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JP3645259B2 - 経口投与用鉄結合性ポリマー - Google Patents
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JP3645259B2 - 経口投与用鉄結合性ポリマー - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は鉄結合性ポリマー、とりわけ消化管からの食物鉄の吸収を低下させる目的で経口的に投与されるポリマーに関する。
食物鉄の取り込み量を減少させることは数種類の関連代謝疾患において臨床的に重要である。血色素症患者では、過剰量の食物鉄が吸収され、患者は鉄負荷過剰状態になる。遺伝性血色素症は体細胞遺伝子突然変異によるものである。組織損傷は欠損遺伝子に関してホモ接合の個体において最大であるが、上記遺伝子突然変異に関してヘテロ接合の患者においても鉄取り込み量を減少させることが望ましい[フィンチら(Finch et al)、N.Engl.J.Med.,306:1520,1982]。後天性血色素症は、遺伝子突然変異以外の疾患過程が鉄取り込み過剰を引き起こすような場合の鉄負荷過剰と関連する組織傷害を特徴とする状態を含む。そのような疾患の例としては、サラセミアや鉄芽球性貧血などの鉄負荷性貧血、ならびにある種の肝機能障害などが挙げられる[フィンチら(Finch et al.)、N.Engl.J.Med.,306:1520,1982]。大量の鉄が体組織に沈着すると、遺伝性および後天性の両方の血色素症において同様の臓器不全を引き起こす。
最近まで、すべての個体において比較的高い鉄レベルが望ましいと考えられていた。ところが、現在では心臓病発生率の上昇は血清フェリチン値(生体の鉄負荷の指標)の上昇と関係があることが知られている。たとえばヘテロ接合の血色素症では、鉄負荷過剰の程度は、腹痛、肝腫大、糖尿病、インポテンス、皮膚の灰色色素沈着など従来型の負荷過剰症状を引き起こすのには不十分であるが、うっ血性心不全などの心臓疾患の発生率を高めるのには十分であるかもしれない。
典型的な成人男性は体内に4〜6gの鉄を保持しており、毎日の食事から摂取可能な10〜20mgの鉄のうちの約1mgを吸収する。鉄は基本的には遊離鉄とヘム結合鉄という2つの形態で吸収される。遊離鉄は第一鉄(Fe+2)または第二鉄(Fe+3)のいずれかの形をとることができ、様々な有機および無機食物成分(リン酸塩、フィチン酸塩、クエン酸塩など)と錯塩を形成可能である。イオン化された状態のままであって、しかも容易に形成される不溶性水酸化物になっていなければ、これら2つの形の遊離鉄は同等によく吸収される。典型的な成人の食事は約1.6mgのヘム結合鉄と13mgの遊離鉄を含んでいる。ヘム結合鉄は遊離鉄より食事含有量が少ないが、遊離鉄より吸収されやすい。ヘム結合鉄の約23%は吸収可能であるが、食物遊離鉄の吸収可能分の比率は食事のその他の成分によって異なるが、3〜8%である。これらの要素が絡み合って、ヘム結合鉄と遊離鉄の両者が食物鉄取り込みに大きく寄与することになる。
鉄に主に小腸の近位部分で吸収される。鉄は粘膜細胞によって吸収され、処理されて適当な形になり、血漿中に放出される。
本発明の概要
本発明は、一般的にいうと、一旦摂取されると毒性がなく安定な1種以上の鉄結合性ポリマーの治療上有効量を経口投与された患者における食物鉄吸収を低下させる方法であることを特徴とし、該食物鉄吸収を低下させる医薬組成物を提供する。
「毒性がない」とは、治療上の有効量を摂取された場合に該ポリマーも、イオン交換の際体内に遊離されるいかなるイオンも有害でないことを意味する。
「安定な」とは、治療上の有効量を摂取された場合に該ポリマーが溶解せず、またその他分解して潜在的に有害な副産物を形成することもなく、体内から結合鉄を移送し得るように実質的に完全な状態に留まっていることを意味する。
好ましい態様の一つにおいては、本発明の方法に用いられるポリマーは、少なくとも約70%、より好適な場合は少なくとも約95%食物鉄吸収を低下させる。他の好ましい態様においては、該ポリマーは、食物ヘム鉄の吸収を少なくとも約70%低下させる。さらに別の態様においては、該ポリマーは食物遊離鉄の吸収を少なくとも約70%低下させる。
一つの好ましい態様においては、該ポリマーは、1級、2級、3級、または4級アミン類を含む。これらのアミンは、−NR3 +を含んでいてもよい。ここでR基は、それぞれ独立に、Hまたは低級アルキル基もしくはアリール基である。
他の好ましい態様においては、該ポリマーは、鉄−キレート形成基をふくむ。これらのキレート形成基としては、フェノラート、エノール性ヒドロキシル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、チオレート、スルフィド、ジスルフィド、ヒドロキサム酸およびヒドロキサム酸塩、アミン、アミド、ニトロン、エーテル、チオール、ヒドロキシル、スルフォネート、ニトリル、またはイソニトリルの各基、またはこれらの組合せを含んでいてもよい。
本発明に用いられるポリマーは、架橋されていてもよい。
好ましいポリマーの1例は次式で示される繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーによって特徴づけられる:
Figure 0003645259
式中、nは整数を示し、Rはそれぞれ独立してH、OHまたは低級アルキル基もしくはアリール基を示す。
好ましいポリマーの第2の例は、次式で示される繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーによって特徴づけられる:
Figure 0003645259
式中、nは整数を示し、Rはそれぞれ独立してH、OHまたは低級アルキル基もしくはアリール基を示し、そしてM-はそれぞれ交換可能な負に荷電した対イオンを示す。
好ましいポリマーの第3の例は、次式で示される繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーによって特徴づけられる:
Figure 0003645259
式中、nは整数を示し、R1およびR2はそれぞれ独立してH、OHまたは低級アルキル基もしくはアリール基を示し、そしてM-はそれぞれ交換可能な負に荷電した対イオンを示す。
好ましいポリマーの第4の例は、次式で示される繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーによって特徴づけられる:
Figure 0003645259
式中、nは整数を示し、R3はHまたは低級アルキル基を示し、R1およびR2はそれぞれ独立してH、OHまたは低級アルキル基もしくはアリール基または(CH2CH2NH)mHを示す。ここでmは1から10,000までの整数を示す。
好ましいポリマーの第5の例は、次式で示される繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーによつて特徴づけられる:
Figure 0003645259
式中、nは整数を示し、R3はHまたは低級アルキル基を示し、R1、R2およびR4はそれぞれ独立してH、OHまたは低級アルキル基もしくはアリール基を示し、xは1から25までの整数をを示す。
好ましいポリマーの第6の例は、次式で示される繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーによつて特徴づけられる:
Figure 0003645259
式中、nは整数を示し、R3はHまたは低級アルキル基を示し、R1およびR2はそれぞれ独立してH、OHまたは低級アルキル基もしくはアリール基または鉄結合性リガンドを示す。この鉄結合性リガンドは、鉄と錯体を形成し得る1以上の官能基を含む有機部分である。かかる錯体形成基としては、フェノラート、エノール性ヒドロキシル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、チオレート、スルフィド、ジスルフィド、ヒドロキサム酸およびヒドロキサム酸塩、アミン、アミド、ニトロン、エーテル、チオール、ヒドロキシル、スルフォネート、ニトリル、イソニトリル、またはこれらの組合せが挙げられる。
好ましいポリマーの第7の例は、次式で示される繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーによつて特徴づけられる:
Figure 0003645259
