JP3656566B2 - 放射線検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品や食品等の被破壊検査装置に関し、更に詳しくは、包装材料等の事情により内部が可視光で観察できない対象物の欠品の有無を検査するのに適した放射線検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
包装された食品などの欠品の有無する装置として、従来、可視光ないしは赤外線を用いる検査装置が知られている。この可視光または赤外線を用いる検査装置においては、一般に、可視光または赤外線を被検査物に対して照射し、その反射光もしくは透過光をCCDカメラなどで受光して包装内部の画像情報を得て、その形状に基づいて包装内部の物品の個数などを判別している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、食品や医薬品等の包装形態として、アルミホイルや光を透過させない箱などを用いたものが多く採用されており、このような包装形態の商品については、光を用いた欠品の検査装置は無力であった。
【0004】
また、光を用いた検査装置においては、光を透過させる材料からなる包装材を用いていても、その表面の着色等によって検査結果に大きな影響を受けるという問題があった。
【0005】
光を透さない材料からなる包装の内部の状況を透視するには、X線をはじめとする放射線を用いた検査装置を用いればよいのであるが、従来の放射線検査装置においては、被検査物を透過した放射線を1次元もしくは2次元の放射線検出器によって検出し、その画素情報を用いた画像処理により包装内部の透視2次元像のパターンを認識して、欠品の有無等を判定するものであり、高速インライン化に対応するには大がかりな画像処理を必要とし、ハードウエア並びにソフトウエアの双方ともに高価なものとなるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、放射線を用いた検査装置で、しかも従来のような大がかりな画像処理を必要とすることなく、画像処理のためのハードウエア並びにソフトウエアを比較的簡単なものとすることができ、もって低コストの装置構成のもとに、光を透さない材料等によって包装された物品の欠品の有無等を確実に判定することのできる放射線検査装置の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の放射線検査装置は、放射線発生手段と、その放射線発生手段に対して対向配置された放射線検出手段と、その放射線発生手段および放射線検出手段の間で被検査物を搬送する搬送手段と、上記放射線検出手段からの画素情報を用いてデータ処理を行うデータ処理手段を備えた放射線検査装置において、上記データ処理手段は、上記放射線検出手段からの1つの被検査物に関する全ての画素の濃淡情報のうち、あらかじめ設定されている濃度範囲内の画素数を積算し、その積算結果から欠品検査を行うように構成されていることによって特徴づけられる。
【0008】
本発明は、放射線検出器による画素情報を用いた画像処理によって透視像のパターンを認識するのではなく、画素の濃淡情報のうち、あらかじめ設定されている濃度範囲内にある画素数を積算し、その結果から欠品の有無を判定するという簡単なデータ処理を採用することにより、所期の目的を達成しようとするものである。
【0009】
すなわち、包装内の物品の放射線透視像を構成する画素は、他の部分の画素とは異なる濃度を有しているが故に、その透視像を視認できるのであり、従って、その物品の透視像を構成する画素は他の部分とは異なる濃度範囲に入り、その範囲はあらかじめ知ることができる。そこで、その濃度範囲をあらかじめ設定しておき、その濃度範囲内にある画素数を積算すれば、その積算結果は包装内部の物品の投影面積に相関したものとなる。例えば複数の物品が一定の向きで包装容器内に収容された商品を被検査物とした場合、上記した積算結果は包装容器内の物品の個数に比例したものとなる。従って、放射線透過像を構成する画素のうち、所定の濃度範囲内にある画素を積算することにより、包装内の欠品の有無を正確に判定することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の構成図であり、要部の機械的構成を表す模式図と、電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
【0011】
被検査物Wはコンベアシステム1のループベルト11上に載せられて一定の速度で搬送される。コンベアシステム1の上方には、X線管2がそのX線光軸を鉛直下方に向けた姿勢で配置されているとともに、X線管2に対向してその鉛直下方には、コンベアシステム1のループベルト11を介在させた状態で1次元X線検出器3が配置されている。
【0012】
コンベアシステム1は、ループベルト11と、そのループベルト11が掛け回される駆動ローラ12並びに複数の従動ローラ13を含み、駆動ローラ12は、操作パネル4に設けられているスイッチの操作により駆動回路14から供給される駆動信号によって回転駆動するモータ(図示せず)により回転が与えられ、この駆動ローラ12の回転によりループベルト11が各ローラに案内されて移動し、被検査物Wを図中矢印の方向に一定の速度で搬送する。
