JP3661968B2 - 通信装置取付け用の地下構造物用蓋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばビルの水洗トイレの洗浄水として活用されている中水道の使用量等の情報をマルチメディアを利用して伝達するようにした通信装置取付け用の地下構造物用蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上水道の各家庭やビル毎の使用水量及び水洗トイレの洗浄水として利用されている中水道のビル毎の使用水量は、これらの上水道及び中水道の供給配管系に組み込まれた量水メータを検針員が巡回して検針することによって確認し、この検針結果に基づいて特定していた。
【0003】
このような検針による使用水量の確認は、地域毎に分割して検針員が定期的に巡回する作業となるので、検針・巡回に必要とする時間が長くなるほか、検針員の作業負担も大きいという問題が従来から指摘されていた。
【0004】
これに対し、最近のマルチメディアの各分野での急激な普及に伴い、都市における量水メータの検針を遠隔検針方式によって行うことが実用化に向けて開発段階に既に入っている。これは、各需要家の量水メータの検出系の出力端に光ファイバケーブル(以下、単に「ケーブル」という。)を接続した通信網をそれぞれの地域の水道局等の管理施設から展開し、各量水メータからの情報を集約して管理施設に入力することによって、検針員による巡回作業を要することなく遠隔検針の自動化を図るというものである。
【0005】
特に、最近では、このようなケーブルの地中埋設に代えて既設の下水道の管路を利用するとともに、下水道管から立ち上げたマンホールの蓋本体の裏面に装着したハウジング内に通信装置を収納し、この通信装置には下水道の管路内に敷設したケーブルを接続して、量水メータからの通信信号を受信することによって、各需要家毎の上水道や中水道の使用水量を管理施設からの遠隔検針によって管理することがなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、マンホールの蓋本体の裏面に通信装置を取り付けること自体は、蓋本体には十分な強度があることから、何ら問題はない。一方、通信装置にケーブルを接続する構造については様々なものが適用できるものの、蓋本体は開閉する構造となっているので、接続構造についてはこの蓋本体の開閉動作に留意した設計とすることが必要となる。
【0007】
たとえば、通信装置の下面にケーブルをアダプタによって接続して直線状に垂らすものが最も簡単な接続構造となるが、ケーブルは多数の光ファイバの収束体を更に金属被覆していることからその重量も大きいので、アダプタの強度及びケーブルとの接続強度を十分なものにしておかないと、ケーブルが外れてしまう恐れがある。
【0008】
また、蓋本体を開いたり閉じたりするときには、蓋本体の動きの邪魔にならないようにケーブルを接続しなければならないため、たとえば蓋本体との接続部分のケーブルが自由に振れ回るようにすることが好ましい。ところが、ケーブルがこのように自由に動き回ってしまうと、蓋本体を開閉するときに受枠との間にケーブルを挟み込みやすくなり、ケーブル表面の損傷や破断を招くことになる。
【0009】
本発明において解決すべき課題は、通信装置に対するケーブルの接続が良好に維持され且つ蓋本体の開閉のときにもケーブルに損傷を与えることがないようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、地下構造物用蓋の受枠に対して開閉可能に載置される蓋本体の裏面に、通信装置を収容するハウジングを取り付けるとともに、この通信装置と地下構造物の内部に敷設されたケーブルとを接続するアダプタを設け、ハウジングの外面には、アダプタに接続されたケーブルを拘束する保持機構を設けていることを特徴とする。
【0013】
このような構成とすることで、ケーブルを一旦保持機構で保持しているため、直にアダプタに接続して直線状に垂らしているのに比べて、ケーブルの抜けを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明においては、保持機構は、ハウジングの外周面を周回する方向に形成されて互いに上下方向に間隔をおいて配置した一対の保持リブとし、これらの保持リブの間にケーブルを拘束保持可能とした構成とすることができる。
【0017】
このような構成とすることで、ケーブルを上下から保持しているので蓋本体の開閉時にケーブルが受枠と干渉することがなく、ケーブルの損傷、断線を防止することができる。
【0018】
