JP3661568B2 - 電池用セパレータの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒型アルカリ電池の正極と負極とを電池缶内で隔離するために用いる電池用セパレータの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、単3型その他のアルカリ乾電池は、例えば図1に示すように、有底円筒状の正極缶2の内面にカーボン等から成る導電膜(図示せず)が形成され、正極缶2内に円筒状に成形した3個の正極合剤3が収納され、この正極合剤3の内側に有底円筒状のセパレータ4が挿入され、このセパレータ4及び正極合剤3中に電解液が浸潤され、セパレータ4の中空部にゲル状亜鉛負極5が充填されている構成が一般的である。
【0003】
正極缶2の開口部には、封口体6が装着されている8。即ち、封口体6は、負極端子7の内側中央部に集電子8がスポット溶接などにより固着され、この集電子8にガスケット9がシール剤10を介在させて嵌入され、封口キャップ11によって締め付けられて構成されている。そして、集電子8がゲル状亜鉛負極5内に挿入されるとともに、セパレータ4の先端部4Aがガスケット9により押圧され内側に折曲された状態で、正極缶2の開口部側の端部が内側にかしめられて、ガスケット9の外周部が負極端子7の外周部と正極缶2との間で締め付けられることにより、封口体6により正極缶2の開口部が封止される。
正極缶2の外側には、ラベル12が巻き付けられ、負極端子7の外側の外周部と上記ラベル12との間には、環状の負極側ワッシャ13が介在されている。
【0004】
さて、従来、上記セパレータは本願出願人による特開平11−339753号公報に記載のように種々の製造方法が提案されている。その1例を添付図面の図3に示し、且つ、これを改良した更に別の従来例を図4および図5に示して簡単に説明する。
【0005】
先ず、図3の製造法では、図3(a)に示すように、フープ状の原紙を所定寸法に切断して円筒状に巻回して筒体22を形成した後で、パーツフィーダなどで筒体22を底部形成工程に搬送して、図3(b)〜図3(e)に示すように、筒体22の一端を熱融着して閉塞している。
そして、このときの閉塞性を確保するために、熱融着に先立って筒体22の折曲加工を行っている。即ち、図3(b)に示すように、筒体22を心棒25に嵌着し、筒体22の上端に刃状金型24を下向きに押し当てて、図3(c)のように、窪み22bを形成し、その状態で、図3(d)に示すように、筒体22の上端に熱カール金型29を押し当てる。すると、図3(e)に示すように、半球面状の底部22aが形成され、電池用セパレータ4が完成する、というものである。
【0006】
しかし、上記の製造方法では次のような問題点があった。第1に、筒体22をパーツフィーダなどで搬送しなければならないので、機械的要因や自重などで筒体22の開口端部が変形したり、潰れたりする虞があり、電池用セパレータ4の生産性低下につながる。第2に、筒体22の上端に窪みを形成するとき、筒体22の硬さなどの性質によっては窪み22bを付けにくく、従って筒体22の底部22aの閉塞性が不完全となる。この場合、刃状金型24を押し当てる強さや時間を調節して無理に窪み22bをつけようとすると、筒体22の破損や生産性の低下を惹起することから、必然的に原紙の材質選択の幅が狭まってしまう。
【0007】
そこで、上記欠点を解消するものとして、図4と図5に示した方法がある。この方法は、図4(a)に示すように、先ず、水溶性バインダー成分を含むフープ状の原紙21を用意し、この原紙21の適所(筒体22の巻終りの上端部、中央部及び下端部の3カ所)にノズル30で水分を噴射添加する。この際、水分の添加長さは、後述する筒体22の1周分に相当する長さ以上になるようにする。その後、この原紙21を所定寸法に切断し、図4(b)に示すように、所定の径のマンドレル32に円筒状に巻き付けて筒体22を形成する。このとき、原紙21の水分添加箇所を熱板の押しつけによって加熱することで水分を蒸発させる。かくて、水溶性バインダー成分が水分の蒸発によって固化し、筒体22がその円筒形状のまま固定される。次いで、図4(c)に示すように、筒体22をマンドレル32から抜き、所定の円筒形治具33の保持孔33aに写して挿通する。この状態で、筒体22及び円筒形治具33を底部形成工程に搬送する。
【0008】
