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JP3643066B2 - 筒状体用の保持軸 - Google Patents
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JP3643066B2 - 筒状体用の保持軸 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェブの巻取り/繰り出し用の中空軸や搬送用の中空軸等を保持するための保持軸に関し、特に、筒状体の内部に保持体を挿入して該筒状体を保持するようにした筒状体用の保持軸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、中空軸を保持する保持軸として、例えば、図4に示すように、ロール紙110の芯となる中空軸(以下、コアと称する。)120の内径側にシャフト100を挿通し、該シャフト100に設けられた2個のテーパコーン130で、コア120の両端部を把持する方式のものがよく知られている。図中の符号140はシャフト100の両端を支える軸受けである。
【0003】
しかしながら、上述したようなテーパコーン方式によると、テーパコーン130で把持されるコア120の両端部でロール紙110を含む全負荷を受けるため、該コア120との接触部分がほとんど線圧でグリップされることとなる。このため、コア端部の損傷や、接触部の摩耗等によりスリップが生じるおそれがあった。また、テーパコーン130を取り付ける際には、その締め付け加減に熟練を要する等の問題点が生じていた。
【0004】
そこで、上記問題点を解消するために、例えば、図5に示すように、ロール紙110のコア120の内径側に保持軸200を挿通して、円筒状の保持体210の外周部より複数のラグ250を突出させ、前記コア120の内壁部を利用して内側より把持するようにしたものが提案されている。
【0005】
前記保持軸200は、図5〜図8に示すように、中空部を有する保持体210と、該保持体210を支持するための中軸220を備え、該保持体210内部の略中央部にゴムチューブ230を配設するとともに、該ゴムチューブ230の外周部に複数のラグ板240およびラグ250を配設し、前記保持体210の外周壁部に前記ラグ250と対向して該ラグ250が突設自在とした突出口211を形成して、該突出口211より前記ラグ250を突出させ、コア120の内側と当接圧着させることでコア120を保持するようにしたものである。
【0006】
前記保持体210の端部より突設された中軸220は、図6に示すように、前記ゴムチューブ230と連通する空気通路(図示省略)が軸心方向に沿って形成されるとともに、その先端部に空気注入用プラグ221が設けられている。
また、前記保持体210の外側端部の外周部には、前記空気通路に連通する空気注入用プラグ212が設けられている。
【0007】
前記ゴムチューブ230は、図7、図8に示すように、前記空気注入用プラグ212または221より圧搾空気が注入されると保持体210内部で円周方向外側に向かい膨張するようになっている。
【0008】
前記ラグ板240は、図6、図7に示すように、前記ゴムチューブ230の外周に沿って等間隔(本例では4等配)で、且つ軸心方向に沿って複数列配置されている。前記ラグ板240の外壁部には、ラグ250が保持軸200の軸心方向に沿って外側に向かい突設されている。
また、前記ラグ板240は、その外側面と保持体210の内壁との間に介在された戻り用バネ260により軸心方向に向かい付勢されている。
【0009】
上記のように構成された保持軸200によりコア120の保持操作を行う場合は、空気注入用プラグ212または221から圧搾空気を注入して、ゴムチューブ230を膨張させる。該ゴムチューブ230の膨張にともない、ラグ板240が保持体210の円周方向外側に向かい進出して、さらに保持体210の突出口よりラグ250が突出する。
【0010】
前記ラグ250は同一形状に形成されているので、均一に突出するとともに、コア120の内壁に均等に当接圧着して、コア120の内側をグリップする状態となる。
【0011】
一方、前記保持軸200によるコア120の保持状態を開放する場合は、前記空気注入用プラグ212または221にエア抜き用部材を装着して、ゴムチューブ230内の空気を排気する。
【0012】
前記ゴムチューブ230は空気が排気されことにより収縮し、これに伴いラグ板240を外側に押圧する力が減衰するので、戻り用バネ260によるラグ板240を軸心方向へ付勢する力が勝り、ラグ板240が軸心方向に向かい変位する。
