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JP3658813B2 - 半導体磁器ヒータ素子及びその素子を用いた半導体磁器ヒータ装置 - Google Patents
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JP3658813B2 - 半導体磁器ヒータ素子及びその素子を用いた半導体磁器ヒータ装置 - Google Patents

半導体磁器ヒータ素子及びその素子を用いた半導体磁器ヒータ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正の抵抗温度特性を有する半導体磁器に関し、特に定温発熱のヒーターとして用いられる半導体磁器ヒータ素子及びその素子を用いた半導体磁器ヒータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体磁器ヒータ素子及びその素子を用いた半導体磁器ヒータ装置の従来例を最少の構成を示して説明する。
まず、第1従来例として図9に示すものがある。この第1従来例の半導体磁器ヒータ装置1は、半導体磁器ヒータ素子2,絶縁板3,放熱板4及びグリス6から構成される。
【0003】
半導体磁器ヒータ素子2は正の抵抗温度特性を有する半導体磁器の一主表面に一対の櫛歯状のヒータ用電極7a,7bが形成されたものである。この半導体磁器ヒータ素子2のヒータ用電極7a,7b形成面にグリス6を介して絶縁板3が面接合され、さらに絶縁板3に放熱板4が面接合されて半導体磁器ヒータ装置1が構成される。なお、この際、図示しないが、絶縁板3と放熱板4との間にできるわずかな隙間を埋めるために、通常グリスが塗布される。
【0004】
次に、第2従来例として図10に示すものがある。この第2従来例の半導体磁器ヒータ装置11は、半導体磁器ヒータ素子12,絶縁板13及び放熱板14から構成される。
【0005】
半導体磁器ヒータ素子12は正の抵抗温度特性を有する半導体磁器の一主表面に一対の櫛歯状のヒータ用電極17a,17bが形成されたものである。この半導体磁器ヒータ素子12のヒータ用電極17a,17b形成面に対向する他の主表面に絶縁板13が面接合され、さらに絶縁板13に放熱板14が面接合されて半導体磁器ヒータ装置11が構成される。なお、この際、図示しないが、半導体磁器ヒータ素子12の他の主表面と絶縁板13との間、及び、絶縁板13と放熱板14との間にできるわずかな隙間を埋めるために、通常グリスが塗布される。
【0006】
上述の半導体磁器ヒータ装置1,11は、一対のヒータ用電極7a,7b,17a,17bに通電することにより、半導体磁器ヒータ素子2,12の一主表面であるヒータ用電極7a,7b,17a,17bの形成面が発熱して高温になる。
【0007】
したがって、半導体磁器ヒータ装置1の場合、半導体磁器ヒータ素子2のヒータ用電極7a,7bの形成面からの熱がグリス6及び絶縁板3を介して放熱板4から放熱される。また、半導体磁器ヒータ装置11の場合、半導体磁器ヒータ素子12のヒータ用電極17a,17bの形成面からの熱が半導体磁器ヒータ素子12の本体及び絶縁板13を介して放熱板14から放熱される。この際、半導体磁器ヒータ装置1,11は、放熱板4,14からの放熱が良いほど、正特性サーミスタの特性によって、半導体磁器ヒータ素子2,12が降温し、その抵抗値が減少する。これにより、半導体磁器ヒータ素子2,12に流れる電流が増加して、発熱量が増加する。半導体磁器ヒータ素子2,12はこのサイクルを繰り返すため放熱性を高めることが効率のよい使用方法になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1、第2従来例の半導体磁器ヒータ装置1,11には、次のような問題があった。即ち、第1従来例では、半導体磁器ヒータ素子2の発熱面であるヒータ用電極7a,7b形成面は、ヒータ用電極7a,7bの厚さに相応して凹凸ができるため、ヒータ用電極7a,7b形成面と絶縁板3との間に隙間ができる。この隙間をグリス6で埋めて熱伝導性を高めたものであるが、グリス6の熱伝導が不十分であり、半導体磁器ヒータ装置1の発熱効率が悪いという問題があった。
