JP3660137B2 - シミュレーション方法、シミュレータ、シミュレーションプログラムを記録した記録媒体および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はLSI等の半導体集積回路、高周波トランジスタ、電力用半導体装置、発光素子、受光素子等の種々の半導体装置のシミュレーション技術及びこれを用いた半導体装置の製造方法に関し、特に半導体装置のデバイスシミュレーション方法、デバイスシミュレータ、デバイスシミュレーションプログラムを記録した機械読みとり可能な記録媒体およびこれらを用いた半導体装置の製造方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
昨今の複雑高度化した半導体装置においては、半導体装置の特性評価を、実物を作成して、その実物の特性を測定し評価を行うのでは、膨大な時間の無駄と、膨大な費用の無駄を発生させる恐れがあり、好ましくない。このため、微細化され高集積密度化されたLSI等の半導体装置の製造工程においては、製造しようとする半導体装置の物理的、電気的な挙動を、これとほぼ同じ法則に支配されるコンピュータシステムの挙動によって模擬(シミュレーション)し、模擬的な半導体装置に対して特性評価を行い、特性を確認してから現実の製造工程を開始するのが必須となりつつある。
【0003】
しかし、コンピュータシステム等でのシミュレーションによる特性評価の結果に相当量の計算誤差が含まれていれば、当然、これを用いた半導体装置の製造工程に不具合を発生させる。例えば、数週間程度以上を必要とする長く、しかも複雑な製造工程を経て試作品が完成された後に、その特性等に不具合が発生すれば、再び設計をし直し、再び、長時間かつ複雑な製造工程を繰り返さなければならず、時間とランニングコストが無駄に消費されてしまう。このように、シミュレーションの精度の向上は、直接半導体装置の製造の期間の短縮化にもつながるため非常に重要である。もとより、設計の失敗によって失われた時間は回復することはできないのである。特に半導体産業においては、より高性能の半導体装置の開発が競われているが、最も重要なのはこの半導体装置の開発の速度であるため、設計、開発期間の短縮は極めて重要である。
【0004】
この半導体装置の特性評価段階で用いられる装置(デバイス・シミュレータ)は半導体装置の形状、半導体中の不純物分布、端子に印加する電圧などの入力データを受け取る。そして、このデバイス・シミュレータは半導体の電気特性の基本方程式であるポアソン方程式と電子電流連続式と正孔電流連続式との解を数値計算により求め、さらに、半導体装置の電気的特性を出力する。
【0005】
半導体装置の電気的特性を得るために必要な基本方程式は、以下の(1)式乃至(3)式に示すような電位分布、キャリア濃度(具体的には電子濃度n、正孔濃度p)の連立微分方程式である。
【0006】
▽・D=q(p−n+ND−NA) …(1)
∂(−qn)/∂t+▽・Je=−qU …(2)
∂(qp)/∂t+▽・Jn=qU …(3)
ここで、Dは電束密度ベクトル、qは素電荷、NDはドナー濃度、NAはアクセプター濃度、tは時間、Jeは電子電流密度ベクトル、Jnは正孔電流密度ベクトル、Uはキャリア生成再結合率である。この基本方程式に境界条件として、半導体装置の各点における電位Ψ、電子濃度n、正孔濃度pを任意に与え、それらの値が上記基本方程式を満たすまで修正を加えて、コンピュータシステム等で解を求める。しかし、(1)式乃至(3)式に示す基本方程式をコンピュータシステムで解くためには、キャリア電流密度ベクトルの離散化を行う必要がある。
【0007】
そこで、図7に示すように、デバイスシミュレーションでは、まず、シミュレーションの対象となる半導体装置の内部及び周囲(解析領域と呼ぶ。)に有限個の格子点を設置する。そして、2次元空間の場合は、各格子点を頂点とする多角形を設置する(3次元空間の場合には、各格子点を頂点とする多面体を設置する)。この多角形は格子と呼ばれる。これらの多角形または多面体は隙間なく、かつ重なりなく解析領域を覆う。格子点には必要に応じて物理量を対応させる。また、それぞれの格子点に対して、この格子点を内部に含む、コントロールボリュームと呼ばれる多角形または多面体を対応させる。コントロールボリュームも隙間なく、かつ重なりなく解析領域を覆う。キャリア電流密度ベクトルの離散化とは、格子点の物理量を基にしてコントロールボリュームから流出する(或いは流入する)キャリア電流密度ベクトルを算出する技術のことである。
【0008】
このキャリア電流密度ベクトルの離散化に関して、2つの従来技術が知られている。
【0009】
1つは、シークフリート・セルベルハー(Siegfried Selberherr)による「半導体装置の解析とシミュレーション」(“Analysis and Simulation of Semiconductor Devices”)、スプリンガー・フェアラーク(Springer-Verlag Wien New York)社、1984年発行.の6.3節:有限要素( Finite Elements),第181頁乃至第191頁に示されている技術である。以下、この技術を「第1の従来技術」と呼ぶ。
【0010】
第1の従来技術は、1次元の線分上を流れるキャリア電流密度を計算する方法として知られているSG(Scharfetter-Gummel)法を、2次元の平面に設定した三角形または四角形の格子系に対して応用した方法である。すなわち、第1の従来技術では、格子系のそれぞれの線分(三角形または四角形の辺)を流れるキャリア電流密度を、キャリア電流は格子系のそれぞれの線分上のみを流れると仮定してSG法で計算する。この2次元の格子系は、同じ形で、導線をつなぎあわせた回路のようなものである。第1の従来技術においては、この回路の結び目と結び目の間をつなぐ導線を流れる電流を計算する。この計算は、以下のようである。
【0011】
まず、格子点Iに対応するコントロールボリュームから流出する電流SelIO,Iを次式で与える。ここで、図8と図9に示すような記号の定義を用いる。
【0012】
SelIO,I=Σ[J=O,NI]SGIIJ …(4)
(4)式において、Σ[J=O,NI]はSGIIJ のJ=0からJ=NIまでの和を意味する(本発明では、図12に定義するような、一般的な数学的表現とは異なる表記を便宜上採用していることに留意されたい)。
【0013】
SGIIJは格子点Iと格子点Jを端点とする辺に対して算出される、IからJへ向かう電流で、次式で定義される。
【0014】
【数2】
SGIIJ=(dIJ・DIJ/lIJ)(BIJCI−B* IJCJ) …(5)
BIJ=B(QΨIJ/kT) …(6)
B* IJ=B(−QΨIJ/kT) …(7)
ここで、kはボルツマン定数、Tは温度、CI,CJはそれぞれ格子点I,Jにおけるキャリア濃度、ΨIJはそれぞれ格子点I,Jにおける電位差(ΨIJ=ΨI−ΨJ)、dIJは三角形の格子の外接円の中心と辺IJとの距離、DIJはIからJへ向かう拡散係数、lIJは格子点IJ間の距離である。また、Qはキャリアの電荷で、電子に対しては−q、正孔(ホール)に対しては+qである。
【0015】
第1の従来技術では電流は格子点を結ぶ辺を流れるとしてSG法で計算している。しかし、それらの辺はシミュレーションを行うために仮想的に設置したものである。現実の半導体装置では、電流は半導体装置を構成している半導体領域の任意の点を流れる。このシミュレーションと現実の電流の流れ方の差異から、第1の従来技術の問題点が生じる。それは、格子点の設置の仕方に依存して計算誤差が発生するという問題である。この計算誤差は「擬拡散」と呼ばれる。擬拡散が発生するとシミュレーション結果が正しくなくなるので、擬拡散は重大な問題である。
