JP3646851B2 - 刷版作成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、刷版作成装置に関し、より特定的には、ダイレクト刷版を副走査方向に搬送させながら、光ビームを主走査方向に沿って走査することにより、当該ダイレクト刷版に画像を記録する刷版作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、製版の分野において、フィルム原版を作成せずに刷版を直接作成する方式(Computer To Plate)、およびこの方式を利用した刷版作成装置が知られている。ここで用いる刷版は、ダイレクト刷版と呼ばれており、主な版材としては、銀塩、フォトポリマー、銀とジアゾの複合タイプがある。当該刷版作成装置では、製版データに従って変調されたレーザビームでダイレクト刷版を走査露光し、その後現像することで、最終的な刷版を直接作成する。このような刷版作成装置では、面付けを含めて、ディジタルで完全データを作成する必要があるが、フィルム原版を作成しないため、コスト削減や納期短縮を図れる効果がある。
【0003】
ところで、上記のような刷版作成装置においては、レーザ光源から出射されたレーザビームを、主走査方向に沿って走査し、ダイレクト刷版を露光するための走査光学系(ポリゴンミラーや、fθレンズ等で構成される)が設けられている。図6に示すように、通常、走査光学系の露光有効走査領域(走査光学系がレーザビームを走査し得る最大領域)は、画像有効領域(走査光学系が画像を歪みなく露光し得る領域)はカバーするものの、ダイレクト刷版の主走査方向全域(左端から右端まで)をカバーするようにはなっていない。これは、露光有効走査領域の範囲をむやみに広げて、走査光学系がダイレクト刷版の端部まで露光可能な構成とすると、走査光学系の画角を拡げたり、結像レンズの焦点距離を伸ばす必要があり、装置の大型化およびコストの上昇を招くからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の刷版作成装置においては、露光有効走査領域の主走査方向の長さが、ダイレクト刷版の主走査方向の長さよりも短くなっているため、ダイレクト刷版の左右端に、図6の斜線部分で示すような未露光領域が残る。しかしながら、通常、ダイレクト刷版においては、光の当たらなかった部分が像を形成する。そのため、従来の刷版作成装置で露光されたダイレクト刷版を印刷工程で使用した場合、未露光領域にもインキが載って紙等の印刷媒体に転写されることになり、インキが無駄に消費されて、印刷コストの上昇を招くことになる。
【0005】
そこで、図6に示す未露光領域にLEDを配置し、このLEDを用いて未露光領域を焼き飛ばすことが考えられる。この場合、露光有効走査領域と、LEDで露光する部分とをオーバラップさせる必要がある。その上で、LEDの光による影響のない部分を画像有効領域とする。これによって、LEDのフレア光による影響が、画像有効領域に混入することを防止できる。ここで、上記オーバラップする領域は、できるだけ狭い方が好ましい。なぜならば、当該オーバラップ領域が広がるにつれて、画像有効領域が減少し、最大製版サイズに受ける制約が大きくなるからである。なお、画像有効領域に対して、露光有効走査領域を十分に余裕を持った広さとすることにより、オーバラップ領域を増加させることも考えられるが、この場合、前述したように走査光学系のコスト上昇および大型化を招く。そのため、通常、画像有効領域の広さと、露光有効走査領域の広さとの間には、大きな差が無いように設定されている。
【0006】
ところで、LEDのフレア光による影響は、刷版作成装置の解像度の切り換えに伴ってダイレクト刷版の搬送スピードが変化したときに、それに応じて変化する。すなわち、ダイレクト刷版の搬送スピードが遅くなるにつれて、フレア光による影響が大きくなる。これは、ダイレクト刷版の搬送スピードが遅くなると、ダイレクト刷版が単位面積当たりに受ける実質的な光量が多くなり、画像有効領域にフレア光が余分に回り込むからである。そこで、LEDの光量を、搬送スピードが遅いときに最適な値に設定すると、搬送スピードが速いときにLEDからの出射光がレーザ光源からの走査光とオーバラップしなくなり、不所望な未露光部が発生してしまう。逆に、LEDの光量を、搬送スピードが速いときに最適な値に設定すると、搬送スピードが遅いときにフレア光が多くなってしまう。
【0007】
それ故に、本発明の目的は、ダイレクト刷版の搬送スピードにかかわらず、常に最適な焼き飛ばしが行える刷版作成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記のような目的を達成するために、以下に示すような特徴を有している。
第1の発明は、ダイレクト刷版を副走査方向に搬送させながら、光ビームを主走査方向に沿って走査することにより、当該ダイレクト刷版に画像を記録する刷版作成装置であって、