【0009】
第2従来例では、半導体磁器ヒータ素子12のヒータ用電極17a,17b形成面が発熱面になるため、半導体磁器ヒータ素子12の本体を介して絶縁板13から放熱板14へと熱伝導する。このため、半導体磁器ヒータ素子12の厚さを薄くして放熱板14への熱伝導をよくしているものであるが、半導体磁器ヒータ素子12の本体の厚さはその機械的強度を保つためあまり薄くすることができず、熱伝導が不十分であるという問題があった。
【0010】
したがって、本発明の目的は、上述の問題点を解消するためになされたもので、半導体磁器ヒータ素子の発熱面を平面にして放熱板への熱伝導がよくなる半導体磁器ヒータ素子及びそれを用いた半導体磁器ヒータ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の半導体磁器ヒータ素子においては、正の抵抗温度特性を有する半導体磁器が、その内部に一対からなるヒータ用電極と、その側面に該ヒータ用電極とそれぞれ電気的に導通する外部電極とを備えており、前記ヒータ用電極は前記半導体磁器の主表面に略平行な平面上に前記半導体磁器と一体焼結して形成されており、前記一対のヒータ用電極が前記半導体磁器の一主表面から500μm未満(0を含まない)に位置していることを特徴とする。
【0013】
さらに、前記一対のヒータ用電極が櫛歯状からなることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、正の抵抗温度特性を有する半導体磁器が、その内部に一対からなるヒータ用電極と、その側面に該ヒータ用電極とそれぞれ電気的に導通する外部電極とを備えており、前記一対のヒータ用電極は前記半導体磁器の一主表面から500μm未満に位置する略平行な平面上、または、半導体磁器の一主表面上に形成されており、前記半導体磁器の一主表面または両主表面が第1の絶縁体で覆われ、該第1の絶縁体と前記ヒータ用電極と前記半導体磁器と一体焼結されていることを特徴とする。
【0015】
さらに、前記第1の絶縁体がチタン酸バリウム系絶縁性磁器であることを特徴とする。
【0016】
本発明の半導体磁器ヒータ装置においては、半導体磁器ヒータ素子のヒータ用電極に近接する一主表面に第2の絶縁体が配設されるとともに、該第2の絶縁体を介して前記一主表面に放熱板が面接合されていることを特徴とする。
【0017】
また、前記放熱板にカバーが取り付けられ、該放熱板とカバーとの間に空間が形成され、該空間に前記半導体磁器ヒータ素子と第2の絶縁体が収容されており、前記カバーに接する半導体磁器ヒータ素子の他の主表面に第3の絶縁体が配設されていることを特徴とする。
【0018】
さらに、半導体磁器ヒータ素子のヒータ用電極に近接する一主表面に放熱板が面接合されていることを特徴とする。
【0019】
さらにまた、前記放熱板にカバーが取り付けられ、該放熱板とカバーとの間に空間が形成され、該空間に前記半導体磁器ヒータ素子が収容されていることを特徴とする。
【0020】
さらにまた、前記放熱板にカバーが取り付けられ、該放熱板とカバーとの間に空間が形成され、該空間に前記半導体磁器ヒータ素子が収容されており、前記カバーに接する半導体磁器ヒータ素子の他の主表面に第3の絶縁体が配設されていることを特徴とする。
【0021】
これにより、半導体磁器ヒータ素子の発熱面に近接する一主表面からヒータ用電極が取り除かれて、一主表面を平坦にすることができる。そして、半導体磁器ヒータ素子の一主表面と絶縁体との熱接合において直接に面接合させることが可能になり、半導体磁器ヒータ素子から放熱板への熱伝導が良くなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半導体ヒータ素子の第1の実施の形態を図1,図2を参照して詳細に説明する。
半導体磁器ヒータ素子21は、正の抵抗温度特性を有する半導体磁器22の内部に一対のヒータ用電極23,24と、その側面に一対のヒータ用電極23,24にそれぞれ導通する一対の外部電極25,26とを備えている。
【0023】
