JP3662366B2 - 生産ラインの自動運転システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出成形機を用いた生産ラインの自動立上げ及び/又は立下げ運転システムに係るものである。特に、原料供給装置を有する押出機を使用した生産ラインにおいて、停止状態から成形運転状態まで自動的に立ち上げ及び/又は立下げることができる自動立上げ運転システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、一般的に用いられている生産ライン、例えば押出機を有する生産ラインにおいて、停止状態から成型運転状態までの立上げ運転方法は、熟練したオペレータにより行われ、しかも、そのオペレータが常時運転状態を監視する必要があった。すなわち、オペレータにより、負荷の状態や圧力等の監視をしながら徐々に成形条件を満たすまで立ち上げていた。したがって、オペレータの熟練度により、立ち上げ要領、立上げ条件、立ち上げ時間等が大きく左右されることになる。
【0003】
例えば、押出機を立ち上げるためには、スクリュモータやフィーダモータ等の各モータの駆動、潤滑油ポンプや温度調節器等の起動、ホッパ等のバルブ開放、原料投入の等の各操作を所定の順番及びタイミングで実行しなければならない。また、押出機による立上げ運転は、押出機の性能、材料の大きさ・材質等によってさまざまな異なる立上げ要領及び条件がある。
【0004】
また、立下げ運転についても同様である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、押出機の立上げ運転に際して、例えば、スクリュモータやフィーダモータ等の各モータの駆動電流・トルク・時間等の各条件や、潤滑油ポンプや温度調節器等の起動、ホッパ等のバルブ開放、原料投入の順序及びタイミング等についての立上げ条件及び立上げ要領についての判断は、非常に難しいものとなっている。
【0006】
従来、このような動作を正確に、迅速に、又トラブルなく完了させるためには、オペレータが十分に熟練していることが必要であった。そして、押出機の立上げ運転においては、オペレータの熟練度等により立ち上げ要領や時間等が異なり、また、初心者のオペレータにとっては、押出機の立ち上げ運転は、複雑で、手間がかかり、難しいものとなっていた。
【0007】
また、熟練したオペレータが立上げ運転を行う場合であっても、押出機の周辺にて長時間その動作を監視していなければならなかった。
【0008】
さらに、立下げ運転についても同様の課題があった。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑み、原料供給装置を有する押出機を使用した生産ラインにおいて、押出機を所定の手順により、停止状態から原料供給及び生産状態まで自動的に立ち上げる及び/又は逆に立下げることができる自動運転システムを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、生産ラインを自動立上げ運転する場合、熟練工でなくても同様の立上げ及び/又は立下げ運転を再現することにより、立上げ及び/又は立下げ運転を簡略化して、立上げ及び/又は立下げ運転時間を短時間として、立上げ及び/又は立下げ運転の省力化を図ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の生産ラインの自動運転システムは、押出機を有する生産ラインに関し、前記押出機を停止状態から生産状態まで自動的に立上げる及び/又は逆に立下げるための生産ラインの自動運転システムであって、オペレータにより立上げ及び/又は立下げ運転が実行された際に、前記立上げ及び/又は立下げ運転の動作を監視して所望の計測データを計測する監視手段と、前記監視手段により検出された前記計測データに基づく自動立上げ及び/又は立下げデータをプレイバックデータとして記憶する第1の記憶手段と、予め設定された運転パターンに従って自動立上げ及び/又は立下げ運転処理を実行するための自動立上げ及び/又は立下げデータをチャート設定データとして記憶する第2の記憶手段と、自動立上げ及び/又は立下げ動作をチャート設定方式により実行するか又はプレイバック方式により実行するかを選択する選択手段と、前記選択手段により前記チャート設定方式が選択された場合、前記第2の記憶手段から前記チャート設定データをロードし、一方、前記プレイバック方式が選択された場合、前記第1の記憶手段から前記プレイバックデータをロードし、ロードした前記チャート設定データ又は前記プレイバックデータに基づいて、自動立上げ及び/又は立下げ処理を実行する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
