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JP3650334B2 - デジタル放送受信装置 - Google Patents
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JP3650334B2 - デジタル放送受信装置 - Google Patents

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  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直交周波数分割多重方式により送られる送信波を受信するデジタル放送受信装置に係り、特に、携帯受信等の受信環境が悪い状態でデジタル送信波を受信する場合に適用して好適なデジタル放送受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地上波放送では、SFN(Single Frequency Network)、MFN(Multi Frequency Network)や帯域の有効利用の実現のためにデジタル化が行われている。これによると、6MHzの帯域を用いてHDTVなら1番組、SDTVなら3番組の放送が可能となる。また、同時に高音質放送やデータ放送も実現する。
【0003】
デジタル放送では、映像/音声情報をMPEG2方式により圧縮し、さらに圧縮された映像情報、音声情報、データ情報を多重し、トランスポートストリーム(TS)を生成する。生成されたTS信号はデジタル変調方式により、伝送される。
【0004】
地上波デジタル放送の場合、伝送方式として欧州ではCOFDM(Coded Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、日本ではBST−OFDM(Band Segmented Transmission-Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が採用されており、どちらも直交周波数分割多重方式(OFDM方式)が基本となっている。OFDM方式は、複数のキャリアを同時に用いたマルチキャリア伝送方式であり、それぞれのキャリアは互いに直交しており、DQPSK、QPSK、16QAM、64QAMで変調されている。使用されるキャリア数は、国内の地上波デジタル放送では約1400本〜5600本で、OFDM変調及びOFDM復調はそれぞれ逆フーリエ変換及びフーリエ変換により行われる。実際の送信機及び受信機では2Kポイント〜8KポイントのI−DFT(Inverse-Discrete Fourier Transformation)処理、DFT(Discrete Fourier Transfomation)処理を用いて行われている。
【0005】
地上波デジタル放送では衛星放送とは異なり、建物や山等の障害物により反射波が発生し、ゴーストとなり、デジタル変調信号に誤りを引き起こす。このため、受信機では映像や音声信号の破たんを引き起こし、著しく受信品質が劣化する。また、一般的にノイズによる信号の劣化は、受信信号が所要C/Nを満たしていれば、誤り訂正により訂正可能で、受信機では誤りなく映像/音声が再生可能である。
【0006】
上記に述べたようにゴーストやマルチパスによる妨害の影響を吸収するために、OFDM方式では緩衝領域を設けて、遅延波が存在しても情報の破たんが引き起こらないように工夫している。この緩衝領域のことをガードインターバル(G.I.)と呼ぶ。受信信号の遅延波の遅延時間が、このガードインターバルの時間を超えなければ符号間干渉が生じないため、誤り訂正回路により訂正が可能である。ガードインターバルを超えると符号間干渉が発生して、誤りを引き起こすことになる。ガードインターバル長は全送信信号長の1/4、1/8、1/16、1/32と設定し、約8マイクロ秒〜250マイクロ秒に相当する。
【0007】
一般に、地上波放送における携帯受信や移動受信では、マルチパスフェージング等によリデジタル変調された信号は劣化し、誤りが発生してしまう。デジタル放送に採用されたOFDM方式では連接符号を併用し、時間インターリーブを取り入れることで、携帯受信や移動受信に強い方式としている。しかし、ひどい選択性フェージングなどにより、上記方式を用いても信号は訂正できない場合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、携帯受信や移動受信では、マルチパスフェージングや選択性フェージングにより、受信信号が劣化して、携帯受信や移動受信では受信できなくなる問題点があった。また、固定受信においても、マルチパスにより信号が劣化してしまい、受信ができなる問題が発生する。
【0009】