半導体磁器22は、図2のように、上から順に半導体磁器シート28,電極シート29及び所定枚数の半導体磁器シート28から構成され、これらのセラミックグリーンシートを順に積層圧着して一体に焼結されたものである。
【0024】
半導体磁器シート28は、シート引上げ法やドクターブレード法などによって半導体セラミックスラリーから形成された連続状のセラミックグリーンシートが所定の大きさに切断されたものである。電極シート29は半導体磁器シート28の一面に対辺から電極パターンの端縁が互いに対向する一対の櫛歯状のヒータ用電極23,24が形成されたものである。
【0025】
かかる構成の半導体磁器ヒータ素子21は、一対のヒータ用電極23,24が半導体磁器22の内部にあるとともに、一主表面22aに略平行な平面上に形成されるものである。そして、ヒータ用電極23,24が形成された面は、半導体磁器ヒータ素子21の一主表面22aに近接して設けられる。なお、半導体磁器ヒータ素子21の一主表面22aからヒータ用電極23,24までの距離Dは、0を含まない500μm未満が好ましい。
【0026】
次に、本発明に係る半導体ヒータ素子の第2の実施の形態を図3,図4を参照して詳細に説明する。但し、前述の第1の実施の形態と同一部分及び同一機能部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0027】
図3において、半導体磁器ヒータ素子31は、正の抵抗温度特性を有する半導体磁器22の内部に一対のヒータ用電極23,24と、その側面に一対の外部電極25,26とを備え、ヒータ用電極23,24形成面に近接する一主表面22aに第1の絶縁体32が一体に設けられている。
【0028】
半導体磁器ヒータ素子31は、図4のように、上から順に所定枚数の絶縁体シート33,半導体磁器シート28,電極シート29及び所定枚数の半導体磁器シート28から構成され、これらのセラミックグリーンシートを順に積層圧着して一体に焼結された焼結体からなるものである。
【0029】
絶縁体シート33は、シート引上げ法やドクターブレード法などによって絶縁体セラミックスラリーから形成された連続状のセラミックグリーンシートが所定の大きさに切断されたものである。
【0030】
かかる構成の半導体磁器ヒータ素子31は、一対のヒータ用電極23,24が半導体磁器22の内部にあるとともに、その一主表面22aに近接し、かつ、その一主表面22aに略平行な平面上に形成されたものである。また、半導体磁器ヒータ素子31は、半導体磁器22の一主表面22aには、半導体磁器22と一体に第1の絶縁体32を備える。
【0031】
次に、本発明に係る半導体ヒータ素子の第3の実施の形態を図5を参照して詳細に説明する。但し、前述の第2の実施の形態と同一部分及び同一機能部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、焼成前の分解斜視図については、図4を援用して説明する。
【0032】
図5において、半導体磁器ヒータ素子41は、正の抵抗温度特性を有する半導体磁器22の内部に一対のヒータ用電極23,24と、その側面に一対の外部電極25,26とを備え、ヒータ用電極23,24形成面に略平行な両主表面22a,22bに第1の絶縁体32,32が一体に設けられている。
【0033】
半導体磁器ヒータ素子41は、図4のように、上から順に所定枚数の絶縁体シート33,半導体磁器シート28,電極シート29及び所定枚数の半導体磁器シート28に、さらに図示していないが、その下方に所定枚数の絶縁体シート33を加えたものから構成され、これらのセラミックグリーンシートを順に積層圧着して一体に焼結し、この焼結体の一対の対向側面に、ヒータ用電極23,24にそれぞれ導通する一対の外部電極25,26が形成されたものである。
【0034】
かかる構成の半導体磁器ヒータ素子41は、一対のヒータ用電極23,24が、半導体磁器22の内部にあるとともに、その一主表面22aに近接し、かつ、一主表面22aに略平行な平面上に形成されたものである。そして、半導体磁器ヒータ素子41は、半導体磁器22の両主表面22a,22bに、半導体磁器22と一体に第1の絶縁体32,32を備える。
【0035】
