JP3663785B2 - 農作業車の走行装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、農作業車の走行装置に関し、車体の左右水平制御と前後水平制御を可能とする状態において、湿田土壌面の状態に応じて複数の湿田モードを選択できるもの等の分野に属する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
湿田状態において、湿田選択手段により湿田モードに切り替えて、農作業車を後進させるとき、土壌面の軟弱状態によって走行装置が土壌面から沈下し、その駆動反力によって車体の後部が持ち上がるが、このような状態時に、該湿田選択手段が単一の湿田モードの場合では、土壌面の軟弱度合が重度で走行装置の駆動反力が過大になったときは、車体の後部が大きく持ち上がり前部が土壌面に接当する前傾姿勢となって、後進に支障をきたす恐れがある。特に、農作業車としてのコンバイン等において、穀粒タンク内に穀粒が貯留されている場合等には、この車体の前傾現象が顕著に現れ、刈取装置の下部側が土壌面に潜り込むため刈刃部等に泥土が詰まり易く、次からの刈取作業に支障をきたすと共に、そのメンテナンス等に時間をとられ作業効率が著しく低下することになる。なお、最悪の状態においては刈刃部等を損傷する恐れがある。
【0003】
そこでこの発明は、湿田における農作業車の後進時に、土壌面の軟弱状態が変化しても複数の湿田モードを有する湿田選択手段の切り替えによって、車体が前傾姿勢となってその前部が土壌面へ接当することを防止する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、車体1の左右傾斜及び車高を調節する左右水平制御手段2と、車体1の前後傾斜を調節する前後水平制御手段3と、車体1の後進状態を検出する後進検出手段4と、湿田土壌面の軟弱状態に応じ複数の湿田モードを選択切り替え可能な湿田選択手段5とを有する農作業車において、該湿田選択手段5で軽度の土壌面の軟弱度合いが設定されている場合は、前記後進検出手段4が車体1の後進状態を検出すると、前記左右水平制御手段2により車体1を所定高さまで上昇させる構成とし、前記湿田選択手段5で重度の土壌面の軟弱度合いが設定されている場合は、この湿田選択手段5が重度の土壌面の軟弱度合いを設定したことに基づいて、前記左右水平制御手段2により車体1を最上げ車高位置まで上昇させるように構成したことを特徴とする農作業車の走行装置の構成とする。
【0005】
【作用】
上記の構成により、湿田における農作業車の作業時に、車体1を後進させるとき、軟弱な土壌面のため走行装置が沈下して駆動反力が大となり、車体1の後部が持ち上がり前部が土壌面に接当する前傾姿勢となるときは、例えば、ロータリ式の湿田選択手段5により、土壌面の軟弱状態に応じて複数の湿田モードの中から、最も適切な湿田モードを選択して回動切り替えを行う。
【0006】
この切り替えは、例えば、土壌面の軟弱度合が軽度の場合に設定する湿田モードでは、後進検出手段4による後進の検出により、予めコントローラ等に設定されている車高位置、特に農作業車としてのコンバイン等においては、刈取装置の刈刃部等が土壌面に接当して泥土中へ潜ることを回避可能な車高位置まで、左右水平制御手段2により車体1を自動的に上昇させる。
【0007】
また、土壌面の軟弱度合が重度の場合に設定する湿田モードでは、湿田モードの設定により、左右水平制御手段2により車体1を自動的に最上げ車高位置まで上昇させる。
これらの湿田選択手段5による湿田モードの設定は、上記以外にも種々の湿田モードを設定することが可能である。
【0008】
【発明の効果】
このように、土壌面の軟弱度合が軽度や重度に種々に変化しても、湿田選択手段5の切り替え操作により、複数の湿田モードの中から適切な湿田モードを選択して、車体1の車高位置の上昇を行うことにより、後進時の駆動反力によって車体1が前傾姿勢となりその前端部が土壌面に接当し、特にコンバイン等において刈取装置の刈刃部等が泥土中に潜り、次からの刈取作業に支障をきたすが如き不具合を防止することができるから、湿田における作業条件の適応性を拡大して作業性を向上できると共に、複数の湿田モードを切り替えるために複数のスイッチ類を設ける必要がなく構成が容易となり、車体1の上昇を自動的に処理することができるからオペレータの操作も容易となる。
