JP3660111B2 - 脂肪含有量が高いコーヒー抽出液の製造方法、並びにコ−ヒ−抽出液及び該コーヒー抽出液を原料とする飲食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コーヒー抽出液の製造方法並びにコーヒー抽出液及び飲食品に関する。更に詳しくは、本発明は、湿式粉砕機を使用しコ−ヒ−豆の粉砕と抽出とを同時に行うコ−ヒ−抽出液の製造方法であって、脂肪含有量が高いコーヒー抽出液を得ることができる製造方法、並びに脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液及びそのコ−ヒ−抽出液を原料とする飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コ−ヒ−は一般家庭で広く飲用されるようになり、コ−ヒ−豆とともに、コ−ヒ−飲料、コ−ヒ−風味の加工食品等の販売量は増加しており、最近では一大市場を形成しつつある。
【0003】
コ−ヒ−豆の成分は従来から種々分析されており、品種、焙煎の有無、生産国によって異なっているが、少なくとも、カフェイン、カフ−オ−ル、タンニン、多種類の有機酸等が含有されている。また、コ−ヒ−豆には脂肪も多く含有されており、例えば焙煎後のアラビカ種では14.5〜20.0%、焙煎後のロブスタ種では11.0〜16.0%もの脂肪が含有されている。
【0004】
コ−ヒ−のフレ−バ−(香気成分)には、水溶性のものと油溶性のものとがあり、後者は主として脂肪に含有されている。従って、数多くのフレ−バ−がコ−ヒ−中の脂肪に含有されていることになる。また、コ−ヒ−抽出液においては、コ−ヒ−豆から抽出された脂肪の量、即ち脂肪の含有量が、そのコ−ヒ−抽出液のコク味を左右するといわれている。
【0005】
一般に、コ−ヒ−抽出液は、コ−ヒ−の生豆を焙煎する焙煎工程、焙煎したコ−ヒ−豆を粉砕する粉砕工程、粉砕したコ−ヒ−豆を抽出する抽出工程を経て得られる。
【0006】
コ−ヒ−豆の粉砕工程においては、種々の粉砕機が実用化されており、グラインダ−、グラニュ−ライザ−、グラニュレ−タ−、ボ−ルミル、ディスクミル、コ−ンミル、ロ−ルミル等が使用されている。
【0007】
一方、コ−ヒ−の抽出方法は、パ−コレ−タ−法、ドリップ法、及び真空法の三種類に分類されているが(秀平武男編、「食品産業事典」、改訂版、下巻、第211ページ、日本食料新聞社、昭和52年)、いずれも温度が100℃に近い熱水により行われる。
【0008】
一般に、抽出工程を行った場合に、コ−ヒ−のフレ−バ−が散逸されやすい。前記のとおり、コ−ヒ−のフレ−バ−には水溶性のものと油溶性のものとがあるが、前者は、後者に比較して散逸しやすいとされており、フレ−バ−の散逸を如何にして防止するかが、コ−ヒ−製造技術における大きな問題である。
【0009】
従来、フレ−バ−の散逸を防止するための種々の技術が公知であり、例えば、▲1▼抽出の際のコ−ヒ−豆の使用量を増加する。
▲2▼製造したコ−ヒ−抽出液に別途コ−ヒ−フレ−バ−を添加する。
▲3▼抽出の際に低温の水を使用する(例えば、特開平1−168238号公報。)▲4▼ミルク成分を含有する水によって抽出する(例えば、特開平3−39042号
公報。)
等の方法が知られており、また、これらの技術を組み合わせた方法も利用されている(例えば、特開平6−62739号公報)。
【0010】
以上の技術の中では、上記▲3▼の技術(以下、低温抽出法と記載することがある。)は、コ−ヒ−のフレ−バ−が極めて散逸しにくい方法とされており、コ−ヒ−抽出液の品質を重視する場合には好適な方法といわれている。
【0011】
この低温抽出法の中でも、特に高品質のコ−ヒ−抽出液を得る方法として、冷水下において粉砕工程と抽出工程とを同時に行う方法(特開平2−97356号公報、以下従来技術と記載する。)も知られている。
【0012】
従来技術におけるコ−ヒ−抽出液の製造方法においては、まず、焙煎して粒径0.2〜2mmに粗粉砕したコ−ヒ−豆を、水と混合し予備的な抽出を行う。この場合、粗粉砕を、コ−ヒ−豆と水とを混合した後に行っても良い。次いで、粗粉砕したコ−ヒ−豆を、水と混合した状態のままで微粉砕する。この過程においてコ−ヒ−の成分が水に移行し、抽出が行われる。即ち、微粉砕と同時に抽出が行なわれるのである。その後は、抽出された水とコ−ヒ−残渣とを適宜分離し、微粉砕を更に反復する。この微粉砕に使用する装置としては、例えば、コロイドミル、ボ−ルミル等の公知の湿式粉砕機を使用する。
【0013】
これら公知の湿式粉砕機について説明すれば、例えば、ボ−ルミルは、処理槽と、この処理槽に内装される回転体と、その回転体と処理槽との間隙に充填される多数の処理媒体(例えば、小さなボ−ル)を備えており、粉砕する対象物を水と混合して処理槽に入れた後、前記回転体を回転させて処理媒体を撹拌し、処理媒体どうしの衝突により磨砕力を発生させて、対象物を粉砕する。
【0014】
尚、以下の記載においては、処理媒体を撹拌することによって粉砕する形式の湿式粉砕機を、湿式媒体粉砕機と記載することがある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に、従来のコ−ヒ−抽出の分野においては、超臨界抽出法等の特殊な抽出方法を除けば、コ−ヒ−豆中の脂肪を効率的に抽出することは困難とされており、前記従来技術においても、脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を得ることはできなかった。
【0016】
従って、前記従来技術においては、コ−ヒ−抽出液が含有する脂肪は、分離するべきものとして取り扱っており、積極的に脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を取得するという課題は提示されていない。
