JP3634261B2 - 樹脂封止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリップチップボンディングされた半導体チップと基板との間の間隙に溶融樹脂を充填・硬化して、半導体チップを樹脂封止する樹脂封止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来における、フリップチップボンディングされた半導体チップと基板との間の間隙に樹脂を充填して樹脂封止し、完成品、すなわちパッケージを形成する場合を説明する。
フリップチップの樹脂封止においては、アンダーフィルを行うため、すなわち半導体チップと基板との間にバンプをはさんで形成された間隙に樹脂を充填するために、キャビティに溶融樹脂を注入する。この間隙は、30〜100μm程度しかないので、これまで使用されてきた溶融樹脂では粘度が高すぎて、十分にアンダーフィルすることができない。そこで、キャビティに、低粘性樹脂を低圧で注入している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の樹脂封止を使用したフリップチップのアンダーフィルによれば、次のような問題があった。
まず、近年、特にCPUについては高速化が進んだことにより、半導体チップを効果的に冷却する必要性が高まっている。そのために、半導体チップの背面を露出させて樹脂封止する技術が必要とされている。そこで、基板に平行な面を有する治具を使用して半導体チップの背面全体を押圧し、その状態でキャビティに低粘性樹脂を注入している。ところが、バンプの大きさのばらつき等により、半導体チップが傾いてボンディングされることがある。この場合に半導体チップの背面全体を押圧すると、半導体チップやバンプを損傷するおそれがあるという問題がある。加えて、半導体チップやバンプを損傷させない程度に押圧すると、治具と半導体チップの背面との間にすき間が生じて、半導体チップの背面に樹脂ばりが発生するおそれがある。この樹脂ばりは、半導体チップの背面に対するヒートシンクの取付を阻害するので、組立歩留りが低下するという問題がある。
また、樹脂封止用の金型には、樹脂充填時間の短縮と、ボイド抑制のためのガス排出とを目的として、深さ数10μm程度のエアベントが設けられている。そのために、エアベントから低粘性樹脂が漏出しやすいという問題がある。
また、ほぼ正方形状の半導体チップに対して、その対角線と同一線上に設けたゲート部から、対角線に沿って半導体チップのコーナー部を目標にして樹脂を注入する。しかし、ゲート部と半導体チップとのわずかな位置ずれによって、低粘性樹脂の流動が不均一になるおそれがある。この場合には、先にエアベントに到達した低粘性樹脂がそのエアベントを塞いだ後に、気泡が低粘性樹脂内に残留して、ボイドが発生するという問題がある。
また、プランジャに組み込んだセンサを使用して、低粘性樹脂の樹脂圧を測定する。しかし、ポット・プランジャ間の摺動抵抗を含んだ値を測定することになるので、キャビティに低粘性樹脂を低圧で注入する場合には、樹脂圧の測定値について誤差が大きくなるという問題がある。
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、半導体チップの背面を適正に押圧してその背面を確実に露出させるとともに樹脂ばりを防止し、溶融樹脂の漏出とボイドの発生とを抑制し、樹脂圧を正確に測定する樹脂封止装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の技術的課題を解決するために、本発明に係る樹脂封止装置は、基板にフリップチップボンディングされた半導体チップと基板との間の間隙を含む空間からなるキャビティにおいて、該キャビティの外部から充填された溶融樹脂を硬化させて、半導体チップの背面を露出させて該半導体チップを樹脂封止する樹脂封止装置であって、半導体チップの背面に沿って樹脂フィルムを張設する張設機構と、半導体チップを樹脂封止する際に該半導体チップを押圧する押圧機構を備えるとともに、押圧機構は、該押圧機構の端面が傾くことができるように傾動自在に設けられており、かつ、溶融樹脂が半導体チップの背面に漏出することを防止する目的で端面が樹脂フィルムを介して半導体チップの背面の全面を押圧するように設けられていることを特徴とする。
