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JP3633504B2 - 抜取模型及び消失模型を用いて造型された鋳型により鋳造された鋳造物及びその鋳造方法 - Google Patents
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JP3633504B2 - 抜取模型及び消失模型を用いて造型された鋳型により鋳造された鋳造物及びその鋳造方法 - Google Patents

抜取模型及び消失模型を用いて造型された鋳型により鋳造された鋳造物及びその鋳造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木型等の抜取模型及び消失模型を用いて造型された鋳型により鋳造された鋳造物及びその鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マシニングセンタ、NC専用機など工作機械のベッド、ワークテーブル等の鋳造物は、一般的に、形状が確定した汎用品については木型で鋳型を造型して鋳造し、形状変更がある専用品については発泡樹脂製の消失模型で鋳型を造型して鋳造していた。また、NC専用機のベッド等の鋳造物は、下方ベース部位の寸法が標準仕様として数種類用意され、標準仕様の中からユーザが選択した下方ベース部位にユーザの要求に応じて変更された上方部位を付設したベッドを設計し、このベッド用の木型で造型した鋳型に鋳込んで鋳造していた。
【0003】
上記ベッドの上方部位の外周側面には切粉、クーラント、潤滑油等を回収するためのオイルパンが樋状に外方に突設されている。このオイルパンは、木型で造型された鋳型の鋳込み空間に内周部分が突出するようにオイルパンを鋳型内に設置し、内周部分を鋳ぐるみしてベッドの上方部位の外周側面に取り付けていた。
【0004】
さらに、テーブルが摺動自在に載置されるベッド上面は、硬化して磨耗しないようにする必要があるため、高周波焼入れ等を行って硬度を高くしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
工作機械のベッド等の大きな鋳造物を一個毎に消失模型で鋳型を造型して鋳造することは、コスト高となる。また、ユーザの要求により変更される可能性がある部位を有するベッドの模型を木型で製作することは、コスト面、木型の保管面からも不可能であった。また、ベッドの下方部位の形状は確定したが、上方部位は複数の形状で実際にベッドを製作して最適な形状を決定することがある。このような場合も、上方部位のみ形状が異なる複数種類のベッド用の鋳型を木型又は消失模型だけで造型することはコスト高となる。
【0006】
木型で造型された鋳型の鋳込み空間に突出されたオイルパン内周部分を鋳ぐるみして、オイルパンをベッドの上方部位外周側面に取り付けることは、オイルパンは鋳造物と異金属の鋼板で成形され、内周部分が鋳込み空間に突出されて酸化され易いので、部分的に溶着不良、剥離が生じてクーラント漏れ、油漏れを起す原因となっていた。密着性をよくするために、オイルパン内周部分にニッケル等のなじみ性のよい金属をメッキすることはコスト高となる。オイルパンを複数部分に分割し、ベッド上方部位の外周側面にボルト締めし、接合部分をパテで埋めてクーラント漏れ、油漏れを防止することは、作業が複雑になり、コスト高となる不具合があった。また、テーブルが載置される部分を高周波焼入れすることは、時間と費用を要する問題があった。
【0007】
本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたもので、鋳造物の仕様が確定した部位については抜取模型で鋳込み空間を形成し、仕様変更がある未確定部位については、消失模型で鋳型を造型することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、鋳造物の仕様が確定した確定部位については、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、前記確定部位と連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位については、該未確定部位に対応する形状の消失模型を端部が前記連接部位で前記鋳込み空間に現出するように配置して型込めした鋳型に鋳込んで鋳造された鋳造物であることである。
