JP3658857B2 - 凝集反応測定用磁石板とその使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定物質を、磁性粒子を用いて測定する測定方法(凝集反応測定法)に用いる凝集反応測定用磁石板とその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より抗原抗体反応によって起こる凝集反応を利用して検体中に抗原又は抗体が存在するか否かを検出する免疫反応検査が行われており、近年では、磁石板を利用して多数の免疫反応検査を同時に行う方法が開発されている。
【0003】
これら従来の磁石板は、マトリクス状に配設された穴部を有し、その穴部に一つずつ磁石を保持した構造であり、前記磁石は磁極が全て同じ向きに保持されていた。
【0004】
前記磁石板を用いる凝集反応測定方法の一つとして、磁石板上の磁石の位置と対応した複数のウェルを有する容器を用い、前記ウェルの各々に検体と、抗原または抗体を結合した磁性粒子(以下、感作磁性粒子という。)とを入れて撹拌した後、複数のウェルを有する容器を磁石板上に静置させ、前記磁石板の磁力によって適度に沈降させてその凝集状態から免疫反応の検出を行う静置法が用いられていた。
【0005】
静置法の場合、検体中に抗原または抗体が存在すると、沈降した複数の感作磁性粒子と抗原または抗体が相互に結合し、凝集塊を形成する。このため、感作磁性粒子がそれ以上移動し辛くなってウェル底部に一様に広がる。一方、検体中に抗原または抗体が存在しない場合には感作磁性粒子は抗原または抗体と相互に結合されないので凝集塊は形成されず、感作磁性粒子は、前記磁石板の磁力に引きつけられて移動し、ウェル底部中央に収束する。
【0006】
従って、静置法による凝集反応の判定は、ウェル底部に一様に広がった分布パターンを形成したものを陽性と判定し、ウェル底部中央に収束した分布パターンを形成したものを陰性と判定していた。
【0007】
しかし、磁石板を用いる凝集反応測定方法において、従来の磁石板の磁力は板上の全ての部分で必ずしも一様でなく、特に磁石板の淵付近と磁石板の中央付近とでは磁力が異なり全体として磁力が不均一であり、各ウェルに対して磁力が均一にかからないという問題点があった。
【0008】
特に、上記静置法においては、磁力によって形成される磁性粒子のパターンを判定するため、各ウェルに磁力が均一にかからないと、磁性粒子の分布パターンにバラツキが生じて、正しい判定ができなくなってしまうおそれがある。
【0009】
一方、静置法では、弱い磁力で時間をかけて集磁するため、静置時間が長く、多数検体を処理するのには効率が悪いという問題点があったため、本願出願人は、磁石板を用いる新たな凝集反応測定方法を開発提案してきた(特開平3ー144367号公報、特開平3ー191864号公報)。この凝集反応測定方法は、検体と感作磁性粒子とを、例えばマイクロプレートのような複数のウェルを備えた容器に入れて撹拌した後、所定の強さを有する磁力によって強制沈降させ、その後その容器を傾けてウェル底部における磁性粒子の流れ出しを判断する流れ出し凝集反応測定方法である。
【0010】
流れ出し凝集反応測定の場合、検体中の感作磁性粒子は一度強制的に沈降するが、検体中に抗原または抗体が存在していると感作磁性粒子と抗原または抗体が相互に結合し、凝集塊を形成するため、傾斜後も凝集した状態のままウェル底部中央からほとんど移動せず流れ出しにくい。一方、検体中に抗原または抗体が存在しないと、感作磁性粒子に結合せず、凝集塊を形成しないので傾斜後は感作磁性粒子が底部から移動し、底部中央から尾を引くように流れ出す。
【0011】
従って、流れ出し凝集反応測定における判定方法は、ウェル傾斜後の磁性粒子が収束したままのパターンを形成したものを陽性と判定し、底部中央から流れ出したパターンを形成したものを陰性と判定している。
【0012】
上記の流れ出し凝集反応測定方法では、静置法で用いた磁石よりも磁力の強い磁石を用いて感作磁性粒子を強制沈降させ、検査時間を短くするため、より強力な磁力が要求されると共に、やはり、従来の磁石板の磁力の不均一は、凝集状態の強弱を生じさせることとなり、このため、容器傾斜後の流れ出しも不均一となり、判定を難しくしていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、複数個の磁石を配設した磁石板の磁力をより均一さらに強力にできる凝集反応測定用磁石板とその使用方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の凝集反応測定用磁石板は、配設した複数個の穴に隣接する磁石の磁極の向きを異ならせて該磁石を嵌挿し保持したものである。