また、保持機構は、蓋本体を受枠に開閉可能に連結した蝶番金具側のハウジングの外面でケーブルを拘束保持可能とすることによって、蓋本体の開閉時に受枠の内周面にケーブルが当接しにくくすることができる。
【0020】
また、アダプタを、ハウジングと干渉しないように蓋本体に設けた構成とすることによって、ケーブルを通信装置と接続したままでハウジングだけを外すことができるため通信装置の保守点検を容易に行うことができる。
【0021】
【実施例】
図1は本発明の通信装置取付け用の地下構造物用蓋の一実施例であって蓋本体を開いた状態を示す斜視図、図2は蓋本体を閉じたときの要部の縦断面図、図3は地下構造物内のケーブル配線を示す概略図である。
【0022】
図において、下水道管路52から立ち上げて形成された地下構造物としてのマンホール51の上端に受枠1が設置され、この受枠1のテーパ嵌合面1aに嵌合する蓋本体2を開閉可能に取り付けている。蓋本体2の周縁部裏面には、受枠1の内周に形成した蝶番座1bに落とし込まれる蝶番金具2aを揺動自在に備えるとともに、この蝶番金具2aと半径方向に対向する位置には施錠鉤2bを回転操作可能に設けたものである。そして、図2に示すように蓋本体2が受枠1に嵌合され、施錠鉤2bが受枠1の錠座1cの下に潜り込むことによってマンホール51を施錠状態で閉塞する閉蓋状態としたり、施錠鉤2bを回転操作して解錠した後に蝶番金具2aと蝶番座1bとの連接点を支点として図1に示すように蓋本体2を垂直反転させた開蓋状態とすることができる。
【0023】
蓋本体2の裏面には、通信信号の受発信のための無線部10a,電源10b,通信装置本体10c,制御部10d等から構成される通信装置10をボルト(図示せず)で一体に固定するとともに、この通信装置10の全体を覆う金属製のハウジング3を設ける。このハウジング3は、平面視略四角形状で適切な肉厚を持つ凹状断面としており、上端の全周に形成したフランジ3aに蓋本体2に植設したボルト2cを通してナット2dを螺合することによって、蓋本体2に着脱自在に連結されたものである。
【0024】
蓋本体2の裏面に固定される通信装置10は、遠隔操作によって各需要家の量水メータの出力端からの通信信号を受信するシステムを構成した光ファイバを媒体とする通信伝達系の末端装置となるものである。すなわち、各需要家の量水メータには使用水量を検出して演算する検出装置を設けておき、この検出装置に対して、下水道管路52の中に敷設したケーブル53を利用した遠隔操作によって通信装置10から使用水量に係る情報を発信させるための信号を発信するとともに、検出装置から出力された使用水量に係る信号を受信する。そして、このような信号伝達のために、基端が管理施設に接続されたケーブル53を図3に示すように下水道管路52の中に敷設し、マンホール51の中にこのケーブル53の他端を接続する分岐ボックス54を配置する。そして、この分岐ボックス54から分岐させて通信装置10に連結するケーブルとしての分岐ケーブル55を開蓋時の余長としてマンホール51の中でループを描いて配線する。
【0025】
また、ハウジング3内の通信装置10は、蓋本体2の上面に臨むように組み込んだ無線部10aによって各需要家の量水メータの検出装置との間で信号の受発信を行うようにしている。そして、ハウジング3の外周面の近傍の蓋本体2の裏面には、図4に示すように、通信装置10と分岐ケーブル55とを接続するためのアダプタ4を設ける。
【0026】
このアダプタ4は、図4の(b)に示すように、蓋本体2の裏面に形成されてハウジング3を連結したときにその内部の通信装置10からの配線を通すための導通路2eに連通するように取り付けたものである。そして、連結部分まで配線させたアダプタ4に分岐ケーブル55の先端に接続したカプラー55aを連結することによって、分岐ケーブル55と通信装置10とを導通させる。また、アダプタ4は、図2に示すように、カプラー55aとの接続端を真下ではなく、施錠鉤2b方向、且つ、後述する保持リブ3b,3cに向けて斜め下方に向けた姿勢とし、金属製のカプラー55aもこのアダプタ4の接続端と同軸の斜めの姿勢として連結される。
【0027】
ハウジング3の外周には分岐ケーブル55を安定保持すると共に受枠1との間での干渉を避けるために、図5に示すように上下に間隔をおいた一対の保持リブ3b,3cを保持機構として設ける。下側配置の保持リブ3bは図6に示すように、アダプタ4側に臨む部分の一部を除いてハウジング3の外周に形成され、直線部分はハウジング3を外す際の把持部分を兼ねている。また、上側配置の保持リブ3cはハウジング3のコーナー部のみに部分的に形成されたものであり、図5の(a)に示すように分岐ケーブル55が下に外れていく部分の保持リブ3bの端部は斜め下に傾けたスロープ3b−1として、分岐ケーブル55が損傷するのを防止している。また、これらの保持リブ3b,3cにはそれぞれ整合する位置に孔3dを開け、これらの孔3dに通して分岐ケーブル55を拘束する結束帯5を設ける。この結束帯5は屈曲自在な合成樹脂製の紐状体であって、一端に設けた結束環5aに通すことによって環状を描くように変形可能としたものである。