【0017】
また、従来は、例えば、コ−ヒ−豆を搾油し、搾油したコ−ヒ−油を別途混合する等の特別な操作を伴わない限り、抽出によって脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を得ることはできないものとされていた。従って、従来は脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液は存在せず、またそのような脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を原料とした飲食品も知られていなかった。
【0018】
本発明者らは、コ−ヒ−豆を微粉砕するための湿式媒体粉砕機について鋭意研究を行った結果、特殊な機構を備えた特別な装置を使用すれば、従来よりも飛躍的に脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を得られることを見出だし、本発明を完成させた。
【0019】
本発明の目的は、従来よりも飛躍的に脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を得ることができるコ−ヒ−抽出液の製造方法を提供すること、である。
【0020】
本発明の他の目的は、脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を提供すること、である。
【0021】
本発明の更に他の目的は、脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を原料とする飲食品を提供すること、である。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の第一の発明は、焙煎して粗粉砕したコ−ヒ−豆を水と混合し、混合した水を湿式粉砕機に通液し、コ−ヒ−豆を更に微粉砕し、脂肪を含有するコ−ヒ−成分を抽出し、抽出した水を採取するコーヒー抽出液の製造方法において、次のa)乃至e)、
a)一端に粒状食品の供給口を有し、他端に排出口を有し、内部にコーヒー豆を粉砕処理する処理媒体が収納されている処理槽、
b)該処理槽の内壁との間に環状の分散ゾ−ンを形成するように該内壁に近接して回転可能に配設された筒状の回転体、
c)該回転体の回転に伴って粒状食品及び処理媒体を、回転体の軸方向へ運動させるために回転体の周囲に突出形成された案内メンバ−、
d)該案内メンバ−が、粒状食品及び処理媒体を排出口側へ前進させる前進案内面、供給口側へ後退させる後退案内面、及び回転体の外周方向に拡がる外表面からなること、
e)該前進案内面及び後退案内面が、該粒状食品を対向する後退案内面又は前進案内面方向へ運動させるために対向状態に分散配置されていること、
を備えた湿式媒体粉砕機に前記混合した水を通液することを特徴とする脂肪含有量が高いコーヒー抽出液の製造方法、である。
【0023】
前記課題を解決するための本発明の第二の発明は、本発明の製造方法により得られるコーヒー抽出液であって、コ−ヒ−豆の2重量%以上6重量%以下の量の脂肪が抽出されていることを特徴とする脂肪含有量が高いコーヒー抽出液、である。
【0024】
前記課題を解決するための本発明の第三の発明は、前記第二の発明の脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を原料とする飲食品、である。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明において使用するコ−ヒ−豆の種類には制限はなく、例えばアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種等如何なるものであっても良い。また、コ−ヒ−豆は焙煎したものを使用する。焙煎は、公知の如何なる方法、装置で行ってもよく、焙煎の度合いも、適宜選択できることはいうまでもない。
【0026】
本発明の第一の発明は、脂肪含有量が高いコーヒー抽出液を製造する方法である。本発明の製造方法においては、まず、コ−ヒ−豆を焙煎して粗粉砕する。
【0027】
粗粉砕する程度は、如何なる程度であっても良いが、平均粒子径1mm以下、より好ましくは200μm未満になるまで行うことが望ましい。即ち、微粉砕の前に予め平均粒子径1mm以下、より好ましくは200μm未満になるまで粗粉砕しておくことにより、微粉砕の効率が向上するとともに、抽出の効率も高くなるためである。
【0028】
次いで、粗粉砕したコ−ヒ−豆を水に混合する。本発明において「水」は、必ずしも冷水に限るものではなく、例えば、熱湯も本発明の「水」に包含されるが、コ−ヒ−抽出液の品質を考慮すれば、温度が5℃以上、50℃以下、好ましくは10℃以上、30℃以下の水を用いることが望ましい。即ち、低温抽出法が望ましいのである。但し、抽出の効率を重視するならば、40℃を越え50℃以下の範囲であっても良い。
【0029】
「水」は、種々の溶質が溶解した溶液であっても良く、また、アルコ−ルが混入しているものであっても良い。また、乳化液、懸濁液等であっても良い。しかしながら、通常の意味での水が最も望ましいことはいうまでもない。
【0030】
粗粉砕したコ−ヒ−豆を水に混合する工程は連続式であっても回分式であっても良い。例えば、回分式であれば、まず所定量の水とコ−ヒ−豆とをタンクに投入して十分に撹拌し、その後、次の工程に送る態様が例示できる。また、連続式であれば、所定流量の水を流路に流しながら、所定流量のコ−ヒ−豆を連続的に混入し、そのまま連続的に次の工程に送る態様が例示できる。
【0031】
次いで、粗粉砕されたコ−ヒ−豆を混合した水を、湿式媒体粉砕機に通液する。
【0032】
