JP3664543B2 - 使い捨ての不織布製マスク - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、歯科医師や食品製造現場の作業者等が使用するのに好適な使い捨てのマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−275384号公報に記載された不織布製の使い捨てマスクは、顔面に当接する前方部分が低伸縮性不織布により、耳に掛回する後方部分が高伸縮性不織布により構成されている。この高伸縮性不織布は、熱捲縮性の複合繊維を含むウエブを熱処理することによって得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
捲縮した繊維を含む不織布は、それを重ね合わせるとそれぞれの不織布の捲縮した繊維が互いに絡み合って、剥がしにくくなる。耳に掛回する部分がこのような不織布からなる前記公知のマスクは、それが重ね合わせてあると、当該部分においてマスクを一枚ずつ識別することが難しい。そのために、例えば複数枚のマスクが梱包してある箱の中からマスクを一枚だけ正確かつ速やかに取り出すことが難しい場合がある。
【0004】
そこで、この発明は、重ね合わせた不織布製マスクを一枚ずつ容易に摘持できるようにすることを課題にしている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためのこの発明が要旨とするところは、左右方向を前後にして重なり合う実質的に2枚の不織布が熱溶融性の合成繊維を含み、それらの前方側縁部と後方側縁部とにおいて接合された環状体のマスクにおいて、前記前方側縁部とその近傍とが着用者顔面の所要部位を被覆可能に形成され、かつ、前記後方側縁部とその近傍とが着用者頭部に掛回可能に形成され、前記後方側縁部における接合部位の上下方向の所要範囲が、該範囲の上下に位置する前記後方側縁部の残余の部位よりもさらに後方へ延出し、その延出部分で内面どうしが向かい合う前記2枚の不織布に含まれる合成繊維が溶融、固化されていることを特徴とする使い捨ての不織布製マスク、にある。
【0006】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、この発明に係る使い捨てマスクの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0007】
図1,2は、前後が左右方向にあるマスク1の部分破断平面図と、そのマスク1が使用状態にあるときの斜視図である。ただし、図2においてマスク着用者の図示は省略されている。マスク1は、同形同大の2枚の不織布1A,1Bを重ね合わせ、それら不織布1A,1Bをマスク1の前縁部5と、後縁部6とにおいて接合することにより構成されている。後縁部6は、中間部13と、その上下に位置する上部16と下部17とによって構成され、中間部13は、上下部16,17よりもさらに後方へ延出し、その延出部分6Aにおいて不織布1A,1Bが接合している。かかるマスク1は、2枚の不織布1A,1Bが環状体を形成し、前縁部5とその近傍とが着用者の口や鼻を覆う被覆部2を形成し、後縁部6とその近傍とが頭部に掛回するためのバンド部3を形成している。不織布1A,1Bは、熱溶融性の合成繊維を30重量%以上、より好ましくは、捲縮して伸縮性を示す熱溶融性の合成繊維を30重量%以上、さらに好ましくは、複合繊維を熱処理することによって得られる捲縮した伸縮性の合成繊維を30重量%以上含む伸縮性のものである。互いに接合する前縁部5と延出部分6Aとでは、加熱加圧下にこれらの繊維が溶融、固化した状態にある。それゆえ、これら接合部5,6Aでは、不織布1A,1Bが薄い一枚のフィルム状のものと化し、不織布1A,1Bに比べ高い剛性を有している。
【0008】
図3は、複数枚のマスク1を外形を揃えて重ね合わせたときの後縁部6の側面図である。後縁部6では、不織布1A,1Bが重なり合い、延出部分6Aは、不織布1Aと1Bの厚みだけ互いに離間している。図示してはいないが、前縁部5とその近傍の側面形状も、図3と同様である。このように重なり合うマスク1では、不織布1Aと1Bの繊維が絡み合って密着することがあるから、不織布一枚ずつを識別して摘持することが難しい。しかしながら、フィルム状の前縁部5や延出部分6Aは、互いに離間しているから摘持が容易である。特に、部分6Aは、その近傍の上下部分16,17の不織布部分よりも後方へ延出しているから、当該部分の存在がよく目立ち、摘持することが前縁部5よりもはるかに容易である。
【0009】
図4は、この発明の一実施形態を示す図1と同様の図面である。マスク1の後縁部6は、延出部分6Aに加え、上部16や下部17の多数のドットを施した縁部16A,17Aで接合していてもよい。
【0010】
図5,6もまた、この発明の実施形態を例示するマスク1の部分破断平面図と、それが使用状態にあるときの斜視図である。このマスク1では、被覆部2が、重ね合わせた同形同大の相対的に非伸縮性または低伸縮性の不織布4A,4Bを前縁部5で接合することにより形成されている。バンド部3は、重ね合わせた同形同大の相対的に高伸縮性の不織布9A,9Bからなり、これら不織布9A,9Bが後縁の延出部分6Aで接合している。かかる不織布9A,9Bには、図1のマスク1に使用される伸縮性不織布1A,1Bを使用することができる。被覆部2とバンド部3の不織布4A,4Bと9A,9Bとは、マスク1の前後方向の中間部分10において、不織布4A,4Bが外側となるように重なり合い、接合している。
【0011】