デジタル放送では帯域を有効に利用するために、高い誤り訂正特性を有する方式を採用している。このため、国内地上波デジタル放送では5.7MHzでありながら、20Mbpsを超える伝送レートを達成している。しかし、干渉妨害により受信信号が劣化し、受信限界のしきい値を割り込んでしまうと、突然、映像、音声が消えてしまうクリフ効果がある。このため、従来、受信可能とされていた受信エリアにおいても、そのマルチパスの影響で突然受信できなることがある。
【0010】
このような問題に対して、複数のアンテナにより受信するアンテナダイバーシテが提案されている。図2は、アンテナを2本用いた従来の空間ダイバーシチシステムの構成図である。
【0011】
放送局から送信された放送波は受信アンテナ11aで受信され、選局部(チューナ)14aで選局された受信信号は、アナログ−デジタル変換回路(ADC)15aでデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された受信信号は、OFDM復調部21aによりOFDM復調され、後段の復号部22aへ渡される。復号部22aでは、送信側で行われた符号化の逆処理を行い出力する。この出力信号は、誤り率計算部23と選択回路24に渡される。同様に、受信アンテナ11bで受信された信号も選局部14bで選局され、アナログ−デジタル変換回路15bでデジタル信号に変換された後、OFDM復調部21bでOFDM復調され、後段の復号部22bに渡される。復号部22bでは上記と同様の復号処理を行って、その出力信号は、誤り率計算部23と選択回路24に渡される。
【0012】
誤り率計算部23では、それぞれのブランチで受信され復調された信号より誤り率の計算を行い、誤りが少ないブランチを選択するように選択回路24に制御信号を送る。これにより、選択回路24によってエラーの少ない方が選択され、これが出力端子25からTS信号として出力される。
【0013】
このようにすることで、それぞれのブランチにおいて受信特性のよいキャリアの信号のみを選択することができ、受信特性が改善できる。しかし、上記のような従来型のダイバーシチ方式は、複数のアンテナで受信された信号をそれぞれのブランチでOFDM復調を行い、サブキャリア毎に最適なデータを合成する必要があった。すなわち、アンテナ(ブランチ)の数だけOFDM復調部を必要としており、回路が大規模になり、受信機の小型化が難しいという欠点があった。さらに、ブランチ数の増大に伴い、受信システムが大がかりになり、受信機の消費電力が増大するという問題もあった。
【0014】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、上記した従来技術のもつ問題点を解消することにあり、その目的とするところは、複数のアンテナにより受信した信号を1つのOFDM復調部で処理することにより、ハードウェア規模の増大を招くことなく、かつ、受信性能に優れたものとすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した目的を達成するため、直交周波数分割多重方式により送られる送信波を受信するk個の受信アンテナ(kは2以上の正の整数)を備えたデジタル放送受信装置において、
前記k個の受信アンテナのうちの少なくとも1つに対応付けて設けられ、対応する受信アンテナで受信した信号の位相を変化させる位相器と、該位相器からの出力信号と位相器を介さない前記受信アンテナからの受信信号とを合成する合成器と、該合成器の出力信号より必要な周波数を選局する選局部と、選局した信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換回路と、該アナログ−デジタル変換回路の出力を復調する復調部と、該復調部に設けられた受信状態判定手段と、前記復調部からの信号により前記位相器の変化を制御する制御部とを、具備した構成、
あるいは、
前記k個の受信アンテナのそれぞれに1対1に対応付けてそれぞれ設けられ、各受信アンテナで受信した信号の位相を変化させるk個の位相器と、該各位相器からの出力信号を合成する合成器と、該合成器の出力信号より必要な周波数を選局する選局部と、選局した信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換回路と、該アナログ−デジタル変換回路の出力を復調する復調部と、該復調部に設けられた受信状態判定手段と、前記復調部からの信号により前記位相器の変化を制御する制御部とを、具備した構成をとる。
【0016】
