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JP3654366B2 - 繊維系ワディング材およびその製法 - Google Patents
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JP3654366B2 - 繊維系ワディング材およびその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、優れた伸縮性、蒸れ難く、良好なクッション性と耐熱耐久性及び振動吸収性とを有し快適な座り心地を提供でき、リサイクルも可能な繊維系ワディング材と製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、家具、ベッド、電車、自動車等のクッション用ワデイング材に、発泡ウレタン、非弾性捲縮繊維詰綿、及び非弾性捲縮繊維を接着した樹脂綿や硬綿などが使用されているが、極めて過酷な耐久性を要求される電車、自動車等のクッション用ワデイング材には発泡ウレタンしか使用されていないのが現状である。
【0003】
しかしながら、発泡−架橋型ウレタンはワディング材としての耐久性は極めて良好だが、透湿透水性に劣り蓄熱性があるため蒸れやすく、かつ、熱可塑性では無いためリサイクルが困難となり焼却される場合、焼却炉の損傷が大きく、かつ、有毒ガス除去に経費が掛かる。このため埋め立てされることが多くなったが、地盤の安定化が困難なため埋め立て場所が限定され経費も高くなっていく問題がある。また、加工性は優れるが製造中に使用される薬品の公害問題などもある。また、熱可塑性ポリエステル繊維詰綿では繊維間が固定されていないため、使用時形態が崩れたり、繊維が移動して、かつ、捲縮のへたりで嵩高性の低下や弾力性の低下が問題になる。
【0004】
ポリエステル繊維を接着剤で接着した樹脂綿、例えば接着剤にゴム系を用いたものとして特開昭60−11352号公報、特開昭61−141388号公報、特開昭61−141391号公報等がある。又、架橋性ウレタンを用いたものとして特開昭61−137732号公報等がある。これらの繊維系成形材は耐久性に劣り、且つ、熱可塑性でなく、単一組成でもないためリサイクルも出来ない等の問題、及び加工性の煩雑さや製造中に使用される薬品の公害問題などもある。
【0005】
ポリエステル硬綿、例えば特開昭58−31150号公報、特開平2−154050号公報、特開平3−220354号公報等があるが、用いている熱接着繊維の接着成分が脆い非晶性のポリマ−を用いるため(例えば特開昭58−136828号公報、特開平3−249213号公報等)接着部分が脆く、使用中に接着部分が簡単に破壊されて形態や弾力性が低下するなどの耐久性に劣る問題がある。改良法として、交絡処理する方法が特開平4−245965号公報等で提案されているが、接着部分の脆さは解決されず弾力性の低下が大きい問題がある。また、加工時の煩雑さもある。更には接着部分が変形しにくくソフトなクッション性を付与しにくい問題もある。このため、接着部分を柔らかい、且つある程度変形しても回復するポリエステルエラストマ−を用い、芯成分に非弾性ポリエステルを用いた熱接着繊維が特開平4−240219号公報で、同繊維を用いたポリエステル硬綿がWO−91/19032号公報、特開平5−156561号公報、特開平5−163654号公報等で提案されている。この繊維構造物に使われる接着成分がポリエステルエラストマ−のソフトセグメントとしてはポリアルキレングリコ−ルの含有量が30〜50重量%、ハ−ドセグメントの酸成分にテレフタル酸を50〜80モル%含有し、他の酸成分組成として特公昭60−1404号公報に記載された繊維と同様にイソフタル酸を含有して非晶性が増すことにより、融点を180℃以下として低溶融粘度として熱接着部分の形成を良くしてアメーバー状の接着部を形成しているが塑性変形しやいため、及び芯成分が非弾性ポリエステルのため、特に加熱下での塑性変形が著しくなり、耐熱抗圧縮性が低下する問題点がある。これらの改良法として、特開平5−163654号公報にシ−ス成分にイソフタル酸を含有するポリエステルエラストマ−、コア成分に非弾性ポリエステルを用いた熱接着複合繊維のみからなる構造体が提案されているが上述の理由で加熱下での塑性変形が著しくなり、耐熱抗圧縮性が低下し、クッション用ワディング材に使用するには問題がある。他方、硬綿の母材にシリコ−ン油剤を付与して繊維の摩擦係数を下げて耐久性を向上し、風合いを良くする方法が特開昭63−158094号公報で提案されている。が、熱接着繊維の接着性に問題があり、耐久性が劣るのでクッション用ワディング材に使用するには好ましくない。なお、表皮材の皺防止を配慮した伸縮性をもつワディング材は発泡ウレタン以外に見当たらない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を解決し、伸縮性を有し、耐熱性、耐久性、クッション性の優れた蒸れ難い、クッション用ワディング材に最適な繊維系ワディング材と製法及び繊維系ワディング材を用いた布団、家具、ベッド、車両用クッション等の製品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段、即ち本発明は、熱可塑性非弾性樹脂からなる繊度が1〜10デニ−ルの潜在巻縮能に基づく立体巻縮を発現した巻縮繊維と1〜6デニールのソフトセグメント含有量が15重量%以上80重量%以下である熱可塑性弾性樹脂を熱接着成分とした熱接着複合繊維とが開繊混合され、前記巻縮繊維同士あるいは接巻縮繊維と熱接着繊維とが立体巻縮により絡まって三次元構造化され、熱接着繊維同志あるいは熱接着繊維と巻縮繊維の接触点の大部分が融着一体化された構造体であり、該構造体は両面が実質的にフラット化されており、厚みが1〜30mm、見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3 であり、熱可塑性弾性樹脂成分は、示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融点以下の範囲に吸熱ピークを有することを特徴とする繊維系ワディング材および潜在巻縮能(1/ρ)が5mm-1以上の熱可塑性非弾性樹脂からなる巻縮が未発現の巻縮繊維とソフトセグメント含有量が15重量%以上80重量%以下である熱可塑性弾性樹脂を熱接着成分にした複合構造を有する熱接着繊維を混合開繊して、熱接着繊維を巻縮が未発現の巻縮繊維マトリックス中に分散させて三次元構造を形成し、次いで、熱接着成分の融点より10℃〜40℃高い温度で熱処理する際、昇温過程で巻縮が未発現の巻縮繊維に細かい立体巻縮を発現させて立体巻縮により絡まり三次元構造化させた後、熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分を溶融して熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着点を形成し、一旦冷却後又は連続して、熱接着成分の融点より少なくとも10℃以上低い温度で熱処理する繊維系ワディング材の製法である。
【0008】
本発明における熱可塑性弾性樹脂とは、ソフトセグメントとして分子量300〜5000のポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ルまたは長鎖の炭化水素末端をカルボン酸または水酸基にしたオレフィン系化合物等をブロック共重合したポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマ−、ポリオレフィン系エラストマ−などが挙げられる。熱可塑性弾性樹脂とすることで、再溶融により再生が可能となるため、リサイクルが容易となる。例えば、ポリエステル系エラストマ−としては、熱可塑性ポリエステルをハ−ドセグメントとし、ポリアルキレンジオ−ルをソフトセグメントとするポリエステルエ−テルブロック共重合体、または、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエステルブロック共重合体が例示できる。ポリエステルエ−テルブロック共重合体のより具体的な事例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2・6ジカルボン酸、ナフタレン2・7ジカルボン酸、ジフェニル4・4’ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1・4シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチン酸ダイマ−酸等の脂肪族ジカルボン酸または、これらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1・4ブタンジオ−ル、エチレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトレメチレングリコ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、1・1シクロヘキサンジメタノ−ル、1・4シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族ジオ−ル、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオ−ル成分の少なくとも1種、および平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成される三元ブロック共重合体である。