【0028】
以上の構成において、分岐ボックス54からの分岐ケーブル55は、図1及び図6に示すように保持リブ3b,3cの間に挟み込まれてハウジング3の外周をほぼ一周近く巡らせ、その先端のカプラー55aをアダプタ4に連結してハウジング3内の通信装置10に導通接続される。そして、保持リブ3b,3cに挟み込まれている分岐ケーブル55は結束帯5によってこれらの保持リブ3b,3cから抜けないように拘束されている。
【0029】
このように分岐ケーブル55はハウジング3の外周を周回して保持リブ3b,3cから抜けないように保持されているので、分岐ケーブル55自身の重量を保持リブ3bの上面の広い受載面積で受けることができる。このため、分岐ケーブル55が重くても、カプラー55aとアダプタ4との接続部分に過大な負荷が加わることがなく、分岐ケーブル55がアダプタ4から外れることが防止される。したがって、蓋本体2の上面を車輌が頻繁に通過して振動が加えられるような場合でも、分岐ケーブル55の抜けは確実に防止され、各需要家の量水メータからの信号を常に良好に受信し、管理施設に送信することができる。
【0030】
また、蓋本体2を開くときには、平面視略四角形状のハウジング3のコーナー部分が受枠1の内周面に最も当たりやすい。これに対し、分岐ケーブル55はハウジング3のコーナー部分において保持リブ3b,3cが上下に被さるようになっていることと、蓋本体2を開くときには受枠1の内周に対してハウジング3の外周面が上下に横切る方向となることから、ハウジング3のコーナー部分が受枠1の内周面と干渉したとしても、保持リブ3b,3cによって上下を挟まれている分岐ケーブル55自体が直接受枠1に当たることはない。したがって、分岐ケーブル55の表面に損傷を負ったり破断したりするような事故を招くことがない。
【0031】
更に、蓋本体2を垂直反転して地上側に開いて通信装置10を保守点検するときには、分岐ケーブル55はそのまま通信装置10に接続したままハウジング3だけを蓋本体2から外すだけで作業できる。すなわち、分岐ケーブル55を通信装置10に接続するためのアダプタ4は蓋本体2の裏面側に設けられていてハウジング3とは干渉しない関係となっているので、図6に示す結束帯5を切断し、分岐ケーブル55を保持リブ3b,3cから取り外せば、ハウジング3だけを蓋本体2から外すことができる。したがって、分岐ケーブル55を通信装置10に接続させたままで保守点検をすることができ、点検時の信号の入出力の確認等も簡単に行うことができる。
【0032】
図7は他の実施例を示すもので、本実施例では、ハウジング3を蓋本体2に装着した状態で、蝶番金具2a側のハウジング3の外周に分岐ケーブル55を上下から保持する保持リブ3b,3cを形成している。
【0033】
また、アダプタ4は、カプラー55aとの接続端を真下ではなく、ハウジング3外周のうち蝶番金具2a側にのみ形成した保持リブ3b,3cに向けて斜め下方に向けた姿勢とし、金属製のカプラー55aもこのアダプタ4の接続端と同軸の斜めの姿勢として連結される。本実施例において、ハウジング3の外周に分岐ケーブル55を周回させずに蝶番金具2a側の1ヶ所の保持リブ3b、3cで保持させているのは、上記の構成とすることにより、蝶番金具2a側のハウジング3の外周が蓋本体2の開閉時に受枠1の内周面に当接しにくくなり、分岐ケーブル55を1か所で保持しておくだけで十分であるからである。また、分岐ケーブル55を1か所で保持していることにより、点検時の分岐ケーブル55の取り外しが簡単となり、通信装置10の保守点検を簡単に行うことができる。
【0034】
図8はさらに他の実施例を示すもので、本実施例では、ハウジング3の外周には太陽熱および通信装置10から発生する熱によってハウジング3内が高温となり、通信装置10が誤作動することのないように放熱用のフィン6を多数形成している。
【0035】
このフィン6は、閉蓋状態で、マンホール51のたて孔の軸線方向に自然対流する空気に効率よく触れて放熱しやすくするために、マンホール51のたて孔の軸線方向に対して平行に形成されている。なお、図8において、ハウジング3の外周に多数のフィン6を形成した以外の構成は図7に示した実施例と同様であるので、説明を省略する。