そして、ラグ250はコア120の内壁より離れ、保持体210側に収納されて、コア120は保持軸200による保持状態から開放される。
【0013】
以上のように構成したので、保持体210内に設けたゴムチューブ230を圧搾空気により膨張/圧縮させてラグ250を出没させることで、容易にコア120の保持/保持解除を行うことができる。
【0014】
尚、前記従来例は保持体210内部に設けられるゴムチューブ230を圧搾空気により膨張/圧縮するようにしているが、その他の例として、例えば、図9〜図11に示すように、保持軸300の保持体310内部に中心軸320と、該中心軸320に連動するスライダ部330を備えるとともに、該スライダ部330に摺動可能に係合されるラグ350を備え、前記保持体310の外周壁部に前記ラグ350と対向して該ラグ350が突設自在とした突出口311を形成して、該突出口311より前記ラグ350を出没させるようにしたものも提案されている。
【0015】
前記スライダ部330は、保持体310の内径と略同じ外径を有し、中心軸320と一体に設けられるとともに、保持体310の軸心方向に沿った方向に摺動可能に配設されている。また、スライダ部330の外周部には、ラグ350が配設される摺動溝331が保持体310の軸心方向に沿って形成されている。
また、前記スライダ部330は、保持体310内の複数個所に設けられるとともに、該保持体310の外周方向に沿って複数個所に設けられている。
【0016】
前記摺動溝331は、図10、図11に示すように、断面凸型形状を有し、図9に示すように、保持体310の軸心方向に沿った動作に伴い前記ラグ350を上下方向に変位するように溝底面332がテーパ状に形成されている。
【0017】
前記ラグ350は、前記突出口311より突出される端部が常に前記保持体310の外周面と略平行になるように、前記摺動溝331の溝底面332に当接する底面351がテーパ状に形成されている。
【0018】
前記突出口311は、前記ラグ350の平面視形状と略同形状の開口形状を有している。これにより、前記ラグ350は、保持体310の円周方向への上下方向へは変位可能であるが、軸心方向に沿ったの変位は規制されている。
【0019】
上記のように構成された保持軸300によりコア120の保持操作を行う場合は、中心軸320とともにスライダ部330を軸心方向に沿って摺動させて、該スライダ部330のテーパ状の溝底面332に沿ってラグ350を上昇させ、該ラグの上端部を突出口311より突出させて、コア120の内壁部に当接圧着させることでコア120を保持する。
【0020】
複数のスライダ部330と複数のラグ350は、各々同一形状に形成されているので、保持体310の表面から均一に突出するとともに、コア120の内壁に均等に当接圧着して、コア120の内側を均一にグリップすることができる。
【0021】
一方、前記保持軸300によるコア120の保持状態を開放する場合は、中心軸320とともにスライダ部330を軸心方向に沿って逆方向に摺動させて、該スライダ部330のテーパ状の溝底面332に沿ってラグ350を降下させる。そして、ラグ350がコア120の内壁より離れてコア120は開放される。
【0022】
以上のように構成したので、保持体310内にスライダ部330を設け、これを軸心方向に沿って摺動させてラグ350を出没させることで、容易にコア120の保持/保持解除を行うことができる。
尚、前記スライダ部330の摺動方法は、エアシリンダ等のアクチュエータを用いたり、ネジを利用して中心軸320を進退するようにした構成としたものであっても良い。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来例における、ゴムチューブ230を用いてラグ250をコア120の内壁に当接圧着させてコア120を内側よりグリップする方式では、ゴムチューブ230による保持状態は、ゴムチューブ230、ラグ板240およびラグ250が力のバランスにより中空に浮いた状態でコア120をグリップしているので、保持体210中心とグリップしたコア120中心とが偏心することがある。この場合、シートの巻取り/繰り出しの際に、回転するとコア120中心が上下に変動し、巻き取るシートや繰り出すシートが上下に振動して、シートに張力変動が起こる。これによりシートの流れが蛇行して幅方向のずれが生じ易くなるという問題点がある。
【0024】
さらに、保持体210の内部にありコア120の内面をグリップする部分であるゴムチューブ230、ラグ板240およびラグ250は、固定された基準により保持されていないため、保持体310が回転してコア120中心が上下に変動すると、内部のゴムチューブ230、ラグ板240およびラグ250もまた一緒に上下に変動する。このため、軸の動バランスが取れず、高速回転に対応できないという問題点がある。