本発明の製造方法においては、特別な構造を有する湿式媒体粉砕機(以下、本発明の粉砕機と記載することがある)を使用する。
【0033】
次に本発明の粉砕機について説明する。本発明の粉砕機は、例えば、特公平4−70050号公報に記載されている装置である。
【0034】
本発明の粉砕機の構造の一例を図1及び図2に示す。図1は、本発明の製造方法を実施するための湿式媒体粉砕機の一例の断面を示す概略図である。図1中の(ア)は断面の概略図であり、(イ)は、図1(ア)のZ−Z´線における断面を示す概略図である。
【0035】
図1において、処理槽1は一端にコ−ヒ−豆及び水の供給口2を有し、他端に排出口3を有する。従って、コ−ヒ−豆は、矢印Xの方向より供給口2を介して処理槽1に流入し、排出口3を介して矢印Yの方向に流出する。処理槽1の内部には回転体10が配設され、回転体10は軸部10aを介して図示しない駆動手段に連結され、かつ軸支されている。この図示しない駆動手段によって回転体10は回転する。
【0036】
回転体10は筒状であり、かつ処理槽1の内壁4との間に狭い環状の分散ゾ−ン5を形成するべく該内壁4に近接して設けてある。この分散ゾ−ン5には、処理媒体7が充填されている。
【0037】
回転体10が回転すれば、処理媒体7が混合撹拌され、個々の処理媒体に磨砕力が発生する。このために、水とともに流入したコ−ヒ−豆を粉砕することができるのである。
【0038】
処理槽1の排出口3の近房にはギャップセパレ−タ−6が配設されている。ギャップセパレ−タ−6においては、処理槽1の内壁4と、回転体10の外壁との隙間が、処理媒体7の直径よりも狭いため、処理媒体7は排出口3に流れることができず、水と粉砕されたコ−ヒ−豆のみが排出口3に流れるのである。
【0039】
尚、回転体10の内部には冷却ジャケット11を備えており、この冷却ジャケット11は、回転体10の軸部10aの内部を貫通する通路(図示せず)を介して外部と連通しており、この通路を通じて冷媒が流される。この冷却ジャケット11により、回転体10が回転している間の温度上昇を抑止することができる。尚、処理槽1の外壁にも同様の冷却ジャケットを備えているが、図1では省略している。
【0040】
図2は、図1に示した装置における回転体10の表面を拡大した外観図である。回転体10の周囲には、案内メンバ−12が多数形成されており、コ−ヒ−豆及び処理媒体7(図1参照。以下同じ)は紙面の左手方向から右手方向へ(即ち、矢印Mの方向へ)移動する。尚、図2の左手方向から右手方向への移動を「前進」、その逆方向への移動を「後退」と表現する。
【0041】
該案内メンバ−12は、コ−ヒ−豆を排出口3側へ前進させるための前進案内面13、供給口2側へ後退させるための後退案内面14、及び回転体10の外周方向に拡がる外表面を含んでいる。
【0042】
後退案内面14は、回転体10の周囲にらせん状に配置されているが、前進案内面13が回転体10の周囲にらせん状に配置され、後退案内面14が前進案内面13と逆向のらせん状に配置されている態様であっても良い。
【0043】
該案内メンバ−12は、側辺がそれぞれ前進案内面13若しくは後退案内面14となる断面平行四辺形状の突起であり、上記前進案内面13及び後退案内面14を、四辺形の各側辺に形成する。尚、案内メンバ−12の形状は、断面ひし形状の突起であっても良い。
【0044】
前進案内面13と後退案内面14は対向状態に配置されており、各面に衝突、接触して排出口3側若しくは供給口2側へ流動した処理媒体7を、対向する面に当てて逆方向へ流動させることが可能である。
【0045】
かくして、前記分散ゾ−ン5のコ−ヒ−豆及び処理媒体7は、案内メンバ−12の前進案内面13に当って排出口3方向へ進行し、同時に前進案内面13によって強い撹乱が与えられる。次いで、コ−ヒ−豆及び処理媒体7は後退案内面14に当って供給口2方向に後退する。後退案内面14に当ったコ−ヒ−豆及び処理媒体7は再度前進案内面13に当って排出口3方向に進行するから、結果としてコ−ヒ−豆及び処理媒体7は、回転体10の軸方向のほぼ同じ区帯の環状の分散ゾ−ン5内で上記各案内面13、14による大きな遠心力により衝撃力を与えられ種々の方向に運動しながら周回し、回転体10の軸方向にほぼ均一に存在した状態を維持するのである。
【0046】
従って、供給口2から水と共に処理槽1内に供給されたコ−ヒ−豆は、回転体10の環状の分散ゾ−ン5内で各案内面13、14により運動を与えられ、かつ案内メンバ−12の外表面により処理媒体7に強い磨砕力が付与され、効率よく分散され、粉砕された後、排出口3から排出する。
【0047】
そしてこの間に、粉砕されたコ−ヒ−豆は強烈に撹拌されるため、水にコ−ヒ−成分が移行して抽出される。即ち、強制対流による物質伝達が促進されるのである。
【0048】
処理媒体としては、直径0.1〜7.0mm、望ましくは0.2〜3.0mm、のビ−ズを例示することができる。また、ビ−ズの材質としては、ガラス、セラミック、ステンレス等を例示できるが、食品衛生の点及び耐磨耗性の点を考慮すれば、ジルコニアが最も望ましい。
【0049】
本発明の製造方法においては、以上のとおり構成された本発明の粉砕機により、コ−ヒ−豆を微粉砕し同時に抽出を行い、その後、抽出されたコ−ヒ−抽出液を採取するのである。
【0050】
後記試験例に記載したように、本発明の粉砕機を使用すれば、従来装置を使用した場合に比較して、脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を得ることができる。この理由は、次のとおりであると考えられる。
【0051】