式中、nは整数を示し、R1はHまたは低級アルキル基もしくはアリール基を示し、R2はH、OH、低級アルキル基または鉄結合性リガンドを示す。この鉄結合性リガンドは、鉄と錯体を形成し得る1以上の官能基を含む有機部分である。かかる錯体形成基としては、フェノラート、エノール性ヒドロキシル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、チオレート、スルフィド、ジスルフィド、ヒドロキサム酸、ヒドロキサム酸塩、アミン、アミド、ニトロン、エーテル、チオール、ヒドロキシル、スルフォネート、ニトリル、イソニトリル、またはこれらの組合せが挙げられる。
好ましいポリマーの第8の例は、次式で示される繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーによつて特徴づけられる:
Figure 0003645259
式中、nは整数を示し、R1およびR2はそれぞれ独立してH、炭素原子数1から20を含むアルキル基、または原子数1から12を含むアリール基を示す。具体的な例はポリ(ビニルアミン)である。
好ましいポリマーの第9の例は、次式で示される繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーによって特徴づけられる:
Figure 0003645259
式中、nは整数を示し、R1、R2およびR3はそれぞれ独立してH、炭素原子数1から20を含むアルキル基、または原子数1から12を含むアリール基を示す。そしてM-はそれぞれ交換可能な負に荷電した対イオンを示す。具体例はポリ(トリメチルアンモニウムブロミド)である。
他の側面では、本発明は経口投与に適した治療用組成物によって特徴づけられる。該組成物は一旦摂取されると毒性がなく、安定な、食物鉄と結合する少なくとも1つのポリマーの治療上の有効量を含んでいる。「治療上有効」とは、患者に投与されると、食物鉄の吸収の低下を惹起させる組成物を意味する。
本発明は、食物鉄の吸収を低下させ、それによって患者の総体内鉄貯蔵量を低下させるための効果的な治療法を提供する。該組成物は治療上有効量で摂取されたときは毒性がなく、安定である。
他の特徴および利点は、下記の好ましい態様の記述および請求の範囲から明らかとなろう。
好適な実施態様の説明
本発明のポリマーは、場合によっては重合化途中で反応混合物に架橋性コモノマーを添加することによって架橋されるのが好ましい。適当な架橋性コモノマーの例としては、ジアクリレートおよびジメタクリレート(たとえばエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プレピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート)、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、エチレンビスメタクリルアミド、エチリデンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、ビスフェノールAジメタクリレート、およびビスフェノールAジアクリレートなどが挙げられる。架橋性コモノマーの量は通常、架橋剤とモノマーの合計重量に対して1.0ないし25重量%である。
場合によっては、本発明のポリマーは、重合化後に架橋される。そのような架橋を達成する1つの方法では、エピクロロヒドリン、二塩化サクシニル、ビスフェノールAのジグリシダールエーテル、ピロメリチン酸二無水化物、トルエンジイソシアネート、エチレンジアミンなどの二官能性架橋剤とポリマーを反応させる。ポリ(エチレンイミン)とエピクロロヒドリンとの反応が代表例である。この場合、エピクロロヒドリン(1〜100部)をポリエチレンイミン(100部)を含む溶液に添加し、加熱して反応を促進させる。すでに重合済みの材料に対して架橋を誘導するその他の方法としては、イオン化放射線暴露、紫外線照射、電子ビーム、ラジカル処理、および熱分解などが挙げられるが、これらに限定されない。
遊離鉄を結合させる場合とへと鉄を結合させる場合ではポリマーが異なることがあるので、それらの効果は異なる試験法によって評価される。これらの理由から、2つのタイプの鉄を分けて論ずることにする。
ヘム結合鉄
ヘム結合鉄を排除する1つの方法は、ヘム結合鉄をポリマーに結合させて粘膜細胞に進入できないようにすることであ0。ヘム結合鉄の構造を以下に示す。
Figure 0003645259
以下に示すように、この分子をポリマーに結合させる手段は理論的に数通りある。
1. 小腸ではpHは通常7前後であるので、2つのカルボン酸基がイオン化されて負荷電のRCO2-基を形成しやすい。ポリマーが正荷電基を含んでいれば、ヘムはイオン交換機構を介してその負帯電基で結合されうるであろう。正荷電基(pH7で)の例としては、一級、二級、三級、および四級アミンなどが挙げられる。
2. 鉄原子自体も、6つある結合部位のうちの4つがヘムに占拠されても、結合に関与することができる。ヘモグロビンやチトクロームCなどの天然タンパク質では、これらの部位への結合はヒスチジンの窒素基やメチオニンのイオウ基などのリガンドによって行なわれる。したがって、ポリマーは1つ以上の適当なリガンドを取り込んで鉄原子に直接結合する。
3. ヘム鉄の様々な部分に適当な溶媒和を提供している部位を有するポリマーも効果的にヘム鉄に結合する。ヘム単位は、極性な水素結合部分によって最もよく溶媒和を受ける様々なカルボン酸基から非極性の非水素結合部分による溶媒和を受けやすいアリール基まで、溶媒和要件が異なる様々な有機官能基を取り込む。
4. 1つの好ましい態様は、単一の部位または異なる複数の部位でこれらの機構の2つ以上を合わせ持つポリマーを含む。
各候補ポリマーの能力を評価するために、鉄−ヘム単位のポリマーへの結合を定量する試験法を考案した。この試験法では、生理条件を模倣するために設計された溶液中でポリマーを攪拌した。選択したヘムの量は鉄10mg(代表的な1日あたり摂取量)に相当するもので、1Lの液体(通常の1日あたり小腸通過量)に溶解させた。
Figure 0003645259
所定量のポリマーをこの溶液100mL中で3時間攪拌した。この攪拌の開始時点と終了時点でpHを7.0に調整した。次いで、固形物を濾去し、溶液中に残存するヘムの量を分光光度計で測定した。どのようなポリマーでも、溶液中に残存するヘムの量は試験に使用したポリマーの量の関数となる。
下記の表に示すように、好ましいポリマーの一つであるポリ(アンモニウムブチルアクリルアミド)(ABA)の量は、濾過後に残存するヘムのパーセントと正の相関がある。
Figure 0003645259
1日あたり用量の欄はヘム鉄を10mg/日摂取する者の所要量の推定値である。したがって、この者の食事に由来するヘム鉄の99%を排除するためには、当日中に1.3gのポリマーを摂取しなければならない。
この試験法は試験溶液のpHの影響を極端に受けやすいので、pHが7.0となるように注意しなければならない。pHが7を超えると、結合は大幅に低下する。さらに7以下のpH値(とくに5.5以下)では、ヘムは不溶性となって沈殿する。したがって、試験はpH7で慎重に実施しなければならない。
様々なポリマーの相対的結合能力を評価するために、少数のポイントを選び試験した。以下の表はそのようなポリマーに関するデータを示すものである。
Figure 0003645259
イオン交換(結合方法1)の効果と疎水化(方法3)の効果を組み合わせるために、一連の共重合体を作成した。第1のケースでは、アリールアクリルアミド部分が0%から75%までの、アンモニウムエチルアクリルアミド(AEA)とアリルアクリルアミド(AA)から成る共重合体を作成した。以下のデータからわかるように、ポリマー中のアリルアクリルアミドの比率が高くなればなるほど、結合は弱くなる。この場合、付加された疎水性は、結合を増大しなかった。
Figure 0003645259
疎水性が結合に及ぼす影響を調べるために、他のポリマーも作成した。1つのセットでは、アクリルアミドポリマーと疎水性を高めたメタクリルアミド同等物とを比較する。このセットの第2の比較では、さらに疎水性が高いエチル基をメチル基に置換する。これらの比較から、鉄結合効果に対する疎水性の影響に関しては明確な傾向はないことがわかる。
Figure 0003645259
疎水性に関するその他の比較は、以下のリストのポリマーについて行なったものである。
Figure 0003645259
