JP3652482B2 - 炊飯方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は炊飯方法及び炊飯装置、特に、炊飯加熱の制御の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の炊飯方法による各炊飯工程は、図1の破線で示すグラフaのように、予備加熱工程(A) 、その後の本炊き工程(B) 、及び、むらし工程(C) からなる。
前記予備加熱工程(A) は、米の含水率を高める為の含水工程であり、45℃程度に加熱した水に30分〜60分程度浸漬すると、米の含水率が25パーセント前後に引き上げられる。
【0003】
この後、米をα化するためのα化加熱工程が必要となり、このためには少なくとも98℃を20分程度維持するようにしている。このため、前記本炊き工程(B) で、炊飯釜内を沸騰温度に加熱した後この状態を維持し、温度センサによって検知される前記炊飯釜の温度が設定温度になると加熱を停止する。この後、前記むらし工程(C) により非加熱状態又は弱加熱状態を一定時間維持し、この本炊き工程(B) とむらし工程(C) とによって確保された98℃以上の維持時間が20分を越えた時点で炊飯完了を報知している。
【0004】
この従来のものでは、以上の3つの工程夫々が適正に実行されることにより、含水工程とα化加熱工程とがこの順序で確実に実行されることから、含水率が適度で且確実にα化された米飯が炊き上がる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来のものでは、前記予備加熱工程(A) から始まる炊飯工程全体の所要時間が比較的長い。前記予備加熱工程(A) の加熱温度を高めることにより若干前記予備加熱工程(A) の所要時間が短縮できるが、それでも、むらし工程(C) が終了するまでの所要時間は約60分程度必要であった。
【0006】
尚、上記炊飯では、米の含水率を高める含水工程に於いては炊飯釜内を45℃程度に加熱する予備加熱工程(A)を実行するようにしているが、前記炊飯釜を加熱することなく米を常温水に一定時間浸漬した状態に放置し、その後、器具使用者の炊飯操作によって本炊き工程(B)から炊飯動作を開始する炊飯器もある。ところが、かかるものでは、米への含水が完了するまでに長時間を要し、上記炊飯の所要時間が一層長くなる。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、洗米直後に炊飯する場合であっても、炊飯所要時間を短縮できるようにすることをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた請求項1に係る発明の炊飯方法の技術的手段は
『含水工程とα化加熱工程を連続させることにより炊飯する方法において、
通常炊飯時に利用される通常水量目盛りより高水位を表示する速炊き用の水量目盛りが内周面に設けられた米収容用の炊飯釜(20)を用いて炊飯し、
前記含水工程終了前に前記α化加熱工程を開始する』こと(請求項1参照)である。(図1−b参照)
この方法による炊飯では、通常炊飯時に利用される通常水量目盛りより高水位を表示する速炊き用の水量目盛りを利用して炊飯時の水加減を設定する。そして、炊飯動作が始まると、含水工程開始後、所定の時間経過した時点から始まるα化加熱工程中に含水作用が継続される。つまり、含水作用が生じているときにα化作用が同時進行する(図1のグラフbの「X」の領域)とも言える。
【0009】
なお、炊飯の全工程は、上記した予備加熱工程(A) 、本炊き工程(B) 、及び、むらし工程(C) からなる場合、又は、実質的には前記本炊き工程(B) 及びむらし工程(C) の工程のみからなる場合を含む。後者の場合には実質的な前記本炊き工程(B) によって含水工程が開始される。
前記方法において『前記α化加熱工程は、被加熱部を水の沸騰温度から当該温度よりも高い温度にまで加熱するための本炊き工程(B) 及びその後に続くむらし工程(C) を具備するものとし、前記本炊き工程(B) の途中の時点からむらし工程(C) に移行する時点までの温度を前記沸騰温度以上に維持する』こと(請求項2参照)とすれば、水の沸騰温度に維持された状態で本炊き工程(B) が終了する場合に比べるとα化作用が向上した。
【0010】