【0006】
これによれば、半導体チップが基板に傾いて装着されている場合であっても、押圧機構の端面が傾くことにより、半導体チップが適正に押圧されるとともに、半導体チップの背面と押圧機構との間にすき間が生じることが抑制される。したがって、半導体チップ等の損傷を防止することができるとともに、半導体チップの背面における樹脂ばりの発生を防止することができる。
【0007】
また、本発明に係る樹脂封止装置は、基板にフリップチップボンディングされた半導体チップと基板との間の間隙に溶融樹脂を充填・硬化して、半導体チップの背面を露出させて該半導体チップを樹脂封止する樹脂封止装置であって、半導体チップの背面に沿って樹脂フィルムを張設する張設機構と、半導体チップを樹脂封止する際に該半導体チップを押圧する押圧機構と、半導体チップを樹脂封止する際に充填される溶融樹脂の圧力によって半導体チップが浮き上がらないように押圧機構を保持するロック機構とを備えたことを特徴とする。
【0008】
これによれば、半導体チップを樹脂封止する際に、充填される溶融樹脂の圧力が半導体チップを浮き上がらせる方向に印加された場合であっても、押圧機構が保持されているので、半導体チップの浮き上がりを抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を、図1〜図3を参照しつつ説明する。図1(a),(b)は本実施形態に係る樹脂封止装置について、(a)は(b)のA−A線に沿って示す断面図であり、(b)は低粘性樹脂及びガスの流路を仮想的に描いて基板と半導体チップとを示す平面図である。
【0010】
図1(a),(b)において、下型1と上型2とは、互いに対向して設けられた金型であって、併せて樹脂封止用金型を構成する。基板3は、配線パターンが設けられ下型1の上に載置された配線部材である。半導体チップ4は、例えばCPU等のような集積回路である。バンプ5は、基板3と半導体チップ4とがそれぞれ有する端子(図示なし)同士を電気的に接続する突起状電極である。間隙6は、基板3の上面と半導体チップ4の下面との間の30〜100μm程度の空間であって、完成したパッケージの信頼性を維持するために、この間隙に封止樹脂を一様に充填する必要がある。基板押さえ部材7A,7Bは、昇降自在に設けられ、下降した際に基板3を固定する押さえ部材である。キャビティ8は、基板3の上面と基板押さえ部材7A,7Bと上型2とによって囲まれ、低粘性樹脂が注入される空間である。
【0011】
ポット9は、下型1に設けられた円筒状の空間である。プランジャ10は、ポット9の下方に昇降自在に設けられた円柱状の押圧機構である。樹脂タブレット11は、ポット9に投入され、例えばエポキシ樹脂からなり、溶融して低粘性樹脂の原料となる円柱状の樹脂材料である。
【0012】
カル部12は、ポット9に対向して上型2に設けられた凹部である。カル部12、ランナ部13、及びゲート部14は、カル部12からキャビティ8へと順次連通する空間で、低粘性樹脂が流動する樹脂流動部である。ここで、図1(b)に示されているように、ゲート部14は、半導体チップ4を平面視した場合に、ゲート部14の中心線が半導体チップ4の1辺に対してほぼ垂直にかつその中点を通過するようにして、設けられている。エアベント15は、半導体チップ4の中心線に関してゲート部14とほぼ線対称に設けられたガス流路である。すなわち、ゲート部14の中心線とエアベント15の中心線と半導体チップ4において1辺を通る中心線とは、ほぼ重なっている。
可動部材16は、キャビティ8とエアベント15との境界に昇降自在に設けられた、エアベント15の開閉弁である。ここで、可動部材16は、例えばエアシリンダ、リニアモータ等によって駆動されるとともに、開閉のタイミング、開放量、及び閉鎖時の押圧力を設定することができる。樹脂フィルム17は、上型2の型面とチップ押さえ部材7Bの上面とに沿い、型締め状態で半導体チップ4の背面に密着して張設される離型用フィルムである。
【0013】
