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JP3651370B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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JP3651370B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用側回路を循環する熱媒体を冷却する冷凍装置に関し、特に、熱媒体の冷却温度を適温に制御する技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、いわゆるチリングユニットとして、利用側回路を循環する熱媒体(ブライン)を冷媒回路の冷凍サイクルにより冷却する冷凍装置が知られている。例えば、特開平5−280809号公報には、冷却した熱媒体で工作機械の冷却を行う冷凍装置が開示されている。具体的に、上記冷凍装置では、冷媒回路の蒸発器と利用側である工作機械との間に設けた利用側回路でブラインを循環させ、蒸発器で冷媒がブラインから吸熱することによってブラインの冷却を行っている。
【0003】
この種の冷凍装置は、工場の生産設備を冷却するために設けられることが多い。そして、工場等では、異なる対象物を冷却する必要性から、異なる温度のブラインを供給しなければならない場合もある。このような場合、従来は、対象物ごとに冷凍装置を設け、各冷凍装置において異なる温度のブラインを生成し、対応する対象物へ供給していた。例えば2種類の冷却温度に対応して2系統の回路を設ける場合、低温側系統については冷媒回路の冷凍サイクルにより熱媒体を冷却し、高温側系統については冷却水が循環する冷却水回路により熱媒体を冷却したりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の装置では、それぞれの利用側回路でブラインの温度を一定に保つのは容易ではなく、特に、半導体の製造工程でシリコンウェハーをブラインで冷却する場合などのようにブラインの温度制御に正確性が要求される場合には、その要求に応えることは困難であった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、利用側の装置に供給するブライン等の熱媒体の温度を正確に制御できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、利用側回路(50,60)のブライン等の熱媒体を冷却する冷凍装置(10)において、熱媒体の冷却負荷と流量とから求められる冷凍能力に応じて、冷媒回路の圧縮機容量制御や冷却水回路の冷却水流量制御と膨張機構の制御を行うようにしたものである。
【0007】
具体的に本発明が講じ解決手段は、圧縮機(21)、凝縮器(22)、膨張機構(E1)、及び蒸発器(23)を有して冷媒が循環する冷媒回路(20)と、冷却水が循環する冷却水回路(40)と、上記蒸発器(23)に接続されて熱媒体が循環する利用側回路(50)と、冷却水回路(40)と利用側回路(50)とを蒸発器(23)の上流側で接続する冷却熱交換器(41)とを備えた冷凍装置を前提としている。そして、この冷凍装置は、上記熱媒体の冷却負荷と流量とから求められる冷凍能力に応じて冷却水量を制御するとともに、冷媒回路(20)を駆動し、かつ熱媒体の温度が蒸発器(23)の出口側で設定温度となるように冷媒回路(20)の膨張機構(E1)を制御する制御手段(80)を備えている。
【0008】
この構成において、冷媒回路(20)では、充填された冷媒が相変化しつつ循環し、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。また、冷却水回路(40)では冷却水が循環し、利用側回路(60)では充填された熱媒体が循環する。この構成では、冷却水回路(40)だけを使って熱媒体を冷却したり、冷却水回路(40)と冷媒回路(20)の両方を使って熱媒体を冷却したりすることが可能となる。そして、冷却水回路(40)と冷媒回路(20)の両方を使う場合は、上記冷却熱交換器(41)において冷却水が熱媒体から吸熱し、さらに蒸発器(23)において冷媒が熱媒体から吸熱する。以上により、熱媒体が冷却されて利用側へ送られる。
【0009】
なお、熱媒体の冷却を冷却熱交換器(41)及び蒸発器(23)の両方で常に行わなければならない訳ではなく、例えば、冷却熱交換器(41)における冷却で第1熱媒体の温度が設定温度に達する場合には、蒸発器(23)による熱媒体の冷却は行う必要はない。つまり、冷却熱交換器(41)の出口において、熱媒体の温度が既に設定温度となっていれば、蒸発器(23)に対する冷媒の供給を停止し、蒸発器(23)における冷却を行わないようにしてもよい。
【0010】
この構成の冷凍装置(10)では、冷却水回路(40)だけを使う場合と、冷却水回路(40)と冷媒回路(20)の両方を使う場合のいずれも、熱媒体の冷却負荷と流量に応じて冷却水回路(40)における冷却水の流量が制御される。したがって、どれだけの熱媒体を何度冷やすかに合わせて冷却水回路(40)での熱媒体の吸熱量が制御され、熱媒体は予め定められた設定温度に維持される。
【0011】
また、この構成においては、冷却水回路(40)と冷媒回路(20)を共に使用しているときに、膨張機構(E1)を制御することにより、蒸発器(24)への冷媒の流入量を調整して、熱媒体の温度を微調整することができる。
【0012】
ここで、従来は一般に感温式膨張弁を用いており、蒸発器(23)の負荷の変化に合わせて過熱度を所定の値にするように冷媒の流入量が調整されるため、圧縮機(21)の周波数の変化に若干遅れて開度が調整されるが、この構成において電子膨張弁(E1)を用いて圧縮機(21)の周波数の変化と同時に開度を調整するようにすれば、熱媒体の温度をより正確に調整できる。この場合、熱媒体の流量との関係で圧縮機(21)の周波数に応じた電子膨張弁(E1)の開度を予め設定しておき、圧縮機の運転周波数に応じて開度が調整される。
【0013】
また、上記構成において、利用側回路(50)に、該利用側回路(50)の熱媒体を加熱する加熱手段(52)を設け、制御手段(80)を、蒸発器(23)の出口側での熱媒体の温度が設定温度よりも低いときに、加熱手段(52)による熱媒体の加熱を行うようにするとよい。
【0014】
このようにすれば、熱媒体が過剰に冷却されて温度が下がりすぎたときなどに、上記加熱手段(52)により熱媒体を加熱して、熱媒体を設定温度に維持することができる。つまり、利用側回路(50)を循環する熱媒体は、冷却水及び冷媒との熱交換によって冷却されるが、冷却後の熱媒体の温度が設定温度を下回る場合もあり得る。そこで、このような場合には加熱手段(52)で冷却後の熱媒体を加熱することで、熱媒体の温度を設定温度とした上で利用側へ供給することが可能となる。
【0015】
また、上記構成において、上記圧縮機(21)を容量可変に構成し、制御手段(80)を、熱媒体の冷却負荷と流量とから求められる冷凍能力に応じて圧縮機(21)の容量を補助的に制御するように構成するとよい
【0016】
また、上解決手段の構成において、冷媒回路(20)は、互いに並列に接続された第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とを有し、利用側回路(50,60)は、第1蒸発器(23)と冷却熱交換器(41)とに接続された第1回路(50)と第2蒸発器(24)に接続された第2回路(60)とからなるものとすることができる。
【0017】
また、上解決手段の構成において、制御手段(80)は、第1回路(50)の熱媒体を第2回路(60)の熱媒体よりも高い第1設定温度に制御するものとして用いるとよい。
【0018】
このように構成すれば、冷媒回路(20)で循環する冷媒は、第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)の両方に送られる。第1蒸発器(23)では、冷媒が第1回路(50)の熱媒体から吸熱し、この熱媒体が冷却される。第2蒸発器(24)では、冷媒が第2回路(60)の熱媒体から吸熱し、この熱媒体が冷却される。即ち、1つの冷媒回路(20)で循環する冷媒によって、第1回路(50)と第2回路(60)の各熱媒体が冷却される。
【0019】
そして、上解決手段では、第1回路(50)の熱媒体を第2回路(60)の熱媒体よりも高い第1設定温度に制御するために、冷却水回路(40)において冷却水の流量が制御さ以上により、各熱媒体が所定の設定温度に維持される。
【0020】