前記方法において、『含水工程の開始直後に、α化加熱工程を維持する温度よりも低いがこれに近似する温度に維持するための温調工程を具備する予備加熱工程(A) を短時間実行した後、α化加熱工程を実行する』もの(請求項3参照)とした場合には、前記温調工程(図1のグラフbの「Y」の領域)の実行により、含水作用が円滑に開始され、米の内部まで確実に含水する。
【0015】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、含水作用が生じているときにα化作用が同時進行するから、含水率が十分でしかもα化が十分な米飯の炊飯所要時間が短縮できる。
また、請求項2によって特定されるものでは、前記効果に加えて、水の沸騰温度に維持された状態で本炊き工程(B)が終了する場合に比べるとα化作用が向上し、短時間で炊飯完了させたとしても炊き上がりが向上する、との効果が付加される。
【0016】
請求項3によって特定されるものでは、上記に加えて、含水作用が円滑に開始され、米の内部まで確実に含水するからふっくらした炊き上がりが得られる、との効果を有するものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を、図示例と共に説明する。
この例の炊飯装置は、ガス火力によって炊飯し電熱によって保温するようにしたガス炊飯器であり、図1の破線で示すグラフaの通常炊飯工程と、グラフbで示す高速炊飯の工程とを選択的に実行できるようにしている。
【0019】
この炊飯器の全体構成は図2、図3に示すように構成される。
この構成を以下に詳述する。
[装置本体の全体構造]
本体ケース(2) は全体として直方体状であり、炊飯釜(20)を収容するための内胴(30)を有する加熱室(3) と、バルブ装置(11)及び制御装置(CP)を内蔵する制御室(1) とに区画されており、前記内胴(30)の底部(31)にはバーナ(4) のバーナトップ(41)が露出し、前記内胴(30)の上方の開放部周縁により前記炊飯釜(20)の上端のフランジ部(21)が支持されている。この炊飯釜(20)には中蓋(24)が被蓋され、さらに、その外側には、前記炊飯釜(20)及び内胴(30)の上方域を覆うように外蓋(23)が開閉自在に設けられている。
【0020】
前記バーナ(4) の主体部は、前記加熱室(3) の底部(31)の下方の空間に収容され、前記バーナトップ(41)は前記底部(31)の中央の開口から内胴(30)の下部に突出する。前記バーナ(4) へは前記制御室(1) 内のバルブ装置(11)を介してガス供給され、燃焼用の空気も同様に前記制御室(1) 内に導入された後連通孔(13)(13)を介して前記加熱室(3) の底部(31)の下方の前記空間に供給されるようになっている。
【0021】
前記底部(31)の下方で前記バーナトップ(41)と前記主体部とつなぐ筒部(40)の外周にはコードヒータ(43)がドーナツ状の支持板(42)に取付けられる態様で設けられている。
前記コードヒータ(43)の配設域はドーナツ状に設定され、その内周端は、前記底部(31)の中央の開口に略一致し、外周端は前記内胴(30)の胴部よりも外側に位置するように設定されている。
【0022】
前記バーナ(4) はブンゼンバーナで一次空気と前記筒部(40)の外周の環状空隙から供給される二次空気とによって燃焼し、その燃焼排気は、図2及び3に示すように、内胴(30)と炊飯釜(20)との間の間隙(22)を上昇して、前記フランジ部(21)の下方から外部に排出されるようになっている。この例では、前記フランジ部(21)の上方域を被覆するように設けられ且加熱室(3) の上方に位置する外蓋(23)は、本体ケース(2) の側壁にて軸支される。また、この外蓋(23)は制御室(1) の上方に設けられる操作パネル(10)側から開閉できると共に、閉じた状態では前記操作パネル(10)側に設けられた係脱自在のロック機構(R) によって当該状態にロックされるようになっており、前記内胴(30)の上端部で、前記外蓋(23)の開閉の支点部と前記ロック装置(R) の設置部を除く側方域に一致する部分に前記排気口(33)(33)が形成され、これら排気口(33)(33)の外側は本体ケース(2) の上端部に設けた共通の開口(300) に臨んでいる。
【0023】
[火力調節]