バンド部3は、図5に示すように、それぞれの不織布9A,9Bに、それらを貫通する第1と第2のカットライン11,12を施すことによって得られる。第1カットライン11は、マスク1の前縁部5から後縁部6に向かって開口するコの字型(または逆コの字型)のラインであって、マスク1の上下において前後方向に並行して延びるカットライン部分11A,11Bと、上下方向に延びるカットライン部分11Cとによって構成されている。第2カットライン12は、第1カットライン11のコの字型の内側にあって、カットライン部分11A,11Bに並行するとともに、互いに並行するカットライン部分12Aと12Bとによって構成されている。カットライン部分12Aと12Bとによって挟まれた部分は中間部13であって、この中間部13は、カットライン部分12Aの上方と、カットライン12Bの下方とに位置する上下部分16,17よりもさらに後方へ延出し、その延出部分6Aにおいて不織布9A,9Bが互いに接合している。
【0012】
このように構成された図5のマスク1では、延出部分6Aを後方へ引っ張るとバンド部3が後方へ伸展し、マスク1が図6に示す環状体となって、着用者頭部に掛回可能になる。バンド部3は、被覆部2近傍で二条をなし、後頭部中央近傍で一条をなす。被覆部2に使用する不織布4A,4Bおよびバンド部3に使用する不織布9A,9Bは、加熱加圧下に不織布が互いに溶着して前縁部5や中間部分10,延出部分6Aを形成し得るように、熱溶融性の合成繊維を30重量%以上含むことが好ましい。このマスク1において、不織布4Aと4B,9Aと9Bとが接合している前縁部5と延出部分6Aとは、図1のマスク1と同様に作用し、同様な効果を奏する。加えて、このマスク1では、バンド部3が後方へ長く伸展可能であるから、図1のマスク1に比べ、バンド部3として使用する不織布の量が少なくて済むという利点が得られる。また、バンド部3の延出部分6Aは、そこだけがフィルム状となって後方へ延出しているから、複数枚重ねたマスク1の一枚ずつの摘持を容易にするだけでなく、バンド部3の伸展操作をも容易にする。また、このマスク1を製造するときには、重ね合わせた不織布9A,9Bに第1、第2カットライン11,12を施した後、または施す前に、後方への延出部分6Aを溶着すればバンド部3を形成することができる。このような溶着によれば、延出部分6A以外の部位を不必要に溶着するおそれがない。
【0013】
図7,8もまた、この発明の実施形態を示す図5,6と同様の図面である。このマスク1では、並行する第2カットライン部分12A,12B間に、これら部分12A,12Bと並行し、延出部分6Aから第1カットラインの部分11Cにまで延びる第3カットライン21が施され、図5の場合の延出部分6Aを含む後縁中間部13が上下に二分されている。それによって延出部分6Bと6C、および不織布部分13Aと13Bとが形成されている。延出部分6B,6Cそれぞれを摘持してバンド部3を後方へ伸展すると、図8に示すように、バンド部3はそのほぼ全体が上下二条に分かれる。
【0014】
【発明の効果】
この発明に係る使い捨てマスクは、重ね合わせた不織布を前縁部と後縁中間部とにおいて接合し、後縁中間部を残余の部分よりも後方へ延出させたから、複数枚のマスクを外形を揃えて重ね合わせても、マスクを一枚ずつ正確かつ速やかに摘持することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 使い捨てマスクの部分破断平面図。
【図2】 使用状態にある使い捨てマスクの斜視図。
【図3】 重ねたマスクの要部側面図。
【図4】 実施形態の一例を示すマスクの平面図。
【図5】 実施形態の他の一例を示すマスクの平面図。
【図6】 使用状態にある図5のマスクの斜視図。
【図7】 実施形態のさらに他の一例を示すマスクの平面図。
【図8】 使用状態にある図7のマスクの斜視図。
【符号の説明】
1 使い捨てマスク
1A,1B 不織布
4A,4B 不織布
5 前縁部
6 後縁部
6A 延出部分
9A,9B 不織布
11 第1カットライン
12,12A,12B 第2カットライン
21 第3カットライン
Claims (4)
- 左右方向を前後にして重なり合う実質的に2枚の不織布が熱溶融性の合成繊維を含み、それらの前方側縁部と後方側縁部とにおいて接合された環状体のマスクにおいて、前記前方側縁部とその近傍とが着用者顔面の所要部位を被覆可能に形成され、かつ、前記後方側縁部とその近傍とが着用者頭部に掛回可能に形成され、前記後方側縁部における接合部位の上下方向の所要範囲が、該範囲の上下に位置する前記後方側縁部の残余の部位よりもさらに後方へ延出し、その延出部分で内面どうしが向かい合う前記2枚の不織布に含まれる合成繊維が溶融、固化されていることを特徴とする使い捨ての不織布製マスク。
- 前記重なり合う不織布それぞれの前記後方側縁部近傍に、該不織布を貫通し、前記前方から後方へ向かって開口するほぼコの字型の第1カットラインと、該コの字型の内側にあって、該コの字の上下のカットライン部分と平行し前記後方側縁部の縁にまで延びる互いに平行な二条の第2カットラインとが施され、前記二条の第2カットラインに挟まれた不織布部分が、該第2カットラインの上下それぞれに位置する部位よりもさらに後方へ延出し、その延出部分に前記後方側縁部における接合が施されている請求項1に記載のマスク。
- 前記第2カットラインに挟まれた不織布部分が、該不織布部分の延出端から前記コの字型の第1カットラインのうちの上下方向に延びるカットライン部分にまで延びる第3カットラインによって、上下に二分されている請求項2に記載のマスク。
- 前記前方側縁部とその近傍とが相対的に非伸縮性および低伸縮性いずれかの不織布により構成され、前記後方側縁部とその近傍とが相対的に高伸縮性の不織布により構成され、これら両不織布が前記前後側縁部の中間において接合することにより、前記重なり合う実質的に2枚の不織布のそれぞれが形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のマスク。
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-
1996
- 1996-05-31 JP JP13916596A patent/JP3664543B2/ja not_active Expired - Lifetime
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