また、第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とを用いる場合には、冷媒の膨張機構(E1,E2)は第1膨張弁(E1)と第2膨張弁(E2)とによって構成するとよい。その場合、第1膨張弁(E1)は、冷媒回路(20)における第1蒸発器(23)の流入側に設けられ、第2膨張弁(E2)は、冷媒回路(20)における第2蒸発器(24)の流入側に設けられる。そして、圧縮機(21)から吐出され、凝縮器(22)で凝縮した冷媒は、二手に分流して第1膨張弁(E1)と第2膨張弁(E2)とに向けて流れる。第1膨張弁(E1)では流入した冷媒が減圧され、この第1膨張弁(E1)で減圧された冷媒が第1蒸発器(23)へ導入される。第2膨張弁(E2)では流入した冷媒が減圧され、この第2膨張弁(E2)で減圧された冷媒が第2蒸発器(24)へ導入される。そして、第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)に対する冷媒の分配割合は、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)の開度を調節することによって、適切な値に設定される。以上により、第1回路(50)と第2回路(60)で、それぞれ熱媒体が適温に冷却される。
【0021】
したがって、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)の開度調節によって、第1蒸発器(23)に流入する冷媒量と第2蒸発器(24)に流入する冷媒量との割合、即ち第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)に対する冷媒の分配割合を任意に設定できる。このため、第1蒸発器(23)で冷媒が第1熱媒体から吸熱する熱量と、第2蒸発器(24)で冷媒が第2熱媒体から吸熱する熱量とを適切な値に設定でき、利用側へ供給する第1熱媒体及び第2熱媒体の温度調節を的確に行うことができる。
【0022】
また、上解決手段の冷却水回路(40)においては、冷却熱交換器(41)と凝縮器(22)とを並列に接続するとよい。そうすると、冷却水回路(40)を流れる冷却水は、二手に分流されて、一方が冷却熱交換器(41)に導入され、他方が凝縮器(22)に導入される。冷却熱交換器(41)に導入された冷却水は、第1回路(50)の熱媒体から吸熱し、凝縮器(22)に導入された冷却水は、冷媒回路(20)の冷媒から吸熱する。そして、冷却熱交換器(41)で吸熱した冷却水と凝縮器(22)で吸熱した冷却水は、例えば、合流後に冷却塔に送られて冷却される。
【0023】
さらに、冷却水回路(40)には、第1調節弁(S1)と第2調節弁(S2)とを設けるとよい。その場合、第1調節弁(S1)は、冷却水回路(40)における冷却熱交換器(41)の流入側に設けられ、第2調節弁(S2)は、冷却水回路(40)における凝縮器(22)の流入側に設けられる。冷却水回路(40)を流れる冷却水は、二手に分流されて、一方が第1調節弁(S1)を通って冷却熱交換器(41)へ導入され、他方が第2調節弁(S2)を通って凝縮器(22)に導入される。したがって、冷却熱交換器(41)と凝縮器(22)に対する冷却水の分配割合は、第1調節弁(S1)及び第2調節弁(S2)の開度を調節することによって、適切な値に設定され、各回路(50,60)の熱媒体が適温に冷却される。
【0024】
【発明の効果】
本発明の各解決手段によれば、利用側回路を流れる熱媒体の冷却負荷と流量とから求められる冷凍能力に応じて、冷媒回路(20)の圧縮機(21)の容量を制御したり、冷却水回路(40)を流れる冷却水の流量を制御するとともに、熱媒体の温度が蒸発器(24)の出口側で設定温度となるように冷媒回路(20)の膨張機構(E2)を制御している。したがって、熱媒体の温度を常に設定温度に維持することができる。
【0025】
従来のこの種のチリングユニット(10)において冷媒回路で熱媒体を冷却する場合には、圧縮機(21)の吐出ガスをそのまま吸入側へ戻す、いわゆるホットガスバイパスによって圧縮機(21)の容量を間接的に調節していた。このため、熱媒体の温度を設定温度に維持するのが困難なだけでなく、圧縮機(21)の容量は変更されても圧縮機(21)の消費電力は低下せず、エネルギ効率の点で問題があった。これに対し、例えばインバータの出力周波数を変更することによって圧縮機(21)の容量を直接調整すれば、圧縮機(21)の容量を小さくしたときに消費電力も低下するため、省エネルギ性に優れたチリングユニット(10)を実現できる。また、圧縮機(21)を容量可変とすれば、冷媒回路(20)での冷凍サイクルにより得られる冷却能力を調節でき、熱媒体の冷却を適切に行うことができる。
【0026】
また、冷媒回路(20)を用いる場合に、冷媒回路(20)での蒸発器(24)の出口側の冷媒の過熱度と利用側回路(60)での蒸発器(24)の出口側の熱媒体の温度とから圧縮機(21)の容量を調整したり、加熱手段(62)による熱媒体の加熱を行うようにしたりすると、熱媒体をより正確に設定温度に冷却できる。また、圧縮機(21)の能力を無駄にすることもない。
【0027】
さらに、冷媒回路(20)と冷却水回路(40)の両方を用いて利用側回路(50)の熱媒体を冷却できるようにする場合でも、冷媒回路(20)の膨張機構(E1)の開度を制御したり、加熱手段(52)を設けて利用側回路(50)の熱媒体を加熱する構成にすると、熱媒体の温度を正確に設定温度とした上で利用側へ供給することができる。
【0028】
この場合、利用側回路(50)に冷却熱交換器(41)と蒸発器(23)を接続し、冷媒との熱交換だけでなく、冷却水との熱交換によっても熱媒体が冷却される。つまり、先ず冷却水との熱交換で熱媒体が冷却され、その後に冷媒との熱交換で熱媒体が更に冷却される。したがって、蒸発器(23)に導入された冷媒は、冷却熱交換器(41)で冷却水が吸熱しきれなかった分の熱量を熱媒体から吸熱すればよいこととなる。このため、冷凍サイクルにより得られた冷熱のみを用いて熱媒体を冷却する場合に比べ、熱媒体の冷却に要するエネルギを大幅に低減できる。このため、冷凍装置(10)の運転に要するエネルギを削減でき、消費電力を低減できる。
【0029】
また、上記各構成において、冷媒回路(20)を、互いに並列に接続された第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とから構成し、利用側回路(50,60)を、第1蒸発器(23)(及び冷却熱交換器(41))に接続された第1回路(50)と第2蒸発器(24)に接続された第2回路(60)とから構成すると、1つの冷媒回路(20)で循環する冷媒によって、第1回路(50)と第2回路(60)の各熱媒体を冷却できる。
【0030】
この場合でも、第1回路(50)の熱媒体は、冷媒回路(20)と共に冷却水回路(40)を用いて上述の制御をすることにより第2回路(60)の熱媒体よりも高い設定温度に正確に冷却でき、第2回路(60)の熱媒体は、冷媒回路(20)を用いて上述の制御をすることにより第1回路(50)の熱媒体よりも低い設定温度に正確に冷却できる。
【0031】
この場合、第1の熱媒体の冷却を行う冷媒回路と第2の熱媒体の冷却を行う冷媒回路とを別個に設ける必要はなく、1つの冷媒回路(20)で冷媒を循環させることによって、2系統の利用側回路(50,60)で熱媒体を利用側へ供給できる。従って、冷凍装置の構成を簡素化でき、構成機器の数を削減することによってトラブルの可能性を低減できるため、信頼性の向上を図ることが可能となる。また、冷媒回路(20)と共に冷却水回路(40)を用いると、熱媒体の設定温度が高い第1回路(50)では冷媒回路(20)を用いないことも可能となり、熱媒体の冷却に要するエネルギを低減できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態は、本発明に係る冷凍装置により構成された、ブラインのチリングユニットである。
【0033】
−回路構成−
図1に示すように、上記チリングユニット(10)は、冷媒回路(20)、冷却水回路(40)、利用側回路である第1回路(50)及び第2回路(60)、そして制御手段であるコントローラ(80)を備えている。このチリングユニット(10)は、半導体の製造工程におけるシリコンウェハーの冷却を行うために、温度レベルの異なる第1ブラインと第2ブラインとを、利用側である半導体の生産設備に供給するためのものである。
【0034】
《冷媒回路》