前記チャート設定データ又は前記プレイバックデータは、スクリュモータ電流値及び樹脂圧力値を含んでもよい。前記第1の記憶手段又は前記第2の記憶手段には、複数のプレイバックデータ又は複数のチャート設定データが記憶されてもよい。前記複数のチャート設定データ又は前記複数のプレイバックデータの中から所望のチャート設定データ又は所望のプレイバックデータを選択するための第2の選択手段をさらに備え、前記制御手段は、前記第2の選択手段により選択されたチャート設定データ又はプレイバックデータに基づいて自動立上げ及び/又は立下げ動作を実行してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ここでは、立上げ運転について説明するが、立下げ運転についても同様に実施することができる。
【0014】
図1に、本発明による実施の一形態にかかる押出成形機を用いた生産ラインの概略構成図を示す。
【0015】
生産ラインは、押出機10、ペレタイザ部20、及びこれらを制御する制御部30等から構成される。
【0016】
押出機10としては、単軸押出機、二軸又は多軸押出機、特殊押出機等があり、所望の押出機に適宜適用することができる。押出機10において、原料を供給するための構成としては、例えば、ホッパ101、フィーダモータ102、原料フィーダ110等が備えられる。また、プラスチック等を押し出すための構成としては、例えば、バレル部105、スクリュ104、スクリュモータ103、ヘッド部109等を備えている。また、制御等を行うために必要な各種データを検出するための計測器が備えられている。例えば、スクリュモータ103には、スクリュモータ電流計112及びスクリュモータ速度計113が備えられ、また、フィーダモータ102には、フィーダモータ電流計114及びフィーダモータ速度計115等の各種計測器が備えられる。
【0017】
また、ヘッド部109は、へッドクランプの開閉を自動化するため、空気又は油圧にて自動開閉可能な構造となっている。さらに、ヘッド部109には、樹脂圧力計111が備えられる。
【0018】
また、加熱冷却機能については、バレル部105及びヘッド部109等のヒータ107、バレル冷却ポンプ108等が備えられている。その他、潤滑油ポンプ106、真空排気のためのベント真空装置、ギアボックス等が備えられる。
【0019】
ペレタイザ部20は、冷却水槽121、ペレタイザ120等から構成される。ヘッド部の後段には、冷却水槽が121設けられ、押し出された溶融材料を冷却する。さらに、冷却水槽121の後段には、ペレットの製造を行うために、ペレタイザ120及びカッタモータ122が設けられている。また、搬送のために、圧送用ターボブロア123、及び吸引圧送用ブロア124等が設けられている。
【0020】
また、制御部30には、各種制御を行うコントロールパネル130が設けられ、生産ラインの全体的な制御は、プロセスコントローラを使用することにより、温度、ドライブ、シーケンス等を一括制御することができる。
【0021】
次に、このような生産ラインに用いられる押出成形機の動作概要を説明する。図2に、押出機の動作を説明するための概略図を示す。
押出機における一般的な立上げ運転の順序は、以下(1)〜(5)のようになる。すなわち、
(1)ホッパ101から、プラスチック原料を供給する。
(2)バレル部105及びヘッド部109を、ヒータ107により加熱することにより昇温を完了する。
(3)バレル冷却ポンプ108及び潤滑油ポンプ106を起動する。
(4)スクリュモータ103を起動する。
(5)フィーダモータ102を起動する。
(6)ヘッド部109から樹脂が排出されたら、カッタモータ122を起動し、ペレタイザ120を運転する。
(7)樹脂をペレタイザ120でカッティングした後、次のラインへ搬送する。