また、前記制御部は、前記位相器に出力する位相量を順次可変させて発生する発生部と、該発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記復調部からの受信信号の受信状態を示す受信状態信号の出力に基づき、前記位相器にセットする位相量として最も受信状態がよくなる位相量を判定する判定部と、前記発生部からの順次可変された位相量と、前記判定部からの前記の判定に基づく位相量とを、切り替えて前記位相器に出力する切り替え部とを備え、前記切り替え部は、前記復調部の受信状態判定手段からの受信信号劣化信号の到来によって、前記発生部からの位相量を前記位相器に出力するように切り替え制御され、前記判定部による判定処理が終了すると、前記判定部からの前記の判定に基づく位相量を前記位相器に出力するように切り替え制御される、
あるいは、
前記制御部は、前記位相器に出力する位相量を順次可変させて発生する発生部と、該発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記復調部からの受信信号の受信状態を示す受信状態信号の出力に基づき、前記位相器にセットする位相量として最も受信状態がよくなる位相量を判定する判定部と、前記発生部からの順次可変された位相量と、前記判定部からの前記の判定に基づく位相量とを、切り替えて前記位相器に出力する切り替え部と、前記切り替え部は、前記復調部の受信状態判定手段からの受信信号劣化信号の到来によって、前記発生部からの位相量を前記位相器に出力するように切り替え制御され、前記判定部による判定処理が終了すると、前記判定部からの前記の判定に基づく位相量を前記位相器に出力するように切り替え制御され、前記した判定処理と、該判定処理に基づく前記位相器への位相量のセットとを、前記各位相器毎に順次行うようにされる。
【0017】
また、前記復調部は、受信信号の信号と雑音の比であるC/N値を計算するC/N計算部を備え、前記制御部は、前記発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記C/N計算部からの出力であるC/N値を順次記憶するとともに、その際の各C/N値に対応する位相量とを記憶する記憶部を備え、前記制御部の判定部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、C/N値が最大となる位相量を前記位相器にセットする位相量として決定する。
【0018】
また、前記復調部は、受信信号の誤り率であるBER値を計算する誤り率計算部を備え、前記制御部は、前記発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記誤り率計算部からの出力であるBER値を順次記憶するとともに、その際の各BER値に対応する位相量とを記憶する記憶部を備え、前記制御部の判定部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、BER値が最小となる位相量を前記位相器にセットする位相量として決定する。
【0019】
また、前記復調部は、受信信号の信号の強度であるAGC値を計算する自動利得計算部を備え、前記制御部は、前記発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記自動利得計算部からの出力であるAGC値を順次記憶するとともに、その際の各AGC値に対応する位相量とを記憶する記憶部を備え、前記制御部の判定部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、AGC値が最大となる位相量を前記位相器にセットする位相量として決定する。
【0020】
また、前記復調部は、受信信号の信号と雑音の比であるC/N値を計算するC/N計算部と、受信信号の誤り率であるBER値を計算する誤り率計算部と、受信信号の信号の強度であるAGC値を計算する自動利得計算部とを備え、前記制御部は、前記発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記C/N計算部からの出力であるC/N値、前記誤り率計算部からの出力であるBER値、前記自動利得計算部からの出力であるAGC値のうちの、少なくとも2つ以上を順次記憶するとともに、その際の各C/N値、各BER値、各AGC値に対応する位相量とを記憶する記憶部を備え、前記制御部の判定部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、C/N値が最大となる位相量とBER値が最小となる位相量との平均値、または、C/N値が最大となる位相量とAGC値が最大となる位相量との平均値、または、BER値が最小となる位相量とAGC値が最大となる位相量との平均値、または、C/N値が最大となる位相量とBER値が最小となる位相量AGC値が最大となる位相量との平均値を、前記位相器にセットする位相量として決定する。
【0021】