【0009】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、鋳造物の仕様が確定した確定部位については、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、前記確定部位と連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位については、該未確定部位に対応する形状の消失模型を端部が前記連接部位で前記鋳込み空間に現出するように配置し型込めして鋳型を造型し、該鋳型に鋳込んで前記鋳造物を鋳造することである。
【0010】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、工作機械を構成する鋳造物の汎用部位については、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、前記汎用部位と連接部位で連接し仕様変更がある専用部位については、該専用部位に対応する形状の消失模型を端部が前記連接部位で前記鋳込み空間に現出するように配置し型込めして鋳型を造型し、該鋳型に鋳込んで前記鋳造物を鋳造することである。
【0011】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項2又は請求項3に記載の抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法において、前記消失模型に前記鋳造物と異なる異種金属材料で形成された形成部材の一部を挿入し、該形成部材の一部を鋳ぐるみすることである。
【0012】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法において、前記鋳造物の硬化したい所望表面部分に対応する消失模型の表面部分にチル化剤を塗布して前記所望表面部分が硬化したねずみ鋳鉄の鋳造物を鋳造することである。
【0013】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法において、前記鋳造物の機械的性質を変えたい所望表面部分に対応する消失模型の表面部分に前記鋳造物の金属材料と機械的性質が異なる異種材料の粉末を付着させ、前記所望表面部分に前記異種材料の粉末を分散させて前記鋳造物を鋳造することである。
【0014】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、鋳造物の仕様が確定した確定部位については、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、確定部位と連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位については、該未確定部位に対応する形状の消失模型を端部が連接部位で鋳込み空間に現出するように配置して型込めした鋳型に鋳込んで鋳造した鋳造物であるので、確定部位に関しては木型等の抜取模型で多数の鋳型を造型して一個当りのコストを低くし、未確定部位に関しては、消失模型の使用により、ユーザの要求、または設計変更等による仕様変更に迅速に対応することができる。
【0015】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、鋳造物の仕様が確定した確定部位については、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、確定部位と連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位については、該未確定部位に対応する形状の消失模型を端部が連接部位で鋳込み空間に現出するように配置し、型込めして鋳型を造型し、該鋳型に鋳込んで鋳造物を鋳造するようにしたので、確定部位に関しては木型等の抜取模型で多数の鋳型を造型して一個当りのコストを低減し、未確定部位に関しては消失模型の使用によりユーザの要求または設計変更等による仕様変更に迅速に対応し、多種類の鋳造物を短時間、低コストで鋳造することができる。また、木型等の抜取模型の種類を最小限にして模型保管のための管理費を削減することができる。
【0016】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、工作機械を構成する鋳造物の汎用部位については、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、汎用部位と連接部位で連接し形状変更がある専用部位については、該専用部位に対応する形状の消失模型を端部が連接部位で鋳込み空間に現出するように配置し、型込めして鋳型を造型し、該鋳型に鋳込んで鋳造物を鋳造するようにしたので、工作機械の標準寸法になっている汎用部位に関しては、木型等の抜取模型で多数の鋳型を造型して一個当りのコストを低くし、専用部位に関しては消失模型の使用により、ユーザの要求または設計変更等による仕様変更に容易且つ迅速に対応可能となり、多種類の工作物の鋳造物を短時間、低コストで鋳造することができる。また、木型等の抜取模型の種類を最小限にして模型保管のための管理費を削減することができる。
