JP3655255B2 - カート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャスター付きのカートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バイキング形式のレストランやベーカリーコーナー等では、陳列棚やテーブルに並べられた多種類のメニューの中から好みのものを必要な数及び必要な量だけセルフサービスでとっていくシステムが採用されている。これには通常、片方の手にトレーを持ち、もう片方の手でトング等を持ち、前記トング等で好みの料理やパン等をとって前記トレー上に運ぶ作業を繰り返しながら順次移動していかなければならない。前記トレーは比較的大きなものであるから、片手で持つのは不安定であり、トレーに載置される物品が多くなってくると全体の重量が増え、トレーを片手で水平に保持するのは困難になってくる。特に、他の荷物を持ったまま作業しなければならない場合には、その作業は容易ではなく、バランスを失ってトレーを落下させてしまうおそれもある。
【0003】
そこで、トレーを安定的に保持しながら容易に移動できるようにするために、スーパーマーケット等で使用されているショッピング用カートやレストラン等でテーブルまで料理を運ぶときに使用されているサービスワゴン等を利用することが考えられる。しかしながら、従来のカートやワゴンでは嵩張って邪魔になる上に、これら従来のものは両手で押して移動させるように構成されているものであるから、片手で操作するにはバランスが悪く操作しにくい。又、前後には移動させ易いが左右には移動させにくく、小回りが利かないといった問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、バイキング形式のレストランやベーカリー等において、トレーを安定的に保持しながら自由に移動させることができる小回りの利くカートを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
*1項
上記課題を解決するための本発明の技術的手段は、『キャスター付きのカートであって、後方に向かって上昇する傾斜姿勢に設けられた一本の主軸と、前記主軸の胴部所定位置からその両側斜め後方へ向かって降下するように設けられている一対の補助軸と、前記主軸の上端から水平に且つ後方へ突出するグリップ部と、前記主軸の前記上端近傍から前方へ突出するように設けられているトレー載置台とを具備し、前記キャスターは、前記主軸の下端部と、前記補助軸の下端部とにそれぞれ設けられており、前記トレー載置台は、前記主軸に取外し自在に装着されていると共にその前端及び両側端に落下防止用のレール部が設けられている』ことである。
【0006】
上記技術的手段は次のように作用する。
後方へ傾斜している一本の主軸は、一対の補助軸によって両側斜め後方から支持されており、これら主軸及び補助軸の下端部にそれぞれキャスターを設ける構成としたから、前記キャスターは、主軸の下端部に前端の一つが位置し、これの後方に他の二つが前記主軸の両側に等間隔で位置する略二等辺三角形状の各頂点に配設された構成となっている。これにより、カートは、トレー載置台にトレー等を載置させた状態にて安定した直立姿勢を維持することができると共にその姿勢のまま移動させることができる。カートを移動させるには、グリップ部は、カートの中心線上に位置する前記主軸の上端部から後方へ水平に延長するように設けられているから、片手で握りやすい上に、前記グリップ部に加えられる力は前記主軸を介してその下端に設けられている前端のキャスターに直ちに伝達させることができる。例えば、前記グリップ部を持って手首を左右に動かすと、主軸が上端を中心に揺動すると同時にその下端に位置するキャスターが左右に動くこととなり、カートを所望の方向に向かせることができる。前記前端のキャスターの移動に応じて後方の2つのキャスターがついて動くこととなる。すなわち、グリップに加えられた力の方向にカートの前端のキャスターが容易に動き、前記前端のキャスターの移動がカートの移動となることから、片手の操作でも、又、少ない力でもカートを楽に所望の方向に所望の距離だけ移動させることができる。使用例としては、例えば、バイキング形式のレストランにおいて、前記トレー載置台にトレーを載置させ、前記グリップ部を片手で操作してカートを移動させながら、各料理が並べられている各テーブルを回り、もう片方の空いている手で所望の料理や飲み物をとって前記トレー上に載せていく。その後、そのまま自分のテーブルまでカートを押していけば良い。