上記冷媒回路(20)は、圧縮機(21)、凝縮器(22)、第1膨張弁(E1)、第2膨張弁(E2)、第1蒸発器(23)、第2蒸発器(24)、及びアキュームレータ(25)を配管接続して構成されている。また、第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とは、冷媒回路(20)において並列接続されている。この冷媒回路(20)には、R407Cが冷媒として充填されている。冷媒回路(20)では、この冷媒が相変化しつつ循環し、冷凍サイクルが行われる。
【0035】
上記冷媒回路(20)において、圧縮機(21)の吐出側は、吐出ガス配管(31)を介して凝縮器(22)における冷媒流路(22a)の上端に接続されている。この凝縮器(22)については、後述する。凝縮器(22)における冷媒流路(22a)の下端には、液配管(32)の一端が接続されている。液配管(32)は、他端側で2つの分岐管に分岐されている。液配管(32)の第1分岐管(32a)は、第1膨張弁(E1)を介して、第1蒸発器(23)における1次側流路(23a)の上端に接続されている。一方、液配管(32)の第2分岐管(32b)は、第2膨張弁(E2)を介して、第2蒸発器(24)における1次側流路(24a)の上端に接続されている。なお、第1蒸発器(23)及び第2蒸発器(24)については、後述する。
【0036】
第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とは、吸入ガス配管(33)を介して圧縮機(21)の吸入側に接続されている。具体的に、吸入ガス配管(33)は、一端側で2つの分岐管に分岐されている。そして、吸入ガス配管(33)は、その第1分岐管(33a)が第1蒸発器(23)における1次側流路(23a)の下端に接続され、その第2分岐管(33b)が第2蒸発器(24)における1次側流路(24a)の下端に接続されている。また、吸入ガス配管(33)の他端は、アキュームレータ(25)を介して圧縮機(21)の吸入側に接続されている。
【0037】
上記第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)は、冷媒の膨張機構を構成している。また、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)としては、共に、いわゆる電子膨張弁が用いられている。
【0038】
上記凝縮器(22)は、いわゆるプレート式熱交換器により構成されている。凝縮器(22)には、冷媒流路(22a)と冷却水流路(22b)とが区画形成されている。この凝縮器(22)は、冷媒流路(22a)の冷媒と冷却水流路(22b)の冷却水とを熱交換させ、この熱交換によって冷媒を凝縮させるためのものである。
【0039】
上記第1蒸発器(23)は、いわゆるプレート式熱交換器により構成されている。第1蒸発器(23)には、1次側流路(23a)と2次側流路(23b)とが区画形成されている。この第1蒸発器(23)は、1次側流路(23a)の冷媒と2次側流路(23b)のブラインとを熱交換させ、この熱交換によってブラインを冷却するためのものである。
【0040】
上記第2蒸発器(24)は、いわゆるプレート式熱交換器により構成されている。第2蒸発器(24)には、1次側流路(24a)と2次側流路(24b)とが区画形成されている。この第2蒸発器(24)は、1次側流路(24a)の冷媒と2次側流路(24b)のブラインとを熱交換させ、この熱交換によってブラインを冷却するためのものである。
【0041】
上記圧縮機(21)は、全密閉型のスクロール圧縮機(21)によって構成されている。この圧縮機(21)の電動機には、図外のインバータを介して電力が供給される。そして、インバータの出力周波数を調節して電動機の回転数を変更することにより、圧縮機(21)の容量が変更される。即ち、上記圧縮機(21)は、容量可変に構成されている。
【0042】
更に、上記冷媒回路(20)には、液冷媒導入管(34)、ガス冷媒導入管(35)、第3膨張弁(E3)、及び第4膨張弁(E4)が設けられている。
【0043】
上記液冷媒導入管(34)の一端は、上記液配管(32)における第1及び第2膨張弁(E1,E2)の上流側に接続されている。また、液冷媒導入管(34)の他端は、上記吸入ガス配管(33)におけるアキュームレータ(25)の上流側に接続されている。この液冷媒導入管(34)は、凝縮器(22)で凝縮した冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入するための液冷媒導入管路を構成している。液冷媒導入管(34)には、第3膨張弁(E3)が液側調節弁として設けられている。この第3膨張弁(E3)は、上述の電子膨張弁によって構成されている。
【0044】
上記ガス冷媒導入管(35)の一端は、上記吐出ガス配管(31)に接続されている。また、ガス冷媒導入管(35)の他端は、上記吸入ガス配管(33)におけるアキュームレータ(25)の上流側に接続されている。この液冷媒導入管(34)は、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入するためのガス冷媒導入管路を構成している。ガス冷媒導入管(35)には、第4膨張弁(E4)がガス側調節弁として設けられている。この第4膨張弁(E4)は、上述の電子膨張弁によって構成されている。
【0045】
《冷却水回路》
上記冷却水回路(40)は、流入配管(42)及び流出配管(43)を備えている。また、冷却水回路(40)には、冷却熱交換器(41)が接続されている。この冷却水回路(40)では、上記凝縮器(22)及び冷却熱交換器(41)と、図外の冷却塔との間で冷却水が循環する。
【0046】
上記流入配管(42)の一端は、図外のポンプを介して冷却塔に接続されている。また、流入配管(42)は、他端側で2つの分岐管に分岐されている。流入配管(42)の第1分岐管(42a)は、第1電動弁(S1)を介して冷却熱交換器(41)における冷却水流路(41b)の下端に接続されている。この第1電動弁(S1)は、第1調節弁を構成している。一方、流入配管(42)の第2分岐管(42b)は、第2電動弁(S2)を介して凝縮器(22)における冷却水流路(22b)の下端に接続されている。この第2電動弁(S2)は、第2調節弁(S2)を構成している。なお、冷却熱交換器(41)については、後述する。
【0047】
上記冷却熱交換器(41)と凝縮器(22)とは、流出配管(43)を介して冷却塔に接続されている。具体的に、流出配管(43)は、その一端側で2つの分岐管に分岐されている。流出配管(43)の第1分岐管(43a)は、冷却熱交換器(41)における冷却水流路(41b)の上端に接続されている。一方、流入配管(42)の第2分岐管(43b)は、凝縮器(22)における冷却水流路(22b)の上端に接続されている。また、流入配管(42)は、その他端が図外の冷却塔に接続されている。
【0048】
上記冷却熱交換器(41)は、いわゆるプレート式熱交換器により構成されている。冷却熱交換器(41)には、冷却水流路(41b)とブライン流路(41a)とが区画形成されている。この冷却熱交換器(41)は、冷却水流路(41b)の冷却水とブライン流路(41a)のブラインとを熱交換させ、この熱交換によってブラインを冷却するためのものである。
【0049】
《第1回路、第2回路》
上記第1回路(50)は、冷却熱交換器(41)、第1蒸発器(23)、第1ヒータ(52)、及び第1タンク(53)を順に配管接続して構成されている。この第1回路(50)には、第1熱媒体である第1ブラインが充填されている。そして、第1回路(50)では、冷却熱交換器(41)及び第1蒸発器(23)と利用側との間で第1ブラインが循環し、第1設定温度とされた第1ブラインが利用側へ供給される。なお、第1ブラインには、例えばフッ素系不活性液体である3M社のフロリナート(商標)が用いられている。また、第1設定温度は、例えば30℃〜120℃の範囲内の所定値に設定される。
【0050】
上記第1回路(50)において、利用側から延びるブラインの戻り管(51)は、冷却熱交換器(41)におけるブライン流路(41a)の下端に接続されている。冷却熱交換器(41)におけるブライン流路(41a)の上端は、第1蒸発器(23)における2次側流路(23b)の下端と配管接続されている。第1蒸発器(23)における2次側流路(23b)の上端は、第1ヒータ(52)を介して第1タンク(53)の下部と配管接続されている。
【0051】
第1タンク(53)には、その底部に第1ブラインポンプ(54)が設置されている。この第1ブラインポンプ(54)には、利用側へ延びるブラインの送出管(55)が接続されている。第1ブラインポンプ(54)は、第1タンク(53)内の第1ブラインを吸入し、送出管(55)を通じて利用側へ送り出すためのものである。また、送出管(55)には、第1逆止弁(CV1)が設けられている。この第1逆止弁(CV1)は、第1タンク(53)から利用側へ向かう方向へのみ第1ブラインの流通を許容する。