【0009】
【実施例】
以下に、この発明の実施例を農作業車として穀類の収穫を行うコンバインについて図面に基づき説明する。
コンバインの走行フレーム6の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クロ−ラ7を有する走行装置8を配設し、該走行フレーム6上にフィ−ドチェン9に挟持して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留する穀粒タンク10を備えた脱穀装置11を載設する。この脱穀装置11の前方側に前端位置から立毛穀稈を分草する分草体12と、分草された穀稈を引き起こす引起部13と、引き起こされた穀稈を刈り取る刈刃部14と、この刈り取られた穀稈を後方側へ搬送しながら横倒れ姿勢に変更して該フィ−ドチェン9へ受渡しする、掻込搬送部15を有する刈取装置16を、走行フレーム6の前端部へ懸架部17によって懸架支持すると共に、油圧駆動による昇降シリンダ18によって土壌面に対し昇降自在に装架して設ける。
【0010】
該刈取装置16の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置19と、この操作のための操作席20とを設け、この操作席20の後方側に該穀粒タンク10を配置すると共に、これらの走行装置8,脱穀装置11,刈取装置16,操作装置19等によってコンバインの車体1を構成する。
前記走行フレーム6の中央左右側に縦方向に固着した左右の縦フレ−ム21の前側下部に支持枠22を各々設け、この左右の支持枠22にローリングメタル23を固定し、この左右のローリングメタル23に回動可能に軸支した前部ローリング軸24の内側端部と外側端部に、各々上部アーム25aと下部アーム25bとを側面視く字状に軸止して前部ローリングアーム25を形成し、この左右の前部ローリングアーム25の下部アーム25bの下端部位置と、左右の縦フレ−ム21の外側下方に各々位置する左右の転輪フレーム26の前部側位置とを回動可能にピン27により連結して構成する。
【0011】
該左右の縦フレ−ム21の後側下部に各々固定したピッチングメタル28にピッチング軸29を回動可能に軸支し、このピッチング軸29の左右側に各々左右のピッチングアーム30の一端部を軸止すると共に、その他端部と、平面視H字状の連結アーム31の左右側一端部とを回動可能にピン32により連結する。左右の後部ローリング軸33の内側端部と外側端部に、各々上部アーム34aと下部アーム34bとを側面視く字状に軸止して後部ローリングアーム34を形成すると共に、該左右の後部ローリング軸33の上部アーム34aと下部アーム34bの間に該連結アーム31の左右側他端部を各々回動可能に軸支する。該左右の後部ローリングアーム34の下部アーム34bの下端部位置と、該左右の転輪フレーム26の後部側位置とを回動可能にピン35により連結して構成する。
【0012】
該右のピッチングアーム30の他端部側を上方へ延長し、その上端部と、油圧等によって伸縮作用するピッチングシリンダ36の可動側ピストン36aの先端部とをピン連結すると共に、このピッチングシリンダ36の固定側を右の縦フレ−ム21の上側突起部に回動可能にピン連結する。該左右の前部ローリングアーム25の上部アーム25aの上端部と、該左右の後部ローリングアーム34の上部アーム34aの中間部とを各々4点平行リンクを形成可能に左右の連結杆37によって回動可能にピン連結して構成する。
該左右の後部ローリングアーム34の上部アーム34aを、連結杆37の連結位置より更に上方側へ延長し、その上端部と、油圧等によって伸縮作用する左右のローリングシリンダ38の可動側ピストン38aの先端部とをピン連結すると共に、この左右のローリングシリンダ38の固定側と、左右のピッチングアーム30の他端部から突出させた突起部とを、帯状の保持板39により各々両側より挾む状態で回動可能にピン連結し、この連結部をリンク39aを介して揺動可能に該左右の縦フレーム21に各々連結して構成する。
【0013】