即ち、本発明の粉砕機においては、図2に示したように、回転体10の表面に案内メンバ−12が多数形成されており、しかもこの案内メンバ−12には、前進案内面13及び後退案内面14が形成されている。そして、この前進案内面13又は後退案内面14の作用によって、コ−ヒ−豆及び処理媒体7は、回転体10の軸方向のほぼ同じ区帯の環状の分散ゾ−ン5内で周回し、この結果、コ−ヒ−豆及び処理媒体7は、回転体10の軸方向にほぼ均一に存在した状態で撹拌されるのである。
【0052】
これに対して、従来の湿式媒体粉砕機においては、回転体(例えば、図4の10a)に撹拌片(例えば、図4の12a)が形成されているが、この撹拌片には前進案内面13又は後退案内面14は備えられていない。従って、従来の湿式媒体粉砕機では、コ−ヒ−豆及び処理媒体7を単に回転体によって撹拌するだけでしかない。
【0053】
このために本発明の粉砕機では、従来の湿式媒体粉砕機に比して、効率的かつ均一な磨砕力を長時間に渡って加えることが可能であり、この結果、従来装置よりも大量の脂肪を抽出させることができるのである。また、本発明の粉砕機においては、抽出速度も大きくなり、抽出工程を極めて短時間で完了することができる。
【0054】
尚、本発明の粉砕機によって抽出を行った後に、更に別な抽出工程を設けても良い。この場合も、本発明の粉砕機を通過する過程で抽出が行われているため、その後の別な抽出工程においても抽出が完了するまでの時間は短縮され、全体的に極めて効率の良い抽出を行うことができる。
【0055】
また、微粉砕及び抽出は、一台の装置で済ませる必要はなく、本発明の粉砕機を複数用いて微粉砕及び抽出を行うこともできるが、少なくとも微粉砕は、本発明の粉砕機一台により一度で微粉砕を完了する態様が好ましい。また、複数の本発明の粉砕機を並列に設置して処理速度を上げることも可能である。更に、前記した粗粉砕をも本発明の粉砕機によって行うことも可能である。
【0056】
微粉砕及び抽出において、低温抽出法の場合には、本発明の粉砕機の撹拌によるジュ−ル熱によって水の温度が上昇する傾向があるが、この場合は、冷却水等を使用し、水の温度を一定範囲に維持することが望ましい。
【0057】
また、抽出した後の水からは、コ−ヒ−残渣を遠心分離機により除去することが望ましい。
【0058】
即ち、本発明の製造方法により製造したコ−ヒ−抽出液は、コ−ヒ−豆の粉砕粕であるコ−ヒ−残渣を含んでいる。コ−ヒ−抽出液はコ−ヒ−残渣を含んだ状態で使用しても良いが、場合によってはコ−ヒ−残渣を除去した方が良いこともある。このような場合には、微粉砕の後にコ−ヒ−残渣を除去するのである。即ち、抽出した水より遠心分離機によりコ−ヒ−残渣を除去し、除去した水をコ−ヒ−抽出液として取得するのである。
【0059】
遠心分離機は、回転によって生じる遠心力を利用して大きい粒子と小さい粒子とを沈降分離する装置であり、クラリファイア−、バクトフュ−ジ等を例示できる。連続式と回分式とがあるが、連続式のものが望ましく、クラリファイア−、バクトフュ−ジ等が好ましい。
【0060】
また、微粉砕は、少なくともコ−ヒ−豆の平均粒子径が200μm未満、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下の範囲になるまで行うことが望ましいが、この場合は、コ−ヒ−豆が所望の平均粒子径になるまで微粉砕を行い、微粉砕の途中においてはコ−ヒ−残渣を除去しないことが、抽出の効率上は望ましい。
【0061】
以上の本発明の製造方法によって製造されたコ−ヒ−抽出液は、種々の飲食品の原料として好適に使用することができるが、本発明のコ−ヒ−抽出液の製造ラインに続けてそのような飲食品の製造ラインを結合しても良い。
【0062】
また、本発明の製造方法においては、例えば、「水」にミルクを混入させた上で、抽出することも可能である。
【0063】
本発明の第二の発明は、コ−ヒ−豆の2重量%以上の量の脂肪が抽出されていることを特徴とする脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液である。
【0064】
ここに「脂肪が抽出されている」とは、抽出操作によって、コ−ヒ−豆に含有されていた脂肪が、液側に移動したことを意味するものである。従って、本発明のコ−ヒ−抽出液は、コ−ヒ−豆を別途搾油して混合する等の複雑な工程を必要とせずに得ることができる。
【0065】
本発明のコ−ヒ−抽出液は、脂肪に含有された油溶性のフレ−バ−を多く含むため、従来のコ−ヒ−抽出液よりも香味が強いものとなる。また、一般に水溶性のフレ−バ−は、加熱等の操作によって容易に散逸する傾向があるが、脂肪に含有されたフレ−バ−は簡単には散逸しない。従って、本発明のコ−ヒ−抽出液は、長期に渡って安定した香味を維持することができる。
【0066】
特に、脂肪の量は、コ−ヒ−抽出液のコク味を左右するものであり、本発明のコ−ヒ−抽出液は脂肪によるコク味が強いのである。
【0067】
本発明の第三の発明は、以上のコ−ヒ−抽出液を原料とする飲食品である。前記本発明のコ−ヒ−抽出液は、種々の飲食品の原料として好適に使用することができるが、このような飲食品としては、コ−ヒ−飲料、コ−ヒ−牛乳等のコ−ヒ−含有飲料、コ−ヒ−ゼリ−、コ−ヒ−ケ−キ等のコ−ヒ−加工食品、コ−ヒ−キャンデ−等のコ−ヒ−風味菓子類、コ−ヒ−アイスクリ−ム、コ−ヒ−アイスキャンデ−等のコ−ヒ−風味冷菓、その他、コ−ヒ−プリン等が例示できる。
【0068】
また、前記本発明のコ−ヒ−抽出液を、何の加工もせずにそのまま飲用に供しても良く、この場合は、コ−ヒ−抽出液自体が本発明の飲食品となる。また、本発明のコ−ヒ−抽出液を濃縮して乾燥し、インスタントコ−ヒ−、粉末清涼飲料等に加工しても良く、このようなインスタントコ−ヒ−、粉末清涼飲料等も、本発明における飲食品の範囲に包含される。
【0069】
次に、試験例によって本発明を説明する。
試験例1
この試験は、本発明の製造方法及び従来の製造方法により各々製造されたコ−ヒ−抽出液を比較するために行った。