これらの比較からも、疎水性を上げても鉄結合は向上しないことが示される。これらの比較の多くを実施するために、鉄結合性モノマーのあるものを非極性モノマーで希釈した。この希釈で一次モノマーの濃度は必ず低下する。あるいは、一次モノマーを親水性モノマーで希釈することで、希釈の影響を疎水性上昇の影響と分離することもできる。
Figure 0003645259
この場合、ポリマーの疎水性を大幅に高めるとは思われない置換、すなわちヒドロキシル官能基によるアミン官能基の希釈を行なうと、鉄結合ははるかに悪くなる。この結果は、一次モノマーの希釈こそが決定的な因子であって、疎水性/親水性の影響は二次的であることを示唆するものである。アクリルアミドやホスホン酸官能基による希釈も結合性に悪影響を及ぼす。この場合、ホスホン酸基上に存在が予想される負電荷が負荷電ヘム基の結合を阻害するのかもしれない。
他の様々なアミン含有ポリマーについてもヘム鉄結合を調べた。これらのポリマーに関するデータを以下に示す。明らかにポリビニルアミンは非常に有効であるのに対し(最高の効果を示す)、他のポリマーは効果が低い。これらおよびその他のデータから、すべてのタイプのアミン(1級、2級、3級、4級、および複素環式)をヘム結合鉄と結合させることが可能であることが明白である。
Figure 0003645259
ヘム内の鉄原子と直接結合するように設計された官能基を有する様々なポリマーを試験したところ、以下に示す結果が得られた。これらのうちの2種類、すなわちポリ(AEABMP)とポリ(AEABPHA)は、鉄結合試験条件下で正に荷電可能なアミン官能基も含んでいた。したがって、これらのものは直接結合とイオン交換による結合の両方の能力を有していることになる。この能力を有さないポリマー(以下の表の最初の6種類)はこの能力を有する2種類のポリマーよりも効果が低かった。
Figure 0003645259
架橋の程度がこれらのポリマーのヘム結合性に影響を及ぼした可能性があると考えてよい。ヘムは比較的大型の分子であるため、強固に架橋されたポリマーゲルへの進入手段を見つけるのが難しいのかもしれない。あるいは、架橋が非常に緩いネットワークは、ヘム分子に結合する際のエントロピー損失がおそらく大きいためにヘム分子を効果的に保持できないのかもしれない。高度に架橋されたネットワークは、基質が酵素活性部位とかみ合うのと全く同様にヘムが強固にかみ合うことができるのにちょうど十分な大きさの間隙を有しているのかもしれない。一方、架橋度の低い(または未架橋の)ポリマーは大きな内部エントロピー損失を伴いながらそれ自体でヘムを包み込む必要があるのかもしれない。
これらの仮説を部分的に評価するために、架橋量だけが異なる2つの同一ポリマーを合成した。5%または10%のメチレンビスアクリルアミドを架橋剤として、ポリ(アンモニウムブチルアクリルアミド)を合成した。以下のデータは、差はほとんど見られなかったことを示している。架橋度はヘム鉄結合にほとんど影響を及ぼさないか、影響があったとしても主に試験範囲外で起きるものである。
Figure 0003645259
アミン官能基を含む市販架橋ポリマー物質としてケストラン(Questran)(コレスチルアミン;Bristol Laboratories社)とコレスチド(Colestid)(コレスチポール;Upjohn社)の2種類がある。これらのポリマーの構造を以下に示す。
Figure 0003645259
これらのポリマーのヘム結合試験結果を以下の表に示す。これらの製品はある程度のヘム鉄親和性を示すが、上記したポリマーの一部のものほど効果的ではない。
Figure 0003645259
また、小腸内容物となる可能性のある様々な物質の存在下で上記ポリマーのうちの2種類のヘム鉄結合を調べた。試験溶液は下記成分を用いて作成した。
Figure 0003645259
酢酸でpHを7.1に調整し、未溶解物質を濾去した。
この暗褐色の試験溶液に0.2gのポリマーを加えた。溶液を3時間攪拌したところ、pHは約7.5に変化した(再調整せず)。固形物を濾去し、民間試験施設で原子吸光分光測定法によって鉄含有量を分析したところ、以下の結果が得られた。
Figure 0003645259
調べたポリマーはヘム鉄だけを含む溶液中で見られたほど効果的でないことが明らかであるが、有意量を結合する能力は依然としてある。
遊離鉄
遊離鉄を排除する1つの効果的な方法は、従来の鉄キレート剤を架橋ポリマー骨格に結合させるものである。鉄キレート剤は通常、鉄原子に直接結合する2〜6個の副単位を有する小型の分子である。デスフェラール(Desferal)▲R▼(メシル酸デフェロキサミン)は好例である。好適なキレート剤は、フェノラート、エノール性ヒドロキシル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸塩、リン酸塩およびホスホン酸塩、チオレート、スルフィドおよびジスルフィド、ヒドロキサム酸およびヒドロキサム酸塩、アミン、アミド、およびニトロンなどの部分を含んでいる。ポリマーは、鉄が以下に示す側鎖基によって完全にキレートされるように:
Figure 0003645259
あるいは少なくとも以下の骨格の一部を横切る形でキレートされるように、設計することができる。
Figure 0003645259
各候補ポリマーの能力を評価するために、ポリマーへの鉄結合を定量する試験法を考案した。この試験法では、生理条件を模倣して設計された溶液中でポリマーを攪拌した。選択した鉄の量は約9mg(代表的な1日あたりの摂取量)に相当するもので、1Lの液体(通常の1日あたりの小腸通過量)に溶解させた。
Figure 0003645259
様々なポリマーについての結果を以下に示す。
Figure 0003645259
Figure 0003645259
Figure 0003645259
Figure 0003645259
明らかに一部のポリマーは他のポリマーより効果的であり、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、およびポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)が最も効果的であった。
方法
ヘム鉄測定
供試ポリマーは、すでに微粉末状となっている場合はそのまま使用したが、それ以外は、粉砕して−80/+200メッシュのサイズに篩い分けてから使用する。秤量したポリマー(通常は0.05〜0.2g)を100mLのヘム試験溶液に懸濁する。必要に応じて酢酸または1NのNaOHを用いてpHを7.0に調整する。次いで、混合物を3時間攪拌した後、pHを再び7.0に調整する。次いで、ホワットマン#1濾紙を用いて固形物を濾去し、液体を分光測定法で調べる。
ヘム結合鉄は約340−380nmでブロードな吸収を有する。吸収は365nmで測定し、通常は280および450nmにおける吸光度の平均値を差し引くことによってベースライン吸収値に対する補正を行なう。
A365=A365(測定値)−(A280+A450)/2 (1)
次いで、開始溶液およびその様々な希釈液を用いて補正済み吸光度とヘム鉄濃度の関係をプロットすることによって作成した標準曲線との比較を行なって、ヘム鉄の濃度を求める。この関係は次式の直線によくあてはまる。
[ヘムFe]=100%×[(0.189×A365)+0.001] (2)
ここで、[ヘムFe]は開始ヘム溶液に対する残存ヘムのパーセントを示す。
遊離鉄測定
溶液が異なること、およびポリマー濾去後に溶液をさらに処理しなければならないという点以外は、遊離鉄測定はヘム鉄測定法と同じである。濾過した鉄試験溶液50mLに0.3%のオルト−フェナンスロリン水溶液3mLと10%塩酸ヒドロキシルアミン水溶液1mLを加える。溶液を攪拌し、クエン酸ナトリウム水溶液(250g/L)または0.1N硫酸を用いてpHを3.5にした後、最終容量が60mLとなるように希釈する。溶液を5分間攪拌した後、室温で20時間静置する。次いで、400nmと616nmにおけるベースラインポイントを求めた上で、508nmにおける吸光度を読み取る。400nmと616nmにおける吸光度の平均値を差し引くことによって508nmにおける補正吸光度を計算する。
A508=A508(測定値)−(A400+A616)/2 (3)
A508と遊離鉄濃度の関係は、対象範囲全体にわたる1本の直線にはならない。この関係は3つの範囲で直線的であり、直線最小2乗法を用いて以下の等式を導いた。
Figure 0003645259
ここで、[Fe]は元の溶液に対する残留遊離鉄のパーセントを示す。2%以下の[Fe]値は、この範囲では不確実性があるため、”<2"%の報告値となる。
ポリマー合成の例
Figure 0003645259