【0025】
また、前記ゴムチューブ230が破損した場合、部品の交換や修復作業が専門工場でないと対応できず、メンテナンス性に影響を及ぼすという問題点がある。
【0026】
また、前記従来例における、ゴムチューブ230を用いてラグ250をコア120の内壁に当接圧着させてコア120を内側よりグリップする方式や、保持体310内部に配設されたスライダ部330を摺動させラグ350をコア120の内壁に当接圧着させてコア120を内側よりグリップする方式では、何れの方式においても、部品同士が摩擦し合う摺動部分が多数あり、特に、ラグ250自体が金属製であるため、コア120との接触部分に微振動があるとコア120が摩耗して発塵の原因となり、クリーンルームでの使用が制限されるという問題点がある。
【0027】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、保持状態のコアの偏心を極力抑え、高回転にも対応でき、メンテナンス性の向上を図るとともに、発塵を抑制してコアを確実に保持することができる筒状体用の保持軸を提供することを目的とするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明は、筒状体用の保持軸に係るものであって、両端部で支持されて筒状体内部の中空部に装着し、少なくとも一部を円周方向に膨出させて前記筒状体を内側より保持する保持体を備え、前記保持体は、その内部に中空部を有する中軸が設けられ、前記中軸には、その外周部に筒状体の軸心方向に沿って筒状体の両端部に対応して2箇所に設けられた円筒状ゴム体と、該円筒状ゴム体を筒状体の軸心方向に沿って押圧することで円周方向に膨出させる押圧手段として、前記2箇所の円筒状ゴム体を挟んで中軸の軸心方向外側に設けられた該円筒状ゴム体を支持する固定カラーと、前記2箇所の円筒状ゴム体に挟まれた中軸の軸心方向内側の2箇所に設けられたピストンとを備え、前記ピストンが圧搾空気により該円筒状ゴム体を筒状体の軸心方向に沿って押圧するように構成された筒状体用の保持軸において、前記2箇所のピストンに挟まれた中軸の軸心方向内側の2箇所にピストンカラーを設け、前記ピストン端部とピストンカラー端部との間に隙間を形成し、前記中軸に、該中軸の中空部とその外部のピストンとピストンカラーとの間に形成された隙間とを円周方向で連通する連通孔を形成するようにしたものである。
【0030】
また、本発明によれば、以下のような作用が得られる。
すなわち、筒状体内部の中空部に保持体を挿入して該筒状体を内側から保持するようにした保持軸において、前記保持体は、軸心方向を前記筒状体の軸心方向に沿って配置されるウレタンゴム及びシリコンゴム等の合成ゴムや天然ゴムのゴム材を用いた円筒状ゴム体と、該円筒状ゴム体を軸心方向に沿って押圧する押圧手段とを備え、該押圧手段により円筒状ゴム体を筒状体内部で膨出させることで、該筒状体を容易に、且つ確実に保持することができる。さらに、摺動部分が少ない装置構成を実現できるので発塵を最小限にすることができる。
【0031】
また、前記保持体は、内部に中空部を有する中軸を備え、該中軸の外周部に前記円筒状ゴム体と前記押圧手段を配置することで、押圧手段により円筒状ゴム体を軸心方向に沿って押圧した時に、該円筒状ゴム体が内径方向に向かい膨出することなく、確実に外径方向に向かい膨出させることができるので、圧力に応じて均一に膨出させることができる。
【0032】
また、前記円筒状ゴム体自体を押圧手段により軸心方向に沿って押圧することにより、筒状体内部の中空部で円周方向に膨出して該筒状体を内側より把持するようにしたので、従来技術のように空圧によりゴムを膨張させる構造とは構成を異にしているので、ゴムの表面が損傷した場合であってもパンクすることが無く、常に確実に筒状体を保持することができる。また、円筒状ゴム体を取換え可能な構成とすることでメンテナンスの向上を図ることができる。
【0033】
また、前記円筒状ゴム体は、伝達トルクの大小に応じて外周部表面に凹凸部を形成することで筒状体の内径部を確実に保持することができる。
また、前記押圧手段は、圧搾空気により保持体の軸心方向に沿って進退自在とすることで、容易に筒状体の保持/開放を行うことができる。