また前記バーナ(4) の燃焼ガス量を調節できるようになっており、前記バルブ装置(11)に内蔵されたガス量調節器(図示せず)の操作つまみ(12)が本体ケース(2) の胴部の長孔(121) から突出している。この操作つまみ(12)の突出部の前記本体ケース(2) の表面には、炊飯米量に対応させたガス量調節用の火力目盛り(14)が付されている。この火力目盛り(14)の各数値(1、3、5、7)は炊飯米量に相当し、この場合の数値は、専用のカップで投入するカップ数である。例えば、前記3は3カップの米量を通常炊飯工程によって炊飯する場合の火力位置を示す。
【0024】
[水量目盛り]
また、前記操作つまみ(12)を目盛り「1」に合わせた時は、1カップの米量を炊飯する場合であり、この場合の火力を、通常炊飯と高速炊飯が可能となるように設定してある。又、後述するように操作つまみ(12)を「速炊き」の表示に合わせた場合でも、上記高速炊飯ができるようになっている。
【0025】
炊飯釜(20)の内周面には水量目盛りが刻設されており、この例では、図8に示す通常炊飯目盛り線(201) と「1〜7.8」の表示及び「通常(カップ)」の表示、高速炊飯に適合させた速炊き用の目盛り線(202) と「1、2、3」の表示及び「速炊き(カップ)」の表示が付されている。前記目盛り線(202) は通常炊飯目盛り線(201) よりも高く設定されており、この例では、1カップの米量(1合:約180ミリリットル)に対応する前記目盛り線(202) の「1」によって設定される水量比は「2.2〜2.4」程度に設定され通常炊飯の場合の水量比(1.2〜1.8程度)よりも大幅に大きく設定されている。又、2カップ及び3カップの米量に対応する速炊き用目盛り線(202) の「2」,「3」の表示によって設定される水量比も上記と同様の値である。
【0026】
[感熱構造]
この例の炊飯器では炊飯釜(20)の温度を検知する為の検知センサ(S) として、熱電対式の感熱素子が採用されている。この検知センサ(S) は、図4に示すように、本体ケース(2) の加熱室(3) 側の上端面となる上端フランジ部(35)に設けられ、その感熱部が前記上端面部に露出している。従って、内胴(30)内に炊飯釜(20)を収容して前記上端フランジ部(35)により前記フランジ部(21)を支持した状態では、前記フランジ部(21)と前記検知センサ(S) の感熱部とが接触して、フランジ部(21)の部分の温度を検知する。
【0027】
この例では、排気口(33)よりも上方の前記上端フランジ部(35)に内蔵されているから、前記間隙(22)を通過した燃焼排気が前記検知センサ(S) を加熱する心配がない。
この検知センサ(S) の信号は後述する制御用フローチャートを実行するように構成した制御装置(CP)に入力されている。
【0028】
なお、前記検知センサ(S) は、詳細には、図5のように、内胴(30)の上端フランジ部(35)に対して上方に突出するようにバネにより付勢された状態で取付けられており、炊飯釜(20)のフランジ部(21)を前記上端フランジ部(35)によって支持させた状態にすると前記バネの付勢力により前記検知センサ(S) の上端がフランジ部(21)の下面に確実に圧接される。
【0029】
[制御装置(CP)及びこれにより炊飯動作について]
制御装置(CP)としては所謂マイコンが採用されて、図9に示すフローチャートに基づいた制御プログラムを実行するように構成されている。
この制御装置(CP)の構成と、この実施の形態の炊飯装置による高速炊飯の実際とを、同図に基づいて以下に説明する。
【0030】
高速炊飯とするには、図8の目盛り線(202) に合わせて水量を設定する。この水量目盛りは通常炊飯の場合の通常炊飯目盛り線(201) よりも大きな水量比に設定されている。
この状態で、操作つまみ(12)を図7の火力目盛り(14)の速炊きの表示に合わせて、前記高速炊飯が可能な火力に設定する。なお、この例では、前記火力目盛り(14)の1〜3の目盛りに対応する火力は1カップ米量〜3カップ米量までの通常炊飯と高速炊飯とが共に可能な火力に設定されている。従って、操作つまみ(12)を1カップ米量〜3カップ米量の炊飯に対応する火力目盛り(14)の1〜3の数値に合わせた場合でも高速炊飯をすることができる。そして、前記高速炊飯に設定された場合には、図9のフローチャートが実行される構成である。
【0031】
なお、4カップ米量〜7.8カップ米量の範囲では高速炊飯ができないが、通常炊飯が可能な構成であり、この通常炊飯の為の制御のフローチャートは図12〜図14に示しており、当該通常炊飯の制御内容は後述する。
[高速炊飯の実際]