ポリ(エチレンイミン)"A":ポリエチレンイミン(50%水溶液50g;Scientific Polymer Products社)を水(100mL)に溶解した。エピクロロヒドリン(4.6mL)を滴下して添加した。この溶液を55℃で4時間加熱したところ、ゲル化した。ゲルを除去し、水(1L)と混合し、固形物を濾取し、水で1回、イソプロパノールで2回すすぎ、生じたゲルを真空オーブン中で乾燥させて、26.3gのゴム状固形物を得た。
ポリ(エチレンイミン)"B"ポリ(エチレンイミ ン)"C"は、それぞれ9.2mLと2.3mLのエピクロロヒドリンを使用する以外は上記と同様の方法で作成した。
ポリ(メチルメタクリレート−コ−ジビニルベンゼ ン):メチルメタクリレート(50g)とジビニルベンゼン(5g)とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN;1.0g)をイソプロパノール(500mL)に溶解し、窒素雰囲気下で18時間加熱還流した。白色固形沈殿物を濾取し、アセトン中で1回すすぎ(遠心分離で採取)、水で1回すすぎ(濾過で採取)、真空オーブン中で乾燥させて19.4gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(ジエチレントリアミンメタクリルアミド):ポリ(メチルメタクリレート−コ−ジビニルベンゼン)(20g)をジエチレントリアミン(200mL)に懸濁し、窒素雰囲気下で18時間加熱還流した。固形物を濾過採取し、水(500mL)に再懸濁し、濾取し、水(500mL)に再懸濁し、濾過採取し、イソプロパノール中で短時間すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて18.0gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド):ポリ(メチルメタクリレート−コ−ジビニルベンゼン)(20g)をジエチルアミノプロピルアミン(200mL)に懸濁し、窒素雰囲気下で18時間加熱還流した。固形物を濾過採取し、水(500mL)に再懸濁し、濾取し、水(500mL)に再懸濁し、濾過採取し、イソプロパノール中で短時間すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて8.2gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(ジメチルアミノプロピルアクリルアミド):ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(10g)とメチレンビスアクリルアミド(1.1g)を100mL3口フラスコ中の水(50mL)に溶解した。溶液を窒素雰囲気下で10分間攪拌した。過硫酸カリウム(0.3g)とメタ重亜硫酸ナトリウム(0.3g)をそれぞれ水(2〜3mL)に溶解した後、混合した。数秒後、窒素雰囲気を保ったままで、この溶液をモノマー溶液に加えた。すぐにゲルが形成され、これを一晩静置した。ゲルを除去し、イソプロパノール(500mL)と混合した。固形物を濾取し、アセトンで3回すすいだ。固形物白色粉末を濾取し、真空オーブン中で乾燥させて6.1gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(N−ヒドロキシメタクリルアミド):ポリ(メチルメタクリレート)(5.5g;−80/+200メッシュサイズまで粉砕し篩い分けしたもの)を、温度計と還流冷却器)を備えた500mL3口フラスコに入れた。塩酸ヒドロキシルアミン(14g)を沸騰メタノール(72mL)に溶解し、熱時ポリマーに加えた。水酸化カリウム(17g)を沸騰メタノール(43mL)に溶解し、これも熱時ポリマー溶液に加えた。メタノール(50mL)を加え、混合物を窒素雰囲気下で24時間還流した。冷却した後、水を加えて総容量500mLとした。固形物を遠心分離で採取し、水(800mL)に再懸濁した。酢酸を用いて溶液pHを7.0に調整し、固形物を遠心分離によって採取した。水(800mL)に再懸濁し、遠心分離を行なった後、固形物をイソプロパノールで3回すすぎ(それぞれ1L、300mL、300mL)、固形物を濾過によって採取し、真空オーブン中で乾燥させて2.6gを得た。
Figure 0003645259
アンモニウムエチルアクリルアミド(AEA):塩化アクリロイル(45.75g)を1Lフラスコ中のテトラヒドロフラン(THF;400mL)に溶解した。この溶液を氷浴中で8℃まで冷却し、温度を8〜10℃に保ったままでエチレンジアミン(28.85g)のTHF(400mL)溶液を滴下して添加した。添加後、溶液を5分間攪拌し、固形物を濾過によって採取し、THF(50mL)中で3回洗い、真空オーブン中で乾燥させて74gを得た。
Figure 0003645259
アンモニウムブチルアクリルアミド(ABA):塩化アクリロイル(45.26g)を1Lフラスコ中のTHF(40mL)に溶解した。この溶液を氷浴中で10℃まで冷却し、ブタンジアミン(42.3g)のTHF(100mL)溶液を滴下して添加した。添加後、固形物を濾過によって採取し、THF(50mL)中で3回洗い、真空オーブン中で乾燥させて80.9gを得た。
Figure 0003645259
アンモニウムヘキシルアクリルアミド(AHA):氷浴中温度を15℃以下に保ったままで、ヘキサンジアミン(30g)をTHF(100mL)に溶解したものを塩化アクリロイル(23.4g)をTHF(300mL)に溶解したものに滴下して添加した。生じた固形物を濾取し、THFで2回洗い、真空オーブン中で乾燥させて48.5gを得た。
Figure 0003645259
ドデシルアクリルアミド:塩化アクリロイル(19g)を1Lフラスコ中のTHF(200mL)に溶解し、氷浴に入れた。温度を5〜15℃に保ったままで、ドデシルアミン(37.1g)、トリエチルアミン(20.2g)、およびTHF(300mL)を含む溶液を滴下して添加した。添加後、溶液を5分間攪拌し、固形物を濾過して捨てた。真空中で母液から溶媒を除去し、メタノール(50mL)を残留物に加えた。攪拌後、水(200mL)を加えたところ、結晶が生じた。さらに水(200mL)を添加し、溶液を30分間攪拌し、固形物を濾取した。この固形物を室温で真空乾燥させて40.3gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(AEA):AEA(20g)とメチレンビスアクリルアミド(2.2g)を温水(32℃;100mL)に溶解した。攪拌しながら、過硫酸カリウム(0.2g)を加えた。5分後、攪拌を続けながらメタ重亜硫酸カリウム(0.2)を加えた。5分以内にポリマーのカードが生成した。溶液を4時間静置した後、分散させ、水(700mL)中で1時間攪拌した後、濾過を行なった。次いで、固形物をさらに水(500mL)に2回、イソプロパノール(500mL)に3回再懸濁し濾過した。固形物を真空乾燥させて11.0gを得た。
コポリ(AEA/アリルアクリルアミド):上記手順においてAEAの一部をアリルアクリルアミドで置換することによって数種類の共重合体を作成した。使用した部分は20gAEA/0gアリルアクリルアミド、15gAEA/5gアリルアクリルアミド、10gAEA/10gアリルアクリルアミド、および5gAEA/15gアリルアクリルアミドであった。収量はそれぞれ11.0、10.8、10.8、および10.6gであった。
ポリ(AEA/ポリエチレングリコールジメタクリレー ト):AEA(10g)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(10g;mw=600)、および0.32gのAIBNをジメチルスルホキシド(50mL)に懸濁した。混合物を窒素雰囲気下で徐々に加熱した。すべてのAEAが溶解するまでにゲル形成が始まった。ゲルを60分間90℃に保った後、窒素雰囲気下で冷却した。一晩攪拌した後、ゲルを除去し、イソプロパノール(500mL)と混合し、固形物を濾過によって採取した。固形物を水(500mL)で3回、イソプロパノール(500mL)で3回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて13.45gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(ABA):ABA(27.0g)、メチレンビスアクリルアミド(3.0g)、水(250mL)、およびメタノール(100mL)を混合し、加温(35℃)して溶解させた。少量の不溶性物質を濾去した。過硫酸カリウム(0.3g)とメタ重亜硫酸カリウム(0.3g)をそれぞれ水(数mL)に溶解し、モノマー溶液に加えた。4時間後、混合物をイソプロパノール(500mL)と2回混合し、真空オーブン中で乾燥させて21.4gを得た。固形物(21.4g)を水(2L)に3回懸濁し、各回ごとに濾過によって採取した。次いで、固形物をイソプロパノール(1L)中ですすぎ、真空オーブン中で乾燥させて17.2gを得た。