そして、底部成形工程に移行し、筒体22が円筒形治具33に挿通されたまま図4(d)に示すように、心棒25で筒体22の高さ方向と径方向を指示した上で、筒体22の一端を熱融着して閉塞する。その方法として、図5(a)に示すように、筒体22の上端に対して棒状治具27を斜めに押し当てることにより、図5(b)に示すように、筒体22の上端片側22cに窪ませて直角に畳み込む。この状態で図5(c)に示すように、筒体22の上端に熱カール金型29を押し当てて熱融着する。すると、図4(d)に示すように、筒体22の上端に半球面状の底部22aが形成されることとなる。これが前記した特開平11−339753号に開示された従来のセパレータの製造方法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、円筒体セパレータを上下方向に移動させ、セパレータの端部を成形金型に押し当てて閉蓋部を設ける方法では、セパレータ端部を屈曲する工程と、閉蓋部を成形する工程の2工程が必要であった。
また、上下方向の応力が加わるため、セパレータに皺、襞、潰れなどが発生し、信頼性(OCV:Open Circuit Voltage/開路圧)に関して大いに問題があった。
【0010】
従って、本発明の目的は、上記従来の欠陥を無くし、改良された電池用セパレータの製造方法を提供することである。
本発明の別の目的は、セパレータの製造工程を簡略化すると共に、セパレータとしての信頼性を向上させ、安全性の高い電池用セパレータを提供することである。
本発明の更に別の目的は、円筒体を回転させると共に一方向に移動させるだけで、屈曲方向にわずかな応力を加えることが可能となり、筒状セパレータ内側に屈曲させることが出来、上下方向からの応力を軽減でき、信頼性の高い電池用セパレータを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の構成を有するものである。
即ち、請求項1の発明では、電池用の円筒状セパレータの製造方法において、円筒体の被成形端部を回転させながら、傾斜面を備えた成形金型の上記傾斜面を摺動して上昇させて上記円筒体の端部を半径方向内側に屈曲させ、上記円筒体の端部に閉蓋部を形成することを特徴とする電池用の円筒状セパレータの製造方法である。
【0012】
また、請求項2の発明では、上記請求項1の発明において、上記成形金型は、上記傾斜面に連接して、上記円筒体の軸芯に対して垂直となる平板面を有しており、上記円筒体の被成形端部を回転させながら上記成形金型の傾斜面を摺動移動させた後で、上記成形金型の平板面に移行させて上記円筒体の端部に閉蓋部を形成するようにしてなる電池用円筒状セパレータの製造方法である。
【0013】
更に、請求項3の発明では、電池用の円筒状セパレータの製造方法において、傾斜面とそれに連接すると共に円筒状セパレータとなる円筒体の軸芯に垂直な平板面とを備えた成形金型を用い、上記円筒体の被成形端部を回転させながら、上記成形金型の上記傾斜面を摺動して上昇させて上記円筒体の端部を半径方向内側に屈曲させ、引き続き上記成形金型の上記平板面に移行させて上記円筒体の端部に閉蓋部を形成するようにしてなる電池用の円筒状セパレータの製造方法である。
【0014】
また、請求項4の発明は、前記請求項1乃至3の発明構成において、上記成形金型の上記傾斜面は、およそ5〜20度の傾斜角度を備えている電池用円筒状セパレータの製造方法である。
【0015】
更に、請求項5の発明は、傾斜面を有する成形金型により、円筒体の端部を加熱成形して閉蓋部を形成する電池用円筒状セパレータの製造方法において、上記円筒体の被成形端部を上記成形金型の傾斜面に押し当てた状態で、上記円筒体の被成形端部を回転させながら一方向に移動させることにより、上記円筒体の被成形端部を屈曲させて、上記閉蓋部を形成することを特徴とする電池用円筒状セパレータの製造方法である。
【0016】
また、請求項6の発明は、請求項5の発明において、上記成形金型は、上記傾斜面に連接して、上記円筒体の軸芯に対して垂直となる平板面を有しており、上記円筒体の被成形端部を回転させながら上記成形金型の傾斜面を摺動移動させ、上記円筒体の端部に閉蓋部を形成するようにしてなる電池用円筒状セパレータの製造方法である。
【0017】
更に、請求項7の発明では、請求項5の発明において、上記成形金型は、上記傾斜面に連接して、上記円筒体の軸芯に対して垂直となる平板面を有しており、上記円筒体の被成形端部を回転させながら上記成形金型の傾斜面を摺動移動させた後で、上記成形金型の平板面に移行させて上記円筒体の端部に閉蓋部を形成するようにしてなる電池用円筒状セパレータの製造方法である。