【0017】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、消失模型に鋳造物と異なる異種金属材料で形成された形成部材の一部を挿入して消失鋳型を造型し、該形成部材の一部を鋳ぐるみするようにしたので、請求項2又は請求項3に記載の発明の効果に加え、ユーザの要求または設計変更等により異種金属材料の形成部材の取付け位置が変更されても容易に対応することだできる。また、形成部材の一部は消失模型に挿入されて空気との接触が遮断され、酸化が防止されるので、形成部材の一部は溶着不良、剥離を生じることなく鋳造物に鋳ぐるみされる。
【0018】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、ねずみ鋳鉄の鋳造物の硬化したい所望表面部分に対応する消失模型の表面部分にチル化剤を塗布して該所望表面部分を硬化するようにしたので、請求項2又は請求項3に記載の発明の効果に加え、ユーザの要求または設計変更等により鋳造物の硬化したい表面部分の位置が変更されても容易に対応することができる。
【0019】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、鋳造物の機械的性質を変えたい所望表面部分に対応する消失模型の表面部分に、鋳造物の金属材料と機械的性質が異なる異種材料の粉末を付着させ、該所望表面部分に異種材料の粉末を分散させて該表面部分の機械的性質を変えるようにしたので、請求項2又は請求項3に記載の発明の効果に加え、ユーザの要求または設計変更等により鋳造物の機械的性質を変えたい表面部分の位置が変更されても容易に対応することだできる。
【0020】
【実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、11はNC専用機のベッドで、下方部位であるベース部12上に上方部位であるテーブルガイド部13が連接部位14で連接した一体の鋳造物15である。ベッド11は、ベース部12の寸法が標準仕様として数種類用意され、この標準仕様の中からユーザが選択した仕様のベース部12に、用途に合わせた寸法形状のテーブルガイド部13が所望配置位置に設けられた仕様となっている。即ち、ベース部12はベッド11の形状が確定した確定部位、換言すれば汎用部位であり、テーブルガイド部13は確定部位と連接部位14で連接し、ユーザの要求または設計変更等で形状及び配置位置等の仕様が変更される未確定部位、換言すれば専用部位である。
【0021】
仕様が確定したベース部12については、木型等の抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、仕様が未確定なテーブルガイド部13については、テーブルガイド部13に対応する形状の消失模型をその端部が連接部位14で鋳込み空間に現出するように配置して型込めした鋳型に鋳込んで、ベッド11は鋳造されている。16は切粉、クーラント、潤滑油等を回収するための樋状のオイルパンで、内周面がテーブルガイド部13の外周側面に鋳ぐるみされて外方に突設されている。
【0022】
NC汎用機、マシニングセンタ等の汎用工作機械においても新機種を開発する場合、ベッド、パレットチェンジャ、テーブル等の鋳造物の構成部品については、一部位の形状は設計段階で確定するが、他部位は複数の形状、配置位置で実際に鋳造物を試作してテストしないと最適な形状、配置位置等の仕様を決定することができないことがある。係る鋳造物に本発明を適用した第2実施形態について説明する。図2において、21はNC汎用機のテーブルで、一部位であるスライド部22上に他部位である回転テーブル支承部23が連接部位24で連接した一体の鋳造物25である。スライド部21は過去の実績から類似するテーブルのスライド部と同一形状寸法に設計段階で確定することができる。一対の回転テーブル支承部23が形状、ピッチを変えてスライド部21上に一体に設けられた種々のテーブル21が設計、試作され、最適な仕様が決定される。この場合は、スライド部22はテーブル21の仕様が確定した確定部位であり、一対の回転テーブル支承部23は確定部位と連接部位24で連接し、設計変更等で仕様変更される未確定部位である。