あるいは、上記で作成した10%架橋ポリマーの代わりに5%の架橋ポリマーを得るために、28.5gのモノマーと1.5gの架橋剤を用いて同じ手順を実施した。最終収量は15.9gであった。
Figure 0003645259
ポリ(AHA):AHA(40g)とメチレンビスアクリルアミド(4.4g)を水(200mL)とメタノール(200mL)を含む加温混合物に溶解した。過硫酸カリウム(0.4g)とメタ重亜硫酸カリウム(0.4g)をそれぞれ水(3mL)に溶解した。溶解後、これらを混合し、数秒以内に加温モノマー溶液に加えた。ただちにポリマーのカードが形成され、2分以内に溶液がゲル化した。溶液を一晩静置した後、水(1.5L)中で1時間攪拌した後、濾過を行なった。固形物を水で2回、メタノールで3回、イソプロパノールで3回すすいだ後、真空オーブン中で乾燥させて24.0gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(ジメチルアミノプロピルアクリルアミド縁酸 塩):ジメチルアミノプロピル−アクリルアミド(20.10g)を水(100mL)に溶解し、濃塩酸で中和してpH6.95とした。メチレンビスアクリルアミド(2.2g)と水(100mL)を加え、加温(34℃)して溶解させた。攪拌しながら、過硫酸カリウム(0.2g)とメタ重亜硫酸カリウム(0.2g)を加えた。ゲル化後、溶液を6時間静置し、イソプロパノール(600mL)と3回混合し、真空オーブン中で乾燥させて14.47gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド塩酸 塩):ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(20.0g)を水(100mL)に溶解し、濃塩酸で中和してpH6.94とした。メチレンビスアクリルアミド(2.2g)を加え、溶液を加温(39℃)して溶解させた。窒素雰囲気下で攪拌しながら、過硫酸カリウム(0.3g)とメタ重亜硫酸カリウム(0.3g)を加えた。ゲル化後、溶液を一晩静置し、イソプロパノール(500mL)と2回混合し、真空オーブン中で乾燥させて27.65gを得た。固形物の一部(3.2g;−80/+200メッシュサイズまで篩い分けたもの)を水(100mL)中で50分間攪拌し、さらに水(100mL)を追加し、溶液を36分間攪拌した。固形物を遠心分離によって採取し、水(400mL)に再懸濁し、150分間攪拌し、再び遠心分離によって採取した。最後に固形物を水(500mL)に再懸濁し、90分間攪拌し、濾過によって採取した。固形物を真空オーブン中で乾燥させて0.28gを得た。
コポリ(AHA/ヒドロキシプロピルアクリルアミド):窒素雰囲気下でAHA(10g)、ヒドロキシプロピルアクリルアミド(10g)、メチレンビスアクリルアミド(2.2g)、およびAIBN(0.25g)をDMSO(50mL)に懸濁した。混合物を徐々に加熱した。39℃で、混合物は均一になった。溶液はちょうど60℃以下でゲル化した。重合熱により温度は115℃に達した。窒素雰囲気下、溶液を室温まで徐々に冷却し、3時間静置した。ゲルを除去し、イソプロパノールと2回混合し、固形物を濾過によって採取した。固形物を水中で3回、イソプロパノール中で3回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて15.5gを得た。
コポリ(AHA/ドデシルアクリルアミド):AHA(4g)、ドデシルアクリルアミド(4g)、メチレンビスアクリルアミド(0.9g)、および0.25gのAIBNをジメチルスルホキシド(25mL)に溶解した。混合物を窒素雰囲気下、徐々に加熱した。90℃に達する前に溶液は重合し始め、温度は110℃まで上がった。ゲルを放置して冷却し、窒素雰囲気下で一晩静置した。固形物を除去し、イソプロパノール(500mL)と混合し、濾過によって採取した。固形物を再懸濁した後、イソプロパノールから1回、水から3回、最後にイソプロパノールから3回濾過した。固形物を真空オーブン中で乾燥させて5.3gを得た。
コポリ(AHA/アクリルアミド/ビニルホスホン酸):AHA(5g)、アクリルアミド(5g)、ビニルホスホン酸(90%溶液5.9g)、メチレンビスアクリルアミド(1.5g)、およびAIBN(0.35g)をジメチルスルホキシド(35mL)に溶解した。混合物を窒素雰囲気下で徐々に加熱した。50℃で溶液はゲル化し、重合熱で温度が110℃まで上がった。ゲルを放置して冷却し、窒素雰囲気下で4時間静置した。固形物を取得し、メタノールと3回、水と3回、イソプロパノールと3回混合し、真空オーブン中で乾燥させて9.2gを得た。
Figure 0003645259
N−デヒドロアベイチルアクリルアミド(N−Dehydroabeitylacrylamide):氷浴中、デヒドロアベイチルアミン(試薬用15g)とトリエチルアミン(5.85g)をTHF(100mL)に溶解したものを、塩化アクリロイル(5.25)をTHF(100mL)に溶解したものに滴下して添加した。白色固形物(トリエチルアミン塩酸塩)を濾過し、捨てた。溶媒を真空中で蒸発させて油状物質を得た。この油状物質を酢酸エチル(300mL)に溶解し、NaClで飽和させた水(500mL)(pHは2.3になった)で1回すすぎ、NaClで飽和させた5%NaHCO3(200mL;pHは7.8になった)で1回すすぎ、最後にMgSO4で乾燥させてから、酢酸エチルを真空中で蒸発させて16gの固形物を得た。
コポリ(AHA/デヒドロアベイチルアクリルアミド/ア クリルアミド):AHA(3g)、N−デヒドロアベイチルアクリルアミド(3g)、アクリルアミド(3g)、メチレンビスアクリルアミド(1.0g)、およびAIBN(0.25g)をジメチルスルホキシド(25mL)に溶解した。この混合物を窒素雰囲気下で徐々に加熱した。90℃以下で混合物はゲル化し、重合熱で温度は115℃に上がった。窒素雰囲気下、ゲルを放置して冷却した。固形物を取得し、イソプロパノール(500mL)と3回、水(1L)と2回、メタノールと3回混合し、真空オーブン中で乾燥させて6.5gを得た。
Figure 0003645259
N−メチル−N−β−シアノエチルアクリルアミド:N−メチル−βb−シアノエチルアミン(N−メチル−β−アラニンニトリル;30g)とトリエチルアミン(36.4g)をTHF(100mL)に溶解した。氷浴中、この溶液を、THF(200mL)に溶解した塩化アクリロイル(32.6g)に滴下して添加した。固形物を濾去し、溶媒を真空中で除去して37.8gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(N−メチル−N−β−シアノエチルアクリルア ミド):N,N−メチルシアノエチルアクリルアミド(10g)、メチレンビスアクリルアミド(1.1g)、およびAIBN(0.3g)をジメチルスルホキシド(50mL)に溶解した。混合物を窒素雰囲気下で徐々に加熱した。約100℃で溶液は重合化し、温度は115℃に上がった。溶液を放置して冷却し、一晩静置した。ゲルを取得し、イソプロパノールと4回静かに混合し、真空オーブン中で乾燥させて10.65gを得た。
Figure 0003645259
シスタミンジアクリルアミド:シスタミン二塩酸塩(20g)と炭酸カリウム(61.4g)を水(150mL)に溶解し、氷浴に入れた。塩化アクリロイル(24.2g)を滴下して添加したところ、添加と同時に固形物が形成された。固形物を濾取し、水で2回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて16.6gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(シスタミンジアクリルアミド):シスタミンジアクリルアミド(15g)とメチレンビスアクリルアミド(1.65g)をメタノール(150mL)と水(50mL)の混合液に溶解した。混合物を加熱還流して、固形物をほぼ完全に溶解させた。過硫酸カリウム(0.3g)とメタ重亜硫酸カリウム(0.3g)をそれぞれ水(2〜3mL)に溶解した。溶解後、混合し、数秒以内に加温モノマー溶液に加えた。1分以内にポリマー形成が明らかとなった。溶液を1時間還流し、室温まで冷却し、固形物を濾取した。固形物を水中で2回、メタノール中で2回、イソプロパノール中で2回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて7.0gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(メルカプトエチルアクリルアミド)