【0070】
1)試料の調製
▲1▼試験試料
後記実施例1と同一の装置、原料、及び運転条件により製造したコ−ヒ−抽出液を試験試料とした。
▲2▼対照試料
後記実施例1の装置を、次のとおり一部改造した装置を使用した。
【0071】
図4は、図2に示した回転体10を改造した状態を示す外観図である。図4においては、図2の回転体10と直径が同一である円筒部材10aに、図2における案内メンバ−12の替わりに、短冊状の撹拌片12aが形成されている。
【0072】
撹拌片12aは、円筒部材10aの表面において軸方向に延びる状態で形成されており、円筒部材10aが回転した際に処理媒体7(図1参照)を撹拌する作用を有する。しかしながら、この改造した装置は、本発明の粉砕機における後退案内面14(図2参照)を有していないため、単純に撹拌するだけの機能を有するのみである。以上の短冊状の撹拌片12aが形成された円筒部材10aを、回転体10に替えて後記実施例1の装置に装着したのである。尚、それ以外は、全て図1乃至図3の装置と同一である。
【0073】
以上の改造した装置により、実施例1と同一の原料を使用して、コ−ヒ−豆の微粉砕及び抽出を行ったが、この際に、水が処理槽1を通過する流量、及び円筒部材10aの回転の周速度を種々変更し、抽出の度合いが異なる複数のコ−ヒ−抽出液を得た。
▲3▼対照試料の選択
前記▲1▼で得られた試験試料、及び前記▲2▼で得られた複数のコ−ヒ−抽出液について、各々の固形分を、マジョニアミルクテスタ−法(佐々木林治郎監修、「牛乳・乳製品ハンドブック」、第513〜517ペ−ジ、株式会社朝倉書店、昭和37年)により測定した。
【0074】
この結果、前記▲2▼で得られた複数のコ−ヒ−抽出液の中で、固形分の値が前記▲1▼で得られた試験試料と略同一であるコ−ヒ−抽出液を3点選択し、これを対照試料1〜3とした。
【0075】
従って、試験試料と対照試料1〜3とでは、各々、コ−ヒ−が抽出された程度は全て同等である。
【0076】
2)試験方法
▲1▼抽出された脂肪の量
後記実施例1と同一の方法により、試験試料及び対照試料1〜3の脂肪含有量を測定した。
▲2▼抽出されたカフェインの量
HPLC法により、試験試料及び対照試料1〜3のカフェイン含有量を測定した。このHPLC法は、全国コ−ヒ−飲料公正取引協議会による無水カフェイン分析法に基づいて行った。
▲3▼コーヒー抽出液中の香気成分
ガスクロマトグラフィー法により、試験試料及び対照試料1〜3の香気成分を分析した。
【0077】
即ち、試料100gを蒸留水3000gで希釈し、減圧下において温度45〜50℃での水蒸気蒸留を行い、留出液にNaClを添加した後、エ−テル抽出を3回行い、芒硝脱水を行った後、常圧下でエ−テルを留去し、香気濃縮物を得る。この香気濃縮物について、GLC及びGC−MSにより香気成分を分析した。
【0078】
3)試験結果
この試験の結果は、つぎのとおりである。
▲1▼抽出された脂肪の量
対照試料1では、原料コ−ヒ−豆の1.4重量%に相当する量の脂肪が抽出されており、対照試料2及び3は、各々1.4重量%、及び1.6重量%であった。これに対して試験試料では、原料コ−ヒ−豆の6.0重量%に相当する量の脂肪が抽出されていた。
【0079】
即ち、試験試料は対照試料1〜3に比べて、脂肪含有量が極端に高い結果となった。
▲2▼抽出されたカフェインの量
対照試料1〜3において抽出されたカフェインの量は、各々原料コ−ヒ−豆の1.13重量%、1.28重量%、及び1.22重量%に相当する量であった。
【0080】
また試験試料は、原料コ−ヒ−豆の1.08重量%に相当する量が抽出されていた。即ち、抽出されたカフェインの量については、各試料には差がなかった。▲3▼コーヒー抽出液中の香気成分
試験試料の香気成分含量は対照試料1〜3の約4倍であった。即ち、前記▲1▼の脂肪含有量にほぼ比例した結果が得られた。実際に、各試料の風味を比較すると、試験試料は対照試料1〜3に比べてコクが強く、全体的に香味が強い傾向にあった。
【0081】
以上の結果を総合すると、案内メンバ−12(図2参照)を備えた本発明の粉砕機を使用すれば、単に撹拌片12a(図4参照)を備えただけにすぎない装置に比して、カフェインの抽出量は同等であるが、脂肪含有量が高く、かつ香味成分含量が高いコ−ヒ−抽出液が得られることは明らかである。
【0082】
この試験の結果、本発明の製造方法においては、従来の湿式粉砕機を使用する従来技術に比して、脂肪含有量及び香味成分含量が高いコ−ヒ−抽出液を得られることが判明した。
【0083】
尚、コ−ヒ−豆の種類、焙煎度合い、粗粉砕の程度、微粉砕の程度、粉砕条件、水の温度等を変更して同様の試験を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0084】
試験例2
この試験は、本発明のコ−ヒ−抽出液を原料とする飲食品と、従来のコ−ヒ−抽出液を原料とする飲食品との風味の相違を確認するために行った。
【0085】
1)試料の調製
▲1▼本発明の試料
前記試験例1における試験試料として製造したコーヒー抽出液を出発原料としたことを除き、後記実施例3と同一の製造方法により、コーヒー乳飲料を製造した。この際、コーヒー抽出液の配合割合を変更して4種類の試料を製造し、各々試料1、2、3、4とした。
▲2▼対照試料
前記試験例1における対照試料1として製造したコ−ヒ−抽出液を出発原料としたことを除き、後記実施例3と同一の製造方法によりコ−ヒ−乳飲料を製造し、試験例2の対照試料とした。
▲3▼配合割合
以上の試料1〜試料4、並びに対照試料の配合割合は、表1に示すとおりである。即ち、試料1と対照試料とは同一の配合割合であるが、試料1は本発明のコ−ヒ−抽出液(即ち、試験例1における試験試料)を原料としており、対照試料では従来のコ−ヒ−抽出液(即ち、試験例1における対照試料1)を原料としている点で相違している。