ポリエステルエステルブロック共重合体としては、上記ジカルボン酸とジオ−ル及び平均分子量が約300〜5000のポリラクトン等のポリエステルジオ−ルのうち少なくとも各1種から構成される三元ブロック共重合体である。熱接着性、耐加水分解性、伸縮性、耐熱性等を考慮すると、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、または、及びナフタレン2・6ジカルボン酸、ジオ−ル成分としては1・4ブタンジオ−ル、ポリアルキレンジオ−ルとしてはポリテトラメチレングリコ−ルの3元ブロック共重合体または、ポリエステルジオ−ルとしてポリラクトンの3元ブロック共重合体が特に好ましい。特殊な例では、ポリシロキサン系のソフトセグメントを導入したものも使うこたができる。また、上記エラストマ−に非エラストマ−成分をブレンドされたもの、共重合したもの、ポリオレフィン系成分をソフトセグメントにしたもの等も本発明の熱可塑性弾性樹脂に包含される。ポリアミド系エラストマ−としては、ハ−ドセグメントにナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等及びそれらの共重合ナイロンを骨格とし、ソフトセグメントには、平均分子量が約300〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成されるブロック共重合体を単独または2種類以上混合して用いてもよい。更には、非エラストマ−成分をブレンドされたもの、共重合したもの等も本発明に使用できる。ポリウレタン系エラストマ−としては、通常の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)の存在または不存在下に、(A)数平均分子量1000〜6000の末端に水酸基を有するポリエ−テル及び又はポリエステルと(B)有機ジイソシアネ−トを主成分とするポリイソシアネ−トを反応させた両末端がイソシアネ−ト基であるプレポリマ−に、(C)ジアミンを主成分とするポリアミンにより鎖延長したポリウレタンエラストマ−を代表例として例示できる。(A)のポリエステル、ポリエ−テル類としては、平均分子量が約1000〜6000、好ましくは1300〜5000のポリブチレンアジペ−ト共重合ポリエステルやポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレンジオ−ルが好ましく、(B)のポリイソシアネ−トとしては、従来公知のポリイソシアネ−トを用いることができるが、ジフェニルメタン4・4’ジイソシアネ−トを主体としたイソシアネ−トを用い、必要に応じ従来公知のトリイソシアネ−ト等を微量添加使用してもよい。(C)のポリアミンとしては、エチレンジアミン、1・2プロピレンジアミン等公知のジアミンを主体とし、必要に応じて微量のトリアミン、テトラアミンを併用してもよい。これらのポリウレタン系エラストマ−は単独又は2種類以上混合して用いてもよい。なお、本発明の熱可塑性弾性樹脂の融点は耐熱耐久性が保持できる150℃以上が好ましく、170℃以上のものを用いると耐熱耐久性が向上するのでより好ましい。なお、必要に応じ、抗酸化剤や耐光剤等を添加して耐久性を向上させることができる。本発明の目的である振動や応力の吸収機能をもたせる成分を構成する熱可塑性弾性樹脂のソフトセグメント含有量は好ましくは15重量%以上、より好ましくは30重量%以上であり、耐熱耐へたり性からは80重量%以下が好ましく、より好ましくは70重量%以下である。即ち、本発明の繊維系ワディング材を構成する熱接着成分の振動や応力の吸収機能をもたせる成分のソフトセグメント含有量は好ましくは15重量%以上80重量%以下であり、より好ましくは30重量%以上70重量%以下である。
【0009】
本発明の繊維系ワディング材を構成する熱可塑性弾性樹脂からなる成分は、示差走査型熱量計にて測定した融解曲線において、融点以下に吸熱ピ−クを有するのが好ましい。融点以下に吸熱ピ−クを有するものは、耐熱耐へたり性が吸熱ピ−クを有しないものより著しく向上する。例えば、本発明の好ましいポリエステル系熱可塑性樹脂として、ハ−ドセグメントの酸成分に剛直性のあるテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸などを90モル%以上含有するもの、より好ましくはテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸の含有量は95モル%以上、特に好ましくは100モル%とグリコ−ル成分をエステル交換後、必要な重合度まで重合し、次いで、ポリアルキレンジオ−ルとして、好ましくは平均分子量が500以上5000以下、特に好ましくは1000以上3000以下のポリテトラメチレングリコ−ルを15重量%以上70重量%以下、より好ましくは30重量%以上60重量%以下共重合量させた場合、ハ−ドセグメントの酸成分に剛直性のあるテレフタル酸やナフタレン2・6ジカルボン酸の含有量が多いとハ−ドセグメントの結晶性が向上し、塑性変形しにくく、かつ、耐熱抗へたり性が向上するが、溶融熱接着後更に融点より少なくとも10℃以上低い温度でアニ−リング処理するとより耐熱抗へたり性が向上する。圧縮歪みを付与してからアニ−リングすると更に耐熱抗へたり性が向上する。このような処理をした繊維系ワディング材を構成する熱可塑性弾性樹脂からなる成分を示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融点以下の温度で吸熱ピークをより明確に発現する。なおアニ−リングしない場合は融解曲線に室温以上融点以下に吸熱ピ−クを発現しない。このことから類推するに、アニ−リングにより、ハ−ドセグメントが再配列され、疑似結晶化様の架橋点が形成され、耐熱抗へたり性が向上しているのではないかとも考えられる。(この処理を疑似結晶化処理と定義する)この疑似結晶化処理効果は、ポリアミド系弾性樹脂やポリウレタン系弾性樹脂にも有効である。
【0010】
本発明における熱可塑性非弾性樹脂とは、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等が例示できる。なお、本発明ではガラス転移点温度が少なくとも40℃以上のものを使用するのが好ましい。例えば、ポリエステルでは、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレ−ト(PCHDT)、ポリシクロヘキシレンジメチレンナフタレ−ト(PCHDN)、ポリブチレンテレフタレ−ト(PBT)、ポリブチレンナフタレ−ト(PBN)、ポリアリレ−ト等、及びそれらの共重合ポリエステル等が例示できる。ポリアミドでは、ポリカプロラクタム(NY6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(NY66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(NY6−10)等が例示できる。ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン・1(PB・1)等が例示できる。本発明に用いる熱可塑性非弾性樹脂としては、クッション材の側地にポリエステルを用いて、ワディング材と接着されている場合が多いので、廃棄する場合に分離せずにリサイクルが可能なクッション素材として、耐熱性も良好なPET、PEN、PBN、PCHDT等のポリエステルが特に好ましい。更には、PET、PEN、PBN、PCHDT等と重縮合して燐含有エステル形成性化合物を共重合または燐含有難燃剤を含有してなる難燃性ポリエステル(以下難燃性ポリエステルと略す)が好ましく、例えば、特開昭51−82392号公報、特開昭55−7888号公報、特公昭55−41610号公報等に例示されたものが挙げられる。なお、塩化ビニ−ルは自己消火性を有するが燃焼すると有毒ガスを多く発生するので本発明に用いるのは好ましくない。本発明の伸縮性を有するワディング材を構成する細かい立体巻縮を発現した巻縮繊維は収縮差に基ずく高度の潜在巻縮能を必要とするので、複合成分の片成分は抗へたり性を付与する必要から高配向させ高温延伸した高モジュラス成分とする延伸を行っても収縮差を保持できる高収縮成分が必要である。本発明の好ましい実施形態として、ポリエステルを用いる場合の高収縮成分としては、上記PET,PEN,PBT,PBN,PCHDTの酸成分に金属塩スルホネ−ト基を含有するイソフタレ−ト又は、及びイソフタレ−トを共重合したポリエステルを用いるのが好ましい。特に好ましくは金属塩スルホネ−ト基を含有するイソフタレ−トを1〜3モル%共重合したポリエステルとイソフタレ−トを2〜10モル%共重合したポリエステルを混合して非晶性を抑制して塑性変形を少なくできるものを用いる。混合比は20/80重量比〜70/30重量比が好ましい。より好ましくは50/50重量比である。なお、必要に応じ、抗酸化剤、耐光剤、艶消し剤、難燃剤、抗菌剤、抗黴剤、着色剤等を添加して他の特性も向上させることができる。