このように、該左右の前部及び後部ローリングアーム25,34と、左右のローリングシリンダ38等の作用により、車体1を昇降又は左右傾斜させるローリング制御による左右水平制御手段2を構成すると共に、該ピッチングアーム30とピッチングシリンダ36等の作用により、車体1を前後傾斜させるピッチング制御による前後水平制御手段3を構成する。
【0014】
前記左右の転輪フレーム26の後端上部側に、各々左右の後部転輪40を回動可能に支持する後部転輪受41aが、前後調節可能に保持される支持ア−ム41を後方に向け固着すると共に、該左右の転輪フレーム26の外側面下部側に、各々所定の間隔をおいて複数個の接地転輪42を遊転自在に軸支する。これら左右の後部転輪40及び複数個の接地転輪42と、走行フレーム6の前端部に装架した走行用ミッションケ−ス43から動力を伝達する駆動輪44とに、前記左右の走行クロ−ラ7を各々巻掛け張設して構成する。42aは補助転輪を示す。
【0015】
該ピッチングシリンダ36の伸縮ストロークを検出する前後ストロークセンサ45を該シリンダ36に隣接して設け、このセンサ45の作用アームとピッチングアーム30の上端部近傍とをロット45aにより連結すると共に、該左右のローリングシリンダ38の伸縮ストロークを検出する左右ストロークセンサ46を該左右のシリンダ38上に設け、このセンサ46の作用アームとローリングアーム38の上端連結部とをロット46aにより各々連結して構成する。
【0016】
車体1のピッチング作用による前後傾斜を検出する前後傾斜センサ47と、車体1のローリング作用による左右傾斜を検出する左右傾斜センサ48とを、前記穀粒タンク10の下部側空間の走行フレーム6に配置すると共に、車体1の後進状態を検出する後進検出手段4(後進スイッチ)を、主変速レバー49の後進操作により検出可能な位置に係合配置すると共に、車速を検出する車速センサ50を該ミッションケース43の伝動経路に係合配置して構成する。
【0017】
土壌面の軟弱度合いが軽度の場合を湿田モードA、重度の場合を湿田モードBとして湿田の状態に応じ適宜選択切り替えする、図2に示す如きロータリー式の湿田選択手段5(湿田スイッチ)と、該前後及び左右傾斜センサ47,48による傾斜状態の検出により車体1の前後水平制御と左右水平制御を自動的に行わせる前後スイッチ51及び左右スイッチ52と、車体1を前記走行装置8に対して自動的に昇降させる車高スイッチ53及び手動により昇降させる車高手動スイッチ54と、車体1を前後左右に適宜に傾斜させる4箇の押ボタンからなる手動の傾斜スイッチ55と、前記刈取装置16を土壌面に対して昇降させる刈取上下スイッチ56を係合作用させるパワステレバー57と、前記脱穀装置11及び刈取装置16の作用を検出させる刈脱スイッチ58を係合する刈脱レバー59と、該主変速レバー49とを各々前記操作装置19の一側に配置して構成する。
【0018】
CPUを主体として車体1の車高や傾斜状態と車速の演算制御を行うコントローラ60を該操作装置19の近傍に内装し、図3に示す如く、該コントローラ60の入力側に、前記湿田スイッチ5(湿田選択手段),後進スイッチ4(後進検出手段),前後ストロークセンサ45,両左右ストロークセンサ46,前後傾斜センサ47,左右傾斜センサ48,車速センサ50,前後スイッチ51,左右スイッチ52,車高スイッチ53,車高手動スイッチ54,傾斜スイッチ55,刈取上下スイッチ56,刈脱スイッチ58等を各々接続すると共に、出力側へ、前記ピッチングシリンダ36を作動させる伸長側のピッチング電磁弁61と短縮側のピッチング電磁弁62,左右のローリングシリンダ38を作動させる伸長側の左右のローリング電磁弁63と短縮側の左右のローリング電磁弁64,アンロード弁65等を各々接続して構成する。
【0019】
車体1がローリングを起こして左右側に傾斜するときは、ローリング制御による左右水平制御手段2により、左右スイッチ52のONと左右傾斜センサ48による傾斜の検出によって、コントローラ60の制御により左又は右のローリングシリンダ38を作動して、前部及び後部ローリングアーム25,34と連結杆37による平行リンク作用により左又は右の転輪フレーム26を平行に上下動させて、走行フレーム6に対し左又は右の走行クロ−ラ7を昇降させることにより、相対的に車体1を左右傾斜させて水平状態に調整することができる。