また、前記復調部の受信状態判定手段は、常時受信状態を監視し、受信状態が悪くなったときに前記受信信号劣化信号を、前記制御部へ出力する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。本実施形態は、2ブランチのダイバーシチ受信システムへの適用例である。
【0024】
図1において、11a、11bは受信アンテナ、12は位相器(可変位相器)、13は合成器、14は選局部(チューナ)、15はアナログ−デジタル変換回路(以下、ADCと記す)、16はOFDM復調部・復号部、17は制御部、18は出力端子、19は受信状態信号、20は受信状態劣化信号である。
【0025】
受信アンテナ11aにより受信した信号は、RF信号として位相器12に入力される。入力された信号は、位相器12により信号の位相が回転されて、出力される。位相回転は、外部入力端子より制御信号が入力されることによって制御される。位相器12の出力は、合成器13の一方に入力端子に接続されており、合成器13のもう一方の入力端子には、受信アンテナ11bが接続されており、それぞれの信号が合成器13によって合成される。合成された信号は後段の選局部14へ入力され、入力された信号は選局部4にて選局され出力される。選局された信号は、ADC15によリデジタル信号に変換され、後段のOFDM復調部・復号部16により復調・復号される。復調・復号された信号は、出力端子18よリトランスポート信号として出力される。
【0026】
図3は、OFDM復調部・復号部16のブロック図である。同図において、31は入力端子、32はIQ復調器、33はガードインターバル除去回路、34はFFT処理回路、35は復調・等化部、36はビタビ復号部、37は誤り訂正回路、38は同期処理回路、39はC/N計算部、40はBER計算部、41はAGC計算部、42は受信状態判定部、43は受信状態劣化信号20の出力端子、44は受信状態信号19の出力端子である。
【0027】
OFDM復調部・復号部16では、受信された信号よりOFDM復調処理及び復号化処理を行う。まず、入力端子31より入力された信号は、IQ復調器32によりIQ復調され、IQ復調された信号より、ガードインターバル除去回路33においてガードインターバルの除去を行う。ガードインターバル除去された有効シンボルは、FFT処理回路34にてFFT(高速フーリエ変換)処理される。FFT処理は、送信側の伝送モードに応じてあらかじめ決められており、2K、4K、8Kポイント離散フーリエ変換処理が行われる。FFT処理された信号は、復調・等化部35によリキャリアの復調及び等化が行われ、後段のビタビ復号部36に出力される。復調された信号は、ビタビ復号部36において、送信側で行われた符号化及びインターリーブ処理のデコード処理を施される。ビタビ復号部36の出力は、後段の誤り訂正回路37に入力される。誤り訂正回路37では、送信側で行われた処理の逆処理を行い、誤り訂正(リードソロモンデコード処理)及び逆拡散などを行う。処理された信号は、出力端子18からトランスポート信号として出力される。なお、デインターリブ処理には、周波数デインターリーブ処理、時間デインターリーブ処理、ビットデインターリーブ処理、バイトデインターリーブ処理等が含まれる。また、ビタビ復号には、デパンクチュア処理等も含まれる。
【0028】
受信信号のC/N(受信信号の信号と雑音の比)値は、C/N計算部39にて計算される。C/N計算部39では、受信信号のコンスタレーションより各信号点の分散を計算し、信号レベルとの比を求めることよリ、C/N値として出力する。
【0029】
受信信号のBER(受信信号の誤り率)値は、BER計算部40にて計算される。BER計算部40は、ビタビ復号前及びビタビ復号後の誤り率を計算する。また、リードソロモン後の誤り率も計算することができる。BER計算部40は、これら計算値をBER値として出力する。
【0030】
受信信号のAGC値(受信信号の信号強度を表す値)は、AGC計算部41にて計算する。AGC値は、入力信号のI信号及びQ信号の2乗和またはその平方根により求めることができる。また、これに対応する求め方であれば、この方法のみならず、AGC値として用いてもよい。AGC計算部41は、これらの計算値をAGC値として出力する。
【0031】
図4は、位相器12を制御する制御部17のブロック図である。同図において、50は入力端子、51は出力端子、52は記憶部、53は判定部、54は発生部、55は切り替え部、56は切り替え制御部、59は受信状態劣化信号入力端子である。
【0032】
受信信号の受信状態を示すC/N値(またはBER値またはAGC値)が、入力端子50より入力され、これは記憶部52によりその数値が記憶される。同時に後段の判定部53にも渡される。判定部53では、入力されたC/N値の最大値を検出し、その値をとる位相量を切り替え部55に入力する。切り替え部55は、発生部54より出力される位相量と判定部53より出力される位相量を切り替え制御部56の指示にしたがって切り替える。切り替えられた信号は出力端子51より出力される。