【0023】
仕様が確定したスライド部22については、木型等の抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、仕様が未確定な回転テーブル支承部23については、回転テーブル支承部23に対応する形状の消失模型をその端部が連接部位24で鋳込み空間に現出するように配置して型込めした鋳型に鋳込みしてテーブル21は鋳造されている。26は切粉、クーラント、潤滑油等を回収するための樋状のオイルパンで、内周面が回転テーブル支承部23の外周側面に鋳ぐるみされて外方に突設されている。
【0024】
各回転テーブル支承部23の中心孔27には鋼管28が鋳ぐるみされ、鋳造後に内周面が焼入れされている。回転テーブル支承部23の上面には回転テーブル20がクロスローラベアリングにより回転可能に支承され、回転テーブル20を割出し位置に固定するクランプ装置の係合部が鋼管28の内周面に係脱するようになっている。
【0025】
なお、本発明は、仕様が確定した確定部位と、この確定部位と連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位を有する鋳造物であれは、工作機械の構成部品に限らず、一般機械の構成部品或いは単体で完成品である鋳造物に適用することができる。
【0026】
次に、図3、5及び6に基づいて本発明に係る抜取模型及び消失模型を用いて造型された鋳型による鋳造方法により、第1実施形態の鋳造物15であるベッド11を鋳造する場合について説明する。ベッド11の形状が確定した確定部位であるベース部12について、ベース部12用の木型等の抜取模型を下型用鋳枠29に配置して型込めした後、模型を離型して鋳込み空間32を形成した下型33を造型する(工程51)。ベース部12と連接部位14で連接し、形状変更がある未確定部位であるテーブルガイド部13については、テーブルガイド部13に対応する形状の消失模型34を発砲樹脂等で製作し、この消失模型34を上型用鋳枠30の所定位置に配置して型込めし、上型35を造型する(工程52)。樹脂としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等を使用する。消失模型34には、ベッド12と異なる異種金属材料の鋼板で形成された形成部材としてのオイルパン16の内周部が挿入されている。
【0027】
図4に示すように、下型33と上型35とが型合せされて鋳型36が作成される(工程53)。下型33と上型35とが型合せされたとき、消失模型34の端部が連接部位14に対応する位置で鋳込み空間32に現出するように消失模型34は配置されている。溶融した鋳鉄である溶湯が鋳型36に設けた湯口37及び湯道38を介して鋳込まれると、溶湯が鋳込み空間32に充填されてベース部12を形成し、樹脂製の消失模型34は燃えて消失し、その空間に溶湯が入れ替わり流入してテーブルガイド部13を形成する(工程54)。溶湯が消失模型34と入れ替わる途中において、オイルパン16の消失模型34に挿入された内周部が溶湯に鋳ぐるみされ、オイルパン16はテーブルガイド部13の外周側面に外方に突出してに一体的に取り付けられる。オイルパン16の内周部は消失模型34に挿入されて空気との接触を遮断され、酸化することなく鋳ぐるみされるので、テーブルガイド13とオイルパン内周部との間で溶着不良、剥離を生じることがない。鋳型ばらししてベッド12の鋳造物15を鋳型36から取り出し(工程55)、必要箇所を機械加工して(工程56)、ベッド12を作成する。
【0028】
テーブルガイド部13の上面部分19をチル化して硬化したい場合、鋳鉄としてねずみ鋳鉄を使用し、テーブルガイド部13の硬化したい上面部分19に対応する消失模型34の表面部分39にチル化剤を塗布して上面部分を硬化する。このために先ず、図5に示すように、テルル(Te)を主要成分とするチル化剤の溶液を作成する(工程61)。チル化剤としては、例えば市販されているテルリット150(商品名)を使用する。溶液はテルリット150を水で、テルリット150対水の重量比を流動性及び濃度の点で、4:1〜1:1、好ましくは、3:1で希釈して作成する。なお、テルリット150の成分は、重量%で、シルカ骨材:40〜50%、金属テルル:14〜16%、有機粘結剤:2%以下、無機粘結剤:3%以下、添加剤:微量、水分:残部となっている。テーブルガイド部13の硬化したい上面部分に対応する消失模型34の表面部分39にチル化剤を塗布する(工程62)。このためチル化剤の溶液を消失模型34の該当表面部分39に刷毛で塗布し、乾燥させる。チル化剤の溶液の塗布、乾燥を3回程度繰り返すことにより該当表面部分39に十分な量のチル化剤を塗布することができる。