【0086】
また、試料2〜試料4は、試料1よりもコーヒー抽出液の配合量を少なくしたものであり、試料1に対してそれぞれ、70、50、35%しかコーヒー抽出液を使用していない。
【0087】
【表1】
【0088】
2)試験方法
各試料を1夜5℃で保管し、各試料の風味について男女各20名のパネルにより官能検査を行い、「コーヒー風味」及び「コク」について5.強い、4.やや強い、3.普通、2.やや弱い、1.弱いで5段階評価し、各試料毎に平均値を算出した。
【0089】
3)試験結果
この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から明らかなとおり、試料1、試料2、及び試料3は、対照試料と比してコーヒー風味及びコクが強いという結果が得られた。また、試料4は対照試料とほとんど差異のない結果となった。
【0090】
この結果、本発明の飲食品は、従来のものに比してコ−ヒ−風味及びコクの点で優れており、しかもコ−ヒ−抽出液の含有量を低下させても、コ−ヒ−風味及びコクが著しく低下することがないことが判明した。
【0091】
従って、本発明の飲食品においては、コ−ヒ−豆の使用量を減量することが可能であり、一層のコストダウンが可能になることが明らかである。
【0092】
尚、微粉砕後のコ−ヒ−豆の平均粒子径、原料組成等を変更して同様の試験を行い、また他の飲食品についても同様の試験を行ったが、ほぼ同様の結果を得られた。
【0093】
【表2】
【0094】
次に、実施例を示して本発明を詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0095】
【実施例】
実施例1
最初に、本発明の製造方法によって低温抽出法を行った場合の実施例について説明する。
【0096】
(1)使用装置
図3は、本発明の製造方法を行うための装置(井上製作所製。スパイクミル:SHG−4C)の全体的な構成を示す断面略図である。図3において、図1又は図2と共通する要素には、図1及び図2と同様の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0097】
図3において、装置は、プレミキシングタンク20(容量10l)、仕込ポンプ21(渦巻型、流量可変式)、図1及び図2に示した処理槽1、及びレシ−ブタンク30(容量10l)よりなる。プレミキシングタンク20には、撹拌機22が設置されている。
【0098】
処理槽1内には、処理媒体としてジルコニア製ビ−ズ(直径0.6mm)を充填している。
【0099】
(2)コ−ヒ−抽出液の製造
a)原料
焙煎した後に、凍結粉砕法により粗粉砕したコ−ヒ−豆(太陽化学社製)を原料コ−ヒ−豆とした。この原料コ−ヒ−豆の脂肪含有量は、17.4重量%であり、カフェイン含有量は1.33重量%であった。
b)混合工程
撹拌タンク(図示せず)に水を貯留し、前記原料コ−ヒ−豆を投入し、十分に撹拌混合し、全体に対するコ−ヒ−豆の比率を30重量%に調整し、プレミキシングタンク20に貯留した。
c)微粉砕及び抽出工程
仕込ポンプ21を作動し、プレミキシングタンク20から、前記コ−ヒ−豆を混合した水を処理槽1に搬送した。この際、水が処理槽1を120秒で通過する流量に設定した。また回転体10(図1及び図2参照)を周速度8m/秒で回転し、微粉砕と抽出の処理を行った。
【0100】
処理槽1より排出された液をレシ−ブタンク30に受け、コ−ヒ−抽出液を得た。得られたコ−ヒ−抽出液に水を加え、全体に対するコ−ヒ−豆の比率を20重量%に希釈した後、5℃に冷却した。
【0101】
以上の微粉砕及び抽出工程においては、処理槽1における処理中の水の温度は40℃であり、処理槽1の通過時間は120秒であった。従って、40℃の低温抽出法であるにもかかわらず、抽出時間はわずかに120秒であった。
【0102】
尚、得られたコ−ヒ−抽出液の一部をビ−カ−に取り、平均粒子径を測定するためのサンプルとした。
d)分離工程
コ−ヒ−抽出液を、高速冷却遠心機(株式会社トミ−精工製。RD−20IV)のNo.17ロ−タ−を使用して、5℃で6000rpmで20分間、コ−ヒ−残渣を分離し、美しい色調と良好な風味を呈する清澄なコ−ヒ−抽出液を得た。
e)各種物性の測定
▲1▼平均粒子径
前記(c)で採取した平均粒子径測定用のサンプルを水で希釈し、コ−ヒ−豆(コ−ヒ−残渣)の比率が2重量%である希釈試料を調製した。得られた希釈試料について、レ−ザ−回折・散乱式粒度分布計(堀場製作所。LA−910)を用いてコ−ヒ−豆の平均粒子径を測定した結果、10μmであった。
【0103】
尚、比較のために微粉砕前の原料コ−ヒ−豆についても、同様に平均粒子径を測定した結果、50μmであった。即ち、コ−ヒ−豆は平均粒子径50μmの状態から、平均粒子径10μmに微粉砕された。
▲2▼抽出された脂肪の量
レ−ゼ・ゴットリ−ブ法(日本薬学会編、「乳製品試験法・注解」、第47ペ−ジ、金原出版株式会社、平成2年)により、コ−ヒ−抽出液中の脂肪の量を測定し、原料コ−ヒ−豆の量に対する比率を算出した。
【0104】
この結果、実施例1のコ−ヒ−抽出液においては、原料コ−ヒ−豆の6.0重量%に相当する量の脂肪が、抽出されていたことが判明した。
【0105】
実施例2
次に、本発明の製造方法に、別な加熱抽出工程を組み合わせた実施例について説明する。
(1)使用装置
実施例1と同一の装置を使用した。
【0106】
(2)コ−ヒ−抽出液の製造
a)原料、混合工程、微粉砕及び抽出工程、並びに分離工程
実施例1と同一の原料コ−ヒ−豆を使用し、実施例1と同一の条件で、混合、微粉砕、及び抽出の工程を行い、レシ−ブタンク30に、コ−ヒ−抽出液を得た。
b)加熱抽出、及びコ−ヒ−残渣の分離