なお、第2,第3の実施の形態において、ヒータ用電極23,24は半導体磁器22の内部に設けられたものを示して説明したが、半導体磁器22の一主表面22aに絶縁体32を一体に設ける場合、ヒータ用電極23,24は半導体磁器22の一主表面22a上、つまり、第1の絶縁体32と半導体磁器22との境界面に形成されるものでも良い。そして、半導体磁器22の一主表面22aからヒータ用電極23,24の形成面までの距離Dは、0を含む500μm未満が好ましい。
【0036】
また、第1〜第3の実施の形態において、半導体磁器ヒータ素子21,31,41の一対のヒータ用電極23,24を一枚の半導体磁器シート28の同一面上に形成したものを示して説明したが、一枚の半導体磁器シート28の両面に分割して、すなわち、一面にヒータ用電極23を他面にヒータ用電極24を形成したものであってもよい。また、近接する2枚の半導体磁器シート28にヒータ用電極23,ヒータ用電極24を別々に形成したものであっても良い。
【0037】
次に、本発明に係る半導体磁器ヒータ装置の第1の実施の形態を図6を参照して詳細に説明する。但し、前述の半導体磁器ヒータ素子の第1の実施の形態と同一部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0038】
半導体磁器ヒータ装置51は、半導体磁器ヒータ素子21と第2の絶縁体52と第3の絶縁体53と放熱板54とカバー55とから構成される。
第2の絶縁体52は、アルミナ等の耐熱性及び熱伝導性がよい絶縁板からなり、半導体磁器ヒータ素子21の一主表面22aに面接合できる板状のものである。第3の絶縁体53は、アルミナ等の耐熱性がよい絶縁板からなり、半導体磁器ヒータ素子21の他の主表面22bに面接合できる板状のものである。放熱板54は、アルミニウム等の熱伝導がよいものからなり、第2の絶縁体52と面接合している。カバー55は、凹部55aを有しており、放熱板54に取り付けられることにより、放熱板54と凹部55aとの間に空間が形成される。
【0039】
半導体磁器ヒータ装置51は、半導体磁器ヒータ素子21の両主表面22a,22bにそれぞれ第2の絶縁体52と第3の絶縁体53を重ねて、放熱板54とカバー55とが形成する空間に収容されて構成される。この際、半導体磁器ヒータ素子21は、ヒータ用電極23,24の形成面に近い一主表面22aが、放熱板54側に近接して収容される。
【0040】
係る半導体磁器ヒータ装置51は、外部電極25,26に通電すると、ヒータ用電極23,24の形成面が発熱し、この熱が半導体磁器ヒータ素子21の一主表面22aから第2の絶縁体52を介して放熱板54に熱伝導する。
【0041】
なお、半導体磁器ヒータ装置51の組み立てに際して、半導体磁器ヒータ素子21から放熱体54への熱伝導をよくするために、半導体磁器ヒータ素子21と第2の絶縁体52と放熱板54との接触面は、鏡面状態に研磨されることが好ましい。また、半導体磁器ヒータ素子21と第2の絶縁体52と放熱板54との接触面にできる空気層を除くために、グリス等を介在させることが好ましい。
【0042】
次に、本発明に係る半導体磁器ヒータ装置の第2の実施の形態を図7を参照して説明する。但し、前述の半導体磁器ヒータ素子31,41及び半導体磁器ヒータ装置51と同一部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0043】
半導体磁器ヒータ装置61は、半導体磁器ヒータ素子41が放熱板54とカバー55とが形成する空間に収容されて構成される。この際、半導体磁器ヒータ素子41は、ヒータ用電極23,24の形成面に近い半導体磁器22の一主表面22aが、放熱板54側に近接して収容されている。
【0044】
係る半導体磁器ヒータ装置61は、外部電極25,26に通電すると、ヒータ用電極23,24の形成面が発熱し、この熱が図の上側の第1の絶縁体32を介して放熱板54に熱伝導する。
【0045】
なお、半導体磁器ヒータ装置61の組み立てに際して、半導体磁器ヒータ素子41から放熱体54への熱伝導をよくするために、半導体磁器ヒータ素子41と放熱板54との接触面は、鏡面状態に研磨されることが好ましい。また、半導体磁器ヒータ素子41と放熱板54との接触面にできる空気層を除くために、グリス等を介在させることが好ましい。