上記のように炊飯米量及び水量比が設定されて、高速炊飯が開始されると、制御装置(CP)の制御動作により次の動作が実行され、炊飯釜の温度変化は、該温度変化を分かりやすく表した図1のグラフb(概略グラフ)に示す如きものとなる。
【0032】
先ず、ステップ(ST01)で強制強燃焼が開始され、この後、この状態が2分間継続される。前記2分が経過するとこれがステップ(ST02)によって判断されて、ステップ(ST03)に移行して80℃(既述のα化加熱工程を維持する温度よりも低いがこれに近似する温度に相当する)に温度設定された温調燃焼が2分間継続する(図1に於けるグラフbの「Y」の温調工程)。この温調燃焼は、バルブ装置(11)からバーナ(4) への回路に挿入したガス量調節装置(図示せず)と、上記検知センサ(S) との共動によって維持されるものである。ステップ(ST04)によって前記2分間が経過したと判定されると、再度強制強燃焼(ステップ(ST05))に移行する。
【0033】
これが3分継続されたあと、この3分が経過したことがステップ(ST06)によって判定されると、強燃焼状態にセット(ステップ(ST07))されて検知センサ(S)の検知温度が100℃になったかどうかを監視する(ステップ(ST08))。前記設定温度になると再度強制強燃焼状態に復帰され、この状態が1分間継続するとステップ(ST09)によりこれが判定され、弱燃焼状態にセット(ステップ(ST10))される。
【0034】
尚、検知センサ(S) の検知温度が上記100℃より若干低い温度(約98℃)になった時点(ステップ(ST08)の制御を実行している途中)では未だ米への含水は完了していない。従って、この時点から暫くの間は、米への含水作用と米のα化作用が同時進行する。即ち、本実施の形態によれば、含水工程終了前にα化加熱工程が開始するのである。
【0035】
この後、前記弱燃焼状態で検知センサ(S)の温度がステップ(ST11)により監視され、検知センサ(S)の検知温度が108℃になると強制強燃焼に切り替えられる。尚、図1の想像線で示すグラフdのように、検知センサ(S)の検知温度が、所定時間だけ上記108℃に維持されるようにバーナ(4)の動作を制御してもよい。係る場合は、米が沸騰温度に対応する上記100℃以上の温度に維持される時間が長くなり、米のα化が一層促進される。
【0036】
この後、この強燃焼状態にセットされてステップ(ST12)により検知センサ(S)の温度が消火温度になったどうかを監視する。検知センサ(S)の検知温度が前記消火温度になると減算7分タイマーが「オン」にセットされ(ステップ(ST13))た後、バーナ(4)が消火される。
この後コードヒータ(43)が「オン」となり(ステップ(ST14))このヒータによりむらし工程(C)が開始される。
【0037】
このコードヒータ(43)の熱量は予め所定の値に設定されており、前記むらし工程(C) のための加熱と、保温時の加熱に適する熱量に設定されている。そして、前記コードヒータ(43)からの熱は、一部がそのまま対流して炊飯釜(20)を加熱すると共に内胴(30)を加熱する。そして、前記内胴(30)からの放熱によっても前記炊飯釜(20)が加熱される。
【0038】
以上のようにコードヒータ(43)の熱によりむらし加熱が7分継続すると、このことがステップ(ST15)によって判定されてブザー等により炊飯完了を音によって報知した後炊飯動作が停止される。
1カップ米量について、以上の高速炊飯を実行した場合、「強燃焼状態にセット(ステップ(ST07))されてから検知センサ(S) の検知温度が100℃になったと判定される(ステップ(ST08))までの所要時間」と「弱燃焼状態にセット(ステップ(ST10))されてからステップ(ST11)により検知センサ(S) の検知温度が108℃になったと判定されるまでの所要時間」の和は、3分程度であった。又、検知センサ(S) の検知温度が108℃になってから消火温度になるまでのステップ(ST12)の所要時間は約2分であった。従って、上記高速炊飯による炊飯によれば、炊飯開始から約20分で炊飯が完了し、従来の炊飯所要時間に比べて大幅に短縮された。
【0039】
