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JP3658905B2 - 抄紙用内添剤及び該内添剤を用いた機能紙 - Google Patents
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抄紙用内添剤及び該内添剤を用いた機能紙 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐水性、撥水性、耐油性、撥油性、耐汚染性、耐熱性、乾燥強度、湿潤強度などの各種機能、特に耐水性が必要とされる包装用紙又は建装用紙に用いられる耐水紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐水性、耐油性などの各種機能を紙に付与する方法としては、一般的に抄紙工程中に加工して付与する方法と、抄紙工程後に加工して付与する方法とがある。
【0003】
抄紙工程中の加工としては、パルプスラリー中に内添用サイズ剤〔ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)など〕、定着剤〔硫酸アルミニウム〕、内添用乾燥紙力増強剤〔カチオン性でんぷん、ポリアクリルアミド(PAM)系、植物ガムなど〕、内添用湿潤紙力増強剤〔ポリアミノアミドエピクロルヒドリン樹脂(PAE)など〕などを添加し、抄紙、乾燥する方法がある。これにより、筆記性(水性ペンのにじみ防止)及び軽度の耐水性が付与される。
【0004】
抄紙工程後の加工としては、紙の表面に表面サイズ剤[でんぷん系、ポリビニルアルコール(PVA)系、ポリアクリルアミド(PAM)系など]を塗布し、乾燥する方法がある。これにより、筆記性(水性ペンのにじみ防止)、軽度の耐水性及び印刷適性が付与される。
【0005】
また、高度の耐水性などが必要とされる包装用紙又は建装用紙を作製する場合は、一般的に紙にポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスティックフィルムをラミネーションする方法と、アクリル系、オレフィン系などの樹脂等でコーティング、又は含浸する方法等が使用されている。
【0006】
しかし、前記の抄紙工程中の加工では、筆記性(水性ペンのにじみ防止)及び軽度の耐水性の付与は可能であるが、この方法は高度の耐水性などが必要とされる包装用紙又は建装用紙には用いることができない。
【0007】
また、抄紙工程後の加工では紙の端面は加工がされていないので、その部分からの浸水、浸油が生じてしまうために紙の各種機能の低下という欠点を有していた。
【0008】
この様な課題を解決する技術として有機−無機ハイブリット紙が提案されている(例えば、特開昭64−6198号公報等)。
【0009】
この有機−無機ハイブリット紙は、紙基材にシロキサン結合を主鎖結合とするポリマーを含浸、固着されてなるもので、このポリマーは、無機化合物から成るシロキサン結合を骨格とし、側鎖は有機化合物で構成されているため、有機物による可塑性などと無機物による耐熱性、耐候性、耐水性などの特性を同時に兼ね備えた樹脂であり、これを紙基材に含浸させてハイブリット化をはかっている。
【0010】
しかし、この有機−無機ハイブリット紙は、紙基材に上記のポリマーを含浸させて作製しているために、紙基材中の厚さ方向におけるポリマーの偏析が生じ、紙端面からの浸水、浸油により各種機能の低下という欠点を有してしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術で作製した耐水紙における上記課題の解決を図ったものであり、すなわち、有機物による可塑性などと無機物による耐熱性、耐候性、耐水性などの特性を同時に兼ね備えた内添剤を抄紙工程中に内添した紙の表面と端面からの浸水に強い耐水紙を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、一般式(1)で示される有機金属化合物の重合体と、一般式(2)で示される有機金属化合物の重合体との共重合体であることを特徴とする抄紙用内添剤である。
【0013】
前記一般式(2)で示されるR’が異なる少なくとも2種類以上の有機金属化合物の重合体であることを特徴とする請求項1に記載の抄紙用内添剤である。
【0014】
第3の発明は、第1または第2の発明における抄紙用内添剤のいずれかを内添したことを特徴とする機能紙である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明の抄紙用内添剤について詳細に説明する。
【0020】
一般式(1)で示される有機金属化合物としては、テトラエトキシシラン、又はテトラメトキシシラン等が例示できる。
【0021】