【0046】
なお、半導体磁器ヒータ装置61において、半導体磁器ヒータ素子41を用いて説明したが、半導体磁器ヒータ素子41に替わって図3に示した半導体磁器ヒータ素子31及び図6に示した第3の絶縁体53を用いてもよい。
【0047】
(実施例1)
本発明による実施例1について、図1,図2,図6を援用して説明する。
出発原料として、BaCO3 ,CaCO3 ,TiO2 ,La2 3 ,Mn2 3 ,SiO2 を、所要量調合して半導体磁器組成である(Ba0.797 Ca0.20La0.003 1.005 TiO3 +0.01SiO2 +0.0005Mnの調合原料を作成した。
【0048】
この調合原料に水を加え、玉石とともにポリエチレンポットにいれて、5時間湿式混合粉砕を行い、その後、1100℃で2時間仮焼して仮焼粉末を得た。この仮焼粉末に、バインダー,分散剤,水を加え、玉石とともに12時間湿式混合粉砕してセラミックスラリーを得た。このセラミックスラリーからドクターブレード法により厚み50μmの半導体磁器シート28を作製した。この半導体磁器シート28にニッケルペーストを櫛歯状に塗布、乾燥によってヒータ用電極23,24を形成し、電極シート29を作成した。
【0049】
次に、図2に示すように、半導体磁器シート28及び電極シート29を所要枚数積層圧着して、水素ガス及び窒素ガス中において1350℃で2時間焼成して焼結体を得た。この焼結体の対向する一対の側面に外部電極25,26を図1のように塗布、乾燥して、800℃で1時間焼き付けるとともに半導体磁器の再酸化を行い、半導体磁器ヒータ素子21を作製した。
【0050】
この半導体磁器ヒータ素子21は、その外形寸法が縦20mm×横30mm×高さ3mmであり、その一主表面22aから略40μmの位置にヒータ用電極23,24が形成された。この半導体磁器ヒータ素子21の一主表面22aを鏡面研磨して、この一主表面22aに図6のように、厚み2mmのアルミナからなる第2の絶縁体52及び厚み2mmのアルミニウムからなる放熱板54をそれぞれの間にグリスを介在させて熱的に密着させるとともに、一主表面22aに対向する他の主表面22bには、厚み2mmのアルミナからなる第3の絶縁体53を配設し、カバー55でこれらを保持することにより半導体磁器ヒータ装置51を得た。
【0051】
(実施例2)
本発明による実施例2について、図3,図4,図7を援用して説明する。
出発原料として、BaCO3 ,CaCO3 ,TiO2 ,La2 3 ,Mn2 3 ,SiO2 を、所要量調合して半導体磁器組成である(Ba0.797 Ca0.20La0.003 1.005 TiO3 +0.01SiO2 +0.0005Mnと、絶縁性磁器組成である(Ba0.8 Ca0.2 1.005TiO3 +0.01SiO2 +0.002Mnの調合原料を作成した。
【0052】
半導体磁器組成の調合原料からは実施例1と同様にして、半導体磁器シート28及び電極シート29を作成した。
実施例1と同様に、絶縁性磁器組成の調合原料に水を加え、玉石とともにポリエチレンポットにいれて、5時間湿式混合粉砕を行った後、1100℃で2時間仮焼して仮焼粉末を得た。この仮焼粉末に、バインダー,分散剤,水を加え、玉石とともに12時間湿式混合粉砕した後、ドクターブレード法により厚み50μmの絶縁性シート33を作製した。
【0053】
次に、図4に示すように、絶縁性シート33,半導体磁器シート28及び電極シート29を所要枚数積層圧着して、水素ガス及び窒素ガス中において1350℃で2時間焼成して、絶縁性磁器と半導体磁器が一体の焼結体を得た。この焼結体の対向する一対の側面に外部電極25,26を図3のように塗布、乾燥して、800℃で1時間焼き付けるとともに半導体磁器22の再酸化を行い、半導体磁器ヒータ素子31を作製した。
【0054】