【0029】
該当表面部分39にチル化剤を塗布した消失模型34の全表面に、塗型剤を塗布し(工程63)、塗型剤が塗布された消失模型34を上型用鋳枠30に入れて型込めして上型35を造型する。この上型35と下型33とを型合わせした鋳型36に溶融したねずみ鋳鉄を鋳込むと、消失模型34の該当表面部分39に塗布されていたチル化剤が流入したねずみ鋳鉄の溶湯に接触し、テーブルガイド部13の上面部分39がチル化して硬化する。
【0030】
鋳造物15の所望表面部分の耐摩耗性を高くするなど機械的性質を変えるために、所望表面部分に鋳造物15の金属材料と異なる異種材料の粉末を分散させる方法について、テーブルガイド部13の所望表面部分である上面部分19の耐摩耗性を高くする場合について説明する。図6に示すように、溶湯の金属材料と機械的性質が異なる複数の異種材料からなるゲル状異種材料を作成する(工程65)。例えば耐摩耗性を高くする異種材料としては、高硬度材料としてタングステン(W)、炭化タングステン(WC)等のタングステン化合物、窒化チタン(TiN)、炭化珪素(SiC)、酸化アルミニウム(Al2O2)等がある。高硬度材料の硬度を調整するために用いる硬度調整材料としては、コバルト(Co)、鋳鉄ステンレス等の鉄系化合物、ニッケル(Ni)、銅(Cu)等がある。高硬度材料および硬度調整材料は、粒径が数μ〜0.1mmの粉末が適している。複数種の異種材料の粉末をゲル状化するためのバイダーは、鋳造の際に速やかにガス化或いは炭化するでんぷんのりが適している。これら高硬度材料および硬度調整材料の粉末を所望硬度を得るような割合で混合し、でんぷんのりに混ぜてゲル状にする。例えば、耐摩耗性材料としてのタングステン粉末に、耐摩耗性を調整するために任意量のコバルト粉末を加えてでんぷんのりでゲル状化した異種材料を消失模型34の該当表面部分39に適宜厚さで塗布する(工程66)。ゲル状化した異種材料が塗布された消失模型34を上型用鋳枠30に入れて型込めして上型35を造型する。この上型35と下型33とを型合わせした鋳型36に、例えば溶融した片状黒鉛鋳鉄(FC300)を鋳込むと、消失模型34の該当表面部分39に塗布されていた異種材料がテーブルガイド16の上面部分19に分散し、異種材料のタングステン粉末は、片状黒鉛鋳鉄に含有される炭素(C)、リン(P)及びマンガン(Mn)等と化学結合し、炭化タングステン(WC)を主成分とする微小偏析を形成し、テーブルガイド部13の上面部分19の耐摩耗性を向上する。
【0031】
次に、第2実施形態の鋳造物25を鋳造する方法を図7に示す鋳型50に基づいて説明する。鋳造物25であるテーブル21の仕様確定部位であるスライド部22の外周面形状と同じ外形を有する木型を回転テーブル支承部23側を上にして模型定盤上に取り付けて下型用鋳枠40内に配置する。
【0032】
仕様未確定部位である回転テーブル支承部23に対応する形状の一対の消失模型42を発砲樹脂等で作成する。各消失模型42には、鋼管28の内径と等しい小径と外径と等しい大径を有する段付き孔43が軸心に形成され、この段付き孔43の肩部に鋼管28が嵌合され、段付き孔43の大径穴の開口端と鋼管28の端面との間には、鋼管28と同じ内外径を有する発泡樹脂製のリング44が固着されている。一対の消失模型42は、皿状のオイルパン45に所定ピッチで所定位置に穿設された穴に嵌合され、嵌合部分は発泡樹脂用の接着剤46で隙間なく埋められる。オイルパン45を取り付けられた一対の消失模型42は、スライド部22の外周面形状と同じ外形を有する木型上に位置決めして載置されて型込めされ、木型が離型されて下型47が造型される(工程51)。
【0033】
上型用鋳枠41内に湯口、湯道等の模型を配置して型込めし、上型49を作成する(工程52)。上型49の下面にスライド部22の内周面形状と同じ外形を有する中子48が固着され、下型47と上型49とが型合せされて鋳型50が作成される(工程53)。下型47と上型49とが型合せされたとき、下型47のスライド部22の外周面形状と同じ外形を有する木型により形成された空間の内周面と中子48の外周面との間には鋳込み空間58が形成され、消失模型41の端部は連接部位24に対応する位置で鋳込み空間58に現出する。
【0034】