一般式(2)で示される有機金属化合物としては、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリメトキシシリルプロピル−N, N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、又はオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等が例示できる。
【0022】
上記の有機金属化合物を用いて、重合体、あるいは共重合体を作製する方法は限定されないが、加水分解によって作製するにあたっての触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、フッ酸、ギ酸、リン酸、シュウ酸、アンモニア等を単独に、あるいは2種類以上併せて用いる。特に、塩酸が最も好ましい。
【0023】
本発明の抄紙用内添剤は、前記の有機金属化合物を前記の触媒を用いて加水分解などにて得られた重合体、あるいは共重合体からなるものである。
【0024】
本発明で使用するパルプとしては、針葉樹、又は広葉樹を用いた晒、又は未晒であるクラフトパルプ、ソーダパルプ、スルファイトパルプ、砕木パルプ、レファイナー砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ等を単独に、あるいは2種類以上併せて用いる。
【0025】
本発明の耐水紙は、前記の抄紙用内添剤をパルプスラリー中に内添し、抄紙、プレス、乾燥を行い作製したものである。
【0026】
本発明に係る抄紙用内添剤は、一般式(1)で示される有機金属化合物からなる重合体と一般式(2)で示される有機金属化合物からなる重合体との共重合体、あるいは一般式(1)で示される有機金属化合物からなる重合体と一般式(2)で示されるR’が異なる少なくとも2種類以上の有機金属化合物からなる重合体との共重合体からなるため、有機物による可塑性などと無機物による耐熱性、耐候性、耐水性などの特性を同時に兼ね備えることが可能となる。
【0027】
本発明に係る耐水紙は、本発明に係る抄紙用内添剤を抄紙工程中に内添し、作製していることから、紙全層からの機能化が生じ、紙の表面と端面からの浸水に強い耐水性を有する。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本発明は実施例に記載の材料に限定されるものてはない。
【0029】
参考例1〉
テトラエトキシシラン(チッソ株式会社製)1molに対して、0.1N塩酸5molを加え室温で30分間攪拌し、重合体を調整した。次に、これを0.1Nの塩酸を用いてSiO2 濃度に換算したときに1.0wt%溶液になるように希釈し、抄紙用内添剤を作製した。
【0030】
別に、針葉樹晒クラフトパルプ〔叩解度355ml(csf)〕と広葉樹晒クラフトパルプ〔叩解度385ml(csf)〕を重量比で7 : 3 になるように混合したパルプスラリー〔乾燥パルプ濃度1.57wt%〕を調整した。
【0031】
このパルプスラリー中に上記抄紙用内添剤(SiO2 濃度:1.0wt%)を乾燥パルプ質量に対して、1.0wt%添加し、攪拌し、手漉き角形抄紙機を用いて抄紙を行い、プレス(100kgf−3min.)、ヤンキードライヤーを用いて乾燥工程(120°C−5min.)を行い、坪量315g/m2 の耐水紙を作製した。
【0032】
参考例2〉メチルトリメトキシシラン(チッソ株式会社製)1molに対して、0.1N塩酸5molを加え室温で30分間攪拌し、重合体を調整した。次に、これを0.1Nの塩酸を用いてSiO2 濃度に換算したときに1.0wt%溶液になるように希釈し、抄紙用内添剤を作製した。
【0033】
別に、参考例1と同様に、参考例1と同じ針葉樹晒クラフトパルプ〔叩解度355ml(csf)〕と広葉樹晒クラフトパルプ〔叩解度385ml(csf)〕を重量比で7 : 3 になるように混合したパルプスラリー〔乾燥パルプ濃度1.57wt%〕を調整し、このパルプスラリー中に上記抄紙用内添剤(SiO2 濃度:1.0wt%)を乾燥パルプ質量に対して、1.0wt%添加し、攪拌し、手漉き角形抄紙機を用いて抄紙を行い、プレス(100kgf−3min.)、ヤンキードライヤーを用いて乾燥工程(120°C−5min.)を行い、坪量315g/m2 の耐水紙を作製した。
【0034】
〈実施例3〉
テトラエトキシシラン(チッソ株式会社製)、及びメチルトリメトキシシラン(チッソ株式会社製)をモル比で0.5:0.5になるように混合したものに、0.1Nの塩酸5molを加え室温で30分間攪拌し、共重合体を調整した。次に、これを0.1Nの塩酸を用いてSiO2 濃度に換算したときに1.0wt%溶液になるように希釈し、抄紙用内添剤を作製した。
【0035】
別に、参考例1と同様に、参考例1と同じ針葉樹晒クラフトパルプ〔叩解度355ml(csf)〕と広葉樹晒クラフトパルプ〔叩解度385ml(csf)〕を重量比で7 : 3 になるように混合したパルプスラリー〔乾燥パルプ濃度1.57wt%〕を調整し、このパルプスラリー中に上記抄紙用内添剤(SiO2 濃度:1.0wt%)を乾燥パルプ質量に対して、1.0wt%添加し、攪拌し、手漉き角形抄紙機を用いて抄紙を行い、プレス(100kgf−3min.)、ヤンキードライヤーを用いて乾燥工程(120°C−5min.)を行い、坪量315g/m2 の耐水紙を作製した。