【0052】
上記第2回路(60)は、第2蒸発器(24)、第2ヒータ(62)、及び第2タンク(63)を順に配管接続して構成されている。この第2回路(60)には、第2熱媒体である第2ブラインが充填されている。そして、第2回路(60)では、第2蒸発器(24)と利用側との間で第2ブラインが循環し、第2設定温度とされた第2ブラインが利用側へ供給される。なお、第2ブラインには、第1ブラインと同様に上記フロリナートが用いられている。また、第2設定温度は、例えば−30℃〜60℃の範囲内の所定値に設定される。ただし、第2設定温度は、上記第1設定温度よりも低い値に設定される。
【0053】
上記第2回路(60)において、利用側から延びるブラインの戻り管(61)は、第2蒸発器(24)における2次側流路(24b)の下端に接続されている。第2蒸発器(24)における2次側流路(24b)の上端は、第2ヒータ(62)を介して第2タンク(63)の下部と配管接続されている。
【0054】
第2タンク(63)には、その底部に第2ブラインポンプ(64)が設置されている。この第2ブラインポンプ(64)には、利用側へ延びるブラインの送出管(65)が接続されている。第2ブラインポンプ(64)は、第2タンク(63)内の第2ブラインを吸入し、送出管(65)を通じて利用側へ送り出すためのものである。また、送出管(65)には、第2逆止弁(CV2)が設けられている。この第2逆止弁(CV2)は、第2タンク(63)から利用側へ向かう方向へのみ第2ブラインの流通を許容する。
【0055】
《第1タンク、第2タンク》
上記第1タンク(53)は、直方体形状の容器で構成されている。この第1タンク(53)の大きさは、概ね一斗缶程度とされている。第1タンク(53)には、第1ヒータ(52)を通過した第1ブラインが貯留されている。つまり、第1タンク(53)には、第1設定温度とされた第1ブラインが貯留されている。
【0056】
上記第1タンク(53)には、電極式の液面センサ(56)が、第1液面検出手段として設けられている。上記液面センサ(56)は、下限検知部(56a)と、上限検知部(56b)とを備えている。下限検知部(56a)は、第1タンク(53)における液面の下限位置に設けられている。この液面の下限位置は、第1タンク(53)内に設けられた第1ブラインポンプ(54)が空気を吸い込まないように、第1ブラインポンプ(54)の吸入口の位置に対応して定められている。また、上限検知部(56b)は、第1タンク(53)における液面の上限位置に設けられている。この液面の上限位置は、第1タンク(53)から第1ブラインがオーバーフローしないように定められている。そして、上記液面センサ(56)は、下限検知部(56a)が第1ブラインの液面を検知すると検出信号として下限信号を出力し、上限検知部(56b)が第1ブラインの液面を検知すると検出信号として上限信号を出力する。
【0057】
上記第2タンク(63)は、直方体形状の容器で構成されている。この第2タンク(63)の大きさは、概ね一斗缶程度とされている。第2タンク(63)には、第2ヒータ(62)を通過した第2ブラインが貯留されている。つまり、第2タンク(63)には、第2設定温度とされた第2ブラインが貯留されている。
【0058】
上記第2タンク(63)には、電極式の液面センサ(66)が、第2液面検出手段として設けられている。上記液面センサ(66)は、下限検知部(66a)と、上限検知部(66b)とを備えている。下限検知部(66a)は、第2タンク(63)における液面の下限位置に設けられている。この液面の下限位置は、第2タンク(63)内に設けられた第2ブラインポンプ(64)が空気を吸い込まないように、第2ブラインポンプ(64)の吸入口の位置に対応して定められている。また、上限検知部(66b)は、第2タンク(63)における液面の上限位置に設けられている。この液面の上限位置は、第2タンク(63)から第2ブラインがオーバーフローしないように定められている。そして、上記液面センサ(66)は、下限検知部(66a)が第2ブラインの液面を検知すると検出信号として下限信号を出力し、上限検知部(66b)が第2ブラインの液面を検知すると検出信号として上限信号を出力する。
【0059】
上記第1タンク(53)及び第2タンク(63)には、それぞれドレンポート(71)が1つずつ設けられている。このドレンポート(71)は、第1,第2タンク(53,63)の底部に接続している。また、各ドレンポート(71)には、ドレン弁(72)が1つずつ設けられている。このドレンポート(71)は、第1,第2タンク(53,63)からブラインを抜き取る際に用いられる。
【0060】
《センサ》
また、上記冷媒回路(20)、第1回路(50)、及び第2回路(60)には、各種のセンサが設けられている。
【0061】
具体的に、上記冷媒回路(20)には、第1圧力センサ(P1)、第2圧力センサ(P2)、第1サーミスタ(T1)、第2サーミスタ(T2)、及び第3サーミスタ(T3)が設けられている。第1圧力センサ(P1)は、吸入ガス配管(33)に接続され、圧縮機(21)が吸入する冷媒の圧力を検出する。第2圧力センサ(P2)は、吐出ガス配管(31)に接続され、圧縮機(21)が吐出する冷媒の圧力を検出する。第1サーミスタ(T1)は、吸入ガス配管(33)に取り付けられ、この吸入ガス配管(33)の温度を検出することによって、圧縮機(21)が吸入する冷媒の温度を検出する。第2サーミスタ(T2)は、吐出ガス配管(31)に取り付けられ、この吐出ガス配管(31)の温度を検出することによって、圧縮機(21)が吐出する冷媒の温度を検出する。第3サーミスタ(T3)は、吸入ガス配管(33)の第2分岐管(33b)に設けられ、この第2分岐管(33b)の温度を検出することによって、第2蒸発器(24)から流出した冷媒の温度を検出する。
【0062】
上記第1回路(50)には、第1白金温度計(Pt1)、第2白金温度計(Pt2)、第4白金温度計(Pt4)、及び第3圧力センサ(P3)が設けられている。第1白金温度計(Pt1)は、第1回路(50)の戻り管(51)に設けられ、利用側から戻ってきた第1ブラインの温度を検出する。第2白金温度計(Pt2)は、第1回路(50)における冷却熱交換器(41)の出口付近に設けられ、冷却熱交換器(41)から流出する第1ブラインの温度を検出する。第4白金温度計(Pt4)は、第1回路(50)における第1ヒータ(52)の出口付近に設けられ、第1ヒータ(52)から流出する第1ブラインの温度を検出する。第3圧力センサ(P3)は、第1回路(50)の送出管(55)に接続され、第1ブラインポンプ(54)から吐出された第1ブラインの圧力を検出する。
【0063】
上記第2回路(60)には、第5白金温度計(Pt5)、第7白金温度計(Pt7)、及び第4圧力センサ(P4)が設けられている。第5白金温度計(Pt5)は、第2回路(60)の戻り管(61)に設けられ、利用側から戻ってきた第2ブラインの温度を検出する。第7白金温度計(Pt7)は、第2回路(60)における第2ヒータ(62)の出口付近に設けられ、第2ヒータ(62)から流出する第2ブラインの温度を検出する。第4圧力センサ(P4)は、第2回路(60)の送出管(65)に接続され、第2ブラインポンプ(64)から吐出された第2ブラインの圧力を検出する。なお、上記の各白金温度計は、白金測温抵抗体を用いた温度センサである。
【0064】
《コントローラ》
上記コントローラ(80)は、チリングユニット(10)の運転制御を行うものである。このコントローラ(80)には、上記のサーミスタ(T1,…)、圧力センサ(P1,…)、白金温度計(Pt1,…)、液面センサ(56,66)の検出信号が入力される。そして、コントローラ(80)は、入力された信号に基づき、第1〜第4膨張弁(E1〜E4)の開度調節、第1,第2電動弁(S1,S2)の開度調節、圧縮機(21)の容量調節、第1,第2ヒータ(52,62)の出力調節などを行って、第1回路(50)と第2回路(60)のブラインを適温に調節する制御を行う。具体的な制御の内容については後述する。
【0065】
《その他の構成》
上記第1回路(50)と第2回路(60)には、ガス導入手段である窒素導入管(77)が接続されている。窒素導入管(77)は、その一端に開閉弁(79)が設けられている。この窒素導入管(77)の一端は、窒素ボンベが接続する接続ポート(78)を構成している。
【0066】