【0015】
これにより、従来と同じ磁石を用いた場合でも該凝集反応測定用磁石板の磁力を均一にし、強化することができる。
【0016】
さらに、配設した複数個の穴の隣接する行又は列毎に前記磁石の磁極の向きを異ならせて挿嵌保持することで、より磁力を均一にし強化した凝集反応測定に適した凝集反応測定用磁石板とすることができる。
【0017】
また、配設した複数個の穴の行及び列の隣接する前記磁石の磁極の向きを異ならせて挿嵌保持することでも、より磁力を均一にし強化した凝集反応測定に適した凝集反応測定用磁石板とすることができる。
【0018】
そして、配設された複数個の穴を有する磁石挿入板に磁石を嵌挿した磁石板本体と、該磁石板本体の一方の面に固定される支持板と、他の面に固定される前記複数個の穴に対応して座ぐり穴を設けたカバー板とからなる凝集反応測定用磁石板にすることができる。
【0019】
この構造によれば磁石をより安定して保持し、容器のウェル底部に磁石を精度良く安定して対応させることができる。
【0020】
そして、前記磁石挿入板を非磁性材とし、前記支持板を磁性材とすることにより、磁力の均一性を高め、かつ磁石間の磁力を強くすることができる。
【0021】
また、磁石挿入板をアルミ製、支持板を鉄製、および前記カバー板をアルミ製とすれば、凝集反応測定に適した磁石の均一性および磁力の強さを得ることができる。
【0022】
さらに、前記カバー板において、座ぐり穴が底部に向けて次第に狭くなる傾斜穴とすれば、U底やV底のウェルを有する容器と対応し、精度良く安定して磁石を保持することができる。
【0023】
そして、上記凝集反応測定用磁石板は、検体と感作磁性粒子とを入れた容器底部に当接して、上記磁性粒子を強制沈降させる凝集反応測定に用いることができ、磁力を均一にして、容器のウェル毎の集磁率のバラツキを少なくし、従来より精度の良い測定を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態およびその実施例】
以下に、本発明に係る凝集反応測定用磁石板の発明の実施の形態およびその実施例を示す。また、流れ出しの凝集反応測定方法によった結果をCCDカメラ方式画像測定装置によって測定した場合を磁石の磁気方向が一定の磁石板と比較して図面及び表に基づいて説明する。
【0025】
[磁石板の作成方法]
図1に本発明の一実施例である凝集反応測定用磁石板1、2、5、6及び比較例3、4(磁石方向の条件は後述する。)の縦断面図を示す。
【0026】
まず、カバー板10、磁石挿入板13、支持板20または支持板22、及び磁石8を96個用意する。
【0027】
ここで、前記カバー板10は厚さ3ミリ、110ミリ×74ミリからなる板であり、マイクロプレート(本願出願人作製)52の96穴ウェル54(後述する図3参照)をそれぞれ挿嵌させる座ぐり穴10aが対応して設けられている。この座ぐり穴10aは底部直径3ミリの開口を有し、この底部に向けて次第に狭くなるテーパー120度の傾斜穴である。尚、前記カバー板10は非磁性材、例えば、アルミ板で作製することが好ましい。また、前記カバー板10の大きさ並びに厚さ及び前記座ぐり穴10aの形状は、使用するマイクロプレートに対応させて変えることができる。
【0028】
また、前記磁石挿入板13は厚さ1.5ミリ、110ミリ×74ミリから構成され、96穴のウェル位置に合わせて直径5ミリの筒状の穴13aが設けられている。この磁石挿入板13は、例えば、鉄のような磁性材で作製することが好ましい。
【0029】
また、磁石8は前記磁石挿入板13に設けた筒状の穴13aに合わせて直径5ミリ、厚さ1.5ミリの円柱形であり、磁力は2000ガウス程度である。
【0030】
前記磁石挿入板13の筒状の穴13aに前記磁石8を挿嵌して磁石板本体15が形成される。
【0031】
また、前記支持板20または22は厚さ2ミリ、110ミリ×74ミリの板からなり、材質は非磁性材製あるいは磁性材製のどちらを使用することもできるので、例えば支持板20ように鉄製とすることもでき、また支持板22のようにアルミ製とすることもできる。