【0033】
図5は、図1における代表的な位相器12の素子の構造を示す図である。同図において、60は入力端子、61は可変位相器、62はストリップライン、63は出力端子である。
【0034】
入力端子60より入力された信号は、基板61の上方に形成されたストリップライン62より信号を伝達し、出力端子63より出力する。
【0035】
位相器12は、BST(Ba,Sr,Tiの酸化物)や液晶を用いた誘電体68を上部電極66と下部電極67で挟んだ構造をしており、制御部17から制御電圧を電圧入力端子65a、65bに与えることで、誘電体素子68の誘電率を変化させ、位相器12の信号位相量の回転を制御するようになっている。なお、素子は基板69上に形成されている。
【0036】
図6は、本実施形態におけるアンテナユニットの受信感度を示す図である。アンテナユニット71(受信アンテナ11aおよび位相器12)は位相量を設定することで受信感度が変化し、ここでは、到来方向72が最大感度を示し、到来方向73、74は受信感度が低下する様子を表わしている。
【0037】
図7は、位相回転量と受信特性の一例を示すグラフである。図1に示されている位相器12により位相回転量を変化させると、C/N値も変化する。ここでは、ポイント80で最大値をとり、ポイント81で最小値をとる場合の動作例を示している。位相器12により位相回転量を変化させると、図6に示すようにアンテナユニット71の受信特性が変化し、受信装置の設置されている場所により受信状態が位相量に応じて変化することになる。位相量を変化させると、受信信号のC/N値が、受信状態に応じて強弱を繰り返すことになる。図3におけるC/N計算部39から出力されるC/N値が変動することにより、この最大ポイントを検出し、最大ポイントを与える位相量を決定し、出力する。
【0038】
図4に示す制御部17の記憶部52によリC/N値が記憶され、判定部53によりC/N値の最大ポイントが判定される。最大ポイントを検出すると、判定部53からこの旨を示す信号が切り替え制御部56に出力され、これを受けて切り替え制御部56は切り替え部55に切り替え信号を送り、切り替え部55からの出力を、発生部54で生成される位相量から、判定部53から出力される最大ポイントを与える位相量に切り替え、これを位相器12に送出する。これにより、最大受信特性が得られるアンテナユニットを形成し、最も受信状態のよい状態がセットされる。
【0039】
受信状態を出力する信号としてC/N値のほかに、BER値を用いても同様の処理が行える。先にも述べたように、位相器12により位相回転量を変化させると、アンテナユニット71の受信特性が変化し、受信装置の設置されている場所により受信状態が位相量に応じて変化することになる。このように位相量を変化させると、受信信号のBER値が、受信状態に応じて強弱を繰り返すことになり、図3中のBER計算部40から制御部17に出力されるBER値が変動する。制御部17では、BER計算部40から出力されるBER値から、最も誤りの少ない最小ポイントを検出し、その最小ポイントを与える位相量を決定し、出力する。すなわち、図4に示す制御部17の記憶部52によリBER値が記憶され、判定部53によりBER値の最小ポイントが判定される。最小ポイントを検出すると、判定部53からこの旨を示す信号が切り替え制御部56に出力され、これを受けて切り替え制御部56は切り替え部55に切り替え信号を送り、切り替え部55からの出力を、発生部54で生成される位相量から、判定部53から出力される最小ポイントを与える位相量に切り替え、これを位相器12に送出する。これにより、最大受信特性が得られるアンテナユニットを形成し、最も受信状態のよい状態がセットされる。
【0040】
同様に、受信状態を出力する信号としてC/N値やBER値のほかに、AGC値を用いても同様の処理が行える。先にも述べたように、位相器12により位相回転量を変化させると、アンテナユニット71の受信特性が変化し、受信装置の設置されている場所により受信状態が位相量に応じて変化することになる。このように位相量を変化させると、受信信号のAGC値が、受信状態に応じて強弱を繰り返すことになり、図3中のAGC計算部41から制御部17に出力されるAGC値が変動する。制御部17では、AGC計算部41から出力されるAGC値から、最も受信信号の大きい最大ポイントを検出し、その最大ポイントを与える位相量を決定し、出力する。すなわち、図4に示す制御部17の記憶部52によリAGC値が記憶され、判定部53によりAGC値の最大ポイントが判定される。最大ポイントを検出すると、判定部53からこの旨を示す信号が切り替え制御部56に出力され、これを受けて切り替え制御部56は切り替え部55に切り替え信号を送り、切り替え部55からの出力を、発生部54で生成される位相量から、判定部53から出力される最大ポイントを与える位相量に切り替え、これを位相器12に送出する。これにより、最大受信特性が得られるアンテナユニットを形成し、最も受信状態のよい状態がセットされる。