【0016】
擬拡散の問題は多くの研究者や技術者によって指摘されている。例えば、アイ・イー・イー・イー・トランズアクション・オン・コンピューター・エイデッド・デザイン・オブ・インテグレイテッドサーキッツ・アンド・システムズ(IEEE Transactions on Computer-Aided Design of Integrated Circuits and Systems)第12巻( 1993年)、第10号、の第1535頁乃至第1541頁のヒー・イーとテン・ティーメン(He Yie and Teng Zhimeng)による「ドリフト-拡散方程式に対する流れに逆らった非振動の定式化」(“Nonosillatory Streamline Upwind Formulatioins for Drift-Diffusion Equation”)に示されている(以下、この文献に記載された技術を「第2の従来技術」と呼ぶ)。第2の従来技術の目的は第1の従来技術において発生する擬拡散を緩和することである。この第2の従来技術においては、キャリア電流は格子の線上のみではなく、任意の方向に流れると仮定する。キャリア電流は、一般に拡散(ディフュージョン)電流と移流(ドリフト)電流の和で与えられる。そして、第2の従来技術では、移流電流の方向に格子とは別の仮想的な線分を考え、この仮想的な線分に付いてSG法を使って電流密度を計算する。しかし、SG法を使うためには線分の両端のキャリア濃度が分かっていることが必要であり、仮想的な線分の両端のキャリア濃度は実在する格子点のキャリア濃度から内挿して求める。このようにしてSG法を用いて算出したキャリア電流密度は、2次元平面におけるキャリア電流密度ベクトルの仮想線分方向の成分であると仮定している。これとは別に、第2の従来技術では、仮想的な線分とは垂直な方向に、濃度勾配に比例した拡散電流が流れると仮定する。そして、この二つの電流のベクトル和が第2の従来技術によって算出されるキャリア電流密度ベクトルとなる。
【0017】
具体的には、第2の従来技術においては、擬拡散を緩和するために図10に示すように、キャリア濃度の補間を行っている。格子点(i,j)における電流密度ベクトルは、第1の従来技術のように周囲の格子点のキャリア密度のみから算出するのではなく、格子点(i,j)の上流側のキャリア濃度nUを基にしてキャリア電流密度ベクトルを計算する。nUは周囲の格子点(i−1,j)と(i−1,j−1)のキャリア濃度から算出する。即ち、3つの格子点のキャリア濃度からキャリア電流密度ベクトルを算出する。
【0018】
しかし、第2の従来技術でも擬拡散をなくすことはできない。図11は第2の従来技術から引用したもので、第1の従来技術と第2の従来技術による計算誤差を示す図である。第2の従来技術でも擬拡散が生じていることが分かる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
1次元の線分上を流れるキャリア電流密度を計算する方法であるSG法を、2次元乃至3次元のデバイスシミュレーションに適用する際の問題点は、算出されるデバイス特性やデバイスシミュレーションの収束性が格子の設定方法に依存して変化してしまうことである。デバイスシミュレーションにおいて生成する格子は、実際の半導体装置にはない、計算の便宜上のものである。理想的には、格子の設定方法に依存せずに計算結果が得られることが、デバイスシミュレーションとしては望ましいということになる。
【0020】
この格子の設定方法に対するキャリア電流密度ベクトルの依存性は、SG法が1次元の辺上の電流密度ベクトルしか算出できないことから生じている。電流が2次元や3次元空間に分布するデバイスシミュレーションをSG法で実行するためには、格子の辺上しか電流が流れないと仮定(第1の従来技術)、若しくは、実在する格子点のキャリア濃度から内挿した、格子とは別の仮想的な線分を考え、この仮想的な線分についてSG法を使って電流密度を計算する。しかし、この仮定のために、算出されるデバイス特性やデバイスシミュレーションの収束性が格子の設定方法に強く依存するという問題が生じる。
【0021】
このように、第1の従来技術や第2の従来技術においては、格子内の任意の点におけるキャリア電流密度ベクトルを与えることができなかった。このため、格子の辺上を流れるキャリア電流密度ベクトルを基に、近似的にキャリア電流連続式を解いていた。このため、擬拡散の問題が発生し、、基本方程式の解を正しく算出できず、半導体装置の電気特性を不正確にしかシミュレーションできなかった。
【0022】
上記問題点を鑑み、本発明の目的は、格子内の任意の点におけるキャリア電流密度ベクトルを正確に算出し、(1)式乃至(3)式で示された基本方程式の解を正確に算出することが出来るシミュレーション方法を提供することである。
【0023】
本発明の他の目的は、格子内の任意の点におけるキャリア電流密度の発散を正確に算出し、基本方程式の解を正確に算出することが出来るシミュレーション方法を提供することである。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、格子内の任意の点におけるキャリア電流密度ベクトルを正確に算出し、基本方程式の解を正確に算出することが出来るシミュレータを提供することである。
【0025】
本発明のさらに他の目的は、格子内の任意の点におけるキャリア電流密度の発散を正確に算出し、基本方程式の解を正確に算出することが出来るシミュレータを提供することである。
【0026】
本発明のさらに他の目的は、格子内の任意の点におけるキャリア電流密度ベクトルを正確に算出し、基本方程式の解を正確に算出することが出来るシミュレーションプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【0027】
本発明のさらに他の目的は、格子内の任意の点におけるキャリア電流密度の発散を正確に算出し、基本方程式の解を正確に算出することが出来るシミュレーションプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【0028】
本発明のさらに他の目的は、試作に先立つ半導体装置の特性予測を正確に行うことにより、所望の特性の半導体装置を短期間で開発できる半導体装置の製造方法を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、半導体装置の内部及び周囲に有限個の格子点を設置し、複数の格子を生成するステップと、この格子の内部のそれぞれに、線形に変化するキャリアの擬フェルミポテンシャルを設定するステップと、この擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求めるステップと、このキャリア濃度を用いて、(1)式乃至(3)式で示されたポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式を、所定の境界条件の下で解き、半導体装置の電気的特性を得るステップとを少なくとも有するシミュレーション方法であることである。ここで、「キャリア」とは、電子及び正孔(ホール)を意味し、「キャリアの擬フェルミポテンシャル」とは、電子の擬フェルミポテンシャルφn及び正孔の擬フェルミポテンシャルφpを意味する。