【0032】
そして、用意した支持板20あるいは22上に、磁石挿入板13を重ね、磁石挿入板13に設けられた筒状の穴13aに磁石8を挿嵌して磁石挿入板13と磁石8とから成る磁石板本体15を支持板20あるいは22上に作製し、さらに前記カバー板10を重ねて3枚の板の四隅をネジで固定し凝集反応測定用磁石板を製造する。作成する凝集反応測定用磁石板は磁性材の支持板20あるいは非磁性材の支持板22に96個の磁石8の磁極の向きを様々に異ならせて何種類もの凝集反応磁石板を作成することができ、表1に示す条件で本実施例としての磁石板を磁石板1、2、5、6の4種類作成し、比較例として磁石板3、4の2種類を作成した。図2に磁石板1〜6の磁石挿入時の磁極のパターンを示す。
【0033】
【表1】
[凝集反応測定用磁石板を用いる凝集反応測定方法]
図3に前記凝集反応測定で用いるマイクロプレートの一部を断面とした側面図を示す。このマイクロプレート52は各ウェル54の底部がテーパー120度のV状になっており、本発明の実施例で用いるカバー板10の座ぐり穴10aにウェル54を適合保持させて使用することができる。
【0034】
96穴マイクロプレート52のウェル54内に検体と測定対象物に応じた感作磁性粒子を入れて撹拌する。
【0035】
前記マイクロプレート52を前記凝集反応測定用磁石板のカバー板上面に前記マイクロプレートの各ウェル54がカバー板の座ぐり穴10aに対応するように安定した状態で載置させ、ウェル内の混合物が強制沈降するまで静置させる。
【0036】
混合物を強制沈降させた後、マイクロプレート52を前記凝集反応測定用磁石板から静かに取り外す。取り外したマイクロプレートは磁性のないところで、ウェルを傾斜させ、そのままの状態で感作磁性粒子を流れ出させるために数分置く。
【0037】
その後、ウェル内の磁性粒子の流れ出し状態から測定を行う。
【0038】
測定は、ウェル底部中央に感作磁性粒子が点のように収束しているときは陽性と判定し、ウェル底部から尾を引くように感作磁性粒子が流れ出していた場合には陰性と判定する。
【0039】
[CCDカメラ方式画像測定機の作成]
(1)全体構造
図4に集磁した磁性粒子のパターンを測定するCCDカメラ方式画像測定機35の部分斜視図を示す。
【0040】
前記CCDカメラ方式画像測定機35は、各ウェル54毎に撮影した画像を処理するコンピュータ32を内蔵しており、上方に向けて設置したCCDカメラ25と、X軸方向への移動機構、カメラ上部に設置した長さ12センチの冷陰極管を用いた光源27、Y軸方向への移動機構を持つ96穴マイクロプレートホルダー30とで構成されている。
【0041】
そして、X軸方向への移動機構は、パルスモーター37、タイミングベルト39、及びガイドレール40からなり、Y軸方向への移動機構は、カメラと光源の間に設置したパルスモーター42、タイミングベルト44及びガイドレール50からなる。
【0042】
(2)画像データの取り込み
CCDカメラ25を原点からX軸方向に移動させ、マイクロプレート52の長辺に沿ってマイクロプレート52の一番外側のウェル54の画像を1列分撮影する。次に、マイクロプレート52をY軸方向に前記ウェル1列分移動させ、CCDカメラ25をX軸方向に移動させながら、マイクロプレート52の2列目の各ウェルを撮影する。同様の操作をマイクロプレート52の各列について行い、全てのウェル54の画像データを取り込む。
【0043】
(3)画像処理
図5に、一例として、取り込んだ各ウェル54の画像データの各ピクセルの明暗の度合いを示す。
【0044】
取り込んだ各ウェル54の画像データは、512×128ピクセルのデータ量で、各ピクセルの明暗の度合いは、256階調で得られる(図5の(a)参照)。このデータを所定の明暗の閾値で2値化し、図5の(b)に示すような1または0のデータに変換する。図5の(b)において、1は所定の閾値より明るいデータを、0は所定の閾値より暗いデータを意味する。本実施例及び比較例につき、輝度の閾値を150と設定した。集磁した感作磁性粒子の直径を示す値として、2値化データの0の部分の水平方向の最長ラインを選択し、最長ライン上のピクセル数を算出した。
【0045】
[磁石板の比較試験]