【0007】
また、前記トレー載置台は、前記主軸に取外し自在に装着されていると共にその前端及び両側端に落下防止用のレール部が設けられているので、主軸及び補助軸からなるカートのフレーム部分の大きさを変更させることなく、トレー載置台のみを、各店のトレー等の大きさに応じて、その周囲をレール部がちょうど囲む大きさに変更し、差し替えて使用することができる。
【0008】
*2項
1項において、『前記トレー載置台は、前記前端に向かって上昇する傾斜姿勢に取り付けられていると共に、前記主軸の直径よりも大きな幅のスリットが前記トレー載置台の中心線に沿って前方に開放するように形成されている』ものでは、1つのカートの後方から、他のカートを同じ向きで押し込むと、後方に位置するカートのトレー載置台に設けたスリット部内に、前方に位置するカートの主軸の上端部分が差し込まれていくと共に、後方のカートのトレー載置台が前方のカートのトレー載置台上に乗り上げる態様で重なり合うこととなる。
【0009】
*3項
上記2項において、『前記主軸の後面に係止用のフック部が形成されていると共に、前記主軸の下端部近傍と前記補助軸の下端部近傍との間に棚板部が張設され、前記棚板部は、後方に向かって上昇する傾斜姿勢に設けられていると共に、前記主軸の直径よりも大きな幅のスリットが前記棚板の中心線に沿ってその後方に開放するように形成されている』ものでは、カートの操作時において、かばん等の私物をフック部に係止させたり、棚板部に置いたりすることができる。3項に示したように、カート相互を前後に重ね合わせる際には、前方に位置するカートの前記棚板部に形成した前記スリット部に、後方に位置するカートの主軸の下端部近傍が差し込まれていくと共に、後方のカートの棚板部の前端部分が前方のカートの棚板部の後端部分の下方に滑り込む態様で重なっていくこととなる。
【0010】
【発明の効果】
本発明は、上記構成であるから次の特有の効果を有する。
バイキング形式のレストランやベーカリー等において、カートを片手で操作しながら、もう片方の手で商品等をとって、トレー載置台に載置させたトレー上にとっていくことができるから、商品を載せたトレーを安定した状態で運ぶことができ、移動中にトレー又はトレー上の商品を落下させてしまうといった不都合がない。又、トレー上の商品の重量が増しても楽に運ぶことができる。又、カートは、グリップ部にかける小さな力で所望の方向に所望の距離だけ楽に移動させることができるので、小回りが利き、狭い場所でも機能的に操作することができる。
【0011】
さらに、各店のトレー等の大きさに応じた大きさのトレー載置台に容易に変更することができ、それに載置されたトレーはレール部によって落下が確実に阻止することができるから、各店専用の使い勝手の良いカートを提供することができることとなる。
【0012】
2項においては、複数のカートは前後に重ね合わせておくことができるから、不使用時のカートを嵩低く収納することができる。
【0013】
さらに、3項においては、例えば、スーパ―マーケット等で、買い物袋を持ったままベーカリーコーナーで買い物をする際に、買い物袋をフック部にかけておくことができると共に、他のかばん等の私物を棚板部においておくことができるので、陳列棚から所望の商品を選んでトレーに運ぶ作業や、レジでの支払い作業中に、買い物袋やかばん等が邪魔になることがない。前記棚板部はトレー載置台と同様に、主軸が邪魔になることなく、前後に重ね合わせることができるから、不使用時にカートを前後に重ねる際に棚板部が邪魔になることがない。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、上記した本発明の実施の形態を図面に従って詳述する。
図1に示すものは、本発明の実施の形態のカートの斜視図である。
カートを構成するフレームは、後方へ傾斜するように設けられた金属パイプ製の主軸(1)と、前記主軸(1)の胴部下部域の所定位置から前記主軸(1)の両側後方に向かって降下する一対の補助軸(11)(12)とから構成されている。尚、前記補助軸(11)(12)は、1本の金属製パイプを中央で屈曲させることにより構成された略V字状体の二辺に相当するように構成されており、前記中央の屈曲部が前記主軸(1)の胴部に溶接等により結合されて一体となっている。
【0015】