1カップ米量について、以上の制御動作を実行させると、炊飯釜(20)の底部中央の温度:1、釜炊飯釜(20)内の米飯の温度:3、検知センサ(S)の検知温度:2、及び、検知センサ(S)の取付け部の温度:4は、図10のように変化する。従来の炊飯装置では、前記「1」の温度に基づいて上記制御を実行していたが、この例では、前記検知センサ(S)の検知温度「2」に基づいて各制御動作を行っている。米飯のこげを防止することから、ステップ(ST12)によるバーナ(4)の消火タイミングは、前記「1」の温度のピーク値(145〜150℃)に達した時点と一致させるべきであるが、この例では、検知センサ(S)がフランジ部(21)の温度を検知して、この「2」の温度が「1」の温度の前記ピーク値と一致した時点(P点)の温度(約115℃)を消火温度に設定している。
【0040】
なお、上記検知センサ(S)の検知温度は、従来の「1」の温度の場合よりも、「3」の温度にごく近似した傾向を示す点で特徴がある。しかも、前記「1」の温度のピーク値に一致する温度も検知できるから、1つの検知センサ(S)の検知温度により正確な制御が可能である。
尚、上記実施の形態では炊飯開始初期に予備加熱工程(A)を実行するようにしているが、図11に示すように、炊飯開始後、直ちに本炊き工程(B)を実行させるようにしてもよい。この場合、炊飯釜内の温度が100℃に昇温するまでの時間が短いことから、該100℃に昇温した時点ではいまだ米への含水は完了していない。従って、炊飯釜内が100℃に昇温してから暫くの間は米の含水作用とα化作用が同時進行する。
【0041】
[通常炊飯の実際]
次に、通常炊飯の動作について説明する。
図12は、図2のガス炊飯器の制御を示した第1のフローチャートであり、図13は、第2のフローチャートであり、図14は、第3のフローチャートであり、これらのフローチャートで示される制御を実行すると、炊飯米量によって多少相違するが、基本的には、図1のグラフa(概略グラフ)で示されるように炊飯釜の温度が変化する。
【0042】
図12を参照して、炊飯が開始されると、ステップ(ST101) において、強制弱燃焼が開始される。強制弱燃焼は、ステップ(ST102) で示されるように、1分間継続される。この1分間は、制御装置(CP)の図示していないタイマーによって計測され、制御信号がバルブ装置(11)に入力されることで実行される。そして、ステップ(ST103) で示されるように、1分経過後は消火される。
【0043】
なお、以下の経過時間の計測は、特に記載しない限り、ステップ(ST102) と同様に、タイマーによって行われる。
次に、ステップ(ST104) で示されるように消火状態が1分継続され、ステップ(ST105) に示されるように温調燃焼の設定が行われる。ここでの温調設定は45℃であり、45℃を保つような燃焼がステップ(ST106) に示すように2分間継続される。2分経過後は、ステップ(ST107) 以降で炊飯米量判別のためのステップが開始される。
【0044】
ステップ(ST107) は強制強燃焼のステップであり、ステップ(ST108) に示すように1分間継続され、所定の熱量が炊飯釜(20)に与えられる。ここでの火力は炊飯火力であり、大きな火力であるため、炊飯釜(20)の底の温度が炊飯釜(20)の上方の温度よりもかなり高温の状態になっている。即ち、炊飯釜(20)の内部は不均一で底に近いほど高温な温度分布になっている。この不均一な温度分布を均一化し、炊飯釜(20)内の平均化された温度を得るべく、ステップ(ST109) で強制弱燃焼が開始される。強制弱燃焼は、ステップ(ST110) に示すように2分間継続される。強制弱燃焼の火力は炊飯釜(20)内の温度を平均化するような火力であり、強制強燃焼の火力である炊飯火力の半分の火力が強制弱燃焼の火力となっている。その結果、ステップ(ST108) で与えられる熱量とステップ(ST110) で与えられる熱量とが等しくなるようなバーナ(4) の制御がバルブ装置(11)によって行われている。
【0045】
このような火力制御が行われることで、ステップ(ST108) の終了時点では炊飯釜(20)の上方と炊飯釜(20)の底の温度は大きく相違しているものの、ステップ(ST109) によって加熱が押えられて底の温度の上昇が押えられ、上方には特にステップ(ST108) で与えらた熱の伝達が行われ、ステップ(ST110) の終了時点で炊飯釜(20)内の温度分布が均一化した状態になっている。そのため、ステップ(ST110) 終了時の検知センサ(S) が測定する温度は、炊飯釜(20)内の平均化された温度に対応する炊飯釜(20)の温度である。
【0046】