【0030】
本発明の第1の特徴に係るシミュレーション方法によれば、生成した格子内の任意の点におけるキャリア電流密度ベクトルを、正確に算出できる。このため、(1)式乃至(3)式で示されたデバイスシミュレーションの基本方程式の解を正確に算出できる。つまり、本発明の第1の特徴に係るシミュレーション方法によれば、求める半導体装置の電気特性を正確にシミュレーションできる。
【0031】
本発明の第1の特徴においては、半導体装置を構成する半導体領域中のキャリアは熱速度vthでブラウン運動をしていると仮定し、衝突のタイムスケールを運動量緩和時間τpで与える。そして、半導体領域内部の微小領域(格子)を想定して、微小領域(格子)の内部では、電界ベクトルEと擬フェルミポテンシャルの勾配▽φn、▽φpは定数であることを仮定している。また、キャリア濃度はボルツマン統計に従うと仮定する。
【0032】
従って、正孔の擬フェルミポテンシャルφp及び電子の擬フェルミポテンシャルφnを用いると、正孔濃度p及び電子濃度nは次の(8)式及び(9)式で与えられる。
【0033】
p=niexp(−q(Ψ−φp)/kT) …(8)
n=niexp(q(Ψ−φn)/kT) …(9)
(1)式乃至(3)式で示されたポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式を、所定の境界条件の下で解くためには、ドナー濃度ND、アクセプター濃度NA、キャリア生成再結合率Uについても、生成された格子の内部のそれぞれにおいて、線形若しくは指数関数的に変化する等の所定の仮定をすることが好ましい。 (1)式乃至(3)式で示された基本方程式は連立偏微分方程式であるが、電子計算機によって解くためにはそれらを連立一次方程式に変換しなければならない。
【0034】
詳細な計算手順は後述するが、本発明の第1の特徴においては、積分方程式を代数方程式に変換して、位置ベクトルrにおけるキャリア電流密度ベクトルJ(r)を、キャリアの運動量緩和時間τp、キャリアの熱速度vth、擬フェルミポテンシャルφrを用いて
【数3】
J(r)=(vdv(r)+vdp(r))QC(r) …(10)
vdv(r)=(kT/Qτp)Λ(r)U φEr/|φEr| …(11)
vdp(r)=vthξ(r)(UEr−(UEr・U φEr)U φEr) …(12)
で計算することが好ましい。(11)式のΛ(r)はキャリア等濃度面に垂直方向のドリフト速度ベクトルを与える係数で、
【数4】
Λ(r)=1−|Er/2|sinh(ζr φ)/(ηφ・sinh(ζr))…(13)
と表わされる。ここで2ζrは熱電位(kT/q)で規格化した位置ベクトルrにおけるポテンシャルで、
2ζr=Q|Er| |l|/kT …(14)
と表わされる。(13)式におけるηφは次式で与えられる。
【0035】
ηφ=|Er/2+▽φr| …(15)
(13)式におけるζr φは熱電位で規格化した位置ベクトルrにおけるηφに対応したポテンシャルで、
ζr φ=Qηφ|l|/kT …(16)
と表わされる。一方、(12)式のξ(r)はキャリア等濃度面に平行方向のドリフト速度を与える係数で、以下の式で示される。
【0036】
ξ(r)=coth(ζr)−1/ζr …(17)
さらに(11)式におけるφErは擬フェルミポテンシャルφrを考慮した位置ベクトルrにおける電界ベクトルで
φEr=E+▽φr …(18)
と表わされる。ここで、Eは位置ベクトルrにおける電界ベクトルである。またUErは位置ベクトルrにおける単位電界ベクトル、U φErは位置ベクトルrにおける擬フェルミポテンシャルφrを考慮した単位電界ベクトルで、それぞれ以下のように表わされる。
【0037】
UEr=Er/|Er| …(19)
U φEr=φEr/|φEr| …(20)
また、本発明の第1の特徴において、位置ベクトルrにおけるキャリア電流密度ベクトルJ(r)の発散▽・J(r)が
▽・J(r)=(Q/τp)Λ(r)C(r) …(21)
で与えられることを用いて半導体装置の電気的特性を得るようにしてもよい。 上述のように、本発明の第1の特徴においては、半導体装置を構成する半導体領域中のキャリアは熱速度vthでブラウン運動をしていると仮定している。このような熱速度vthでブラウン運動の下では、ある時刻t0にある点xにあったキャリアはτp時間後の時刻t1=t0+τpには平均自由行程l=vth・τpだけ離れた点にあることになる。3次元空間で考えると、もしも電界が0であれば、キャリアは球面上に均一に分布するはずである。しかし、一般には電界が0でないので、キャリアは電界の方向に偏って分布する。本発明の第1の特徴においては、ボルツマン統計を仮定しているので、この偏った分布は電界Eとキャリア温度Tと球面の半径である平均自由行程lの関数として求まる。τpの間のキャリアの変位を平均自由行程ベクトルlで表すと、キャリアが平均自由行程ベクトルlの方向に変位する単位時間単位立体角当たりの確率P(l)は次式で与えられる。
【0038】
【数5】
P(l)=1/(4πτp)・ζr・exp(ζr)/sinhζr …(22)
平均自由行程ベクトルlよりもずっと小さな微小領域を点xの周りに取ると、t0に同領域にあったキャリアはt1にはすべて外に出ている。逆にt1に同領域にいるキャリアは元のt0にはxの周りの半径lの球面上にあったはずである。球面上のキャリア濃度は次式で与えられる。
【0039】
【数6】
C(l)=C(0)exp(Q(E+▽φ)・l/kT) …(23)
それらのキャリアがτp後に点xにある確率はP(−l)に比例するので、それらの積を積分すると電流密度の発散が求まる。
【0040】
▽・J=(Q/τp)C(0)Λ(r) …(24)
(10)式の電流密度ベクトルJ(r)は(24)式を利用して求められる。
【0041】
本発明の第2の特徴は、格子生成手段、線形擬フェルミポテンシャル設定手段、バイアス設定手段,係数行列と残差ベクトル設定手段及び行列計算手段とを少なくとも有するシミュレータであることである。ここで、格子生成手段は、半導体装置の内部及び周囲に有限個の格子点を設置し、複数の格子を生成する。線形擬フェルミポテンシャル設定手段は、生成された格子の内部のそれぞれに、線形に変化するキャリアの擬フェルミポテンシャルを設定する。バイアス設定手段は、ソース電極領域,ドレイン電極領域、ゲート電極領域等の半導体装置の所定の電極領域に印加するバイアスを、シミュレーションする電気特性に応じて入力する。係数行列と残差ベクトル設定手段は、擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求め、基本方程式に対する係数行列と残差ベクトルを設定する。行列計算手段は、周知のニュートン法によって解を求める。すなわち、基本方程式の解に、係数行列を解いて得られた修正値を加えて、解を修正し、基本方程式の解が収束するまで計算を繰り返す。そして、解が収束していれば、所定のバイアスの解としてその解を保存する。このようにして、各バイアスについて、バイアス設定手段,係数行列と残差ベクトル設定手段及び行列計算手段とを用いて、ポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式から変換された連立一次方程式を、所定の境界条件の下で解き、計算誤差の少ない半導体装置の電気的特性を短時間に得ることができる。
【0042】