【0036】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、通信装置としての電源はバッテリーや太陽電池を使用することができるし、無線部は蓋本体の上面に臨んでいなくても蓋本体の裏面にあってもよい。また、ハウジングは平面視略四角形状でなく円形であってもよいが、この場合には全周に保持リブのような保持機構を設けることが好ましい。
【0037】
また、ハウジングの外周を周回するように保持機構を形成した場合、ほぼ全周に保持リブを形成したが、数か所に点在させてもよい。
【0038】
また、実施例ではフィンをハウジングの外周に多数形成したが、ハウジングの底面に形成してもよいし、閉蓋状態でマンホールのたて孔の軸線方向と直交させるようにしてもよいが、効率的にはフィンをマンホールのたて孔の軸線方向と平行とするのが好ましい。
【0039】
【発明の効果】
本発明では、ハウジングの外面に形成した保持機構によって、通信装置に連結したケーブルを支持するので、通信装置の下面にケーブルを直に接続する場合に比べてケーブルの抜けを確実に防止できる。また、保持機構としてハウジングの外周面を周回する方向に形成されてケーブルの上下を覆うような保持リブとすると、蓋本体の開閉時にケーブルが受枠と干渉しないようにすることができ、ケーブルの損傷や破断の恐れもなくなる。
【0040】
また、保持機構は、蓋本体を受枠に開閉可能に連結した蝶番金具側のハウジングの外面でケーブルを拘束保持可能とすることによって、蓋本体の開閉時に受枠の内周面にケーブルが当接しにくくするとともに、点検時にケーブルの取り外しが簡単となり、通信装置の保守点検を簡単に行うことができる。
【0043】
また、アダプタをハウジングと干渉しないように蓋本体に設けたことによって、ケーブルは通信装置と接続したままでハウジングだけを外すことができるので、通信装置の保守点検も簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の通信装置取付け用の地下構造物用蓋の一実施例であって、蓋本体を開いて起立させた状態を示す斜視図である。
【図2】 蓋本体を閉じたときの要部の縦断面図である。
【図3】 下水道管路から蓋本体までのケーブルの配線を示す概略図である。
【図4】 蓋本体に設けるアダプタの詳細であって、同図の(a)は蓋本体の要部を示す底面図、同図の(b)は要部の縦断面図である。
【図5】 ハウジングの外観図であって、同図の(a)は蓋本体のアダプタに対応する面から見た図、同図の(b)は同図(a)の右側面図である。
【図6】 蓋本体を垂直反転した状態を示す斜視図である。
【図7】 本発明の他の実施例を示すもので、ケーブル保持機構を設けた蓋本体を垂直反転した状態を示す斜視図である。
【図8】 本発明のさらに他の実施例を示すもので、ハウジングの外周にフィンを備えた蓋本体を垂直反転した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 :受枠
2 :蓋本体
2a:蝶番金具
3 :ハウジング
3a:フランジ
3b,3c:保持リブ(保持機構)
3d:孔
4 :アダプタ
5 :結束帯
5a:結束環
6 :フィン
10 :通信装置
10a:無線部
51 :マンホール(地下構造物)
52 :下水道管路
53 :ケーブル
54 :分岐ボックス
55 :分岐ケーブル(ケーブル)
55a:カプラー
Claims (5)
- 地下構造物用蓋の受枠に対して開閉可能に載置される蓋本体の裏面に、通信装置を収容するハウジングを取り付けるとともに、この通信装置と地下構造物の内部に敷設されたケーブルとを接続するアダプタを設け、前記ハウジングの外面には、前記アダプタに接続されたケーブルを拘束する保持機構を設けていることを特徴とする通信装置取付け用の地下構造物用蓋。
- 保持機構は、アダプタに接続されたケーブルを周回させて拘束する構成としたことを特徴とする請求項1記載の通信装置取付け用の地下構造物用蓋。
- 保持機構は、ハウジングの外周面を周回する方向に形成されて互いに上下方向に間隔をおいて配置した一対の保持リブとし、これらの保持リブの間にケーブルを拘束保持可能としてなる請求項2記載の通信装置取付け用の地下構造物用蓋。
- 保持機構は、蓋本体を受枠に開閉可能に連結した蝶番金具側のハウジングの外面でケーブルを拘束保持可能としたことを特徴とする請求項1記載の通信装置取付け用の地下構造物用蓋。
- アダプタは、ハウジングと干渉しないように蓋本体に設けてなる請求項1ないし4のいずれかの項に記載の通信装置取付け用の地下構造物用蓋。
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