96穴の各ウェル54に、特公平3ー17103号公報記載の磁性粒子の0.1%懸濁液を50マイクロリットルずつ分注した前記V状の底部を有するマイクロプレート(本願出願人作製)52を、前記磁石板1〜6上で5分間集磁し、前記ウェル54の底部に集まった感作磁性粒子の沈降径を前記記載のCCDカメラ方式画像測定装置35にて測定した。
【0046】
時間毎の前記磁性粒子の集合量を表2及び図6に示す。また、5分間集磁したときの磁性粒子径を100%としたときの各集磁時間での磁性粒子集合量の割合(%)を表3及び図7に示す。
【0047】
【表2】
【表3】
まず、表2及び図6から、前記磁石板1〜6毎に集合量がピークに達したときの集磁時間を見ると、磁石板2及び6が1.5分経過後、磁石板1が4分経過後、磁石板3、4、5は5分経過時であった。さらに、ピーク時の集合量を比較してみると、磁石板2が最も多く、61.1ピクセルで、次に多いのが磁石板1の60.5ピクセルであった。他の磁石3、4、5、6は59乃至57ピクセルであった。これらのことから磁石板2が最も短時間で最も多くの磁性粒子を集磁させることができているのが分かる。
【0048】
また、集磁状態を見ると、磁石板2、6、5及び1においては集磁時間が0.5分経過時で磁石板3及び4より比較的多量に集磁できており、約2分経過時までは集磁量が多い。このことから、例えば、流れ出し凝集反応測定方法において、強制沈降時間を2分以内で行う場合には、磁石の磁極の向きを異ならせて挿嵌させた磁石板1、2、5及び6が、磁極の向きを同じとした磁石板3及び4より適していることが分かる。
【0049】
また、磁石板1の構成は、支持板のみが磁石板2と異なっており、非磁性材であるアルミ板を用いている。このことから、磁性粒子の集合量及び集磁時間の双方の点で、支持板は、非磁性材のアルミ板に対して磁性材である鉄板の方が凝集反応測定において効果的であることが分かる。
【0050】
さらに、表3及び図7と合わせて磁石板毎の効果をみると、磁石板6が、磁石板2に比べて磁性粒子の集合量は少ないものの、時間毎の集磁率では、磁石板2とほぼ同様の高い割合を示していることが分かる。ここで、磁石板4及び6は支持板において、磁石板2と同様の鉄板を用いているため、磁石板2と異なる点は、磁石8の磁極の向きのみである。このことから、磁石の磁極の向きは列毎にS極N極が交互になるように挿嵌させたパターンが集磁率が最も高いため、凝集反応測定用磁石板のパターンとして好ましく、磁石の磁極が1つづつ交互になるように挿嵌させたパターンにおいても、磁極を全て同じ向きに挿嵌したものと比べると、はるかに集磁率が高く凝集反応測定用磁石板として効果的であるということが分かる。
【0051】
従って、凝集反応測定においては、隣接する磁石8の磁極の向きを異ならせて挿嵌させた磁石板とすることが強制沈降時の集磁率の面で効果的であり、かつ、支持板として、例えば鉄のような磁性材を用いた前記磁石板とすると、流れ出し凝集反応測定において、強制沈降の際の磁性粒子の集合量を従来より増加させることができる。
【0052】
さらに、各時間毎の粒子径のバラツキを表4及び図8に示す。
【0053】
【表4】
バラツキの点においても、磁石板2が他の磁石板と比べてバラツキの割合が低く、さらに、1分程度の短い集磁時間においてもバラツキが低いことから、集磁率および粒子径のバラツキ共に他の磁石板より優れていることが分かる。
【0054】
また、磁石板1においても集磁時間2分経過後当たりからほぼ磁石板2と同様にバラツキが少なくなっており、上述したように集磁率も高いことから凝集反応測定に適している。
【0055】
次に、磁石板3、4、5及び6について磁石板毎のバラツキの最も少なくなる時間を見ると、磁石板3および4は磁石板5および6に比べて約2分程度遅いことが分かる。従って、凝集反応測定を行う限られた沈降時間では、磁石板5および6が短時間で最小のバラツキで集磁することができる。ただし、磁石板4については磁石板1とほぼ同じバラツキ状態であり、これに対して同じ磁石の配設パターンの磁石板3がバラツキが最も多いことから、支持板を鉄製とした方がより効果的であることを示している。
【0056】
以上説明したように、集磁速度の速さとウェル毎の集磁量の均一性から、磁石板1、2、5及び6が磁石板3及び4より良く、最も良い条件は磁石板2であった。
【0057】
[流れ出し測定における磁石板の効果]