【0013】
X線管2は、そのアノード2aとカソード2b間に、X線制御器21により制御される高電圧発生回路22からの高電圧が印加されることによってX線を発生する。X線管2とコンベアシステム1との間には、当該コンベアシステム1による搬送方向に直交する方向に沿ったスリット23aが形成されてなる鉛製のスリット部材23が設けられており、X線管2から出力されたX線は、このスリット23aを通過することにより、コンベアシステム1の幅方向に広がりを持つ扇状のX線ビームとなる。
【0014】
1次元X線検出器3はシンチレータと、複数の素子がライン状に並べられたMOS型イメージセンサによって構成されたものであり、入射したX線はシンチレータにより光に変換されたうえでMOS型イメージセンサの各素子によって一定の微小時間ごとに検出され、各素子ごとに刻々のX線の入射量に応じた検出信号を出力する。
【0015】
1次元X線検出器3の各素子からの検出信号はデータ処理装置5に取り込まれる。データ処理装置5は、その各素子からの検出信号を画素の濃淡情報とするX線透過像をモニタ51に表示するとともに、後述するルーチンのもとに1次元X線検出器3の各素子からの刻々のデータを用いて欠品の有無を判定する。そして、その判定結果に基づき、欠品有りと判定した場合には、その旨の出力を発生して、後述するようにブザー54を鳴らしたり、あるいは排除装置55を駆動する。また、その結果をデータプリンタ52に出力するとともに、その画像をビデオプリンタ53に出力する。
【0016】
図2はデータ処理装置5に書き込まれている欠品の有無の判定用のプログラムの内容を示すフローチャートであり、以下、この図2を参照しつつ本発明の実施の形態における欠品の有無の判定動作について説明する。この例においては、被検査物Wとして、図3(A)に正規の状態でのX線透過像を例示するように、包装箱WB内に6個の饅頭WAが収容されている商品を例にとり、饅頭WAの欠品の有無を検査するものとする。なお、図3(A)においてWCは饅頭WA内の餡である。また、このフローチャートにおいて、iは一定の微小間隔ごとの1次元X線検出器3による信号の出力(イベント)の順序、換言すれば時間、を表し、jは1次元X線検出器3の各素子の番号(チャンネル)を表すものとし、従って被検査物WのX線透過像を構成する画素は、Rijで表される。
【0017】
さて、自動運転に先立ち、操作パネル4に設けられているテンキー等を操作して、カウントに供すべき画素の濃度範囲の下限XLと上限XHを設定する。この濃度範囲は、図4に饅頭WAの略中央部分に1次元X線検出器3が位置している状態における各画素の出力(濃淡)レベルを示すように、被検査物W内の饅頭WAのX線透視像を構成する画素の全てが入り、かつ、背景像を構成する画素が入らない濃度範囲に設定される。また、この濃度範囲に入っている画素のカウント結果に従って欠品の有無を判定する際の合格範囲の下限MLと上限MHを設定する。
【0018】
更に、測定長iMAXを設定する。このiMAXは、1つの被検査物Wについての1次元X線検出器3からの検出信号のデータ処理装置5への取り込み数を表す。すなわち、データ処理装置5は、被検査物Wがコンベアシステム1上を搬送されて、その先端がX線の照射位置の直前に到来した時点で物品検出センサ(図示せず)から出力される外部トリガ信号の発生により1次元X線検出器3からの出力の取り込みを開始し(i=1)、その取り込み数が上記したiMAXに達した時点で当該被検査物Wに関しての出力の取り込みを終了する。
【0019】
自動運転の開始を指令して被検査物Wをコンベアシステム1上に供給して搬送を始めると、上記した物品検出センサの出力の発生によりi=1,j=1,M=0に初期化し、最初のイベントi=1における各画素情報R1jを取り込む。i=1において取り込んだ1次元X線検出器3のj個の画素情報について、j=1から全ての画素に至るまで、その濃度情報が先に設定した濃度範囲XL〜XHの範囲に入っているか否かを判別し、範囲XL〜XH内に入っている場合にはMの値を1カウントアップする。
【0020】
全チャンネルの判別を終了した後、次に取り込んだ各画素情報(i=2)について、上記と同様にして最初のチャンネルj=1から最終チャンネルに至るまで設定されている濃度範囲内に入っているか否かを判別し、入っている画素があるごとにMを1カウントずつアップしていく。やがてi=iMAXに達した時点で、Mの値が先に設定した合格範囲ML〜MHに入っているか否かを判別する。この判別によって、欠品の有無を正確に知ることができる。
【0021】
すなわち、1個の饅頭WAのX線透視像において、濃度範囲XL〜XHに入る画素数の平均が100個であったとしたとき、合格範囲ML〜MHを例えば540〜660程度に設定する。図3(A)のように、包装箱WB内に正しく6個の饅頭WAが収容されている場合には、Mの数は平均して600となり、合格範囲ML〜MHに入るのに対し、図3(B)に示すように、包装箱WB内に饅頭WAが1個欠落している場合には、Mの数は平均して500となり、合格範囲ML〜MHには入らず、欠品の有無を正確に判別することができる。なお、X線透視像において、包装箱WBのエッジ部分等の画素が濃度範囲XL〜XHに入る場合においては、その画素数の概略はあらかじめ判るため、その数をMから減じたうえで合格範囲ML〜MHと比較するか、あるいは合格範囲ML〜MHを包装箱WBのエッジ部分等の画素数を考慮した値に設定すればよい。