得られたコ−ヒ−抽出液に水を加え、全体に対するコ−ヒ−豆の比率を20重量%に希釈し、蒸気により90℃に加熱し、その状態で25分間保持し、加熱抽出を行った。次いで5℃に冷却し、コ−ヒ−抽出液を得た。
【0107】
得られたコ−ヒ−抽出液を、高速冷却遠心機(株式会社トミ−精工製。RD−20IV)のNo.17ロ−タ−を使用して、実施例1と同様の条件でコ−ヒ−残渣を分離し、美しい色調と良好な風味を呈する清澄なコ−ヒ−抽出液を得た。c)各種物性の測定
▲1▼平均粒子径
微粉砕前後のコ−ヒ−豆の平均粒子径を、実施例1と同一の方法により測定した結果、微粉砕前は50μmであり、微粉砕後は10μmであった。
▲2▼抽出された脂肪の量
得られた清澄なコ−ヒ−抽出液の脂肪の量を、実施例1と同様の方法で測定した結果、原料コ−ヒ−豆の4.2重量%に相当する量が抽出されていたことが判明した。
【0108】
実施例3
次に、本発明の飲食品であるコ−ヒ−乳飲料の実施例について説明する。
(1)コ−ヒ−抽出液の製造
▲1▼使用装置
実施例3では、井上製作所製のスパイクミルSHG−20(大量生産機)を使用した。装置全体の基本的な構成は図3と同様である。
▲2▼原料
原料コ−ヒ−豆として、平均粒子径100μmの凍結粉砕品(太陽化学社製)を使用した。
▲3▼混合、微粉砕、及び抽出工程
原料コ−ヒ−豆を水に混合し、処理中の水の温度5℃、回転体(図1の回転体10参照)の周速度8m/秒、処理槽(図3の処理層1参照)の通過時間を120秒に設定し、原料コ−ヒ−豆の平均粒子径を5μmに微粉砕し、コ−ヒ−抽出液を製造した。
【0109】
(2)コ−ヒ−抽出液の加工液の製造
得られたコ−ヒ−抽出液360kgに、市販のpH調整剤1kgを添加し、溶解水200kgを添加してコ−ヒ−抽出液の加工液を製造した。
【0110】
(3)乳成分液の製造
脱脂粉乳420kg、無塩バタ−175.5kg、液糖400kg、及び市販の安定剤20kgを溶解水3484.5kgに添加して混合し、乳成分液4500kgを製造した。
【0111】
(4)コ−ヒ−乳飲料の製造
前記(2)のコ−ヒ−抽出液の加工液500kgと、前記(3)の乳成分液4500kgとを混合し、クラリファイヤ−を使用してコ−ヒ−残渣を除去し、60℃に加温してホモジナイザ−により均質化処理を行い、プレ−ト式殺菌機により130℃、2秒間の殺菌処理を行い、殺菌コ−ヒ−乳飲料約4900kgを得た。
【0112】
実施例4
次に、コ−ヒ−残渣を除去しないコ−ヒ−乳飲料の実施例について説明する。(1)コ−ヒ−抽出液の製造
図3の処理槽1における処理中の水の温度を10℃に設定し、処理槽の通過時間を250秒に設定し、原料コ−ヒ−豆の平均粒子径を4μmに微粉砕したことを除き、実施例3と同一の装置及び同一の条件でコ−ヒ−抽出液を製造した。
【0113】
(2)コ−ヒ−抽出液の加工液の製造
得られたコ−ヒ−抽出液350kgに、市販のpH調整剤2kg、砂糖180kg、及び溶解水68kgを添加し、コ−ヒ−抽出液の加工液約600kgを製造した。
【0114】
(3)乳成分液の製造
脱脂粉乳350kg、無塩バタ−105kg、市販の安定剤9kgを、溶解水2536kgに添加して混合し、これを60℃に加温してホモジナイザ−により均質化処理を行い、乳成分液約3000kgを製造した。
【0115】
(4)コ−ヒ−乳飲料の製造
前記(2)のコ−ヒ−抽出液の加工液600kgと、前記(3)の乳成分液3000kgとを混合し、プレ−ト式殺菌機により130℃、2秒間の殺菌処理を行い、植物性繊維質を豊富に含有する殺菌コ−ヒ−乳飲料約3500kgを製造した。
【0116】
実施例5
次に、ブラックコ−ヒ−飲料の実施例について説明する。
(1)コ−ヒ−抽出液の製造
原料コ−ヒ−豆として、平均粒子径80μmの凍結粉砕品(太陽化学社製)を使用し、図3の処理槽1における処理中の水の温度を50℃に設定し、処理槽の通過時間を80秒に設定し、原料コ−ヒ−豆の平均粒子径を40μmに微粉砕したことを除き、実施例3と同一の装置及び同一の条件でコ−ヒ−抽出液を製造した。
【0117】
得られたコ−ヒ−抽出液に水を加え、全体に対するコ−ヒ−豆の比率を20重量%に希釈した後、前記実施例3と同一のクラリファイヤ−を使用してコ−ヒ−残渣を除去し、清澄なコ−ヒ−抽出液約1000kgを得た。
【0118】
(2)ブラックコ−ヒ−の製造
得られた清澄なコ−ヒ−抽出液1000kgに、調製水4000kgを添加し、プレ−ト式殺菌機により130℃、2秒間の加熱殺菌処理を行い、殺菌ブラックコ−ヒ−飲料を約4900kg得た。
【0119】
実施例6
次に、コ−ヒ−ゼリ−の実施例について説明する。
(1)コ−ヒ−抽出液の製造
図3の処理槽1における処理中の水の温度を5℃に設定し、処理槽の通過時間を180秒に設定して原料コ−ヒ−豆の平均粒子径を4μmに微粉砕したことを除き、実施例3と同一の原料、同一の装置、及び同一の条件でコ−ヒ−抽出液約400kgを製造した。
【0120】
得られたコ−ヒ−抽出液に水を添加し、全体に対するコ−ヒ−豆の比率を10重量%に調整し、前記実施例3と同一のクラリファイヤ−を使用してコ−ヒ−残渣を除去し、清澄なコ−ヒ−抽出液約800kgを得た。
【0121】
(2)ゼリ−ベ−スの製造
温度70℃に加熱した溶解水3815kgに、砂糖350kg、市販のゲル化剤30kg、増粘剤2kg、及び安定剤3kgを溶解し、ゼリ−ベ−ス約4200kgを製造した。
【0122】
(3)コ−ヒ−ゼリ−の製造
前記(2)のゼリ−ベ−ス4200kgに、前記(1)の清澄なコ−ヒ−抽出液800kgを混合し、プレ−ト式殺菌機により130℃、2秒間の殺菌処理を行った後、60℃まで冷却して殺菌コ−ヒ−ゼリ−液約4800kgを得た。
【0123】
得られた殺菌コ−ヒ−ゼリ−液を、容量100ccのプラスチックカップに各70cc充填し、密封し、5℃の冷蔵庫の中で24時間保管して凝固させ、風味良好なコ−ヒ−ゼリ−60000個を得た。