方法A:ポリ(シスタミンジアクリルアミド)(0.8g;−80/+200メッシュサイズまで粉砕して篩い分けたもの)をメタノール(75mL)、水(50mL)、およびメルカプトエタノール(10mL)の混合液に懸濁した。この混合物を窒素雰囲気下で一晩攪拌した。固形物を濾取し、メタノール中で4回、イソプロパノール中で3回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて0.65gのピンク固形物を得た。
方法B:ポリ(シスタミンジアクリルアミド)(1.25g;篩い分けしていないもの)を水(100mL)に懸濁した。水素化ホウ素ナトリウム(2.25g)を窒素雰囲気下で加えた。溶液を一晩攪拌し、固形物を濾取し、水中で3回、メタノール中で3回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて0.84gのピンク固形物を得た。
Figure 0003645259
ポリ(無水イタコン酸):無水イタコン酸(22.4g)、エチレングリコールジメタクリレート(13.3g)、およびトルエン(500mL)を1Lフラスコ中で混合し、80℃まで加熱した。アゾビスイソブチロニトリル(Azobisisobutryonitrile)(2g)をトルエン(50mL)に溶解し、2時間かけてモノマー溶液に滴下して添加した。溶液を80℃でさらに1時間攪拌し、室温まで冷却し、得られた固形物ポリマーを濾取した。固形物をTHFですすぎ、THF中で30分間攪拌した後、濾過し、真空オーブン中で乾燥させて37gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(イタコン酸アミノエチルピペラジン):ポリ(無水イタコン酸)(5g)をアセトン(100mL)に懸濁したものに、1−(2−アミノエチル)ピペラジン(26g)を加えた。この溶液を1時間攪拌し、固形物を濾取し、アセトン中で2回、水中で1回すすぎ、水(150mL)に懸濁したところ、そのpHは7.2になった。固形物を再び濾取し、水中で1回、1NのHCl中で1回(スラリーのpH=0.75)、および水中で2回(いずれの場合もpH<3)すすいだ。固形物を水(300mL)に懸濁し、1NのNaOHを加えてpHを7.0にした。固形物を水中でさらに3回、メタノール中で3回、イソプロパノール中で1回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて5.8gを得た。
Figure 0003645259
N−イミダゾールプロピルアクリルアミド:氷浴中、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール(25g)をTHF(100mL)に溶解したものを、塩化アクリロイル(18.1g)をTHF(200mL)に溶解したものに滴下して添加した。生じた固形物を濾取し、真空オーブン中で乾燥させて39.2gの半固体状物質を得た。この粗製物質はそれ以上精製しないで重合化させた。
Figure 0003645259
ポリ(N−イミダゾールプロピルアクリルアミド):粗製N−イミダゾールプロピルアクリルアミド(17.7g)とメチレンビスアクリルアミド(2.0g)を水(100mL)に溶解した。過硫酸カリウム(0.4g)とメタ重亜硫酸カリウム(0.4g)をそれぞれ水(3mL)に溶解した。溶解後、それらを混合し、数秒以内に窒素雰囲気下でモノマー溶液に加えた。約10分以内に溶液は軽くゲル化し、これを一晩放置した。ゲルをイソプロパノール(500mL)と4回混合し、真空オーブン中で乾燥させて11.8gを得た。固形物を水(500mL)に再懸濁し、30分間攪拌し、さらに2回再濾過した。固形物をメタノール中で2回、イソプロパノール中で3回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて6.7gを得た。
Figure 0003645259
シスチンジアクリルアミド:シスチン(50g)と炭酸カリウム(174g)を水(400mL)にほぼ完全に溶解させ、氷浴中に置いた。温度を15℃以下に保ったままで塩化アクリロイル(57g)を1時間かけて滴下して添加した。混合物を室温まで暖めたところ、pHは7.9になった。pHが1.2になるまで濃塩酸を加えた。真空中で水分を除去し、THF(500mL)を加え、20分間攪拌した。固形物を濾過し、捨てた。真空中でTHFを除去したところ、濃厚液が得られた。この液体をアセトン(1L)に懸濁し、30分間攪拌した。残留固形物をすべて濾過し、捨てた。真空中でアセトンを除去して、78.3gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(シスチンジアクリルアミド):シスチンアクリルアミド(75.5g)とメチレンビスアクリルアミド(7g)を水(300mL)とメタノール(200mL)を含む混合液に溶解した。攪拌しながら、過硫酸カリウム(1.0g)とメタ重亜硫酸カリウム(1.0g)をそれぞれ加えた。15分以内に変化は見られなかった。あらかじめ数mLの水に溶解しておいた重合開始剤を繰り返し添加した。それでも重合の徴候は見られなかった。AIBN(1.0g)を加え、この溶液を窒素雰囲気下で加熱還流した。還流点に到達する前に大量の白色固形物が生成した。加熱を停止し、溶液を3日間静置した。次いで、混合物を水(2L)に懸濁し、1時間攪拌した。固形物を濾過によって採取し、メタノール(2L)に再懸濁し、濾取し、真空オーブン中で乾燥させて76.7gを得た。
Figure 0003645259
エチリデンビスアセトアミド:アセトアミド(118g)、アセトアルデヒド(44.06g)、酢酸銅(0.2g)、および水(300mL)を冷却器と温度計と攪拌装置を備えた1L3口フラスコに入れた。濃塩酸(34mL)を加え、混合物を攪拌しながら45〜50℃で24時間加熱した。次いで、真空中で水を除去したところ、濃厚スラッジが得られた。このものを5℃まで冷却したところ結晶を形成した。アセトン(200mL)を加え、数分間攪拌した後、固形物を濾過し、捨てた。アセトンを0℃まで冷却し、固形物を濾取した。この固形物をアセトン(500mL)中ですすぎ、18時間空気乾燥させて31.5gを得た。
Figure 0003645259
ビニルアセトアミド:エチリデンビスアセトアミド(3105g)、炭酸カルシウム(2g)、およびセライト541(2g)を温度計と攪拌装置とビグローカラム(vigrouxcolumn)の頂部に蒸留ヘッドを付けたものを備えた500mL3口フラスコに入れた。ポットを180〜225℃まで加熱することによって、混合物を35mmHgで真空蒸留した。生成物に加えて大量のアセトアミドを含む単一の画分だけを採取した(10.8g)。この固形物生成物をイソプロパノール(30mL)に溶解したところ、粗製溶液が得られ、このものを重合に使用した。
Figure 0003645259
ポリ(ビニルアセトアミド):粗製ビニルアセトアミド溶液(15mL)、ジビニルベンゼン(1g、試薬用、純度55%、異性体混合物)、およびAIBN(0.3g)を混合し、窒素雰囲気下で90分間加熱還流したところ、固形物沈殿物が生じた。この溶液を冷却し、イソプロパノール(50mL)を加え、固形物を遠心分離によって採取した。固形物をイソプロパノール中で2回、水中で1回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて0.8gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(ビニルアミン):ポリ(ビニルアセトアミド)(0.79g)を、水(25mL)と濃塩酸(25mL)を入れた100mL1口フラスコに入れた。混合物を5日間還流し、固形物を濾取し、水中で1回、イソプロパノール中で2回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて0.77gを得た。この反応の生成物をNaOH(46g)と水(46g)に懸濁し、沸騰する(約140℃)まで加熱した。温度を下げ、2時間約100℃に保った。水(100mL)を加え、固形物を濾過によって採取した。水中で1回すすいだ後、固形物を水(500mL)に懸濁し、酢酸でpH5に調整した。固形物を再び濾取し、水次いでイソプロパノールですすぎ、真空オーブン中で乾燥させて、0.51gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(AEABMP):ポリ(AEA)(19.12g;水洗しないで作成したもの)をメタノール(100mL)に懸濁した。KOH(7.2g)とメタノール(25mL)を含む第2の溶液の一部(約1/3)を見かけのpHが9で安定するまで加えた。水(200mL)を加え、pHが12に達するまでさらにKOH/メタノール溶液を加えた。混合物を一晩攪拌した後、固形物を濾取し、水ですすぎ、水(300mL)に懸濁し、1時間攪拌し、濾取し、真空オーブン中で乾燥させて11.2gの脱プロトン化ポリ(AEA)を得た。