本発明の第2の特徴に係るシミュレータによれば、生成した格子内の任意の点におけるキャリア電流密度ベクトルを、正確に算出できる。このため、(1)式乃至(3)式で示された半導体デバイスシミュレーションの基本方程式の解を正確に算出できる。つまり、本発明の第2の特徴に係るシミュレータによれば、求める半導体装置の電気特性を正確にシミュレーションできる。
【0043】
本発明の第1の特徴で述べたシミュレーション方法を実現するためのプログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に保存し、この記録媒体をコンピュータシステムによって読み込ませることにより、本発明のシミュレーション方法を実行することができる。すなわち、本発明の第3の特徴は、半導体装置の内部及び周囲に有限個の格子点を設置し、複数の格子を生成するステップと、この格子の内部のそれぞれに、線形に変化するキャリアの擬フェルミポテンシャルを設定するステップと、この擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求めるステップと、このキャリア濃度を用いて、ポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式を、所定の境界条件の下で解き、半導体装置の電気的特性を得るステップとを少なくとも有するシミュレーションプログラムを記録した記録媒体であることである。本発明の第3の特徴によれば、半導体装置の電気特性を正確にシミュレーションできるプログラムを記録した記録媒体を提供できる。なぜなら、格子内の任意の点におけるキャリア電流密度ベクトルを正確に算出できるプログラムであるため、キャリア電流連続式を含む半導体デバイスシミュレーションの基本方程式の解を正確に算出できるからである。ここで、「記録媒体」とは、例えばコンピュータの外部メモリ装置、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるような機械読みとり可能な記録媒体を意味する。具体的には、フロッピーディスク、CD−ROM,MOディスク、カセットテープ、オープンリールテープなどが「記録媒体」に含まれる。
【0044】
本発明の第4の特徴は、製造しようとする半導体装置の内部及び周囲に有限個の格子点を設置し、複数の格子を生成し、格子の内部のそれぞれに、線形に変化するキャリアの擬フェルミポテンシャルを設定し、擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求め、キャリア濃度を用いて、ポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式を、所定の境界条件の下で解き、半導体装置の電気的特性を得るステップと、この得られた電気的特性が所望の半導体装置の電気的特性であるか否か、評価・検討するステップと、得られた電気的特性が所望の半導体装置の電気的特性であると判断された場合には、半導体材料に対し、所定の不純物ドーピング工程及び形状加工工程を含む一連の半導体製造プロセスを実行し、半導体装置を得るステップとを少なくとも有する半導体装置の製造方法であることである。
【0045】
本発明の第4の特徴によれば、所望の特性の半導体装置を従来よりも短期間で開発できる。なぜなら、本発明のデバイスシミュレーション方法により半導体デバイスの電気的特性を正確にシミュレーションし、より精度の高い半導体装置の評価を行うことができるからである。すなわち、本発明の第4の特徴によれば、試作に先立つ半導体装置の特性予測を従来よりも正確に行えるので、より少ない試作回数で半導体装置を開発でき、研究・開発の効率が大幅に改善される。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0047】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るデバイスシミュレータ(デバイスシミュレーション装置)は、プロセスシミュレーションで得られた素子構造と不純物分布等の結果を入力し、入力した構造に対して印加電圧、電流などの電気的な境界条件を設定して素子の電気的特性をシミュレーションする機能を有する。さらに、本発明の第1の実施の形態に係るデバイスシミュレータは、その結果得られる半導体装置内の電位・電界・電流分布や電子・正孔などのキャリア分布、あるいは電流−電圧特性などを出力装置上に表示する機能を有する。
【0048】
すなわち図1(a)に示すように、本発明のデバイスシミュレータ70は、操作者からのデータや命令などの入力を受け付ける入力部61と、半導体装置の電気的特性をシミュレーションする処理制御部71と、シミュレーション結果を出力する出力部64と、半導体装置の特性の解析に必要な所定のデータなどを格納したデータ記憶部62と、デバイスシミュレーションプログラムなどを格納したプログラム記憶部63とから少なくとも構成されている。処理制御部71は端子電圧または電流条件を設定する電圧/電流設定手段72および素子特性計算手段73とを少なくとも有している。
【0049】
図1に示す素子特性計算手段73は、(1)式乃至(3)式で示されたポアソン方程式、電子電流連続式と正孔電流連続式を連立一次方程式に変換して解き、電界効果トランジスタ(FET)、バイポーラトランジスタ(BJT)、静電誘導トランジスタ(SIT)、サイリスタなどの半導体装置中の電子や正孔等のふるまいを計算することができる。このため、図1(b)に示すように、本発明の素子特性計算手段73は、格子生成手段51、線形擬フェルミポテンシャル設定手段52、バイアス設定手段53,係数行列と残差ベクトル設定手段及び行列計算手段を少なくとも具備している。ここで、格子生成手段51は、対象とした半導体装置の内部及び周囲に有限個の格子点を設置し、複数の格子を生成する。線形擬フェルミポテンシャル設定手段52は、格子生成手段51により生成された格子の内部のそれぞれに、線形に変化するキャリアの擬フェルミポテンシャルを設定する。バイアス設定手段53は、ソース電極領域,ドレイン電極領域、ゲート電極領域等の半導体装置の所定の電極領域に印加するバイアスを、シミュレーションする電気特性に応じて入力する。係数行列と残差ベクトル設定手段54は、擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求め、(1)式乃至(3)式で示された基本方程式に対する係数行列と残差ベクトルを設定する。そして、行列計算手段55は、周知の行列解法によって解を求める。すなわち、基本方程式の解に、行列を解いて得られた修正値を加えて、解を修正し、基本方程式の解が収束するまで計算を繰り返す。そして、解が収束していれば、所定のバイアスの解としてその解を保存する。
【0050】
このようにして、各バイアスについて、バイアス設定手段53,係数行列と残差ベクトル設定手段54及び行列計算手段55とを用いて、ポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式から変換された連立一次方程式を、所定の境界条件の下で解き、求める半導体装置の電気的特性を得ることができる。
【0051】
図1(a)において、入力部61はキーボード、マウス、ライトペンまたはフロッピーディスク装置などで構成される。処理制御部71、データ記憶部62およびプログラム記憶部63はCPU、及びこのCPUに接続されたROM、RAM、磁気ディスクなどの記憶装置を含む通常のコンピュータシステムで構成される。また出力部64はディスプレイ装置やプリンタ装置などにより構成されている。