窒素導入管(77)は、他端側で2つの分岐管に分岐されている。窒素導入管(77)の第1分岐管(77a)は、第1回路(50)の送出管(55)における第1逆止弁(CV1)の下流側に接続されている。この第1分岐管(77a)には、該送出管(55)に向かって順に、第1電磁弁(SV1)と第3逆止弁(CV3)とが設けられている。第3逆止弁(CV3)は、接続ポート(78)から該送出管(55)に向かう窒素ガスの流通のみを許容する。一方、窒素導入管(77)の第2分岐管(77b)は、第2回路(60)の送出管(65)における第2逆止弁(CV2)の下流側に接続されている。この第2分岐管(77b)には、該送出管(65)に向かって順に、第2電磁弁(SV2)と第4逆止弁(CV4)とが設けられている。第4逆止弁(CV4)は、接続ポート(78)から該送出管(65)に向かう窒素ガスの流通のみを許容する。
【0067】
−運転動作−
次に、上記チリングユニット(10)の運転動作について説明する。
【0068】
《冷媒回路、冷却水回路における動作》
冷媒回路(20)において、圧縮機(21)を運転すると、圧縮されたガス冷媒が圧縮機(21)から吐出される。このガス冷媒は、吐出ガス配管(31)を通って凝縮器(22)の冷媒流路(22a)に導入される。凝縮器(22)の冷媒流路(22a)では、導入された冷媒が冷却水流路(22b)の冷却水に放熱して凝縮する。凝縮した冷媒は、凝縮器(22)から出て液配管(32)を流れる。その後、液配管(32)の冷媒は、二手に分流されて、一方が第1分岐管(32a)に流入し、他方が第2分岐管(32b)に流入する。
【0069】
液配管(32)の第1分岐管(32a)に流入した冷媒は、第1膨張弁(E1)で減圧された後に、第1蒸発器(23)の1次側流路(23a)に導入される。この1次側流路(23a)では、導入された冷媒が2次側流路(23b)の第1ブラインから吸熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、第1蒸発器(23)から出て吸入ガス配管(33)の第1分岐管(33a)に流入する。
【0070】
一方、液配管(32)の第2分岐管(32b)に流入した冷媒は、第2膨張弁(E2)で減圧された後に、第2蒸発器(24)の1次側流路(24a)に導入される。この1次側流路(24a)では、導入された冷媒が2次側流路(24b)の第2ブラインから吸熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、第2蒸発器(24)から出て吸入ガス配管(33)の第2分岐管(33b)に流入する。
【0071】
吸入ガス配管(33)において、第1分岐管(33a)の冷媒と第2分岐管(33b)の冷媒とが合流する。この合流後の冷媒は、アキュームレータ(25)を通って圧縮機(21)に吸入される。圧縮機(21)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒回路(20)では、以上のように冷媒が循環して、冷凍サイクルが行われる。
【0072】
なお、以上は、第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)の両方へ冷媒を流すときの動作であり、蒸発器(23,24)の一方への冷媒の流れを停止する場合、停止側の膨張弁(E1,E2)は閉鎖される。
【0073】
一方、冷却水回路(40)において、ポンプ(図外)を運転すると、冷却塔(図外)で冷却された冷却水が、流入配管(42)を流れる。流入配管(42)を流れる冷却水は、二手に分流され、一方が第1分岐管(42a)に流入し、他方が第2分岐管(42b)に流入する。
【0074】
流入配管(42)の第1分岐管(42a)に入った冷却水は、第1電動弁(S1)を通過して冷却熱交換器(41)の冷却水流路(41b)に導入される。冷却熱交換器(41)では、導入された冷却水がブライン流路(41a)の第1ブラインから吸熱する。吸熱後の冷却水は、冷却熱交換器(41)から出て流出配管(43)の第1分岐管(43a)を流れる。
【0075】
また、流入配管(42)の第2分岐管(42b)に入った冷却水は、第2電動弁(S2)を通過して凝縮器(22)の冷却水流路(22b)に導入される。凝縮器(22)では、導入された冷却水が冷媒流路(22a)の冷媒から吸熱する。吸熱後の冷却水は、凝縮器(22)から出て流出配管(43)の第2分岐管(43b)を流れる。
【0076】
流出配管(43)において、第1分岐管(43a)の冷却水と第2分岐管(43b)の冷却水とが合流する。この合流後の冷却水は、冷却塔(図外)に送られて冷却され、再び流入配管(42)を通じて冷却熱交換器(41)及び凝縮器(22)に送り込まれる。
【0077】
《第1回路、第2回路における動作》
第1回路(50)において、第1ブラインポンプ(54)を運転すると、第1ブラインが循環する。利用側で対象物から吸熱した第1ブラインは、戻り管(51)を流れて冷却熱交換器(41)のブライン流路(41a)に導入される。冷却熱交換器(41)では、ブライン流路(41a)の第1ブラインが冷却水流路(41b)の冷却水と熱交換する。この熱交換により、第1ブラインは、冷却水に放熱して冷却される。冷却熱交換器(41)で冷却された第1ブラインは、第1蒸発器(23)の2次側流路(23b)に導入される。第1蒸発器(23)では、2次側流路(23b)の第1ブラインが1次側流路(23a)の冷媒と熱交換する。この熱交換により、第1ブラインは、冷媒に放熱して更に冷却される。なお、1次側流路(23a)を冷媒が流通していないとき、第1ブラインは単に2次側流路(23b)を通過する。
【0078】
第1蒸発器(23)から出た第1ブラインは、第1ヒータ(52)に導入される。第1ヒータ(52)は、第1ブラインの温度が第1設定温度となるように、第1ブラインに適当な熱量を付与する。つまり、第1蒸発器(23)の出口において第1ブラインの温度が第1設定温度よりも低くなった場合には、第1ヒータ(52)での加熱によって第1ブラインの温度を第1設定温度に合わせる。また、加熱が不要の場合、第1ヒータ(52)は作動しない。
【0079】
第1ヒータ(52)において第1設定温度となった第1ブラインは、第1タンク(53)に流入して貯留される。第1タンク(53)に貯留された第1設定温度の第1ブラインは、第1ブラインポンプ(54)に吸入され、送出管(55)に送り出される。送出管(55)を通じて供給された第1ブラインは、利用側において対象物の冷却に利用される。利用側で対象物から吸熱した第1ブラインは、戻り管(51)を通じて再び冷却熱交換器(41)へ送り込まれる。
【0080】
第2回路(60)において、第2ブラインポンプ(64)を運転すると、第2ブラインが循環する。利用側で対象物から吸熱した第2ブラインは、戻り管(61)を流れて第2蒸発器(24)の2次側流路(24b)に導入される。第2蒸発器(24)では、2次側流路(24b)の第2ブラインが1次側流路(24a)の冷媒と熱交換する。この熱交換により、第2ブラインは、冷媒に放熱して冷却される。
【0081】
第2蒸発器(24)から出た第2ブラインは、第2ヒータ(62)に導入される。第2ヒータ(62)は、第2ブラインの温度が第2設定温度となるように、第2ブラインに適当な熱量を付与する。つまり、第2蒸発器(24)の出口において第2ブラインの温度が第2設定温度よりも低くなった場合には、第2ヒータ(62)での加熱によって第2ブラインの温度を第2設定温度に合わせる。また、加熱が不要の場合、第2ヒータ(62)は作動しない。
【0082】
第2ヒータ(62)において第2設定温度となった第2ブラインは、第2タンク(63)に流入して貯留される。第2タンク(63)に貯留された第2設定温度の第2ブラインは、第2ブラインポンプ(64)に吸入され、送出管(65)に送り出される。送出管(65)を通じて供給された第2ブラインは、利用側において対象物の冷却に利用される。利用側で対象物から吸熱した第2ブラインは、戻り管(61)を通じて再び第2蒸発器(24)へ送り込まれる。
【0083】
《コントローラの制御動作の概要》
上述のように、上記コントローラ(80)は、チリングユニット(10)の運転制御を行う。ここでは、その内容について説明する。
【0084】
上記コントローラ(80)は、冷却熱交換器(41)における熱交換量の調節を行う。つまり、第1電動弁(S1)の開度を調節し、冷却熱交換器(41)に対する冷却水の供給量を変更することによって、冷却熱交換器(41)における第1ブラインからの放熱量を該第1ブラインの流量に応じて調節する。
【0085】