【0041】
なお、上述したC/N値、BER値、AGC値の2つ以上を用いて、受信状態の判定に用いることも可能であり、この場合には、C/N値、BER値、AGC値の各値からそれぞれ得られる位相量の平均値をとったり、あるいは、視聴者の取捨選択に応じてC/N値、BER値、AGC値の何れかより得られる位相量を優先的に選択するようにされる。
【0042】
ここで、本実施形態においては、OFDM復調部16中の受信状態判定部42によって、受信信号の状態を常に監視しており、受信状態が劣化したときには、受信状態判定部42から制御部17へ受信信号劣化信号20を出力する。受信信号劣化信号20は、図4に示す制御部17の制御入力端子59から、切り替え制御部56に入力され、これにより、切り替え制御部56は、再度受信状態の判定を行うべく、切り替え部55の出力を発生部54からの位相量に切り替えると共に、発生部54に対して所定の信号を出力して、発生部55で生成される位相量を順次可変させて、前述した判定動作を実行させることにより、最も受信状態のよいポイントを判定し、その位相量を位相器12に設定する。かような動作により、受信装置の最も特性のよい状態が自動設定され、良好な受信状態が達成できる。
【0043】
以上本発明を図示した実施形態によって説明したが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。例えば、図5は本発明の代表的な位相器の構造を示しており、位相器としてはこの構造に限定されるものではなく、同じ機能、特性を有するものであれば他の機器またはデバイスでも使用可能である。
【0044】
また、以上の説明では、2つの受信アンテナのうちの一方のみに位相器12を付設した例を示したが、2つの受信アンテナのそれぞれに個別に位相器を付設し、各受信アンテナ毎(各アンテナユニット毎)に最も受信状態のよい位相量を個別に設定するようにしてもよい。この場合には、制御部17と各位相器との間に切り替え回路を設け、前述した判定動作と位相量の設定とを、各アンテナユニット毎に順次行えばよい(なお、位相量の設定のために一方のアンテナユニットには、可変制御電圧出力手段(位相量の出力手段)を別途付設する必要がある)。かような構成をとると、より一層、受信性能が向上する。
【0045】
なおまた、以上の説明では、アンテナユニットのアンテナ数が2つの場合を例にとったが、アンテナ数が3つ以上の構成をとることも可能であり、その効果はアンテナ数が増大するほど大きくなる。この場合には、受信アンテナのいくつかのみに選択的に位相器を付設してもよいし、あるいは、総ての受信アンテナにそれぞれ個別に位相器を付設するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明は、複数のアンテナによって受信した信号を1つのOFDM復調器で処理することに特徴があり、ハードウェア規模の増大を招くことなく、受信性能の高い受信装置を構築することができる。また、これにより受信性能の高い、携帯受信装置や移動受信装置なども小型化を阻害することなく容易に実現可能となる。さらに、固定受信においても、マルチパスの影響を低減でき、受信性能を改善することができる。
【0047】
つまり、従来のアンテナダイバーシチのようにハードウェアが複雑にならず、携帯受信や移動受信時に発生するマルチパスの影響を克服することができ、将来期待されているデジタル放送や、広帯域通信等の高速移動受信を非常に効率良く実現可能とし、以って、小型で低消費電力な受信システムを実現することができる。特に、小型アンテナを内蔵したデジタル放送受信装置において2本以上のアンテナを用いることにより、マルチパスの影響を低減させながら、受信状態を改善することができる。
【0048】
国内地上波デジタル放送では、送信電力を従来の10分の1程度に落として送信することができ、同じサービスエリアをカバーすることができる。しかし、従来受信可能とされていた受信エリアにおいてもそのマルチパスの影響でクリフ効果により突然受信できなることがある。本発明によれば、この問題も解決することができ、マルチパスの影響を低減し、受信可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】従来のダイバーシチ方式の受信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1中のOFDM復調部・復号部の構成を示すブロック図である。