【0052】
なお、本発明のデバイスシミュレーション方法を実現するためのプログラムはコンピュータ読取り可能な記録媒体に保存しておいてもよい。この記録媒体をコンピュータシステムによって読み込ませ、プログラム記憶部63に格納し、このプログラムを処理制御部71で実行して本発明のデバイスシミュレーション方法を実現することもできる。ここで、記録媒体とは、例えばコンピュータの外部メモリ装置、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるような記録媒体などが含まれる。
【0053】
図2は本発明のデバイスシミュレータの外観を示す鳥瞰図である。このデバイスシミュレータ80の本体は、フロッピーディスク装置(フロッピーディスクドライブ)81および光ディスク装置(光ディスクドライブ)82を具備している。フロッピーディスクドライブ81に対してはフロッピーディスク83を、また光ディスクドライブ82に対してはCD−ROM84をその挿入口から挿入し、所定の読み出し操作を行うことにより、これらの記録媒体に格納されたプログラムをシステム内にインストールすることができる。また、所定のドライブ装置を接続することにより、例えばゲームパック等に利用されている半導体メモリとしてのROM85や、磁気テープとしてのカセットテープ86等を用いることもできる。
【0054】
次に、図1に示す素子特性計算手段73における計算手順について述べる。デバイスシミュレーションの基本方程式は、(1)式乃至(3)式で示されたポアソン方程式、電子電流連続式と正孔電流連続式からなる連立偏微分方程式である。これらの基本方程式は連立偏微分方程式であるけれども、電子計算機によって解くためにはそれらを連立一次方程式に変換しなければならない。この手順は以下の通りである。
【0055】
(1)式乃至(3)式をそれぞれコントロールボリュームで積分する。なお以下の説明において“INTG”は図12に定義するように積分記号を表わす。すなわちaINTGbf(x)dxは関数f(x)の区間(a,b)における線積分(定積分)を意味し、INTGCvf(ν)d(ν)は関数f(ν)のコントロールボリュームCVにおける体積積分を意味するものとする。またINTGCv,if(ν)d(ν)はi番目のコントロールボリュームCv,iにおける体積積分を意味するものとする。このような表記のもとで
【数7】
INTGCv,i▽・Ddν=q(Pi−Ni+NDi−NAi) …(25)
∂(−qNi)/∂t+INTGCv,i▽・Jedν=−qUi …(26)
∂(qPi)/∂t+INTGCv,i▽・Jndν=qUi …(27)
ここで
Pi=INTGCv,ipdν …(28)
Ni=INTGCv,indν …(29)
は、正孔濃度p及び電子濃度nをi番目のコントロールボリュームで積分した量である。ここで、正孔濃度p及び電子濃度nは、前述の(8)式及び(9)式で与えられる。
【0056】
本発明の第1の実施の形態では電位Ψと正孔の擬フェルミポテンシャルφp及び電子の擬フェルミポテンシャルφnは各格子内では座標に関して線形に変化することを仮定している。また、電位Ψは半導体領域及び絶縁体領域に属する各格子点において値を与え、正孔の擬フェルミポテンシャルφp及び電子の擬フェルミポテンシャルφnは半導体領域に属する各格子点において値を与える。各格子は三角形なので、Ψ、φp、φnとも、3つの頂点での値から各格子内の任意の点における値を算出できる。更に、(28)式及び(29)式の積分は解析的に実行できる。
【0057】
また、ドナー濃度ND、アクセプター濃度NA及びキャリア生成再結合率Uについても、格子の内部のそれぞれにおいて、線形若しくは指数関数的に変化すると仮定すると、
ND,i=INTGCv,iNDdν …(30)
NA,i=INTGCv,iNAdν …(31)
Ui=INTGCv,iUdν …(32)
である。ガウスの定理を用いると(25)式〜(27)式は以下のように変換できる。
【0058】
【数8】
INTGΩ Cv,iD・dS−q(Pi−Ni+ND,i−NA,i)=0 …(33)
∂(−qNi)/∂t+INTGΩ Cv,iJe・dS=−qUi …(34)
∂(qPi)/∂t+INTGΩ Cv,iJn・dS=qUi …(35)
図6に示したコントロールボリュームに対して(33)式の左辺第1項は次式で与えられる。
【0059】
【数9】
ここでDi(i=2〜6)は格子i(i=2〜6)における電束密度ベクトルである。すなわち格子iにおける誘電率をεi、格子iにおける電界ベクトルをEiとすれば
D2=ε2・E2 …(37)
D3=ε3・E3 …(38)
D4=ε4・E4 …(39)
D5=ε5・E5 …(40)
D6=ε6・E6 …(41)
である。各格子内で電位Ψは座標に対して線形に変化することを仮定しているので、各格子の内部で電界は一定である。
【0060】
Ei=−▽Ψi …(42)
たとえば、格子2の電界E2は格子点2での電位Ψ2、格子点1での電位Ψ1、格子点6での電位Ψ6から求めることができる。また(36)式におけるd6,2,2、d2,3,3、d3,4,4、d4,5,5、d5,6,6は以下の(43)式〜(47)式で与えられる。すなわち
【数10】
d6,2,2=dM6,C2n1,6+dC2,M2n1,2 …(43)
d2,3,3=dM2,C3n1,2+dC3,M3n1,3 …(44)
d3,4,4=dM3,C4n1,3+dC4,M4n1,4 …(45)
d4,5,5=dM4,C5n1,4+dC5,M5n1,5 …(46)
d5,6,6=dM5,C6n1,5+dC6,M6n1,6 …(47)
ここでdMk,Cl(k=2〜6;l=2〜6)は点Mkから点Clへ向かう辺Mk,Clの長さで、n1,kは点1から格子点kへ向かう単位ベクトルである。
【0061】
たとえば、dM6,C2は点M6から点C2へ向かう辺M6,C2の長さ、n1,6は格子点1から格子点6へ向かう方向の単位ベクトルである。(36)式を代入すれば、(33)式は格子点におけるφp,φnの代数方程式で記述できる。
【0062】
次に(34)式の積分方程式を代数方程式に変換する方法を説明する。図6に示したコントロールボリュームに対して(34)式の左辺第2項は次式で与えられる。
【0063】
【数11】
ここで、vdem(m=2〜6)は格子mにおける電子のドリフト速度ベクトルであり、φn,mを電子の擬フェルミポテンシャルとして、次式で与えられる。
【0064】
【数12】
vdem=(−kT/qτpe)Λem(U φEm/|φEm|)+ξem・vth …(49)
Λem=1−|Em/2|sinh(ζm, φ)/(ηφ・sinh(ζm)) …(50)
ξem=(coth(ζm)−1/ζm)(UEm−(UEm・U φEm)U φEm) …(51)
ここで、τpeは電子の運動量緩和時間である。また、ζm及びζm,pは、それぞれ熱電位(kT/q)で規格化した格子mにおけるポテンシャル、及び電子の擬フェルミポテンシャルφn,mを考慮した、熱電位で規格化した格子mにおけるポテンシャルであり、次式で与えられる。
【0065】
ζm=−q|Em| |l|/2kT …(52)
ηφ=|Em/2+▽φn,m| …(53)
ζm, φ=−qηφ|l|/kT …(54)
さらに、φEmは擬フェルミポテンシャルを考慮した格子mにおける電界ベクトルで、