【0022】
このような立上げ運転の順序を経て以下のように生産ラインが動作する。まず、押出機10において、供給された原料は、フィーダモータ102よりバレル部105に送られる。バレル部105では、スクリュモータ103によりスクリュ104が駆動され原料を前方に輸送すると共に、ヒータ107等により原料を徐々に加熱し溶融する。つぎに、溶融された樹脂は、ヘッド部109を通って押し出される。押し出された樹脂は、樹脂圧力計111によりその圧力が計測される。
【0023】
つぎに、ペレタイザ部20において、押し出された樹脂は、冷却水槽121を経て冷却され、ペレタイザ120に入力される。ペレタイザ120では、所定の大きさにペレット化し、搬送ラインにより搬送される。
【0024】
その後、適宜生産ラインへ送られて、製品化される。
【0025】
図3に、本発明に係る自動立上げ運転システムの制御部30に関する構成図を示す。
【0026】
本発明に係る制御部30は、コントロールパネル130、プロセスコントローラ131、記憶装置132及び外部記憶駆動装置134を含む。
【0027】
プロセスコントローラ131は、押出機10(例えば、二軸押出機)及びペレタイザ部20に接続される。プロセスコントローラ131は、自動立上げ運転処理、温度制御、ドライブ制御、シーケンス制御等の各種制御及びデータ入出力等を行う。
【0028】
押出機10の制御に関しては、例えば、制御記憶装置132に記憶された所望の自動立上げデータを、コントロールパネル130等により選択する。つぎに、プロセスコントローラ131は、選択された自動立上げデータを記憶装置132からロードし、そのロードした自動立上げデータに基づき、自動立上げプログラムにより押出機の制御を実行する。
【0029】
一方、押出機10の立上げデータ入力に関しては、押出機10を熟練工等のオペレータが、実際に駆動制御した際の立上げデータを記憶部132内の履歴記憶部132bにストアする。このデータとしては、時系列的な、スクリュモータ電流値、フィーダモータ電流値、樹脂圧力等を、必要に応じ適宜備えることができる。これらの各種データは、押出機10又はペレタイザ部20に備えれられた、スクリュモータ電流計112、樹脂圧力計111等の各種計測器により検出される。
【0030】
記憶装置132は、外部記憶駆動装置134に接続される。外部記憶駆動装置134により、フロッピーディスク、MO等の外部記憶媒体に記憶された自動立上げデータ等を読込み、又はその逆に、外部記憶媒体に所定のデータを記憶させる。
【0031】
記憶部132には、設定記憶部132a及び履歴記憶部132bが含まれる。設定記憶部132aには、予め汎用的に設定された自動立上げデータ(チャート設定データ)が記憶される。一方、履歴記憶部132bには、熟練工等により立上げ操作が行われた場合の立上げデータ(プレイバックデータ)が記憶される。このような自動立上げデータとしては、それぞれ所望の複数ファイル(例えば、10ファイル等)を記憶しておくことができる。
【0032】
つぎに、本発明に係る自動立上げ運転システムによる動作を説明する。図4に、本発明に係る自動立上げ運転のフローチャートを示す。
【0033】
生産システムを自動立上げ運転するにあたり、まず、コントロールパネル130等に設けられたスタートアップ釦が押下され(S401)、プロセスコントローラ131により自動立上げプログラムがスタートする。つぎに、どの方式で自動立ち上げ運転を行うかを、コントロールパネル130等により選択する(S403)。
【0034】
ここで、「A.チャート設定方式」を選択した場合は、ステップS405に移行する。なお、予め設定された自動立上げファイルが複数ある場合は、所望のファイルを選択する(S405)。このような選択動作は、ステップS403で駆動方式を選択する際に同時に選択することもできる。「A.チャート設定方式」は、予め運転パターンを決定しておき、運転制御するものである。運転パターンとしては、例えば、最大6ステップ等に設定し、徐々に各モータの電流値を増加させるように制御するものがある。つぎに、プロセスコントローラ131は、設定記憶部132aに記憶された所望の自動立上げデータ(チャート設定データ)をロードする(S407)。
【0035】