【図4】図1中の制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態における代表的な可変位相器の構成を示す説明図である。
【図6】アンテナユニットの受信特性を示す説明図である。
【図7】アンテナユニットの受信感度特性を示す説明図である。
【符号の説明】
11a、11b 受信アンテナ
12 位相器(可変位相器)
13 合成部
14、14a、14b 選局部(チューナ)
15、15a、15b アナログ−デジタル変換回路(ADC)
16 OFDM復調部・復号部
17 制御部
18 出力端子
19 受信状態信号
20 受信状態劣化信号
21a、21b OFDM復調部
22a、22b 復号部
23 誤り率計算部
24 選択回路
25 出力端子
31 入力端子
32 IQ復調器
33 ガードインターバル除去回路
34 FFT処理回路
35 復調・等化部
36 ビタビ復号部
37 誤り訂正回路
38 同期処理回路
39 C/N計算部
40 BER計算部
41 AGC計算部
42 受信状態判定部
43 受信状態劣化信号の出力端子
44 受信状態信号の出力端子
50 入力端子
51 出力端子
52 記憶部
53 判定部
54 発生部
55 切り替え部
56 切り替え制御部
59 受信状態劣化信号入力端子
60 入力端子
61 可変位相器
62 ストリップライン
63 出力端子
65a、65b 電圧入力端子
66 上部電極
67 下部電極
68 誘電体
69 基板
71 アンテナユニット
80 C/N値またはAGC値の最大受信ポイント
81 C/N値またはAGC値の最小受信ポイント
82 BER値の最小受信ポイント
83 BER値の最大受信ポイント

Claims (7)

  1. 直交周波数分割多重方式により送られる送信波を受信するk個の受信アンテナ(kは2以上の正の整数)を備えたデジタル放送受信装置において、
    前記k個の受信アンテナのうちの少なくとも1つに対応付けて設けられ、対応する受信アンテナで受信した信号の位相を変化させる位相器と、
    該位相器からの出力信号と位相器を介さない前記受信アンテナからの受信信号とを合成する合成器と、
    該合成器の出力信号より必要な周波数を選局する選局部と、
    選局した信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換回路と、
    該アナログ−デジタル変換回路の出力を復調する復調部と、
    該復調部に設けられた受信状態判定手段と、
    前記復調部からの信号により前記位相器の位相特性を制御する制御部とを、
    具備し、
    前記制御部は、
    前記位相器に出力する位相量を順次可変させて発生する発生部と、
    該発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記復調部からの受信信号の受信状態を示す受信状態信号の出力に基づき、前記位相器にセットする位相量として最も受信状態がよくなる位相量を判定する判定部と、
    前記発生部からの順次可変された位相量と、前記判定部からの前記の判定に基づく位相量とを、切り替えて前記位相器に出力する切り替え部とを備え、
    前記切り替え部は、前記復調部の受信状態判定手段からの受信信号劣化信号の到来によって、前記発生部からの位相量を前記位相器に出力するように切り替え制御され、前記判定部による判定処理が終了すると、前記判定部からの前記の判定に基づく位相量を前記位相器に出力するように切り替え制御される
    ことを特徴とするデジタル放送受信装置。
  2. 直交周波数分割多重方式により送られる送信波を受信するk個の受信アンテナ(kは2以上の正の整数)を備えたデジタル放送受信装置において、
    前記k個の受信アンテナのそれぞれに1対1に対応付けてそれぞれ設けられ、各受信アンテナで受信した信号の位相を変化させるk個の位相器と、
    該各位相器からの出力信号を合成する合成器と、
    該合成器の出力信号より必要な周波数を選局する選局部と、
    選局した信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換回路と、
    該アナログ−デジタル変換回路の出力を復調する復調部と、
    該復調部に設けられた受信状態判定手段と、
    前記復調部からの信号により前記各位相器の位相特性をそれぞれ個別に制御する制御部とを、
    具備し、
    前記制御部は、
    前記位相器に出力する位相量を順次可変させて発生する発生部と、