φEm=Em+▽φn,m …(55)
で与えられる。また、U φEm及びUEmは、それぞれ擬フェルミポテンシャルを考慮した格子mにおける単位電界ベクトル、及び格子mにおける単位電界ベクトルで、
【数13】
U φEm=(Em+▽φn,m)/|Em+▽φn,m| …(56)
UEm=Em/|Em| …(57)
で与えられる。
【0066】
先に述べたように、Emは格子m(m=2〜6)内で一定である。また、電子の擬フェルミポテンシャルφn,mは各格子内で座標の線形関数であるから▽φn,mも格子m内で一定のベクトルである。即ち、vdemは定数ベクトルである。
【0067】
一方(48)式におけるN6,2,2、N2,3,3、N3,4,4、N4,5,5、N5,6,6は以下の(58)式〜(62)式で与えられる。
【0068】
【数14】
N6,2,2=NM6,C2n1,6+NC2,M2n1,2 …(58)
N2,3,3=NM2,C3n1,2+NC3,M3n1,3 …(59)
N3,4,4=NM3,C4n1,3+NC4,M4n1,4 …(60)
N4,5,5=NM4,C5n1,5+NC5,M5n1,5 …(61)
N5,6,6=NM5,C6n1,5+NC6,M6n1,6 …(62)
ここで、NMi,Cjは電子濃度nを辺Mi,Cj(i=2から6,j=2〜6)で線積分した関数で、次の(63)式で定義される。
【0069】
NMi,Cj=MiINTGCjn(x)dx …(63)
辺Mi,Cj上でnは指数関数的に変化するので(63)式は解析的に積分できる。
【0070】
したがって、(48)式は格子点における電位Ψ及び電子の擬フェルミポテンシャルφnの代数方程式で記述できる。従って、(34)式も格子点における電位Ψと正孔の擬フェルミポテンシャルφp及び電子の擬フェルミポテンシャルφnの代数方程式で記述できることが説明できた。
【0071】
(35)式も(34)式と同様に格子点における電位Ψと正孔の擬フェルミポテンシャルφp及び電子の擬フェルミポテンシャルφnの代数方程式で記述できる。
【0072】
本発明の第1の実施の形態において解くべきデバイスシミュレーションの基本方程式は、全てのコントロールボリュームに対する(33)式〜(35)式の連立代数方程式である。この(33)式〜(35)式の連立代数方程式を解くに当たって、所定のバイアスにおける解の近似値を何らかの方法で推定し、解の初期値として設定する必要がある。本発明の第1の実施の形態では次の3つの方法を用いた。
【0073】
(a)1つは所定のバイアスの直前のバイアスにおける解と、更にもう1回前のバイアスの解から線形外挿によって求める方法である。この方法は3回目以降のバイアスの初期値を推定する際に用いた。
【0074】
(b)もう1つの方法は直前のバイアスの解をそのまま用いる方法である。この方法は2回目のバイアスの初期値を求める際に用いた。
【0075】
(c)最後の方法は1回目の解、即ち熱平衡状態の解を求める際に用いる方法である。
【0076】
図3は本発明の第1の実施の形態に係るデバイスシミュレーション方法のフローチャートである。手順を順に説明する。
【0077】
(イ)「開始」の手順ではデバイスシミュレーションを開始する。本発明の第1の実施の形態では、ハードディスク等のプログラム記憶部63に格納されたソフトウェアプログラムの起動を行う。
【0078】
(ロ)ステップS31においては、シミュレーション対象とする半導体装置の形状や不純物分布、各電極領域の名称、比誘電率、仕事関数などをデバイスシミュレータに入力する。本発明の第1の実施の形態では、周知のプロセスシミュレーターにより得られたる半導体装置の形状や不純物分布等の値を入力する。図4は本発明の第1の実施の形態において入力したデバイス構造を示す図である。この半導体装置はMOSFETである。基板領域14の材質はシリコンである。基板領域14の形状は、基板領域14の境界上の格子点の座標を反時計周りに順番に指定してデバイスシミュレータに入力した。なお、以下に示す他の領域についても、それぞれの領域の形状の入力方法は基板領域14と同じである。シリコンの比誘電率は11.7であるので、この値も入力した。不純物としては燐(P)、砒素(As)、ホウ素(B)がシリコン中に分布している。シリコン領域の内部及び境界上の格子点において、燐、砒素、ホウ素のそれぞれの濃度を入力することにより、不純物分布をデバイスシミュレータに入力した。第1の絶縁体領域16,第2の絶縁体領域17及び第3の絶縁体領域18の材質はシリコン酸化物(SiO2)である。第1の絶縁体領域16,第2の絶縁体領域17及び第3の絶縁体領域18の形状も基板領域14と同じ方法で入力した。また、シリコン酸化物の比誘電率は3.9であるので、この値も入力した。本発明の第1の実施の形態における半導体装置には、図4示すようにソース電極領域11,ドレイン電極領域12、ゲート電極領域13、及び基板電極領域15の4つの電極領域がある。それらの電極領域11,12,13,15の形状も基板領域14と同じ方法でそれぞれ入力した。このうち、ソース電極領域11,ドレイン電極領域12、基板電極領域15の材質はアルミニウムであるので、仕事関数の値として4.2eVを入力した。ゲート電極領域13の材質はポリシリコンである。そこで、比誘電率の値として11.7を入力した。また、ゲート電極領域13における不純物分布を、基板領域14と同じ方法で入力した。
【0079】
(ハ)ステップS32においては、周知の格子生成技術を用いて三角形格子を生成する。図5は生成した格子を示す図である。基板領域14の内部にある三角形格子は基板領域14に属する。その他の領域についても同様である。また、基板領域14の内部及び境界上にある格子点は基板領域14に属する。基板領域14、第1の絶縁体領域16,第2の絶縁体領域17、第3の絶縁体領域18、ゲート電極領域13に属する三角形格子には、それぞれの領域の比誘電率を設定する。ソース電極領域11、ドレイン電極領域12、基板電極領域15に属する三角形格子には、それぞれの領域11,12,15の仕事関数を設定する。また、基板領域14、ゲート電極領域13に属する格子には不純物濃度を設定する。
【0080】
(ニ)ステップS33においては、所定の「物理モデル」を設定する。本発明の第1の実施の形態では、例えば、基板領域14に属する格子点で移動度を算出するための移動モデルとそのパラメーターを設定する。例えば、周知の移動度モデルとそのパラメーターを設定することが出来る。更に、基板領域14に属する格子点でキャリア生成再結合率Uを算出するためのキャリア生成再結合率モデルとそのパラメーターを設定する。本発明の第1の実施の形態では、生成された格子の内部のそれぞれにおいて、線形若しくは指数関数的に変化するキャリア生成再結合率を設定する。
【0081】
(ホ)ステップS34においては、ステップS32において生成した三角形格子の内部に、線形に変化するキャリアの擬フェルミポテンシャルを設定する。即ち、それぞれの格子の内部に、電子の擬フェルミポテンシャルφe及び正孔の擬フェルミポテンシャルφpを設定する。さらに、ドナー濃度ND、アクセプター濃度NAについても、生成された格子の内部のそれぞれにおいて、線形若しくは指数関数的に変化する値を設定する。
【0082】