主軸(1)の上端は後方へ屈曲されて水平に延長していると共にゴム筒を外嵌させてグリップ部(10)を構成している。又、主軸(1)の下端近傍及び補助軸(11)(12)の下端部近傍は、ほぼ同じ高さで垂下されてそれぞれ垂下軸部(1a)(11a)(12a)が形成されており、これら垂下軸部(1a)(11a)(12a)の下端にそれぞれキャスター(13a)(13b)(13c)が設けられている。これらキャスター(13a)(13b)(13c)は、前端の主キャスター(13a)の後方に2つの補助キャスター(13b)(13c)が等間隔で位置する態様となっており、全体として略正三角形の各頂点に位置する関係に配設されているものとする。
【0016】
又、垂下軸部(1a)(11a)(12a)の上端近傍部分の内側面間に、金属製のネット板(14)が一体的に張設されている。前記ネット板(14)は、主軸(1)を中心に、一方の補助軸(11)側と、他方の補助軸(12)側とに間隙部(15)を介して二分割されており、前記間隙部(15)の幅は、前記主軸(1)の直径よりも大きく設定されている。又、ネット板(14)は、主軸(1)に連結されている前端部よりも、補助軸(11)(12)にそれぞれ連結されている後端部が上方に位置するようにやや傾斜させた姿勢に取り付けられている。
【0017】
主軸(1)の前記上端の屈曲部近傍の両側面には、一対の差込筒(16)が設けられており、前記差込筒(16)に、後述するトレー載置台(2)の後端に設けた一対の差込軸(26)を取外し自在に差し込まれる構成となっており、前記差込軸(26)を差込筒(16)に差し込むことにより、主軸(1)の上端部近傍からトレー載置台(2)が前方へ突出する態様で取り付けられることとなる。又、主軸(1)の後面には、係止用のフック部(17)が縦に2つ設けられている。
【0018】
トレー載置台(2)は、略U字状に屈曲させた幅細の第1金属線材(21)の両側辺の所定位置から両側方に張り出すように、同じく略U字状に屈曲させた幅広の第2、第3金属線材(22)(23)の端縁をそれぞれ連結させてなるものであり、前記第1金属線材(21)の両端に設けた垂下部が前記差込軸(26)として機能するように設定されている。
【0019】
又、トレー載置台(2)の外側辺を構成する第1、第2、第3金属線材(21)(22)(23)の湾曲部近傍部分は、それぞれ上方へ屈曲させて、レール部(20a)(20b)(20c)として起立させている。尚、前端に位置するレール部(20a)におけるアーチの高さは、前記グリップ部(10)の高さよりも高くなるように設定されている。
【0020】
尚、トレー載置台(2)は、差込軸(26)を主軸(1)の差込筒(16)に差し込んだ状態において、前記差込軸(26)の基端部に相当する後端部よりもレール部(20a)が形成されている第1金属線材(21)の前端部の方が上方に位置するように、全体にやや傾斜させた姿勢に設けられている。
【0021】
トレー載置台(2)及び棚板部(14)は、それぞれ傾斜姿勢に設けられているが、各々の低く位置する側には、それぞれ主軸(1)が位置する態様となっているから、前記主軸(1)が、トレー載置台(2)に載置させたトレー(図示せず)やその上の商品及び棚板部(14)に載置させた私物等のストッパーとして機能することとなり、前記傾斜姿勢にあるトレー載置台(2)及び棚板部(14)上に載置させた物品が、低く設定されている側へ滑り落ちる不都合はない。
【0022】
第1、第2、第3金属線材(21)(22)(23)の長さを調整することによって、レール部(20a)(20b)(20c)で囲まれる範囲の大きさを種々変えることができ、カートが利用される各店で使用されているトレーの大きさにちょうど合った大きさのトレー載置台(2)を製作することができる。トレー載置台(2)は上記したように主軸(1)の差込筒(16)に取外し自在に装着されるものであるから、フレーム自体は変更させることなく、所定の大きさのトレー載置台(2)に付け替えるだけでその店専用のカートを提供することができる。
【0023】
トレーの大きさに合ったトレー載置台(2)を利用することにより、トレーをトレー載置台(2)に載置した状態にて、トレーの周辺にはトレー載置台(2)の各レール部(20a)(20b)(20c)に略当接する態様となり、カートの移動中にトレーがトレー載置台(2)上で滑ったり不用意に落下したりする不都合がない。
【0024】