【0020】
車体1がピッチングを起こして前後側に傾斜するときは、ピッチング制御による前後水平制御手段3により、前後スイッチ51のONと前後傾斜センサ47による傾斜の検出によって、コントローラ60の制御によりピッチングシリンダ36を作動して、ピッチングアーム30の上下回動作用により、連結アーム31を介して左右の後部ローリングアーム34を昇降させ、この後部ローリングアーム34により左右の転輪フレーム26の後部側を前部ローリング軸24を支点として上下動させて、走行フレーム6に対して左右の走行クロ−ラ7を同時に昇降させることにより、相対的に車体1を前後傾斜させて水平状態に調整することができる。
【0021】
車体1を走行クロ−ラ7に対して平行に昇降させるときは、車高手動スイッチ54のONにより左右のローリングシリンダ38を同時に同量作動させ、左右の両ローリングアーム25,34の上下回動作用により、左右の転輪フレーム26を平行に上下動させて、走行フレーム6に対して左右の走行クロ−ラ7を同一に昇降させることにより、相対的に車体1を平行に昇降させることができる。
【0022】
湿田におけるコンバインの作業時に、土壌面の軟弱度合いが軽度の場合は湿田スイッチ5(湿田選択手段)を湿田モードA側に切り替えて、刈脱レバー59の入り操作により刈脱スイッチ58がONし、前後スイッチ51と左右スイッチ52及び車高スイッチ53をONし、パワステレバー57の操作による刈取上下スイッチ56のONにより刈取装置16を上昇させた状態において、図1のフローチャートに示す如く、主変速レバー49を前進から後進へ切り替え操作したときは、後進スイッチ4(後進検出手段)がONすると共に、コントローラ60に設定される、車体1の前上げ傾斜時に走行フレーム6後部と走行クローラ7とが干渉しない車高位置まで上昇させる。
【0023】
この設定車高位置への上昇は、左右のローリングシリンダ38を同時に同量伸長作動させ、左右の両ローリングアーム25,34の下方回動作用により、左右の転輪フレーム26を平行に下動させて、走行フレーム6に対して左右の走行クロ−ラ7を下降させることにより、相対的に車体1を走行装置8に対して平行に上昇させる。
この車体1の上昇確認により、自動的にピッチングシリンダ36を伸長してピッチングアーム30を回動させ、このピッチングアーム30から連結アーム31を介して左右の後部ローリング軸33により後部ローリングアーム34を上昇作用させて、このローリングアーム34により左右の転輪フレーム26を引き上げて、相対的に車体1を走行装置8に対して前上げ傾斜させる。この前上げ傾斜時におけるピッチングシリンダ36の伸長作用を、前後ストロークセンサ45によるストロークエンドの検出により前上げ最上傾斜位置に停止させる。
【0024】
更に、前上げ傾斜の確認により、自動的に左右のローリングシリンダ38を伸長して前部及び後部ローリングアーム25,34を回動させ、この両ローリングアーム25,34により左右の転輪フレームを均等に押し下げて、相対的に車体1を左右のストロークセンサ46によるストロークエンドの検出により最上げ車高位置まで上昇させる。
【0025】
次に、土壌面の軟弱度合いが重度の場合は湿田スイッチ5(湿田選択手段)を湿田モードB側に切り替えることにより、前記の要領で車体1を最上げ車高位置まで上昇させた状態とし、後進スイッチ4(後進検出手段)がONしたときは、車体1を前上げ最上傾斜位置とした後、最上げ車高位置まで上昇させる。これらの前上げ傾斜と最上げ車高位置の状態は後進時持続させる。
【0026】
なお、設定車高位置が低くそのまま前上げ傾斜させたときは走行フレーム6の後部と走行クローラ7との干渉が、前後ストロークセンサ45の検出位置からコントローラ60によって算出されるときは、この設定車高位置を干渉回避可能な位置まで自動的に上昇変更させる。