(へ)ステップS35においては、ソース電極領域11,ドレイン電極領域12、ゲート電極領域13、及び基板電極領域15の4つの電極領域に印加するバイアスを、シミュレーションする電気特性に応じて入力する。例えば、MOSFETの三極管特性をシミュレーションする場合には、ドレイン電極領域12に例えば0.1Vを印加した後、ゲート電極領域13を0Vから例えば3Vまで0.1Vずつ変化させるコマンドをデバイスシミュレータに入力する。すると、デバイスシミュレータはまず、全ての電極領域11,12,13,15のバイアスが0Vである状態の解、即ち熱平衡状態の解を以下で述べる方法により算出し、次にドレイン電極領域12のバイアス即ちドレインバイアスだけを0.1Vに変化させた状態の解を算出する。次に、ゲートバイアスを0.1Vに変化させた解、0.2Vに変化させた解を順に算出し、ゲートバイアスが3Vの解まで算出する。
【0083】
(ト)あるバイアスにおける解はステップS36の「初期値の推定」からステップS41の「解の保存」までの手順で算出する。これらの手順で行うことは、擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求め、これを用いて、(1)式乃至(3)式で示されたポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式を、所定の境界条件の下で解くことである。この際、(1)式乃至(3)式で示された基本方程式を,(33)式〜(35)式で示された連立一次方程式に変換し、全てのコントロールボリュームに対してこの(33)式〜(35)式の連立一次方程式を解く。具体的には、周知のニュートン法によって、ステップ36からステップS41までの手順によって解く。ステップS36においては、所定のバイアスにおける解の近似値を何らかの方法で推定し、解の初期値として設定する必要がある。本発明の第1の実施の形態では前述した(a)乃至(c)の3つの方法を用いた。まず、絶縁体領域に属する格子点の電位を0Vとする。次に、基板領域及びゲート電極領域に属する格子点では、擬フェルミポテンシャルを0Vとし、p型半導体領域であれば正孔濃度pが、n型半導体領域であれば電子濃度nが不純物濃度に一致するように、電位Ψを決めて初期値とする。ステップS37では、ステップS34で設定した擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求め、基本方程式に対する係数行列と残差ベクトルを設定する。この係数行列と残差ベクトルを設定に際しては、ステップS33,34で、線形若しくは指数関数的に変化すると仮定して設定されたドナー濃度ND、アクセプター濃度NA、キャリア生成再結合率U等も用いられる。そして、ステップS38では、ステップS37で設定した係数行列と残差ベクトルを基に、周知の技術により解の修正値を算出する。さらに、ステップS39では、周知の技術により、基本方程式の解にステップS38で算出した解の修正値を加えて、解を修正する。その後、ステップS40では、周知の技術により、基本方程式の解が収束したか否かを判定する。収束していなければステップS37に戻り「係数行列と残差ベクトルの設定」の手順を次に行う。収束していればステップS41の「解の保存」の手順を次に行う。ステップS41では、所定のバイアスの解としてその解を保存する。
【0084】
(チ)ステップS42では、全バイアスの計算が終了したか否かを判定する。終了していなければステップS35に戻り、「バイアスの設定」の手順を行い、ステップS36以降の手順を繰り返す。ステップS42で、全バイアスの計算が終了していれば、ステップS43の「結果の出力」の手順を次に行う。ステップS43では、シミュレーション結果の出力を行う。例えば、各バイアスにおける各電極領域の端子電流や、各格子点における電位やキャリア濃度などを出力する。ステップS43の「結果の出力」の手順が終われば、求める半導体装置の電気的特性が得られ、本発明の第1の実施の形態に係るシミュレーションプログラムを終了する。
【0085】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は先に示した第1の実施の形態と共通する内容を含むので、異なる点のみ説明する。
【0086】
第2の実施の形態においては、前述した(34)式の左辺第2項を次式によって算出する。
【0087】
【数15】
ここで、(50)式のΛemを用いて、
Fe,m=(−q/τpe)Λem …(65)
である。またNMj,Ck,Mk1は頂点がMj,Ck,Mk1である四角形領域での電子濃度nの積分であり、次式で定義される。
【0088】
NMj,Ck,Mk1=INTGMj,Ck,Mk1ndν …(66)
電位Ψと電子の擬フェルミポテンシャルφnは各格子において位置の線形関数であり、しかも、積分領域が多角形なので、(66)式は解析的に積分できる。
【0089】
したがって(48)式の右辺は格子点における電位Ψと正孔の擬フェルミポテンシャルφp及び電子の擬フェルミポテンシャルφnの代数方程式で記述できる。即ち、第1の実施形態と同じ手順でデバイスシミュレーションを実行できる。
【0090】
(半導体装置の製造方法)
本発明の半導体装置の製造方法の各工程の流れは以下のようになる。まず、デバイスシミュレーションに先立ち、プロセスシミュレーションが実行される。プロセスシミュレーションによって得られた半導体装置中の不純物や欠陥の分布等のデータは、デバイスシミュレータに入力される。このデバイスシミュレーションを行う際には、プロセスシミュレーションで得られた素子構造と不純物分布等の結果と同時に、印加電圧、電流などの電気的な境界条件を与えるための入力データが加えられる。
【0091】
そして、デバイスシミュレータにおいては、第1及び第2の実施の形態で説明したように、製造しようとする半導体装置の内部及び周囲に有限個の格子点を設置し、複数の格子を生成し、格子の内部のそれぞれに、線形に変化するキャリアの擬フェルミポテンシャルを設定し、擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求め、キャリア濃度を用いて、ポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式を、所定の境界条件の下で解き、半導体装置の電気的特性を得る。「半導体装置の電気的特性」とは、例えば、電流−電圧特性、インピーダンス特性、Sパラメータや高周波特性等のデバイス特性である。
【0092】
さらに、必要に応じてデバイスシミュレーションの結果としてのデバイス特性は、回路シミュレーションの入力データとなり回路特性を得るようにしても良い。
【0093】
デバイスシミュレーションまたは回路シミュレーションにより、得られた特性が作ろうとしている所望の特性になるかどうかを調べ、所望の特性であれば実際の半導体装置の製造工程に取りかかる。もし、所望の特性にならないときには、考えた製造工程では作りたい素子は作れないので、製造工程の条件を変更したり、工程の順番など手順そのものを変更し再度プロセスシミュレーションを行い、このプロセスシミュレーションの結果を入力データとしてデバイスシミュレーションを行う。
【0094】
さらに、実際の半導体装置の製造工程の結果得られた現実の半導体装置の特性を測定し、当初の要求仕様を満足するか否か評価する。この評価により実際に製造された半導体装置の特性が要求仕様を満足しなければ、設計変更がなされ、再度プロセスシミュレーションを行う。そして、このプロセスシミュレーションの結果を入力データとしてデバイスシミュレーションを行うという一連の手順からなるループが繰り返される。
【0095】