画像記録のために用いられる主光源と、
主光源から出射された光ビームを、ダイレクト刷版上で主走査方向に沿って走査させる走査光学系と、
走査光学系の露光有効走査領域の端部近傍に配置され、当該走査光学系によって露光されないダイレクト刷版の主走査方向両端部を露光するための補助光源と、
解像度の切り換えに応じて変化するダイレクト刷版の副走査方向の搬送スピードに応じて、補助光源の駆動電流を制御することにより、ダイレクト刷版が補助光源から受ける単位面積当たりの光量を均一化するための制御手段とを備えている。
【0009】
上記のように、第1の発明によれば、解像度の切り換えに応じて変化するダイレクト刷版の副走査方向の搬送スピードに応じて、補助光源の駆動電流を制御するようにしているので、ダイレクト刷版が補助光源のフレア光により受ける影響を、ダイレクト刷版の搬送スピードの変化にかかわらずに均一化でき、常に安定した露光品質が保てる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
制御手段は、補助光源をパルス点灯し、ダイレクト刷版の副走査方向の搬送スピードに応じて、当該補助光源の駆動電流のデューティー比を変化させることを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
制御手段は、補助光源を連続点灯し、ダイレクト刷版の副走査方向の搬送スピードに応じて、当該補助光源の駆動電流の値を変化させることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る刷版作成装置の概略的な構成を示す模式図である。図1において、本実施形態の刷版作成装置は、レーザ光源1と、LED光源2と、ダイレクト刷版3と、主送りローラ対4と、導入ローラ対5と、カッター6と、導入モータ7と、主送りモータ8と、電磁クラッチ9と、走査光学系10とを備えている。
【0013】
次に、図1に示す刷版作成装置の動作を説明する。導入ローラ対5によってニップされたダイレクト刷版3は、導入モータ7を回転させることにより、副走査方向へと搬送される。ダイレクト刷版3の先端が主送りローラ対4に噛み込むと、電磁クラッチ9がOFF状態となる。これによって、導入モータ7の駆動力が導入ローラ対5から切り離され、導入ローラ対5は空回りをすることになる。その後、ダイレクト刷版3は、主送りローラ対4のみによって副走査方向へと搬送される。このとき、主送りローラ対4と導入ローラ対5との間で、ダイレクト刷版3には、テンションがかかっている。そのため、主送りローラ対4と導入ローラ対5との間において、ダイレクト刷版3は、ピンと張られた状態で送られることになる。ダイレクト刷版3は、このピンと張られた部分において走査露光される。すなわち、走査光学系10(ポリゴンミラーや、fθレンズ等で構成される)が、レーザ光源1からの光ビームを副走査方向と直交する方向である主走査方向に沿って走査することにより、ダイレクト刷版3が露光される。このとき、レーザ光源1の光軸から副走査方向に任意の量だけずらした位置に配置してあるLED光源2によって、露光有効走査領域外が露光すなわち焼き飛ばされる。
【0014】
図2は、図1に示すLED光源2の配置状態をより詳細に示す図である。図2に示すごとく、複数のLED光源2が、主走査方向に沿ってほぼ等間隔で配列されている。ただし、各LED光源2は、レーザ光源1によって露光される領域の外側の領域、すなわちダイレクト刷版3の左右両端部(図6の未露光領域に相当する部分)の直上に配置されている。
【0015】
図3は、図2に示す部分Aの拡大図である。図3において、露光有効走査領域は、走査光学系10がレーザビームを走査し得る最大領域である。また、画像有効領域は、走査光学系10が画像を歪みなく露光し得る領域である。また、LED露光領域は、LED光源2がダイレクト刷版を露光し得る領域である。LED光源2は、露光有効走査領域とLED露光領域とが、オーバラップ領域において一定量だけオーバラップするように配列されている。
【0016】
図4は、LED光源2の点灯状態を制御するための点灯制御回路の構成を示すブロック図である。図4において、この点灯制御回路は、CPU21と、デューティー制御部22と、スイッチ23と、定電流源24とを備えている。CPU21は、図示しない解像度切換スイッチ等から与えられる解像度切換指令に応答して、対応するデューティー比をルックアップテーブル等から求め、当該デューティー比をデューティー制御部22に設定する。デューティー制御部22は、設定されたデューティー比に従って、スイッチ23のON/OFF状態を制御する。スイッチ23は、ONされたときに、定電流源24からの定電流をLED光源2に供給する。これによって、LED光源2の駆動電流のデューティー比が制御される。