このように、湿田におけるコンバインの作業時に車体1を後進させるとき、軟弱な土壌面のため車体1が沈下して駆動反力が大となり、車体1の後部が持ち上がり刈取装置16の前部が土壌面に接当する前傾姿勢となるが、特に、この傾向は穀粒タンク10内に穀粒が貯留されている場合に顕著に現れるが、このとき、複数の湿田モードA,Bを湿田スイッチ5(湿田選択手段)の操作により切り替え選択して、車体1の車高位置の上昇と前上げ傾斜を行うことにより、後進時の駆動反力で車体1が前傾姿勢となっても刈取装置16の刈刃部14や掻込搬送部15の前端側が、泥土中に潜り次からの刈取作業に支障をきたすが如き不具合を防止することができるから、湿田における作業条件の適応性を拡大して作業性を向上できると共に、複数の湿田モードA,Bを切り替えるために複数のスイッチ類を設ける必要がなく構成が簡単となる。
【0027】
なお、軟弱度合いが軽度の湿田モードAにおいては、車体1の前上げ傾斜を行った後、更に二段的に車高を最上げ車高位置まで上昇させることにより、最初の後進検出時には車体1の上昇を必要最小限に止めて、素早く前上げ傾斜を行うことができるから、作業効率の低下を極力防止することができる。
また、前記複数の湿田モードA,Bを選択切り替えする湿田スイッチ5(湿田選択手段)を、単なる湿田時における切替のみを行う湿田スイッチ5とすることにより、この湿田スイッチ5をONしたときは、図7のフローチャートに示す如く、前記刈脱スイッチ58と前後スイッチ51及び車高スイッチ53をONした状態において、前記後進スイッチ4(後進検出手段)がONしたときは、車体1を前上げ最上傾斜させ、続いて前記左右スイッチ52をONさせたときは、車体1を前上げ最上傾斜位置に加え最上げ車高位置となるよう制御を行わせるようにしてもよい。
【0028】
また、単なる湿田時における切替のみを行う該湿田スイッチ5をONしたときに、図8のフローチャートに示す如く、該刈脱スイッチ58と左右スイッチ52及び車高スイッチ53をONした状態において、該後進スイッチ4がONしたときは、車体1を最上げ車高位置に上昇させ、続いて該前後スイッチ51をONさせたときは、車体1を最上げ車高位置に加え前上げ最上傾斜位置となるよう制御を行わせるようにしてもよい。
【0029】
このように、湿田土壌面の軟弱状態に応じて、該前後スイッチ51及び左右スイッチ52を選択ONし、複数の湿田モードを切り替え作用させることにより、特別に複数の湿田モードA,Bを切り替え選択する前記の如き、湿田スイッチ5(湿田選択手段)を必要としないから、構成が容易でありながら、湿田における作業条件の適応性を拡大して作業性を向上させることができる。
【0030】
また、図9は、前記走行装置8における左右の転輪フレーム26を、前部ローリングアーム25と後部ローリングアーム34により昇降作用させる状態を線図で示したものであるが、この線図では、該後部ローリングアーム34を、前部ローリングアーム25の下部アーム25bより長く形成した下部アーム34cとしている構成と、後部ローリング軸33を前部ローリング軸24と同じく固定のローリングメタル66に軸支している構成と、後部ローリングアーム34の下部アーム34c下端部と転輪フレーム26とを中間リンク67によりピン35,ピン68により各々連結する構成と、ピッチング制御系統を省略した構成とが上記実施例と異なる部分である。
【0031】
このような構成において、前記左右傾斜センサ48の検出値とストロークセンサ46の検出値とによって左右のローリングシリンダ38を伸縮作用させ、前部及び後部ローリングアーム25,34を、前部及び後部ローリング軸24,33を支点として上下回動させることにより、前部ローリングアーム25による車高上昇量aに対し、後部ローリングアーム34では車高上昇量aにピッチング上昇量bを加算した上昇量となるため、前記前後傾斜センサ47を使用せず該左右傾斜センサ48のみの検出値により、ローリングシリンダ38を作用させて、ローリング制御による車高の昇降と同時にピッチング制御を兼ねさせることができるから、構成が簡単で制御が容易であると共に安価であり、制御時間もピッチング制御系統を省略した分だけ短くできる。
【0032】
なお、該後部ローリングアーム34の下部アーム34c部分が長いため、車高を上昇したときに前記走行フレーム6の下方側のスペースが大きく確保できるから湿田走行性能が向上する。