この半導体磁器ヒータ素子31は、その外形寸法が20mm×30mm×5mmであり、半導体磁器22の厚みが3mmに対し第2の絶縁体32の厚みが2mmである。半導体磁器22の一主表面22a、つまり、半導体磁器22と第1の絶縁体32の境界面から略40μmの位置にヒータ用電極23,24が形成された。この半導体磁器ヒータ素子31の図の上側の第1の絶縁体32の一主表面32aを鏡面研磨して、この一主表面32aにグリスを介在させて第7図のように厚み2mmのアルミニウムからなる放熱板54を熱的に密着させるとともに、半導体磁器22の一主表面22aに対向する他の主表面22bには、厚み2mmのアルミナからなる第3の絶縁体53を配設し、カバー55でこれらを保持することにより半導体磁器ヒータ装置61を得た。
【0055】
(比較例)
従来技術による比較例について、図6,図9を援用して説明する。
半導体磁器シート28を所要枚数積層圧着後にカットして、実施例1と同様に、半導体磁器ヒータ素子の外形寸法が20mm×30mm×5mmである焼結体を得た。この焼結体の一主表面に5μm厚の櫛歯状電極を形成して、図9に示す半導体磁器ヒータ素子2を作製した。半導体磁器ヒータ素子2の櫛歯状電極7a,7bの形成面に実施例1と同様に、厚み2mmのアルミナからなる第2の絶縁体52及び厚み2mmのアルミニウムからなる放熱板54をそれぞれの間にグリスを介在させて熱的に密着させるとともに、一主表面に対向する下面には、厚み2mmのアルミナからなる第3の絶縁体53を配設し、カバー55でこれらを保持することにより半導体磁器ヒータ装置を得た。
【0056】
上述した実施例1,2及び比較例の半導体磁器ヒータ装置を、図8に示すように、容器60の底部60aの中央部に装着し、容器60に水62を入れて後、半導体磁器ヒータ装置に電圧を印加して容器60を熱する。そして、容器60中の水62が沸騰した状態における半導体磁器ヒータ素子の熱抵抗θを求めて表1に示した。但し、熱抵抗θは、式V2 /R=1/θ×(T−Ta)で表されるものであり、Vは半導体磁器ヒータ素子への印加電圧(100V),Rは半導体磁器ヒータ素子が動作中の半導体磁器ヒータ素子の抵抗値,Taは容器60中の水62の温度(100℃),Tは動作中の半導体磁器ヒータ素子2、及び半導体磁器22の温度を示す。
【0057】
【表1】
Figure 0003658813
【0058】
表1からわかるように、熱抵抗θは比較例の0.62に対して、実施例1,2が0.45,0.42と低く、大きな電力を取り出せる半導体磁器ヒータ装置であることがわかる。さらに、熱抵抗θが0.42及び0.45であることから、実施例2である絶縁性磁器と半導体磁器が一体の半導体磁器ヒータ素子31が実施例1より大きな電力を取り出せることがわかる。
【0059】
(実施例3)
次に、本発明による実施例3について説明する。実施例2の半導体磁器ヒータ素子31において、半導体磁器22の一主表面22aからヒータ用電極23,24の形成面までの距離Dが異なる試料を作成し、前述と同様にして熱抵抗θを測定した。その結果を、一主表面22aからヒータ用電極23,24までの距離Dと熱抵抗θとの関係を表2に示す。表2からも明らかなように、一主表面22aからヒータ用電極23,24までの距離が500μm未満であれば、熱抵抗θが小さくなることがわかる。
【0060】
【表2】
Figure 0003658813
【0061】
【発明の効果】
本発明による半導体磁器ヒータ素子では、ヒータ用電極を半導体磁器に内蔵させることで、ヒータ用電極の厚みによる半導体磁器ヒータ素子表面の凸凹がなくなり、絶縁体との熱結合がよくなる。さらに、半導体磁器ヒータ素子の内部にヒータ用電極を形成したために、ヒータ用電極の形成面から絶縁体を介して放熱板までの距離を小さくでき、熱抵抗が小さく大きな電力を取り出せるという効果が得られる。さらにまた、本発明による半導体磁器ヒータ素子は、半導体磁器の発熱面に近接して配置する絶縁体をチタン酸バリウム系のセラミックで構成することにより、半導体磁器ヒータ素子を絶縁性磁器と半導体磁器とが一体の焼結体で構成することができ、熱抵抗が小さく大きな電力を取り出せるという効果が得られる。
【0062】
