した小型トラクタの作業機昇降装置に於いて、前記油圧シリンダに接近している側のリフトアームの基端部を下方へ延設するとともに、この延設部と平行に前記リフトアームの軸にプレートを垂設し、前記リフトアームの延設部とプレートとの間に前記油圧シリンダのピストンロッドを連結した小型トラクタの作業機昇降装置を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って詳述する。図1は小型のトラクタ10を示し、エンジン11の動力は駆動伝達軸12を経てミッションケース13へ伝達され、後輪14,14の二輪或いは後輪14,14と前輪15,15の四輪が駆動される。前記ミッションケース13の上面に作業機昇降用の油圧シリンダ16を後向きに且つ左右何れかへオフセットして配設し、油圧シリンダ16の上方に運転席17を固設する。また、前記ミッションケース13の後面にはロプス取付フレーム18を固着し、このロプス取付フレーム18に左右のリフトアーム20L,20Rを上下回動可能に取り付ける。更に、前記ミッションケース13の後面左右位置にブラケット21L,21Rを突設し、このブラケット21L,21Rにヒッチ22L,22Rを設けてロータリ等の作業機23を連結可能にしてある。そして、前記左右のリフトアーム20L,20Rの先端部にリフトリンク24L,24Rを連結して作業機昇降リンク機構25を形成する。
【0008】
図2及び図3に示すように、前記ロプス取付フレーム18には左右方向へリフトアーム軸19を枢着してあり、該リフトアーム軸19の左右両側位置に前記リフトアーム20L,20Rが後方に向けて固設されている。前述したように、作業機昇降用の油圧シリンダ16は左右方向へオフセットされており、この油圧シリンダ16に接近している側のリフトアーム20Rの基端部を下方へ延設して、該リフトアーム20Rと一体の延設部であるプレート26Rを形成する。そして、延設されたプレート26Rと平行に前記リフトアーム軸19にプレート26Lを垂設し、双方のプレート26Lと26Rとの間に前記油圧シリンダ16のピストンロッド16aをピン27にて連結する。
【0009】
即ち、前記リフトアーム20R及びこれと一体のプレート26Rは、リフト軸19とリフトリンクの連結軸Pとピストンロッドの取付ピン27の3点を頂点とする略三角形となり、従来のリフトアームよりも機械的強度が著しく増加する。従って、油圧シリンダのピストンロッド16aからリフトアーム20L,20Rまでの距離が左右で異なることにより、油圧シリンダ16に接近した側のリフトアーム20Rに荷重が集中したとしても、該リフトアーム20Rが変形することはない。尚、前記リフトアーム20Lとプレート26L及びプレート26Rと一体形成したリフトアーム20Rの各基端部は、夫々溶接にて前記リフトアーム軸19に固設されている。
【0010】
ここで、前記作業機昇降リンク機構25は2点式リンク機構であるが、このトラクタ10に3点式リンク機構を有する作業機を連結することもできる。前記ミッションケース13の上面カバー28に予め逆U字形の取付金具29を固設しておき、図4及び図5に示すように、この取付金具29に側面視逆L字形のトップリンクブラケット30をボルト締めにて固着する。該トップリンクブラケット30はミッションケース13の上端後方の角部に取り付けられるため、トップリンク31から伝わる圧縮力及び引張力がミッションケース13の上面と後面の2方向へ分散される。しかも、該トップリンクブラケット30の下部は前記ロプス取付フレーム18と重ね合わせてミッションケース13の後面に固着されるため、ミッションケース13に掛かる面圧が低下して応力集中を防止できる。斯くして、ミッションケース13の設計強度を低くすることができる。
【0011】
一方、図1及び図3に示したように、前記ミッションケース13の側面後部には略長円形のリヤアクスルハウジング32L,32Rを装着してあるが、デフギヤから左右に駆動力を伝えるリヤアクスル軸(即ちブレーキ軸)33L,33Rを中心として該リヤアクスルハウジング32L,32Rが回動できるように形成されている。該リヤアクスルハウジング32L,32Rの後端部にフランジ34L,34Rを固設し、このフランジ34L,34Rの前記リヤアクスル軸33L,33Rを中心とした円弧上に孔35,35…を開穿する。そして、前記ブラケット21L,21Rに開穿した孔36とフランジ34L,34Rの何れか一つの孔35を合致させ、双方の孔35,36へピン37を挿通してリヤアクスルハウジング32L,32Rを固定する。
【0012】
前記ピン37を抜いてリヤアクスルハウジング32L,32Rを回動し、フランジ34L,34Rの他の孔35を前記ブラケット21L,21Rの孔36に合致させてピン37にて固定すれば、リヤアクスルハウジング32L,32Rの傾斜角度が変わってホイールフランジ軸38L,38Rの高さを変更できる。従って、前記ブラケット21L,21Rに設けられているヒッチ22L,22Rの高さが移動して、2点式リンク機構の作業機23の姿勢を変更することができる。