また、前記押圧手段は、ネジ構造により保持体の軸心方向に沿って進退自在とすることで、適宜に膨出量を調整することができるとともに、コンプレッサ等のエア源がない場所でも使用することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図3は発明を実施する形態の一例であって、図1は本発明の実施形態に係る筒状体用の保持軸の全体構成を示す外観図、図2は前記保持軸の構成を示す側面断面図、図3は前記保持軸により軸筒体を保持した状態を示す側面断面図である。
【0035】
本実施形態の保持軸1は、図1、図2に示すように、内部に中空部2を有する筒状体3の該中空部2に挿入可能な円筒状の保持体4を備えた保持軸1であって、前記保持体4には、その軸心方向に沿って等配された位置に円筒状ゴム体5が2箇所に配設され、該円筒状ゴム体5を挟んで軸心方向外側には前記円筒状ゴム体5を支持するための固定カラー6が設けられ、内側には押圧手段としてのピストン7が設けられるとともに、前記ピストン7の軸心方向内側には各々ピストンカラー8が設けられている。
【0036】
前記保持体4は、図2に示すように、中空部9aを有する円筒状の中軸9を備え、該中軸9の外周部には円筒状ゴム体5、固定カラー6、ピストン7及びピストンカラー8が配置されている。前記中軸9の両端部には支持軸10が設けられている。
【0037】
前記円筒状ゴム体5は、ウレタンゴムにより形成され、図2に示すように、円筒形状を呈し、その内径寸法を中軸9の外径寸法と略同一寸法として前記中軸9の外周部と嵌合されており、該円筒状ゴム体5の外径寸法を後記するピストン7の外径寸法および固定カラー6の外径寸法と略同一寸法としている。
【0038】
前記固定カラー6は、図2に示すように、中軸9の端部寄りに外周部に沿って嵌合されるとともに、セットボルト11により位置決め固定され、且つ中軸9の端部より固定ナット12により抜け止め処理されている。
【0039】
前記ピストン7は、図2にしめすように、中軸9の円筒状ゴム体5を挟んで固定カラー6と反対側に外周部に沿って摺動自在に配設されている。
前記ピストン7の内周壁にはOリング溝が形成されてOリング13が組み込まれ、前記中軸9の外周部との接触部の密閉性を高めている。また、ピストン7の外周部にもOリング溝が形成されてOリング14が組み込まれ、ピストンカラー8との接触部の密閉性を高めている。
【0040】
前記ピストンカラー8は、図2に示すように、中軸9の前記ピストン7を挟んで円筒状ゴム体5と反対側に外周部に沿って嵌合されるとともに、セットボルト16により位置決め固定されている。また、前記ピストンカラー8の内周壁にはOリング溝が形成されてOリング17が組み込まれ、前記中軸9の外周部との接触部の密閉性を高めている。
【0041】
また、前記ピストンカラー8は、前記円筒状ゴム体5が無負荷状態となる位置に前記ピストン7が配置されるとき、前記ピストン7の端面7aと前記ピストンカラー8の端面8aとが少なくとも中軸9に形成された連通孔19が開口する程度の隙間20を形成する位置に取り付けられている。前記連通孔19は、中軸9の中空部9aと外部とを円周方向で連通するように形成されている。
【0042】
前記支持軸10は、中軸9の端部の内径部に嵌合されるとともに、キー21により位置決めされ、且つ、取り付けボルト22により螺着されている。
前記支持軸10の中軸9内部との嵌合部には、外周部にOリング溝が形成されてOリング23が組み込まれ、前記中軸9の内周壁との接触部の密閉性を高めている。
【0043】
また、前記支持軸10の外周部には、軸心方向と略垂直に空気注入用プラグ24が埋め込まれ、軸内部には、前記中軸9内部と連通する空気通路25が軸心方向に沿って形成され、その一端部は中軸9内部に向かい開口されるとともに、その他端部は前記空気注入用プラグ24と連通されている。
【0044】
保持体4の端部には、支持軸10の外周および中軸9端部の固定ナット12を覆うように支持軸カラー26が設けられている。
前記支持軸カラー26は、図2に示すように、中軸9の外周部に沿って嵌合されるとともに、セットボルト27により固定されている。また、その外周部には、前記空気注入用プラグ24と対向する位置に開口部28が形成されている。
【0045】
次に、本実施形態に係る保持軸1の作用について説明する。
まず、保持軸1により筒状体3を保持する場合は、図2に示すように、筒状体3の中空部2に保持体4を配置する。そして、前記保持体4端部の空気注入用プラグ24より圧搾空気を注入する。
【0046】
注入された空気は、空気通路25を通って中軸9の中空部9aに入り、連通孔19よりピストン7とピストンカラー8の隙間20に送られる。
前記隙間20に空気の圧力が掛かると、ピストン7は円筒状ゴム体5側に変位する方向に力が作用する。
【0047】