【0017】
前述したように、LED光源2のフレア光による影響は、刷版作成装置の解像度の切り換えに伴ってダイレクト刷版3の搬送スピードが変化したときに、それに応じて変化する。すなわち、ダイレクト刷版3の搬送スピードが遅くなるにつれて、フレア光による影響が大きくなる。これは、ダイレクト刷版3の搬送スピードが遅くなると、ダイレクト刷版3が単位面積当たりに受ける実質的な光量が多くなり、画像有効領域にフレア光が余分に回り込むからである。そこで、本実施形態では、LED光源2の駆動電流のデューティー比を、解像度が高くなるにつれて、すなわちダイレクト刷版3の搬送スピードが遅くなるにつれて、小さくなるように制御している。これによって、解像度の切り換えにより、ダイレクト刷版3の搬送スピードが変化しても、ダイレクト刷版3がLED光源2から受ける単位面積当たりの光量がほぼ均一になるようにしている。
【0018】
図5は、一例として、ダイレクト刷版3の搬送スピードがαの場合のLED光源2の駆動電流波形と、搬送スピードがβの場合のLED光源2の駆動電流波形とを示している。ここで、α=β/2である。この図5から分かるように、搬送スピードがαの場合の駆動電流波形と、搬送スピードがαの場合の駆動電流波形とは、1周期の長さは同じであるが、ON時間が異なっている。すなわち、搬送スピードがαの場合の駆動電流波形のON時間は、搬送スピードがβの場合の駆動電流波形のON時間の半分になっている。換言すると、搬送スピードがαの場合の駆動電流波形のデューティー比は、搬送スピードがβの場合の駆動電流波形のデューティー比の半分になっている。
【0019】
このように、LED光源2をパルス点灯させ、ダイレクト刷版3の搬送スピードが遅くなるにつれてLED光源2の駆動電流波形のデューティー比が小さくなるように制御することにより、LED光源2のフレア光による単位時間当たりの光量の増大を防ぎ、単位面積当たりの露光量を常に一定にすることができる。
【0020】
なお、上記実施形態では、LED光源2をパルス点灯するようにしたが、これに代えて、LED光源2を連続点灯し、ダイレクト刷版3の搬送スピードが遅くなるにつれてLED光源2の駆動電流値が小さくなるように制御しても良く、この場合も上記実施形態と同等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る刷版作成装置の概略的な構成を示す模式図である。
【図2】図1に示すLED光源2の配置状態をより詳細に示す図である。
【図3】図2に示す部分Aの拡大図である。
【図4】LED光源2の点灯状態を制御するための点灯制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】一例として、ダイレクト刷版3の搬送スピードがαの場合のLED光源2の駆動電流波形と、搬送スピードがβの場合のLED光源2の駆動電流波形とを、代表的に示す図である。
【図6】図6は、従来の刷版作成装置によって露光されたダイレクト刷版を示す図である。
【符号の説明】
1…レーザ光源
2…LED光源
3…ダイレクト刷版
4…主送りローラ対
5…導入ローラ対
6…カッター
7…導入モータ
8…主送りローラ
9…電磁クラッチ
10…走査光学系
21…CPU
22…デューティー制御部
23…スイッチ
24…定電流源
Claims (3)
- ダイレクト刷版を副走査方向に搬送させながら、光ビームを主走査方向に沿って走査することにより、当該ダイレクト刷版に画像を記録する刷版作成装置であって、
画像記録のために用いられる主光源と、
前記主光源から出射された光ビームを、前記ダイレクト刷版上で前記主走査方向に沿って走査させる走査光学系と、
前記走査光学系の露光有効走査領域の端部近傍に配置され、当該走査光学系によって露光されないダイレクト刷版の主走査方向両端部を露光するための補助光源と、
解像度の切り換えに応じて変化する前記ダイレクト刷版の副走査方向の搬送スピードに応じて、前記補助光源の駆動電流を制御することにより、ダイレクト刷版が補助光源から受ける単位面積当たりの光量を均一化するための制御手段とを備える、刷版作成装置。 - 前記制御手段は、前記補助光源をパルス点灯し、前記ダイレクト刷版の副走査方向の搬送スピードに応じて、当該補助光源の駆動電流のデューティー比を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の刷版作成装置。
- 前記制御手段は、前記補助光源を連続点灯し、前記ダイレクト刷版の副走査方向の搬送スピードに応じて、当該補助光源の駆動電流の値を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の刷版作成装置。
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