一方、ステップS403で、「B.プレイバック方式」を選択した場合は、ステップS409に移行する。「B.プレイバック方式」は、熟練工の立上げ運転した運転パターンを再現して、自動立上げ運転により押出機10及びペレタイザ部20を制御するものである。履歴記憶部132bには、熟練工による立上げ運転パターンに関する各計測器等のデータが、プレイバックデータとして予め記憶されている。ここで、予め設定された自動立上げファイルが複数ある場合は、所望のファイルを選択する(S409)。つぎに、プロセスコントローラ131は、履歴記憶部132bに記憶された所望の立上げデータ(プレイバックデータ)をロードする(S411)。
【0036】
つぎに、プロセスコントローラ131は、ロードされた自動立上げデータに基づいて、自動立上げプログラムを実行し、押出機10及びペレタイザ20を自動的に立ち上げる(S413)。
【0037】
以下に、プロセスコントローラ131による自動立上げプログラムの動作ついて説明する。
【0038】
図5に、一般的な通常モードの生産ラインの運転チャートの概要図を示す。
【0039】
まず、準備段階であるセットアップチャートにおいて、電源が投入されると、プログラム運転データが設定される。次に、温度スタートを操作すると、自動及び/又は手動により昇温ステップが実行される。一定の温度まで達したら(昇温完了)、補機モータAが運転され、バレル冷却ポンプ108、潤滑油ポンプ106が動作される。
【0040】
次段階のスタートチャートでは、可変速モータの立ち上げを自動的に行うため最大6ステップで立ち上げるためのチャートである。ここで、ドライブスタートの操作をすると、例えばバレル部105に設けられた図示せぬベントスタッファなどの補機モータBが運転され、上述のようにスクリューモータ103、フィーダモータ102、ペレタイザ120のカッタモータ122等の各モータが順次駆動される。
【0041】
次に、メインチャートでは、適宜温度制御、プロセス制御等の上述のような過程を経て、プラスチック原料がペレット化される。また、条件変更等の時、可変速モータの設定変更をスムーズに行うための動作チャートもメインチャートに含まれる。
【0042】
次段階のストップチャートは、可変速モータの停止処理を自動的に行うため、最大6ステップで立ち下げるためのチャートである。ドライブストップを操作すると、上記各モータが順次停止され、補機モータBも停止される。
【0043】
最後に、エンドチャートでは、温度ストップ操作をすると、補機モータAの停止過程を経て、生産ラインを停止する。
【0044】
つぎに、このような生産ラインにおいて、全自動オートモードの自動立上げ運転動作について説明する。
図6に、全自動オートモード運転の詳細な運転チャートを示す。なお、図中上段の立上げ運転の順序(1)〜(7)は、図2及びその説明箇所に示された立上げ運転の順序(1)〜(7)に対応する。
【0045】
ここで、図6(a)のチャートは、押出機の全体温度を示し、図6(b)のチャートは、スクリュモータ103のドライブ(電流値、回転速度等)を示す。また、図6(c)〜(f)は、オートモードの状態、スクリュモータ103のドライブ制御の状態、温度制御状態、及びスタートアップ釦の状態についてをそれぞれ示すものである。
【0046】
全自動オートモードにおける立上げ運転は以下のようになる。
(1)まず、モード切替スイッチを「全自動モード」とする(図6(c)参照)。
(2)つぎに、スタートアップ釦を「ON」とする(図6(f)参照)。すると、スタートアップ釦のランプが点滅し、バレル温度が昇温開始される。
(3)バレル温度が所定値に達すると、「昇温完了」状態となる(図6(a)、(e)参照)。
(4)昇温完了時においては、スクリュ温度調整ポンプ及び潤滑油ポンプが起動される。また、昇温完了後の一定期間T1の間に、全体温度は一定温度に設定される(図6(a)、(e)参照)。
(5)一定時間T1後にドライブがスタートされ、このとき、単軸フィーダが起動される(図6(d)参照)。即ち、スタートチャートでは、スクリュモータ回転数が、例えば6段階のステップにより増加され、所望の値に達する。なお、スタートチャート後に変更チャートを実施することもできる(図6(b)参照)。スクリュモータ103及びフィーダモータ102等の駆動制御は、自動立上げデータに基づいて実行される。