以下、本実施形態に係る樹脂封止装置の動作を、図2及び図3を参照して説明する。図2(a),(b)は、本実施形態に係る樹脂封止装置が樹脂の注入を開始した直後の低粘性樹脂の挙動をそれぞれ示しており、(a)は(b)のA−A線に沿って示す断面図、(b)は低粘性樹脂及びガスの流路を仮想的に描いて基板と半導体チップとを示す平面図である。また、図3(a),(b)は、本実施形態に係る樹脂封止装置について、(a)は低粘性樹脂の注入を終了する直前の状態を、(b)は低粘性樹脂の注入を終了した直後の状態を、それぞれ示す断面図である。
【0014】
まず、図2(a)に示すように、可動部材16を上昇させてエアベント15を開放する。この状態で、金型に設けられたヒータ(図示なし)により樹脂タブレット11を加熱・溶融して低粘性樹脂18を形成する。そして、プランジャ10により低粘性樹脂18を押圧して、低粘性樹脂18を、カル部12で分岐させ、ランナ部13、ゲート部14を順次経由させて、キャビティ8に注入する。
【0015】
ここまでの過程で、図2(b)に示すように、キャビティ8内のガス(気体)を、エアベント15を経由して金型外に排出する(太い実線の矢印参照)。
また、ゲート部14の中心線が、半導体チップ4の1辺に対してほぼ垂直にかつその中点を通過するように、設けられている。これにより、ゲート14から注入された低粘性樹脂18は、基板3上で半導体チップ4によって覆われていない部分、すなわち基板3の露出部分では、エアベント15が設けられた側に向かい半導体チップ4の辺に沿ってほぼ均等に流動する。また、間隙6においては、エアベント15からガスが排出されているので、低粘性樹脂18は、基板3の露出部分よりもやや低速ではあるがエアベント15側に向かって流動する(破線の矢印参照)。したがって、ゲート部14と半導体チップ4との間に位置ずれが生じた場合でも、低粘性樹脂18はほぼ均一に流動して、気泡を残留させることなくキャビティ8に充填されるので、ボイドの発生を抑制することができる。
【0016】
次に、図3(a)に示すように、引き続きプランジャ10により低粘性樹脂18を押圧して、キャビティ8に注入する。ここで、キャビティ8が充填される直前のタイミングで、可動部材16を下降させてエアベント15を閉鎖する。これにより、エアベント15への低粘性樹脂18の漏出を抑制することができる。
【0017】
以上の工程により、図3(b)に示すように、低粘性樹脂18によってキャビティ8を充填したことになる。この状態で、引き続き低粘性樹脂18を加熱・硬化させて硬化樹脂を形成し、樹脂封止を完了する。その後に、下型1と上型2とを型開きし、基板押さえ部材7Aを上昇させてゲートブレークを行い、基板3と半導体チップと硬化樹脂とからなるパッケージを完成させる。
【0018】
ここまで説明してきたように、本実施形態によれば、図2(a),(b)に示すように、キャビティ8内のガスを、エアベント15を経由して金型外に排出する。加えて、ゲート部14と半導体チップ4との間に位置ずれが生じた場合においても、低粘性樹脂18はほぼ均一に流動して、気泡を残留させることなくキャビティ8に充填される。したがって、ボイドの発生を抑制することができる。
また、図3(a)に示すように、キャビティ8が充填される直前のタイミングで、可動部材16を下降させてエアベント15を閉鎖する。したがって、エアベント15への低粘性樹脂18の漏出を抑制することができる。
また、図1(a)に示すように、型締めした状態で、半導体チップの背面に沿って、かつ密着して樹脂フィルム17が張設される。したがって、低粘性樹脂18が硬化した後に型開きする際の離型性の向上と、半導体チップ4の背面における樹脂ばりの防止とを図ることができる。
【0019】
なお、本実施形態では、半導体チップ4の背面を露出させることとした。これに限らず、半導体チップ4の背面を露出させず、低粘性樹脂18により半導体チップ4をすべて覆う場合においても、本実施形態を適用することができる。
また、樹脂フィルム17を設けない構成をとることも可能である。
【0020】
また、本実施形態では、外部からエアベント15を介してキャビティ8内の雰囲気を吸引しながら、キャビティ8に低粘性樹脂18を注入することもできる。この場合には、低粘性樹脂18が間隙6に速やかに侵入するので、基板3の露出部分と間隙6とにおいて、低粘性樹脂18は、ほぼ同等の速度でエアベント15側に向かって流動する。したがって、キャビティ8を短時間に充填することができる。