そして、ステップ(ST111) で、測定された温度に基づき実際の炊飯米量の判定の所定の演算が行われる。演算が行われて炊飯米量の判別が行われた後は、ステップ(ST112) 以降に進み、炊飯米量に応じた炊飯制御が行われる。即ち、ステップ(ST112) で炊飯米量の大、中、小の分岐が行われ、炊飯米量が小の場合にはステップ(ST113) で弱燃焼が開始され、中の場合にはステップ(ST114) で強制強燃焼が開始され、大の場合にはステップ(ST117) で強燃焼が開始される。ステップ(ST113) の弱燃焼の場合、ステップ(ST117) の強燃焼の場合は、図13のステップ(ST118) で示されるように検知センサ(S) の検知温度(T1)が100℃になるまで弱燃焼、強燃焼が継続される。これに対し、ステップ(ST114) の強制強燃焼の場合には、ステップ(ST115) に示すように2分間継続された後に、ステップ(ST116) で弱燃焼に切換えられる。ステップ(ST116) で弱燃焼に切換えられた後は、ステップ(ST113) (ST117) と同様に、図13のステップ(ST118) で検知センサ(S) の検知温度(T1)が100℃になるまで弱燃焼が継続される。即ち、炊飯米量によって燃焼状態を変えて炊飯制御を変化させている。
【0047】
次に、ステップ(ST119) では、構成を図示していないが、カウントダウンタイマーが動作し始める。これは、検知センサ(S) の検知温度が100℃に達してから20分を経過した後に炊飯完了とするためである(ステップ(ST140) 参照)。ステップ(ST120) では、炊飯米量により分岐が再度行われ、炊飯米量によって燃焼状態を変えている。即ち、ステップ(ST121) に示すように炊飯米量が大の場合には強制強燃焼が開始され、ステップ(ST122) に示すように炊飯米量が中、小の場合には強制弱燃焼が開始される。ステップ(ST121) の強制強燃焼及びステップ(ST122) の強制弱燃焼の両者とも、ステップ(ST123) に示すように1分間継続され、その後ステップ(ST124) で弱燃焼になる。
【0048】
ステップ(ST124) の弱燃焼の処理は、ステップ(ST125) 及びステップ(ST126) の処理から分かるように、検知センサ(S) の検知温度 (T2) が108℃に達したか、または、108℃には達していないが3分間が継続されたかで、終了する。即ち、検知センサ(S) の検知温度 (T2) が108℃に達すると、ステップ(ST125) からステップ(ST130) に進み、3分間が経過してしまうとステップ(ST126) からステップ(ST127) に進む。ステップ(ST127) は、炊飯米量による分岐の処理であり、炊飯米量が小の場合はステップ(ST129) に進み、弱燃焼が継続され、炊飯米量が大、中の場合にはステップ(ST128) に進み、強燃焼に切り替えられる。尚、ステップ(ST127) で炊飯米量が大、中の場合に、強燃焼を行ったのは、ステップ(ST127) の段階では検知センサ(S) の検知温度が108℃に達していないので、弱燃焼から強燃焼に変えて早く温度を108℃に立ち上げるためである。
【0049】
そして、次のステップ(ST129) は、ステップ(ST125) と同じ処理であり、即ち、検知センサ(S) の検知温度 (T2) が108℃に達したか否かを判別する処理である。ステップ(ST129) で検知センサ(S) の検知温度 (T2) が108℃に達すると、ステップ(ST125) と同様に、ステップ(ST130) に進む。ステップ(ST130) は、炊飯米量による分岐の処理であり、炊飯米量が小の場合にはステップ(ST131) に進んで弱燃焼が行われ、炊飯米量が中、大の場合にはステップ(ST132) に進んで強燃焼が行われる。ステップ(ST131) の弱燃焼及びステップ(ST132) の強燃焼は、ステップ(ST133) で検知センサ(S) の検知温度(T3)が消火温度に達するまで継続される。
【0050】
このようにして、ステップ(ST133) で決定された消火温度に達したことを検知センサ(S) が検知すると、ステップ(ST134) でバルブ装置(11)がバーナ(4) のガス量を制御して完全な消火が行なわれ、以降、むらし工程(C) に移行する。
尚、ステップ(ST125) 及びステップ(ST129) とステップ(ST134) とで二段消火を行っているのは、焦げ目を付けておいしいご飯を炊くためである。