【0011】
本発明は1〜10デニ−ルの潜在巻縮能に基ずく細かい立体巻縮を発現した熱可塑性非弾性樹脂からなる巻縮繊維と1〜6デニールのソフトセグメント含有量が15重量%以上80重量%以下である熱可塑性弾性樹脂を熱接着成分とした複合構造を有する熱接着繊維とが開繊混合され、該巻縮繊維同士及び該熱接着繊維とが立体巻縮により絡まり三次元構造化されて、該熱接着繊維と該巻縮繊維、及び該熱接着繊維同士の接触点の大部分が熱接着成分により融着一体化されて両面が実質的にフラット化された、厚みが1〜30mm、見掛け密度が0.01g/cm3 から0.10g/cm3 で、熱可塑性弾性樹脂からなる成分を示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融点以下の温度に吸熱ピークを持つことを特徴とする繊維系ワディング材である。クッション材の機能は、クッション層は基本の繊度を太くして少し硬くして体型保持を受け持つ層と振動減衰性の良い成分で密度を少し高くし振動を吸収して振動を遮断する層で構成し、表面層は繊度を細くし構成繊維本数を多くした柔らかな層として適度の沈み込みにより快適な臀部のタッチを与えて臀部の圧力分布を均一分散化させると共にクッション層で吸収できなかった振動を吸収して人体の共振部分の振動を遮断する層が一体化されることで、応力や振動を一体で変形し吸収させ座り心地を向上させることができる。更に自動車用座席に使用する表面層では、運転による踏ん張りが極めて過酷な剪断変形を表面層に与えられる。このため表面層機能に伸縮性が不可欠となり、従来公知の素材ではこの機能を満たす素材が発泡ウレタン以外になかった。本発明では、ソフトセグメント含有量が15重量%以上80重量%以下である熱可塑性弾性樹脂を熱接着成分とした熱接着繊維と熱可塑性非弾性樹脂からなる潜在巻縮能に基ずく立体巻縮を発現した熱可塑性非弾性樹脂からなる巻縮繊維とが立体巻縮により絡まり三次元構造化されて融着一体化した三次元スプリング構造とし、両面を実質的にフラット化させて、局部的な臀部の圧縮応力を面で受け止め応力分散性を向上させると同時に細かな立体巻縮で適度の抗圧縮性と、融着一体化した三次元スプリングのネットワ−ク構造と熱可塑性弾性樹脂のゴム弾性が合いまって、適度の沈み込みによる快適な臀部のタッチを与えつつ、圧縮応力を変形が容易な熱可塑性弾性樹脂部分が大変形を起こし、三次元スプリングのネットワ−ク構造のスプリング機能で巻縮繊維の変形を弾性限界内に抑制しがら構造体全体が変形して変形応力を分散吸収させて巻縮繊維の塑性変形を少なくし、更に熱可塑性弾性樹脂を疑似結晶化させて熱接着点の伸張回復性を著しく向上させて、変形応力を除くと熱可塑性弾性樹脂部分のゴム弾性と巻縮繊維の弾性回復で直ちに回復し、良好な抗へたり性を保持させ、更には、三次元スプリングのネットワ−ク構造と熱可塑性弾性樹脂のゴム弾性が合いまって伸縮性をも発現するため極めて過酷な剪断変形をも構造全体が伸縮変形して吸収し、熱可塑性弾性樹脂の振動吸収性が振動遮断層として働く好ましい表面層の機能を付与した繊維系ワディング材である。本発明の繊維系ワディング材を構成する熱接着繊維は適度の沈み込みにより快適な臀部のタッチを与え、振動吸収機能と三次元スプリングネットワ−ク構造の形態維持機能を分担するため、熱接着成分が熱可塑性弾性樹脂からなる(好ましい熱接着成分量は、振動吸収機能と変形応力吸収機能が充足できる40重量%以上、70重量%を越えると繊維形態の保持性が低下してネットワ−クの連結強度が低下するので70重量%以下)繊度が1〜6デニ−ルの複合繊維からなる。熱接着繊維の繊度が6デニ−ルを越えると構成本数が少なくなり、巻縮繊維が形成するスプリング機能を持つ細かい立体巻縮を接続して三次元スプリングのネットワ−ク構造とする接着点が少なくなり変形応力の分散が悪くなり、接着点での応力集中が大きくなって耐へたり性が低下し、更には緻密な構造体としての特徴が出ず快適なタッチを損なうので好ましくない。他方、繊度が細すぎると巻縮繊維とのマイグレ−ションが悪くなり、熱接着繊維がつくる熱接着点に斑が発生し、変形応力の分散が悪くなり応力分散性が低下するので好ましくない。好ましい熱接着繊維の繊度は1デニ−ル〜5デニ−ル、より好ましくは2デニ−ル〜4デニ−ルである。本発明の熱接着繊維は熱可塑性弾性樹脂が大変形してクッション層でエネルギ−変換できない振動を吸収し、局部的な大変形応力を構造体全体で変形してエネルギ−変換して回復できる立体3次元スプリングネットワ−ク構造を融着接合する熱接着機能を保持するために熱接着繊維表面の50%以上を柔らかい熱可塑性弾性樹脂が占めるシ−スコア構造またはサイドバイサイド構造及びそれらの組合せ構造などの複合構造を持つ。複合構造としては、熱接着繊維が接触する接触点を確実に熱接着できる熱接着成分をシ−ス成分としたシ−スコア構造が好ましい。コア成分は繊維形態を保持し易い熱可塑性非弾性樹脂から構成されていてもよいが、熱可塑性弾性樹脂で構成されることで振動吸収機能と変形応力吸収機能が著しく向上できるのでより好ましい。すなわち、シ−スコア構造ではシ−ス成分は振動や変形応力をエネルギ−変換が容易なソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂とし、コア成分はソフトセグメント含有量の少ない熱可塑性弾性樹脂とし、繊維形態を保持して三次元コイルスプリング構造のネットワ−クにゴム弾性をもつ伸縮性を与えることができるので熱接着繊維が独立して存在するネットワ−ク部分は弱い抗圧縮性を示しつつ変形応力に対してはソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂部分で融着した接着点の変形より少ない中変形を生じて接着点の変形負担を逓減できると共に熱可塑性非弾性樹脂からなるコイルスプリング機能を分担する巻縮繊維の変形をも弾性限界内に逓減できるので、抗へたり性を格段に向上するので最も好ましい。他の好ましい構造としは、サイドバイサイド構造では振動や変形応力をエネルギ−変換が容易なソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の溶融粘度を抗圧縮性を示すソフトセグメント含有量の少ない熱可塑性弾性樹脂の溶融粘度より低くして線状の表面を占めるソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の割合を多くした構造(比喩的には偏芯シ−ス・コア構造のシ−スに熱可塑性弾性樹脂を配した様な構造)として繊維の表面を占めるソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の割合を80%以上としたものがより好ましく、最も好ましくは線状の表面を占めるソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の割合を100%とした前記シ−スコアである。ソフトセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の繊維の表面を占める割合が多くなると、溶融して融着するときの流動性が高いので接着が強固になる効果があり、構造が一体で変形する場合、接着点の応力集中に対する耐疲労性が向上し、耐熱性や耐久性がより向上する。熱接着繊維で融着一体化されていない場合は形態が保持できず、局部的な圧力を面で受け止め、圧力分布を均一分散化できず、更に構造体全体は変形せず、局部的に変形して構造全体でエネルギ−変換出来ないので応力集中が局部的に生じ、構成繊維が塑性変形や疲労が促進され耐久性が劣り好ましくない。本発明の融着の程度は熱接着繊維の接触部が大部分が融着した状態であり、好ましくは接触部が全て融着した状態である。熱接着繊維が振動吸収性の良好な熱可塑性弾性樹脂から構成されているので、クッション層で吸収できなかった振動も吸収して人体の共振部分の振動を遮断する層としての機能をはたすが、熱接着成分が熱可塑性非弾性樹脂からなる場合は、局部的な変形応力に接着点が追随出来ないため、応力集中により構造が破壊されていき回復性が劣るので好ましくない。