この時、ピストン7に掛かる空気の圧力が円筒状ゴム体5の弾性力に勝ると、図3に示すように、前記ピストン7は円筒状ゴム体5に向かい変位する。固定カラー6は固定されているので、前記円筒状ゴム体5は、前記ピストン7と固定カラー6とにより挟み込まれた状態となり、前記ピストン7と固定カラー6とにより平行で且つ均一に当接押圧されて、軸心方向に沿って圧縮される。
【0048】
前記円筒状ゴム体5は、内径側が中軸9の外径に嵌合されているので内径側への変形は無く、且つ、円筒状ゴム体5の体積は変化しないので、軸心方向で圧縮された容量だけ外径方向に膨らむ。
すなわち、前記円筒状ゴム体5は、図3に示すように、軸心方向の両端部から漸次膨らんで、圧力が最も掛かる軸心方向中央部が最も外側に膨出した略太鼓形状に変形する。
【0049】
また、前記円筒状ゴム体5は、均一のゴム材により形成され、内径及び外径を同軸上に形成しているので、軸心に対して垂直な任意の同一平面上の内径と外径とは常に同心円であり、円周方向外側に向かい均一に膨張する。そして、該円筒状ゴム体5の外周部と筒状体3の内壁部とが均等に当接し圧着されることで、筒状体3の軸心が保持体4の軸心と一致した状態となり、偏心することなく保持体4により筒状体3を確実に保持することができる。
【0050】
次に、筒状体3の保持軸1により保持状態を開放する場合は、図2に示すように、保持体4端部の空気注入用プラグ24にエア抜き用治具(図示省略)を装着して保持体4内部より空気を排気する。
【0051】
これにより、前記保持体4内部の圧力が低下するとともに、ピストン7の端面7aに掛かる圧力も低下し、円筒状ゴム体5の弾性力が空気圧に勝ると、該円筒状ゴム体5の長さは軸心方向に沿って復元するとともに、外径は圧縮された状態から弾性力により復元する。
すなわち、前記円筒状ゴム体5の外径が小さくなるので、筒状体3の内周壁から離れて該筒状体3の保持状態が開放される。
【0052】
以上のように構成したので、本実施形態の保持軸1によれば、円筒状ゴム体5を変形させるピストン7の作動に圧搾空気を用いているので、ピストン7を複数箇所に設けた場合であっても、ピストン7に掛かる力を均一にすることができ、しかも、他の駆動装置を設けることなく簡単な構成で保持軸1を構成することができる。また、圧搾空気の圧力の大きさやピストン7の端面7aの面積に応じてピストン7の作動力を設定できるので、保持される筒状体3の使用目的に応じて最適な保持軸1を提供できる。
【0053】
また、本実施形態は、保持体4を構成するピストン7、ピストンカラー8、支持軸10にOリング13、14、17、23を組み込むことで中軸9内部の気密性を高めているので、圧搾空気が洩れることなく確実にピストン7を作動することができる。
【0054】
また、本実施形態は、筒状ゴム体5を中軸9の外周部の外径寸法と略同等の寸法で形成して嵌合により取り付けているので、該筒状ゴム体5が損傷した場合であっても、容易に着脱交換することができるので、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0055】
さらに、本実施形態は、保持軸1による保持動作において、作動する部品はピストン7のみであるので、従来の保持方式と比較して摺動部が少なく、発塵を大幅に抑制することができ、クリーンルームでの使用も可能となる。
【0056】
尚、本実施形態では、円筒状ゴム体5の材質にウレタンゴムを使用しているが、本発明は、円筒状ゴム体を形成するゴム材の種類に限定されるものではなく、例えば、シリコンゴムや天然ゴム等を使用するものであってもよく、圧縮変形性、復元性のよいゴム材が望ましい。
【0057】
また、本実施形態の円筒状ゴム体5は、単一のゴム材で構成しているが、本発明は、柔軟な弾性体であって復元力を有するものであれば、円筒状ゴム体の構成や材質に限定されるものではなく、例えば、複数のゴム材を組み合わせたものや、また、中軸9の外周部との接触面に自己潤滑性を有する合成樹脂をコーティングして、伸縮時の変位を容易にするようにしたものであっても良い。
【0058】
また、本実施形態の円筒状ゴム体5は、外周面が平坦に構成されているが、本発明は、円筒状ゴム体の形状に限定されるものではなく、例えば、円筒状ゴム体の外周表面にタイヤのような凹凸部を構成したものであってもよい。この構成によれば、コアとなる筒状体の内側面が荒れた状態であっても確実に保持することができる。
【0059】
また、本実施形態では、ピストン7の作動に圧搾空気を用いているが、本発明は、ピストン7に代表される押圧手段の構成を限定するものではなく、例えば、押圧手段をネジ構造により保持体の軸心方向に沿って進退自在とするものであっても良い。
【0060】