(6)さらに、生産チャートでは、この所望の値に維持されて、生産を実行する(図6(b)参照)。なお、生産チャートでは、スタートアップ釦のランプは、例えば、点滅状態から点灯状態にすることにより、スタートチャートから生産チャートに移行したことを識別することができる。
【0047】
なお、潤滑油等の油圧ポンプは、手動動作等により駆動することもできる。
【0048】
以下に、「A.チャート設定方式」及び「B.プレイバック方式」に用いられる自動立上げデータによる自動立上げ動作ついて説明する。
(1)A.チャート設定方式
押出機の自動立上げ運転は、スタートアップ釦により開始される。スタートアップ釦が押下されると、スクリュモータ103及びフィーダモータ102が、予めセットされた要領で制御される。
【0049】
立上げ要領・条件・時間等は、記憶装置132の設定記憶部132aに記憶されているチャート設定データを用いる。
【0050】
このとき、一般に通常モードでは、バレル内が空きの状態であるか、又は原料が混入された状態であるかにより、運転条件が異なる。また、原料の状態により原料の流動性が変動する。そのため、オペレータが操作するときには、例えば、スクリュモータ103の電流、フィーダモータ102の電流、樹脂圧力計111の監視等が必要となる。しかしながら、全自動オートモードでは、これらの状態の変化をコントローラで監視することにより、オペレータと同様の判断を、自動的にすることが可能となる。
【0051】
プロセスコントローラ131は、チャート設定データに基づき、自動立上げプログラムを実行する。
(2)B.プレイバック方式について
ここでは、特に、押出機の駆動用可変速モータであるスクリュモータ103及び原料供給装置の可変速モータであるフィーダモータ102に着目して、以下に説明する。
【0052】
図7には、熟練されたオペレータが生産チャートまで立上げたときの典型的な運転チャートを示す。
【0053】
まず、本発明においては、熟練されたオペレータが立ち上げ運転を行った場合の要領等を編集して記憶する。この際、例えば、スクリュモータ103及びフィーダモータ102等の駆動データが、時系列的に自動立上げデータ(プレイバックデータ)として、プロセスコントローラ131により記憶装置132の履歴記憶部132bに記憶される。自動立上げデータとしては、ここでは、一例として、スクリュモータ103及びフィーダモータ102の各電流値、及び樹脂圧力値111を含んでいる。ここらの各データは、所定の計測器により検出されたデータである。
【0054】
図7においては、実線がスクリュモータ103の駆動チャート、又、波線がフィーダモータ102の駆動チャートをそれぞれ示す。例えば第1ステップにおいて、最初の1分間では、スクリュモータ103の回転数が増大し、その後1分から2分の間では一定値を維持する。スクリュモータ103が一定値である間に、フィーダモータ102の回転数を徐々に増加させる。つぎに、第2ステップにおいて、前半の2分から3分の間では、スクリュモータ103の回転数を増加し、一方、フィーダモータ102の回転数は一定値を維持するようにする。後半の3分から4分の間では、スクリュモータ103の回転数は一定値となり、フィーダモータ102は回転数を増加する。以下同様に第5ステップまでスクリュモータ103及びフィーダモータ102の各回転数を段階的に増加させている。
【0055】
このような立上げ運転チャートを、プレイバックデータとして履歴記憶部132bに記憶する。
【0056】
図8には、以上のように編集及び記憶された自動立上げデータに基づいて、プレイバック方式によりプロセスコントローラが自動立上げ運転を行った場合の運転チャートを示す。
【0057】
この場合は、一例として、履歴記憶部132bに記憶されているプレイバックデータが、図7に示す立上げ運転チャートのように5段階の一定状態を設けて、徐々に回転数等を増大させていく運転チャートを実現しているものとする。プロセスコントローラ131は、このプレイバックデータをロードし、このデータに基づき、自動立上げプログラムを実行する。
【0058】