また、熱可塑性非弾性樹脂は振動吸収性が悪いので振動を遮断する層としての機能が劣り好ましくない。巻縮繊維は、変形応力に対して適度の抗圧縮性を示しつつ変形して体型保持するコイルスプリング機能を分担するため、潜在巻縮能に基ずく細かい立体巻縮を形成した1〜10デニ−ルの熱可塑性非弾性樹脂からなる巻縮繊維で構成される。熱可塑性非弾性樹脂からなる巻縮繊維の繊度が太い場合には、本発明の好ましい見掛け密度である0.1g/cm3 から0.01g/cm3 とした時、構成本数が少なくなりタッチの良好な緻密構造が得られなくなる。又、繊度が太くなるに従い接着点が少なくなり接着点が応力の伝達点となるため接着点に著しい応力集中が起こり構造破壊を生じ耐熱耐久性が劣り好ましくない。更には、繊度が10デニ−ルを越える太さになると、断面二次モ−メントが著しく大きくなり、耐熱耐久性と適度の抗圧縮性付与するために高い配向度として繊維のモジュラスを高くする必要から、大きい収縮差を付与しても曲げモ−メントが著しく大きくなり、本発明に必要な細かい立体巻縮を得られなくなるので好ましくない。巻縮繊維は適度の沈み込みを付与する弾発性を保持する必要から好ましくは1デニ−ル〜8デニ−ル、より好ましくは2デニ−ル〜6デニ−ルである。巻縮繊維は、変形応力に対して適度の抗圧縮性を示しつつ変形して体型保持するコイルスプリング機能を分担するため、潜在巻縮能に基ずく細かい立体巻縮を形成している。本発明で言う細かい立体巻縮とは、巻縮数が15個/インチから60個/インチで巻縮度が10%〜60%の細かいピッチの巻縮数で立体的な巻縮形態を有するものである。立体巻縮でない場合は、伸縮性を有するコイルスプリング機能を発現しないので好ましくない。立体巻縮が荒い場合は嵩だか性は良好だが、抗圧縮性が劣り、緻密な構造にできないためタッチも悪くなり、かつ潜在巻縮能に基ずく細かい立体巻縮同士が絡み合ってコイルスプリング同士が伸縮する機能が低下するので接着点に応力が集中して耐へたり性も低下するので好ましくない。巻縮数が60個/インチより多くなると巻縮度が15%〜50%でも嵩高性がなくなり本発明の好ましい見掛け密度である0.1g/cm3 から0.01g/cm3 にすることが出来ないので好ましくない。巻縮数が15個/インチ未満では巻縮度が15%〜50%でも巻縮が荒くなり上記理由で好ましくない。巻縮度が10%未満では巻縮数が20個/インチ〜60個/インチでも巻縮の立体性が劣りコイルスプリング機能が悪くなり耐久性が低下し易く、抗圧縮性が低下し、緻密構造化できなくなるのでタッチも悪くなり好ましくない。巻縮度が60%を越えると緻密構造が固くなり過ぎて適度の沈み込みによる好ましいタッチが失われるので好ましくない。本発明の好ましい細かい立体巻縮は、巻縮数が20個/インチ〜60個/インチ、巻縮度が15%〜50%であり、より好ましくは巻縮数が30個/インチ〜50個/インチ、巻縮度が25%〜40%である。本発明の好ましい巻縮数と巻縮度を付与できる高度の潜在巻縮はサイドバイサイド又は偏芯シ−スコア等の複合構造として片成分に高収縮成分を用い、他の成分に高モジュラスで耐熱耐久性を保持できる低収縮成分で構成することにより高度の潜在巻縮能を付与するのが好ましい。高収縮成分としては、前記の金属塩スルホネ−トを含有するイソフタレ−トやイソフタレ−トを共重合したポリエステルとし、低収縮成分はホモ成分のPET,PEN,PBN,PCHDT等の単独組成を用い、高収縮成分が収縮しても付与した高モジュラスを保持できる高温高配向延伸した複合構造が好ましい。高モジュラスを保持することで、弾性限界の応力が高くなり、高い変形応力を受けても変形しにくくなり、熱接着成分の熱可塑性弾性樹脂が融着一体化しているので、熱可塑性弾性樹脂が変形してエネルギ−変換により変形応力を吸収し、実質的には巻縮繊維の変形は弾性限界内でコイルスプリングが変形するに止まり、変形応力が解除されると熱可塑性弾性樹脂のゴム弾性とコイルスプリングを形成する巻縮繊維の弾性回復で容易に元の形態に回復できるので好ましい耐久性を発現できる。更には、コイルスプリングの耐熱耐久性が保持できる。前記の熱可塑性弾性樹脂を融点が180℃以上のものを用いて耐熱耐久性の良い巻縮繊維で構成した本発
明の繊維系ワディング材は70℃での圧縮残留歪みが35%以下の好ましい耐熱耐久性が付与できる。が、更に疑似結晶化処理した場合は70℃での圧縮残留歪みが25%以下のより好ましい耐熱耐久性が付与できる。本発明の細かい巻縮を発現した巻縮繊維の好ましい保持すべきモジュラスは、初期引張り抵抗度で35g/デニ−ル以上、より好ましくが40g/デニ−ル以上である。しかして巻縮発現した繊維は、巻縮発現の為収縮処理が必要なので通常の巻縮発現しない繊維のように100g/デニ−ル以上の初期引張り抵抗度を保持することは不可能であり、最も好ましくは50g/デニ−ル以上100g/デニ−ル以下である。仮に充分な結晶化処理により100g/デニ−ル以上に出来た場合は、伸度が低下しておりコイルスプリングのタフさが無くなって、繰り返し圧縮回復が必要な本発明のようなワディング材として使用する場合は、非常に脆くなる欠点が出て疲労が著しくなり耐久性が低下するので注意が必要である。伸度が50%以上と高すぎると伸張変形し易くなるのでコイルスプリング機能が低下し耐久性が劣るので好ましくない。このため本発明の巻縮繊維の伸度は少なくとも10%以上、15%以上40%以下が好ましく、より好ましくは20%〜35%である。本発明を構成する巻縮繊維の断面形状は特には限定されないが、中空断面や異形断面にすることで好ましい抗圧縮性(反発力)やタッチを付与することができるので特に好ましい。抗圧縮性は繊度や用いる素材のモジュラスにより調整して、繊度を細くしたり、柔らかい素材では中空率や異形度を高くし初期圧縮応力の勾配を調整できるし、繊度をやや太くしたり、ややモジュラスの高い素材では中空率や異形度を低くして座り心地が良好な抗圧縮性を付与する。中空断面や異形断面の他の効果として中空率や異形度を高くすることで、同一の抗圧縮性を付与した場合、より軽量化が可能となり、自動車等の座席に用いると省エネルギ−化ができ、布団などの場合は、上げ下ろし時の取扱性が向上する。かくして本発明の好ましい実施形態で構成された繊維系ワディング材は、熱可塑性弾性樹脂を熱接着成分とした熱接着繊維と熱可塑性非弾性樹脂からなる潜在巻縮能に基ずく立体巻縮を発現した熱可塑性非弾性樹脂からなる巻縮繊維とが立体巻縮により絡まり三次元構造化されて融着一体化した三次元スプリング構造とし、両面を実質的にフラット化させて、局部的な臀部の圧縮応力を面で受け止め応力分散性を向上させると同時に細かな立体巻縮で適度の抗圧縮性と、融着一体化した三次元スプリングのネットワ−ク構造と熱可塑性弾性樹脂のゴム弾性が合いまって、適度の沈み込みによる快適な臀部のタッチを与えつつ、圧縮応力を変形が容易な熱可塑性弾性樹脂部分が大変形を起こし、三次元スプリングのネットワ−ク構造のスプリング機能で巻縮繊維の変形を弾性限界内に抑制しがら構造体全体が変形して変形応力を分散吸収させて巻縮繊維の塑性変形を少なくし、更に熱可塑性弾性樹脂を疑似結晶化させて熱接着点の伸張回復性を著しく向上させて、変形応力を除くと熱可塑性弾性樹脂部分のゴム弾性と巻縮繊維の弾性回復で直ちに回復し、良好な抗へたり性を保持させ、更には、三次元スプリングのネットワ−ク構造と熱可塑性弾性樹脂のゴム弾性が合いまって伸縮性をも発現するため極めて過酷な剪断変形をも構造全体が伸縮変形して吸収し熱可塑性弾性樹脂の振動吸収性が振動遮断層として働く好ましい表面層の機能を付与した繊維系ワディング材となる。本発明の繊維系ワディング材の厚みは1mm〜30mmである。1mm以下では表面層機能が発現できないので好ましくない。30mmを越えるとクッション層機能が必要となり、繊度の細い緻密層からなる本発明の構造では沈み込みが大きくなり好ましくない。本発明の好ましい繊維系ワディング材の厚みは表面層機能が発現できる3mm〜25mmであり、5mm〜20mmが特に好ましい。本発明の繊維系ワディング材の見掛け密度は0.01g/cm3 から0.1g/cm3 である。見掛け密度が0.01g/cm3 未満では構成繊維の構成本数が少なくなり、柔らか過ぎて沈み込みがやや大きくなり体型保持機能の抗圧縮性が発現できなくなり床つき感を与えると共に変形し過ぎて構成繊維の損傷が大きくなるので耐へたり性が悪くなる欠点がでてくる。見掛け密度が0.1g/cm3 を越える場合は本発明のように繊度が比較的細い繊維から構成される緻密な構造では、緻密化し過ぎて適度の沈み込みが出来なくなるので臀部全体を包み込んで支えることが困難になり、固く感じると共に、臀部に局部的に応力が集中して鬱血した状態になりやすく長時間の着座が困難になるので好ましくない。発明の繊維系ワディング材の好ましい見掛け密度は0.03g/cm3 から0.06g/cm3 、より好ましくは0.04g/cm3 から0.05g/cm3 である。なお、過酷な剪断変形を吸収するための好ましい本発明の伸張回復性は25%伸張後の回復率が60%以上であり、より好ましくは80%以上である。25%伸張後の回復率が20%以下では過酷な剪断変形を吸収することが困難となるので好ましくない。本発明の繊維系ワディング材は、従来公知の繊維を用いた成形体では付与することが困難であった発泡ウレタンに近い過酷な剪断変形を吸収力できる極めて優れた表面層機能をもつのが大きい特徴である。