また、上記コントローラ(80)は、第1蒸発器(23)及び第2蒸発器(24)における熱交換量の調節を行う。つまり、第1膨張弁(E1)の開度を調節し、第1蒸発器(23)に対する冷媒の供給量を変更することによって、第1蒸発器(23)における第1ブラインからの放熱量を調節する。また、第2膨張弁(E2)の開度を調節し、第2蒸発器(24)に対する冷媒の供給量を変更することによって、第2蒸発器(24)における第2ブラインからの放熱量を調節する。その際、コントローラ(80)は、圧縮機(21)の容量調節も行う。つまり、第1,第2蒸発器(24)における冷却能力の過不足に応じてインバータ(図外)の出力周波数を変更し、圧縮機(21)における電動機の回転数を変更することによって、圧縮機(21)の容量を調節する。
【0086】
なお、冷却熱交換器(41)の出口において、第1ブラインの温度が既に第1設定温度以下となっている場合には、第1蒸発器(23)における第1ブラインの冷却を停止する。つまり、このような場合には、上記コントローラ(80)が第1膨張弁(E1)を全閉し、第1蒸発器(23)に対する冷媒の供給を停止する。
【0087】
上記コントローラ(80)は、第1ヒータ(52)及び第2ヒータ(62)の出力調節を行う。つまり、第1ヒータ(52)については、第4白金温度計(Pt4)の検出温度が第1設定温度となるように、その出力が調節される。また、第2ヒータ(62)については、第7白金温度計(Pt7)の検出温度が第2設定温度となるように、その出力が調節される。なお、運転状態によっては、第1ヒータ(52)や第2ヒータ(62)の出力をゼロとし、これらヒータ(52,62)におけるブラインの加熱を行わない場合もある。
【0088】
また、上記コントローラ(80)は、第1ブラインポンプ(54)と第2ブラインポンプ(64)の発停制御を行う。ここでは第1ブラインポンプ(54)の場合を例に説明するが、第2ブラインポンプ(64)の場合も同様である。
【0089】
この第1ブラインポンプ(54)は、原則として常時運転されるものである。ただし、第1タンク(53)の液面センサ(56)が下限信号又は上限信号の何れかを出力した場合には、上記コントローラ(80)が第1ブラインポンプ(54)を緊急停止する。つまり、下限信号が出力された場合、第1ブラインの流量が不足したまま運転を継続すると、利用側の冷却対象物にダメージを与えるおそれがあるため、第1ブラインポンプ(54)の運転を停止する。また、上限信号が出力された場合、第1タンク(53)から第1ブラインが溢れ出すおそれがあるため、第1ブラインポンプ(54)の運転を停止する。
【0090】
上記コントローラ(80)は、冷媒回路(20)における低圧の制御を行う。具体的に、コントローラ(80)は、第2電動弁(S2)の開度を調節して凝縮器(22)に対する冷却水の供給量を調節し、凝縮器(22)における冷媒からの放熱量を調節する。そして、凝縮器(22)における冷媒の圧力を変更することによって、冷媒回路(20)の低圧を調節する。その際、コントローラ(80)は、冷媒回路(20)の低圧を可能な範囲で最も低くなるようにして、圧縮機(21)における消費電力の低減を図る。
【0091】
また、上記コントローラ(80)は、冷媒回路(20)の運転状態が異常な状態となっても、圧縮機(21)の運転を継続させつつ、圧縮機(21)を保護するための動作を行う。
【0092】
具体的に、圧縮機(21)の吐出冷媒温度が過度に上昇した場合において、コントローラ(80)は、第3膨張弁(E3)を開き、液冷媒導入管(34)を通じて液冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入する。このように液冷媒を導入すると、圧縮機(21)の吸入冷媒温度が低下してその吐出冷媒温度も低下するため、圧縮機(21)の破損を回避しつつ運転を継続できる。
【0093】
また、圧縮機(21)の吸入冷媒圧力が過度に低下した場合、あるいは圧縮機(21)の吸入冷媒が湿り状態となった場合において、コントローラ(80)は、第4膨張弁(E4)を開き、ガス冷媒導入管(35)を通じて圧縮機(21)の吐出冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入する。このように吐出冷媒を導入すると、圧縮機(21)の吸入冷媒圧力が上昇し、その吸入冷媒の湿り度も低下するため、圧縮機(21)の破損を回避しつつ運転を継続できる。
【0094】
一方、上述したように、上記チリングユニット(10)は、半導体の生産設備にブラインを供給するものである。そして、この利用側の特性上、チリングユニット(10)においては、冷却負荷のある状態と冷却負荷のない状態とが、比較的短い時間間隔で交互に繰り返される。このため、例え冷却負荷が無くなった状態であっても、次に冷却負荷が生じる場合に備えて、圧縮機(21)の運転を継続させる必要がある。ところが、冷却負荷のない状態では、第1蒸発器(23)や第2蒸発器(24)においてブラインを冷却する必要がなくなる。このため、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)が全閉されてしまい、このままでは圧縮機(21)の運転を継続できなくなる。
【0095】
そこで、上記コントローラ(80)は、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)の両方が全閉された状態であっても、圧縮機(21)の運転を継続するための動作を行う。具体的に、コントローラ(80)は、第3膨張弁(E3)と第4膨張弁(E4)の開度調節を行う。第3膨張弁(E3)を開くと、凝縮器(22)で凝縮した冷媒が、液冷媒導入管(34)を通じて吸入ガス配管(33)に導入される。また、第4膨張弁(E4)を開くと、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒が、ガス冷媒導入管(35)を通じて吸入ガス配管(33)に導入される。そして、液冷媒導入管(34)を通じて送り込まれた冷媒と、ガス冷媒導入管(35)を通じて送り込まれた冷媒とは、共にアキュームレータ(25)へ流入し、その後に圧縮機(21)に吸入される。その際、コントローラ(80)は、液バックの問題が生じないように、第3膨張弁(E3)と第4膨張弁(E4)の開度をそれぞれ適当に調節する。以上の動作によって、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)が全閉されていても、圧縮機(21)の運転が可能となる。
【0096】
《ブラインの温度制御の詳細》
次に、本実施形態の特徴とする制御動作について説明する。上記コントローラ(80)は、第1回路(50)の第1ブラインと第2回路(60)の第2ブラインとを適温に調節するため、以下のような制御を行う。
【0097】
まず、第2回路(60)において第2ブラインを適温に制御するための制御について図2のフローチャートを参照して説明する。
【0098】
コントローラ(80)は、ステップST1において、冷凍能力(Q)に応じた圧縮機(21)の周波数(Hz)と、その周波数(Hz)に応じた第2膨張弁(E2)の開度を求めて、圧縮機(21)と第2膨張弁(E2)とを制御する。つまり、第5白金温度計(Pt5)で測定した第2蒸発器(24)の入口側でのブライン温度と第2設定温度(Set)との差(第2ブラインの冷却負荷)と、第2ブラインの流量(Fw)との関数として、必要な冷凍能力(Q)を求め(Q=f(Pt5−Set,Fw))、その能力(Q)に見合った容量が得られるように圧縮機(21)の運転周波数(Hz)を算出する(Hz=f(Q))。また、この周波数(Hz)に合わせて第2膨張弁(E2)の開度を制御する(E2=f(Hz))。つまり、感温式膨張弁では、蒸発器(24)の負荷の変化に合わせて過熱度を所定の値にするように冷媒の流入量が調整されるため、圧縮機(21)の周波数の変化に若干遅れて開度が調整されるが、この実施形態では電子膨張弁(E2)を用いて圧縮機(21)の周波数の変化と同時に開度を調整するようにしている。なお、第2ブラインの流量(Fw)は、第4圧力センサ(P4)の圧力と、第2ブラインポンプ(64)の運転周波数とから求められるが、流量計を設けてもよい。
【0099】
次に、ステップST2において、第2膨張弁(E2)を制御して能力の微調整を行う。つまり、第2蒸発器(24)の出口側のブライン温度(Pt7)を第2設定温度(Set)に近づけるように膨張弁(E2)を制御する(E2=f(Pt7−Set))。
【0100】