【0013】
前記ピン37は工具を使用して手動で抜き差しする形状であるが、この外、図6に示すように、リンク機構により工具を使用しないで抜き差しできるようにすることもできる。例えば、左側のリヤアクスルハウジング32Lについて説明すれば、前記ブラケット21Lの内側にクランクアーム39Lを左右方向へ回動自在に取り付け、該クランクアーム39Lの一端をピン40の内側端部に連結するとともに、該クランクアーム39Lの他端とレバー41とをリンクロッド42にて連結する。従って、前記レバー41を回動操作すれば、クランクアーム39Lが回動してピン40が左右方向へ移動し、前記フランジ34Lの孔35に対してピン40を抜き差しすることができる。
【0014】
ここで、図1に示すように、前記レバー41を運転席17の近くに設け、リンク機構にて前記クランクアーム39Lに連結することにより、運転席17からの遠隔操作にてピン40の抜き差しを行うこともできる。尚、前記リヤアクスルハウジング32Lを回動するには、先ずオペレータがフートブレーキを踏み込んで、リヤアクスルハウジング32L内に設けられたブレーキ(図示せず)を作動させ、リヤアクスルハウジング32Lとリヤアクスル軸33Lとを一体に固定した後、遠隔操作でピン40を引き抜く。次にエンジン11を始動し、変速ギヤを最低速の位置にシフトしてメインクラッチを接続する。従って、リヤアクスル軸33Lがリヤアクスルハウジング32Lと一体となってゆっくり回転し、リヤアクスル軸33Lを中心に前記リヤアクスルハウジング32Lが上方へ回動する。
【0015】
そして、遠隔操作でピン40を任意の孔位置へ挿入してリヤアクスルハウジング32Lを固定すれば、車体の地上高が低くなってヒッチ22Lの高さが低位置へ移動する。ヒッチ22Lの高さを高位置へ移動する場合は、変速ギヤを後退の位置にシフトしてリヤアクスル軸33Lを逆回転させればよい。斯くして、オペレータが運転席17から離れることなく、ピン40の抜き差しとリヤアクスルハウジング32Lの回動を遠隔操作して、ヒッチ22Lの高さを変更することが可能となる。尚、右側のリヤアクスルハウジング32Rについても、同様の操作にてリヤアクスルハウジング32Rの回動を遠隔操作して、ヒッチ22Rの高さを変更することができる。
【0016】
而して、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0017】
【発明の効果】
本発明は上記一実施の形態に詳述したように、作業機昇降用の油圧シリンダが機体中心から左右何れかへオフセットして配設され、油圧シリンダのピストンロッドからリフトアームまでの距離が左右で異なっている場合であっても、片側のリフトアームの基端部を下方へ延設して油圧シリンダのピストンロッドと連結したことにより、該リフトアームの機械的強度が増加してリフトアームの変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、小型トラクタの側面図。
【図2】本発明の一実施の形態を示し、(a)はリフトアーム部分の背面図、(b)はリフトアーム部分の要部斜視図。
【図3】本発明の一実施の形態を示し、リフトアーム部分の側面図。
【図4】本発明の他の実施の形態を示し、リフトアーム部分の背面図。
【図5】本発明の他の実施の形態を示し、リフトアーム部分の側面図。
【図6】本発明の他の実施の形態を示し、リヤアクスルハウジングを固定するピンの要部背面図。
【符号の説明】
10 トラクタ
13 ミッションケース
16 油圧シリンダ
16a ピストンロッド
19 リフトアーム軸
20L,20R リフトアーム
25 作業機昇降リンク機構
26L,26R プレート
Claims (1)
- ミッションケースの上面に作業機昇降用の油圧シリンダのピストンロッドを後向きに且つ機体中心から左右何れかへオフセットして配設し、該ミッションケースの上方に作業機昇降リンク機構に連結される左右のリフトアームを上下回動可能に取り付け、更に、リフトアームの軸にプレートを垂設して前記油圧シリンダのピストンロッドに連結した小型トラクタの作業機昇降装置に於いて、前記油圧シリンダに接近している側のリフトアームの基端部を下方へ延設するとともに、この延設部と平行に前記リフトアームの軸にプレートを垂設し、前記リフトアームの延設部とプレートとの間に前記油圧シリンダのピストンロッドを連結したことを特徴とする小型トラクタの作業機昇降装置。
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