前記磁石板の比較試験で記載した磁性粒子を50マイクロリットルずつ分注した前記マイクロプレート(本願出願人作製)52(図3参照)と、前記磁石板2〜6を用い、前記CCDカメラ方式画像測定装置35にて、感作磁性粒子の流れ出し状態を測定した。測定時の集磁時間は1分、傾斜時間は2分で行った。流れ出し長さ及びバラツキの結果を表5及び図9及び図10に示す。
【0058】
【表5】
図9において、磁石板2が流れ出しが最も長く次に磁石板4、6の順で流れ出しが長く凝集反応測定に適している。また、図10においても磁石板6および2が同様にバラツキが少なく、磁石板4及び5においても比較的少ない。これに対して磁石板3が明らかにバラツキが目立ち、図9の粒子長も最も短かったことから凝集反応測定にはあまり適していないことが分かった。
【0059】
[磁石板の総合評価]
これらの点から相対的に判断すると、支持板に磁性材である鉄を用い、列毎にS極N極が交互になるように磁石8を挿嵌した磁石板2が凝集反応測定に最も適しており、次に、同様に鉄製の支持板を用いて行及び列の隣接する磁石の磁極の向きを異ならせて挿嵌した磁石板6が適していることが分かった。
【0060】
[応用]
上述のとおり、磁石の磁極の向きの配列パターン及び支持板の材質によって磁力の均一性及び磁力の強さを変化させることができることが明らかになった。
【0061】
これらの変化を利用すれば、従来と同じ磁石を用いた場合でも従来より問題であった磁力の均一性を高めることができ、容器間の集磁量のバラツキを小さくすることができる。
【0062】
また、該磁石の磁極の向きの配列と支持板の材質の組み合わせによって、1種類の磁石で何通りもの磁力を作り出すことができる。
【0063】
このため、測定毎に性質の異なる磁性粒子を用いる場合でも、その磁性粒子に合わせて、新たに磁石を用意する必要がなく、従来の磁石の磁極の配列パターンを異ならせてその磁性粒子に適した磁力に調整して用いることができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、配設した複数個の穴に隣接する磁石の磁極の向きを異ならせて該磁石を嵌挿し保持したものであるため、従来と同じ磁石を用いた場合でも磁力を均一にし、粒子径、流れ出し等のバラツキを少なくすることができると共に、磁力を強化することができ、集磁時間の短縮を図ることができる。
【0065】
さらに、配設した複数個の穴の隣接する行又は列毎に前記磁石の磁極の向きを異ならせて挿嵌保持することで磁力をより均一かつ磁力を適度に強化することができ、効率的な測定処理が可能となる。
【0066】
また、配設した複数個の穴の行及び列の隣接する前記磁石の磁極の向きを異ならせて挿嵌保持することでも、より磁力を均一かつ磁力を適度に強化することができ、効率的な測定処理が可能となる。
【0067】
そして、配設された複数個の穴を有する磁石挿入板に磁石を挿嵌した磁石板本体と、該磁石板本体の一方の面に固定される支持板と、他の面に固定される前記複数個の穴に対応して座ぐり穴を設けたカバー板とからなる凝集反応測定用磁石板とすることによって、磁石を安定して保持し、容器のウェル底部に磁石を位置精度良く安定して対応させることができる。
【0068】
そして、磁石挿入板を非磁性材とし、支持板を磁性材とすることにより、磁石間の磁力を強めると共に磁力を均一にして粒子径のバラツキを少なくすることができる。
【0069】
また、磁石を保持する磁石挿入板をアルミ製とし、その一方の面に固定される支持板を鉄製とし、前記カバー板をアルミ製で作製したものとして磁石板を用いれば磁石の磁力を均一かつ磁力を適度に強めることができる。
【0070】
さらに、前記カバー板において、座ぐり穴が底部に向けて次第に狭くなる傾斜穴とすれば、容器のウェルの底部と磁石との対応をより位置精度良く安定させることができる。
【0071】
そして、凝集反応測定用磁石板を検体と、抗原又は抗体を結合した磁性粒子とを入れた容器の底部に当接して、上記磁性粒子を強制沈降させることで、磁力を均一にして、容器ウェル毎の集磁率のバラツキを少なくし、精度の良い測定を可能とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す凝集反応測定用磁石板1、2、5、6及び比較例の磁石板3、4の縦断面図である。
【図2】 本発明の一実施例を示す磁石板1、2、5、6及び比較例3、4の磁石板における磁石挿入時の磁極のパターンの部分平面図である。