更に、この場合には、キャビティ8内の雰囲気が吸引されているので、万一キャビティ8に充填されている低粘性樹脂18に気泡が残留しても、その気泡の内部は低圧になっている。したがって、残留した気泡は、低粘性樹脂18の圧力によって、問題にならない程度にまで小さく押しつぶされる。
【0021】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を、図4を参照して説明する。図4(a)及び(b)は、本実施形態に係る樹脂封止装置について、(a)は半導体チップが基板に平行にボンディングされた状態を、(b)は半導体チップが基板に傾いてボンディングされた状態を、それぞれ示す断面図である。
【0022】
図4(a),(b)において、チップ押さえ部材19は、昇降軸20の下部に設けられ、半導体チップ4をその背面に沿って押圧する押さえ部材である。昇降軸20は、昇降自在に設けられ、所定の圧力でチップ押さえ部材19が半導体チップ4を押圧するように動作する昇降機構である。玉軸受21は、チップ押さえ部材19と昇降軸20との間に設けられ、チップ押さえ部材19を滑らかに摺動させる軸受である。
【0023】
図4(b)に示すように、バンプ5の大きさのばらつき等により、半導体チップ4が基板3に傾いてボンディングされた場合には、チップ押さえ部材19は玉軸受21によって傾斜して、背面に沿って半導体チップ4を押圧する。これにより、半導体チップ4やバンプ5を損傷することなく、半導体チップ4の背面全体をすき間なく押圧することができる。
【0024】
以上説明したように、本実施形態によれば、半導体チップ4やバンプ5の損傷を防止することができる。また、半導体チップ4の背面とチップ押さえ部材19との間にすき間が生じず、かつ、樹脂フィルム17を使用することにより上型2とチップ押さえ部材19との間に低粘性樹脂18が侵入しない。これにより、半導体チップ4の背面における樹脂ばりの発生を防止するとともに、半導体チップ4の背面を確実に露出させる。したがって、半導体チップ4の背面にヒートシンクを取り付ける際に、組立歩留りの低下を抑制することができる。これらのことにより、パッケージの生産工程及びヒートシンクの取付工程において、組立歩留りを良好に保つことができる。
【0025】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態を、図5及び図6を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る樹脂封止装置の構成を示す断面図である。図5において、基板押さえ部材22は、基板押さえ部材7Aと同様に、昇降自在に設けられ、下降した際に基板3を固定する押さえ部材である。ロック機構23は、昇降軸20の上方に設けられ、型締めした状態で必要に応じて昇降軸20を挟むことができるブレーキパッド24を内部に有するブレーキ機構である。昇降軸20の上方にはエアシリンダ(図示なし)が設けられ、必要十分な一定の力で半導体チップ4の背面に樹脂フィルム17を押圧する。
【0026】
以上説明したように、本実施形態によれば、通常の状態では半導体チップ4及びバンプ5に過大な圧力をかけることがない。また、型締め後、キャビティ8に低粘性樹脂を注入する場合において、注入された低粘性樹脂の圧力が半導体チップ4を浮き上がらせる方向に印加されると、ブレーキパッド24が昇降軸20を挟んでいるので、半導体チップ4の浮き上がりを抑制することができる。
【0027】
なお、昇降軸20の上方には、圧力センサ及び制御部(いずれも図示なし)が設けられていることとしてもよい。圧力センサは、チップ押さえ部材19が半導体チップ4を押圧する際に受ける圧力を検出する。そして、制御部は、その検出された圧力に応じてブレーキパッド24を制御し、ブレーキパッド24は、その検出された圧力に応じた圧力で昇降軸20を挟んで圧接する。