すなわち、第1ステップである3分から5分の間においては、3分から4分の間にスクリュモータ103回転数を増加する。そして、4分から5分の間に、スクリュモータ103回転数を一定状態とし、一方、フィーダモータ102回転数を増加傾向とする。つぎに、第2ステップである5分から7分の間においては、5分から6分の間に、フィーダモータ102回転数を一定状態とし、一方、スクリュモータ103回転数を増加傾向とする。そして、6分から7分の間に、スクリュモータ103回転数を一定状態とし、一方、フィーダモータ102回転数を増加傾向とする。以下同様に、第3ステップ乃至第5ステップにおいて、スクリュモータ103及びフィーダモータ102の各回転数を、一定状態で維持する期間及び増加傾向とする期間を交互に設けることにより、段階的に生産チャートに移行させる。このようにして、最終的に、両モータが所定の電流値(又は、回転速度及びトルク)で駆動されることになる。
【0059】
このようにして、熟練したオペレータによる立上げ運転が再現される。
【0060】
つぎに、図9に、本発明に係るモータ駆動コントロール機能についてのフローチャートを示す。
【0061】
まず、スタートチャートにおいてプログラムが実行開始されると、第1ステップでは、スクリュモータ103とフィーダモータ102を起動する(S901、S903)。そして、スクリュモータ103の回転数を予め設定された自動立上げデータ等に基づき徐々にあげる。ここでステップ値nを「2」に設定する。
【0062】
つぎに、第2ステップにおいて、フィーダモータ102の回転数を徐々にあげていく(S907)。この状態において、スクリュモータ電流計112により、スクリュモータ103の負荷が、指定電流値(たとえば定格電流値の50%)を超えたら(S909)、一時的にフィーダモータ102の回転数を指定回転数まで下げる(S911)。そして、負荷が低下し、スクリュモータ103の電流値が下がり安定するまでの所定時間T2秒間この状態を保持する(S911)。T2秒間後、スクリュモータ103の負荷が指定電流値より下がっていれば次のステップへ進める。
【0063】
また、スクリュモータ103増速中(S907)、急激に樹脂圧が上昇し、指定圧力に達した場合は(S913)、スクリュモータ103の増速を中断し、樹脂圧が安定するまでの時間T3秒間そのスクリュモータ103の回転数を保持する(S915)。そして、T3秒後、指定圧力より下がっていれば、再度スクリュモータ103を増速させる。
【0064】
このようにして、所定のスクリュモータ電流及び樹脂圧力の状態で、タイマ等により一定時間第2ステップの動作を維持するよう繰り返す(S917)。
【0065】
一定時間後、ステップ数を増加し(S919)、次の第3ステップに、移行する。第3ステップ状態でも、第2ステップ状態と同様に、スクリュモータ電流及び樹脂圧力等により制御され、一定時間予め設定された状態が維持される。
【0066】
以下同様に、所定のステップ数、例えば、第5ステップ状態に達するまで、自動制御されると(S921)、自動立上げ運転を終了する。
【0067】
以上のように、本発明の実施の形態では、押出機を用いた生産ラインの立上げ運転システムについて説明したが、同様に立下げ運転システムについてもモータ駆動コントロール機能を備えることができる。すなわち、スクリューモータ回転数を段階的に減少させるときにスクリュモータ電流値と樹脂圧力値により、プレイバック方式によりプロセスコントローラが自動立下げ運転を行う。
【0068】
押出機に関しては、斜軸押出機、単軸又は二軸押出機等に適用できる。また、押出成形機に限らず、射出成形機、ブロー成形機、圧縮成形機等のあらゆる成形機に応用できる。さらに、成形機だけに限らず、一般の生産ラインにも応用できる。
【0069】
また、本発明の実施の形態では、スクリュモータ電流値及び樹脂圧力値のみを用いたが、これに限らず、フィーダモータ電流値、スクリュモータ、フィーダモータ等の各モータの回転速度又はトルク等適宜所望のデータを自動立上げデータとして用いることができる。このような様々なデータを用いることにより、熟練工等の立上げ運転パターンを精巧に再現することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、原料供給装置を有する押出機を使用した生産ラインにおける立上げ及び/又は立下げ運転は、従来、オペレータにより立ち上げ要領や時間等が異なり、また、初心者にとっては、手間がかかり難しいものであったが、本発明によると、押出機を所定の手順により、停止状態から原料供給及び生産状態まで自動的に立ち上げることができる。