以上の制御を行って能力が過剰になっているときには、圧縮機(21)の周波数(Hz)を垂下させる。具体的には、蒸発器出口の冷媒が湿り状態でなく、蒸発器(24)を最適な状態で使用していないのに、第2ブラインが十分に冷却されているときである。このとき、ステップST3で、第2蒸発器(24)において冷媒の過熱度(SH)が所定値(具体的には7℃)以上であり、かつ、第2回路(60)において蒸発器(24)の出口側のブラインの温度(Pt7)が第2設定温度(Set)よりも低いかどうかを判別することで、能力が過剰かどうかを検出する。そして、判別結果が「Yes」である時に能力が過剰であると判断し、ステップST4で圧縮機(21)の周波数(Hz)を垂下させ、圧縮機(21)の容量を小さくする制御を行う。
【0101】
逆に能力が不足しているときは、圧縮機(21)の周波数(Hz)を上昇させる。具体的には、蒸発器出口の冷媒が湿り状態で、蒸発器を最適または好ましい状態で使用しているのに、第2ブラインが十分に冷却されていないときである。このとき、ステップST5で、第2蒸発器(24)において冷媒の過熱度(SH)が所定値(具体的には0℃)以下であり、かつ、第2回路(60)において蒸発器(24)の出口側のブラインの温度(Pt7)が第2設定温度(Set)よりも高いかどうかを判別することで、能力が不足しているかどうかを検出する。そして、判別結果が「Yes」であるときに能力が不足していると判断し、ステップST6で圧縮機(21)の周波数(Hz)を上昇させて圧縮機(21)の容量を増やす制御を行う。
【0102】
また、ステップST7では、第7白金温度計の測定値(Pt7)と第2設定温度(Set)との差に基づいて、図2ではH2と表している第2ヒータ(62)を制御する。このことにより、能力の微調整や、ブラインが設定温度よりも低温に冷却されたときの温度調整を行う。
【0103】
そして、以上のステップST1からステップST7の動作を常時行うことにより、第2ブラインを第2設定温度に維持するようにしている。
【0104】
次に、第1回路(50)において第1ブラインを適温に制御するための制御について図3,図4のフローチャートを参照して説明する。
【0105】
まず、第1回路(50)のみで第1ブラインを循環させる状態で、冷媒回路(20)により第1ブラインの温度を調節する場合の制御について図3を用いて説明する。ステップST11では、冷凍能力(Q)に応じた圧縮機(21)の周波数(Hz)と、その周波数(Hz)に合わせた第1膨張弁(E1)の開度とを求め、圧縮機(21)と第1膨張弁(E1)とを制御する。つまり、第2白金温度計(Pt2)で測定した第1蒸発器(23)の入口側でのブライン温度と第1設定温度(Set)との差(第1ブラインの冷却負荷)と、第1ブラインの流量(Fw)との関数として、必要な冷凍能力(Q)を求め(Q=f(Pt2−Set,Fw))、その能力(Q)に見合った圧縮機の周波数(Hz)を算出する(Hz=f(Q))。また、圧縮機(21)の周波数(Hz)に応じた第1膨張弁(E1)の開度を求め、第1膨張弁(E1)をその開度に設定する。この場合も、感温式膨張弁では蒸発器(23)の負荷の変化に合わせて過熱度を所定の値にするように冷媒の流入量が調整されるため、圧縮機(21)の周波数の変化に若干遅れて開度が調整されるが、この実施形態では電子膨張弁(E1)を用いて圧縮機(21)の周波数の変化と同時に開度を調整するようにしている。また、第1ブラインの流量(Fw)は、第3圧力センサ(P3)の圧力と、第1ブラインポンプ(54)の運転周波数とから求められるが、流量計を設けてもよい。
【0106】
次にステップST12において、第1膨張弁(E1)を制御して能力の微調整を行う。つまり、第1蒸発器(23)の出口側のブライン温度(Pt4)を第1設定温度(Set)に近づけるように第1膨張弁(E1)を制御する(E1=f(Pt4−Set))。
【0107】
以上の制御を行って能力が過剰になっているときには、圧縮機(21)の周波数(Hz)を垂下させる。具体的には、蒸発器出口の冷媒が湿り状態でなく、蒸発器(23)を最適な状態で使用していないのに、第1ブラインが十分に冷却されているときである。このとき、ステップST13で、第1蒸発器(23)において冷媒の過熱度(SH)が所定値(具体的には7℃)以上であり、かつ、第1回路(50)において蒸発器(23)の出口側のブラインの温度(Pt4)が第1設定温度(Set)よりも低いかどうかを判別することで、能力が過剰かどうかを検出する。そして、判別結果が「Yes」である時に能力が過剰であると判断し、ステップST14で圧縮機(21)の周波数(Hz)を垂下させ、圧縮機(21)の容量を小さくする制御を行う。
【0108】
逆に能力が不足しているときは、圧縮機(21)の周波数(Hz)を上昇させる。具体的には、蒸発器出口の冷媒が湿り状態で、蒸発器を最適または好ましい状態で使用しているのに、第1ブラインが十分に冷却されていないときである。このとき、ステップST15で、第1蒸発器(23)において冷媒の過熱度(SH)が所定値(具体的には0℃)以下であり、かつ、第1回路(50)において蒸発器(23)の出口側のブラインの温度(Pt4)が第1設定温度(Set)よりも高いかどうかを判別することで、能力が不足しているかどうかを検出する。そして、判別結果が「Yes」であるときに能力が不足していると判断し、ステップST16で圧縮機(21)の周波数(Hz)を上昇させて圧縮機(21)の容量を増やす制御を行う。
【0109】
また、ステップST17では、第4白金温度計の測定値(Pt4)と第1設定温度(Set)との差に基づいて、図3ではH1と表示している第1ヒータ(52)を制御する。このことにより、能力の微調整や、ブラインが設定温度よりも低温に冷却されたときの温度調整を行う。
【0110】
そして、以上のステップST11からステップST17の動作を常時行うことにより、第1ブラインを第2設定温度に維持する。
【0111】
第1回路(50)の第1ブラインについては、第1蒸発器(23)の1次側流路(23a)に冷媒回路(20)の冷媒を流しているかどうかに関わらず、冷却水回路(40)における冷却水の流量を制御することで温度を調整することができる。この場合の制御を図4に示している。
【0112】
このフローチャートのステップST21では、冷凍能力(Q)に応じた冷却水の水量を求め、冷却水回路(40)の第1電動弁(S1)を制御する。つまり、第1白金温度計(Pt1)で測定した冷却熱交換器(41)の入口側でのブライン温度と第1設定温度(Set)との差(第1ブラインの冷却負荷)と、第1ブラインの流量(Fw)とに基づいて、必要な冷凍能力(Q)を求め(Q=f(Pt1−Set,Fw))、その能力(Q)に見合った冷却水の水量を算出する(S1=f(Q))。
【0113】
また、冷却水回路(40)と同時に冷媒回路(20)も利用している場合には、ステップST22で、第1膨張弁(E1)を制御して能力の微調整を行う。つまり、第1蒸発器(23)の出口側のブライン温度(Pt4)を設定温度(Set)に近づけるように、圧縮機(21)の周波数に応じた第1膨張弁(E1)の開度を求め、第1膨張弁(E1)を制御する(E1=f(Pt4−Set))。
【0114】
さらに、ステップST23では、第4白金温度計の測定値(Pt4)と第1設定温度(Set)との差に基づいて、第1ヒータ(52)を制御する。このことにより、能力の微調整や、ブラインが設定温度よりも低温に冷却されたときの温度調整を行う。
【0115】
なお、図4のフローチャートの制御は、第1回路(50)と共に第2回路(60)でもブラインを冷却する状態を想定しており、圧縮機(21)の運転周波数は調整しないようにしている。これは、圧縮機(21)の周波数を調整すると低温側である第2回路(60)で第2ブラインの温度が変化することが考えられるためであり、圧縮機(21)は主として低温側の第2回路(60)において第2ブラインの温度制御をするために用いながら、高温側の第1回路(50)では補助的に用いるようにしたものである。
【0116】
《その他の動作》
上記チリングユニット(10)の点検や修理の際には、第1回路(50)や第2回路(60)からブラインを抜き取らなければならない場合もある。このような場合には、窒素導入管(77)を通じて第1,第2回路(50,60)に窒素ガスを導入し、ブラインを第1,第2タンク(53,63)に回収する動作を行う。なお、ここでは、この動作について第1回路(50)の場合を例に説明するが、第2回路(60)についても同様である。
【0117】
接続ポート(78)に窒素ボンベを接続し、開閉弁(79)を開く。続いて第1電磁弁(SV1)を開放すると、窒素ボンベから第1回路(50)へ窒素ガスが送り込まれる。この時、窒素ガスは、第1回路(50)の送出管(55)における第1逆止弁(CV1)の下流に導入される。このため、第1回路(50)における第1ブラインの循環方向に沿って、この第1逆止弁(CV1)から第1ヒータ(52)に至るまでの間の第1ブラインは、導入された窒素ガスによって押し流されて第1タンク(53)に回収される。そして、第1タンク(53)のドレン弁(72)を開き、第1タンク(53)から第1ブラインを排出することによって、第1回路(50)からほぼ完全に第1ブラインが抜き取られる。