【0124】
実施例7
次に、コ−ヒ−プリンの実施例について説明する。
(1)コ−ヒ−抽出液の製造
図3の処理槽1における処理中の水の温度を10℃に設定し、処理槽の通過時間を250秒に設定し、原料コ−ヒ−豆の平均粒子径を4μmに微粉砕したことを除き、実施例3と同一の装置及び同一の条件でコ−ヒ−抽出液約30kgを製造した。
【0125】
得られたコ−ヒ−抽出液に水を添加し、全体に対するコ−ヒ−豆の比率を10重量%に希釈した。
【0126】
(2)乳成分液の製造
温度50℃に加温した溶解水3050kgに、脱脂粉乳300kg、バタ−150kgを溶解し、60℃でホモジナイザ−により均質化処理を行い乳成分液約3500kgを得た。
【0127】
(3)ベ−ス液の製造
温度70℃に加温した溶解水1040kgに、市販の安定剤5kg、ゲル化剤50kg、及び増粘剤5kg、並びに砂糖400kgを溶解し、ベ−ス液を約1500kg製造した。
【0128】
(4)コ−ヒ−プリンの製造
前記(1)のコ−ヒ−抽出液60kg、前記(2)の乳成分液3440kg、及び前記(3)のベ−ス液1500kgを混合し、プレ−ト式殺菌機により130℃、2秒間殺菌処理し、60℃に冷却し、コ−ヒ−プリン液約5000kgを得た。
【0129】
得られたコ−ヒ−プリン液を100cc容のプラスチックカップに各75cc充填し、密封し、5℃の冷蔵庫の中で24時間保管して凝固させ、風味良好なコ−ヒ−プリン製品55000個を得た。
【0130】
実施例8
次に、コ−ヒ−アイスクリ−ムの実施例について説明する。
(1)コ−ヒ−抽出液の製造
図3の処理槽1における処理中の水の温度を10℃に設定し、処理槽1の通過時間を250秒に設定して原料コ−ヒ−豆の平均粒子径を4μmに微粉砕したことを除き、実施例3と同一の原料、同一の装置、及び同一の条件でコ−ヒ−抽出液約2250kgを製造した。
【0131】
(2)乳成分液の製造
60℃に加温した溶解水1000kgに、脱脂粉乳550kg、市販の安定剤3kg、及びバター400kgを溶解し、これに卵黄100kg及び生クリーム750kgを混合し、乳成分液約2800kgを製造した。
【0132】
(3)アイスミックスの製造
コーヒー抽出液と乳成分液とを混合し、60℃に加温した後、ホモジナイザ−により均質化した。その後プレート式殺菌機により、120℃、2秒間の殺菌処理を行った後、速やかに5℃まで冷却した。冷却後、フリージングを行い、コーヒーアイスクリーム液約5000kgを得た。
【0133】
得られたコーヒーアイスクリーム液を100cc容の紙カップに各100cc充填し、密封し、−40℃の冷凍庫にて2時間硬化させ、コーヒーアイスクリーム41000個を得た。
【0134】
【発明の効果】
1)本発明のコ−ヒ−抽出液の製造方法によれば、脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を得ることができる。
2)本発明のコ−ヒ−抽出液の製造方法によれば、コ−ヒ−抽出液のフレ−バ−の散逸が少ない。
3)本発明のコ−ヒ−抽出液は脂肪含有量が高いため、コク味が強く、全体的に香味が強く、しかも長期に渡って安定した香味を維持することができる。
4)従って、本発明のコ−ヒ−抽出液を原料とする飲食品は、コ−ヒ−風味が豊かであり、コク味が強い。
5)また、本発明のコ−ヒ−抽出液を飲食品の原料とすれば、コ−ヒ−豆の使用量を削減することが可能であり、一層のコストダウンが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を行うための湿式媒体粉砕機の一例の断面を示す概略図である。
【図2】図1に示した装置における回転体10の表面を拡大した外観図である。
【図3】本発明の製造方法を行うための装置の全体的な構成を示す断面略図である。
【図4】図2に示した回転体10を改造した様子を示す外観図である。
【符号の説明】
1 処理槽
2 供給口
3 排出口
4 内壁
5 分散ゾ−ン
6 ギャップセパレ−タ−
7 処理媒体
10 回転体
10a円筒部材
12 案内メンバ−
12a撹拌片
13 前進案内面
14 後退案内面
20 プレミキシングタンク
21 仕込ポンプ
22 撹拌機
30 レシ−ブタンク
Claims (3)
- 焙煎して粗粉砕したコ−ヒ−豆を水と混合し、混合した水を湿式粉砕機に通液し、コ−ヒ−豆を更に微粉砕し、脂肪を含有するコ−ヒ−成分を抽出し、抽出した水を採取するコーヒー抽出液の製造方法において、次のa)乃至e)、
a)一端に粒状食品の供給口を有し、他端に排出口を有し、内部にコーヒー豆を粉砕処理する処理媒体が収納されている処理槽、
b)該処理槽の内壁との間に環状の分散ゾ−ンを形成するように該内壁に近接して回転可能に配設された筒状の回転体、
c)該回転体の回転に伴って粒状食品及び処理媒体を、回転体の軸方向へ運動させるために回転体の周囲に突出形成された案内メンバ−、
d)該案内メンバ−が、粒状食品及び処理媒体を排出口側へ前進させる前進案内面、供給口側へ後退させる後退案内面、及び回転体の外周方向に拡がる外表面からなること、
e)該前進案内面及び後退案内面が、該粒状食品を対向する後退案内面又は前進案内面方向へ運動させるために対向状態に分散配置されていること、
を備えた湿式媒体粉砕機に前記混合した水を通液することを特徴とする脂肪含有量が高いコーヒー抽出液の製造方法。 - 請求項1記載の製造方法により得られるコーヒー抽出液であって、コ−ヒ−豆の2重量%以上6重量%以下の量の脂肪が抽出されていることを特徴とする脂肪含有量が高いコーヒー抽出液。
- 請求項2に記載の脂肪含有量が高いコ−ヒ−抽出液を原料とする飲食品。
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