これによれば、注入された低粘性樹脂の圧力が半導体チップ4を浮き上がらせる方向に印加されると、その圧力に応じてブレーキパッド24が昇降軸20を圧接する。その結果、半導体チップ4を浮き上がらせる方向に印加された圧力に応じて半導体チップ4を押圧することになるので、半導体チップ4の浮き上がりを抑制することができる。
【0028】
図6(a),(b)は、本実施形態に係る樹脂封止装置の2つの変形例について、構成をそれぞれ示す断面図である。図6(a)において、チップ押さえ部材25は、外周部において連続して又は断続的に設けられた突起状の外周押さえ部26と、内側の凹部における貫通穴27とを有している。貫通穴27は、チップ押さえ部材25と半導体チップ4との間のガスを排出するガス流路である。この変形例によれば、半導体チップ4及びバンプ5に過大な圧力をかけることなく、半導体チップ4の背面において外周部を適切に押圧する。このことにより、半導体チップ4の背面において、低粘性樹脂の侵入を防止したい部分、すなわち半導体チップ4の外周部を適切に押圧する。したがって、半導体チップ4の背面において、低粘性樹脂の侵入を抑制して樹脂ばりの発生を防止することができる。
【0029】
ところで、近年の半導体チップの多機能化により、チップサイズが大きくなる傾向にある。このため、低粘性樹脂を注入する際に、注入された低粘性樹脂の圧力によって半導体チップ4の中央部が浮き上がり、半導体チップ4の端子とバンプ5と基板3のパッドとの間の電気的接続が不安定になるおそれがある。
図6(b)に示された別の変形例では、チップ押さえ部材25は、更に、中心部における突起状の中心押さえ部28を有している。したがって、図6(a)の変形例の場合に加えて、注入された低粘性樹脂の圧力による半導体チップ4の中央付近の浮き上がりを、いっそう効果的に抑制することができる。
【0030】
なお、本実施形態、すなわち図5及び図6に示された構成においては、樹脂フィルム17を使用することとした。これに限らず、樹脂フィルム17を使用せずに、チップ押さえ部材19,25が、半導体チップ4の背面を直接押圧してもよい。
また、図6に示された構成においては、図5のブレーキ機構23を使用しなくてもよい。更に、図5及び図6のチップ押さえ部材19,25に、図4の玉軸受21を組み合わせて使用してもよい。
【0031】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態を、図7を参照して説明する。図7(a),(b)は本実施形態に係る樹脂封止装置について、(a)はその構成を、(b)は樹脂の注入を開始した直後の状態を、それぞれ示す断面図である。
【0032】
図7(a)において、固定部材29は、ランナ部13において上型2の凹部に設けられたブロックである。センサ30は、固定部材29の端部に設けられた圧力検出手段である。通常の状態では、センサ30の圧力検出面は、上型2の型面と同一面に保たれている。これにより、図7(b)に示すように、センサ30は樹脂フィルム17を介して低粘性樹脂18の圧力を検出する。
【0033】
なお、本実施形態では、半導体チップ4の背面を露出させることとした。これに限らず、半導体チップ4の背面を露出させず、低粘性樹脂18により半導体チップ4をすべて覆う場合においても、本実施形態を適用することができる。
【0034】
本実施形態によれば、キャビティ8に低粘性樹脂18を注入する際に、センサ30は、樹脂フィルム17を介して低粘性樹脂18によって押圧される。これにより、ポット9とプランジャ10との摺動抵抗の影響を受けることなく、低粘性樹脂18の樹脂圧を正確に測定することができる。
【0035】
なお、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に変更・選択・組み合わせて採用されるものである。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、エアベントへの溶融樹脂の漏出と、キャビティに充填された溶融樹脂におけるボイドの発生とを、抑制することができる。また、半導体チップが適正に押圧されるので、その背面を確実に露出させるとともに、半導体チップ等の損傷を防止することができる。また、半導体チップの背面における樹脂ばりの発生を防止することができる。更に、溶融樹脂の樹脂圧を正確に測定することができる。