前記トレー載置台(2)は、上述したように、前端が後端(基端部側)よりも高く位置する傾斜姿勢に設けられていると共に、ネット板(14)は、前端が後端よりも低く位置する傾斜姿勢に設けられており、又、トレー載置台(2)の前端のレール部(20a)のアーチ部分はグリップ部(10)よりも高く位置するように設定されていると共に、ネット板(14)には主軸(1)の直径よりも幅広な間隙部(15)が後方に開放するように形成されているから、一つのカートの後方から、他のカートを押し込んでいくと、図2に示すように、前方に位置するカートのグリップ部(10)が後方のカートのレール部(20a)の下方に差し込まれていくと同時に、後方のカートの主軸(1)の下端部の垂下軸部(1a)が前方のカートのネット板(14)の間隙部(15)内に入り込んでいく。さらに、後方のカートを押し進めることにより、前方に位置するカートのトレー載置台(2)の上に、後方に位置するカートのトレー載置台(2)が重なっていくと同時に、前方に位置するカートのネット板(14)の下方に後方のカートのネット板(14)が滑り込んでいく。このように、後方に位置するカートの主軸(1)の前面が前方に位置するカートのグリップ部(10)の先端に当接するまで、後方のカートは前方のカートに重ね合わせていくこと(スタッキング)ができるから、カートの不使用時においては、図2に示す態様にカートを前後に重ね合わせて嵩低く収納しておくことができる。
【0025】
このカートを、例えば、スーパーマーケットのベーカリーコーナーで使用する場合には、上記したようにスタッキング状態にあるカートの最後部に位置するカートのグリップ部(10)を手で持ってカートを引き抜き、トレー載置台(2)にトレー(図示せず)を載置する。トレー載置台(2)の大きさは、各店のトレーの大きさに応じて設定されているので、トレーはトレー載置台(2)のレール部(20a)(20b)(20c)内にちょうど位置する態様で載置されることとなり、カートの移動中にトレーがトレー載置台(2)から不用意に落下する不都合はない。
【0026】
カートを使用者の前方に位置させた状態において、グリップ部(10)はカートの中心線上に位置すると共に使用者側へ向かって延長するように設けられているから、片手で握り易く、手首を左右に振るだけで主軸(1)を揺動させることができると共に、主キャスター(13a)を所望の方向に且つ所望の距離だけ動かすことができる。主キャスター(13a)が動けば、左右後方の補助キャスター(13b)(13c)も続いて動くこととなるから、カート本体が移動することとなる。このように、本発明実施の形態のカートは、片手で容易に操作することができる上に、狭い場所でも小回りを利かせて移動させることができる。
【0027】
尚、上記実施の形態のカートのトレー載置台には、トレーを載置させるためのものとして機能させているが、トレー載置台に載置させるものは、トレーに限定されるものではなく、例えば、買い物かごを載置して使用しても良いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態のカートの斜視図。
【図2】本発明実施の形態のカートを前後に重ねた収納状態を示す説明図。
【符号の説明】
(1)・・・・・・主軸
(10)・・・・・・グリップ部
(11)(12)・・・・補助軸
(13)・・・・・・キャスター
(2)・・・・・・トレー載置台
Claims (3)
- キャスター付きのカートであって、後方に向かって上昇する傾斜姿勢に設けられた一本の主軸と、前記主軸の胴部所定位置からその両側斜め後方へ向かって降下するように設けられている一対の補助軸と、前記主軸の上端から水平に且つ後方へ突出するグリップ部と、前記主軸の前記上端近傍から前方へ突出するように設けられているトレー載置台とを具備し、前記キャスターは、前記主軸の下端部と、前記補助軸の下端部とにそれぞれ設けられており、
前記トレー載置台は、前記主軸に取外し自在に装着されていると共にその前端及び両側端に落下防止用のレール部が設けられていることを特徴とするカート。 - 請求項1に記載のカートであって、前記トレー載置台は、前記前端に向かって上昇する傾斜姿勢に取り付けられていると共に、前記主軸の直径よりも大きな幅のスリットが前記トレー載置台の中心線に沿って前方に開放するように形成されているカート。
- 請求項2に記載のカートであって、前記主軸の後面に係止用のフック部が形成されていると共に、前記主軸の下端部近傍と前記補助軸の下端部近傍との間に棚板部が張設され、
前記棚板部は、後方に向かって上昇する傾斜姿勢に設けられていると共に、前記主軸の直径よりも大きな幅のスリットが前記棚板の中心線に沿ってその後方に開放するように形成されているカート。
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