【0118】
このように、本実施形態では、第1,第2回路(50,60)からのブラインの抜き取りを容易に且つ確実に行うことができる。このため、チリングユニット(10)の保守作業に要する工数を抑えられる。また、第1,第2タンク(53,63)からブラインを抜き出すことができるため、抜き出したブライン(フロリナート)を再使用することも可能となる。
【0119】
−実施形態の効果−
本実施形態では、高温側の第1回路(50)と低温側の第2回路(60)のいずれも、ブラインの温度を監視しながら冷却負荷に基づいて必要な冷凍能力(Q)を算出し、その冷凍能力(Q)が得られるように冷媒回路(20)や冷却水回路(40)を制御している。したがって、ブラインの温度を常に設定温度に維持することができる。
【0120】
ここで、急激な負荷変動があった場合などには、制御が追従できず、第1ヒータ(52)の出口における第1ブラインの温度が第1設定温度から若干ずれてしまう場合も想定される。これに対し、本実施形態に係る第1回路(50)では、第1設定温度となった第1ブラインを一旦第1タンク(53)に貯留し、その後に利用側へ送るようにしている。従って、第1タンク(53)に流入する第1ブラインの温度が一時的に第1設定温度でなくなったとしても、第1タンク(53)から利用側へ送られる第1ブラインの温度は、ほとんど変動することなく第1設定温度に保たれる。この点は、第2回路(60)についても同様である。したがって、このことによっても、利用側へ供給するブラインの温度を確実に設定温度に保持することが可能となる。
【0121】
また、本実施形態では、インバータの出力周波数を変更することによって、圧縮機(21)の容量を変更している。ここで、従来、この種のチリングユニット(10)では、圧縮機(21)の吐出ガスをそのまま吸入側へ戻す、いわゆるホットガスバイパスによって圧縮機(21)の容量を調節していた。このため、圧縮機(21)の容量は変更されても圧縮機(21)の消費電力は低下せず、エネルギ効率の点で問題があった。これに対し、本実施形態のようにインバータにより圧縮機(21)の容量を調節すれば、圧縮機(21)の容量を小さくすることで消費電力も低下するため、省エネルギ性に優れたチリングユニット(10)を実現できる。
【0122】
また、本実施形態では、第1回路(50)に冷却熱交換器(41)を接続し、冷却水との熱交換によっても第1ブラインを冷却するようにしている。従って、冷凍サイクルにより得られた冷熱のみを用いて第1ブラインを冷却する場合に比べ、第1ブラインの冷却に要するエネルギを大幅に低減できる。このため、チリングユニット(10)の運転に要するエネルギを削減でき、チリングユニット(10)の消費電力を低減できる。
【0123】
また、本実施形態では、従来の装置における次のような問題も解消できる。この問題点について、第1回路(50)における第1設定温度が30℃程度であり、第2回路(60)における第2設定温度が−5℃程度である場合を例に説明する。
【0124】
この場合、第2ブラインを第2設定温度とするためには、1年を通じて冷媒回路(20)における冷凍サイクルを行う必要がある。一方、第1ブラインの冷却については、夏期を除けば、冷却塔などで冷却した冷却水により行うことも可能である。このように冷却水を利用すれば、第1ブラインの冷却に要するエネルギを削減できる。しかしながら、夏期においては、冷却水のみによる冷却では、第1ブラインを第1設定温度とすることができない。このため、従来の冷凍装置では、夏期における第1ブラインの冷却だけのために専用の冷媒回路(20)を設ける必要があった。つまり、1年を通じて運転される第2ブライン用の冷媒回路に加え、1年のうち夏期だけに運転される第1ブライン用の冷媒回路をも設けなければならなかった。
【0125】
これに対し、上記実施形態では、1つの冷媒回路(20)での冷凍サイクルによって第1ブラインと第2ブラインの両方を冷却し、更には第1ブラインを冷却水によっても冷却する構成としている。従って、上記の場合において、夏期以外には冷却水のみで第1ブラインを冷却する一方、夏期には冷媒回路(20)で循環する冷媒をも用いて第1ブラインの冷却できる。このため、冷媒回路(20)を1つだけとして構成の簡素化を図りつつ、冷却水を利用することによって、第1ブラインの冷却に要するエネルギを削減できる。
【0126】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態では、冷媒回路(20)に2系統の利用側回路(50,60)を接続しているが、各利用側回路(50,60)は冷却系統が互いに独立していてもよい。その場合でも、冷却水回路(40)をメインとして冷媒回路(20)を補助的に用いる高温側の利用側回路(第1回路)(50)では、冷却負荷に応じて冷却水の流量を調整することによりブラインの温度を適温に維持でき、冷媒回路(20)をブラインの冷却に用いる低温側の利用側回路(第2回路)(60)では、冷却負荷に応じて圧縮機(21)の容量を調整することによりブラインの温度を適温に維持できる。
【0127】
また、上記実施形態では、第1,第2ブラインとしてフロリナートを用いているが、これ以外の物質をブラインとして用いることも可能である。
【0128】
また、上記実施形態では、スクロール型の圧縮機(21)を用いているが、容量可変の圧縮機であれば、その他の形式の圧縮機、例えばローリングピストン型の圧縮機を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係るチリングユニットの全体構成を示す配管系統図である。
【図2】 第2回路のブライン温度制御を示すフローチャートである。
【図3】 第1回路のブライン温度制御を示すフローチャートである。
【図4】 第1回路の他のブライン温度制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
(20) 冷媒回路
(21) 圧縮機
(22) 凝縮器
(23) 第1蒸発器(蒸発器)
(24) 第2蒸発器(蒸発器)
(40) 冷却水回路
(41) 冷却熱交換器
(50) 第1回路(利用側回路)
(52) 第1ヒータ(加熱手段)
(60) 第2回路(利用側回路)
(62) 第2ヒータ(加熱手段)
(80) コントローラ(制御手段)
(E1) 第1膨張弁(膨張機構)
(E2) 第2膨張弁(膨張機構)

Claims (4)

  1. 圧縮機( 21 )、凝縮器( 22 )、膨張機構( E1 )、及び蒸発器( 23 )を有して冷媒が循環する冷媒回路( 20 )と、冷却水が循環する冷却水回路( 40 )と、上記蒸発器( 23 )に接続されて熱媒体が循環する利用側回路( 50 )と、冷却水回路( 40 )と利用側回路( 50 )とを蒸発器( 23 )の上流側で接続する冷却熱交換器( 41 )とを備えた冷凍装置であって、
    上記熱媒体の冷却負荷と流量とから求められる冷凍能力に応じて冷却水量を制御するとともに、冷媒回路( 20 )を駆動し、かつ熱媒体の温度が蒸発器( 23 )の出口側で設定温度となるように冷媒回路( 20 )の膨張機構( E1 )を制御する制御手段( 80 )を備えている冷凍装置。
  2. 利用側回路( 50 )は、該利用側回路( 50 )の熱媒体を加熱する加熱手段( 52 )を備え、
    制御手段( 80 )は、蒸発器( 23 )の出口側の熱媒体の温度が設定温度よりも低いときに加熱手段( 52 )による熱媒体の加熱を行う請求項1記載の冷凍装置。
  3. 上記圧縮機( 21 )は容量可変に構成され、
    制御手段( 80 )は、熱媒体の冷却負荷と流量とから求められる冷凍能力に応じて圧縮機( 21 )の容量を補助的に制御する請求項1または2記載の冷凍装置。
  4. 冷媒回路( 20 )は、互いに並列に接続された第1蒸発器( 23 )と第2蒸発器( 24 )とを有し、利用側回路( 50 60 )は、第1蒸発器( 23 )と冷却熱交換器( 41 )とに接続された第1回路( 50 )と第2蒸発器( 24 )に接続された第2回路( 60 )とからなり、
    制御手段( 80 )は、第1回路( 50 )の熱媒体を第2回路( 60 )の熱媒体よりも高い第1設定温度に制御する請求項1ないし3の何れか1記載の冷凍装置。
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