さらに、本発明の筒状体用の保持軸は、上述した図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0061】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜6記載の筒状体用の保持軸によれば、筒状体を保持する際に筒状体と肘軸との偏心を極力抑え、高回転にも対応でき、保持体のメンテナンス性の向上を図るとともに、発塵を抑制して筒状体を確実に保持することができる。
詳しくは、筒状体内部の中空部に保持体を挿入して該筒状体を内側から保持するようにした保持軸において、前記保持体は、軸心方向を前記筒状体の軸心方向に沿って配置される円筒状ゴム体と、該円筒状ゴム体を軸心方向に沿って押圧する押圧手段とを備え、該押圧手段により円筒状ゴム体を筒状体内部で膨出させることで該筒状体を容易に、且つ確実に保持することができ、さらに、摺動部分が少ない装置構成を実現できるので発塵を最小限にすることができるという効果を奏する。
【0062】
また、前記保持体は、内部に中空部を有する中軸を備え、該中軸の外周部に前記円筒状ゴム体と前記押圧手段を配置し、該中軸の外周部に円筒状ゴム体を嵌合させて、該円筒状ゴム体5の内径側に固定された基準(中軸9の外周部)を持つようにしたので、押圧手段により円筒状ゴム体を軸心方向に沿って押圧した時に、該円筒状ゴム体が内径方向に膨出することなく、また、ゴム体の外径と内径とが偏心することなく、同軸上で円周方向外側に向かい均一に膨張するので、円筒状ゴム体を円周方向外側に向かい確実に膨出させるとともに、圧力に応じて均一に膨出させることができる。
【0063】
さらに、前記円筒状ゴム体自体を押圧手段により軸心方向に沿って押圧することにより、筒状体内部の中空部で円周方向に膨出して該筒状体を内側より把持するようにしたので、従来技術のように空圧でゴムを膨張させる構造とは構成を異にしているので、ゴムの表面が損傷した場合であってもパンクすることが無く、常に確実に筒状体を保持することができる。また、円筒状ゴム体を交換可能な構成とすることも容易であり、メンテナンスの向上を図ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る筒状体用の保持軸の全体構成を示す外観図である。
【図2】前記保持軸の構成を示す側面断面図である。
【図3】前記保持軸により軸筒体を保持した状態を示す側面断面図である。
【図4】テーパコーンを用いた従来の保持軸の構成の一例を示す概略図である。
【図5】保持体を用いた従来の保持軸の構成の一例を示す概略図である。
【図6】従来の保持体の構成を示す部分断面図である。
【図7】前記保持体の構成を示す側面断面図である。
【図8】前記保持体の保持状態を示す側面断面図である。
【図9】従来の保持体の構成のその他の例を示す部分断面図である。
【図10】前記保持体の構成を示す側面断面図である。
【図11】前記保持体の保持状態を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 保持軸
2 中空部
3 筒状体
4 保持体
5 円筒状ゴム体
6 固定カラー
7 ピストン
8 ピストンカラー
9 中軸
9a 中空部
10 支持軸
19 連通孔
20 隙間
24 空気注入用プラグ
25 空気通路
26 支持軸カラー

Claims (1)

  1. 両端部で支持されて筒状体内部の中空部に装着し、少なくとも一部を円周方向に膨出させて前記筒状体を内側より保持する保持体を備え、前記保持体は、その内部に中空部を有する中軸が設けられ、前記中軸には、その外周部に筒状体の軸心方向に沿って筒状体の両端部に対応して2箇所に設けられた円筒状ゴム体と、該円筒状ゴム体を筒状体の軸心方向に沿って押圧することで円周方向に膨出させる押圧手段として、前記2箇所の円筒状ゴム体を挟んで中軸の軸心方向外側に設けられた該円筒状ゴム体を支持する固定カラーと、前記2箇所の円筒状ゴム体に挟まれた中軸の軸心方向内側の2箇所に設けられたピストンとを備え、前記ピストンが圧搾空気により該円筒状ゴム体を筒状体の軸心方向に沿って押圧するように構成された筒状体用の保持軸において、
    前記2箇所のピストンに挟まれた中軸の軸心方向内側の2箇所にピストンカラーを設け、
    前記ピストン端部とピストンカラー端部との間に隙間を形成し、
    前記中軸に、該中軸の中空部とその外部のピストンとピストンカラーとの間に形成された隙間とを円周方向で連通する連通孔を形成したことを特徴とする筒状体用の保持軸。
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