したがって、本発明は、半導体チップの背面を適正に押圧してその背面を確実に露出させるとともに樹脂ばりを防止し、溶融樹脂の漏出とボイドの発生とを抑制し、樹脂圧を正確に測定する樹脂封止装置を提供できるという、優れた実用的な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る樹脂封止装置について、(a)は(b)のA−A線に沿って示す断面図であり、(b)は低粘性樹脂及びガスの流路を仮想的に描いて基板と半導体チップとを示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る樹脂封止装置が樹脂の注入を開始した直後の低粘性樹脂の挙動をそれぞれ示しており、(a)は(b)のA−A線に沿って示す断面図、(b)は低粘性樹脂及びガスの流路を仮想的に描いて基板と半導体チップとを示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る樹脂封止装置について、(a)は低粘性樹脂の注入を終了する直前の状態を、(b)は低粘性樹脂の注入を終了した直後の状態を、それぞれ示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る樹脂封止装置について、(a)は半導体チップが基板に平行にボンディングされた状態を、(b)は半導体チップが基板に傾いてボンディングされた状態を、それぞれ示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る樹脂封止装置の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る樹脂封止装置の2つの変形例について、構成をそれぞれ示す断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る樹脂封止装置について、(a)はその構成を、(b)は樹脂の注入を開始した直後の状態を、それぞれ示す断面図である。
【符号の説明】
1 下型
2 上型
3 基板
4 半導体チップ
5 バンプ
6 間隙
7A,7B,22 基板押さえ部材
8 キャビティ
9 ポット
10 プランジャ
11 樹脂タブレット
12 カル部
13 ランナ部
14 ゲート部
15 エアベント
16 可動部材(開閉弁)
17 樹脂フィルム
18 低粘性樹脂
19 チップ押さえ部材(押圧機構)
20 昇降軸
21 玉軸受
23 ロック機構
24 ブレーキパッド
25 チップ押さえ部材
26 外周押さえ部
27 貫通穴
28 中心押さえ部
29 固定部材
30 センサ
Claims (2)
- 基板にフリップチップボンディングされた半導体チップと前記基板との間の間隙を含む空間からなるキャビティにおいて、該キャビティの外部から充填された溶融樹脂を硬化させて、前記半導体チップの背面を露出させて該半導体チップを樹脂封止する樹脂封止装置であって、
前記半導体チップの背面に沿って樹脂フィルムを張設する張設機構と、
前記半導体チップを樹脂封止する際に該半導体チップを押圧する押圧機構を備えるとともに、
前記押圧機構は、該押圧機構の端面が傾くことができるように傾動自在に設けられており、かつ、前記溶融樹脂が前記半導体チップの背面に漏出することを防止する目的で前記端面が前記樹脂フィルムを介して前記半導体チップの背面の全面を押圧するように設けられていることを特徴とする樹脂封止装置。 - 基板にフリップチップボンディングされた半導体チップと前記基板との間の間隙に溶融樹脂を充填・硬化して、前記半導体チップの背面を露出させて該半導体チップを樹脂封止する樹脂封止装置であって、
前記半導体チップの背面に沿って樹脂フィルムを張設する張設機構と、
前記半導体チップを樹脂封止する際に該半導体チップを押圧する押圧機構と、
前記半導体チップを樹脂封止する際に充填される前記溶融樹脂の圧力によって前記半導体チップが浮き上がらないように前記押圧機構を保持するロック機構とを備えたことを特徴とする樹脂封止装置。
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