この固形物(11.2g)をメタノール75mL)を入れた250mLフラスコに入れた。メチルアクリレート(25.8g)を加え、混合物を21日間攪拌した。次いで、固形物を濾取し、真空オーブン中で乾燥させて20.2gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(AEABPHA):塩酸ヒドロキシルアミン(22.2g)を500mLフラスコ中のメタノール(110mL)に溶解した。KOH(30.7g)とメタノール(70mL)を含む溶液を加え、52℃まで僅かな発熱の後、溶液を28℃まで冷却した。冷却した溶液を濾過し、固形物をメタノールで洗い、得られた液体画分をポリ(AEABMP)(20.2g)と合わせた。混合物を4日間攪拌した後、酢酸(30g)を加え、混合物を1時間攪拌した。固形物を濾取し、水ですすぎ、水に再懸濁し、1時間攪拌し、最後に濾取した。固形物を真空オーブン中で乾燥させて9.55gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニ ウムクロリド):メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(50%水溶液の38mL)とメチレンビスメタクリルアミド(2.2g)を室温でビーカー中で攪拌した。メタノール(10mL)を加え、溶液を40℃で加熱してビスアクリルアミドを完全に溶解させた。過硫酸カリウム(0.4g)を加え、溶液を2分間攪拌した。メタ重亜硫酸カリウム(0.4g)を加え、攪拌を続けた。5分後、溶液を窒素雰囲気下に置いた。20分後、溶液にかなりの沈殿が生じ、溶液を一晩静置した。固形物をイソプロパノールで3回洗い、濾過によって採取した。次いで、固形物を水(500mL)に懸濁し、数時間攪拌した後、遠心分離によって採取した。固形物を再び水で洗い、濾過によって採取した。次いで、固形物を真空オーブン中で乾燥させて21.96gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(塩化メタクリロイル):塩化メタクリロイル(20mL)、ジビニルベンゼン(純度80%のもの4mL)、AIBN(0.4g)、およびTHF(150mL)を窒素雰囲気下、60℃で18時間攪拌した。溶液を冷却し、固形物を濾取し、THF次いでアセトン中ですすぎ、真空オーブン中で乾燥させて8.1gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(サリチル酸アクリルアミド):4−アミノサリチル酸(10g)、トリエチルアミン(2mL)、アセトン(50mL)、およびポリ(塩化メタクリロイル)(0.88g)を18時間混合攪拌した。固形物を濾取し、水ですすぎ、水(500mL)中で30分間攪拌し、濾取し、再び水中で攪拌し、イソプロパノール中で攪拌し、真空オーブン中で乾燥させて0.84gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(3−ヒドロキシチルアクリルアミド)(poly (3−hydroxytyracrylamide)):3−ヒドロキシチルアミン塩酸塩(3−hydroxytyramine hydrochloride)(2.0g)、トリエチルアミン(5mL)、アセトン(100mL)、およびポリ(塩化メタクリロイル(1.0g)を4日間混合攪拌した。水(100mL)を加え、溶液を30分間攪拌した。固形物を濾取し、水ですすぎ、水(500mL)中で30分間攪拌し、濾取し、水中でさらに2回、メタノール(500mL)中で3回攪拌し、真空オーブン中で乾燥させて1.12gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(N−メチル−N−ヒドロキシメタクリルアミ ド):メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(8.35g)、ポリ(塩化メタクリロイル)(5.0g)、および1MのNaOH(100mL)を混合し、1MのHClでpHを7.7に調整した。混合物をブレンダー中高速で3分間混合した後、18時間攪拌した。固形物を濾取し、水(500mL)中で10分間攪拌し、濾取し、水中で2回、イソプロパノール中で1回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて4.5gを得た。
Figure 0003645259
NHS−アクリレート:N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS、157.5g)を5Lフラスコ中のクロロホルム(2300mL)に溶解した。この溶液を0℃まで冷却し、T<2℃に保ったまま塩化アクリロイル(132g)を滴下して添加した。添加終了後、溶液を1.5時間攪拌し、分液ロート中で水(1100mL)ですすぎ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。真空下で溶媒を除去し、残留物に少量の酢酸エチルを加えた。攪拌しながら混合物をヘキサン(200mL)に注いだ。溶液を加熱還流し、さらに酢酸エチル(400mL)を加えた。未溶解NHSを濾去し、ヘキサン(1L)を加え、溶液を加熱還流し、酢酸エチル(400mL)を加え、溶液を放置して<10℃まで冷やした。次いで、固形物を濾取し、真空オーブン中で乾燥させて125.9gを得た。続いて、さらに冷却することによって、2回目の生成物80gを取得した。
Figure 0003645259
ポリ(NHS−アクリレート):NHS−アクリレート(28.5g)、メチレンビスアクリルアミド(1.5g)、およびテトラヒドロフラン(500mL)を1Lフラスコ中で混合し、窒素雰囲気下で50℃まで加熱した。アゾビスイソブチロニトリル(0.2g)を加え、溶液を1時間攪拌し、濾過して過剰なN−ヒドロキシスクシンイミドを除去し、窒素雰囲気下に50℃で4.5時間加熱した。次いで、溶液を冷却し、固形物を濾取し、テトラヒドロフラン中ですすぎ、真空オーブン中で乾燥させて16.1gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(PEH−アクリルアミド):ポリ(NHS−アクリレート)(5.0g)を、あらかじめ濃塩酸でpH10に調整しておいた水(100mL)とペンタエチレンヘキサミン(30mL)を含む溶液に懸濁した。4日間の攪拌後、固形物を濾取し、水(500mL)に再懸濁した。混合物を4時間攪拌し、固形物を濾取し、洗浄を繰り返した。次いで、固形物を水で2回、イソプロパノールで1回短時間すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて4.7gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(TAEA−アクリルアミド):ポリ(NHS−アクリレート)(4.4g)を、あらかじめ濃塩酸でpH9に調整しておいた水(100mL)とトリス(2−アミノエチル)アミン(30mL)を含む溶液に懸濁した。4日間の攪拌後、固形物を濾取し、水(500mL)に再懸濁した。混合物を4時間攪拌し、固形物を濾取し、洗浄を繰り返した。次いで、固形物を水で2回、イソプロパノールで1回短時間すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて3.4gを得た。
Figure 0003645259