【0071】
また、本発明によると、生産ラインを自動立上げ及び/又は立下げ運転する場合、熟練工でなくても同様の立上げ及び/又は立下げ運転を再現することにより、立上げ及び/又は立下げ運転を簡略化して、立上げ及び/又は立下げ運転時間を短時間として、立上げ及び/又は立下げ運転の省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の一形態にかかる押出成形機を用いた生産ラインの概略構成図。
【図2】押出機の動作を説明するための概略図。
【図3】本発明による自動立上げ運転システムの制御部30に関する構成図。
【図4】本発明に係る自動立上げ運転のフローチャート。
【図5】一般的な通常モードの生産ラインの運転チャートの概要図。
【図6】全自動オートモード運転の詳細な運転チャート。
【図7】熟練されたオペレータが生産チャートまで立上げたときの典型的な運転チャート。
【図8】プレイバック方式によりプロセスコントローラが自動立上げ運転を行った場合の運転チャート。
【図9】本発明に係るモータ駆動コントロール機能についてのフローチャート。
【符号の説明】
10 押出機
20 ペレタイザ部
30 制御部
102 フィーダモータ
103 スクリュモータ
105 バレル部
109 ヘッド部
111 樹脂圧力計
112 スクリュモータ電流計
114 フィーダモータ電流計
120 ペレタイザ
130 コントロールパネル
131 プロセスコントローラ
132 記憶装置
132a 設定記憶部
132b 履歴記憶部
Claims (4)
- 押出機を有する生産ラインに関し、前記押出機を停止状態から生産状態まで自動的に立上げる及び/又は逆に立下げるための生産ラインの自動運転システムであって、
オペレータにより立上げ及び/又は立下げ運転が実行された際に、前記立上げ及び/又は立下げ運転の動作を監視して所望の計測データを計測する監視手段と、
前記監視手段により検出された前記計測データに基づく自動立上げ及び/又は立下げデータをプレイバックデータとして記憶する第1の記憶手段と、
予め設定された運転パターンに従って自動立上げ及び/又は立下げ運転処理を実行するための自動立上げ及び/又は立下げデータをチャート設定データとして記憶する第2の記憶手段と、
自動立上げ及び/又は立下げ動作をチャート設定方式により実行するか又はプレイバック方式により実行するかを選択する選択手段と、
前記選択手段により前記チャート設定方式が選択された場合、前記第2の記憶手段から前記チャート設定データをロードし、一方、前記プレイバック方式が選択された場合、前記第1の記憶手段から前記プレイバックデータをロードし、ロードした前記チャート設定データ又は前記プレイバックデータに基づいて、自動立上げ及び/又は立下げ処理を実行する制御手段と、
を備えたことを特徴とする生産ラインの自動運転システム。 - 前記チャート設定データ又は前記プレイバックデータは、スクリュモータ電流値及び樹脂圧力値を含むことを特徴とする請求項1に記載の生産ラインの自動運転システム。
- 前記第1の記憶手段又は前記第2の記憶手段には、複数のプレイバックデータ又は複数のチャート設定データが記憶されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の生産ラインの自動運転システム。
- 前記複数のチャート設定データ又は前記複数のプレイバックデータの中から所望のチャート設定データ又は所望のプレイバックデータを選択するための第2の選択手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第2の選択手段により選択されたチャート設定データ又はプレイバックデータに基づいて自動立上げ及び/又は立下げ動作を実行すること、
を特徴とする請求項3に記載の生産ラインの自動運転システム。
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-
1996
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