【0012】
熱可塑性弾性樹脂を熱接着成分とした熱接着繊維と細かい巻縮を発現した巻縮繊維が混合三次元構造を形成して融着一体化されて、実質的に両面がフラット化された両面の熱可塑性弾性樹脂成分が熱接着機能を有する本発明の繊維系ワディング材であるので、他の網状体、不織布、編織物、硬綿、フイルム、発泡体、金属等の被熱接着体とを接着するのに、そのまま熱接着するか、又は他の熱接着成分(熱接着不織布、熱接着繊維、熱接着フィルム、熱接着レジン等)や接着剤等を用いて一体積層構造体化し、車両用座席、船舶用座席、車両用、船舶用、病院用等の業務用及び家庭用ベット、家具用椅子、事務用椅子、布団類等の製品を得る場合、被接着体面との接触面積を広くできるので、接着面積が広くなり強固に接着した接着耐久性も良好な製品を得ることができる。なお、繊維系ワディング材形成段階から製品化される任意の段階で上述の疑似結晶化処理を施すことにより、繊維系ワディング材積層した成形体中の熱可塑性弾性樹脂からなる成分を示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融点以下の温度に吸熱ピークを持つようにすると製品の耐熱耐久性が格段に向上するのでより好ましい。本発明の繊維系ワディング材両面の熱可塑性弾性樹脂成分が熱接着機能を有するので、その儘熱接着層として使用できるが、好ましくは熱接着成分をソフトセグメント含有量が多い低融点の熱可塑性弾性樹脂とすることで、振動や変形応力のエネルギ−変換を良好とできると共に良好な熱接着機能も付与できる。熱接着機能を発現させるに好ましい繊維系ワディング材を形成する熱接着成分の融点は高融点成分の融点より15℃から80℃低い融点であり、より好ましくは20℃から60℃低い融点である。本発明の繊維系ワディング材は伸縮性を有するので、熱接着時に被接着体を伸張した状態で接着すると、被接着体は接着層のゴム弾性で伸張された状態が緩和しないので張りのある、皺になりにくい成形体とすることもできる。
【0013】
次に本発明の製法を述べる。潜在巻縮能(1/ρ)が5mm-1以上の熱可塑性非弾性樹脂からなる巻縮が未発現の巻縮繊維とソフトセグメント含有量が15重量%以上80重量%以下である熱可塑性弾性樹脂を熱接着成分にした複合構造を有する熱接着繊維を混合開繊して、熱接着繊維を巻縮が未発現の巻縮繊維マトリックス中に分散させて三次元構造を形成し、次いで、熱接着成分の融点より10℃〜40℃高い温度で熱処理する際、昇温過程で巻縮が未発現の巻縮繊維に細かい立体巻縮を発現させて立体巻縮により絡まり三次元構造化させた後、熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分を溶融して熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着点を形成し、一旦冷却後又は連続して、熱接着成分の融点より少なくとも10℃以上低い温度で熱処理する繊維系ワディング材の製法であり、冷却後から一体成形して製品化に至る工程で熱可塑性弾性樹脂の融点より少なくとも10℃以下の温度でアニ−リングする繊維系ワディング材及び製品の製法である。潜在巻縮能(1/ρ)が5mm-1以上の熱可塑性非弾性樹脂からなる巻縮が未発現の巻縮繊維は、一般的な多成分押出機を用い、公知の複合紡糸法を用いて前記した高収縮成分と低収縮成分の熱可塑性非弾性樹脂を各単独成分毎に別々に溶融し、ノズルオリフィス背面で複合化できるように分配合流させて、好ましくはサイドバイサイド構造に分配合流させ、溶融温度は好ましくは、各成分の融点より10℃以上、80℃以下の同一の溶融温度で、各成分の層が所望の分配率となるよう所望の吐出量になるよう各成分を各ギヤポンプにてノズルへ溶融状態で熱可塑非弾性樹脂を送り、各オリフィスより吐出させる。この時の溶融温度は、低融点成分の融点より80℃を越える高い溶融温度にすると熱分解が著しくなり熱可塑性樹脂の特性が低下するので好ましくない。他方、高融点成分の融点より10℃以上高くしないとメルトフラクチャ−を発生し正常な繊維形成が出来なくなる。好ましい溶融温度は低融点成分の融点より20℃から60℃高い温度、より好ましくは融点より25℃から35℃高い温度であり、高融点成分の融点より15℃から40℃高い温度、より好ましくは融点より20℃から30℃高い温度となる同一の溶融温度で吐出する。複合紡糸の場合は合流直前の溶融温度差は10℃以下にしないと異常流動を発生し複合形態の形成が損なわれる場合がある。オリフィスの形状は特に限定されないが、中空断面(例えば三角中空、丸型中空、突起つきの中空等となるよう形状)及び、又は異形断面(例えば三角形、Y型、星型等の断面二次モ−メントが高くなる形状)とすることで前記効果以外に溶融状態の吐出したときの溶融粘度差による孔曲がりを防止し易くなる。また、サイドバイサイド構造では、低収縮成分と高収縮成分の接着面積が少なくなり、高収縮成分の収縮力が低収縮成分に拘束されにくくなって巻縮発現能が向上するので好ましい。また、見掛けの嵩を高くでき軽量化になり、断面二次モ−メントが高くなって抗圧縮性が向上し、弾発性も改良でき、耐へたり性が向上するので好ましい。中空断面では中空率が60%を越えると断面が潰れ易くなるので、好ましくは抗圧縮性の効果が発現できる5%以上50%以下、より好ましくは10%以上40%以下である。紡糸速度は特に限定されないが配向結晶化すると収縮差が少なくなるので好ましくは配向結晶化しない4000m/分未満である。かくして得られた未延伸糸は、1段目の延伸温度はガラス転移点温度以上、結晶化開始温度以下の温度、 PETでは65℃〜90℃で破断延伸倍率の0.7〜0.75倍(PENでは120℃以上)、2段目は結晶化開始温度以上、結晶融解温度以下の温度、PETでは150℃〜180℃(PENでは180℃以上)で破断延伸倍率の0.85〜0.95倍で延伸する。延伸倍率が0.95倍以上では構造破壊を生じるので好ましくない。次いで機械巻縮付与後、切断して潜在巻縮能(1/ρ;ρは巻縮の曲率半径、単位mm)が5mm-1以上の巻縮未発現繊維が得られる。他方、熱接着繊維は、低融点の熱可塑性弾性樹脂と高融点の熱可塑性弾性樹脂、又は高融点の熱可塑性非弾性樹脂とを個々に溶融し、公知の複合紡糸により紡糸する。この時の溶融温度は好ましくは、各成分の融点より10℃以上、100℃以下の同一の溶融温度で、各成分の層が所望の分配率となるよう所望の吐出量になるよう各成分を各ギヤポンプにてノズルへ溶融状態で熱可塑非弾性樹脂を送り、各オリフィスより吐出させる。この時の溶融温度は、低融点成分の融点より100℃を越える高い溶融温度にすると熱分解が著しくなり熱可塑性樹脂の特性が低下するので好ましくない。他方、高融点成分の融点より10℃以上高くしないとメルトフラクチャ−を発生し正常な繊維形成が出来なくなる。好ましい溶融温度は低融点成分の融点より20℃から80℃高い温度、より好ましくは融点より25℃から65℃高い温度であり、高融点成分の融点より10℃から40℃高い温度、より好ましくは融点より20℃から30℃高い温度となる同一の溶融温度で吐出する。次いで、延伸して完成糸を得られる。が、この方法では、熱接着成分の融点が低いので、延伸時に高温で熱セットできないため収縮率が30%から80%と高いものしか得られないので、ウエッブを熱成形する際ウエッブ収縮による成形寸法不良を生じる。本発明ではこの問題を解決するため、3000m/分以上の高速紡糸により収縮率を10%以下に低収縮化して一気に完成糸にする方法で得るのが好ましい。次いで、巻縮を付与し、所望のカット長に切断して熱接着繊維を得る。本発明に使用する熱接着繊維の複合形態は特には限定されないが、熱接着繊維としての機能が必要なのでサイドバイサイドまたはシ−スコアで、低融点成分が繊維の表面の50%以上を占めるのが好ましく、低融点成分が繊維の表面の100%以上を占めるシ−スコア構造がより好ましい。かくして得られた潜在巻縮能をもつ巻縮が未発現の巻縮繊維と熱接着繊維を好ましくは、50/50重量比から80/20重量比として、オ−プナ−等で予備開繊混合した後カ−ド等で開繊し、熱接着繊維を巻縮が未発現の巻縮繊維マトリックス中に分散させて三次元構造を形成し、次いで、熱接着成分の融点より10℃〜40℃高い温度で熱処理する際、昇温過程で巻縮が未発現の巻縮繊維に細かい立体巻縮を発現させて立体巻縮により絡まり三次元構造化させた後、熱接着成分の融点より10℃〜40℃高い温度で熱処理する際、昇温過程で巻縮が未発現の巻縮繊維に細かい立体巻縮を発現させて立体巻縮により絡まり三次元構造化させた後、熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分を溶融して熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着点を形成する。