【0022】
Mが合格範囲ML〜MHに収まっていれば合格の旨の処理をするとともに、収まっていなければ、前記したブザー奏鳴や物品排除等の異常判定処理を行った後、次の被検査物Wの判定に移行する。
【0023】
以上の実施の形態において特に注目すべき点は、1次元X線検出器3からの画素情報を用いた画像処理により、被検査物W内の饅頭WAのパターンを認識して合否判定を行うのではなく、画素の濃度があらかじめ設定されている濃度範囲内に収まる画素数を積算し、その積算結果が合格範囲内にあるか否かによって欠品の有無を判定する点であり、このようなデータ処理の採用により、パターン認識による判定に比してそのソフトウエアが極めて簡単ですみ、それに伴ってデータ処理のためのハードウエアも比較的簡単なものですむという効果を奏することができる。
【0024】
ここで、 本発明は、上記のように包装箱WB内に収容されている饅頭WA等の数のみならず、濃度範囲XL〜XHの設定を変更することによって、例えば各饅頭WA内の餡の欠落の有無をも検査することができる。
【0025】
すなわち、図5に示すように、饅頭WAのX線透視像においては、内部の餡WCの透視像を構成する画素の濃度はその周囲の皮の部分の画素よりも濃く(暗く)なる。従って、濃淡範囲XL〜XHを餡WCの画素のみが入る濃度に設定しておくことにより、例えば1個の饅頭WAの餡WCのX線透視像を構成する画素数の平均を20とすると、上記と同様に6個の饅頭WAが1つの包装箱WB内に収容されている商品において、前記した図3(A)に示すように全ての饅頭WA内に正しく餡WCが入っている場合には、Mの数は120程度となるのに対し、図6に示すように、1個の饅頭WA内内に餡WCが入っていない場合にはMの数は約100となり、例えば合格範囲ML〜MHを105〜135程度に設定しておくことにより、餡WCの欠品の有無を正確に判定することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、被検査物に放射線を照射してその透視像を得るとともに、その透視像の各画素のうち、あらかじめ設定された濃度範囲内にある画素数を積算し、その積算結果を用いて欠品の有無を判定するので、アルミホイル等の光を透過させない包装容器内に収容された商品等についても検査に供することができ、しかも、従来の放射線を用いた異物検査装置等のように、放射線の透視像のパターンを認識して検査する場合に比して、データ処理が簡単であり、ソフトウエアおよびハードウエアの双方ともに低コスト化することが可能であり、低コストの装置構成のもとに、光を透さない材料等によって包装された物品の欠品の有無等を確実に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成図であり、要部の機械的構成を表す模式図と、電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である
【図2】本発明の実施の形態におけるデータ処理装置5に書き込まれている欠品の有無の判定用のプログラムの内容を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態により欠品の有無の検査に供される被検査物WのX線透視像の例の説明図で、(A)は欠品のない正規の状態の場合、(B)は欠品のある場合の透視像を示す図である。
【図4】図3に示した被検査物Wを検査する場合の濃度範囲XL〜XHの設定例の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態による欠品の有無の検査を行う場合の他の例における濃度範囲XL〜XHの設定例の説明図である。
【図6】図5に示した設定において欠品の有無の検査に供される被検査物WのX線透視像の例の説明図で、欠品のある場合の透視像を示す図である。
【符号の説明】
1 コンベアシステム
11 ループベルト
14 駆動回路
2 X線管
21 X線制御器
22 高電圧発生回路
23a スリット
3 1次元X線検出器
4 操作パネル
5 データ処理装置
Claims (1)
- 放射線発生手段と、その放射線発生手段に対して対向配置された放射線検出手段と、その放射線発生手段および放射線検出手段の間で被検査物を搬送する搬送手段と、上記放射線検出手段からの画素情報を用いてデータ処理を行うデータ処理手段を備えた放射線検査装置において、
上記データ処理手段は、上記放射線検出手段からの1つの被検査物に関する全ての画素の濃度情報のうち、あらかじめ設定されている濃度範囲内の画素数を積算し、その積算結果から欠品検査を行うように構成されていることを特徴とする放射線検査装置。
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