【0018】
【作用】
上記構成により、円筒体を回転させて、屈曲方向にわずかな応力を加えることでセパレータ内側に屈曲することが出来、上下方向からの応力が軽減され、信頼性の高い電池用セパレータを製造することができる。
【0019】
更に、従来成型時に発生していた閉蓋部近傍での皺や襞の発生を抑制出きるために、上記皺は襞の発生に起因する負極ゲルのこぼれや、集電子挿入時における上記皺や襞部の潰れによる負極ゲルのはみ出しをなくすことができる。
また、単純構造の成形金型を備えることで達成出きるので製造コスト的にも有利なセパレータの製造が達成できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の電池用セパレータの製造方法について、好ましい実施例を説明する。先ず、図2(a)に示すように、水溶性バインダー成分を含むフープ状の原紙21を準備し、この原紙21の適所(例えば、筒体22の巻終わりの上端部、中央部及び下端部の位置に相当する3カ所)にノズル(図示せず)で水分を噴射添加する。この際、水分には必要に応じて少量の水溶性バインダーを加えても良い。
【0021】
その後、上記原紙21を所定寸法に切断し、所定径のマンドレル(図示せず)に円筒状に巻き付けて筒体22を形成する(図2(b)参照)。このとき、原紙21の水分添加箇所を熱板を押しつけて加熱することで水分を蒸発できる。すると、原紙21に含まれる水溶性バインダー成分が水分の蒸発によって固化することとなり、筒体22がその円筒形状を保持したまま固定される。ここまでは、従来の製造工程と大同小異である。
本発明は次の工程より特徴がある。
【0022】
即ち、図2(c)において、円筒状セパレータ22に回転型治具35を緊着させて回転させると共に、セパレータの有底部となる下端部を成形金型40の傾斜面41に軽く押しつけながら肉厚方向(図の矢印方向)に移動させることでセパレータ底部を内側、即ち径方向の内側に屈曲させ、次いで、図2(d)に示すように、成形金型の平板面42に移動した後も所定の時間回転を継続させて円滑な底面22aを形成する。
【0023】
図示のように、上記成形金型40は、上記傾斜面41に連接して、上記円筒体22の軸芯(即ち、回転型治具35の回転軸)
に対して垂直となる平板面42を有する構成となっており、上記円筒体22の被成形端部を回転させながら上記成形金型40の傾斜面41を摺動移動させた後で、引き続き上記成形金型の平板面42に移行させて上記円筒体の端部に閉蓋部を形成する。この場合、傾斜面上の移行だけで所望の閉蓋部が形成されれば、敢えて平板面に移行することなく形成工程を終了することも可能である。
このようにして形成したセパレータ用筒体22が図2(e)に示した構造となる。
【0024】
なお、上記傾斜面41を備えた成形金型40の傾斜角度は、実験によればおよそ5〜20度、更に好ましくは7〜10度とした例が好結果を見た。また、セパレータの回転速度と一方向への進行速度は、特に限定的なものとする必要がないことが判明したが、それぞれ600回転/分、6m/分程度が望ましい。
【0025】
この結果、本願出願人による前記図5において説明した製造方法もそれ以前の製法(例えば図3の従来製法)に対する大きな改善を示したが、本願発明のよる製造方法によれば更に飛躍的な改善となったものである。即ち、図5の製法を従来例とするならば、従来例と本発明による製造方法によってそれぞれLR6電池を製造した結果、従来例の場合には10,000個に対して1個の割合でOCV(開路電圧)不良が発生したのに対して、本発明の製法によれば上記OCV不良発生率は従来例のおよそ1/4に止まっていた。そして、OCV不良発生の原因を調査してみたところ、セパレータ潰れによるもの、及びそれに関連する負極ゲルこぼれや外部ショートに起因するものであることが知得された。
【0026】
ここで、セパレータの潰れや負極ゲルのこぼれは、セパレータの成型時に閉蓋部付近に皺や襞が発生し、これが電解注入時に引き延ばされ、負極ゲルを注入した後で注入ポンプのノズルにセパレータの端部が接触し、それによって負極ゲルが正極合剤上端面にこぼれたり、集電子の挿入時に潰す結果となり、負極ゲルがはみ出す、というものである。
【0027】