細かい立体巻縮を発現した巻縮繊維は、初期引張り抵抗度が少なくとも35g/デニ−ル以上で、70℃での初期引張り抵抗度が少なくとも10g/デニ−ル以上にしたものが好ましい。嵩高性と抗圧縮性からの立体捲縮の捲縮度は15%以上、捲縮数は20個/インチ以上とする。本発明の好ましい方法としては、該繊維系ワディング材を形成する際から該繊維系ワディング材を積層し、成形加工により製品化に至る任意の工程で熱可塑性弾性樹脂の融点より少なくとも10℃以下の温度でアニ−リングよる疑似結晶化処理を行い該繊維系ワディング材又は製品を得るのがより好ましい製法である。疑似結晶化処理温度は、少なくとも融点(Tm)より10℃以上低く、Tanδのα分散立ち上がり温度(Tαcr)以上で行う。この処理で、融点以下に吸熱ピ−クを持ち、疑似結晶化処理しないもの(吸熱ピ−クを有しないもの)より耐熱耐へたり性が著しく向上する。本発明の好ましい疑似結晶化処理温度は(Tαcr+10℃)から(Tm−20℃)である。単なる熱処理により疑似結晶化させると耐熱耐へたり性が向上する。が更には、10%以上の圧縮変形を付与してアニ−リングすることで耐熱耐へたり性が著しく向上するのでより好ましい。次いで所望の長さまたは形状に切断してクッション用ワディング材に用いる。
【0014】
本発明の繊維系ワディング材を表面層に用いる場合、その使用目的、使用部位により使用する樹脂、繊度、嵩密度等を選択する必要がある。例えば、ソフトなタッチと適度の沈み込みと張りのある膨らみを付与するためには、やや高密度で細い繊度の緻密な構造が好ましく、共振振動数を低くし、適度の硬さと圧縮時のヒステリシスを直線的に変化させて体型保持性を良くし、耐久性を保持させるために、中密度で太い繊度、やや低密度で細い繊度の構造にするのが好ましい。本発明の繊維系ワディング材は用途との関係で要求性能に合うべき他の素材、例えば、異なる網状体、短繊維集合体からなる硬綿クッション材、不織布等と組合せて、3次元構造を損なわない程度に成形型等を用いて使用目的にあった形状に成形して一体成形すれば側地を被せるのみで車両用座席、船舶用座席、ベット、椅子、家具等に用いることができる。繊維製造過程以外でも性能を低下させない範囲で製造過程から成形体に加工し、製品化する任意の段階で難燃化、防虫抗菌化、耐熱化、撥水撥油化、着色、芳香等の機能付与を薬剤添加等の処理加工ができる。
【0015】
【実施例】
以下に実施例で本発明を詳述する。
【0016】
なお、実施例中の評価は以下の方法で行った。
1.融点(Tm)および融点以下の吸熱ピ−ク
島津製作所製TA50,DSC50型示差熱分析計を使用し、昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から吸熱ピ−ク(融解ピ−ク)温度を求めた。
2.Tαcr
ポリマ−を融点+10℃に加熱して、厚み約300μm のフイルムを作成して、オリエンテック社製バイブロンDDVII型を用い、110Hz、昇温速度1℃/分で測定したTanδ(虚数弾性率M”と弾性率の実数部分M’との比M”/M’)のゴム弾性領域から融解領域への転移点温度に相当するα分散の立ち上がり温度。
3.見掛け密度
試料を15cm×15cmの大きさに切断し、4か所の高さを測定し、体積を求め試料の重さを体積で徐した値で示す。(n=4の平均値)
4.繊度
試料を10箇所から各繊維部分を切り出し、アクリル樹脂で包埋して断面を削り出し切片を作成して断面写真を得る。各部分の断面写真より各部の断面積(Si)を求める。また、同様にして得た切片をアセトンでアクリル樹脂を溶解し、真空脱泡して密度勾配管を用いて40℃にて測定した比重(SGi)を求める。ついで次式より線状の9000mの重さを求める。(単位cgs)
繊度=〔(1/n)ΣSi×SGi〕×900000
5.巻縮特性
(1) 巻縮数:JIS−L−1015(1992)の方法による。
(2) 巻縮度:JIS−L−1015(1992)の方法による。
(3) 1/ρ:短繊維を5cmに切断してフリ−にて乾熱160℃雰囲気で2分間熱処理し、巻縮の山から山のピッチLimm,巻縮の山から谷の高さDjmm,各試料5本を1本で各10個を投影機で測定し、以下の計算で求めた。
1/ρ=(1/n)Σ〔2π/(πDi 2 +Lj 2 )〕:単位mm-1
6.融着
試料を目視判断で融着しているか否かを接着している繊維同士を手で引っ張って外れないか否かで外れないものを融着していると判断する。
7.耐熱耐久性(70℃残留歪)
試料を15cm×15cmの大きさに切断し、50%圧縮して70℃乾熱中22時間放置後冷却して圧縮歪みを除き1日放置後の厚み(b)を求め処理前の厚み(a)から次式、即ち(a−b)/a×100より算出する。単位%(n=3の平均値)
8.繰返し圧縮歪
試料を15cm×15cmの大きさに切断し、島津製作所製サ−ボパルサ−にて、25℃65%RH室内にて50%の厚みまで1Hzのサイクルで圧縮回復を繰り返し2万回後の試料を1日放置後の厚みと(b)を求め処理前の厚み(a)から次式、即ち(a−b)/a×100より算出する。単位%(n=3の平均値)
9.伸張回復
試料の縦方向及び横方向に各10枚を幅2cm、長さ10cmに切断し、オリエンテック社製テンシロンで試料長8cmとして両端を保持具で掴み、伸張速度5cm/分にて25%伸張し、一旦伸張を止め5分間放置した後、伸張速度5cm/分にて0%まで戻して1分間放置後、再度伸張速度5cm/分にて25%まで伸張した時の、再度伸張した時の応力の立ち上がり点と始めに伸張した時の応力の立ち上がり点との長さLi mmと25%伸張した時の長さL0mm の差をL0mm で除した値を%で示す。(n=20の平均値)
10. 座り心地
東洋紡績製熱接着繊維4−64−TE5と東洋紡績製立体巻縮ステープル10−64−745を30/70重量比で混合開繊して得たカ−ドウエッブをクッションにした時の平均の見掛けの嵩密度を0.05g/cm3 となるように積層して熱成形用雌金型に入れ、牡金型で圧縮して詰め込み200℃の熱風にて10分間熱接着成形してバケットシ−ト状に成形したクッション層に表面とサイドをくるむように繊維系ワディング材で包み、東洋紡績製ハイムからなるポリエステルモケットの側地を被って座席用フレ−ムにセットして座部は4か所、背部は6か所の側地止めを入れた座席を作成し、30℃RH75%室内で作成した座席にパネラ−を座らせ以下の評価をおこなった。(n=5)
(1) 床つき感:座ったときの「どすん」と床に当たった感じの程度を感覚的に定性評価した。感じない;◎、殆ど感じない;○、やや感じる;△、感じる;×
(2) 蒸れ感:2時間座っていて、臀部やふと股の内側の座席と接する部分が蒸れた感じを感覚的に定性評価した。殆ど感じない:◎、僅かに蒸れを感じる;○、やや蒸れを感じる;△、蒸れを著しく感じる;×
(3) タッチ:座っているときの臀部の保持感を官能評価した。柔らかく支えられている:◎、保持感がよい:○、やや沈み込みあり:△、保持感が悪い:×
(4) 8時間以内でどの程度我慢して座席に座っていられるか:1時間以内;×、2時間以内;△、4時間以内;○、4時間以上;◎
(5) 4時間座席に座らせたときの腰の疲れ程度を感覚的に定性評価した。無し;◎、殆ど疲れない;○、やや疲れる;△、非常に疲れる;×
(6) 総合評価:(1) から(5) までの評価の◎を4点、○を3点、△を2点、×を1点として16点以上で△を含まないもの;非常に良い(◎)、15点以上で△を含むもの;良い(○)、12点以上で×を含まないもの;やや悪い(△)、×を含むもの;悪い(×)として評価した。
【0017】
実施例1
ポリエステル系エラストマ−として、ジメチルテレフタレ−ト(DMT)又は、ジメチルナフタレ−ト(DMN)と1・4ブタンジオ−ル(1・4BD)を少量の触媒と仕込み、常法によりエステル交換後、ポリテトラメチレングリコ−ル(PTMG)を添加して昇温減圧しつつ重縮合せしめポリエ−テルエステルブロック共重合エラストマ−を生成させ、次いで抗酸化剤2%を添加混合練込み後ペレット化し、50℃48時間真空乾燥して得られた熱可塑性弾性樹脂原料の処方を表1に示す。
【0018】
【表1】
Figure 0003654366
【0019】