【図3】 本発明の一実施例で用いるマイクロプレートの一部を断面とした部分側面図である。
【図4】 本発明の一実施例としての磁石板を用いたCCDカメラ画像測定装置の部分斜視図である。
【図5】 CCD画像カメラで取り込んだ各ウェルの画像データの各ピクセルの明暗の度合いを示す図である。
【図6】 磁石板1〜6の強制沈降の際の時間毎の磁性粒子の集合量を示す図である。
【図7】 磁石板1〜6において、5分間集磁したときの磁性粒子径を100%としたときの各集磁時間での磁性粒子量の割合(%)を示す図である。
【図8】 磁石板1〜6において、各時間毎の粒子径のバラツキを示す図である。
【図9】 磁石板2〜6において、流れ出し長さ及びバラツキの結果を示す図である。
【図10】 磁石板2〜6において、流れ出し長さ及びバラツキの結果を示す図である。
【符号の説明】
1〜6 凝集反応測定用磁石板、 8 磁石、 10 カバー板、 10a 座ぐり穴、 13 磁石挿入板、 13a 穴、 15 磁石板本体、 20,22 支持板、 25 CCDカメラ、 27 冷陰極管を用いた光源、 3096穴ウェルマイクロプレートホルダー、 32 コンピュータ、 35 CCDカメラ方式画像測定装置、 37,42 パルスモーター、 39,44 タイミングベルト、 40,50 ガイドレール、 52 マイクロプレート、54 ウェル。
Claims (6)
- 凝集反応測定用磁石板であって、
配設した複数個の穴を有する磁石挿入板に隣接する磁石の磁極の向きを異ならせて該磁石を嵌挿した磁石板本体と、
該磁石板本体の一方の面に固定される支持板と、
他の面に固定される前記複数個の穴に対応して座ぐり穴を設けたカバー板と、を備え、
前記磁石挿入板が非磁性体からなり、前記支持板が磁性体からなることを特徴とする凝集反応測定用磁石板。 - 前記配設した複数個の穴の隣接する行又は列毎に前記磁石の磁極の向きを異ならせて挿嵌保持した請求項1記載の凝集反応測定用磁石板。
- 前記配設した複数個の穴の行及び列の隣接する前記磁石の磁極の向きを異ならせて挿嵌保持した請求項1記載の凝集反応測定用磁石板。
- 前記磁石挿入板がアルミ製であり、前記支持板が鉄製であり、前記カバー板がアルミ製である請求項1〜3のいずれか1つに記載の凝集反応測定用磁石板。
- 前記カバー板において、座ぐり穴が底部に向けて次第に狭くなる傾斜穴である請求項1〜4のいずれか1つに記載の凝集反応測定用磁石板。
- 前記凝集反応測定用磁石板を検体と感作磁性粒子とを入れた容器の底部に当接して、前記磁性粒子を強制沈降させる請求項1〜5のいずれか1つに記載の凝集反応測定用磁石板の使用方法。
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| JP11347096A JP3658857B2 (ja) | 1996-05-08 | 1996-05-08 | 凝集反応測定用磁石板とその使用方法 |
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| JPH09297140A JPH09297140A (ja) | 1997-11-18 |
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| US10677695B2 (en) | 2002-11-07 | 2020-06-09 | Lsi Medience Corporation | Magnetic material for collecting magnetic particles and utilization thereof |
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1996
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| US10677695B2 (en) | 2002-11-07 | 2020-06-09 | Lsi Medience Corporation | Magnetic material for collecting magnetic particles and utilization thereof |
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