【0051】
図14を参照して、むらし工程(C) について簡単に説明する。
ステップ(ST135) で炊飯米量による分岐が行われ、炊飯米量が小の場合にはステップ(ST136) に進んで7分間のむらし時間が確保され、炊飯米量が中の場合にはステップ(ST137) に進んで5分間のむらし時間が確保され、炊飯米量が大の場合にはステップ(ST138) に進んで3分間のむらし時間が確保される。ステップ(ST136) 、ステップ(ST137) 、ステップ(ST138) 以降は、ステップ(ST139) に進み、コードヒータ(43)がオンし、温調加熱が行われる。この温調加熱は、ステップ(ST140) に示されるように、カウントダウンタイマーが20分を示すまで行われる。そして、20分が経過すると、ステップ(ST141) に進み、炊飯完了の報知が行われ、保温が開始される。
【0052】
なお、上記実施の形態では検知センサ(S)によって上記フランジ部(21)の温度を検知する構成としたが、炊飯釜(20)の底部中心の温度を検知するようにしてもよく、この場合には、検知温度は図10に於ける前記「1」の温度変化を示し、これに応じた制御をすれば良い。
この釜底温度を検知する場合には、前記検知センサ(S)は、バーナ(4)の筒部(40)及びバーナトップ(41)の中心を貫通する貫通孔に設けられ、この場合、炊飯釜(20)の底部中心が非加熱域となって、前記底部を均一には加熱できないが、フランジ部(21)の温度を検知する上記形式のものではかかる不都合が生じない。
【0053】
上記実施の形態はガス火力によって本炊き工程(B) を実行するものとしたが、これを電熱ヒータによって実行するものとしてもよい。しかしながら後者の場合家庭用電力では、上記した実施の形態のような短時間での高速炊飯は不可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炊飯方法及び従来の炊飯方法の工程の説明用グラフ
【図2】本発明の炊飯装置の実施の形態の断面図
【図3】X−X断面図
【図4】検知センサ(S) の取付け部及びこれと排気口(33)との関係説明図
【図5】前記検知センサ(S) の取付け構造の拡大図
【図6】炊飯装置の側面図
【図7】火力設定部の正面図
【図8】炊飯釜(20)に刻設される水量設定目盛りの詳細図
【図9】制御装置(CP)に組み込まれる高速炊飯用の制御プログラムのフローチャート図
【図10】高速炊飯を実施した場合の炊飯釜(20)及びその内部、更には、検知センサ(S) の取付け部の温度変化を示すグラフ
【図11】本願発明におて予備加熱工程(A) を実行しないで本炊き工程(B) から炊飯する高速炊飯時の炊飯釜温度変化の概略図
【図12】本発明の実施の形態に係る炊飯器の通常炊飯動作を説明する第1のフローチャト
【図13】本発明の実施の形態に係る炊飯器の通常炊飯動作を説明する第2のフローチャト
【図14】本発明の実施の形態に係る炊飯器の通常炊飯動作を説明する第3のフローチャト
【符号の説明】
(A) ・・・予備加熱工程
(B) ・・・本炊き工程
(C) ・・・むらし工程
(20)・・・炊飯釜
(4) ・・・バーナ
(S) ・・・検知センサ
(T1)・・・第1温度
(T2)・・・第2温度
(T3)・・・停止温度
(尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。)
Claims (3)
- 含水工程とα化加熱工程を連続させることにより炊飯する方法において、
通常炊飯時に利用される通常水量目盛りより高水位を表示する速炊き用の水量目盛りが内周面に設けられた米収容用の炊飯釜(20)を用いて炊飯し、
前記含水工程終了前に前記α化加熱工程を開始する炊飯方法。 - 前記α化加熱工程は、被加熱部を水の沸騰温度から当該温度よりも高い温度にまで加熱するための本炊き工程(B)及びその後に続くむらし工程(C)を具備するものとし、前記本炊き工程(B)の途中の時点からむらし工程(C)に移行する時点までの温度を前記沸騰温度以上に維持する請求項1に記載の炊飯方法。
- 含水工程の開始直後に、α化加熱工程を維持する温度よりも低いがこれに近似する温度に維持するための温調工程を具備する予備加熱工程(A)を短時間実行した後、α化加熱工程を実行する請求項2に記載の炊飯方法。
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