【0036】
〈実施例4〉
メチルトリメトキシシラン(チッソ株式会社製)、及びビニルトリメトキシシラン(チッソ株式会社製 サイラエースS210)をモル比で0.5:0.5になるように混合したものに、0.1Nの塩酸5molを加え室温で30分間攪拌し、共重合体を調整した。次に、これを0.1Nの塩酸を用いてSiO2 濃度に換算したときに1.0wt%溶液になるように希釈し、抄紙用内添剤を作製した。
【0037】
別に、参考例1と同様に、参考例1と同じ針葉樹晒クラフトパルプ〔叩解度355ml(csf)〕と広葉樹晒クラフトパルプ〔叩解度385ml(csf)〕を重量比で7 : 3 になるように混合したパルプスラリー〔乾燥パルプ濃度1.57wt%〕を調整し、このパルプスラリー中に上記抄紙用内添剤(SiO2 濃度:1.0wt%)を乾燥パルプ質量に対して、1.0wt%添加し、攪拌し、手漉き角形抄紙機を用いて抄紙を行い、プレス(100kgf−3min.)、ヤンキードライヤーを用いて乾燥工程(120°C−5min.)を行い、坪量315g/m2 の耐水紙を作製した。
【0038】
〈実施例5〉
テトラエトキシシラン(チッソ株式会社製)、メチルトリメトキシシラン(チッソ株式会社製)、及びビニルトリメトキシシラン(チッソ株式会社製 サイラエースS210)をモル比で0.2:0.4:0.4になるように混合したものに、0.1Nの塩酸5molを加え室温で30分間攪拌し、共重合体を調整した。次に、これを0.1Nの塩酸を用いてSiO2 濃度に換算したときに1.0wt%溶液になるように希釈し、抄紙用内添剤を作製した。
【0039】
別に、参考例1と同様に、参考例1と同じ針葉樹晒クラフトパルプ〔叩解度355ml(csf)〕と広葉樹晒クラフトパルプ〔叩解度385ml(csf)〕を重量比で7 : 3 になるように混合したパルプスラリー〔乾燥パルプ濃度1.57wt%〕を調整し、このパルプスラリー中に上記抄紙用内添剤(SiO2 濃度:1.0wt%)を乾燥パルプ質量に対して、1.0wt%添加し、攪拌し、手漉き角形抄紙機を用いて抄紙を行い、プレス(100kgf−3min.)、ヤンキードライヤーを用いて乾燥工程(120°C−5min.)を行い、坪量315g/m2 の耐水紙を作製した。
【0040】
〈比較例1〉
比較例として、参考例1と同じパルプスラリーを用いて抄紙用内添剤を添加していない無添加紙を作製した。
【0041】
こうして作製した6種類の試料(耐水紙)は、物性評価を行う前に、JIS P8111に基づいて20°C、65%RH.の環境下で24時間以上調湿を行った。
【0042】
6種類の試料はJIS P8113に基づいてオートグラフ(島津製作所社製島津オートグラフAG−500A)を用いて、乾燥状態(20°C、65%RH.)と湿潤状態(試料片を蒸留水中に1 時間浸水)における破断強度を測定した。その結果を用いて、下記する(a)式より、破断応力を算出した。
破断応力(kgf/mm2 )=破断強度(kgf)/試料片断面積(mm2 )・・・・(a)
【0043】
また、上記より算出した破断応力を用いて、下記する(b)式より、湿潤破断応力/乾燥破断応力比(wet/dry)を算出し、耐水性を評価した。
wet/dry(%)=湿潤破断応力(kgf/mm2 )/乾燥破断応力(kgf/mm2 )×100・・・・(b)
この結果を表1に示す。
【0044】
表1
【0045】
表1から明らかなように、実施例は、比較例1と比べて、wet/dry値が高く、高い耐水性を示した。
【0046】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、有機物による可塑性と無機物による耐熱性や耐水性等の特性を兼ね備えた内添剤が作製可能となる。
また、本発明の内添剤を使用した用紙は、高い耐水性を必要とする包装用紙や建装用紙として使用することが可能となる。

Claims (3)

  1. 一般式
    Si(OR) ・・・(1)
    (式中、Rはアルキル基を表す)
    で示される有機金属化合物の重合体と、
    一般式
    R’ Si(OR) 4−m ・・・(2)
    (式中、R’はアルキル基、ビニル基、エポキシ基、アミノ基の官能基のうち少なくとも1つを有する置換基、Rはアルキル基、mは置換数(0<m<4)を表す)
    で示される有機金属化合物の重合体との共重合体からなることを特徴とする抄紙用内添剤。
  2. 前記一般式(2)で示されるR’が異なる少なくとも2種類以上の有機金属化合物の重合体との共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の抄紙用内添剤。
  3. 請求項1または2記載の抄紙用内添剤のいずれかを内添したことを特徴とする機能紙。
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