溶融した鋳鉄である溶湯が湯口、湯道から鋳型50に鋳込まれると、溶湯が鋳込み空間58に充填されてスライド部22を形成し、樹脂製の消失模型42は燃えて消失し、その空間に溶湯が入れ替わり流入して回転テーブル支承部23を形成する(工程54)。溶湯が消失模型42と入れ替わる途中において、オイルパン45を消失模型42に固着する発砲樹脂用の接着剤46が溶湯と入れ替わりオイルパン45の穴の内周部が溶湯に鋳ぐるみされ、オイルパン16は回転テーブル支承部23の外周側面に外方に突出してに一体的に取り付けられる。鋼管28も回転テーブル支承部23の中心孔27に鋳ぐるみされる。その後、鋳型ばらしして鋳造物25を鋳型50から取り出し(工程55)、必要箇所を機械加工して(工程56)、テーブル22を作成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】工作機械のベッドを示す断面図である。
【図2】テーブルを示す断面図である。
【図3】本発明に係る抜取模型及び消失鋳型を用いた鋳造方法の工程を示す図である。
【図4】ベッドの鋳型を示す断面図である。
【図5】鋳造物の所望表面部分をチル化する工程を示す図である。
【図6】鋳造物の所望表面部分の機械的性質を変えるために所望表面部分に異種材料の粉末を分散させる方法の工程を示す図である。
【図7】テーブルの鋳型を示す断面図である。
【符号の説明】
11・・・ベッド、12・・・ベース部(仕様確定部位)、13・・・テーブルガイド部(仕様未確定部位)、14,24・・連接部位、15,25・・・鋳造物、16,26・・・オイルパン、21・・・テーブル、22スライド部(仕様確定部位)、23・・・回転テーブル支承部(仕様未確定部位)、28・・・鋼管、29,40・・・下型用鋳枠、30,41・・・上型用鋳枠、32,58・・・鋳込み空間、33,47・・・下型、34,42・・・消失模型、35,49・・・上型、36,50・・・鋳型、48・・・中子。

Claims (6)

  1. 鋳造物の仕様が確定した確定部位については、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、前記確定部位と連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位については、該未確定部位に対応する形状の消失模型を端部が前記連接部位で前記鋳込み空間に現出するように配置して型込めした鋳型に鋳込んで鋳造したことを特徴とする鋳造物。
  2. 鋳造物の仕様が確定した確定部位については、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、前記確定部位と連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位については、該未確定部位に対応する形状の消失模型を端部が前記連接部位で前記鋳込み空間に現出するように配置し型込めして鋳型を造型し、該鋳型に鋳込んで前記鋳造物を鋳造することを特徴とする抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法。
  3. 工作機械を構成する鋳造物の汎用部位については、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、前記汎用部位と連接部位で連接し仕様変更がある専用部位については、該専用部位に対応する形状の消失模型を端部が前記連接部位で前記鋳込み空間に現出するように配置し型込めして鋳型を造型し、該鋳型に鋳込んで前記鋳造物を鋳造することを特徴とする抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法において、前記消失模型に前記鋳造物と異なる異種金属材料で形成された形成部材の一部を挿入し、該形成部材の一部を鋳ぐるみすることを特徴とする抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法において、前記鋳造物の硬化したい所望表面部分に対応する消失模型の表面部分にチル化剤を塗布して前記所望表面部分が硬化したねずみ鋳鉄の鋳造物を鋳造することを特徴とする抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法。
  6. 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法において、前記鋳造物の機械的性質を変えたい所望表面部分に対応する消失模型の表面部分に前記鋳造物の金属材料と機械的性質が異なる異種材料の粉末を付着させ、前記所望表面部分に前記異種材料の粉末を分散させて前記鋳造物を鋳造することを特徴とする抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法。
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