ポリ(コリンビニルホスホネート):ビニルホスホン酸(52.3g)とメチレンビスアクリルアミド(5.2g)を混合し、静かに加熱して溶解させ、真空下でガラス製反応釜に封入し、3日間紫外線を照射した。生じた固形物を取得し、イソプロパノール(600mL)に2回混合し、濾過によって採取し、真空オーブン中で乾燥させて25.4gを得た。次いで、この固形物を粉砕し、水(400mL)に懸濁した。pHが6.5になるまで重炭酸コリンを加えた。溶液を1時間攪拌した後、エタノールを加えてゲルを破壊し固形物を濾取した。固形物をエタノール(500mL)で2回すすぎ、真空オーブン中で乾燥させて23.8gを得た。
用途
本発明のポリマーは、経口投与後の食物鉄取り込みを低下させることを目的とするものである。本発明のポリマーは、その他の治療有効物質、不活性成分、および担体化合物などの成分を含む組成物として投与することができる。該組成物の成分は適合性でなければならない。すなわち、該成分は、ポリマーとあるいは成分相互を混合しても、使用中に組成物の食物鉄吸収低下作用を実質的に低下させるような相互作用を示さないものでなければならない。
組成物処方は、よく知られた、そして容易に入手できる成分を用いて既知の手順によって調製される。本発明の組成物を作成する際、有効成分は通常は担体と混合されるか、担体によって希釈されるか、カプセル、サッシェ(sachet)、紙、またはその他の容器の形をとることができる担体に封入される。担体が希釈剤の作用をする場合は、有効成分に対してビーイクル、賦形剤、または媒体として作用する固体状、半固体状、または液状物質であってもよい。したがって、該組成物は錠剤、丸薬、散剤、ロゼンジ、サッシェ剤、カシェ剤、エリクシール、懸濁液、乳剤、溶液、シロップ、エアロゾル、(固体としてまたは液状媒体の形で)、有効化合物を最大10重量%含有する軟膏、軟質および硬質ゼラチンカプセル剤、包装散剤などの形をとることができる。適当な担体、賦形剤、および希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、シュークロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉類、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントゴム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水性シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート類、プロピルヒドロキシベンゾエート類、プロピルヒドロキシベンゾエート類、タルク、および製薬技術に熟練せる者にとってよく知られたその他の化合物などが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「患者」という用語は、鉄結合性ポリマーを投与してもよい哺乳類患者を指すものとする。具体的に本発明の方法の適用を受ける患者としては、ヒトならびにヒト以外の霊長類、ヒツジ、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ハムスター、アレチネズミ、ラット、およびマウスなどが挙げられる。
本発明のポリマーは経口摂取された後、消化管中で食物成分と混合され、鉄の吸収を阻害する。本発明のポリマーは鉄と結合してその生物学的利用率を低下させることによって作用する。本発明のポリマーは架橋されて小型の粒子を形成するが、その粒子は消化管に限局されて、血液やその他の管腔外液や器官によって利用されないようになる。食物成分が体内を通過すると、ポリマーも通過し、最終的に糞便として排泄される。
食事による取り込みを防止するためには、遊離鉄とヘム結合鉄の両者が粘膜細胞に進入するのを防止しなければならない。これを行なうために、1つの態様では、本発明の治療用ポリマーを投与して70〜95%の利用可能食物鉄を除去し、患者の最小鉄必要量および腸内菌叢の鉄要求性を満たすのに十分な少量の鉄を残す。あるいは、食物鉄のすべて(99%以上)を排除するのに十分なポリマーを投与してもよい。金属排除剤が存在しないときに、患者は鉄補給を摂取することができる。患者が食物鉄を摂取することで金属排除剤の用量のバランスを取り適量の未排除鉄を残すのは困難であるため、後者のアプローチによりコントロール性を向上させることができる。デフェロキサミンなどの従来の鉄結合性物質は管腔からのヘム結合鉄の取り込みを防止することができないので、それらによる食物鉄の排除は本用途には有効でない。

Claims (13)

  1. 食物鉄と結合するポリマーであって、摂取されると毒性がなく安定なポリマーを含む、患者の食物鉄吸収を低下させる医薬組成物であって、前記ポリマー が、1級、2級、3級、または4級アミンを含む架橋さ れた、鉄キレート形成基を含むものである医薬組成物
  2. 該ポリマーが、食物鉄の吸収を少なくとも約70%低下させるものである請求項1記載の組成物。
  3. 該ポリマーが、食物鉄の吸収を少なくとも約95%低下させるものである請求項1記載の組成物。
  4. 該ポリマーが、食物ヘム鉄の吸収を少なくとも約70%低下させるものである請求項1記載の組成物。
  5. 該ポリマーが、食物遊離鉄の吸収を少なくとも約70%低下させるものである請求項1記載の組成物。
  6. 該アミンが−NR3+であって、R基がそれぞれ独立にHまたは低級アルキル基もしくはアリール基を示すものを含むものである請求項記載の組成物。
  7. 該鉄キレート形成基が、フェノラート、エノール性ヒドロキシル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、チオレート、スルフィド、ジスルフィド、ヒドロキサム酸、ヒドロキサム酸塩、アミン、アミド、ニトロン、エーテル、チオール、ヒドロキシル、スルフォネート、ニトリル、イソニトリルの各基、またはこれらの組合せを含むものである請求項記載の組成物。
  8. 該ポリマーが次式に示す繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の組成物:
    Figure 0003645259
    式中、nは整数を示し、そしてRはそれぞれ独立にH、OH、または低級アルキル基もしくはアリール基を示す。
  9. 該ポリマーが、次式に示す繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の組成物:
    Figure 0003645259
    式中、nは整数を示し、そしてRはそれぞれ独立にH、OH、または低級アルキル基もしくはアリール基を示し、そしてM-はそれぞれ交換可能な負に荷電した対イオンを示す。
  10. 該ポリマーが、次式に示す繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の組成物:
    Figure 0003645259
    式中、nは整数を示し、そしてR1およびR2はそれぞれ独立にH、OH、または低級アルキル基もしくはアリール基を示し、そしてM-はそれぞれ交換可能な負に荷電した対イオンを示す。
  11. 該ポリマーが、次式に示す繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の組成物:
    Figure 0003645259
    式中、nは整数を示し、R3はHまたは低級アルキル基を示し、そしてR1、R2およびR4はそれぞれ独立にH、OH、または低級アルキル基もしくはアリール基を示し、そしてxは1から25までの整数を示す。
  12. 該ポリマーが、次式に示す繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の組成物:
    Figure 0003645259
    式中、nは整数を示し、R1およびR2はそれぞれ独立にH、炭素原子数1から20を含むアルキル基または原子数1から12を含むアリール基を示す。
  13. 該ポリマーが、次式に示す繰り返しグループを有することまたはそれらのコポリマーであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の組成物:
    Figure 0003645259
    式中、nは整数を示し、R1、R2およびR3はそれぞれ独立にH、炭素原子数1から20を含むアルキル基または原子数1から12を含むアリール基を示し、そしてM-はそれぞれ交換可能な負に荷電した対イオンを示す。
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