また、上記と異なる実施例として、図10に示す如く、各転輪類を支架する左右の転輪フレーム69の前端部を、固定された左右の前部メタル70に各々軸支すると共に、その後端部を、中間リンク71を介して左右のピッチング下部アーム72の先端部と各々接続する。該左右のピッチング下部アーム72の回動軸心部をフレームに固定の左右のピッチングメタル73にピッチング軸74により連結軸支し、このピッチング軸74の適宜位置から上方に向けて単一のピッチング上部アーム75を延長すると共に、このピッチング上部アーム75の上端部と、油圧等により伸縮作用させる単一のピッチングシリンダ76のピストン76aの先端部とをピン連結して構成する。このような構成により、左右側に各々設けたピッチング下部アーム72を、単一のピッチング上部アーム75を介して単一のピッチングシリンダ76の作用で上下回動させて、転輪フレーム69を昇降させる簡素な構成とすることにより、構成が容易で安価となる。
【0033】
また、前記のピッチング制御を行う転輪フレーム69を右側のみとし、左側の転輪フレーム69を固定して構成することにより、穀粒タンク(右側)等に穀粒が充填されたときにバランスが大きく変わっても、このバランスの変化が大きい穀粒タンク側のみピッチング制御を行うことによりバランスの修正を行うことができるから、最小限の安価な制御ながら効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 後進時に湿田選択手段の選択切り替えにより車体を傾斜又は昇降させる手順を
示すフローチャート。
【図2】 湿田選択手段(湿田スイッチ)の構造を示す平面図。
【図3】 車体水平及び車体昇降の自動制御を行う電気回路を示すブロック図。
【図4】 走行装置における走行クロ−ラの昇降機構を示す側面図。
【図5】 走行装置における走行クロ−ラの昇降機構を示す平面図。
【図6】 コンバインの全体を示す側面図。
【図7】 後進時に車体を傾斜又は昇降させる手順を示すフローチャート。
【図8】 後進時に車体を傾斜又は昇降させる手順を示すフローチャート。
【図9】 走行装置における転輪フレームの昇降作用を示す側面線図。
【図10】 走行装置における転輪フレームの昇降機構を示す側面概略図。
【符号の説明】
1…車体、2…左右水平制御手段、3…前後水平制御手段、4…後進検出手段、5…湿田選択手段。
Claims (1)
- 車体1の左右傾斜及び車高を調節する左右水平制御手段2と、車体1の前後傾斜を調節する前後水平制御手段3と、車体1の後進状態を検出する後進検出手段4と、湿田土壌面の軟弱状態に応じ複数の湿田モードを選択切り替え可能な湿田選択手段5とを有する農作業車において、該湿田選択手段5で軽度の土壌面の軟弱度合いが設定されている場合は、前記後進検出手段4が車体1の後進状態を検出すると、前記左右水平制御手段2により車体1を所定高さまで上昇させる構成とし、前記湿田選択手段5で重度の土壌面の軟弱度合いが設定されている場合は、この湿田選択手段5が重度の土壌面の軟弱度合いを設定したことに基づいて、前記左右水平制御手段2により車体1を最上げ車高位置まで上昇させるように構成したことを特徴とする農作業車の走行装置。
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| JP28830896A JP3663785B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 農作業車の走行装置 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28830896A Expired - Lifetime JP3663785B2 (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 農作業車の走行装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3663785B2 (ja) |
-
1996
- 1996-10-30 JP JP28830896A patent/JP3663785B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10127147A (ja) | 1998-05-19 |
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