常法により公知の複合紡糸機にて、熱可塑性弾性樹脂A−1をシ−ス成分、A−2をコア成分となるように個々に溶融してオリフィス直前で分配し、各吐出量を50/50重量比で、単孔当たり1.6g/分孔(0.8g/分:0.8g/分)として紡糸温度245℃にて吐出し、紡糸速度3500m/分にて得た繊度が4.1デニ−ル、乾熱160℃での収縮率8%の糸を収束してトウ状でクリンパ−にて機械巻縮を付与し、64mmに切断してシ−スコア断面の熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着繊維を得た。別途、酸成分としてテレフタレ−トを92モル%、スルホン酸ナトリュウムを含有するイソフタレ−トを2モル%とグリコ−ル成分としてエチレングリコ−ル、及び少量の触媒を加え常法によりエステル交換後、重縮合した後ペレット化して極限粘度0.50の共重合ポリエステル(P−1)を得た。又、酸成分としてテレフタレ−トを95モル%、イソフタレ−トを5モル%とグリコ−ル成分としてエチレングリコ−ル、及び少量の触媒を加え常法によりエステル交換後、重縮合した後ペレット化して極限粘度0.62の共重合ポリエステル(P−2)を得た。得られた共重合ポリエステルP−1とP−2を混合比50/50重量比で乾燥機に仕込み、混合しつつ110℃20時間真空乾燥して得られた共重合ポリエステルを高収縮成分とし、極限粘度0.63のPETを低収縮成分として、重量比50/50に分配して単孔当たり3.0g/分孔(1.5g/分:1.5g/分)として紡糸温度285℃にてC型オリフィスより吐出し、紡糸速度2500m/分で複合紡糸し、次いで、70℃及び180℃にて2段延伸して得た延伸糸を機械巻縮を付与して64mmに切断し、中空断面で中空率32%のサイドバイサイド構造の繊度5デニ−ル、初期引張り抵抗度58g/デニ−ル、潜在巻縮能が7.2mm-1の立体捲縮が未発現の潜在巻縮繊維を得た。得られた熱接着繊維と潜在巻縮繊維を40/60重量比で混合し、オ−プナ−にて予備開繊した後カ−ドで開繊して得たウエッブを目付け800g/m2 に積層し、ニ−ドルパンチにて4個/cm3 の交絡処理を行い、次いで200℃熱風にて1分間で200℃まで昇温させつつフリ−熱処理して潜在巻縮繊維に巻縮を発現させて立体巻縮により絡まった三次元構造化させた後、引き続き、見掛けの密度が0.04g/cm3 となるように圧縮して200℃熱風にて5分間熱処理して細かい巻縮を発現した(巻縮数48個/in、巻縮度38%)巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分を溶融して熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着点を形成し、一旦冷却後、厚みの80%に圧縮して100℃熱風にて20分間疑似結晶化処理して得た表面が実質的にフラット化した厚み20mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、実施例1は柔らかい弾性樹脂の特性が生かせた繊維系ワディング材のため耐熱性、常温での耐久性、伸縮性に優れ、保持感が改善された座り心地の優れたクッション材であった。評価用に作成した座席も性能が優れていることが判る。
【0020】
【表2】
Figure 0003654366
【0021】
実施例2
ジメチルイソフタレ−ト(DMI)20モル%とDMT80モル%及び1・4ブタンジオ−ル(1・4BD)を少量の触媒と仕込み、実施例1の方法と同様にして得たポリエステル系熱可塑性弾性樹脂の処方を表−1に示す。得られたA−3をシース成分に、相対粘度1.0のPBTをコア成分にし、紡糸温度を265℃とした以外、実施例1と同様にして繊度4デニ−ル、収縮率4%の熱接着繊維を得た。極限粘度0.54のPETと極限粘度0.65のPETを丸ノズルより50/50重量比で単孔吐出量5.8g/分孔で紡糸温度288℃とした以外、実施例1と同様にして、繊度6デニ−ル、初期引張り抵抗度38g/デニ−ル、潜在巻縮能5.0mm-1の巻縮が未発現の潜在巻縮繊維を得た。得られた熱接着繊維と潜在巻縮繊維を実施例1と同様にして得た、発現した巻縮(巻縮数32個/in、巻縮度28%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が実質的にフラット化した厚み20mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、実施例2は耐熱性、常温での耐久性が実用使用が可能、伸縮性も良好で、座り心地の優れたクッション材用繊維系ワディング材あった。評価用に作成した座席も性能が優れていることが判る。
【0022】
実施例3
ポリウレタン系エラストマ−として、4・4’ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDI)とPTMG及び鎖延長剤として1・4BDを添加して重合し次いで抗酸化剤2%を添加混合練込み後ペレット化し真空乾燥してポリエ−テル系ウレタンポリマ−の処方を表3に示す。
【0023】
【表3】
Figure 0003654366
【0024】
得られた熱可塑性弾性樹脂B−1をシ−ス成分に、B−2をコア成分にして、紡糸温度200℃とした以外実施例1と同様にして得た繊度4デニ−ル、収縮率12%(150℃にて測定した)の熱接着繊維を得た。次いで、実施例1の巻縮繊維を用いて、実施例1と同様にして得た発現した巻縮(巻縮数45個/in、巻縮度40%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が実質的にフラット化した厚み20mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、実施例3は耐熱性、常温での耐久性、伸縮性にも優れ、座り心地の優れたクッション材用繊維系ワディング材あった。評価用に作成した座席も性能が優れていることが判る。
【0025】
比較例1
熱接着繊維に熱可塑性非弾性樹脂を熱接着成分とした東洋紡績社製4−44−EE7を用いて、実施例2で得た潜在巻縮繊維を用いて、疑似結晶化処理しなかった以外実施例2と同様にして得た発現した巻縮(巻縮数30個/in、巻縮度28%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が実質的にフラット化した厚み20mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、比較例1は耐熱性、常温での耐久性が劣り、伸縮性が無く、座り心地も劣るクッション材用繊維系ワディング材あった。
【0026】
比較例2
極限粘度0.63のPETをC型ノズルより紡糸温度282℃で、単孔吐出量6g/分孔にて吐出し、ノズル下30mmより風速3m/秒の冷却風で非対称冷却して1300m/分にて引取り、一段目78℃、2段目160℃にて延伸し、クリンパ−にて機械巻縮を付与して得た中空断面で中空率が22%、繊度が12デニ−ル、潜在巻縮能が2.8mm-1の潜在巻縮繊維と実施例2で得た熱接着繊維を用い、疑似結晶化処理しなかった以外実施例2と同様にして得た発現した巻縮(巻縮数16個/in、巻縮度18%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が実質的にフラット化した厚み20mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、比較例2は伸縮性は有るが、耐熱性、常温での耐久性がやや劣り、座り心地もやや劣るクッション材用繊維系ワディング材あった。
【0027】
比較例3
極限粘度0.54のPETと極限粘度0.65のPETを丸ノズルより50/50重量比で単孔吐出量0.3g/分孔で紡糸速度1300m/分にて引き取った以外、実施例2と同様にして得た繊度が0.9デニ−ル、潜在巻縮能が3.2mm-1の巻縮が未発現の潜在巻縮繊維と、実施例2で得た熱接着繊維とを用いて、見掛け密度が0.02g/cm3 、厚み15mmとなるように熱成形し、疑似結晶化処理しない以外実施例2と同様にして得た発現した巻縮(巻縮数15個/in、巻縮度12%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が実質的にフラット化した厚み15mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、比較例2は伸縮性は有るが、耐熱性、常温での耐久性がやや劣り、座り心地が劣るクッション材用繊維系ワディング材あった。
【0028】
比較例4
単孔吐出量0.25g/分孔とした以外実施例2と同様にして得た、繊度0.9デニ−ル、収縮率13%の熱接着繊維と実施例2で得た潜在巻縮繊維を用い、見掛け密度が0.02g/cm3 、厚み10mmとなるように熱成形した以外、比較例3と同様にして得た発現した巻縮(巻縮数31個/in、巻縮度27%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が実質的にフラット化した厚み10mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、比較例2は伸縮性は有るが、耐熱性、常温での耐久性がやや劣り、座り心地がやや劣るクッション材用繊維系ワディング材あった。