本発明による半導体磁器ヒータ装置では、半導体磁器ヒータ素子の一主表面に凸凹がなく、放熱板への熱伝導がよくなり、熱抵抗が小さく放熱量を増大させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体磁器ヒータ素子の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の半導体磁器ヒータ素子の焼成前の分解斜視図である。
【図3】本発明の半導体磁器ヒータ素子の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】図3の半導体磁器ヒータ素子の焼成前の分解斜視図である。
【図5】本発明の半導体磁器ヒータ素子の第3の実施の形態を示す斜視図である。
【図6】本発明の半導体磁器ヒータ装置の第1の実施の形態を示す一部断面図である。
【図7】本発明の半導体磁器ヒータ装置の第2の実施の形態を示す一部断面図である。
【図8】熱抵抗測定装置の一部断面図である。
【図9】第1従来例の一部切除斜視図である。
【図10】第2従来例の斜視図である。
【符号の説明】
21,31,41 半導体磁器ヒータ素子
22 半導体磁器
22a 半導体磁器の一主表面
23,24 ヒータ用電極
32 第1の絶縁体
51,61 半導体磁器ヒータ装置
52 第2の絶縁体
53 第3の絶縁体
54 放熱板
55 カバー

Claims (10)

  1. 正の抵抗温度特性を有する半導体磁器が、その内部に一対からなるヒータ用電極と、その側面に該ヒータ用電極とそれぞれ電気的に導通する外部電極とを備えており、
    前記一対のヒータ用電極は前記半導体磁器の一主表面から500μm未満(0を含まない)に位置する略平行な平面上に、前記半導体磁器と一体焼結されて形成されていることを特徴とする半導体磁器ヒータ素子。
  2. 前記一対のヒータ用電極が櫛歯状からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体磁器ヒータ素子。
  3. 正の抵抗温度特性を有する半導体磁器が、その内部に一対からなるヒータ用電極と、その側面に該ヒータ用電極とそれぞれ電気的に導通する外部電極とを備えており、
    前記一対のヒータ用電極は前記半導体磁器の一主表面から500μm未満に位置する略平行な平面上、または、半導体磁器の一主表面上に形成されており、
    かつ、前記半導体磁器の一主表面または両主表面が第1の絶縁体で覆われており、
    前記第1の絶縁体と前記ヒータ用電極と前記半導体磁器とが一体焼結されていることを特徴とする半導体磁器ヒータ素子。
  4. 前記一対のヒータ用電極が櫛歯状からなることを特徴とする請求項3に記載の半導体磁器ヒータ素子。
  5. 前記第1の絶縁体がチタン酸バリウム系絶縁性磁器であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の半導体磁器ヒータ素子。
  6. 請求項1または請求項2に記載の半導体磁器ヒータ素子のヒータ用電極に近接する一主表面に第2の絶縁体が配設されるとともに、該第2の絶縁体を介して前記一主表面に放熱板が面接合されていることを特徴とする半導体磁器ヒータ装置。
  7. 前記放熱板にカバーが取り付けられ、該放熱板とカバーとの間に空間が形成され、該空間に前記半導体磁器ヒータ素子と第2の絶縁体が収容されており、前記カバーに接する半導体磁器ヒータ素子の他の主表面に第3の絶縁体が配設されていることを特徴とする請求項に記載の半導体磁器ヒータ装置。
  8. 請求項3〜5のいずれかに記載の半導体磁器ヒータ素子のヒータ用電極に近接する一主表面に放熱板が面接合されていることを特徴とする半導体磁器ヒータ装置。
  9. 前記放熱板にカバーが取り付けられ、該放熱板とカバーとの間に空間が形成され、該空間に前記半導体磁器ヒータ素子が収容されていることを特徴とする請求項に記載の半導体磁器ヒータ装置。
  10. 前記放熱板にカバーが取り付けられ、該放熱板とカバーとの間に空間が形成され、該空間に前記半導体磁器ヒータ素子が収容されており、前記カバーに接する半導体磁器ヒータ素子の他の主表面に第3の絶縁体が配設されていることを特徴とする請求項に記載の半導体磁器ヒータ装置。
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