    該発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記復調部からの受信信号の受信状態を示す受信状態信号の出力に基づき、前記位相器にセットする位相量として最も受信状態がよくなる位相量を判定する判定部と、
    前記発生部からの順次可変された位相量と、前記判定部からの前記の判定に基づく位相量とを、切り替えて前記位相器に出力する切り替え部と、
    前記切り替え部は、前記復調部の受信状態判定手段からの受信信号劣化信号の到来によって、前記発生部からの位相量を前記位相器に出力するように切り替え制御され、前記判定部による判定処理が終了すると、前記判定部からの前記の判定に基づく位相量を前記位相器に出力するように切り替え制御され、
    前記した判定処理と、該判定処理に基づく前記位相器への位相量のセットとを、前記各位相器毎に順次行うことを特徴とするデジタル放送受信装置。
  3. 請求項1または2記載において、
    前記復調部は、受信信号の信号と雑音の比であるC/N値を計算するC/N計算部を備え、
    前記制御部は、前記発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記C/N計算部からの出力であるC/N値を順次記憶するとともに、その際の各C/N値に対応する位相量とを記憶する記憶部を備え、
    前記制御部の判定部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、C/N値が最大となる位相量を前記位相器にセットする位相量として決定することを特徴とするデジタル放送受信装置。
  4. 請求項1または2記載において、
    前記復調部は、受信信号の誤り率であるBER値を計算する誤り率計算部を備え、
    前記制御部は、前記発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記誤り率計算部からの出力であるBER値を順次記憶するとともに、その際の各BER値に対応する位相量とを記憶する記憶部を備え、
    前記制御部の判定部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、BER値が最小となる位相量を前記位相器にセットする位相量として決定することを特徴とするデジタル放送受信装置。
  5. 請求項1または2記載において、
    前記復調部は、受信信号の信号の強度であるAGC値を計算する自動利得計算部を備え、
    前記制御部は、前記発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記自動利得計算部からの出力であるAGC値を順次記憶するとともに、その際の各AGC値に対応する位相量とを記憶する記憶部を備え、
    前記制御部の判定部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、AGC値が最大となる位相量を前記位相器にセットする位相量として決定することを特徴とするデジタル放送受信装置。
  6. 請求項1または2記載において、
    前記復調部は、受信信号の信号と雑音の比であるC/N値を計算するC/N計算部と、受信信号の誤り率であるBER値を計算する誤り率計算部と、受信信号の信号の強度であるAGC値を計算する自動利得計算部とを備え、
    前記制御部は、前記発生部からの順次可変された位相量によって前記位相器の位相特性が順次可変させられている際における、前記C/N計算部からの出力であるC/N値、前記誤り率計算部からの出力であるBER値、前記自動利得計算部からの出力であるAGC値のうちの、少なくとも2つ以上を順次記憶するとともに、その際の各C/N値、各BER値、各AGC値に対応する位相量とを記憶する記憶部を備え、
    前記制御部の判定部は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、C/N値が最大となる位相量とBER値が最小となる位相量との平均値、または、C/N値が最大となる位相量とAGC値が最大となる位相量との平均値、または、BER値が最小となる位相量とAGC値が最大となる位相量との平均値、または、C/N値が最大となる位相量とBER値が最小となる位相量AGC値が最大となる位相量との平均値を、前記位相器にセットする位相量として決定することを特徴とするデジタル放送受信装置。
  7. 請求項1または2記載において、
    前記復調部の受信状態判定手段は、常時受信状態を監視し、受信状態が悪くなったときに前記受信信号劣化信号を、前記制御部へ出力することを特徴とするデジタル放送受信装置。
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