【0029】
比較例5
単孔4g/分孔とし、紡糸速度1300m/分にて引取り、1段目78℃にて延伸した以外実施例2と同様にして得た、繊度11デニ−ル、収縮率34%の熱接着繊維と実施例2で得た潜在巻縮繊維を用い、見掛け密度が0.05g/cm3 、厚み20mmとなるように熱成形した以外、比較例3と同様にして得た発現した巻縮(巻縮数30個/in、巻縮度26%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が実質的にフラット化した厚み20mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、比較例2は伸縮性、耐熱性、常温での耐久性がやや劣り、座り心地がやや劣るクッション材用繊維系ワディング材あった。
【0030】
比較例6
実施例2と同様にして得た開繊ウエッブをそのまま見掛け密度が0.01g/cm3 となるように評価用座席に装着して座り心地を評価した結果、極めて悪い座り心地であった。
【0031】
比較例7
実施例2で得た熱接着繊維と潜在巻縮繊維を用い、混合比50/50重量%で混合開繊し、見掛け密度が0.008g/cm3 、厚み30mmとなるよう熱成形した以外、比較例3と同様にして得た発現した巻縮(巻縮数32個/in、巻縮度26%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が実質的にフラット化した厚み30mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、比較例7は伸縮性はあるが、耐熱性、常温での耐久性がやや劣り、座り心地の劣るクッション材用繊維系ワディング材あった。
【0032】
比較例8
見掛け密度を0.13g/cm3 、厚みを10mmとなるようにした以外、比較例7と同様にして得た発現した巻縮(巻縮数31個/in、巻縮度25%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が実質的にフラット化した厚み30mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、比較例7は伸縮性が無く、耐熱性、常温での耐久性も劣り、座り心地のやや劣るクッション材用繊維系ワディング材あった。
【0033】
比較例9
見掛け密度を0.08g/cm3 、厚みを0.8mmとなるようにした以外、比較例7と同様にして得た発現した巻縮(巻縮数32個/in、巻縮度25%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が実質的にフラット化した厚み0.8mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、比較例7は伸縮性は有るが、耐熱性も劣り、座り心地が劣悪なクッション材用繊維系ワディング材あった。なお、常温での耐久性は評価していない。
【0034】
比較例10
見掛け密度を0.02g/cm3 、厚みを50mmとなるようにした以外、比較例7と同様にして得た発現した巻縮(巻縮数32個/in、巻縮度25%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が実質的にフラット化した厚み0.8mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、比較例7は伸縮性は有るが、耐熱性、常温での耐久性がやや劣り、座り心地が劣悪なクッション材用繊維系ワディング材あった。
【0035】
比較例11
表面が凸凹で円錐状突起を多数有する多孔板で両面を圧縮し、見掛け密度を0.08g/cm3 、厚みを30mmとなるようにした以外、比較例7と同様にして得た発現した巻縮(巻縮数30個/in、巻縮度24%)が三次元的に絡まり、巻縮繊維と熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分が熱接着点を形成した表面が円錐状突起で凸凹化した厚み30mmの繊維系ワディング材の性能を表2に示す。表2で明らかなごとく、比較例7は伸縮性、耐熱性、常温での耐久性が劣り、臀部に異物感を与える座り心地が悪いクッション材用繊維系ワディング材あった。
【0036】
実施例5
座り心地の評価に用いた熱接着繊維と母材を用いて作成した両面がフラットな厚み50mm、見掛け密度0.05g/cm3 の硬綿を長さ120cmに切断して、実施例1で得たクッション材用繊維系ワディング材を表面に積層熱接着して、厚み5cm、幅120cm、長さ50cm毎にキルティングした幅120cm、長さ200cmの側地に入れマットレスを作成した。このマットレスをベッドに設置し、25℃RH65%室内にてパネラ−4人に7時間使用させて寝心地を官能評価した。なお、ベットにはシ−ツを掛け、掛け布団は1.8kgのダウン/フェザ−:90/10を中綿にしたもの、枕はパネラ−が毎日使用しているものを着用させた。評価結果は、床つき感がなく、沈み込みが適度で、蒸れを感じない快適な寝心地のベットであった。比較のため、密度0.04g/cm3 で厚み10cmの発泡ウレタン板状体で同様のマットレスを作成し、ベットに設置して寝心地を評価した結果、床つき感は少ないが沈み込みが大きくやや蒸れを感じる寝心地の悪いベットであった。
【0037】
【発明の効果】
巻縮繊維同士及び熱可塑性弾性樹脂を熱接着成分とした熱接着繊維とが細かい立体巻縮により絡まり三次元構造化されて接触点が融着一体化して伸縮性を付与し、両面がフラット化された熱可塑性弾性樹脂からなる成分を示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融点以下の温度に吸熱ピークを持つので、振動遮断性、耐熱耐久性、嵩高性、体型保持が改善された座り心地の良好な、蒸れにくいクッション材用繊維系ワディング材であり、クッション層に積層して側地を被せて又は、他の素材との併用して、上記の好ましい特性を付与した車両用座席、船舶用座席、車両用、船舶用、病院やホテル等の業務用ベット、家具用クッション、寝装用品等の製品を提供できる。更には、車両用や建築資材としての内装材や断熱材等にも有用である。

Claims (7)

  1. 熱可塑性非弾性樹脂からなる繊度が1〜10デニ−ルの潜在巻縮能に基づく立体巻縮を発現した巻縮繊維と1〜6デニールのソフトセグメント含有量が15重量%以上80重量%以下である熱可塑性弾性樹脂を熱接着成分とした熱接着複合繊維とが開繊混合され、前記巻縮繊維同士あるいは接巻縮繊維と熱接着繊維とが立体巻縮により絡まって三次元構造化され、熱接着繊維同志あるいは熱接着繊維と巻縮繊維の接触点の大部分が融着一体化された構造体であり、該構造体は両面が実質的にフラット化されており、厚みが1〜30mm、見掛け密度が0.01〜0.10g/cm3 であり、熱可塑性弾性樹脂成分は、示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融点以下の範囲に吸熱ピークを有することを特徴とする繊維系ワディング材。
  2. 巻縮繊維が複合繊維であり、繊度が2〜6デニ−ル、潜在巻縮能に基づいて発現した立体巻縮数が20〜60個/インチ、巻縮度が15〜50%である請求項1記載の繊維系ワディング材。
  3. 25%伸張時の回復率が60%以上であり、70℃圧縮残留歪みが35%以下である請求項1記載の繊維系ワディング材。
  4. 巻縮繊維が中空断面及び/又は異形断面を有するポリエステル繊維であり、熱接着繊維がポリエステルからなり、立体巻縮が発現している請求項1記載の繊維系ワディング材。
  5. 熱接着繊維の接着成分の融点が150〜220℃である請求項1記載の繊維系ワディング材。
  6. 潜在巻縮能(1/ρ)が5mm-1以上の熱可塑性非弾性樹脂からなる巻縮が未発現の巻縮繊維とソフトセグメント含有量が15重量%以上80重量%以下である熱可塑性弾性樹脂を熱接着成分にした複合構造を有する熱接着繊維を混合開繊して、熱接着繊維を巻縮が未発現の巻縮繊維マトリックス中に分散させて三次元構造を形成し、次いで、熱接着成分の融点より10℃〜40℃高い温度で熱処理する際、昇温過程で巻縮が未発現の巻縮繊維に細かい立体巻縮を発現させて立体巻縮により絡まり三次元構造化させた後、熱接着繊維との接触部の大部分を熱接着成分を溶融して熱可塑性弾性樹脂からなる熱接着点を形成し、一旦冷却後又は連続して、熱接着成分の融点より少なくとも10℃以上低い温度で熱処理する繊維系ワディング材の製法。
  7. 冷却後から一体成形して製品化に至る工程で熱可塑性弾性樹脂の融点より少なくとも10℃以下の温度でアニ−リングする請求項6に記載の繊維系ワディング材の処理法。
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