従って、セパレータの製造を本発明の製造方法に基づくものとすることにより、電池全体の特性及び性能を飛躍的に改善させることが出来たことが判明した。
【0028】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、種々変更が可能である。
例えば、成形金型40に関して、図示例では傾斜面41とそれに連接して傾斜面の上端に、回転する円筒体22の軸芯に対して垂直の平板面42を備えた構造であるが、この構造に加えて、上記傾斜面41の一側側部に湾曲面を備えた壁部(図示せず)を形成して、傾斜面41と上記壁部の湾曲面との協働と円筒体の回転と一方向の移動との相互関係により、閉蓋部を形成することも可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、従来技術に見られる種々の欠陥を払拭でき、信頼性および安全性に優れると共に、生産性および性能的にも優れた電池を提供できる優れた電池用セパレータを提供することができる。
更に、製造方法自体、回転させながら同時に一方向に移動させるだけで良いので、単一工程で製造可能であり、工程そのものが簡便であり、効率的な生産に寄与することができる。
また、製造設備的にも、傾斜面を備えた単純な成形金型を備えただけで達成できるので製造コスト上も有利である。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池用セパレータを採用する電池の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の電池用セパレータの製造工程を示す説明図である。
【図3】従来の電池用セパレータの製造方法の例を示す図である。
【図4】従来の電池用セパレータの別の製造方法の工程を示す図である。
【図5】図4に示す電池用セパレータの製造工程の閉蓋部形成工程を示す説明図である。
【符号の説明】
21 原紙
22 筒体
35 回転型治具
40 成型金型
41 傾斜面
44 平板面
Claims (7)
- 電池用の円筒状セパレータの製造方法において、円筒体の被成形端部を回転させながら、傾斜面を備えた成形金型の上記傾斜面を摺動して上昇させて上記円筒体の端部を半径方向内側に屈曲させ、上記円筒体の端部に閉蓋部を形成することを特徴とする電池用の円筒状セパレータの製造方法。
- 上記成形金型は、上記傾斜面に連接して、上記円筒体の軸芯に対して垂直となる平板面を有しており、上記円筒体の被成形端部を回転させながら上記成形金型の傾斜面を摺動移動させた後で、上記成形金型の平板面に移行させて上記円筒体の端部に閉蓋部を形成するようにしてなる、請求項1記載の電池用円筒状セパレータの製造方法。
- 電池用の円筒状セパレータの製造方法において、傾斜面とそれに連接すると共に円筒状セパレータとなる円筒体の軸芯に垂直な平板面とを備えた成形金型を用い、上記円筒体の被成形端部を回転させながら、上記成形金型の上記傾斜面を摺動して上昇させて上記円筒体の端部を半径方向内側に屈曲させ、引き続き上記成形金型の上記平板面に移行させて上記円筒体の端部に閉蓋部を形成するようにしてなる電池用の円筒状セパレータの製造方法。
- 上記成形金型の上記傾斜面は、およそ5〜20度の傾斜角度を備えている請求項1又は3に記載の電池用円筒状セパレータの製造方法。
- 傾斜面を有する成形金型により、円筒体の端部を加熱成形して閉蓋部を形成する電池用円筒状セパレータの製造方法において、上記円筒体の被成形端部を上記成形金型の傾斜面に押し当てた状態で、上記円筒体の被成形端部を回転させながら一方向に移動させることにより、上記円筒体の被成形端部を屈曲させて、上記閉蓋部を形成することを特徴とする電池用円筒状セパレータの製造方法。
- 上記成形金型は、上記傾斜面に連接して、上記円筒体の軸芯に対して垂直となる平板面を有しており、上記円筒体の被成形端部を回転させながら上記成形金型の傾斜面を摺動移動させ、上記円筒体の端部に閉蓋部を形成するようにしてなる、請求項5記載の電池用円筒状セパレータの製造方法。
- 上記成形金型は、上記傾斜面に連接して、上記円筒体の軸芯に対して垂直となる平板面を有しており、上記円筒体の被成形端部を回転させながら上記成形金型の傾斜面を摺動移動させた後で、上記成形金型の平板面に移行させて上記円筒体の端部に閉蓋部を形成するようにしてなる、請求項5記載の電池用円筒状セパレータの製造方法。
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