LSI等の半導体装置の分野では、研究(設計)から開発までの期間の短さを競っている。このような半導体産業における競争の現実を考慮すれば、シミュレーション期間はなるべく短期、且つ正確に行わなければならない。本発明によれば高精度なデバイスシミュレーションが必要な複雑な半導体装置の研究(設計)から開発までのループの周期が飛躍的に短縮される。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば複雑且つ微細な半導体装置の電気特性を正確にシミュレーションできるシミュレーション方法を提供できる。
【0097】
本発明によれば複雑且つ微細な半導体装置の電気特性を正確にシミュレーションできるシミュレータを提供できる。
【0098】
本発明によれば、複雑且つ微細な半導体装置の電気特性を正確にシミュレーションできるプログラムを記録した記録媒体を提供できる。
【0099】
本発明によれば所望の特性の半導体装置を従来よりも短期間で開発できる。なぜなら、試作に先立つ半導体装置の特性予測を従来よりも正確に行えるので、より少ない試作回数で複雑且つ微細な半導体装置を開発できるからである。
【0100】
従って、本発明の工業的利益およびその需要性は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシミュレータの模式的なブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るシミュレータの鳥瞰図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るシミュレーション方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るシミュレーション方法において用いたデバイス構造を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るシミュレーション方法において生成した三角形格子を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るシミュレーション方法において用いた格子と格子点とコントロールボリュームの関係を示す図である。
【図7】格子点と格子とコントロールボリュームの関係を示す図である。
【図8】第1の従来技術を説明するための図で、格子点の配置を示す図である。
【図9】第1の従来技術を説明するための図で、記号の定義を示す図である。
【図10】第2の従来技術を示す図である。斜めの直線は移流電流ベクトルの方向を示す。
【図11】第1の従来技術と第2の従来技術の計算誤差を示す図である。横軸は図11におけるθである。
【図12】本発明における数学的表現の定義を示す図である。
【符号の説明】
11 ソース電極領域
12 ドレイン電極領域
13 ゲート電極領域
14 基板領域
15 基板電極領域
16 第1の絶縁体領域
17 第2の絶縁体領域
18 第3の絶縁体領域
Claims (6)
- 半導体装置の内部及び周囲に有限個の格子点を設置し、複数の格子を生成するステップと、
該格子の内部のそれぞれに、線形に変化するキャリアの擬フェルミポテンシャルを設定するステップと、
該擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求めるステップと、
該キャリア濃度を用いて、ポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式を、所定の境界条件の下で解き、半導体装置の電気的特性を得るステップ
とを少なくとも有するシミュレーション方法。 - Qをキャリアの電荷、kをボルツマン定数、Tを温度、τpをキャリアの運動量緩和時間、vthをキャリアの熱速度、φを擬フェルミポテンシャル、Erを位置ベクトルrにおける電界ベクトル、φErを擬フェルミポテンシャルφを考慮した位置ベクトルrにおける電界ベクトル、UErを位置ベクトルrにおける単位電界ベクトル、U φErを擬フェルミポテンシャルφrを考慮した位置ベクトルrにおける単位電界ベクトル、C(r)を位置ベクトルrにおけるキャリア濃度、Λ(r)をキャリア等濃度面に垂直方向のドリフト速度ベクトルを与える係数、ξ(r)をキャリア等濃度面に平行方向のドリフト速度を与える係数としたとき、位置ベクトルrにおけるキャリア電流密度J(r)が、
で与えられることを用いて、前記キャリアの連続の方程式を解くことを特徴とする請求項1記載のシミュレーション方法。 - Qをキャリアの電荷、τpをキャリアの運動量緩和時間、C(r)を位置ベクトルrにおけるキャリア濃度、Λ(r)をキャリア等濃度面に垂直方向のドリフト速度ベクトルを与える係数としたとき、位置ベクトルrにおけるキャリア電流密度ベクトルJ(r)の発散▽・J(r)が(Q/τp)Λ(r)C(r)で与えられることを用いて前記キャリアの連続の方程式を解くことを特徴とする請求項1記載のシミュレーション方法。
- 半導体装置の内部及び周囲に有限個の格子点を設置し、複数の格子を生成する格子生成手段と、
該格子の内部のそれぞれに、線形に変化するキャリアの擬フェルミポテンシャルを設定する線形擬フェルミポテンシャル設定手段と、
半導体装置の所定の電極領域に印加するバイアスを設定するバイアス設定手段と、
前記擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求め、ポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式に対する係数行列と残差ベクトルを設定する係数行列と残差ベクトル設定手段と、
前記ポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式の解に、前記係数行列を解いて得られた修正値を加えて、解を修正し、該解が収束するまで計算を繰り返す行列計算手段
とを少なくとも有するシミュレータ。 - 半導体装置の内部及び周囲に有限個の格子点を設置し、複数の格子を生成するステップと、
該格子の内部のそれぞれに、線形に変化するキャリアの擬フェルミポテンシャルを設定するステップと、
該擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求めるステップと、
該キャリア濃度を用いて、ポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式を、所定の境界条件の下で解き、半導体装置の電気的特性を得るステップ
とを少なくとも有するシミュレーションプログラムを記録した記録媒体。 - 製造しようとする半導体装置の内部及び周囲に有限個の格子点を設置し、複数の格子を生成し、該格子の内部のそれぞれに、線形に変化するキャリアの擬フェルミポテンシャルを設定し、該擬フェルミポテンシャルから、それぞれの格子内の任意の点におけるキャリア濃度を求め、該キャリア濃度を用いて、ポアッソンの方程式及びキャリアの連続の方程式を、所定の境界条件の下で解き、半導体装置の電気的特性を得るステップと、
該電気的特性が所望の半導体装置の電気的特性であるか否か、評価・検討するステップと、
該電気的特性が所望の半導体装置の電気的特性であると判断された場合には、半導体材料に対し、所定の不純物ドーピング工程及び形状加工工程を含む一連の半導体製造プロセスを実行し、半導体装置を得るステップと
を少なくとも有する半導体装置の製造方法。
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